JPH0865010A - 広帯域誘電体フィルタ - Google Patents

広帯域誘電体フィルタ

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JPH0865010A
JPH0865010A JP6219453A JP21945394A JPH0865010A JP H0865010 A JPH0865010 A JP H0865010A JP 6219453 A JP6219453 A JP 6219453A JP 21945394 A JP21945394 A JP 21945394A JP H0865010 A JPH0865010 A JP H0865010A
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dielectric filter
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resonator hole
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比帯域50%以上の通過帯域特性を呈する広
帯域誘電体フィルタを得る。 【構成】 誘電体ブロックの長手方向の中央一直線上に
7個以上(但し奇数個)の共振子穴12を配設し、その
外表面の大部分と共振子穴の内面に導体層を形成する。
各共振子穴は、一方の開口端が開放側、他方の開口端が
短絡側であり、隣接する共振子穴について開放側と短絡
側とが交互に位置するインターデジタル構造である。各
共振子穴は同一穴径とし、誘電体ブロック幅をw、共振
子穴径をdとしたとき、6≦w/d≦10に設定する。
この誘電体フィルタ本体10の入出力に、直列のインダ
クタンスと並列のキャパシタンスを有する整合回路30
を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直方体状の誘電体ブロ
ックを用いる一体構造のインターデジタル型誘電体フィ
ルタに関し、更に詳しく述べると、共振子穴径を小さく
し穴数を多くすると共に、入出力の整合回路を直列のイ
ンダクタンスと並列のキャパシタンスで構成した広帯域
誘電体フィルタに関するものである。この誘電体フィル
タは、特にL帯用で比帯域50%以上の帯域幅を必要と
する各種衛星通信システム等に有用である。
【0002】
【従来の技術】衛星放送受信あるいは超小型衛星通信地
球局(VSAT)システムなどのIF周波数帯では、
1.2GHz帯において500MHz以上の帯域幅が必要と
されている。この種の広帯域フィルタとしては、従来、
同軸型バンドパスフィルタが用いられていた。このフィ
ルタでは、比帯域57%程度が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし周知のように、
同軸型フィルタは、大型で部品点数も多く、製作し難い
問題があり、そのため近年、可能な範囲内では、殆ど誘
電体フィルタに置き換わっている。ところが、マイクロ
波帯でのバンドパスフィルタにおいて、比帯域約10〜
30%の誘電体フィルタは製作されているが、比帯域5
0%以上といった広帯域の誘電体フィルタは未だ開発さ
れていない。従来の誘電体フィルタは、成形時の条件並
びに最大Qの条件などから、誘電体ブロック幅wと共振
子穴径dとの比(w/d)を約3.3とする設計になっ
ているが、その寸法比率では、比帯域30%が限度であ
って、それ以上の広帯域化は望めなかったからである。
【0004】本発明の目的は、従来の同軸型フィルタと
同等もしくはそれ以上の広帯域特性を呈する誘電体フィ
ルタを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ほぼ直方体状
の誘電体ブロックの長手方向に多数の共振子穴を配設
し、該誘電体ブロックの外表面の大部分と共振子穴の内
面に導体層を形成し、各共振子穴は、一方の開口端が開
放側、他方の開口端が短絡側であり、隣接する共振子穴
について、開放側と短絡側とが交互に位置する構造のイ
ンターデジタル型誘電体フィルタである。ここで本発明
の特徴は、各共振子穴を同一穴径とし、中央一直線上に
7個以上(但し、奇数個)設け、誘電体ブロック幅を
w、共振子穴径をdとしたとき、6≦w/dに設定し、
入出力に直列のインダクタンスと並列のキャパシタンス
を有する整合回路を接続した点にある。
【0006】入出力の整合回路は、筐体ベースに取り付
けたコネクタに同軸ケーブルの一端を接続し、該同軸ケ
ーブルの他端の芯線を初段共振子穴に挿入して半田付け
し、コネクタから筐体グランドに対してコンデンサを接
続することで構成する。誘電体ブロック幅wと共振子穴
径dの比率はw/d≦10とするのがよい。最も好まし
い構成は、共振子穴を13個配設し、w/d≒7に設定
することである。
【0007】
【作用】誘電体ブロック幅wに対して共振子穴径dを小
さくすることで、比帯域が大きくなる。共振器間の結合
が強くなるため初段の結合を更に強くする必要があり、
入出力信号を直結する。そのため、入出力の初段は直接
50Ωの同軸ケーブルに接続するが、共振子穴径が小さ
くなることによって、誘電体フィルタ本体のインピーダ
ンスが小さくなるため、誘電体フィルタ本体ではインピ
ーダンス調整が不可能となる。そこで、入出力に直列の
インダクタンスと並列のキャパシタンスからなる整合回
路を付加することでインピーダンス調整が可能となり、
帯域内反射損失が改善される。
【0008】
【実施例】図1は本発明に係る誘電体フィルタの一実施
例を示す斜視図である。誘電体フィルタ本体10は、マ
イクロ波用高誘電率セラミックス材料の焼結体からなる
ほぼ直方体状の誘電体ブロックを用いる。誘電体ブロッ
クは、両端部のみがやや高くなっている形状で、その長
手方向に13個の同一穴径の共振子穴12を中央一直線
上に設けた構造をなし、その外表面の大部分と各共振子
穴12の内面に導体層を設ける。ここで、各共振子穴1
2は、一方の開口端が開放側、他方の開口端が短絡側と
なり、隣接する共振子穴について同一面(上面又は下
面)には開放側と短絡側とが交互に設けられている。こ
こでは両端の共振子穴は、上端が開放側である。短絡側
は、共振子穴の内面導体層と誘電体ブロックの外表面導
体層とが電気的に接続されており、開放側は、共振子穴
の内面導体層と誘電体ブロックの外表面導体層とが円環
状の無導体部(細かな点々を付して表してある)によっ
て電気的に接続されていない(分離した)状態となって
いる。
【0009】このような誘電体フィルタ本体10は、誘
電体ブロック全面(各共振子穴の内面も含めて)に導体
層を形成した後、開放側となる共振子穴開口端の近傍の
導体層を剥離することで容易に製作できる。
【0010】さて本実施例では、誘電体ブロック幅を
w、共振子穴径をdとしたとき、それらの比(w/d)
をw/d=7に設定してある。実際の寸法は、誘電体ブ
ロック幅=7mm、共振子穴径d=1mm、共振子穴間ピッ
チ=1.3mmとなっている。このような誘電体フィルタ
本体10を筐体ベース20に半田付けなどによって接合
する。また筐体ベース20の両端近傍に取り付けたコネ
クタ22から初段の共振子穴へ同軸ケーブル24で直接
接続する。即ち、同軸ケーブル24の芯線を初段共振子
穴に挿入して半田付けする。またコネクタ22から筐体
ベース20にリード26で平板コンデンサ28を接続す
る。これらによって入出力の整合回路30を構成する。
筐体ベース20にはカバー(図示せず)を被せて、内部
の誘電体フィルタをシールドする。
【0011】製作した誘電体フィルタの実効体積は1
5.4cc(70mm×20mm×11mm)であり、従来の同
軸型フィルタの実効体積205.5cc(118mm×67
mm×26mm)と比較して、13分の1に小形化できた。
なお使用した誘電体セラミックス材料の誘電率は39.
0である。
【0012】この誘電体フィルタの等価回路を図2に示
す。フィルタの構成は、入出力両側に直列にインダクタ
ンスLを、また並列にキャパシタンスCをもたせた整合
回路30を付加した誘電体フィルタ本体10からなるイ
ンターデジタル型フィルタである。
【0013】この誘電体フィルタの帯域内通過特性を図
3に示す。主要性能は、中心周波数1.2GHzで、挿入
損失0.45dBmax 、帯域内反射損失18.5dBmi
n 、3dB比帯域は57.5%である。また帯域内群遅
延偏差は4nsec以下である。そして、従来の同軸型フィ
ルタの性能と比較して、置換可能であることが確認でき
た。
【0014】本発明では成形可能な範囲で、極力、共振
子穴径dを小さくする。そして、共振子穴間の距離を近
づけ、誘電体ブロック幅wを共振子穴径dに対して広く
することで側面容量を減らし、結合容量を増加させる。
これによって、共振器間での結合度が増し、帯域幅を広
げることができる。誘電体ブロック幅wと共振子穴径d
との比w/dに対する比帯域の関係を図4に示す。同図
から分かるように、6≦w/dで比帯域50%以上が得
られる。共振子穴径dは、成形作業上並びに導体層形成
作業上、小径化には限度があり、0.8mmφが限界と考
えられる。w/dが10より大きくなっても比帯域はあ
まり大きくならないし、共振子穴径の小径化の限界から
誘電体ブロックが大きくなるため実用的でなくなる。従
って、w/d≦10が好ましい範囲である。
【0015】誘電体フィルタの設計は次のようにして行
う。共振子穴径dは、小形化を目指すときは製作できる
限界まで小径化する。高性能化(挿入損失、反射損失)
を目指すときは、その目標値を満たす値とする。そし
て、必要な比帯域によってw/dを決定し、共振子穴間
のピッチを計算又は実験で定める。この穴間ピッチは、
必要な帯域内反射損失をとれるように決定する。共振子
穴径が小さくなると、インピーダンスが低くなり約20
Ωとなるため、誘電体フィルタ本体のみでは十分な整合
が得られない。そこで、入出力に、直列のインダクタン
スと並列のキャパシタンスで構成した整合回路を付加し
て調整する。具体的には、50Ω同軸ケーブルの長さと
平板コンデンサの容量の調整で、入出力インピーダンス
を50Ωにする。
【0016】以上、本発明の好ましい実施例について詳
述したが、本発明はかかる構成のみに限定されるもので
はない。誘電体ブロックに形成する共振子穴の数(段
数)は13個に限るものではないが、実際的には7個以
上は必要と考えられる。入出力の整合回路で50Ω同軸
ケーブルを用いているが、同軸ケーブルに代えてコイル
を用いることも可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記のように、誘電体ブロック
幅に対して共振子穴径を小さくしたインターデジタル型
誘電体フィルタ本体の入出力に、直列のインダクタンス
と並列のキャパシタンスからなる整合回路を接続した構
成であり、それによって比帯域50%以上の広帯域誘電
体フィルタが得られる。この結果、衛星放送受信などの
IF周波数帯に従来の同軸型フィルタに代えて誘電体フ
ィルタを用いることが可能となり、大幅な小形化が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘電体フィルタの一実施例を示す
斜視図。
【図2】その等価回路図。
【図3】その帯域内通過特性を示す特性線図。
【図4】w/dと比帯域との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
10 誘電体フィルタ本体 12 共振子穴 20 筐体ベース 22 コネクタ 24 同軸ケーブル 28 平板コンデンサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ直方体状の誘電体ブロックの長手方
    向に複数の共振子穴を配設し、該誘電体ブロックの外表
    面の大部分と共振子穴の内面に導体層を形成し、各共振
    子穴は、一方の開口端が開放側、他方の開口端が短絡側
    であり、隣接する共振子穴について、開放側と短絡側と
    が交互に位置する構造のインターデジタル型誘電体フィ
    ルタにおいて、 各共振子穴は同一穴径であって、中央一直線上に7個以
    上(但し、奇数個)設け、誘電体ブロック幅をw、共振
    子穴径をdとしたとき、6≦w/dに設定し、入出力に
    直列のインダクタンスと並列のキャパシタンスを有する
    整合回路を接続したことを特徴とする広帯域誘電体フィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 筐体ベースに取り付けたコネクタに同軸
    ケーブルの一端を接続し、該同軸ケーブルの他端の芯線
    を初段共振子穴に挿入して半田付けし、コネクタから筐
    体グランドに対してコンデンサを接続して入出力の整合
    回路を構成した請求項1記載の誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 w/d≦10に設定されている請求項1
    又は2記載の誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 共振子穴が13個配設され、w/d≒7
    に設定されている請求項1又は2記載の誘電体フィル
    タ。
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