JP3365942B2 - プラスチックレンズ成形ガラス型の洗浄方法 - Google Patents

プラスチックレンズ成形ガラス型の洗浄方法

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JP3365942B2 JP32352097A JP32352097A JP3365942B2 JP 3365942 B2 JP3365942 B2 JP 3365942B2 JP 32352097 A JP32352097 A JP 32352097A JP 32352097 A JP32352097 A JP 32352097A JP 3365942 B2 JP3365942 B2 JP 3365942B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズ成形ガラス型の洗浄方法に関する。さらに詳しくは、
プラスチックレンズ成形ガラス型に付着したプラスチッ
クレンズ成形用原料、未反応モノマー、オリゴマー、ポ
リマー、ガスケットからブリードアウトした成分、可塑
剤、接着剤、鋳型固定用テープ由来の粘着剤などの高分
子量の樹脂状汚れなどを洗浄する洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メガネ用レンズ、コンタクトレン
ズ、カメラのファインダー、撮影用レンズ、プロジェク
ションテレビ用レンズ、大型スクリーン用フレネルレン
ズ、レンチキュラー、太陽光集光用レンズ、オーバーヘ
ッドプロジェクタータイプのフレネルレンズ、コンパク
トディスク用レンズ、光メモリー用対物レンズなど光学
機器など向けのレンズ、プリズムなどは、ガラス材質か
らプラスチック材質への変換が進行してきている。特
に、メガネ用レンズは、表面の傷を防止する(ハード)
コーティング技術が開発され、耐擦傷性が実用上問題と
ならないレベルになったこと、高屈折率の材料が開発さ
れ、より薄く軽いレンズの加工ができるようになったこ
とにより、ガラスからプラスチックへの変換比率の伸び
が著しい。
【0003】光学用プラスチックレンズ向けの樹脂とし
ては、例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネートをラジカル重合して得られるアリルジグリコール
カーボネート(ADC)樹脂、ウレタン系樹脂、含硫黄
ウレタン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、スチレン/
メタクリル酸メチル共重合体、α−メチルスチレン/メ
タクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸シクロヘキシ
ル/メタクリル酸メチル共重合体、脂肪族メタクリレー
ト/メタクリル酸メチル共重合体などのメタクリル系樹
脂、トリアジン環アクリル系樹脂などのアクリル系樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ビスフェノール誘導体など
の臭素配合系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、
フマル酸エステル/アリル系モノマー共重合体などのオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン/アクリロニ
トリル共重合体などのスチレン系樹脂、ノルボルネン系
樹脂、チオエーテル/エステル系樹脂などが使用され
る。
【0004】光学用プラスチックレンズの製造方法とし
ては、例えば、メガネ用プラスチックレンズの場合、プ
ラスチックレンズ本体は、成形ガラス型を鋳型として用
いて成形した後、外周整形を行い、さらにエッジ部分の
面取りを行って、洗浄される。
【0005】一方、プラスチックレンズを離型した後の
成形ガラス型には、プラスチックレンズ成形用原料、未
反応モノマー、オリゴマー、ポリマー、ガスケットから
ブリードアウトした成分や可塑剤、接着剤、鋳型固定用
テープ由来の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れをはじ
め、雰囲気中の粉塵、作業者の指紋などの汚れが付着し
ている。このような汚れがガラス型に付着している場
合、表面がスムーズな良質のプラスチックレンズが得ら
れなくなったり、ガラス型に汚れが蓄積した場合、得ら
れるプラスチックレンズに破損や傷が発生するおそれが
あるため、該ガラス型を使用することができなくなり、
廃棄せざるを得なくなることがある。
【0006】前記汚れのうち、プラスチックレンズ成形
用原料に由来のオリゴマー、ポリマー、ガスケットから
ブリードアウトした成分、接着剤、鋳型固定用テープ由
来の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れは、ガラス型の
硬質表面に強固に付着(接着)し、しかも樹脂状汚れ自
身の分子量が高いため、溶解、膨潤、軟化、崩壊、剥離
作用などを利用した薬剤による洗浄が非常に困難であ
る。
【0007】従来、プラスチックレンズの製造時に用い
られている成形ガラス型に付着したオリゴマー、ポリマ
ーなどの樹脂状汚れを洗浄する方法としては、塩化メチ
レンと疎水性界面活性剤とを含有する洗浄剤を用いて洗
浄し、さらに塩化メチレンで洗浄する方法(特開昭58
−119828号公報)や、塩化メチレンと水系アルカ
リ洗浄剤とを含有する洗浄剤を用いて洗浄し、さらに塩
化メチレンで洗浄する方法(特開昭62−179600
号公報)などが知られている。
【0008】しかしながら、これらの洗浄方法は、いず
れも洗浄力が弱いため、特に重合度が高く、大きなかた
まり状の汚れには、後で人手により除去する工程を必要
とする欠点があり、しかも発ガン性があるといわれてい
る塩化メチレンが用いられているので、塩化メチレンを
使用しない方法の開発が待ち望まれている。
【0009】近年、プラスチックレンズ成形ガラス型用
洗浄剤を用いた洗浄方法としては、例えば、特定のグリ
コールジエーテルを含有する洗浄剤を用いて洗浄する方
法(特開平8−224740号公報)、特定の水溶性ア
ミド化合物または水溶性ラクトン化合物と、アルカノー
ルアミンまたは水酸化第四級アンモニウム化合物と、芳
香族炭化水素と、水とを含有する洗浄剤を用いて洗浄す
る方法(特開平9−3486号公報)などが知られてい
る。
【0010】しかしながら、これらの洗浄方法は、いず
れも樹脂状汚れを溶解して洗浄することが主な洗浄機構
であるため、樹脂状汚れの分子量が大きい場合、溶解に
長時間を要するという欠点がある。
【0011】一方、剥離を主な洗浄機構とするアルカリ
系洗浄剤は、無機アルカリ含有量が低い時には、洗浄力
が不充分で、汚れを完全に除去するのに長い時間を必要
としたり、手作業で除去したりする必要があった。ま
た、無機アルカリ含有量が高くて洗浄性が良好なものに
は、人体に対する危険性が増したり、洗浄機器関連の部
材、特に、ニッケル、銅、亜鉛、錫などの金属類、黄
銅、半田などの合金類、メッキ製品などに悪影響を与え
る、すなわち、いわゆるアルカリ腐食を発生する欠点が
あった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、高分子量の樹脂状汚れ
に対する洗浄性および洗浄時における人体に対する安全
性に優れ、洗浄機器関連の金属部材を腐食させずに洗浄
することができるプラスチックレンズ成形ガラス型の洗
浄方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 (A)プラスチックレンズ成形ガラス型を、一
般式(I):
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
4の炭化水素基、Xは酸素原子、オキシメチレン基、カ
ルボニル基または−(CH2k −基〔kは1または2
を示す〕、Yは水酸基、炭素数1〜7の炭化水素基また
は−(R2 O)j H基〔R2 は炭素数2または3のアル
キレン基、jは1〜8の整数を示す〕を示す)で表わさ
れる芳香族化合物50重量%以上を含有してなる芳香族
系洗浄剤を用いて洗浄し、(B)洗浄された成形ガラス
型を、有機系アルカリ剤0.5〜50重量%を含有して
なるアルカリ系洗浄剤を用いて洗浄し、ついで(C)洗
浄された成形ガラス型を、すすぎ水ですすぐことを特徴
とするプラスチックレンズ成形ガラス型の洗浄方法、
〔2〕 有機系アルカリ剤が、一級、二級および/また
は三級アミン性の窒素原子を1分子中に1〜5個有し、
かつ分子量50〜10000を有するアミン系化合物な
らびに水酸化第四級アンモニウム化合物からなる群より
選ばれた少なくとも1種である前記〔1〕記載の洗浄方
法、ならびに〔3〕 芳香族化合物が、アルキルベンゼ
ン、芳香族アルコール、芳香族エーテル、芳香族ケトン
および芳香族グリコールエーテルからなる群より選ばれ
た少なくとも1種である前記〔1〕または〔2〕記載の
洗浄方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄方法は、前記したよ
うに、(A)プラスチックレンズ成形ガラス型を、一般
式(I):
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
4の炭化水素基、Xは酸素原子、オキシメチレン基、カ
ルボニル基または−(CH2k −基〔kは1または2
を示す〕、Yは水酸基、炭素数1〜7の炭化水素基また
は−(R2 O)j H基〔R2 は炭素数2または3のアル
キレン基、jは1〜8の整数を示す〕を示す)で表わさ
れる芳香族化合物50重量%以上を含有した芳香族系洗
浄剤を用いて洗浄し、(B)洗浄された成形ガラス型
を、有機系アルカリ剤0.5〜50重量%を含有したア
ルカリ系洗浄剤を用いて洗浄し、ついで(C)洗浄され
た成形ガラス型をすすぎ水ですすぐことを特徴とする方
法である。
【0019】工程(A)は、プラスチックレンズ成形ガ
ラス型を、芳香族系洗浄剤を用いて洗浄する工程であ
る。
【0020】本発明においては、前記芳香族系洗浄剤が
用いられる点に、1つの大きな特徴がある。本発明にお
いては、前記芳香族系洗浄剤が用いられることにより、
プラスチックレンズ成形ガラス型に付着した種々の汚れ
の溶解性、種々の樹脂状汚れへの浸透性および樹脂状汚
れの膨潤性が高められるので、優れた洗浄性が発現され
る。
【0021】また、工程(A)の次に、アルカリ系洗浄
剤を用いる工程(B)が用いられているので、工程
(A)で膨潤させた樹脂汚れを崩壊させることができ、
相乗的に洗浄効果を高めることができる。なお、この高
い洗浄効果は、工程(A)から工程(B)の順序で洗浄
した際に、達成される。
【0022】前記芳香族系洗浄剤は、前記したように、
前記一般式(I)で表わされる芳香族化合物50重量%
以上を含有したものである。
【0023】前記一般式(I)において、R1 は、水素
原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。
【0024】前記炭素数1〜4の炭化水素基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル
基に代表される直鎖飽和炭化水素基;イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチ
ル基に代表される分岐鎖飽和炭化水素基;ビニル基、ア
リル基およびブテニル基に代表される直鎖不飽和炭化水
素基;イソプロペニル基などの分岐鎖不飽和炭化水素
基;シクロプロピル基、シクロブチル基などの環状飽和
炭化水素基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基な
どの環状不飽和炭化水素基などがあげられる。
【0025】前記R1 のなかでは、入手の容易性の観点
から、水素原子、メチル基およびエチル基が、本発明に
おいて、特に好ましい基である。
【0026】前記一般式(I) において、Xは酸素原子、
オキシメチレン基、カルボニル基または−(CH2k
−基(kは前記と同じ)である。
【0027】前記−(CH2 k −基において、kは、
入手の容易性の観点から、1または2とされる。
【0028】前記Xにおいて、樹脂状汚れに対する洗浄
性の観点から、酸素原子、オキシメチレン基およびカル
ボニル基は、本発明においては、特に好ましい基であ
る。
【0029】前記Yは、水酸基、炭素数1〜7の炭化水
素基または−(R2 O)j H基(R2 は炭素数2または
3のアルキレン基、jは1〜8の整数を示す)である。
【0030】前記炭素数1〜7の炭化水素基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基およびヘプチル基に代表される
直鎖飽和炭化水素基;イソプロピル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基に代表される分
岐鎖飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基、ブテニル
基、ペンテニル基、ヘキセニル基およびヘプテニル基に
代表される直鎖不飽和炭化水素基;イソプロペニル基な
どの分岐鎖不飽和炭化水素基;シクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およ
びシクロヘプチル基に代表される環状飽和炭化水素基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテ
ニル基、シクロヘキセニル基およびシクロヘプテニル基
に代表される環状不飽和炭化水素基などがあげられる。
【0031】前記−(R2 O)j H基において、R
2 は、洗浄性および入手の容易性の観点から、炭素数2
または3のアルキレン基とされる。また、jは、洗浄後
のすすぎ性の観点から、1以上の整数、好ましく2以上
の整数とされ、洗浄性を向上させる観点から、8以下の
整数、好ましくは4以下の整数とされる。
【0032】前記炭素数2または3のアルキレン基とし
ては、エチレン基およびプロピレン基があげられる。
【0033】また、本発明においては、一般式(I)に
おいて、Xで示される基およびYで示される基の少なく
ともいずれかの基に酸素原子が含まれていることが、樹
脂状汚れに対する洗浄性の点でより好ましい。
【0034】前記一般式(I)で表わされる芳香族化合
物の代表例としては、例えば、アルキルベンゼン、芳香
族アルコール、芳香族エーテル、芳香族ケトン、芳香族
グリコールエーテルなどがあげられる。
【0035】前記芳香族化合物の具体例としては、例え
ば、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼ
ン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベ
ンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼンなどのアル
キルベンゼン;ベンジルアルコール、4−エチルベンジ
ルアルコール、β−フェニルエチルアルコールなどの芳
香族アルコール;アニソール、フェネトール、イソプロ
ピルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、シク
ロヘキシルフェニルエーテル、ベンジルメチルエーテ
ル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエ
ーテル、ベンジルブチルエーテル、ベンジルシクロヘキ
シルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、クレジルメ
チルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテ
ルなどの芳香族エーテル;アセトフェノン、p−メチル
アセトフェノン、エチルフェニルケトン、イソプロピル
フェニルケトン、ブチルフェニルケトン、シクロヘキシ
ルフェニルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルエ
チルケトン、ベンジルイソプロピルケトン、ベンジルブ
チルケトン、ベンジルシクロヘキシルケトン、ベンジル
フェニルケトン、ジフェニルケトン、ジベンジルケトン
などの芳香族ケトン;(POE)18 モノフェニルエ
ーテル、(POE)18 モノベンジルエーテル、(P
OP)18 モノフェニルエーテル、(POP)18
モノベンジルエーテルなどの芳香族グリコールエーテル
などがあげられるが、本発明は、かかる例示のみに限定
されるものではない。なお、前記芳香族化合物は、それ
ぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0036】なお、本明細書において、「(POE)」
は、エチレンオキサイド基を示し、(POE)の右下の
添字は、エチレンオキサイド基の付加モル数を示す。ま
た、「(POP)」の語は、プロピレンオキサイド基を
示し、(POP)の右下の添字は、プロピレンオキサイ
ド基の付加モル数を示す。また、例えば、(POE) 1
モノメチルエーテル、(POE)2 モノメチルエーテ
ル、(POE)3 モノメチルエーテル、(POE)4
ノメチルエーテル、(POE)5 モノメチルエーテル、
(POE)6 モノメチルエーテル、(POE)7 モノメ
チルエーテルおよび(POE)8 モノメチルエーテルの
化合物をまとめて(POE)18 モノメチルエーテル
のように略記する場合がある。
【0037】前記芳香族化合物のなかでは、エチルベン
ゼン、ベンジルアルコール、4−エチルベンジルアルコ
ール、β−フェニルエチルアルコール、アニソール、フ
ェネトール、イソプロピルフェニルエーテル、ブチルフ
ェニルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエ
チルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジ
ルブチルエーテル、アセトフェノン、p−メチルアセト
フェノン、エチルフェニルケトン、イソプロピルフェニ
ルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルエチルケト
ン、ベンジルイソプロピルケトン、ベンジルブチルケト
ン、ブチルフェニルケトン、(POE)13 モノフェ
ニルエーテル、(POE)13 モノベンジルエーテ
ル、(POP)13 モノフェニルエーテルおよび(P
OP)1 3 モノベンジルエーテルは、洗浄性能と入手
の容易性の観点から好ましい化合物である。なかでも、
特にベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコー
ル、(POE)1 3 モノフェニルエーテルおよび(P
OE)13 モノベンジルエーテルが本発明においては
好ましい化合物である。
【0038】前記芳香族系洗浄剤における芳香族化合物
の含有量は、洗浄性を発現させる観点から、50重量%
以上であり、65重量%以上が好ましく、75重量%以
上がより好ましい。洗浄後のリンス性を向上させる観点
から、95重量%以下が好ましく、90重量%以下がよ
り好ましく、85重量%以下がさらに好ましい。本発明
に用いられる芳香族系洗浄剤は、前記芳香族化合物を単
独で含有したものを用いてもよい。
【0039】本発明においては、前記芳香族系洗浄剤
(a)には、水が含有されていなくてもよいが、水で適
当な濃度に調整して用いてもよい。水で濃度を調整して
用いる場合、水の添加量は、特に限定されるものではな
いが、安全性とリンス性の観点から、3重量%以上であ
り、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好
ましい。また、洗浄性の観点から、水の含有量は、20
重量%以下であり、15重量%以下が好ましく、12重
量%以下がより好ましい。
【0040】ここで用いられる水は、前記芳香族系洗浄
剤の効果を損なわないものであれば特に限定されるもの
ではなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留
水、通常の水道水などが用いられる。
【0041】前記芳香族系洗浄剤においては、本発明の
効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコールなどの水溶性多価
アルコール、非イオン界面活性剤、グリコールエーテル
化合物、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、ヒドロキシエチ
ルイミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノ
カルボン酸塩などのキレート化剤、防腐剤、防錆剤、シ
リコーンなどの消泡剤、酸化防止剤、ヤシ脂肪酸メチル
や酢酸ベンジルなどのエステル、炭化水素系溶剤、アル
コール類などの通常洗浄剤に用いられている添加剤を適
宜含有させることができる。これらの添加剤の含有量
は、50重量%以下であることが好ましい。
【0042】前記工程(A)に使用される洗浄方法は、
特に限定されるものではなく、通常用いられる公知の方
法を使用することができる。例えば、浸漬法、浸漬揺動
法、超音波洗浄法、スプレー法、手拭き法などの洗浄方
法があげられる。
【0043】また、前記芳香族系洗浄剤の温度、洗浄時
間などの洗浄条件は、特に限定されるものではなく、樹
脂状汚れの種類、構成成分、重合状態、付着量、付着場
所、付着状態や、成形ガラス型の大きさや数、清浄性の
要求程度、洗浄機の能力、洗浄許容時間などにより適宜
選択すればよい。
【0044】工程(B)は、前記工程(A)で洗浄され
た成形ガラス型を、さらに、有機系アルカリ剤を含有し
たアルカリ系洗浄剤を用いて洗浄する工程である。
【0045】本発明においては、芳香族系洗浄剤で洗浄
された成形ガラス型を、さらに有機系アルカリ剤を含有
したアルカリ系洗浄剤を用いて洗浄することに1つの大
きな特徴がある。アルカリ系洗浄剤が用いられているこ
とにより工程(A)で溶解し、膨潤させた樹脂状汚れを
さらに低分子化させ、種々の汚れを成形ガラス型から剥
離し、洗浄性をより一層高めることができる。
【0046】前記有機系アルカリ剤としては、一級、二
級および/または三級アミン性の窒素原子を1分子中に
1〜5個有し、かつ分子量50〜10000を有するア
ミン系化合物ならびに水酸化第四級アンモニウム化合物
からなる群より選ばれた少なくとも1種などがあげられ
る。
【0047】前記アミン系化合物は、洗浄剤に、水への
溶解性および樹脂状汚れとの接触面付近の水相で優れた
剥離効果を付与する観点から、一級、二級および/また
は三級アミン性の窒素原子を1分子中に1個以上、好ま
しくは、2個以上有することが望ましく、また、樹脂状
汚れ内部への浸透性を得る観点から、一級、二級および
/または三級アミン性の窒素原子を5個以下、好ましく
は3個以下を有することが望ましい。
【0048】前記アミン系化合物の分子量は、該アミン
系化合物が蒸発することによって該アミン系化合物の含
有量が低下したり、取り扱いの危険性を回避する観点か
ら、50以上とされ、樹脂状汚れ内部への浸透性を十分
に発現させる観点から、10000以下とされる。
【0049】前記アミン系化合物の代表例としては、例
えば、炭素数1〜22の直鎖アルキル基を有する直鎖ア
ルキルアミン、炭素数1〜22の分岐鎖アルキル基を有
する分岐鎖アルキルアミン、環式アミン、炭素数1〜1
8のアルキル基を有するアルキルアルカノールアミン、
モルホリン類、複素環式アミン、ジアミン、ポリアミン
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。
【0050】前記炭素数1〜22の直鎖アルキル基を有
する直鎖アルキルアミンの具体例としては、例えば、モ
ノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミ
ン、モノブチルアミン、モノアミルアミン、モノペンチ
ルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、
モノオクチルアミン、モノノニルアミン、モノデシルア
ミン、モノウンデシルアミン、モノラウリルアミン、モ
ノトリデシルアミン、モノミリスチルアミン、モノペン
タデシルアミン、モノセチルアミン、モノヘプタデシル
アミン、モノステアリルアミン、モノノナデシルアミ
ン、モノエイコシルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチ
ルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオ
クチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルア
ミン、メチルブチルアミン、メチルヘキシルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチル
オクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルス
テアリルアミンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0051】前記炭素数1〜22の分岐鎖アルキル基を
有する分岐鎖アルキルアミンとしては、例えば、sec
−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチル
アミン、1−メチルブチルアミン、1−エチルプロピル
アミン、2−メチルブチルアミン、イソアミルアミン、
ジメチルプロピルアミン、tert−アミルアミン、
1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチ
ルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、
1−メチルヘプチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、tert−オク
チルアミン、tert−トリデシルアミン、tert−
ナノデシルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0052】前記環式アミンの具体例としては、例え
ば、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、トリ
ベンジルアミンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0053】前記炭素数1〜18のアルキル基を有する
アルキルアルカノールアミンの具体例としては、例え
ば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、メチルモノエタノールアミン、ジメ
チルモノエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、ブチルモノエタノールアミン、ジブチルモノエタノ
ールアミン、トリメチルアミノプロピルエタノールアミ
ン、トリメチルヒドロキシエチルジエチレントリアミン
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。
【0054】前記モルホリン類の具体例としては、例え
ば、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモ
ルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、4−(2−ヒ
ドロキシエチル)モルホリン、4−アミノモルホリン、
4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(3−アミ
ノプロピル)モルホリンなどがあげられるが、本発明は
かかる例示のみに限定されるものではない。
【0055】前記複素環式アミンの具体例としては、例
えば、4−アミノメチルピリジン、アミノメチルピペラ
ジン、ビスアミノプロピルピペラジン、トリメチルアミ
ノエチルピペラジン、2−アミノメチルピペリジン、4
−アミノメチルピペリジン、2−メチルピラジン、キノ
キサリン、メチルイミダゾールなどがあげられるが、本
発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0056】前記ジアミンの具体例としては、例えば、
ジアミノプロパン、ジアミノヘキサン、ジアミノオクタ
ン、ジアミノドデカン、ジアミノジフェニルメタン、ジ
アミノジフェニルエタン、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルアミン)、1,3−ジアミノキシレン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリエ
チレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テト
ラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン、メチルジアミノプロパン、ジメチルジア
ミノプロパン、ジブチルジアミノプロパン、ステアリル
プロピレンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−ジ
アミノプロパン、1,2−ジアミノアントラキノン、ペ
ンタメチルジエチレントリアミンなどがあげられるが、
本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0057】前記ポリアミンの具体例としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ポリ
ビニルピリジン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミ
ン、ポリアクリロヒドラジド、ポリジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ポリジエチルアミノエチルメタクリ
レートなどの三級アミノ基を含む重合性単量体の重合体
または該重合性単量体とノニオン性単量体との共重合
体、ポリアミド/エピハロヒドリン系ポリマー、三級ア
ミノ化澱粉、三級アミノ化セルロース、グリコールキト
サン、三級アミノ化ポリウレタン樹脂、三級アミノ化ポ
リアクリルアミドなどがあげられるが、本発明はかかる
例示のみに限定されるものではない。
【0058】また、前記水酸化第四級アンモニウム化合
物の具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラオ
クチルアンモニウムヒドロキシド、テトラベンジルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルシクロヘキシルアン
モニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウ
ムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒド
ロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリブチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリ
ブチルシクロヘキシルアンモニウムヒドロキシド、トリ
ベンジルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル
ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリ
ン)、テトラエタノールアンモニウムヒドロキシド、メ
チルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベンジ
ルメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベン
ジルトリエタノールアンモニウムヒドロキシドなどがあ
げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるもの
ではない。
【0059】前記有機系アルカリ剤の中では、モノメチ
ルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モ
ノブチルアミン、モノアミルアミン、モノヘキシルアミ
ン、モノオクチルアミン、モノデシルアミン、モノラウ
リンアミン、モノミリスチルアミン、モノセチルアミ
ン、モノステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエ
チルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミ
ン、メチルヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−
ブチルアミン、1−メチルブチルアミン、1−エチルプ
ロピルアミン、2−メチルブチルアミン、イソアミルア
ミン、ジメチルプロピルアミン、tert−アミルアミ
ン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチル
ブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタ
ン、1−メチルヘプチルアミン、2−エチルヘキシルア
ミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、tert−オ
クチルアミン、tert−トリデシルアミン、tert
−ナノデシルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルア
ミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、メチルモノエタノールアミン、ジメチルモ
ノエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチ
ルモノエタノールアミン、トリメチルアミノプロピルエ
タノールアミン、トリメチルヒドロキシエチルジエチレ
ントリアミン、ジアミノプロパン、ジアミノヘキサン、
ジアミノオクタン、ジアミノドデカン、4,4−メチレ
ンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ジアミノキ
シレン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジア
ミン、テトラメチルプロピレンジアミン、テトラメチル
ヘキサメチレンジアミン、メチルジアミノプロパン、ジ
メチルジアミノプロパン、ジブチルジアミノプロパン、
N−シクロヘキシル−1,3−ジアミノプロパン、1,
2−ジアミノアントラキノン、ペンタメチルジエチレン
トリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルア
ンモニウムヒドロキシド(コリン)が、高アルカリ性を
有することによる樹脂状汚れの低分子量化および剥離性
を高め、優れた洗浄性能を付与する観点および洗浄力の
長い持続性を付与する観点から好ましい化合物である。
なかでも特に、モノプロピルアミン、モノブチルアミ
ン、ジエチルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、メチルモノエタノールアミン、メチルジエ
タノールアミン、ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ
キシレン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、メチルジアミノプロパン、ジエチレントリアミン、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシドは、本発明にお
いて好ましい化合物である。
【0060】前記アルカリ系洗浄剤中における有機系ア
ルカリ剤の含有量は、洗浄性を向上させる観点から、
0.5重量%以上であり、2重量%以上が好ましく、5
重量%以上がさらに好ましく、10重量%以上が特に好
ましく、また、取り扱いの安全性の観点から50重量%
以下であり、40重量%以下が好ましく、30重量%以
下がさらに好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
【0061】前記アルカリ系洗浄剤は、洗浄剤製品の均
一性の観点から、水の含有量は、59重量%以上であ
り、65重量%以上であることが好ましく、70重量%
以上であることがより好ましい。有機系アルカリ剤の樹
脂汚れに対する結合切断、低分子化、剥離などのアルカ
リ作用を促進させる観点から、水の含有量は、97重量
%以下であり、94重量%以下であることが好ましく、
90重量%以下であることがより好ましい。
【0062】前記アルカリ系洗浄剤においては、前記工
程(A)と同様に、通常、洗浄剤に用いられている添加
剤を適宜含有させることができる。これらの添加剤の含
有量は、50重量%以下であることが好ましい。
【0063】また、前記アルカリ系洗浄剤に反応を伴う
成分を含有する場合、該成分をあらかじめ反応させたも
のを用いることができる。
【0064】前記工程(B)に使用される洗浄方法は、
特に限定されるものではなく、前記工程(A)において
使用される方法が同様に例示される。
【0065】また、アルカリ系洗浄剤の温度、洗浄時間
などの洗浄条件は、特に限定されるものではなく、樹脂
状汚れの種類、構成成分、重合状態、付着量、付着場
所、付着状態や、成形ガラス型の大きさや数、清浄性の
要求程度、洗浄機の能力、洗浄許容時間などにより適宜
選択すればよい。
【0066】工程(C)は、洗浄された成形ガラス型
を、すすぎ水ですすぐ工程である。
【0067】前記工程(C)においては、本発明の洗浄
方法で洗浄された成形ガラス型を、容易に、しかも短時
間ですすぐことができる。
【0068】前記すすぎ水としては、成形ガラス型表面
に残留する汚染物を除去することができるものであれば
特に限定されないが、例えば、超純水、純水、イオン交
換水、蒸留水、水道水などがリンス性の面から好まし
い。また、すすぎ方法にも特に限定されるものではな
く、工程(A)の洗浄方法と同様の方法を用いることが
できる。また、すすぎ条件は、特に限定されるものでは
なく、適宜選択すればよい。
【0069】本発明の洗浄方法によれば、最初に、樹脂
状汚れなどを溶解と浸透により膨潤させる効果を発現す
る芳香族系洗浄剤で洗浄し、ついで樹脂状汚れなどを結
合、切断し、低分子化させることによって崩壊させ、そ
して剥離させる効果を発現するアルカリ系洗浄剤で洗浄
するため、短時間で効率よく汚れを洗浄することがで
き、また金属部材への影響が小さいという優れた効果を
発現する。また、本発明の洗浄方法は、洗浄時における
人体に対する安全性が高いという優れた効果も発現す
る。
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はかかる実施例によりなんら制限され
るものではない。
【0071】製造例〔テストピースの製造〕 (1)ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
(ADC)樹脂状汚れの調製 直径8.0cm、外周縁側の側面の高さが0.5cmで
あるガラス型の外周縁側に、厚さ0.1mのシリコーン
ゴムシート((株)井内盛栄堂製)を、幅0.5cm、
長さ30.0cmに切りとったものを巻き付け、端をセ
ロハン粘着テープで止めた。ガラス型の外周縁側と巻き
付けたシリコーンゴムシートの隙間に、モノマーとして
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(PPG
社製、商品名:CR−39モノマー)100重量部と重
合触媒としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート
(日本油脂(株)製、商品名:パーロイルIPP−27
(CR))11重量部とを配合し、低温で均一になるよ
うに攪拌したモノマー混合物0.3mlを入れた。この
ガラス型を共栓付きの500ml容のガラス製ビーカー
に入れ、窒素シールした。40℃で2時間、60℃で2
時間、さらに80℃で18時間加熱することによって重
合させ、固形化の後、シリコーンゴムシートを外して、
ADC樹脂汚れの洗浄試験用のテストピーシとした。
【0072】(2)鋳型固定用テープの粘着剤汚れの調
製 1.1mm×76.0mm×26.0mmのアルカリ珪
酸ガラス板に鋳型固定用テープ(光洋光学(株)製)を
一面に隙間なく張り付けた。このアルカリ珪酸ガラス板
をステンレス製の蓋付きトレーに入れ、窒素ガスで満た
した後、完全に密閉した。その後、40℃で2時間、6
0℃で2時間、さらに80℃で18時間加熱した。この
ものを室温になるまで放冷した後、テープのみを剥がし
て、鋳型固定用テープの粘着剤汚れの洗浄試験用のテス
トピースとした。
【0073】調製例 〔芳香族系洗浄剤およびアルカリ系洗浄剤の調製〕表1
に示す組成の各種芳香族系洗浄剤およびアルカリ系洗浄
剤を調製し、これらの洗浄剤組成物を組み合わせて用い
て、ガラスの洗浄性と金属部材への影響を評価した。各
種芳香族系洗浄剤の組成を表1に、各種アルカリ系洗浄
剤の組成を表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】実施例1〜8および比較例1〜7 〔洗浄試験〕前記ADC樹脂汚れと粘着剤汚れの洗浄試
験用のテストピースを、60℃に保持した表1に記載の
芳香族系洗浄剤に浸漬し、39kHz、200Wの超音
波洗浄装置(シャープ(株)製、商品名:SILENT
SONIC UT−204)で30秒間洗浄した。
【0077】ついで、洗浄したテストピースを60℃に
保持した表2に記載のアルカリ系洗浄剤に浸漬し、39
kHz、200Wの超音波洗浄装置(シャープ(株)
製、商品名:SILENTSONIC UT−204)
で30秒間洗浄した。
【0078】なお比較例6および7は[芳香族系洗浄
剤]→[アルカリ系洗浄剤]の洗浄の順を[アルカリ系
洗浄剤]→[芳香族系洗浄剤]のように変えて行った。
【0079】次いで、30℃のイオン交換水に浸漬し、
洗浄と同様の超音波洗浄装置で50秒間リンスした(第
1リンス)。さらに、同じく、30℃のイオン交換水に
浸漬し、超音波洗浄装置で50秒間仕上げリンスした
(第2リンス)。その後、50秒間エアーブローし、送
風定温乾燥機((株)東洋製作所製、商品名:FV−6
30)にて80℃、10分間乾燥した。
【0080】各洗浄方法について、上記の条件で、AD
C樹脂汚れと粘着剤汚れの各々5枚のテストピースを洗
浄し、計5個のモデル樹脂状汚れの洗浄率を、洗浄前後
のテストピースの重量の変化より求め、その平均値をと
って、洗浄率(%)とした。
【0081】〔金属部材への影響試験〕銅(JIS H
1300)およびはんだ(JIS Z3282(30S
NA))製テストピース(太佑機材(株)製)を用い、
上記の洗浄方法と同様にして洗浄した。洗浄後のテスト
ピースの表面状態を目視にて観察した。
【0082】比較例6および7では、[芳香族系洗浄
剤]→[アルカリ系洗浄剤]の洗浄の順を[アルカリ系
洗浄剤]→[芳香族系洗浄剤]のように変えて行った。
【0083】(評価基準) ◎:洗浄前と変化なく、非常に良好 ○:光沢が少し低下しているものの、表面は平坦で、良
好 △:光沢がなく、変色しており、やや悪い ×:ひどく変色したり、錆が発生および表面が腐食し荒
れてしまっており、状態が悪い
【0084】実施例1〜8の結果を表3に示し、比較例
1〜7の結果を表4に示す。
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】表3および4に示された結果から、実施例
1〜7の洗浄方法は、比較例1〜5の洗浄方法と比べ、
いずれもADC樹脂汚れおよび鋳型固定用テープの粘着
剤汚れに対する洗浄率ならびに金属部材への影響に対す
る評価のいずれにおいても優れていることがわかる。
【0088】また、表3に示された実施例1〜7の洗浄
方法は、洗浄の順を逆にした比較例6および7の洗浄方
法に比べ、洗浄性において優れたものであることがわか
る。
【0089】
【発明の効果】本発明のプラスチックレンズ成形ガラス
型の洗浄方法は、種々の樹脂状汚れに対しても優れた洗
浄性を有し、さらに金属部材への影響が小さいという優
れた効果が奏される。また、本発明の洗浄方法で使用さ
れている洗浄剤は、いずれも人体に対する安全性が高い
ものであるため、本発明の洗浄方法は、洗浄時におい
て、人体に対する安全性が高いという優れた効果が奏さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 7/24 C11D 7/26 C11D 7/32 C11D 7/50 C11D 7/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)プラスチックレンズ成形ガラス型
    を、一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素
    基、Xは酸素原子、オキシメチレン基、カルボニル基ま
    たは−(CH2k −基〔kは1または2を示す〕、Y
    は水酸基、炭素数1〜7の炭化水素基または−(R
    2 O)j H基〔R2 は炭素数2または3のアルキレン
    基、jは1〜8の整数を示す〕を示す)で表わされる芳
    香族化合物50重量%以上を含有してなる芳香族系洗浄
    剤を用いて洗浄し、(B)洗浄された成形ガラス型を、
    有機系アルカリ剤0.5〜50重量%を含有してなるア
    ルカリ系洗浄剤を用いて洗浄し、ついで(C)洗浄され
    た成形ガラス型を、すすぎ水ですすぐことを特徴とする
    プラスチックレンズ成形ガラス型の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 有機系アルカリ剤が、一級、二級および
    /または三級アミン性の窒素原子を1分子中に1〜5個
    有し、かつ分子量50〜10000を有するアミン系化
    合物ならびに水酸化第四級アンモニウム化合物からなる
    群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の洗
    浄方法。
  3. 【請求項3】 芳香族化合物が、アルキルベンゼン、芳
    香族アルコール、芳香族エーテル、芳香族ケトンおよび
    芳香族グリコールエーテルからなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項1または2記載の洗浄方法。
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