以下に、本開示の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、電子写真感光体を単に感光体ともいう。
<電子写真感光体>
本実施形態に係る感光体は、導電性基体と、導電性基体上に配置された下引層と、下引層上に配置された感光層とを備え、下引層が、後述の一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物と、後述の一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、一般式(5)で表される化合物、一般式(6)で表される化合物、一般式(7)で表される化合物、一般式(8)で表される化合物、一般式(9)で表される化合物、一般式(10)で表される化合物、一般式(11)で表される化合物、一般式(12)で表される化合物、一般式(13)で表される化合物、一般式(14)で表される化合物及び一般式(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアクセプター化合物と、を含有する。
本開示において、一般式(1)で表される化合物をペリノン化合物(1)ともいい、一般式(2)で表される化合物をペリノン化合物(2)ともいう。
ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の少なくともいずれかを含有する下引層を備えた感光体は、詳細なメカニズムは不明であるが、画像を繰り返し形成したときに光感度が低下することがあった。
本発明者らが検討したところ、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の少なくともいずれかと、一般式(3)~(15)のいずれかで表される化合物から選択される少なくとも1種のアクセプター化合物とを含有する下引層を備えた感光体は、画像を繰り返し形成しても光感度が低下しにくいことがわかった。
また、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の少なくともいずれかと、一般式(3)~(15)のいずれかで表される化合物から選択される少なくとも1種のアクセプター化合物とを含有する下引層を備えた感光体は、画像を繰り返し形成しても残留電位が上昇しにくいことがわかった。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る感光体を説明する。
図1は、本実施形態に係る感光体の層構成の一例を概略的に示している。図1に示す感光体7Aは、導電性基体4上に、下引層1、電荷発生層2、及び電荷輸送層3が、この順序で積層された構造を有する。電荷発生層2及び電荷輸送層3が感光層5を構成している。感光体7Aは、電荷輸送層3上に、さらに保護層が設けられた層構成であってもよい。
本実施形態に係る感光体は、図1に示す感光体7Aのように電荷発生層2と電荷輸送層3とが分離した機能分離型であってもよいし、電荷発生層2と電荷輸送層3とが一体化した単層型感光層であってもよい。
以下、本実施形態に係る感光体の各層について詳細に説明する。
[下引層]
下引層は、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物と、一般式(3)~(15)のいずれかで表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアクセプター化合物とを含有する。下引層は、結着樹脂、無機粒子等を含有していてもよい。
-ペリノン化合物-
下引層は、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の少なくとも一方を含有する。ペリノン化合物(1)は、下記の一般式(1)で表される化合物である。ペリノン化合物(2)は、下記の一般式(2)で表される化合物である。
一般式(1)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリールオキシカルボニルアルキル基又はハロゲン原子を表す。R11とR12、R12とR13及びR13とR14は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。R15とR16、R16とR17及びR17とR18は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(2)中、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリールオキシカルボニルアルキル基又はハロゲン原子を表す。R21とR22、R22とR23及びR23とR24は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。R25とR26、R26とR27及びR27とR28は、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアルキル基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基としては、炭素数1以上20以下(好ましくは炭素数1以上10以下、より好ましくは炭素数1以上6以下)の直鎖状のアルキル基、炭素数3以上20以下(好ましくは炭素数3以上10以下)の分岐状のアルキル基、炭素数3以上20以下(好ましくは炭素数3以上10以下)の環状のアルキル基が挙げられる。
炭素数1以上20以下の直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基等が挙げられる。
炭素数3以上20以下の分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、イソドデシル基、sec-ドデシル基、tert-ドデシル基、tert-テトラデシル基、tert-ペンタデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上20以下の環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、これら単環のアルキル基が連結した多環(例えば、二環、三環、スピロ環)のアルキル基等が挙げられる。
上記の中でも、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基等の直鎖状のアルキル基が好ましい。
アルキル基における置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アルキル基中の水素原子を置換するアルコキシ基としては、一般式(1)中のR11~R18で表される無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシ基としては、置換若しくは無置換のアルコキシ基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシ基としては、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基として具体的には、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基等が挙げられる。
環状のアルコキシ基として具体的には、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、無置換のアルコキシ基としては、直鎖状のアルコキシ基が好ましい。
アルコキシ基における置換基としては、アリール基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、水酸基、カルボキシ基、ニトロ基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アルコキシ基中の水素原子を置換するアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアラルキル基としては、炭素数7以上30以下のアラルキル基であることが好ましく、炭素数7以上16以下のアラルキル基であることがより好ましく、炭素数7以上12以下のアラルキル基であることが更に好ましい。
炭素数7以上30以下の無置換のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基、フェニルノニル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、アントラチルメチル基、フェニル-シクロペンチルメチル基等が挙げられる。
アラルキル基における置換基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アラルキル基中の水素原子を置換するアルコキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
アラルキル基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アラルキル基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基としては、炭素数6以上30以下のアリール基が好ましく、6以上14以下のアリール基がより好ましく、6以上10以下のアリール基が更に好ましい。
炭素数6以上30以下のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、9-アンスリル基、9-フェナントリル基、1-ピレニル基、5-ナフタセニル基、1-インデニル基、2-アズレニル基、9-フルオレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェニル基が好ましい。
アリール基における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアルコキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アリール基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシ基(-O-Ar、Arはアリール基を表す。)としては、置換若しくは無置換のアリールオキシ基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシ基としては、炭素数6以上30以下のアリールオキシ基が好ましく、6以上14以下のアリールオキシ基がより好ましく、6以上10以下のアリールオキシ基が更に好ましい。
炭素数6以上30以下のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(フェノキシ基)、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、9-アンスリルオキシ基、9-フェナントリルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、5-ナフタセニルオキシ基、1-インデニルオキシ基、2-アズレニルオキシ基、9-フルオレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、フルオランテニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、アセアントリレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、アントリルオキシ基、ビアントラセニルオキシ基、ターアントラセニルオキシ基、クオーターアントラセニルオキシ基、アントラキノリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、トリフェニレニルオキシ基、ピレニルオキシ基、クリセニルオキシ基、ナフタセニルオキシ基、プレイアデニルオキシ基、ピセニルオキシ基、ペリレニルオキシ基、ペンタフェニルオキシ基、ペンタセニルオキシ基、テトラフェニレニルオキシ基、ヘキサフェニルオキシ基、ヘキサセニルオキシ基、ルビセニルオキシ基、コロネニルオキシ基等が挙げられる。上記の中でも、フェニルオキシ基(フェノキシ基)が好ましい。
アリールオキシ基における置換基としては、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アリールオキシ基中の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシ基中の水素原子を置換するアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
アリールオキシ基中の水素原子を置換するアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニル基(-CO-OR、Rはアルキル基を表す。)としては、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニル基におけるアルキル鎖の炭素数としては、1以上20以下であることが好ましく、1以上15以下であることがより好ましく、1以上10以下であることが更に好ましい。
アルキル鎖の炭素数が1以上20以下のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシブチルカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンタオキシカルボニル基、ヘキサオキシカルボニル基、ヘプタオキシカルボニル基、オクタオキシカルボニル基、ノナオキシカルボニル基、デカオキシカルボニル基、ドデカオキシカルボニル基、トリデカオキシカルボニル基、テトラデカオキシカルボニル基、ペンタデカオキシカルボニル基、ヘキサデカオキシカルボニル基、ヘプタデカオキシカルボニル基、オクタデカオキシカルボニル基、ノナデカオキシカルボニル基、イコサオキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基における置換基としては、アリール基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アルコキシカルボニル基中の水素原子を置換するアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニル基(-CO-OAr、Arはアリール基を表す。)としては、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニル基におけるアリール基の炭素数としては、6以上30以下であることが好ましく、6以上14以下であることがより好ましく、6以上10以下であることが更に好ましい。
炭素数6以上30以下のアリール基を有するアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ビフェニルオキシカルボニル基、1-ナフチルオキシカルボニル基、2-ナフチルオキシカルボニル基、9-アンスリルオキシカルボニル基、9-フェナントリルオキシカルボニル基、1-ピレニルオキシカルボニル基、5-ナフタセニルオキシカルボニル基、1-インデニルオキシカルボニル基、2-アズレニルオキシカルボニル基、9-フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニレニルオキシカルボニル基、インダセニルオキシカルボニル基、フルオランテニルオキシカルボニル基、アセナフチレニルオキシカルボニル基、アセアントリレニルオキシカルボニル基、フェナレニルオキシカルボニル基、フルオレニルオキシカルボニル基、アントリルオキシカルボニル基、ビアントラセニルオキシカルボニル基、ターアントラセニルオキシカルボニル基、クオーターアントラセニルオキシカルボニル基、アントラキノリルオキシカルボニル基、フェナントリルオキシカルボニル基、トリフェニレニルオキシカルボニル基、ピレニルオキシカルボニル基、クリセニルオキシカルボニル基、ナフタセニルオキシカルボニル基、プレイアデニルオキシカルボニル基、ピセニルオキシカルボニル基、ペリレニルオキシカルボニル基、ペンタフェニルオキシカルボニル基、ペンタセニルオキシカルボニル基、テトラフェニレニルオキシカルボニル基、ヘキサフェニルオキシカルボニル基、ヘキサセニルオキシカルボニル基、ルビセニルオキシカルボニル基、コロネニルオキシカルボニル基等が挙げられる。上記の中でも、フェノキシカルボニル基が好ましい。
アリールオキシカルボニル基における置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニルアルキル基(-(CnH2n)-CO-OR、Rはアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す。)としては、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニルアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニルアルキル基におけるアルコキシカルボニル基(-CO-OR)としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルコキシカルボニルアルキル基におけるアルキレン鎖(-CnH2n-)としては、炭素数1以上20以下(好ましくは炭素数1以上10以下、より好ましくは炭素数1以上6以下)の直鎖状のアルキレン鎖、炭素数3以上20以下(好ましくは炭素数3以上10以下)の分岐状のアルキレン鎖、炭素数3以上20以下(好ましくは炭素数3以上10以下)の環状のアルキレン鎖が挙げられる。
炭素数1以上20以下の直鎖状のアルキレン鎖としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基、n-ウンデシレン基、n-ドデシレン基、トリデシレン基、n-テトラデシレン基、n-ペンタデシレン基、n-ヘプタデシレン基、n-オクタデシレン基、n-ノナデシレン基、n-イコシレン基等が挙げられる。
炭素数3以上20以下の分岐状のアルキレン鎖としては、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基、イソヘキシレン基、sec-ヘキシレン基、tert-ヘキシレン基、イソヘプチレン基、sec-ヘプチレン基、tert-ヘプチレン基、イソオクチレン基、sec-オクチレン基、tert-オクチレン基、イソノニレン基、sec-ノニレン基、tert-ノニレン基、イソデシレン基、sec-デシレン基、tert-デシレン基、イソドデシレン基、sec-ドデシレン基、tert-ドデシレン基、tert-テトラデシレン基、tert-ペンタデシレン基等が挙げられる。
炭素数3以上20以下の環状のアルキレン鎖としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアルキル基における置換基としては、アリール基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アルコキシカルボニルアルキル基の水素原子を置換するアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニルアルキル基(-(CnH2n) -CO-OAr、Arはアリール基を表し、nは1以上の整数を表す。)としては、置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニルアルキル基におけるアリールオキシカルボニル基(-CO-OAr、Arはアリール基を表す。)としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアリールオキシカルボニルアルキル基におけるアルキレン鎖(-CnH2n-)としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニルアルキル基におけるアルキレン鎖と同様の基が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアルキル基における置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアルキル基の水素原子を置換するアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表される無置換のアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、R11~R18で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(1)中、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R15とR16、R16とR17又はR17とR18が、互いに連結して形成する環構造としては、ベンゼン環、炭素数10以上18以下の縮合環(ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、クリセン環(ベンゾ[α]フェナントレン環)、テトラセン環、テトラフェン環(ベンゾ[α]アントラセン環)、トリフェニレン環等)などが挙げられる。上記の中でも、形成される環構造としては、ベンゼン環が好ましい。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルコキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアラルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアラルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリール基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリール基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリールオキシ基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシ基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルコキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリールオキシカルボニル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアルコキシカルボニルアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアルコキシカルボニルアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるアリールオキシカルボニルアルキル基としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるアリールオキシカルボニルアルキル基と同様の基が挙げられる。
一般式(2)中、R21~R28で表されるハロゲン原子としては、一般式(1)中、R11~R18で表されるハロゲン原子と同様の原子が挙げられる。
一般式(2)中、R21とR22、R22とR23、R23とR24、R25とR26、R26とR27又はR27とR28が、互いに連結して形成する環構造としては、ベンゼン環、炭素数10以上18以下の縮合環(ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、クリセン環(ベンゾ[α]フェナントレン環)、テトラセン環、テトラフェン環(ベンゾ[α]アントラセン環)、トリフェニレン環等)などが挙げられる。上記の中でも、形成される環構造としては、ベンゼン環が好ましい。
画像を繰り返し形成したときに生じる光感度の低下と残留電位の上昇とをより抑制する観点から、一般式(1)においてR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基又はアリールオキシカルボニルアルキル基であることが好ましい。
画像を繰り返し形成したときに生じる光感度の低下と残留電位の上昇とをより抑制する観点から、一般式(2)においてR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基又はアリールオキシカルボニルアルキル基であることが好ましい。
以下、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の具体例を示すが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。下記の構造式中、Phはフェニル基を示す。
ペリノン化合物(1-1)とペリノン化合物(2-1)とは異性体の関係(シス体とトランス体の関係)にある。そのため、合成法上、両者の混合物が得られる傾向にあり、混合比は通常1:1である。ペリノン化合物(1-1)とペリノン化合物(2-1)との混合物は、公知の精製方法に従い、混合物から一方を精製することができる。シス体とトランス体の関係にある他のペリノン化合物どうしも上記と同様である。
下引層の全固形分量に対するペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の総含有量は、下引層の体積抵抗率を望ましい範囲に制御する観点から、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、55質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上70質量%以下であることが更に好ましい。
-アクセプター化合物-
下引層は、下記の一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、一般式(5)で表される化合物、一般式(6)で表される化合物、一般式(7)で表される化合物、一般式(8)で表される化合物、一般式(9)で表される化合物、一般式(10)で表される化合物、一般式(11)で表される化合物、一般式(12)で表される化合物、一般式(13)で表される化合物、一般式(14)で表される化合物及び一般式(15)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のアクセプター化合物を含有する。
一般式(3)中、Zは、C(COORk1)2(Rk1は水素原子又はアルキル基である。)、C(CN)2、O(酸素原子)又はN-CNを表し、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、カルボキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ニトロ基又は-CRk2=CRk3Rk4で表される基(Rk2は水素原子又はアルキル基であり、Rk3及びRk4は各々独立に水素原子又はフェニル基であり、ただしRk3及びRk4の少なくとも一方がフェニル基である。)を表す。
一般式(3)中のC(COORk1)2において、Rk1がアルキル基の場合、Rk1としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。1分子中に2個あるRk1は同じでもよく異なっていてもよい。Rk1としては、水素原子が好ましい。
一般式(3)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(3)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(3)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(3)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(3)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(3)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(3)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアルキルカルボニル基(-CO-R、Rはアルキル基)としては、例えば、アルキル基の炭素数が1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)であるアルキルカルボニル基が挙げられる。アルキルカルボニル基中のアルキル基は、直鎖状でもよく分岐状でよい。アルキルカルボニル基中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アリール基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアリールカルボニル基(-CO-Ar、Arはアリール基)としては、例えば、アリール基の炭素数が6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)であるアリールカルボニル基が挙げられる。アリールカルボニル基中のアリール基としては、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。アリールカルボニル基中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアルコキシカルボニル基(-CO-OR、Rはアルキル基)としては、例えば、アルキル基の炭素数が1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)であるアルコキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基中のアルキル基は、直鎖状でもよく分岐状でよい。アルコキシカルボニル基中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アリール基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中のアリールオキシカルボニル基(-CO-OAr、Arはアリール基)としては、例えば、アリール基の炭素数が6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)であるアリールオキシカルボニル基が挙げられる。アリールオキシカルボニル基中のアリール基としては、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(3)中の-CRk2=CRk3Rk4で表される基において、Rk2がアルキル基の場合、Rk2としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。
一般式(3)中、Zとしては、C(CN)2又はC(COORk1)2が好ましく、C(CN)2又はC(COOH)2がより好ましく、C(CN)2が更に好ましい。
一般式(3)中、R31及びR35としては、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(3)中、R32及びR36としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はニトロ基が好ましい。
一般式(3)中、R33、R34、R37及びR38としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基が好ましく、R33、R34、R37及びR38の少なくとも1つはカルボキシ基又はアルコキシカルボニル基であることが好ましい。
以下に一般式(3)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(3-1)~(3-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(4)中、R41、R42、R43及びR44は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表す。
一般式(4)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(4)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(4)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(4)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(4)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(4)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(4)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(4)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(4)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(4)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(4)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(4)中、R41、R42、R43及びR44のうち、2つ又は3つの基が水素原子であることが好ましく、2つの基が水素原子であることがより好ましい。
以下に一般式(4)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(4-1)~(4-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(5)中、R51、R52、R53、R54、R55及びR56は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表す。
一般式(5)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(5)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(5)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(5)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(5)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(5)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(5)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(5)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(5)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(5)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(5)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(5)中、R51及びR52としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基が好ましい。
一般式(5)中、R53及びR56としては、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
一般式(5)中、R54及びR55としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はカルボキシ基が好ましい。
以下に一般式(5)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(5-1)~(5-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(6)中、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67及びR68は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表す。
一般式(6)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(6)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(6)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(6)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(6)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(6)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(6)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(6)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(6)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(6)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(6)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(6)で表される化合物は、分子中に、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基及びニトロ基から選ばれる少なくとも1種の基を合計1個又は2個有することが好ましく、アルキル基を1個若しくは2個有すること、アルコキシ基を1個若しくは2個有すること、ヒドロキシ基を1個若しくは2個有すること、又はカルボキシ基を1個若しくは2個有することがより好ましい。ここでアルキル基としては、炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。ここでアルコキシ基としては、炭素数1以上4以下の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
以下に一般式(6)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(6-1)~(6-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(7)中、R71及びR72は、各々独立に、水素原子、シアノ基、又は芳香環を含む1価の有機基を表し、R71とR72とが互いに連結して環を形成してもよい。
R71とR72とが互いに連結して環を形成する場合において、形成される環構造としては、例えば、芳香環、脂環が挙げられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、3,5-ジメチルシクロヘキサン、3,5-ジエチルシクロヘキサン、3,5-ジイソプロピルシクロヘキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、及び3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香環を含む1価の有機基における芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等が挙げられ、ベンゼンが好ましい。
芳香環を含む1価の有機基としては、下記の一般式(7-1)で表される有機基が好ましい。
一般式(7-1)中、R73は、ハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表し、nは0以上5以下の整数を表し、*は炭素原子への結合位置を表す。
一般式(7-1)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(7-1)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(7-1)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(7-1)中のnは、0以上5以下の整数を表し、1以上3以下の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
一般式(7)で表される化合物としては、R71及びR72の少なくとも一方が芳香環を含む1価の有機基である化合物が好ましく、R71及びR72の一方が芳香環を含む1価の有機基であり且つ他方が水素原子又はシアノ基である化合物がより好ましい。
以下に一般式(7)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(7-1)~(7-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(8)中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87及びR88は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表し、R81とR82、R83とR84、R85とR86及びR87とR88が、各々独立に、互いに連結して環を形成してもよい。
R81とR82、R83とR84、R85とR86又はR87とR88が互いに連結して環を形成する場合において、形成される環構造としては、例えば、芳香環、脂環が挙げられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、3,5-ジメチルシクロヘキサン、3,5-ジエチルシクロヘキサン、3,5-ジイソプロピルシクロヘキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、及び3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
一般式(8)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(8)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(8)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。一般式(8)中のアルキル基としては、分岐状のアルキル基が好ましく、分岐状のアルキル基はカルボキシ基で置換されていてもよい。
一般式(8)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(8)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(8)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(8)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(8)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(8)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(8)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(8)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(8)中、R81、R82、R83、R84、R85、R86、R87及びR88としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又は、隣り合う基が互いに連結してベンゼン環を形成することが好ましい。
以下に一般式(8)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(8-1)~(8-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(9)中、R91及びR92は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基を表し、xは整数を表す。
一般式(9)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(9)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。一般式(9)中のアルキル基としては、直鎖状のアルキル基が好ましい。
一般式(9)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(9)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(9)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(9)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
以下に一般式(9)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(9-1)~(9-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(10)中、X1、X2及びX3は、各々独立に、CH又は窒素原子を表し、R101、R102及びR103は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表し、n1、n2及びn3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
n1が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR101は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
n2が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR102は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
n3が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR103は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
一般式(10)中、X1、X2及びX3は、各々独立に、CH又は窒素原子を表し、X1、X2及びX3はすべて窒素原子であることが好ましい。
一般式(10)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(10)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(10)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(10)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(10)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(10)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(10)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(10)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(10)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(10)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(10)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(10)中、n1、n2及びn3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、1以上3以下の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
以下に一般式(10)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(10-1)~(10-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(11)中、R111及びR112は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表し、n1及びn2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
n1が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR111は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
n2が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR112は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
一般式(11)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(11)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(11)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(11)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(11)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(11)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(11)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(11)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(11)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(11)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(11)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(11)中、n1及びn2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、1以上3以下の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
以下に一般式(11)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(11-1)~(11-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(12)中、R121及びR122は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表し、n1及びn2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
n1が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR121は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
n2が2以上であるとき、1分子中に複数個存在するR122は、互いに同じでもよく異なっていてもよい。
一般式(12)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(12)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(12)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(12)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(12)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(12)中のアラルキル基としては、例えば、炭素数7以上20以下(好ましくは7以上15以下、より好ましくは7以上12以下)のアラルキル基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。一般式(12)中のアラルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(12)中のアリール基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。一般式(12)中のアリール基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(12)中のアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6以上20以下(好ましくは6以上14以下、より好ましくは6以上12以下)のアリールオキシ基が挙げられ、具体的には、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基等が挙げられる。一般式(12)中のアリールオキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(12)中、n1及びn2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、1以上3以下の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
以下に一般式(12)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(12-1)~(12-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(13)中、R131、R132、R133、R134、R135、R136、R137及びR138は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表す。
一般式(13)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(13)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(13)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(13)中、R131及びR134としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はヒドロキシ基が好ましく、水素原子又はハロゲン原子がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
一般式(13)中、R132及びR133としては、水素原子、アルキル基、カルボキシ基又はヒドロキシ基が好ましい。
一般式(13)中、R135及びR138としては、水素原子、アルキル基、カルボキシ基又はヒドロキシ基が好ましい。
一般式(13)中、R136及びR137としては、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基が好ましく、水素原子又はハロゲン原子がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
以下に一般式(13)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(13-1)~(13-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(14)中、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147、R148、R149及びR150は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はヒドロキシ基を表す。ただし、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147、R148、R149及びR150の少なくとも1つはカルボキシ基である。
一般式(14)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(14)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。一般式(14)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(14)中のアルコキシ基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられる。一般式(14)中のアルコキシ基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(14)で表される化合物は、分子中に少なくとも1個のカルボキシ基を有する。一般式(14)で表される化合物が有するカルボキシ基の個数は、1分子当たり、1個以上4個以下が好ましく、1個又は2個がより好ましい。
一般式(14)で表される化合物が有するカルボキシ基は、R142、R143、R147又はR148であることが好ましく、R142又はR147であることがより好ましい。
以下に一般式(14)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(14-1)~(14-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(15)中、R151、R152、R153、R154、R155、R156、R157、R158、R159及びR160は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基を表し、隣り合う基は互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R151、R152、R153、R154、R155、R156、R157、R158、R159及びR160の少なくとも1つはカルボキシ基又はヒドロキシ基である。
一般式(15)中、隣り合う基が互いに連結して環を形成する場合において、形成される環構造としては、例えば、芳香環、脂環が挙げられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、3,5-ジメチルシクロヘキサン、3,5-ジエチルシクロヘキサン、3,5-ジイソプロピルシクロヘキサン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、及び3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
一般式(15)中のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(15)中のアルキル基としては、例えば、炭素数1以上10以下(好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下)の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロへキシル基が好ましい。一般式(15)中のアルキル基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の置換基により置換されていてもよい。
一般式(15)で表される化合物は、分子中に少なくとも1個のカルボキシ基又はヒドロキシ基を有する。一般式(15)で表される化合物が有するカルボキシ基又はヒドロキシ基の個数は、1分子当たり、合計1個以上4個以下が好ましく、合計1個又は2個がより好ましい。
一般式(15)で表される化合物が有するカルボキシ基又はヒドロキシ基は、R153、R154、R158又はR159であることが好ましく、R154又はR159であることがより好ましい。
以下に一般式(15)で表される化合物の具体例として、アクセプター化合物(15-1)~(15-10)を挙げるが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)、一般式(7)、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、一般式(11)、一般式(12)、一般式(13)、一般式(14)及び一般式(15)におけるアルキル基及びアルコキシ基としては、具体的には下記の基が挙げられる。
直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。
分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、これら単環のアルキル基が連結した多環(例えば、二環、三環、スピロ環)のアルキル基等が挙げられる。
直鎖状のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基等が挙げられる。
分岐状のアルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert-ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec-ヘキシルオキシ基、tert-ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec-ヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec-オクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec-ノニルオキシ基、tert-ノニルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec-デシルオキシ基、tert-デシルオキシ基等が挙げられる。
環状のアルコキシ基としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基等が挙げられる。
アクセプター化合物としては、一般式(1)で表される化合物又は一般式(2)で表される化合物からの電子の受け取り易さの観点から、一般式(6)で表される化合物、一般式(13)で表される化合物、一般式(14)で表される化合物又は一般式(15)で表される化合物が好ましい。
下引層に含まれるアクセプター化合物の総含有量は、画像を繰り返し形成したときに生じる光感度の低下を抑制する観点から、下引層に含まれる一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の総含有量に対して、2質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上25質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下が更に好ましい。
下引層に含まれるアクセプター化合物の総含有量は、画像を繰り返し形成したときに生じる光感度の低下を抑制する観点から、下引層の全固形分量に対して、1質量%以上25質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましく、10質量%以上15質量%以下が更に好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の高分子化合物;ジルコニウムキレート化合物;チタニウムキレート化合物;アルミニウムキレート化合物;チタニウムアルコキシド化合物;有機チタニウム化合物;シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これらの中でも、下引層に用いる結着樹脂としては、上層の塗布溶剤に不溶な樹脂が好適であり、特に、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と硬化剤との反応により得られる樹脂が好適である。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
下引層が無機粒子を含有する場合、無機粒子としては、例えば、粉体抵抗(体積抵抗率)1×102Ωcm以上1×1011Ωcm以下の無機粒子が挙げられる。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子のBET法による比表面積は、例えば、10m2/g以上がよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
無機粒子の含有量は、例えば、結着樹脂に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。
無機粒子は、表面処理が施されていてもよい。無機粒子は、表面処理の異なるもの、又は、粒子径の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、界面活性剤等が挙げられる。特に、シランカップリング剤が好ましい。
下引層には、電気特性向上、環境安定性向上、画質向上のために種々の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
添加剤としてのシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピル-トリス(2-メトキシエトキシ)シラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物としては、例えば、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で、又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
下引層は、ビッカース硬度が35以上であることがよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
下引層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた下引層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。
下引層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、ハロゲン化炭化水素溶剤、ケトン系溶剤、ケトンアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
下引層形成用塗布液を調製するときの無機粒子の分散方法としては、例えば、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー等の公知の方法が挙げられる。
下引層形成用塗布液を導電性基体上に塗布する方法としては、例えば、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
下引層の膜厚は、5μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましく、15μm以上30μm以下が更に好ましい。
下引層の体積抵抗率は、1×104Ω・m以上、1×108Ω・m以下であることが好ましい。
[導電性基体]
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1×1013Ωcm未満であることをいう。
導電性基体の表面は、電子写真感光体がレーザプリンタに使用される場合、レーザ光を照射する際に生じる干渉縞を抑制する目的で、中心線平均粗さRaで0.04μm以上0.5μm以下に粗面化されていることが好ましい。非干渉光を光源に用いる場合、干渉縞防止の粗面化は、特に必要ないが、導電性基体の表面の凹凸による欠陥の発生を抑制するため、より長寿命化に適する。
粗面化の方法としては、例えば、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、回転する砥石に導電性基体を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理等が挙げられる。
粗面化の方法としては、導電性基体の表面を粗面化することなく、導電性又は半導電性粉体を樹脂中に分散させて、導電性基体の表面上に層を形成し、その層中に分散させる粒子により粗面化する方法も挙げられる。
陽極酸化による粗面化処理は、金属製(例えばアルミニウム製)の導電性基体を陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することにより導電性基体の表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては、例えば、硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、陽極酸化により形成された多孔質陽極酸化膜は、そのままの状態では化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、多孔質陽極酸化膜に対して、酸化膜の微細孔を加圧水蒸気又は沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行うことが好ましい。
陽極酸化膜の膜厚は、例えば、0.3μm以上15μm以下が好ましい。この膜厚が上記範囲内にあると、注入に対するバリア性が発揮される傾向があり、また繰り返し使用による残留電位の上昇が抑えられる傾向にある。
導電性基体には、酸性処理液による処理又はベーマイト処理を施してもよい。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
ベーマイト処理は、例えば90℃以上100℃以下の純水中に5分から60分間浸漬すること、又は90℃以上120℃以下の加熱水蒸気に5分から60分間接触させて行う。被膜の膜厚は、0.1μm以上5μm以下が好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の被膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
[中間層]
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
これらの中でも、中間層は、ジルコニウム原子又はケイ素原子を含有する有機金属化合物を含む層であることが好ましい。
中間層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた中間層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
中間層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲に設定される。
[機能分離型の感光層]
[電荷発生層]
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro-Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
これらの中でも、近赤外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、金属フタロシアニン顔料、又は無金属フタロシアニン顔料を用いることが好ましい。具体的には、例えば、特開平5-263007号公報、特開平5-279591号公報等に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン;特開平5-98181号公報等に開示されたクロロガリウムフタロシアニン;特開平5-140472号公報、特開平5-140473号公報等に開示されたジクロロスズフタロシアニン;特開平4-189873号公報等に開示されたチタニルフタロシアニンがより好ましい。
一方、近紫外域のレーザ露光に対応させるためには、電荷発生材料としては、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;チオインジゴ系顔料;ポルフィラジン化合物;酸化亜鉛;三方晶系セレン;特開2004-78147号公報、特開2005-181992号公報に開示されたビスアゾ顔料等が好ましい。
450nm以上780nm以下に発光の中心波長があるLED,有機ELイメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合にも、上記電荷発生材料を用いてもよいが、解像度の観点より、感光層を20μm以下の薄膜で用いるときには、感光層中の電界強度が高くなり、基体からの電荷注入による帯電低下、いわゆる黒点と呼ばれる画像欠陥を生じやすくなる。これは、三方晶系セレン、フタロシアニン顔料等のp-型半導体で暗電流を生じやすい電荷発生材料を用いたときに顕著となる。
これに対し、電荷発生材料として、縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、アゾ顔料等のn-型半導体を用いた場合、暗電流を生じ難く、薄膜にしても黒点と呼ばれる画像欠陥を抑制し得る。n-型の電荷発生材料としては、例えば、特開2012-155282号公報の段落[0288]~[0291]に記載された化合物(CG-1)~(CG-27)が挙げられるがこれに限られるものではない。
n-型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn-型とする。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択され、また、結着樹脂としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択してもよい。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1×1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は、質量比で10:1から1:10までの範囲内であることが好ましい。
電荷発生層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷発生層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱することで行う。電荷発生層の形成は、電荷発生材料の蒸着により行ってもよい。電荷発生層の蒸着による形成は、特に、電荷発生材料として縮環芳香族顔料、ペリレン顔料を利用する場合に好適である。
電荷発生層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等が挙げられる。これら溶剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いる。
電荷発生層形成用塗布液中に粒子(例えば電荷発生材料)を分散させる方法としては、例えば、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。高圧ホモジナイザーとしては、例えば、高圧状態で分散液を液-液衝突や液-壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式等が挙げられる。
この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷発生層形成用塗布液を下引層上(又は中間層上)に塗布する方法としては、例えばブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、例えば、好ましくは0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下の範囲内に設定される。
[電荷輸送層]
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
電荷輸送材料としては、p-ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物;キサントン系化合物;ベンゾフェノン系化合物;シアノビニル系化合物;エチレン系化合物等の電子輸送性化合物が挙げられる。電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物も挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種を単独で又は2種以上で用いられるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送材料としては、電荷移動度の観点から、下記構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び下記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体が好ましい。
構造式(a-1)中、ArT1、ArT2、及びArT3は、各々独立に置換若しくは無置換のアリール基、-C6H4-C(RT4)=C(RT5)(RT6)、又は-C6H4-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)を示す。RT4、RT5、RT6、RT7、及びRT8は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
構造式(a-2)中、RT91及びRT92は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、又は炭素数1以上5以下のアルコキシ基を示す。RT101、RT102、RT111及びRT112は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、炭素数1以上2以下のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは無置換のアリール基、-C(RT12)=C(RT13)(RT14)、又は-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)を示し、RT12、RT13、RT14、RT15及びRT16は各々独立に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。Tm1、Tm2、Tn1及びTn2は各々独立に0以上2以下の整数を示す。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
ここで、構造式(a-1)で示されるトリアリールアミン誘導体、及び前記構造式(a-2)で示されるベンジジン誘導体のうち、特に、「-C6H4-CH=CH-CH=C(RT7)(RT8)」を有するトリアリールアミン誘導体、及び「-CH=CH-CH=C(RT15)(RT16)」を有するベンジジン誘導体が、電荷移動度の観点で好ましい。
高分子電荷輸送材料としては、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものが用いられる。特に、特開平8-176293号公報、特開平8-208820号公報等に開示されているポリエステル系の高分子電荷輸送材は特に好ましい。高分子電荷輸送材料は、単独で使用してよいが、結着樹脂と併用してもよい。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの中でも、結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂が好適である。これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上で用いる。
電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
電荷輸送層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
電荷輸送層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた電荷輸送層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥、必要に応じて加熱することで行う。
電荷輸送層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状又は直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の上に塗布する際の塗布方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、例えば、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の範囲内に設定される。
[保護層]
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度をさらに改善する目的で設けられる。
そのため、保護層は、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
1)反応性基及び電荷輸送性骨格を同一分子内に有する反応性基含有電荷輸送材料を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり当該反応性基含有電荷輸送材料の重合体又は架橋体を含む層)
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
反応性基含有電荷輸送材料の反応性基としては、連鎖重合性基、エポキシ基、-OH、-OR[但し、Rはアルキル基を示す]、-NH2、-SH、-COOH、-SiRQ1
3-Qn(ORQ2)Qn[但し、RQ1は水素原子、アルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、RQ2は水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基を表す。Qnは1~3の整数を表す]等の周知の反応性基が挙げられる。
連鎖重合性基としては、ラジカル重合しうる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも炭素二重結合を含有する基を有する官能基である。具体的には、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基等が挙げられる。なかでも、その反応性に優れることから、連鎖重合性基としては、ビニル基、スチリル基(ビニルフェニル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びそれらの誘導体から選択される少なくとも一つを含有する基であることが好ましい。
反応性基含有電荷輸送材料の電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体における公知の構造であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の含窒素の正孔輸送性化合物に由来する骨格であって、窒素原子と共役している構造が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン骨格が好ましい。
これら反応性基及び電荷輸送性骨格を有する反応性基含有電荷輸送材料、非反応性の電荷輸送材料、反応性基含有非電荷輸送材料は、周知の材料から選択すればよい。
保護層には、その他、周知の添加剤が含まれていてもよい。
保護層の形成は、特に制限はなく、周知の形成方法が利用されるが、例えば、上記成分を溶剤に加えた保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
保護層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で又は2種以上混合して用いる。
保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
保護層形成用塗布液を感光層(例えば電荷輸送層)上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が挙げられる。
保護層の膜厚は、例えば、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは2μm以上10μm以下の範囲内に設定される。
[単層型感光層]
単層型感光層(電荷発生/電荷輸送層)は、例えば、電荷発生材料と電荷輸送材料と、必要に応じて、結着樹脂、及びその他周知の添加剤と、を含む層である。これら材料は、電荷発生層及び電荷輸送層で説明した材料と同様である。
そして、単層型感光層中、電荷発生材料の含有量は、全固形分に対して0.1質量%以上10質量%以下がよく、好ましくは0.8質量%以上5質量%以下である。また、単層型感光層中、電荷輸送材料の含有量は、全固形分に対して5質量%以上50質量%以下がよい。
単層型感光層の形成方法は、電荷発生層や電荷輸送層の形成方法と同様である。
単層型感光層の膜厚は、例えば、5μm以上50μm以下がよく、好ましくは10μm以上40μm以下である。
[画像形成装置、プロセスカートリッジ]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、電子写真感光体を備える部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。プロセスカートリッジには、電子写真感光体以外に、例えば、帯電手段、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段からなる群から選択される少なくとも一つを備えてもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
図2におけるプロセスカートリッジ300は、ハウジング内に、電子写真感光体7、帯電装置8(帯電手段の一例)、現像装置11(現像手段の一例)、及びクリーニング装置13(クリーニング手段の一例)を一体に支持している。クリーニング装置13は、クリーニングブレード(クリーニング部材の一例)131を有しており、クリーニングブレード131は、電子写真感光体7の表面に接触するように配置されている。クリーニング部材は、クリーニングブレード131の態様ではなく、導電性又は絶縁性の繊維状部材であってもよく、これを単独で、又はクリーニングブレード131と併用してもよい。
図2には、画像形成装置として、潤滑材14を電子写真感光体7の表面に供給する繊維状部材132(ロール状)、及び、クリーニングを補助する繊維状部材133(平ブラシ状)を備えた例を示してあるが、これらは必要に応じて配置される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の各構成について説明する。
-帯電装置-
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
-露光装置-
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
-現像装置-
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
現像装置11に使用される現像剤は、トナー単独の一成分系現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。これら現像剤は、周知のものが適用される。
-クリーニング装置-
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
-転写装置-
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
-中間転写体-
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
以下に実施例を挙げて、本開示の電子写真感光体をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本開示の電子写真感光体の範囲は、以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきではない。
<感光体の作製>
[実施例1]
(下引層の形成)
ブロック化イソシアネート(スミジュールBL3175、住友バイエルンウレタン社製、固形分75質量%)20質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBL-1、積水化学工業社製)7.5質量部と、触媒ジオクチルスズジラウレート0.005質量部とを、メチルエチルケトン143質量部に溶解した。この溶液に、ペリノン化合物(1-1)とペリノン化合物(2-1)の混合物(混合比1:1)50質量部と、アクセプター化合物(6-5)10質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて120分間の分散を行い、下引層形成用塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法にて円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布し、160℃、60分間の乾燥硬化を行い、厚さ18.7μmの下引層1を形成した。
(電荷発生層の形成)
電荷発生材料として、Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニンを用意した。ヒドロキシガリウムフタロシアニン15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn-酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn-酢酸ブチル175質量部、及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を、円筒状アルミニウム基体上の下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、厚さ0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
まず、次のようにして、ポリカーボネート共重合体(1)を得た。
ホスゲン吹込管、温度計及び攪拌機を備えたフラスコに窒素雰囲気下にて1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下Zという。)106.9g(0.398モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル(以下BPという。)24.7g(0.133モル)、ハイドロサルファイト0.41g、9.1%水酸化ナトリウム水溶液825ml(水酸化ナトリウム2.018モル)、塩化メチレン500mlを仕込んで溶解し、攪拌下18℃~21℃に保持し、ホスゲン76.2g(0.770モル)を75分間要して吹込みホスゲン化反応させた。ホスゲン化反応終了後、p-tert-ブチルフェノール1.11g(0.0075モル)及び25%水酸化ナトリウム水溶液54ml(水酸化ナトリウム0.266モル)を加え攪拌し、途中トリエチルアミン0.18mL(0.0013モル)を添加し、30℃~35℃の温度で2.5時間反応させた。分離した塩化メチレン相を無機塩類及びアミン類がなくなるまで酸洗浄及び水洗した後、塩化メチレンを除去してポリカーボネート共重合体(1)を得た。このポリカーボネートは、ZとBPとの構成単位の比がモル比で75:25であった。
次に、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’]ビフェニル-4,4’-ジアミン(TPD)25質量部、下記の構造式(A)で表される化合物20質量部、及び結着樹脂としてポリカーボネート共重合体(1)(粘度平均分子量5万)55質量部を、テトラヒドロフラン560質量部及びトルエン240質量部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、135℃、45分間の乾燥を行って、厚さ22μmの電荷輸送層を形成した。以上の処理によって、感光体を作製した。
[実施例2~22]
下引層の材料を表1の記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。
[比較例1~3]
下引層の材料を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。比較例2~3にて使用したアクセプター化合物(18-1)~(18-2)の化学構造を下記に示す。
[比較例4~6]
下引層の材料を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。比較例4~6にて使用したイミド化合物(17-1)~(17-3)の化学構造を下記に示す。
<感光体の性能評価>
各実施例又は比較例の感光体を、富士ゼロックス社製の画像形成装置Docucentre-V C7775に装着し、温度30℃、相対湿度90%の環境下で、以下の性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
[光感度の評価]
感光体の表面から1mm離れた位置に、表面電位計(トレック社製、トレック334)の表面電位プローブを設置した。
感光体の表面を-700Vに帯電させた後、波長780nmの単色光(半値幅20nm、光量1.5μJ/cm2)を露光(照射時間80ミリ秒)した。露光開始から330ミリ秒経過した時点での表面電位を測定した。
濃度20%の画像をA4紙7万枚分出力した前後において上記の測定を行い、出力後の表面電位から出力前の表面電位を減算して表面電位差を算出し、出力前後の電位差を下記のA+~Cに分類した。
A+:出力前後の表面電位差が10V未満。
A :出力前後の表面電位差が10V以上30V未満。
B :出力前後の表面電位差が30V以上50V未満。
C :出力前後の表面電位差が50V以上。
[残留電位の評価]
感光体の表面から1mm離れた位置に、表面電位計(トレック社製、トレック334)の表面電位プローブを設置した。
感光体の表面を-700Vに帯電させ、除電した後の残留電位を測定した。
濃度20%の画像をA4紙7万枚分出力した前後において上記の測定を行い、出力後の残留電位から出力前の残留電位を減算して残留電位差を算出し、出力前後の残留電位差を下記のA+~Cに分類した。
A+:出力前後の残留電位差が20V未満。
A :出力前後の残留電位差が20V以上50V未満。
B :出力前後の残留電位差が50V以上100V未満。
C :出力前後の残留電位差が100V以上。