JP3371428B2 - 遅延補償装置、遅延線素子及び該遅延線素子の製造方法 - Google Patents

遅延補償装置、遅延線素子及び該遅延線素子の製造方法

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JP3371428B2
JP3371428B2 JP53076198A JP53076198A JP3371428B2 JP 3371428 B2 JP3371428 B2 JP 3371428B2 JP 53076198 A JP53076198 A JP 53076198A JP 53076198 A JP53076198 A JP 53076198A JP 3371428 B2 JP3371428 B2 JP 3371428B2
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謙二 遠藤
芳行 安川
忠雄 藤井
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P3/00Waveguides; Transmission lines of the waveguide type
    • H01P3/02Waveguides; Transmission lines of the waveguide type with two longitudinal conductors
    • H01P3/06Coaxial lines
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P9/00Delay lines of the waveguide type

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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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  • Communication Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、携帯電話の無線基地局等で使用される高周
波の低歪み電力増幅器用の遅延補償装置、遅延線素子及
び該遅延線素子の製造方法に関する。
背景技術 携帯電話の無線基地局においては、終段の増幅器が複
数の回線の振幅変調又は周波数変調された信号を同時に
増幅し空中線に供給することが要求される。しかしなが
ら、このような無線基地局で使用される増幅器のように
大電力を出力することを要求される増幅器では、トラン
ジスタ等の能動素子が有する非線形特性の影響を受け易
い。非線形特性の影響を受けると、3次相互変調歪等
(以下IMDと略す)が発生し不要輻射を生じるため、何
らかの線形化処理が必要となる。
このIMDを防止するために、図1に示すようなフィー
ドフォワード方式(以下FF方式と略す)の増幅器が使用
されている(特開平6−224650号公報)。
同図において、10は増幅すべき高周波信号の入力され
る入力端子、11は入力端子10に接続された第1の方向性
結合器、12は第1の方向性結合器11の出力に接続された
主増幅器、13は第1の方向性結合器11の出力に接続され
た第1の遅延補償装置、14は主増幅器12の出力に接続さ
れた第2の方向性結合器、15は第1の遅延補償装置13及
び第2の方向性結合器14の出力に接続された第3の方向
性結合器、16は第3の方向性結合器15の出力に接続され
た誤差増幅器、17は第2の方向性結合器14の出力に接続
された第2の遅延補償装置、18は誤差増幅器16及び第2
の遅延補償装置17の出力に接続された第4の方向性結合
器、19は第4の方向性結合器18の出力に接続された出力
端子をそれぞれ示している。
同図からも明らかのように、FF方式では、入力端子10
を介して入力された高周波信号を第1の方向性結合器11
によって2分配して一方を主増幅器12で増幅する。この
主増幅器12では、図1に示すように、主信号に付随して
IMD(歪信号)が発生している。第1の方向性結合器11
によって分配された他方の入力信号は、主増幅器12と同
じだけの遅延特性を持たせた第1の遅延補償装置13を通
過する。この第1の遅延補償装置13の出力信号と、第2
の方向性結合器14により主増幅器12の出力の一部を分配
し図示しないレベル調整器及び位相調整器によってレベ
ル調整及び位相調整した信号とを第3の方向性結合器15
において位相を反転して合成される。その結果、本来の
信号成分(主信号)は互いに打ち消し合い、IMD成分
(歪信号)のみを得ることができる。次に、このIMD成
分を主増幅器12が発生しているレベルに見合うまで誤差
増幅器16で増幅する。
一方、主増幅器12の出力信号は、誤差増幅器16と同じ
だけの遅延特性を持たせた第2の遅延補償装置17を通過
させ、第4の方向性結合器18において誤差増幅器16から
出力されたIMD成分の信号を位相を反転させて合成す
る。その結果、IMD成分が互いに打ち消し合い、本来の
希望する信号のみが出力端子19から出力される。このよ
うに構成することにより、歪特性の大変良好な増幅器を
得ることができる。
この種のFF式増幅器には、以下のごとき問題が従来よ
り存在していた。
(1)増幅器の遅延補償装置として数10nsecの遅延時間
が通常要求されるが、遅延補償装置に同軸線路型の遅延
線素子を使用する場合、数10nsecの遅延時間を得るため
には、数メートルの同軸ケーブルが必要となり、形状が
非常に大きくなる。また、小型化のために細い同軸ケー
ブルを使用すると、損失が著しく大きくなってしまう。
(2)共振器を組み合わせたフィルタを遅延補償装置に
使用する場合、数10nsecの遅延時間を得るためには、10
段又はそれ以上の段数の共振器が必要となり、損失が大
きくなることはもとより組立工数が増大してしまい、さ
らに、特性の調整が困難を極めることとなる。
(3)マイクロストリップライン(特開平2−241205号
公報)を遅延素子として使用する場合、ライン幅方向の
両端部にエネルギーが集中するため、損失が非常に大き
くなってしまう。
(4)電力増幅器内の主増幅器及び誤差増幅器は個々に
周波数特性上のばらつきを有しているが、IMDを完全に
除去するためには個々の増幅器毎にこのばらつきを修正
する必要がある。このためには、主増幅器及び誤差増幅
器と遅延補償装置とを組みあげた後に、主増幅器及び誤
差増幅器の周波数特性を調整することが要求され、これ
は製造工程を著しく煩雑にする。
発明の開示 従って本発明は、従来技術の上述した問題点を解消す
るものであり、その目的は、全体の寸法を大幅に小さく
でき、かつ高周波帯域においても損失が小さい、遅延補
償装置、遅延線素子及び該遅延線素子の製造方法を提供
することにある。
本発明の他の目的は、電力増幅器内の主増幅器及び誤
差増幅器の個々の周波数特性上のばらつきを容易に修正
可能な遅延補償装置を提供することにある。
本発明によれば、中心導体と、中心導体を取り囲むセ
ラミック誘電体と、セラミック誘電体の外面に形成され
ている外導体とを備えた線路部を含む同軸線路型の遅延
線素子であって、セラミック誘電体が、所定の軸方向長
さを有する複数の独立したセラミック誘電体部材を軸方
向に互いに連接して構成されており、各セラミック誘電
体部材が燒結した高誘電率のセラミック誘電体材料によ
って構成されている遅延線素子が提供される。
例えば35nsecの遅延時間を得るためには、真空中では
10.5mの線路が必要になり、実際に、通常の同軸ケーブ
ルではε=2〜3の誘電体を使用しているので約7mの
長さが必要となる。本発明においては、同軸型線路の誘
電体として高誘電率のセラミック誘電体を使用している
ため、その長さを非常に短くすることができる。ここ
で、使用するセラミック誘電体の誘電率がε=92であ
るとすれば、波長短縮率は92の平方根である約9.6とな
るため、遅延線素子の長さは、約1.1mと非常に短くな
る。なお、同軸線路中の基本的伝搬形態はTEM波であ
り、進行方向には電界も磁界も存在しないので、セラミ
ック誘電体は進行方向にすべて連続している必要はな
く、製造方法の都合により短い長さのセラミック誘電体
を多数連ねても何ら問題はない。
遅延線素子の一部が、中心導体と、中心導体を取り囲
む誘電体と、誘電体の外面に形成されている外導体とを
有する線路部であり、誘電体が、樹脂内にセラミックパ
ウダを混入した誘電体で構成されていることが好まし
い。
少なくとも中心導体が、粒界を持たない金属導体によ
り構成されていることが好ましい。
中心導体が、セラミック誘電体の中心孔内において溶
融し焼成された金属導体により構成されているか、セラ
ミック誘電体の中心孔内において圧延されたパイプ状の
金属導体により構成されているか、又はセラミック誘導
体の中心孔内に挿入された中実の線状の金属導体により
構成されていることが好ましい。
中心導体が、セラミック誘電体の中心孔内において圧
延されたパイプ状の金属導体により構成されている場
合、これはセラミック誘電体の中心孔内において静圧又
は火薬焼成による圧力によって押圧され中心孔の内壁に
密着した金属導体により構成されていることが好まし
い。
前述のセラミック誘電体部材が、中心孔を有する円筒
又は角筒形状であるかもしれない。
外導体が、セラミック誘電体の外面に焼成された金属
膜またはめっきされた金属膜により構成されているか、
又はセラミック誘電体の外面に披着されたパイプ状の金
属導体により構成されていることが好ましい。
遅延線素子の少なくとも一方の端部におけるセラミッ
ク誘電体が、この遅延線素子の他の部分におけるセラミ
ック誘電体とは誘電率の異なるセラミック誘電体材料に
よって構成されていることも好ましい。
遅延線素子の少なくとも一方の端部におけるセラミッ
ク誘電体が、この遅延線素子の他の部分におけるセラミ
ック誘電体とは内外径比の異なるセラミック誘電体によ
って構成されていることも好ましい。
遅延線素子の少なくとも一方の端部における中心導体
が、この遅延線素子の他の部分における中心導体とは外
径の異なる中心導体によって構成されていることも好ま
しい。
遅延線素子の主線路部分が、同軸線路型の直線状線路
部のみからなるか、又は同軸線路型の複数の直線状線路
部と、複数の直線状線路部間を接続する同軸線路型の曲
線状線路部とからなることが好ましい。
後者の場合、同軸線路型の曲線状線路部における誘電
体が、樹脂内にセラミックパウダを混入した誘電体で構
成されているか、又は複数の独立したセラミック誘電体
部材により構成されていることが好ましい。
また、本発明によれば、中心導体、中心導体を取り囲
む高誘電率のセラミック誘電体、及びセラミック誘電体
の外面に形成されている外導体を備えた線路部を含む同
軸線路型の遅延線素子であって、セラミック誘電体が、
所定の軸方向長さを有する複数の独立したセラミック誘
電体部材を軸方向に互いに連接して構成されており、各
セラミック誘電体部材が燒結した高誘電率のセラミック
誘電体材料によって構成されている遅延線素子と、この
遅延線素子の少なくとも一方の端部に接続された帯域通
過フィルタとを備えた遅延補償装置が提供される。
遅延線素子の少なくとも一方の端部に帯域通過フィル
タが接続されているので、個々の増幅器の周波数特性上
のばらつきをこの帯域通過フィルタで修正することがで
きる。
帯域通過フィルタが、周波数特性を調整可能に構成さ
れていることが非常に望ましい。
また、帯域通過フィルタは、入力側の特性インピーダ
ンスと出力側の特性インピーダンスとが互いに異なる値
に設定できることが好ましい。これによって、遅延素子
と外部とのインピーダンス整合を取ることができる。
遅延線素子の一方の端部のみに帯域通過フィルタが接
続されているか、又は遅延線素子の両方の端部に帯域通
過フィルタがそれぞれ接続されていることが好ましい。
さらにまた、本発明によれば、中心導体と、中心導体
を取り囲む誘電体と、誘電体の外面に形成された外導体
とを備えた線路部を含む同軸線路型の遅延線素子の製造
方法であって、高誘電率のセラミック誘電体材料を燒結
して所定の軸方向長さを有する複数の独立したセラミッ
ク誘電体部材を形成し、複数のセラミック誘電体部材を
軸方向に互いに連接してセラミック誘電体を形成する遅
延線素子の製造方法が提供される。
遅延線素子の一部が、中心導体と、中心導体を取り囲
む誘電体と、誘電体の外面に形成されている外導体とを
有する線路部であり、誘電体として、樹脂内にセラミッ
クパウダを混入して形成することが好ましい。
少なくとも中心導体が、粒界を持たない金属導体から
形成されることも好ましい。
中心導体が、セラミック誘電体の中心孔内に充填し、
溶融焼成して形成されること、中心導体が、セラミック
誘電体の中心孔内においてパイプ状の金属導体を挿入
し、内側から与えられる静圧又は火薬焼成による圧力に
よってパイプ状の金属導体を押圧して中心孔の内壁に密
着させて形成されること、又は中心導体が、中実の線状
の金属導体をセラミック誘電体の中心孔内に挿入して形
成されることが好ましい。
外導体が、セラミック誘電体の外面に金属ペーストを
披着し、焼成して形成されるか、又はセラミック誘電体
の外面にパイプ状の金属導体を披着して形成されること
も好ましい。
図面の簡単な説明 図1は、FF式電力増幅器の構成の概略を示すブロック
図である。
図2は、本発明の一実施形態として同軸線路型の遅延
線素子の構成を概略的に示す図である。
図3は、図2の実施形態における遅延線素子の遅延時
間特性及び通過損失特性を示す特性図である。
図4は、本発明の他の実施形態として同軸線路型の遅
延線素子の構成を概略的に示す図である。
図5は、本発明のさらに他の実施形態として同軸線路
型の遅延線素子の構成を概略的に示す図である。
図6は、本発明のまたさらに他の実施形態として同軸
線路型の遅延線素子の構成を概略的に示す図である。
図7は、本発明のさらに他の実施形態として同軸線路
型の遅延線素子を有する遅延補償装置の構成を概略的に
示す図である。
図8は、図7の実施形態における各帯域通過フィルタ
の具体的な構成例を示す回路図である。
図9は、図7の実施形態における遅延補償装置におい
て調整可能な範囲の周波数特性を比較して示す特性図で
ある。
図10は、本発明のまたさらに他の実施形態として同軸
線路型の遅延線素子を有する遅延補償装置の構成を概略
的に示す図である。
発明を実施するための最良の形態 図2は本発明の一実施形態として同軸線路型の遅延線
素子の構成を概略的に示す図である。
同図において、20は遅延線素子の主線路部分、21及び
22は主線路部分20の両端に同軸に設けられたλ/4変成器
部分、23及び24はλ/4変成器部分21及び22にそれぞれ接
続された入出力コネクタを示している。
主線路部分20は、中心導体20aと、中心導体20aを取り
囲むセラミック誘電体20bと、セラミック誘電体20bの外
面に形成されている外導体20cとから形成されている。
λ/4変成器部分21及び22は、それぞれ、中心導体21a
及び22aと、中心導体21a及び22aを取り囲むセラミック
誘電体21b及び22bと、セラミック誘電体21b及び22bの外
面に形成されている外導体21c及び22cとから形成されて
いる。
主線路部分20のセラミック誘電体20bは、高誘電率の
セラミック誘電体材料(ε=37、材料Q=10000以
上)をプレス成型して焼成し、外径が12mm、軸方向の長
さが15mmに加工してあり、成型及び焼成上りで内径が1.
6mmの中心孔を有する円筒状ピース又は角筒状ピースに
成形したものを20個(20b1〜20b20)軸方向に連ねて構
成されている。
λ/4変成器部分21及び22の各々のセラミック誘電体21
b及び22bは、これより低い誘電率のセラミック誘電体材
料(ε=23)を、外径が12mm、軸方向の長さが7.5mm
であり、内径が1.6mmの中心孔を有する円筒状ピース又
は角筒状ピース21b1及び22b1に成形したものと、これに
よりさらに低い誘電率のセラミック誘電体材料(ε
9)を、外径が12mm、軸方向の長さが11.5mmであり、内
径が1.6mmの中心孔を有する円筒状ピース又は角筒状ピ
ース21b2及び22b2に成形したものとを軸方向に連ねて構
成されている。
中心導体20a、21a及び22aは、主線路部分20並びにλ/
4変成器部分21及び22のセラミック誘電体20b、21b及び2
2bを構成する一連の円筒状ピース又は角筒状ピースを同
軸にガラスペーストにて焼成して仮固定し、それらの中
心孔に銀ペーストを充填した後、銀の溶融温度(960.5
℃)にて焼成して形成したものである。このようにして
形成することにより、粒界を持たない導体抵抗が最大限
に低減された中心導体を得ることができる。
外導体20c、21c及び22cは、セラミック誘電体20b、21
b及び22bの外面に銀ペーストを塗布し、通常の銀ペース
トの焼き付け温度(約850℃)で焼成して形成されてい
る。
主線路部分120のセラミック誘電体20bが高誘電率のセ
ラミック誘電体材料(ε=37、材料Q=10000以上)
で形成されているため、同軸線路としての特性インピー
ダンスZ0は次式で示される。
ただし、Dは同軸線路の外径、dは同軸線路の内径であ
る。本実施形態の場合、特性インピーダンスZ0はかなり
低くなり、そのままでは他の素子と直接接続することが
できない。即ち、高周波回路ではその特性インピーダン
スを通常50Ωに設定するが、本遅延線素子では、上述し
たように高誘電率のセラミック誘電体を用いていること
と、挿入損失を極力減らすため中心導体の径を大きく設
定していることとにより、その特性インピーダンスが20
Ω程度とかなり低く、整合手段が必要となる。このため
に、主線路部分20の両端にインピーダンスの整合手段と
してλ/4変成器部分21及び22が設置されているのであ
る。
本実施形態において、これらλ/4変成器部分21及び22
は、前述したように、2段階に誘電率の低くなるセラミ
ック誘電体を用いており、それらの軸方向の長さは使用
する周波数で電気長がλ/4となるように、7.5mm、11.5m
mに設定されている。このようにして形成されたλ/4変
成器により、本遅延線素子と外部回路との整合を得るこ
とができる。
本実施形態では、主線路部分20のセラミック誘電体20
bとして、円筒状ピース又は角筒状ピースを20個連ねて
5〜6nsecの遅延時間を得ているが、同様の円筒状ピー
ス又は円筒状ピースを約100個連ねて主線路部分20のセ
ラミック誘電体を構成すれば、約30nsecの遅延時間を得
ることができる。
図3は、本実施形態における遅延線素子の周波数に対
する遅延特性及び通過損失特性を示している。
同図から明らかのように、携帯電話等の基地局におけ
る高周波増幅器の使用周波数帯域を充分にカバーする23
00MHz程度まで、通過損失がほぼ一定に持ちつつ、約5ns
ecの遅延時間を得ている。また、30nsecの遅延時間を得
るのに、約1.5mの全長で済むことから全体の寸法も大幅
に小型化されることとなる。
以上述べた実施形態では、中心導体として、銀を溶融
して焼成したものを用いているが、これは例えば銅等の
他の金属を溶融して焼成したものであってもよい。ま
た、パルスめっきによって形成することも可能である。
さらに、セラミック誘電体の中心孔に肉厚の薄い(約10
0μm)銅(焼きなましてあることが好ましい)、銀、
銀めっきを施したアルミニウム等の金属パイプを挿入
し、パイプの内側より静圧プレス又は火薬燃焼による圧
力を印加することによりこのパイプを圧延して(箔押し
て)誘電体中心孔に密着させて形成してもよい。ただ
し、この場合、ガラスペーストによる各セラミックピー
スの仮固定は不要となるが、各セラミックピースの外導
体をはんだ付等により接続することが必要となる。さら
に、セラミック誘電体の中心孔内に中実の線状の銅、
銀、アルミニウム等の金属導体を挿入して形成してもよ
い。
さらに、以上述べた実施形態では、外導体として、銀
ペーストを焼成したものを用いているが、セラミック誘
電体の外面にこれより僅かに内径の小さい銅、銀、アル
ミニウム等のパイプ状の金属導体を加熱膨張させて外装
してもよい。もちろん、無電解めっきによって形成する
ことも可能である。
λ/4変成器部分については、後述する実施形態のよう
に、種々の変更態様が可能である。
図4は本発明の他の実施形態として同軸線路型の遅延
線素子の構成を概略的に示す図である。
同図において、40は遅延線素子の主線路部分、41及び
42は主線路部分40の両端に同軸に設けられたλ/4変成器
部分、43及び44はλ/4変成器部分41及び42にそれぞれ接
続された入出力コネクタを示している。
主線路部分40は、小さな形状で大きな遅延時間を得る
ために、折り返し形状となっており、3つの同軸線路型
の直線状線路部400、401及び402と、これらを直列に接
続する2つの曲線状線路部403及び404とから構成されて
いる。
主線路部分40の直線状線路部400、401及び402は、中
心導体40aと、中心導体40aを取り囲むセラミック誘電体
40bと、セラミック誘電体40bの外面に形成されている外
導体40cとから形成されている。主線路部分40の曲線状
線路部403及び404は、中心導体40a′と、中心導体40a′
を取り囲む誘電体40b′と、誘電体40b′の外面に形成さ
れている外導体40c′とから形成されている。
λ/4変成器部分41及び42は、それぞれ、中心導体41a
及び42aと、中心導体41a及び42aを間に空間をおいて取
り囲む外導体41c及び42cとから形成されている。
主線路部分40の各直線状線路部400、401及び402のセ
ラミック誘電体40bは、高誘電率のセラミック誘電体材
料(ε=92、材料Q=7000以上)をプレス成型して焼
成し、外径が6mm、軸方向の長さが15mmに加工してあ
り、成型及び焼成上りで内径が1mmの中心孔を有する円
筒状ピース又は角筒状ピースに成形したものを20個軸方
向に連ねて構成されている。
主線路部分40の曲線状線路部403及び404の誘電体40
b′としては、焼結したセラミックよりも振動及び衝撃
に対して柔軟な樹脂にセラミックパウダを混入した樹脂
誘電体(ε=10)を使用し、外導体40c′としては、
銅、銀、アルミニウム等のパイプ状の金属導体を使用し
ており、特性インピーダンスが各直線状線路部400、401
及び402と同じになるように構成されている。
本実施形態においては、λ/4変成器部分41及び42には
誘電体材料は存在せず、空気が誘電体として働いてい
る。
主線路部分40の中心導体40a及び40a′は、セラミック
誘電体40bを構成する一連の円筒状ピース又は角筒状ピ
ースと誘電体40b′とを同軸に並べて、誘電体40b及び40
b′の中心孔に肉厚の薄い(約100μm)銅(焼きなまし
てあることが好ましい)、銀、銀めっきを施したアルミ
ニウム等の金属パイプを挿入し、パイプの内側より静圧
プレス又はパイプの内側に仕掛けた火薬を燃焼させガス
圧を印加することによりこのパイプを圧延して(箔押し
て)誘電体中心孔に密着させて形成している。このよう
にして形成することにより、粒界を持たない導体抵抗が
最大限に低減された中心導体を得ることができる。
λ/4変成器部分41及び42の中心導体41a及び42aは、2
段階に径の異なる中実の棒状の金属導体41a1及び41a2
びに42a1及び42a2からそれぞれ構成されている。
主線路部分40の直線状線路部400、401及び402の外導
体40cは、セラミック誘電体の外面にこれより僅かに内
径の小さい銅、銀、アルミニウム等のパイプ状の金属導
体を加熱膨張させて外装している。ただし、このとき、
素子の使用温度条件を考慮して加工寸法、加熱条件を定
める必要がある。λ/4変成器部分41及び42の外導体41c
及び42cは、同じパイプ状の金属導体が延長されて形成
されている。
主線路部分40のセラミック誘電体40bが主に高誘電率
のセラミック誘電体材料(ε=92、材料Q=7000以
上)で形成されているため、同軸線路としての特性イン
ピーダンスは前述の実施形態の場合と同様にかなり低く
なり、そのままでは他の素子と直接接続することができ
ない。即ち、高周波回路ではその特性インピーダンスを
通常50Ωに設定するが、本遅延線素子では、上述したよ
うに高誘電率のセラミック誘電体を用いていることと、
挿入損失を極力減らすため中心導体の径を大きく設定し
ていることとにより、その特性インピーダンスが11.2Ω
程度とかなり低く、整合手段が必要となる。このため
に、主線路部分40の両端にインピーダンスの整合手段と
してλ/4変成器部分41及び42が設置されているのであ
る。
本実施形態において、これらλ/4変成器部分41及び42
は、前述したように、2段階に外径比の異なる中心導体
を用いており、それらの軸方向の長さは使用する周波数
で電気長がλ/4となるように設定されている。このよう
にして形成されたλ/4変成器により、本遅延線素子と外
部回路との整合を得ることができる。
本実施形態では、主線路部分40の各直線状線路部40
0、401及び402のセラミック誘電体40bとして、円筒状ピ
ース又は角筒状ピースを20個連ねたものを用いている
が、同様の直線状線路部を3本直列接続することによ
り、約30nsecの遅延時間を得ることができる。
以上述べた図4の実施形態では、中心導体として、セ
ラミック誘電体の中心孔に肉厚の薄い(約100μm)金
属パイプを挿入し、静圧プレス又は火薬の燃焼ガスの圧
力によりこのパイプを圧延して(箔押して)誘電体中心
孔に密着させて形成しているが、これは、図2の実施形
態のように、銀、銅等の金属を溶融して焼成したもので
あってもよい。また、セラミック誘電体の中心孔内に中
実の線状の銅、銀、アルミニウム等の金属導体を挿入し
て形成してもよい。さらに、パルスめっきによって形成
することも可能である。
さらに、以上述べた図4の実施形態では、外導体とし
て、パイプ状の金属導体を加熱膨張させて外装している
が、これは、図2の実施形態のように、銀ペーストを焼
成したものを用いて各セラミックピースの外導体をはん
だ付してもよい。各セラミックピースがガラスペースト
により一体化されている場合ははんだ付が不要である。
もちろん、無電解めっきによって形成することも可能で
ある。
λ/4変成器部分についても、図2の実施形態のように
構成してもよいし、後述する図5及び図6の実施形態の
ように構成してもよい。
図5は本発明のさらに他の実施形態として同軸線路型
の遅延線素子の構成を概略的に示す図である。
同図において、50は遅延線素子の主線路部分、51及び
52は主線路部分50の両端に同軸に設けられたλ/4変成器
部分、53及び54はλ/4変成器部分51及び52にそれぞれ接
続された入出力コネクタを示している。
本実施形態においても主線路部分50は、小さな形状で
大きな遅延時間を得るために、折り返し形状となってお
り、3つの同軸線路型の直線状線路部500、501及び502
と、これらを直列に接続する2つの曲線状線路部503及
び504とから構成されている。
主線路部分50の直線状線路部500、501及び502は、中
心導体50aと、中心導体50aを取り囲むセラミック50b
と、セラミック誘電体50bの外面に形成されている外導
体50cとから形成されている。
主線路部分50の曲線状線路部503及び504は、中心導体
50a′と、中心導体50a′を取り囲むセラミック誘電体50
b′と、セラミック誘電体50b′の外面に形成されている
外導体50c′とから形成されている。
λ/4変成器部分51及び52は、それぞれ、中心導体51a
及び52aと、中心導体51a及び52aを取り囲むセラミック
誘電体51b及び52bと、セラミック誘電体51b及び52bを間
に空間をおいて取り囲む外導体51c及び52cとから形成さ
れている。
主線路部分50の各直線状線路部500、501及び502のセ
ラミック誘電体50bは、高誘電率のセラミック誘電体材
料(ε=92、材料Q=7000以上)をプレス成型して焼
成し、外径が6mm、軸方向の長さが15mmに加工してあ
り、成型及び焼成上りで内径が1mmの中心孔を有する円
筒状ピース又は角筒状ピースに成形したものを20個軸方
向に連ねて構成されている。
高誘電率のセラミック誘電体材料は、例えば、樹脂内
に高誘電率のセラミックパウダを混入した材料で構成さ
れていてもよい。ただし、この場合、ε=92を得るこ
とが困難であるため、これにより低い誘電率を設定して
各部の設計が行われる。
主線路部分50の曲線状線路部503及び504のセラミック
誘電体50b′も、高誘電率のセラミック誘電体材料(ε
=92、材料Q=7000以上)を、外径として6mmを有し
ており、かつ内径が1mmの中心孔を有する円筒状ピース
又は角筒状ピースを18個軸方向に連ねて構成されてい
る。ただし、実際には、各ピースは、中心孔の軸を曲線
にするために、プレス成形したものをさらに加工して形
成される。また、軸を通る面で2分割した形にプレス成
形、加工したものを向かい合わせにして形成する方法も
ある。
本実施形態においては、λ/4変成器部分51及び52の各
々のセラミック誘電体51b及び52bを誘電体として、高誘
電率のセラミック誘電体材料を6mmより小さい外径を有
しておりかつ内径が1mmの中心孔を有する円筒状ピース
又は角筒状ピース51b1及び52b1に成形したものと、これ
よりさらに小さい外径を有しており内径が1mmの中心孔
を有する円筒状ピース又は角筒状ピース51b2及び52b2
成形したものとを軸方向に連ねて構成されている。従っ
て、これら変成器部分の実効誘電率は、セラミックと空
気との合成されたものとなるため、主線路部分50より小
さくなり特性インピーダンスが高くなる。
主線路部分50の中心導体50a及び50a′並びにλ/4変成
器部分51及び52の中心導体51a及び52aは、セラミック誘
導体を構成する一連の円筒状ピース又は角筒状ピースを
同軸に並べて、それらの中心孔に肉厚の薄い(約100μ
m)銅、銀、銀めっきを施したアルミニウム又は焼きな
ました銅等の金属パイプを挿入し、パイプの内側より静
圧プレス又パイプの内側に仕掛けた火薬を燃焼させガス
圧を印加することによりこのパイプを圧延して(箔押し
て)誘導体中心孔に密着させて形成している。このよう
にして形成することにより、粒界を持たない導体抵抗が
最大限に低減された中心導体を得ることができる。
主線路部分50の外導体50c及び50c′は、セラミック誘
導体の外面にこれより僅かに内径の小さい銅、銀、アル
ミニウム等のパイプ状の金属導体を加熱膨張させて外装
している。ただし、このとき、素子の使用温度条件を考
慮して加工寸法、加熱条件を定める必要がある。λ/4変
成器部分51及び52の外導体51c及び52cは、同じパイプ状
の金属導体が延長されて形成されている。
主線路部分50のセラミック誘電体50b及び50b′が主に
高誘電率のセラミック誘電体材料(ε=92、材料Q=
7000以上)で形成されているため、同軸線路としての特
性インピーダンスは前述の実施形態の場合と同様にかな
り低くなり、そのままでは他の素子と直接接続すること
ができない。即ち、高周波回路ではその特性インピーダ
ンスを通常50Ωに設定するが、本遅延線素子では、上述
したように高誘電率のセラミック誘電体を用いているこ
とと、挿入損失を極力減らすため中心導体の径を大きく
設定していることとにより、その特性インピーダンスが
11.2Ω程度とかなり低く、整合手段が必要となる。この
ために、主線路部分50の両端にインピーダンスの整合手
段としてλ/4変成器部分51及び52が設置されているので
ある。
本実施形態において、これらλ/4変成器部分51及び52
は、前述したように、2段階に外径比の異なるセラミッ
ク誘電体を用いており、それらの軸方向の長さは使用す
る周波数で電気長がλ/4となるように設定されている。
このようにして形成されたλ/4変成器により、本遅延線
素子と外部回路との整合を得ることができる。
本実施形態では、主線路部分50の各直線状線路部50
0、501及び502のセラミック誘電体50bとして、円筒状ピ
ース又は角筒状ピースを20個連ねたものを用いている
が、同様の直線状線路部を3本直列接続することによ
り、約30nsecの遅延時間を得ることができる。
以上述べた図5の実施形態では、中心導体として、セ
ラミック誘電体の中心孔に肉厚の薄い(約100μm)金
属パイプを挿入し、静圧プレス又は火薬の燃焼ガスの圧
力によりこのパイプを圧延して(箔押して)誘電体中心
孔に密着させて形成しているが、これは、樹脂にセラミ
ックを混入したものを除き図2の実施形態のように、
銀、銅等の金属を溶融して焼成したものであってもよ
い。また、セラミック誘電体の中心孔内に中実の線状の
銅、銀、アルミニウム等の金属導体を挿入して形成して
もよい。さらに、パルスめっきによって形成することも
可能である。
さらに、以上述べた図5の実施形態では、外導体とし
て、パイプ状の金属導体を加熱膨張させて外装している
が、これは、図2の実施形態のように、樹脂にセラミッ
クを混入したものを除き銀ペーストを焼成したものを用
いてもよい。もちろん、無電解めっきによって形成する
ことも可能である。
λ/4変成器部分についても、図2及び図4の実施形態
のように構成してもよいし、後述する図6の実施形態の
ように構成してもよい。
図6は本発明のまたさらに他の実施形態として同軸線
路型の遅延線素子の構成を概略的に示す図である。
同図において、60は遅延線素子の主線路部分、62は主
線路部分60の一端に同軸に設けられたλ/4変成器部分
(他端にもλ/4変成器部分が設けられているが図6には
示されていない)、63及び64は両端のλ/4変成器部分に
それぞれ接続された入出力コネクタ、65及び66は金属ブ
ロックを示している。
主線路部分60は、小さな形状で大きな遅延時間を得る
ために、折り返し形状となっており、3つの同軸線路型
の直線状線路部600、601及び602と、これらを直列に接
続する2つの曲線状線路部604(図6には一方のみが表
わされている)とから構成されている。
主線路部分60の直線状線路部600、601及び602は、中
心導体60aと、中心導体60aを取り囲むセラミック誘電体
60bと、セラミック誘電体60bの外面に形成されている外
導体60cとから形成されている。主線路部分60の一方の
曲線状線路部604は、中心導体60a′と、中心導体60a′
を取り囲む誘電体60b′と、誘電体60b′を取り囲む、金
属ブロック66によって構成されている外導体とから形成
されている。他方の曲線状線路部も同様の構成である。
一方のλ/4変成器部分62は、中心導体62aと、中心導
体62を取り囲むセラミック誘電体62bと、セラミック誘
電体62bを取り囲む、金属ブロック66によって構成され
ている外導体とから形成されている。他方のλ/4変成器
部分も同様の構成である。
主線路部分60の各直線状線路部600、601及び602のセ
ラミック誘電体60bは、高誘電率のセラミック誘電体材
料(ε=92、材料Q=7000以上)をプレス成型して焼
成し、外径が6mm、軸方向の長さが15mmに加工してあ
り、成型及び焼成上りで内径が1mmの中心孔を有する円
筒状ピース又は角筒状ピースに成形したものを20個軸方
向に連ねて構成されている。
高誘電率のセラミック誘電体材料は、例えば、樹脂内
に高誘電率のセラミックパウダを混入した材料で構成さ
れていてもよい。
主線路部分60の一方の曲線状線路部604のセラミック
誘電体60b′も、高誘電率のセラミック誘電体材料(ε
=92、材料Q=7000以上)を、内径が1mmの中心孔を
有する円筒状又は角筒状に形成される。実際には、2分
割した金属ブロック上に形成された、断面が半円又は半
角であり軸が半円形を描く半溝内にこれと同形状のセラ
ミック誘電体を設け、2分割した金属ブロックを合成す
ることによって形成される。曲線状線路部の誘電体とし
て、焼結したセラミックよりも振動及び衝撃に対して柔
軟な樹脂にセラミックパウダを混入した樹脂誘電体(ε
=10)を使用することも望ましい。
本実施形態においては、一方のλ/4変成器部分62のセ
ラミック誘電体62bの誘電体として、高誘電率のセラミ
ック誘電体材料を6mmより大きい外径を有しておりかつ
内径が1mmの中心孔を有する円筒状ピース又は角筒状ピ
ース62b1に成形したものと、これよりさらに小さい外径
を有しており内径が1mmの円筒状又は角筒状空洞62b2
形成したものとを軸方向に連ねて構成されている。
主線路部分60の中心導体60a及び60a′並びにλ/4変成
器部分の中心導体は、セラミック誘電体を構成する一連
の円筒状ピース又は角筒状ピースを同軸に並べて、それ
らの中心孔に1本の連続した中実の銀めっき銅線等の金
属線が組み付けられている。このように、連続した中実
の金属線を用いることにより、粒界を持たない導体抵抗
を最大限にまで低減された伝送損失が大変少ない中心導
体を得ることができる。
主線路部分60の直線状線路部600、601及び602の外導
体60cは、セラミック誘電体の外面にこれより僅かに内
径の小さい銅、銀、アルミニウム等のパイプ状の金属導
体を加熱膨張させて外装している。ただし、このとき、
素子の使用温度条件を考慮して加工寸法、加熱条件を定
める必要がある。曲線状線路部603及びλ/4変成器部分6
2の外導体は、前述したように、金属ブロックで形成さ
れている。
本実施形態における遅延線素子の製造方法としては、
まず、銀めっき銅線と主線路部分の直線状線路部を構成
する同軸型のセラミック誘電体と外導体を構成する銅パ
イプとを組み付け、ジグにより銅線の一部を折り曲げて
曲線状線路部分を直線状線路部と同様に組み付ける。曲
線状線路部分については2分割した金属ブロックに形成
した、断面が半円又は半角であり軸が半円形を描く半溝
内に2分割されたセラミック誘電体と中心導体とが挟ま
れて組み込まれる。伝送線路の両端部分にはλ/4変成器
が設置される。この変成器も金属ブロック内に設置され
る。
主線路部分60のセラミック誘電体60b及び60b′が主に
高誘電率のセラミック誘電体材料(ε=92、材料Q=
7000以上)で形成されているため、同軸線路としての特
性インピーダンスは前述の実施形態の場合と同様にかな
り低くなり、そのままでは他の素子と直接接続すること
ができない。即ち、高周波回路ではその特性インピーダ
ンスを通常50Ωに設定するが、本遅延線素子では、上述
したように高誘電率のセラミック誘電体を用いているこ
とと、挿入損失を極力減らすため中心導体の径を大きく
設定していることとにより、その特性インピーダンスが
11.2Ω程度とかなり低く、整合手段が必要となる。この
ために、主線路部分60の両端にインピーダンスの整合手
段としてλ/4変成器部分が設置されているのである。
本実施形態において、これらλ/4変成器部分は、前述
したように、2段階に主線路部とは外径比の異なるセラ
ミック誘電体と空気とを用いており、それらの軸方向の
長さは使用する周波数で電気長がλ/4となるように設定
されている。このようにして形成されたλ/4変成器によ
り、本遅延線素子と外部回路との整合を得ることができ
る。
本実施形態では、主線路部分60の各直線状線路部60
0、601及び602のセラミック誘電体60bとして、円筒状ピ
ース又は角筒状ピースを20個連ねたものを用いている
が、同様の直線状線路部を3本直列接続することによ
り、約30nsecの遅延時間を得ることができる。
以上述べた図6の実施形態では、中心導体として、セ
ラミック誘電体の中心孔内に中実の線状の銅、銀、アル
ミニウムの金属導体を挿入して形成しているが、直線状
線路部においては樹脂にセラミックを混入したものを除
き図2の実施形態のように、銀、銅等の金属を溶融して
焼成したものであってもよい。また、セラミック誘電体
の中心孔に肉厚の薄い(約100μm)金属パイプを挿入
し、パイプの内側より静圧プレス又は火薬の燃焼による
ガス圧を印加することによりこのパイプを圧延して(箔
押して)誘電体中心孔に密着させて形成してもよい。さ
らに、パルスめっきによって形成することも可能であ
る。
さらに、以上述べた図6の実施形態では、外導体とし
て、パイプ状の金属導体を加熱膨張させて外装している
が、これは、図2の実施形態のように、樹脂にセラミッ
クを混入したものを除き銀ペーストを焼成したものを用
いてはんだで接続したもよい。もちろん、無電解めっき
によって形成することも可能である。
λ/4変成器部分についても、図2、図4及び図5の実
施形態のように構成してもよい。
図7は本発明のさらに他の実施形態として同軸線路型
の遅延線素子を有する遅延補償装置の構成を概略的に示
す図である。
同図において、70は遅延線素子、71及び72は遅延線素
子70の両端にそれぞれ結合される帯域通過フィルタを示
している。
遅延線素子70は、図2の実施形態における遅延線素子
の主線路部分20とほぼ同じ構造を有している。即ち、遅
延線素子70は、中心導体70aと、中心導体70aを取り囲む
セラミック誘電体70bと、セラミック誘電体70bの外面に
形成されている外導体70cとから形成されている。
帯域通過フィルタ71及び72は、それぞれ、周波数特性
が可変となるように構成されている。
遅延線素子70のセラミック誘電体70bは、高誘電率の
セラミック誘電体材料(ε=37、材料Q=10000以
上)をプレス成型して焼成し、外径が12mm、軸方向の長
さが15mmに加工してあり、成型及び焼成上りで内径が1.
6mmの中心孔を有する円筒状ピース又は角筒状ピースに
成形したものを20個軸方向に連ねて構成されている。
高誘電率のセラミック誘電体材料は、銀ペーストの焼
成等の工程は採用したいが、例えば、樹脂内に高誘電率
のセラミックパウダを混入した材料で構成されていても
よい。
中心導体70aは、セラミック誘電体70bを構成する一連
の円筒状ピース又は角筒状ピースを同軸にガラスペース
トにて焼成して仮固定し、その中心孔に銀ペーストを充
填した後、銀の溶融温度(960.5℃)にて焼成して形成
したものである。このようにして形成することにより、
粒界を持たない導体抵抗が最大限に低減された中心導体
を得ることができる。
外導体70cは、セラミック誘電体70bの外面に銀ペース
トを塗布し、通常の銀ペーストの焼き付け温度(約850
℃)で焼成して形成されている。
図8は、図7の実施形態における各帯域通過フィルタ
71及び72の具体的な構成例を示す回路図である。
同図からも明らかのように、これら帯域通過フィルタ
71及び72の各々は、例えばセラミック誘電体からなる2
段の共振器を容量結合したフィルタであり、ねじ71a〜7
1e及び72a〜72eを調整することによってキャパシタンス
が可変となるように構成されており、これによって通過
周波数帯域特性が制御可能となる。
電力増幅器は、通常、単峰型又は双峰型の周波数特性
を有しており、このばらつきを補正するために、帯域通
過フィルタ71及び72の周波数特性をチェビシェフ型又は
マキシマリ、フラット型に調整し、これによって電力増
幅器全体の周波数特性を調整する。
図9は、本実施形態における遅延補償装置において調
整可能な範囲の周波数特性を比較して示している。同図
から明らかのように、例えば実線Aに示すような特性と
1点鎖線Bに示すような特性との間で帯域通過フィルタ
の周波数特性を調整するか又は適切な特性を有する帯域
通過フィルタを選択することによって、電力増幅器全体
の周波数特性を平坦な特性に簡単に修正することができ
る。
セラミック誘電体70bが高誘電率のセラミック誘電体
材料(ε=37、材料Q=10000以上)で形成されてい
るため、同軸線路としての特性インピーダンスは前述の
実施形態の場合と同様にかなり低くなり、そのままでは
他の素子と直接接続することができない。即ち、高周波
回路ではその特性インピーダンスを通常50Ωに設定する
が、本遅延線素子では、上述したように高誘電率のセラ
ミック誘電体を用いていることと、挿入損失を極力減ら
すため中心導体の径を大きく設定していることとによ
り、その特性インピーダンスが20Ω程度とかなり低く、
整合手段が必要となる。帯域通過フィルタ71及び72は、
入出力インピーダンスが異なるように設計されており、
インピーダンス整合手段をも兼用して遅延線素子70の両
端に接続されている。
本実施形態では、セラミック誘電体70bとして、円筒
状ピース又は角筒状ピースを20個連ねて5〜6nsecの遅
延時間を得ているが、同様の円筒状ピース又は角筒状ピ
ースを約100個連ねてセラミック誘電体を構成すれば、
約30nsecの遅延時間を得ることができる。
本実施形態では、中心導体として、銀を溶融して焼成
したものを用いているが、これは例えば銅等の他の金属
を溶融して焼成したものであってもよいし、圧延したも
のであってもよい。また、セラミック誘電体の中心孔に
肉厚の薄い(約100μm)銅、銀、銀めっきを施したア
ルミニウム等の金属パイプを挿入し、パイプの内側から
静圧プレス又は火薬の燃焼によるガス圧を印加すること
によりこのパイプを圧延して(箔押して)誘電体中心孔
に密着させて形成してもよい。さらに、セラミック誘電
体の中心孔内に中実の線状の銅、銀、アルミニウム等の
金属導体を挿入して形成してもよい。また、パルスめっ
きによって形成することも可能である。
さらに、外導体として、銀ペーストを焼成したものを
用いているが、セラミック誘電体の外面にこれより僅か
に内径の小さい銅、銀、アルミニウム等のパイプ状の金
属導体を加熱膨張させて外装してもよい。もちろん、無
電解めっきによって形成することも可能である。
また、上述した実施形態では、遅延線素子70の両端に
それぞれ帯域通過フィルタを設けているが、素子の一方
の端部にインピーダンスの整合を兼ねて通過損失に周波
数特性を持たせるための帯域通過フィルタを設け、他方
の端部にはλ/4変成器を設けるようにしてもよい。帯域
通過フィルタを一方の端部に接続するのみで所望の周波
数特性が得られるならば、両端部にそれぞれ設けるより
も損失を低減する意味から好都合である。さらに、帯域
通過フィルタの種類は、誘電体共振器を使用したものの
他に、キャビティ型、ヘリカル型等のいかなるものであ
ってもよいし、段数も2段に限定されることはない。
図10は本発明のまたさらに他の実施形態として同軸線
路型の遅延線素子を有する遅延補償装置の構成を概略的
に示す図である。
同図において、100は遅延線素子の主線路部分、101は
主線路部分100の一方の端部に接続された帯域通過フィ
ルタ、102は主線路部分100の他方の端部に接続されたλ
/4変成器部分を示している。
主線路部分100は、図6の実施形態における遅延線素
子の主線路部分60とほぼ同じ構造を有している。即ち、
主線路部分100は、小さな形状で大きな遅延時間を得る
ために、折り返し形状となっており、3つの同軸線路型
の直線状線路部1000、1001及び1002と、これらを直列に
接続する2つの曲線状線路部1003及び1004とから構成さ
れている。
主線路部分100の直線状線路部1000、1001及び1002
は、中心導体100aと、中心導体100aを取り囲むセラミッ
ク誘電体100bと、セラミック誘電体100bの外面に形成さ
れている外導体100cとから形成されている。
主線路部分100の曲線状線路部1003及び1004は、中心
導体100a′と、中心導体100a′を取り囲む誘電体100b′
と、誘電体100b′の外面に形成されている外導体100c′
とから形成されている。
λ/4変成器部分102は、中心導体102aと、中心導体102
aを中心に空間をおいて取り囲む外導体102cとから形成
されている。
主線路部分100の各直線状線路部1000、1001及び1002
のセラミック誘電体100bは、高誘電率のセラミック誘電
体材料(ε=92、材料Q=7000以上)をプレス成型し
て焼成し、外径が10mm、軸方向の長さが15mmに加工して
あり、成型及び焼成上りで内径が1mmの中心孔を有する
円筒状ピース又は角筒状ピースに成形したものを20個軸
方向に連ねて構成されている。
高誘電率のセラミック誘電体材料は、採用可能な工程
や誘電率に制限はあるものの、例えば、樹脂内に高誘電
率のセラミックパウダを混入した材料で構成されていて
もよい。
主線路部分100の曲線状線路部1003及び1004の誘電体1
00b′としては、焼結したセラミックよりも振動及び衝
撃に対して柔軟な樹脂にセラミックパウダを混入した樹
脂誘電体(ε=10)を使用し、外導体100c′として
は、銅、銀、アルミニウム等のパイプ状の金属導体を使
用しており、特性インピーダンスが11.2Ωの線路となる
ように構成されている。
本実施形態においては、λ/4変成器部分102には誘電
体材料は存在せず、空気が誘電体として働いている。
主線路部分100の中心導体100aは、セラミック誘電体1
00bを構成する一連の円筒状ピース又は角筒状ピースを
同軸に並べて、誘電体100bの中心孔に肉厚の薄い(約10
0μm)銅(焼きなましてあることが好ましい)、銀、
銀めっきを施したアルミニウム等の金属パイプを挿入
し、パイプの内側からの静圧プレス又はパイプの内側に
仕掛けた火薬を燃焼させて得たガス圧を印加することに
より、このパイプを圧延して(箔押して)誘電体中心孔
に密着させて形成している。このようにして形成するこ
とにより、粒界を持たない導体抵抗が最大限に低減され
た中心導体を得ることができる。
λ/4変成器部分102の中心導体102aは、2段階に径の
異なる中実の棒状の金属導体102a1及び102a2から構成さ
れている。
主線路部分100の直線状線路部1000、1001及び1002の
外導体100cは、セラミック誘電体の外面にこの外径より
僅かに内径の小さい銅、銀、アルミニウム等のパイプ状
の金属導体を加熱膨張させて外装している。ただし、こ
のとき、素子の使用温度条件を考慮して加工寸法、加熱
条件を定める必要がある。λ/4変成器部分102の外導体1
02cは、同じパイプ状の金属導体が延長されて形成され
ている。
帯域通過フィルタ101は、図7の実施形態における帯
域通過フィルタと同様にセラミック誘電体からなる2段
の共振器を容量結合したフィルタであり、ねじ101a〜10
1eを調整することによってキャパシタンスが可変となる
ように構成されており、これによって通過周波数帯域特
性が制御可能となる。
電力増幅器は、通常、単峰型又は双峰型の周波数特性
を有しており、このばらつきを補正するために、帯域通
過フィルタ101の周波数特性をチェビシェフ型又はマキ
シマリ・フラット型に調整し、これによって電力増幅器
全体の周波数特性を調整する。帯域通過フィルタ101に
よる周波数特性を調整するか又は適切な特性を有する帯
域通過フィルタ101を選択することによって、電力増幅
器全体の周波数特性を増幅器固有の特性から所望の特性
に簡単に修正することができる。
主線路部分100のセラミック誘電体100bが主に高誘電
率のセラミック誘電体材料(ε=92、材料Q=7000以
上)で形成されているため、同軸線路としての特性イン
ピーダンスは前述の実施形態の場合と同様にかなり低く
なり、そのままでは他の素子と直接接続することができ
ない。即ち、高周波回路ではその特性インピーダンスを
通常50Ωに設定するが、この遅延線素子では、上述した
ように高誘電率のセラミック誘電体を用いていること
と、挿入損失を極力減らすため中心導体の径を大きく設
定していることとにより、その特性インピーダンスが1
1.2Ω程度とかなり低く、整合手段が必要となる。この
ために、主線路部分100の一方の端部に外部回路とのイ
ンピーダンスの整合を兼用して帯域通過フィルタ101を
接続すると共に他端部にλ/4変成器部分102を接続して
インピーダンス整合を行っているのである。
本実施形態において、λ/4変成器部分102は、前述し
たように、2段階に外径比の異なる中心導体を用いてお
り、それらの軸方向の長さは使用する周波数で電気長が
λ/4となるように設定されている。
本実施形態では、主線路部分100の各直線状線路部100
0、1001及び1002のセラミック誘電体100bとして、円筒
状ピース又は角筒状ピースを20個連ねたものを用いてい
るが、同様の直線状線路部を3本直列接続することによ
って、約30nsec以上の遅延時間を得ることができる。
以上述べた図10の実施形態では、中心導体として、セ
ラミック誘電体の中心孔に肉厚の薄い(約100μm)金
属パイプを挿入し、静圧プレス又は火薬の燃焼ガス圧力
によりこのパイプを圧延して(箔押して)誘電体中心孔
に密着させて形成しているが、これは、図2の実施形態
のように、銀、銅等の金属を溶融して焼成したものであ
ってもよい。また、セラミック誘電体の中心孔内に中実
の線状の銅、銀、アルミニウム等の金属導体を挿入して
形成してもよい。さらに、パルスめっきによって形成す
ることも可能である。
さらに、以上述べた図10の実施形態では、外導体とし
て、パイプ状の金属導体を加熱膨張させて外装している
が、これは、図7の実施形態のように、銀ペーストを焼
成したものを用いてもよい。もちろん、無電解めっきに
よって形成することも可能である。
本実施形態では、帯域通過フィルタ101を一方の端部
のみに接続することによって所望の周波数特性が得てい
るので、帯域通過フィルタを両端部にそれぞれ設けるよ
りも損失を低減する意味から好都合である。もちろん、
両端部に設けてもよいことは明らかである。さらに、帯
域通過フィルタの種類は、誘電体共振器を使用したもの
の他に、キャビティ型、ヘリカル型等のいかなるもので
あってもよいし、段数も2段に限定されることはない。
本発明は以上述べた実施形態に限定されるものではな
く、要求される装置の形状により伝送線の配置方向はど
のようにしても良い。また、伝送線の端部に方向性結合
器を配置すると、FF式電力増幅器全体の設計が効率的に
実施できる。インピーダンスの整合は50Ωに限らず使用
する増幅器の都合に合わせて設定してもよい。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すもの
であって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々
の変形態様及び変更態様で実施することができる。従っ
て本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によ
ってのみ規定されるものである。
以上詳細に説明したように本発明によれば、遅延線素
子が、誘電率の高いセラミック誘電体で構成されている
ので、必要な線路長が短くて済み素子の形状が小さくな
ると共に導体の長さも短くなるので低挿入損失の遅延線
素子を得ることができる。また、Qの高い誘電体材料を
使用することによって、いっそう低挿入損失となる。さ
らに、基本的に同軸ケーブルと同様の構造であるため、
周波数特性は大変に平坦でかつ安定している。
また、帯域通過フィルタによりインピーダンスの整合
状態や損失の周波数特性が調整できるので、FF式電力増
幅器に組み込んでから個々の増幅器のバラツキに合わせ
て容易に調整する事が可能となり、IMD成分の大変少な
いFF式電力増幅器の量産が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−41606(JP,A) 特開 平3−272513(JP,A) 特開 平4−75206(JP,A) 実開 昭61−99913(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 9/00 C04B 35/495 H01P 3/06 H01B 11/00 H01B 7/00

Claims (33)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心導体と、該中心導体を取り囲むセラミ
    ック誘電体と、該セラミック誘電体の外面に形成されて
    いる外導体とを備えた線路部を含む同軸線路型の遅延線
    素子であって、前記セラミック誘電体が、所定の軸方向
    長さを有する複数の独立したセラミック誘電体部材を軸
    方向に互いに連接して構成されており、該各セラミック
    誘電体部材が燒結した高誘電率のセラミック誘電体材料
    によって構成されていることを特徴とする遅延線素子。
  2. 【請求項2】前記遅延線素子の一部が、中心導体と、該
    中心導体を取り囲む誘電体と、該誘電体の外面に形成さ
    れている外導体とを有する線路部であり、該誘電体が、
    樹脂内にセラミックパウダを混入した誘電体で構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の遅延線素子。
  3. 【請求項3】少なくとも前記中心導体が、粒界を持たな
    い金属導体により構成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の遅延線素子。
  4. 【請求項4】前記中心導体が、前記セラミック誘電体の
    中心孔内において溶融し焼成された金属導体により構成
    されていることを特徴とする請求項3に記載の遅延線素
    子。
  5. 【請求項5】前記中心導体が、前記セラミック誘電体の
    中心孔内において圧延されたパイプ状の金属導体により
    構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遅延
    線素子。
  6. 【請求項6】前記中心導体が、前記セラミック誘電体の
    中心孔内において静圧又は火薬燃焼による圧力によって
    押圧され前記中心孔の内壁に密着した金属導体により構
    成されていることを特徴とする請求項5に記載の遅延線
    素子。
  7. 【請求項7】前記中心導体が、前記セラミック誘電体の
    中心孔内に挿入された中実の線状の金属導体により構成
    されていることを特徴とする請求項3に記載の遅延線素
    子。
  8. 【請求項8】前記セラミック誘電体部材が、中心孔を有
    する円筒又は角筒形状であることを特徴とする請求項1
    に記載の遅延線素子。
  9. 【請求項9】前記外導体が、前記セラミック誘電体の外
    面に焼成された金属膜により構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の遅延線素子。
  10. 【請求項10】前記外導体が、前記セラミック誘電体の
    外面に披着されたパイプ状の金属導体により構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の遅延線素子。
  11. 【請求項11】前記遅延線素子の少なくとも一方の端部
    における前記セラミック誘電体が、該遅延線素子の他の
    部分における前記セラミック誘電体とは誘電率の異なる
    セラミック誘電体材料によって構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の遅延線素子。
  12. 【請求項12】前記遅延線素子の少なくとも一方の端部
    における前記セラミック誘電体が、該遅延線素子の他の
    部分における前記セラミック誘電体とは内外径比の異な
    るセラミック誘電体によって構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の遅延線素子。
  13. 【請求項13】前記遅延線素子の少なくとも一方の端部
    における前記中心導体が、該遅延線素子の他の部分にお
    ける前記中心導体とは外径の異なる中心導体によって構
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の遅延線
    素子。
  14. 【請求項14】前記遅延線素子が、同軸線路型の直線状
    線路部のみからなることを特徴とする請求項1に記載の
    遅延線素子。
  15. 【請求項15】前記遅延線素子が、同軸線路型の複数の
    直線状線路部と、該複数の直線状線路部間を接続する同
    軸線路型の曲線状線路部とを含むことを特徴とする請求
    項1に記載の遅延線素子。
  16. 【請求項16】前記同軸線路型の曲線状線路部が、中心
    導体と、該中心導体を取り囲む誘電体と、該誘電体の外
    面に形成されている外導体とを有する線路部であり、該
    誘電体が、柔軟な樹脂内にセラミックパウダを混入した
    誘電体で構成されていることを特徴とする請求項15に記
    載の遅延線素子。
  17. 【請求項17】前記同軸線路型の曲線状線路部が、中心
    導体と、該中心導体を取り囲むセラミック誘電体と、該
    セラミック誘電体の外面に形成されている外導体とを有
    する線路部であり、該セラミック誘電体が、複数の独立
    したセラミック誘電体部材により構成されていることを
    特徴とする請求項15に記載の遅延線素子。
  18. 【請求項18】請求項1に記載の遅延線素子と、該遅延
    線素子の少なくとも一方の端部に接続された帯域通過フ
    ィルタとを備えたことを特徴とする遅延補償装置。
  19. 【請求項19】前記帯域通過フィルタが、周波数特性を
    調整可能に構成されていることを特徴とする請求項18に
    記載の遅延補償装置。
  20. 【請求項20】前記帯域通過フィルタは、入力側の特性
    インピーダンスと出力側の特性インピーダンスとが互い
    に異なることを特徴とする請求項19に記載の遅延補償装
    置。
  21. 【請求項21】前記遅延線素子の一方の端部のみに帯域
    通過フィルタが接続されていることを特徴とする請求項
    18に記載の遅延補償装置。
  22. 【請求項22】前記遅延線素子の両方の端部に帯域通過
    フィルタがそれぞれ接続されていることを特徴とする請
    求項18に記載の遅延補償装置。
  23. 【請求項23】少なくとも前記中心導体が、粒界を持た
    ない金属導体により構成されていることを特徴とする請
    求項18に記載の遅延補償装置。
  24. 【請求項24】前記遅延線素子が、同軸線路型の直線状
    線路部のみからなることを特徴とする請求項18に記載の
    遅延補償装置。
  25. 【請求項25】前記遅延線素子が、同軸線路型の複数の
    直線状線路部と、該複数の直線状線路部間を接続する同
    軸線路型の曲線状線路部とを含むことを特徴とする請求
    項18に記載の遅延補償装置。
  26. 【請求項26】中心導体と、該中心導体を取り囲むセラ
    ミック誘電体と、該セラミック誘電体の外面に形成され
    た外導体とを備えた線路部を含む同軸線路型の遅延線素
    子の製造方法であって、高誘電率のセラミック誘電体材
    料を燒結して所定の軸方向長さを有する複数の独立した
    セラミック誘電体部材を形成し、該複数のセラミック誘
    電体部材を軸方向に互いに連接して前記セラミック誘電
    体を形成することを特徴とする遅延線素子の製造方法。
  27. 【請求項27】前記遅延線素子の一部が、中心導体と、
    該中心導体を取り囲む誘電体と、該誘電体の外面に形成
    されている外導体とを有する線路部であり、該誘電体と
    して、樹脂内にセラミックパウダを混入して形成するこ
    とを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】少なくとも前記中心導体が、粒界を持た
    ない金属導体から形成されることを特徴とする請求項26
    に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記中心導体が、前記セラミック誘電体
    の中心孔内に充填し、溶融焼成して形成されることを特
    徴とする請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】前記中心導体が、前記セラミック誘電体
    の中心孔内においてパイプ状の金属導体を挿入し、内側
    から与えられる静圧又は火薬燃焼による圧力によって該
    パイプ状の金属導体を押圧して前記中心孔の内壁に密着
    させて形成されることを特徴とする請求項28に記載の方
    法。
  31. 【請求項31】前記中心導体が、中実の線状の金属導体
    を前記セラミック誘電体の中心孔内に挿入して形成され
    ることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】前記外導体が、前記セラミック誘電体の
    外面に金属ペーストを披着し、焼成して形成されること
    を特徴とする請求項26に記載の方法。
  33. 【請求項33】前記外導体が、前記セラミック誘電体の
    外面にパイプ状の金属導体を披着して形成されることを
    特徴とする請求項26に記載の方法。
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