JP4213456B2 - 樹脂剥離剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂剥離剤組成物に関する。より詳しくは、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等の反応形接着剤;眼鏡用プラスチックレンズ上のプライマーコート等の表面コート;プラスチックレンズの製造に用いられる成形ガラス型に付着したプラスチックレンズ樹脂、固定用テープの粘着剤、ガスケットからのブリードアウト成分及び接着剤等の樹脂;液晶表示装置用ガラス基板上のカラーフィルタ、ブラックマトリックス及びオーバーコート層等の樹脂膜等の樹脂の剥離に好適に使用される樹脂剥離剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学部品、電気部品、電子部品、半導体部品及び精密機械部品の分野では、高機能を有するプラスチック材料の開発が盛んに行われ、従来の無機材料からの代替が進んでいる。また、より精密な加工技術が開発され、高度な制御が必要とされてきた。一方で、地球環境保全の観点から、製造工程での不良品及び使用済みの製品の回収、リサイクルの要求が非常に強くなってきた。このような状況の下、これらの部品の製造、リサイクルの工程で、樹脂材料を剥離する工程が多くなっている。
【0003】
工業的には、例えば、水晶、石英、ガラス等の光学・電子部品関連材料、シリコン、ガリウム・ヒ素、ガリウム・リン等の半導体・結晶材料、磁気ヘッド等の磁気材料、チタン酸バリウム、PZT等の圧電材料、フェライト、サマリウム・コバルト等の磁性材料といった、ガラス、半導体、セラミックス、金属材料などの加工工程に用いられる反応形接着剤の剥離;眼鏡用プラスチックレンズのリワーク(再生)の際のプラスチックレンズ上のプライマーコート等の表面コートの剥離;プラスチックレンズの製造に用いられる成形ガラス型に付着したプラスチックレンズ樹脂、固定用テープの粘着剤、ガスケットからのブリードアウト成分及び接着剤等の樹脂の剥離;液晶表示装置用ガラス基板のリワーク(再生)の際のガラス基板上のカラーフィルタ、ブラックマトリックス及びオーバーコート層等の樹脂膜の剥離が一般的に行われている。
【0004】
これらの樹脂材料は高重合化し、対薬品性も増している一方、より完全に剥離して、高度に清浄な表面を得ることが要求されてきている。
【0005】
これまでに、例えば、プラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤として、芳香族化合物、アルカリ剤、カルシウムイオン放出性物質及び水を含有した洗浄剤組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、当該洗浄剤組成物では樹脂剥離力が強力な無機アルカリ剤を使用すると、各成分が分離して均一な溶液状態を保持できなくなる場合があり、良好な樹脂剥離性(単に剥離性という場合がある。)を得るためには液循環や攪拌等の物理力が必要となることがあった。特に、温度をかけた際には分離傾向が顕著となり、剥離性能にバラツキが生ずるだけでなく、該洗浄剤組成物自身の取扱い性も低下するという不都合があった。
【0006】
一方、一般に水中に均一な状態で溶解させることが困難である強アルカリ剤と非イオン界面活性剤とを特定の2種のカルボン酸を可溶化剤として用いて均一な状態で溶解せしめた、強アルカリ剤と非イオン界面活性剤とを高濃度かつ安定に含有する非イオン界面活性剤の強アルカリ性水溶液組成物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、当該水溶液に強アルカリ剤と共に溶解せしめられた非イオン界面活性剤は概して水溶性に富むものであり、前記洗浄剤で使用されるような強アルカリ剤と水不溶性の芳香族化合物とを均一な状態で水中に溶解せしめる技術についてはこれまでに知られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平11―131096号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平1―123622号公報(第1頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等の反応形接着剤;眼鏡用プラスチックレンズ上のプライマーコート等の表面コート;プラスチックレンズの製造に用いられる成形ガラス型に付着したプラスチックレンズ樹脂、固定用テープの粘着剤、ガスケットからのブリードアウト成分及び接着剤等の樹脂;液晶表示装置用ガラス基板上のカラーフィルタ、ブラックマトリックス及びオーバーコート層等の樹脂膜等の樹脂の剥離性に優れ、かつ均一であり、取扱い性にも優れた樹脂剥離剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
〔1〕 (a)一般式(1):
【化2】
〔式中、R1 は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を示し、mはベンゼン環の水素原子がR1 により置換された数を表わし、0〜4の整数である。但し、mが2以上の場合、R1 は各々同一でも異なっていてもよい。Xは2価又は3価の基であり、(X−Y)はXが2価の基の場合には1個のYと、Xが3価の基の場合には各々同一でも異なっていてもよい2個のYと結合してなる構造単位からなる置換基を表わす。Xは酸素原子、−CH<基、−CH(CH3 )−基、−C(CH3 )2 −基、−CH2 CH<基、−CH(CH3 )CH<基、−CH(OH)−基、−C(CH3 )(OH)−基、オキシメチレン基、−OCH<基、−OCH2 CH<基、カルボニル基、−(C=O)CH<基、−OCH2 (C=O)−基、−CH(CH3 )(C=O)−基、−CH(CH3 )CH2 (C=O)−基、−(CH2 )i (C=O)−基(iは1〜3の整数である)又は−(CH2 )j −基(jは1〜5の整数である)を、Yは水素原子、水酸基、水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜7の脂肪族炭化水素基、−(R2 O)k H基(R2 は炭素数2又は3のアルキレン基を示し、kは1〜8の整数である)又は−(OR3 )p H基(R3 は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を示し、pは1〜3の整数である)を示す。但し、X及びYのいずれか一方の基に酸素原子を含み、nはベンゼン環の水素原子が(X−Y)により置換された数を表わし、1〜3の整数であり、nが2以上の場合、(X−Y)は各々同一でも異なっていてもよい。〕で表わされる酸素原子含有単環芳香族化合物(但し、フェノール類、芳香族カルボン酸類及び芳香族カルボン酸エステル類を除く)3〜80重量%、
(b)無機系アルカリ剤0.5〜30重量%、
(c)一般式(2):
R4 −Z−(CH2 )q COOM1 (2)
(式中、R4 は炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示し、Zは>NH基、>N(CH2 )r COOM2 基又は>CHCOOM2 基を示す。M1 及びM2 は各々同一でも異なっていてもよく、アルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア又はアルカノールアミンを示す。q及びrは各々1〜3の整数である。)で表わされるカルボン酸塩(A)0.5〜25重量%、
(d)一般式(3):
R5 COOM3 (3)
(式中、R5 は炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基を示し、M3 はアルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア又はアルカノールアミンを示す。)で表わされるカルボン酸塩(B)0.1〜20重量%、及び
(e)水10〜80重量%、
を含有してなる樹脂剥離剤組成物、並びに
〔2〕 (i)樹脂が付着した被洗浄物を、前記〔1〕記載の樹脂剥離剤組成物を用いて洗浄する工程、及び
(ii)洗浄された被洗浄物を、水ですすぐ工程、
を含む、被洗浄物の洗浄方法、
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂剥離剤組成物(以下、剥離剤組成物という。)は、前記した通り、(a)一般式(1)で表わされる特定の酸素原子含有単環芳香族化合物(以下、芳香族化合物という。)を3〜80重量%、(b)無機系アルカリ剤を0.5〜30重量%、(c)一般式(2)で表わされる特定のカルボン酸塩(A)を0.5〜25重量%、(d)一般式(3)で表わされる特定のカルボン酸塩(B)を0.1〜20重量%、並びに(e)水を10〜80重量%含有してなる組成物である。
【0011】
本発明の剥離剤組成物は、(c)成分であるカルボン酸塩(A)と(d)成分であるカルボン酸塩(B)の両者を可溶化剤として用いることにより、水中に均一な状態で溶解せしめることが困難な(a)成分:一般に水不溶性の芳香族化合物と(b)成分:樹脂剥離力が強力な無機系アルカリ剤、とを水中に均一な状態で溶解せしめた点に大きな1つの特徴を有する。
【0012】
本発明においては、(a)成分と(b)成分とが併用されていることから、種々の樹脂汚れの溶解性、該汚れへの浸透性及び膨潤性、並びにそれに伴う該汚れの崩壊性が相乗的に高められ、より短時間に効率よく樹脂汚れを剥離することができる。しかも、それらの両成分が分離することなく均一に水中に溶解せしめられていることから、優れた取扱い性が発現され、例えば、本発明の剥離剤組成物の使用、輸送、保存等を容易に行うことができる。
【0013】
前記一般式(1)において、樹脂剥離性の発現の観点から、R1 は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基である。なお、本明細書において「脂肪族炭化水素基(以下、炭化水素基という場合がある。)」とは直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の鎖式化合物をいい、本発明の所望の効果の発現が阻害されない範囲であれば、水素原子が任意の置換基で置換されていてもよい。
【0014】
前記炭素数1〜6の炭化水素基としては、例えば、メチル基及びエチル基等の直鎖飽和炭化水素基;イソプロピル基及びイソブチル基等の分岐鎖飽和炭化水素基;ビニル基及びアリル基等の直鎖不飽和炭化水素基;イソプロペニル基等の分岐鎖不飽和炭化水素基が挙げられる。
【0015】
前記R1 の中では、剥離性の向上と入手容易性の観点から、炭素数1〜4の直鎖飽和炭化水素基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。
【0016】
mは前記一般式(1)中のベンゼン環に結合した水素原子がR1 により置換された数を表わし、0〜4の整数である。剥離性の向上と入手容易性の観点から、1又は2が好ましい。尚、該ベンゼン環の水素原子は、その任意の位置でR1 に置換されていてもよい。また、mが2以上の場合、R1 は各々同一でも異なっていてもよい。
【0017】
前記一般式(1)中、Xは2価又は3価の基であり、(X−Y)はXが2価の基の場合には1個のYと、Xが3価の基の場合には各々同一でも異なっていてもよい2個のYと結合してなる構造単位からなる置換基を表わす。
【0018】
Xは前記の通りである。前記−(CH2 )i (C=O)−基において、iは剥離性の発現の観点から1〜3の整数であり、入手容易性の観点から、1又は2が好ましい。
【0019】
前記−(CH2 )j −基において、jは剥離性の発現の観点から1〜5の整数であり、入手容易性の観点から、1又は2が好ましい。
【0020】
前記Xとしては、剥離性の向上の観点から、酸素原子、オキシメチレン基及びカルボニル基が特に好ましい。
【0021】
前記一般式(1)において、Yは水素原子、水酸基、水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜7の炭化水素基、−(R2 O)k H基(R2 及びkは前記と同じ。)又は−(OR3 )p H基(R3 及びpは前記と同じ。)である。
【0022】
前記炭素数1〜7の炭化水素基としては、例えば、メチル基及びエチル基等の直鎖飽和炭化水素基;イソプロピル基及びイソブチル基等の分岐鎖飽和炭化水素基;ビニル基及びアリル基等の直鎖不飽和炭化水素基;イソプロペニル基等の分岐鎖不飽和炭化水素基が挙げられる。前記炭素数1〜7の炭化水素基の中では、剥離性の向上と入手容易性の観点から、炭素数1〜4の直鎖飽和炭化水素基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。
【0023】
前記炭素数1〜7の炭化水素基は結合しているその水素原子の一部が水酸基で置換されていてもよいが、ここで「一部」とは、本発明の所望の効果の発現を阻害しない範囲で、該炭化水素基に結合している水素原子が、一部につき、水酸基に置換されていてもよいことをいう。
【0024】
前記−(R2 O)k H基において、R2 は、優れた剥離性を発現させ、入手が容易である観点から炭素数2又は3のアルキレン基であり、例えば、エチレン基及びプロピレン基が挙げられる。また、同様の観点からkは1〜8の整数であり、剥離性を向上させる観点から、4以下が好ましい。
【0025】
前記−(OR3 )p H基において、R3 は、優れた剥離性を発現させ、入手が容易である観点から炭素数1〜6の2価の炭化水素基である。該炭化水素基として好適には、例えば、メチレン基及びエチレン基等の直鎖飽和炭化水素基;メチルエチレン基及び1,1−ジメチルエチレン基等の分岐鎖飽和炭化水素基を挙げることができる。前記R3 の中では、剥離性の向上と入手容易性の観点から、炭素数1〜4の直鎖飽和炭化水素基が好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。また、前記同様の観点からpは1〜3の整数であり、剥離性を向上させる観点から、1又は2が好ましい。
【0026】
前記Yとしては、剥離性の向上の観点から、水酸基、−(R2 O)k H基が特に好ましい。
【0027】
前記一般式(1)において、nはベンゼン環に結合した水素原子が(X−Y)により置換された数を表わし、1〜3の整数である。剥離性の向上と入手容易性の観点から、1又は2が好ましい。尚、該ベンゼン環の水素原子は、その任意の位置で(X−Y)に置換されていてもよい。また、nが2以上の場合、(X−Y)は各々同一でも異なっていてもよい。
【0028】
尚、前記一般式(1)において、m+nは6以下である。
【0029】
また、本発明においては、樹脂に対する優れた剥離性の発現の観点から、一般式(1)においてXで示される基及びYで示される基のいずれか一方の基に酸素原子が含まれていることが必要である。
【0030】
ところで、前記一般式(1)において、Xが酸素原子であり、Yが水素原子であるフェノール類;Xがカルボニル基であり、Yが水酸基である芳香族カルボン酸類;Xがカルボニル基であり、Yが、例えば、−OR6 (R6 は炭化水素基)基である芳香族カルボン酸エステル類は、剥離剤組成物中で(b)成分である無機系アルカリ剤と反応して塩を形成する。かかる塩は、樹脂の剥離性を低下させることがあるので、本発明においては、(a)成分である芳香族化合物から、フェノール類;芳香族カルボン酸類;及び芳香族エステル類を除く。
【0031】
前記一般式(1)で表される芳香族化合物の代表例としては、例えば、単環芳香族エーテル、単環芳香族アルコール、単環芳香族ケトン、単環芳香族グリコールエーテル等が挙げられる。
【0032】
前記芳香族化合物の具体例としては、例えば、アニソール、フェネトール等の単環芳香族エーテル;ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の単環芳香族アルコール;炭素数1〜7の炭化水素基の一部の水素原子が水酸基で置換されてなる、1−フェニル−2−プロピルアルコール等のアルコール基を持つ化合物;アセトフェノン、プロピオフェノン等の単環芳香族ケトン;(POE)1 〜8 モノフェニルエーテル、(POE)1 〜8 モノベンジルエーテル、(POP)1 〜8 モノフェニルエーテル等の単環芳香族グリコールエーテル等が挙げられる。本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。尚、前記芳香族化合物は、本発明の剥離剤組成物において、それぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0033】
尚、本明細書において、「(POE)」は、エチレンオキサイド基を示し、(POE)の右下の添え字は、エチレンオキサイド基の付加モル数を示す。また、「(POP)」の語は、プロピレンオキサイド基を示し、(POP)の右下の添え字は、プロピレンオキサイド基の付加モル数を示す。また、例えば、(POE)1 モノフェニルエーテル、(POE)2 モノフェニルエーテル、(POE)3 モノフェニルエーテルをまとめて(POE)1 〜3 モノフェニルエーテルのように略記する場合がある。
【0034】
前記芳香族化合物のなかでは、樹脂剥離性及び入手容易性の観点から、単環芳香族アルコール及び単環芳香族グリコールエーテルが好ましい。なかでも、剥離剤組成物のその他成分との混合性及び剥離後のリンス性を向上させる観点から、より具体的に示すと、特に、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、メチルベンジルアルコール、エチルベンジルアルコール、メチルフェネチルアルコール、メトキシフェネチルアルコール、ベンゼンジメチルアルコール、ジメチルベンジルアルコール、メトキシベンジルアルコール、エトキシベンジルアルコール、ジメチルメトキシベンジルアルコール、ジメトキシベンジルアルコール、エトキシメトキシベンジルアルコール、ジメトキシメチルベンジルアルコール、ジメトキシフェネチルアルコール、エトキシメトキシフェネチルアルコール、トリメトキシベンジルアルコール、sec−フェネチルアルコール、(POE)1 〜8 モノフェニルエーテル、(POE)1 〜8 モノベンジルエーテルが好ましい。
【0035】
本発明の剥離剤組成物における、(a)芳香族化合物の含有量は、剥離性及び剥離後のリンス性の観点から3〜80重量%であり、好ましくは9〜65重量%、より好ましくは18〜50重量%、さらに好ましくは18〜65重量%、特に好ましくは27〜40重量%である。
【0036】
(b)成分である無機系アルカリ剤としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属弱酸塩等が挙げられる。本発明の剥離剤組成物においては、前記(a)芳香族化合物と(b)無機系アルカリ剤との併用により、前記した通りの優れた樹脂剥離性が発現される。
【0037】
前記アルカリ金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0038】
前記アルカリ金属弱酸塩の具体例としては、例えば、ケイ酸リチウム、炭酸リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。
【0039】
尚、前記のアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属弱酸塩は、いずれも本発明の剥離剤組成物中で、アルカリ金属又はその金属酸化物と、水、弱酸又は弱酸水溶液とを反応させることによって得られたものであってもよい。
【0040】
前記無機系アルカリ剤の中では、その高アルカリ性により樹脂の低分子量化と剥離性を高め、優れた剥離性を付与する観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましい。さらに、入手容易性及び経済性の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。
【0041】
前記無機系アルカリ剤は、本発明の剥離剤組成物において、それぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0042】
本発明の剥離剤組成物における、(b)無機系アルカリ剤の含有量は、剥離性及び取扱い上の安全性の観点から0.5〜30重量%であり、好ましくは2〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは10〜15重量%である。
【0043】
本発明の剥離剤組成物においては、前記一般式(2)で表される(c)カルボン酸塩(A)の使用により、当該組成物の均一性及び優れた取扱い性が発現される。
【0044】
前記一般式(2)において、R4 は炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基である。
【0045】
前記炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基としては、例えば、ブチル基及びペンチル基等の直鎖飽和炭化水素基;イソブチル基及び1−メチルプロピル基等の分岐鎖飽和炭化水素基;1−ブテニル基及び3−ブテニル基等の直鎖不飽和炭化水素基;1−メチル−1−ブテニル基及び1,1−ジメチル−3−ブテニル基等の分岐鎖不飽和炭化水素基;フェニル基及びトリル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0046】
前記R4 の中では、広い温度範囲に渡って剥離剤組成物の均一性を確保する観点から、炭素数4〜18の直鎖もしくは分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数4〜18の分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。炭素数に関しては、カルボン酸塩(A)の機能発現の観点から炭素数4以上であり、入手の容易性の観点からは炭素数8以上が好ましい。また、樹脂の剥離性を阻害しない観点から炭素数18以下であり、広範囲の用途において使用可能とする観点からは炭素数12以下が好ましい。すなわち、当該炭素数としては4〜18であり、好ましくは8〜12である。
【0047】
前記一般式(2)において、Zは>NH基、>N(CH2 )r COOM2 基又は>CHCOOM2 基である。このうち、広い温度範囲に渡って剥離剤組成物の均一性を確保する観点から、>NH基、>N(CH2 )r COOM2 基が好ましい。尚、rはカルボン酸塩(A)の機能発現の観点から1〜3の整数であり、当該機能を向上させる観点からは1〜2が好ましい。
【0048】
前記M2 は、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等の炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンである。入手の容易性と経済性の観点から、アルカリ金属(特にナトリウム及びカリウム)及びアンモニアが好ましい。尚、前記一般式(2)に示されるM1 もM2 と同様であり、M1 及びM2 は各々同一でも異なっていてもよい。
【0049】
また、前記一般式(2)に示されるqはカルボン酸塩(A)の機能発現の観点から1〜3の整数であり、当該機能を向上させる観点からは1〜2が好ましい。
【0050】
カルボン酸塩(A)としては、例えば、R4 部分が、ブチル基及びペンチル基等の直鎖飽和炭化水素基;イソブチル基及び1−メチルプロピル基等の分岐鎖飽和炭化水素基;1−ブテニル基及び3−ブテニル基等の直鎖不飽和炭化水素基;1−メチル−1−ブテニル基及び1,1−ジメチル−3−ブテニル基等の分岐鎖不飽和炭化水素基;並びにフェニル基及びトリル基等の芳香族炭化水素基から構成された、N−置換β−アラニン及びアルケニルコハク酸等の塩が挙げられる。
【0051】
前記カルボン酸塩(A)としては、広い温度範囲に渡って剥離剤組成物の均一性を確保する観点、及び広範囲の用途において使用可能とする観点から、より具体的に示すと、N−メチルブチル−β−アラニン、N―メチルペンチル−β−アラニン、N−メチルヘキシル−β−アラニン、N−メチルヘプチル−β−アラニン、N−ジメチルブチル−β−アラニン、N−ジメチルペンチル−β−アラニン、N−エチルヘキシル−β−アラニン、N−ジメチルヘキシル−β−アラニン、N−トリメチルブチル−β−アラニン、N−トリメチルペンチル−β−アラニン、オクテニルコハク酸のアルカリ金属塩(特にナトリウム及びカリウム)及びアンモニウム塩が好ましい。
【0052】
一方、入手容易性と経済性の観点からは、特に、N−オクチル−β−アラニン、N−ノニル−β−アラニン、N−デシル−β−アラニン、N−ウンデシル−β−アラニン、N−ラウリル−β−アラニンのアルカリ金属塩(特にナトリウム及びカリウム)及びアンモニウム塩が好ましい。
【0053】
本発明の剥離剤組成物における、(c)カルボン酸塩(A)の含有量は、剥離剤組成物の均一性及び経済性並びに樹脂剥離性の観点から0.5〜25重量%であり、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。
【0054】
また、本発明の剥離剤組成物においては、前記カルボン酸塩(A)と、さらに前記一般式(3)で示される(d)カルボン酸塩(B)とを併用することにより、広い温度範囲に渡って剥離剤組成物の均一性を安定に確保し、樹脂の剥離性を促進することが可能となる。
【0055】
前記一般式(3)において、R5 は炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基である。
【0056】
前記炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ブチル基及びペンチル基等の直鎖飽和炭化水素基;イソブチル基及び1−メチルプロピル基等の分岐鎖飽和炭化水素基;1−ブテニル基及び3−ブテニル基等の直鎖不飽和炭化水素基;1−メチル−1−ブテニル基及び1,1−ジメチル−3−ブテニル基等の分岐鎖不飽和炭化水素基が挙げられる。
【0057】
前記R5 の中では、広い温度範囲に渡って剥離剤組成物の均一性をより安定に確保する観点から、炭素数4〜18の直鎖もしくは分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数4〜18の分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
【0058】
一方、炭素数に関しては、カルボン酸(B)の機能発現の観点から炭素数4以上であり、入手の容易性の観点から、炭素数5以上が好ましく、炭素数6以上がさらに好ましい。また、樹脂剥離性を阻害しない観点から炭素数18以下であり、優れた取扱い性を発揮させる観点から、炭素数10以下が好ましく、炭素数8以下がさらに好ましい。すなわち、該炭素数としては4〜18であり、好ましくは5〜10、より好ましくは6〜8である。
【0059】
前記一般式(3)において、M3 はアルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア又はアルカノールアミンである。
【0060】
前記M3 の中では、融点が低く、取扱いが容易である観点から、炭素数1〜4の脂肪族アミン又はアルカノールアミンが好ましく、入手容易性の観点から、アルカリ金属(特にナトリウム及びカリウム)及びアンモニアが好ましい。
【0061】
前記カルボン酸塩(B)の具体例としては、例えば、特許第2523341号公報第2頁第4欄第9行〜第46行及び同第3頁第5欄第2行〜第8行に記載の酸等の塩が挙げられる。
【0062】
前記カルボン酸塩(B)のなかでは、広範囲の用途において使用可能とする観点から、特に、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、トリメチル酢酸、2−メチルブタン酸、イソ吉草酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、t−ブチル酢酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−プロピルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸の塩が好ましい。さらに、経済性の観点から、特に、カプロン酸,エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、t−ブチル酢酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−プロピルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸のアルカリ金属塩(特にナトリウム及びカリウム)又はアンモニウム塩が好ましい。
【0063】
本発明の剥離剤組成物における、(d)カルボン酸塩(B)の含有量は、剥離剤組成物の均一性及び樹脂剥離性の観点から0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
【0064】
(e)成分である水は、本発明の剥離剤組成物において、前記(c)カルボン酸塩(A)及び(d)カルボン酸塩(B)による該組成物の均一化効果を発現させ、前記(a)芳香族化合物及び前記(b)無機系アルカリ剤を均一に溶解させるための溶媒として、また無機系アルカリ剤のアルカリ作用を促進させる溶媒として用いられる。
【0065】
前記水としては、本発明の所望の効果の発現が阻害されない限り、特に限定されるものではない。かかる水の具体例としては、例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水等が挙げられる。
【0066】
本発明の剥離剤組成物における(e)水の含有量としては、本発明の剥離剤組成物における前記(a)及び(b)成分の(c)成分及び(d)成分による均一化効果及び(b)成分が有する樹脂の剥離効果を充分に発現させる観点から10〜80重量%であり、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは30〜60重量%、特に好ましくは40〜50重量%である。
【0067】
本発明の剥離剤組成物においては、本発明の所望の効果の発現を阻害しない範囲であれば、所望により、通常、剥離剤に用いられる、その他の成分、例えば、界面活性剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤等を適宜さらに含有させることができる。
【0068】
本発明の剥離剤組成物としては、種々の樹脂汚れの溶解性、該汚れへの浸透性及び膨潤性、並びにそれに伴う該汚れの崩壊性が相乗的に高められ、より短時間に効率よく樹脂汚れを剥離できるという観点から、(a)芳香族化合物と(b)無機系アルカリ剤との含有量比〔(a)/(b)〕が重量比で15/85〜99/1であり、広い温度範囲に渡って剥離剤組成物の均一性を安定に確保し、樹脂の剥離性を促進できるという観点から、(c)カルボン酸塩(A)と(d)カルボン酸塩(B)との含有量比〔(c)/(d)〕が重量比で5/95〜97/3であり、〔(a)+(b)〕と〔(c)+(d)〕との含有量比[〔(a)+(b)〕/〔(c)+(d)〕]が重量比で35/65〜90/10であるものが特に好ましい。また、(a)芳香族化合物を18〜65重量%、(b)無機系アルカリ剤を5〜20重量%、(c)カルボン酸(A)塩を2〜15重量%、(d)カルボン酸塩(B)を2〜10重量%、及び(e)水を20〜60重量%含有してなるものが、種々の性能のバランスの観点から特に好ましい。
【0069】
本発明の剥離剤組成物は、前記(a)〜(e)の各成分、並びに所望によりさらに前記その他の成分を常法により混合することによって製造することができる。
【0070】
本発明の剥離剤組成物は、例えば、被洗浄物の硬質表面に付着した難剥離性の樹脂の剥離性に特に優れている。本発明の剥離剤組成物を用いて好適に洗浄(樹脂剥離)され得る被洗浄物及び剥離可能な難剥離性の樹脂としては、水晶、石英、ガラス等の光学・電子部品関連材料、シリコン、ガリウム・ヒ素、ガリウム・リン等の半導体・結晶材料、磁気ヘッド等の磁気材料、チタン酸バリウム、PZT等の圧電材料、フェライト、サマリウム・コバルト等の磁性材料といった、ガラス、半導体、セラミックス、金属材料などの加工工程に用いられる、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤及びアクリル樹脂系接着剤等の反応形接着剤;眼鏡用プラスチックレンズのリワーク(再生)の際のプラスチックレンズ上のプライマーコート等の表面コート;プラスチックレンズの製造に用いられる成形ガラス型に付着したプラスチックレンズ樹脂、固定用テープの粘着剤、ガスケットからのブリードアウト成分及び接着剤等の樹脂;液晶表示装置用ガラス基板のリワーク(再生)の際のガラス基板上のカラーフィルタ、ブラックマトリックス及びオーバーコート層等の樹脂膜等の樹脂等が挙げられる。
【0071】
本発明の剥離剤組成物を用いて前記するような光学・電子部品関連材料等の被洗浄物の表面に付着(若しくは接着)した樹脂を剥離する方法としては特に限定されるものではなく、公知の剥離剤と同様にして樹脂剥離を実施すればよい。
【0072】
例えば、本発明の剥離剤組成物を用い、被洗浄物の硬質表面を浸漬法、浸漬揺動法、超音波洗浄法、スプレー法、手拭き法等により洗浄し、次いで、洗浄された硬質表面を、例えば、前記するような水を用いてすすぐ。さらに所望により適宜乾燥さればよい。洗浄時間、温度等の洗浄条件や、すすぎ時間、温度等のすすぎ条件は、洗浄対象の硬質表面の性質や剥離対象の樹脂の性質等に応じて適宜選択すればよい。
【0073】
従って、本発明の一態様として、
(i)樹脂が付着した被洗浄物を、本発明の樹脂剥離剤組成物を用いて洗浄する工程、並びに
(ii)洗浄された被洗浄物を、水ですすぐ工程、
を含む、被洗浄物の洗浄方法が提供される。
【0074】
【実施例】
実施例1〜12及び比較例1〜13
表1に示す配合に従って実施例1〜12の剥離剤組成物を、また、表2に示す配合に従って比較例1〜13の剥離剤組成物をそれぞれ調製し、得られた剥離剤組成物の均一性と樹脂剥離性を以下の試験において評価した。剥離剤組成物の調製は、各成分混合後30分間室温にて撹拌することにより行った。尚、表2の(a)芳香族化合物、(b)アルカリ剤及び(d)カルボン酸(B)には本発明の規定外のものを含む。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
試験例1 均一性評価
実施例1〜12及び比較例1〜13の各剥離剤組成物を調製後、25℃にて24時間静置保存し、保存後の剥離剤組成物の溶液状態を目視観察し、以下の評価基準に従って剥離剤組成物の均一性(溶液状態の均一性)を評価した。
【0078】
〔評価基準〕
◎:均一透明、層分離及び濁り無し
○:均一やや不透明、層分離無し、わずかに濁り有り
△:均一不透明、濁り有り
×:層分離(二層分離)有り
※:粘度上昇、室温での流動性が殆ど無い状態
【0079】
試験例2 樹脂剥離性評価
(1)テストピースの製造
▲1▼ 反応形接着剤
エポキシ系接着剤
1mm×76mm×26mmのスライドガラス(MICRO SLIDE GLASS S-1112、松波ガラス工業(株)製)の中央部に、以下のエポキシ系接着剤0.2gを円形(直径20mm)に3個、均一に塗布し、90℃で1時間硬化させた後、室温で3時間放置した。得られたスライドガラスを剥離性評価用テストピースとした。
エポキシ系接着剤:W―ボンド NC−15K(日化精工(株)製)
主剤:硬化剤=2:1(重量比)で混合
【0080】
シアノアクリレート系接着剤
1mm×76mm×26mmのスライドガラス(MICRO SLIDE GLASS S-1112、松波ガラス工業(株)製)に、0.1mm×18mm×18mmのカバーガラス(MICRO COVERGLASS TROPHY 、松波ガラス工業(株)製)3枚を、以下のシアノアクリレート系接着剤を用いて6〜8mg/cm2 の塗布量で接着し、24時間室温下で放置した。得られたスライドガラスを剥離性評価用テストピースとした。
シアノアクリレート系接着剤:アロンアルファ201(東亜合成製)
【0081】
▲2▼ プライマーコート/ハードコート付き眼鏡用プラスチックレンズ
直径約7cm、厚さ約0.5cmの平板状に成形した、屈折率1.498のCR−39眼鏡用プラスチックレンズ基材に、ポリエステル系脂肪族ポリウレタンエマルジョン(商品名「スーパーフレックス107M」第一工業製薬(株)製)100重量部と、多官能アジリジン化合物系架橋剤(2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート])4重量部とからなるプライマー組成物を、ディッピング法(引き上げ速度:100cm/分)により塗布し、塗布したプラスチックレンズ基材を100℃で30分間加熱処理して、プライマー層を硬化させた。
【0082】
上記のプライマー層を有するプラスチックレンズ基材のプライマー層の上に、オルガノポリシロキサン含有熱硬化型ハードコート液((株)トクヤマ製TS−56H;A液/B液=1/1(重量比)で混合し、20℃で24時間熟成したもの)をディッピング法(引き上げ速度:40cm/分)により塗布し、塗布したプラスチックレンズ基材を60℃で20分間予備加熱後、さらに120℃で3時間本加熱処理して、ハードコート層を硬化させた。得られたプラスチックレンズ基材を剥離性評価用テストピースとした。
【0083】
▲3▼ プラスチックレンズ樹脂汚れ付着プラスチックレンズ成形ガラス型
CR―39プラスチックレンズ樹脂
硝酸カリウムにて化学強化処理した直径約8cmの平板成形ガラス型の使用面側に、直径約1cmのCR−39樹脂(PPG社製、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(ADC)樹脂)の固まりを5個形成した(0. 03g/直径1cm・1個当たり)。
【0084】
尚、CR−39樹脂の重合は以下のようにして行った。すなわち、CR−39モノマー(PPG社製)100重量部と、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP−27(CR)、日本油脂(株)製)11重量部とを、低温で均一になるように混合した。上記の平板成形ガラス型の使用面側に得られた混合物を前記要領で適宜塗布した。次いで、平板成形ガラス型を蓋付きトレーに入れ、トレーを窒素で満たした後、完全に密閉した。その後、40℃で2時間、60℃で2時間、80℃で18時間の合計22時間の加熱処理を行うことにより重合、固化させた。得られた成形ガラス型を剥離性評価用テストピースとした。
【0085】
MR−8プラスチックレンズ樹脂
硝酸カリウムにて化学強化処理した直径約8cmの成形ガラス型の使用面側に、直径約1cmのMR−8樹脂(三井化学(株)製、含硫ウレタン樹脂系)の固まりを5個形成した(0. 05g/直径1cm・1個当たり)。
【0086】
尚、MR−8樹脂の重合は以下のようにして行った。すなわち、前記CR−39樹脂と同様にして平板成形ガラス型の使用面側に適宜塗布し、平板成形ガラス型を蓋付きトレーに入れ、トレーを窒素で満たした後、完全に密閉し、30℃で6時間、40℃で7時間、50℃で3時間、60℃で2時間、100℃で3時間、120℃で3時間の合計24時間加熱処理を行うことによって重合、固化させた。得られた成形ガラス型を剥離性評価用テストピースとした。
【0087】
▲4▼ カラーフィルター/ブラックマトリックス付きガラス基板
市販の14型(680×880mm)カラーTFT液晶表示装置用カラーフィルター(グラックマトリックス、RGB)付きガラス基板を2cm×2cmに切断して、剥離性評価用テストピースとした。
【0088】
(2)剥離条件と樹脂剥離性の評価方法
▲1▼ 反応形接着剤
実施例1〜12及び比較例1〜13の各剥離剤組成物の中に前記(1)で得られたテストピースを立てて浸漬し、液攪拌無しで、エポキシ系接着剤の場合は、80℃、静置状態で、シアノアクリレート系接着剤の場合は、60℃、静置状態で、3個の円形のエポキシ樹脂及び3枚のカバーガラスがそれぞれ剥離して落下するまでの時間を測定し、得られた測定時間の平均値を剥離時間(分)とした。実施例1〜12の結果を表3に、比較例1〜13の結果を表4にそれぞれ示す。
【0089】
剥離時間の数値が小さいものほど、短い時間で反応形接着剤が剥離したこと、即ち、剥離性能が良好であることを示す。尚、浸漬時間が60分を超えても剥離しなかった場合は、60<と表記した。
【0090】
▲2▼ プライマーコート/ハードコート付き眼鏡用プラスチックレンズ
前記(1)で得られたテストピースを、60℃に保持した、実施例1〜12及び比較例1〜13の各剥離剤組成物中に立てて浸漬し、液攪拌無しで、超音波洗浄装置(シャープ(株)製、商品名:SILENTSONIC UT−204)を用い、39kHz、200Wの条件下で10分間剥離処理を行った。
【0091】
次いで、30℃のイオン交換水に浸漬し、洗浄と同様の超音波洗浄装置で60秒間リンス(第1リンス)した。さらに、同じく、30℃のイオン交換水に浸漬し、洗浄及び第1リンスと同様の超音波洗浄装置で60秒間仕上げリンスした。その後、60秒間エアーブローし、送風定温乾燥機((株)東洋製作所、商品名:FV−630)にて80℃で10分間乾燥した。
【0092】
乾燥後、プライマー層及びハードコート層の剥離状態を目視観察し、目視判断により、プラスチックレンズ基材の表面及び裏面において当該基材が露出した部分の面積を、表面及び裏面の総面積に対する割合として求め面積率(%)で示した。この操作を3枚のテストピースで行い、得られた面積率の平均値を採って剥離性(%)とした。剥離性(%)の数値が大きいものほど、プライマー層及びハードコート層が剥離されたこと、即ち、剥離性能が良好であることを示す。実施例1〜12の結果を表3に、比較例1〜13の結果を表4にそれぞれ示す。
【0093】
▲3▼ プラスチックレンズ樹脂汚れ付着プラスチックレンズ成形ガラス型
前記(1)で得られたテストースを、60℃に保持した、実施例1〜12及び比較例1〜13の各剥離剤組成物中に立てて浸漬し、液攪拌無しで、超音波洗浄装置(シャープ(株)製、商品名:SILENTSONIC UT−204)を用い、39kHz、200Wの条件下で90秒間剥離処理を行った。
【0094】
次いで、30℃のイオン交換水に浸漬し、洗浄と同様の超音波洗浄装置で60秒間リンス(第1リンス)した。さらに、同じく、30℃のイオン交換水に浸漬し、洗浄及び第1リンスと同様の超音波洗浄装置で60秒間仕上げリンスした。その後、60秒間エアーブローし、送風定温乾燥機((株)東洋製作所、商品名:FV−630)にて80℃で10分間乾燥した。
【0095】
乾燥後、樹脂汚れの剥離状態を目視観察し、以下の評価基準に従って剥離状態の程度(%)を評価した。この操作を3個のテストピースで行い、得られた評価値の平均値を採って剥離性(%)とした。剥離性(%)の数値が大きいものほど、樹脂汚れが剥離されたこと、即ち、剥離性能が良好であることを示す。実施例1〜12の結果を表3に、比較例1〜13の結果を表4にそれぞれ示す。
【0096】
〔評価基準〕
剥離状態の程度
100%: 5個とも全部剥離
80%: 4個剥離、1個残留
60%: 3個剥離、2個残留
40%: 2個剥離、3個残留
20%: 1個剥離、4個残留
0%: 0個剥離、5個残留
【0097】
尚、5個全部が残留している場合については、残留した樹脂汚れの剥離状態(ガラス型表面からの剥がれ)を考慮して、目視判断にて剥離状態の程度(%)の評価を微調整した。例えば、樹脂汚れの周囲約10%(面積比)が剥がれているような場合には剥離状態の程度を10%と評価し、剥離性(%)の計算に使用した。
【0098】
▲4▼ カラーフィルター/ブラックマトリックス付きガラス基板
前記(1)のテストピースを、60℃に保持した、実施例1〜12及び比較例1〜13の各剥離剤組成物中に30分間立てて浸漬し、液攪拌無しで、剥離処理を行った。
【0099】
次いで、60℃のイオン交換水に60秒間浸漬、揺動し、リンス(第1リンス)した。さらに、30℃のイオン交換水に60秒間浸漬、揺動し、仕上げリンスした。その後、60秒間エアーブローし、送風定温乾燥機((株)東洋製作所、商品名:FV−630)にて80℃で10分間乾燥した。
【0100】
乾燥後、カラーフィルターの剥離状態を目視観察し、目視判断により、ガラス基板の表面において当該基板が露出した部分の面積を、表面の総面積に対する割合として求め面積率(%)で示した。この操作を3枚のテストピースで行い、得られた面積率の平均値を採って剥離性(%)とした。剥離性(%)の数値が大きいものほど、カラーフィルターが剥離されたこと、即ち、剥離性能が良好であることを示す。実施例1〜12の結果を表3に、比較例1〜13の結果を表4にそれぞれ示す。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
表3の結果から、実施例1〜12の剥離剤組成物(本発明品)はいずれも溶液状態の均一性及び樹脂剥離性に優れていることが分かる。また、表3と表4の結果の比較から以下のことが分かる。すなわち、比較例1〔(a)成分として本発明規定外のものを使用〕と実施例1との比較、及び比較例4〔(a)成分として本発明規定外のものを使用〕と実施例4との比較から、これらの比較例のような場合、特に剥離性が不良となることが分かる。比較例2〔(a)成分の含有量が本発明規定範囲より少なく、(e)成分の含有量が本発明規定範囲より多い〕と実施例2との比較から、比較例2のような場合、剥離性が不良となることが分かる。比較例3〔(d)成分として本発明規定外のものを使用〕と実施例2との比較から、比較例3のような場合、均一性と剥離性が共に不良となることが分かる。比較例5〔(b)成分として本発明規定外のものを使用〕と実施例6との比較から、比較例5のような場合、剥離性が不良となることが分かる。比較例6〔(a)成分不使用〕と実施例6との比較から、比較例6のような場合、剥離性が不良であることが分かる。比較例7〔(c)成分の含有量が本発明規定範囲より多い〕と実施例6との比較から、比較例7のような場合、剥離性が不良となることが分かる。比較例8〔(e)成分の含有量が本発明規定範囲より少ない〕と実施例9との比較から、比較例8のような場合、粘度が増加し、実質的に剥離性が発揮され得ないことが分かる。比較例9〔(a)成分の含有量が本発明規定範囲より多い〕と実施例9との比較から、比較例9のような場合、剥離性が不良となることが分かる。また、比較例9の剥離剤組成物ではリンス性も不良であった。比較例10〔(b)成分の含有量が本発明規定範囲より少ない〕と実施例9との比較から、比較例10のような場合、剥離性が不良となることが分かる。比較例11〔(d)成分不使用〕と実施例11との比較から、比較例11のような場合、均一性が不良となると共に剥離性も不良となることが分かる。比較例12〔(c)成分の含有量が本発明規定範囲より少ない〕と実施例12との比較から、比較例12のような場合、均一性が不良となると共に剥離性も不良となることが分かる。比較例13〔(c)成分の含有量が本発明規定範囲より少なく、(d)成分の含有量が本発明規定範囲より多い〕と実施例12との比較から、比較例13のような場合、粘度が増加し、実質的に剥離性が発揮され得ないことが分かる。
【0104】
【発明の効果】
本発明により、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等の反応形接着剤;眼鏡用プラスチックレンズ上のプライマーコート等の表面コート;プラスチックレンズの製造に用いられる成形ガラス型に付着したプラスチックレンズ樹脂、固定用テープの粘着剤、ガスケットからのブリードアウト成分及び接着剤等の樹脂;液晶表示装置用ガラス基板上のカラーフィルタ、ブラックマトリックス及びオーバーコート層等の樹脂膜等の樹脂の剥離性に優れ、かつその取扱い性にも優れた樹脂剥離剤組成物が得られる。
Claims (2)
- (a)一般式(1):
(b)無機系アルカリ剤0.5〜30重量%、
(c)一般式(2):
R4 −Z−(CH2)q COOM1 (2)
(式中、R4 は炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を示し、Zは>NH基、>N(CH2)r COOM2 基又は>CHCOOM2 基を示す。M1 及びM2は各々同一でも異なっていてもよく、アルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア又はアルカノールアミンを示す。q及びrは各々1〜3の整数である。)で表わされるカルボン酸塩(A)0.5〜25重量%、
(d)一般式(3):
R5 COOM3 (3)
(式中、R5 は炭素数4〜18の脂肪族炭化水素基を示し、M3はアルカリ金属、炭素数1〜4の脂肪族アミン、アンモニア又はアルカノールアミンを示す。)で表わされるカルボン酸塩(B)0.1〜20重量%、並びに
(e)水10〜80重量%、
を含有してなる樹脂剥離剤組成物。 - (i)樹脂が付着した被洗浄物を、請求項1記載の樹脂剥離剤組成物を用いて洗浄する工程、並びに
(ii)洗浄された被洗浄物を、水ですすぐ工程、
を含む、被洗浄物の洗浄方法。
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