JP2010134121A - 1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とする正帯電単層型電子写真感光体 - Google Patents

1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とする正帯電単層型電子写真感光体 Download PDF

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修 望月
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剛 田中
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哲 山川
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秀典 相原
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Abstract

【課題】1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とする正帯電単層型電子写真感光体を作製する。
【解決手段】一般式(1)
Figure 2010134121

(式中、Arは、置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、またはビフェニリル基を示す。Ar、ArおよびArは、各々独立して、水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいビフェニリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいビピリジリル基、置換されていてもよいナフチル基、または置換されていてもよいターフェニリル基を示す。Arが水素原子のとき、ArおよびArは水素原子ではなく、ArおよびArが水素原子のとき、Arは水素原子ではない。)を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とする正帯電単層型電子写真感光体に関するものである。
レーザー光源を利用したレーザープリンター、ファックス、コピー機等に使われる電子写真感光体として、従前はセレン等の無機感光体が使用されていたが、毒性がないこと、製造が容易であること、比較的安価であること、感光層の設計自由度が高いことなどから、上記電子写真感光体の殆どが有機感光体となっている。この有機感光体には、電荷を発生させる電荷発生層と、発生した電荷を輸送させる電荷輸送層を順次積層した積層型と、これらの機能を単一の感光層とする単層型がある。
現在実用化されている有機感光体は積層型が殆どである。電荷輸送の担い手としては正孔輸送材と電子輸送材があるが、電子輸送材の電荷移動度は正孔輸送材のそれに比べて、非常に遅いため、積層型では正孔輸送材を電荷輸送材とする負帯電方式が主流となっている。
ところが、この負帯電方式ではコロナ放電にともなうオゾンが大量に発生し、環境への影響や感光体の劣化が問題となる。そのため、これを除去する装置を必要とし、小型化および省エネルギーの妨げとなっている。また、オゾン発生の抑制には感光体との接触によって過剰の負の帯電を逃がす方法があるが、それによって感光体の磨耗が早くなるという問題がある。
この問題を解決すべく、オゾン発生の殆どない正帯電型感光体の開発がなされている(例えば、特許文献1,2参照)。正帯電型感光体の場合、前記単層型が主流であり、電荷輸送材には正孔輸送材と電子輸送材の両方を含み、一部で実用化されている。しかしながら、電子輸送能を有する有機化合物は元来数が少なく、また、正孔輸送材の正孔移動度に比べて、著しく電子移動度も遅いため(例えば、特許文献3参照)、正帯電単層型電子写真感光体に適した電子輸送材の開発が待たれていた。特に近年は、電子写真感光体はカラー化とともに、高解像度化、高速化に対する要求が高まっており、高解像度化には高感度な材料、正帯電型では高移動度電子輸送材料の開発が課題である。
一方、高速化には感光体の長寿命化、耐刷性、耐磨耗性の機械的強度の向上も求められている。その理由は、感光層の磨耗量により、感度低下等の問題が生じ、画像の品質に影響を与えるからである。
耐摩耗性を向上させる手段としては、感光体の表面に耐刷性の保護層を設ける方法、電荷輸送層の膜厚を従来より大幅に厚くする方法(例えば、特許文献4参照)、感光体を含むバインダー樹脂に機械的強度のある新規なポリカーボネートを用いる方法(例えば、特許文献5参照)、ポリカーボネートの分子量を上げ、機械的強度を向上させる方法(例えば、特許文献6参照)、感光層密度を一定の範囲に設定する方法(例えば、特許文献7参照)、酸素透過係数の小さいバインダー樹脂を使用することによって耐摩耗性と耐オゾン性を向上させる方法(例えば、特許文献8参照)が知られている。
また、感光体の構成材料である電荷発生材、電荷輸送材は何れも結晶性が高く、耐摩耗性に乏しいといった課題があり、機械的強度に優れた材料開発は進んでいないのが現状である。これに対して、材料からの取組みとして、正帯電単層型感光体の電子輸送材としてオキサジアゾール誘導体による効果が示されたが、耐摩耗性については言及されていない(例えば、特許文献9参照)。
最近、特定の1,3,5−トリアジン誘導体の電子移動度が10−6〜10−4cm/Vsと比較的速いことが開示された(例えば、特許文献10参照)。これらの1,3,5−トリアジン誘導体は、有機溶媒に可溶であり、また真空蒸着やスピンコートによる塗布膜はいずれも非晶質であること(例えば、特許文献11参照)から、正帯電単層型電子写真感光体として期待される。ところが、1,3,5−トリアジン誘導体を正帯電型電子写真感光体用の電子輸送材に使用された例は一例しかなく、移動度、耐摩耗性等は不明であった(例えば、特許文献12参照)。
特許第2718048号公報 特開2000−171988号公報 特開2002−311604号公報 特許第3375161号公報 特許第3827536号公報 特開平5−113671号公報 特開2001−305754号公報 特開2002−196517号公報 特許第3142331号公報 特開2006−086284号公報 特開2006−225321号公報 特開平11−84695号公報
本発明の目的は、結着樹脂に均一に分散する電子輸送材を用いた耐摩耗性に優れる正帯電単層型電子写真感光体を提供することにある。
発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、正帯電単層型電子写真感光体において、1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材に用いることにより、結着樹脂に均一に分散し、またこれを含む感光体層の耐摩耗性が向上するという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式(1)
Figure 2010134121
(式中、Arは、置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、またはビフェニリル基を示す。Ar、ArおよびArは、各々独立して、水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいビフェニリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいビピリジリル基、置換されていてもよいナフチル基、または置換されていてもよいターフェニリル基を示す。Arが水素原子のとき、ArおよびArは水素原子ではなく、ArおよびArが水素原子のとき、Arは水素原子ではない。)
で表される1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とする正帯電単層型電子写真感光体に関するものである。さらに、1,3,5−トリアジン誘導体は、電子移動度が1.0×10−6cm/Vs以上であることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)のArで示されるフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基は、炭素数1〜4のアルキル基またはピリジル基で置換されていてもよく、具体的には、フェニル基、m−トリル基、p−トリル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−(ピリジン−2−イル)フェニル基、3−(ピリジン−2−イル)フェニル基、4−(ピリジン−3−イル)フェニル基、3−(ピリジン−3−イル)フェニル基、4−(ピリジン−4−イル)フェニル基、3−(ピリジン−4−イル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−(ピリジン−2−イル)ナフタレン−1−イル基、4−(ピリジン−3−イル)ナフタレン−1−イル基、4−(ピリジン−4−イル)ナフタレン−1−イル基、6−(ピリジン−2−イル)ナフタレン−2−イル基、6−(ピリジン−3−イル)ナフタレン−2−イル基、6−(ピリジン−4−イル)ナフタレン−2−イル基、1,1’−ビフェニリル−4−イル基、1,1’−ビフェニリル−3−イル基、4’−tert−ブチル−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、4’−(ピリジン−2−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、4’−(ピリジン−3−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、4’−(ピリジン−4−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、2’,5’−ジメチル−4’−(ピリジン−2−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、3’−(ピリジン−2−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、3’−(ピリジン−3−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、3’−(ピリジン−4−イル)−1,1’−ビフェニリル−4−イル基、1,1’−ビフェニリル−3−イル基、4’−tert−ブチル−1,1’−ビフェニリル−3−イル基、4’−(ピリジン−2−イル)−1,1’−ビフェニリル−3−イル基、4’−(ピリジン−3−イル)−1,1’−ビフェニリル−3−イル基、4’−(ピリジン−4−イル)−1,1’−ビフェニリル−3−イル基、2’,5’−ジメチル−4’−(ピリジン−2−イル)−1,1’−ビフェニリル−3−イル基等が例示できる。
一般式(1)のAr、ArおよびArで示されるフェニル基は、ピリジル基、ナフチル基で置換されていてもよく、また、ビフェニリル基、ピリジル基、ビピリジリル基、ナフチル基、ターフェニリル基は、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基で置換されていてもよい。これらの基本骨格としては、以下のa〜ssが例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010134121
Figure 2010134121
a〜ssに例示される基本骨格は、さらに炭素数1〜4のアルキル基、ジフェニルアミノ基またはN−ナフチル−N−フェニルアミノ基で置換されていてもよい。
上記の基本骨格の組合せからなる一般式(1)の1,3,5−トリアジン誘導体として、次に示すA〜FFの化合物が例示できる。
Figure 2010134121
Figure 2010134121
中でも、電子移動度が1.0×10−6cm/Vs以上である点で、D、E、F、I、J、Uが好ましい。
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体の製造方法に特に限定はないが、例えば、特開2007−314503公報に記載されている方法により得ることができる。
一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とし、これと電荷発生材、正孔輸送材、結着樹脂を混合して感光体とし、さらに導電性基体上に感光体層として塗布することにより、正帯電単層型電子写真感光体を得ることができる。
電荷発生材としては、フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、ガリウムフタロシアニン、ペリレン顔料などの公知の電荷発生材を用いることができる。
正孔輸送材としては、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジンなどのトリアリールアミン化合物、フェニレンジアミン化合物、オキサジアゾール化合物、スチリル化合物、カルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物などを用いることができる。
結着樹脂としては、ビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂、スチレン系重合体、ポリアミドなどを用いることができる。
また、感光体層に、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、増感材、酸化防止剤、紫外線吸収材等の劣化防止剤、可塑剤等を含有させることができる。
本発明によれば、一般式(1)で表される1,3,5−トリアジン誘導体は、電子移動度が高く、クロロホルム、ジクロロエタン等の有機溶媒に可溶なため、結着樹脂との相溶性がよく均一に分散すること、さらに感光体層が非晶質となることから、耐磨耗性が向上した正帯電単層型電子写真感光体を得ることができる。
以下、実施例、比較例および参考例により本発明を詳細に説明する。
実施例で電子輸送材として使用した1,3,5−トリアジン誘導体は、次の6種類である。
Figure 2010134121
また、電子輸送材の比較化合物として、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)を用いた。
〔耐摩耗性試験の試料作製〕
試料は、20mm角の石英基板に塗布膜を形成することにより作製した。石英基板は、アセトン、有機系アルカリ洗浄剤(セミコクリーン/フルウチ化学製)、純水を用いて超音波洗浄を行い、その後、沸騰IPA(イソプロピルアルコール)による表面洗浄を行った。塗布直前に基板をUV処理し、最表面の有機物を除去した。結着樹脂として、ポリカーボネート(PC、Aldrich製、Mw:31,000)、電子輸送材は昇華精製を2回実施したものを用いた。電子輸送材とPCとの結着樹脂混合溶媒としてクロロホルム(E、J)またはジクロロメタン(I,D,F,U,PBD)に溶解した溶液を調製した。この溶液を基板上にスピンコートすることにより、塗布膜を作製した。スピンコートは以下の手順で行った。溶液を滴下後、500rpmで5秒間、次いで2000rpmで60秒間保持した。その後、80℃で60分間、真空加熱装置で加熱乾燥を行い、残存溶媒を除去した。
作製した試料の膜厚は、触針式表面形状測定装置(DEKTAK−6M)を用いて測定した。
〔試料の耐磨耗性の評価〕
測定には、摩擦磨耗試験機((株)レスカ製 FPR−2100)を用いた。本装置では、試料を回転ステージに固定し、回転中心からずらした地点に一定荷重で上部より固定された圧子(金属製ボール)を接触させ、回転させることにより発生する摩擦力や摩擦係数を測定することで耐磨耗性評価を実施した。本装置による試験では測定開始からある期間、一定の摩擦係数を示し、塗布膜が経時磨耗してくると、圧子が下地の石英基板近くまで到達するため、石英基板の摩擦係数が急激に上昇を開始する。上昇を始めた時点で塗布膜の摩擦係数から石英の摩擦係数へと変化を始めると判断し、それまでの時間を塗布膜の破壊時間と定義する(図1)。一般に、破壊時間が長いほど耐磨耗性は良好である。なお、測定は1試料につき、同一基板内の5点で行い、その平均値を用いた。測定条件は以下の通りである。
・荷重:800(g)
・回転数:300(rpm)
・基板温度:室温
・回転半径:1(mm)
・圧子材質:SUJ2、3/16インチ
〔膜質の評価〕
作製した試料の結晶性の評価は、走査型レーザ顕微鏡 VK−9500/VK−9510(キーエンス製)により行った。各材料について、減圧下、70℃で加熱乾燥を行い、膜質に変化があるかレーザ顕微鏡を用いて調べた。その後、120℃でベーキングを行い、膜表面に変化が生じているか、再度観察した。50倍標準レンズ(N.A.=0.95,焦点距離=0.33mm)で、Z軸ステップ0.01μmの条件で行った。
(参考例1)電子輸送材Iの合成
アルゴン気流下、ブチルリチウム2.9mmolを含むヘキサン溶液1.9mLに、4−ブロモビフェニル 0.61gを溶解し、−78℃に冷却したテトラヒドロフラン20mLにゆっくり加えた。−78℃で30分間攪拌後、ジクロロ(テトラメチルエチレンジアミン)亜鉛(II) 0.79gを加え、−78℃で10分間、次いで室温で2時間攪拌した。この溶液に、2−(4−ブロモフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジン 1.00gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 0.12gを溶解したテトラヒドロフラン40mLを加え、2時間加熱還流下で攪拌した。反応溶液を減圧濃縮し、得られた固体をジクロロメタン−メタノールで再結晶した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:クロロホルム=5:1〜3:1)で精製後、再度ジクロロメタン−メタノールで再結晶し、目的の電子輸送材I(2,4−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6−[1,1’:4’,1”]テルフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジン)の白色固体(収量1.05g、収率91%)を得た。
同様の方法で、電子輸送材D、E、F、JおよびUを合成した。
(実施例1)電子輸送材I、E、J、D、F、UおよびPBDの移動度測定
〔電子移動度測定試料の作製〕
基板には2mm幅のITO(酸化インジウム−スズ)膜がストライプ状にパターンされた20mm角のITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄し、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った後、電子輸送材を真空蒸着法で成膜した。電子輸送材は昇華精製を2回実施したものを用い、蒸着槽を4.8×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱方式により加熱した電子輸送材を所定の膜厚になるよう前記基板上に真空蒸着した。次に、この基板上にITOストライプと直交するように、メタルマスクを配して、2mm幅のAL膜を100nmの膜厚で真空蒸着した。これによって、電子移動度測定用の2mm角の動作エリアを得た。
〔電子移動度の測定〕
電子移動度の測定は、タイムオブフライト移動度測定法で行った。測定装置は、オプテル社製のものを用い、測定は室温で行い、電界強度400(V/cm)1/2において、窒素レーザーをITO透明電極側から照射した時に発生した電荷のAL電極への移動速度から得た。
得られた電子輸送材の電子移動度を表1に示す。
Figure 2010134121
(実施例2)
結着樹脂のポリカーボネート(PC、Aldrich製 Mw:31,000)に対して、40〜90wt%の電子輸送材Iをジクロロエタンに溶解した溶液を調製した。基板には2mm幅のITO(酸化インジウム−スズ)膜がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄し、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った後、電子輸送材Iの溶液をスピンコート成膜した。
スピンコートは以下の手順で行った。溶液を滴下後、500rpmで5秒間、次いで2000rpmで60秒間保持した。その後、80℃で60分間、真空加熱装置で加熱乾燥を行い、残存溶媒を除去した。
その後、スピンコートしたガラス基板を真空蒸着槽に入れ、この基板上にITOストライプと直交するように、メタルマスクを配して、蒸着槽を4.8×10−4Paまで減圧した後、2mm幅のAL膜を100nmの膜厚で真空蒸着した。これによって、電子移動度測定用の2mm角の動作エリアを得た。
電子移動度の測定は実施例1と同様に行った。結果を表2および図2に示す。
(比較例1)
電子輸送材をPBDに代えた以外は、実施例2と同様にして試料を作製し、電子移動度を測定した。結果を表2および図2に示す。
従来品の電子輸送材PBDの電子移動度は含有率が90%で急激に低下し、単体(100%)の時の1/100にまで低下した。
一方、電子輸送材Iは含有率が70%までは殆ど変化なく、40%で単体の1/10程度に低下するものの、なお、PBDの移動度を上回っていた。即ち、Iは結着材に対する含有率90〜40%の範囲で従来品であるPBDの電子移動度よりも速い移動度を示す特徴を持つことが示され、高感度電子輸送材として作用することが期待される。
Figure 2010134121
(実施例3)
結着樹脂のポリカーボネート(PC、Aldrich製 Mw:31,000)に対して、40〜90wt%の電子輸送材Iをジクロロエタンに溶解した溶液を調製した。この溶液を20mm角の石英基板にスピンコートした後、真空加熱装置で70℃と120℃で60分間加熱乾燥し、その膜質をレーザ顕微鏡で観察した。結果を表3および図3に示す。
電子輸送材の含有率40,70,90wt%のいずれの場合でも、また、加熱乾燥温度が70,120℃の何れの場合でも非晶質であった。
(比較例2)
電子輸送材をPBDに代えた以外は、実施例3と同様にして試料を作製し、膜質をレーザ顕微鏡で観察した。結果を表3および図3に示す。
Figure 2010134121
結着剤のポリカーボネートに対するPBDの含有率が90wt%では、70℃と120℃の加熱乾燥後に結晶化が起きた。含有率70wt%では、70℃の加熱乾燥温度では結晶化しなかったが、120℃では結晶化がみられた。また、PBD含有率が少ない40wt%では、120℃の加熱乾燥温度でも結晶化は進行しなかった。
(実施例4)
実施例3と同様に、結着剤ポリカーボネートに対して、40〜90wt%の電子輸送材Iをジクロロエタンに溶解した溶液を20mm角の石英基板にスピンコートし、真空加熱乾燥装置で80℃で60分間加熱乾燥し、耐摩耗性評価を行った。表4に耐磨耗性評価における磨耗係数と破壊時間を、図4に破壊時間の電子輸送材含有率依存性を示す。
Figure 2010134121
電子輸送材Iの膜破壊時間は、含有率が70〜40wt%では殆ど変らず、90wt%で低下する。一方、実施例2で示したように70wt%までは電子移動度が殆ど変化せず、40wt%で低下する。即ち、電子輸送材Iは比較的高い含有率70wt%でも単体(100wt%)の電子移動度を維持したままで、高い耐摩耗性を示す。
(実施例5)
電子輸送材をEとし、Eの含有率が40wt%の試料を作製し、膜厚の測定および耐摩耗性評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例6)
電子輸送材をJとし、Jの含有率が40wt%の試料を作製し、膜厚の測定および耐摩耗性評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例7)
電子輸送材をDとし、Dの含有率が40wt%の試料を作製し、膜厚の測定および耐摩耗性評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例8)
電子輸送材をFとし、Fの含有率が40wt%の試料を作製し、膜厚の測定および耐摩耗性評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例9)
電子輸送材をUとし、Uの含有率が40wt%の試料を作製し、膜厚の測定および耐摩耗性評価を行った。結果を表5に示す。
(比較例3)
比較例1で作製したPBDの含有率が40wt%の試料について、膜厚の測定および耐摩耗性評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2010134121
上記表5で、同じ膜厚の実施例9と比較例3では、比較例3の破壊時間212sに比べて、実施例9の破壊時間323sと大きく上回り、耐摩耗性に優れていることがわかった。
表5の結果より、破壊時間と膜厚との関係を図5に示す。
図5より、実施例の破壊時間は比較例の破壊時間より100〜150sも長く、耐摩耗性に優れていることは明らかであり、比較例3は耐摩耗性に劣る。要因は電子輸送材I、E、J、D、FおよびUが非晶質であるのに対し、PBDが結晶化し易いことによるものと考えられる。
摩擦磨耗試験における破壊時間を示す図である。 電子輸送材の含有率と電子移動度を示す図である。 実施例3および比較例2のレーザ顕微鏡観察図である。 電子輸送材Iの破壊時間の含有率依存性を示す図である。 破壊時間と膜厚との関係を示す図である。

Claims (2)

  1. 一般式(1)
    Figure 2010134121
    (式中、Arは、置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、またはビフェニリル基を示す。Ar、ArおよびArは、各々独立して、水素原子、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいビフェニリル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいビピリジリル基、置換されていてもよいナフチル基、または置換されていてもよいターフェニリル基を示す。Arが水素原子のとき、ArおよびArは水素原子ではなく、ArおよびArが水素原子のとき、Arは水素原子ではない。)
    で表される1,3,5−トリアジン誘導体を電子輸送材とすることを特徴とする正帯電単層型電子写真感光体。
  2. 1,3,5−トリアジン誘導体が、1.0×10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する1,3,5−トリアジン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の正帯電単層型電子写真感光体。
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