JP3420922B2 - プラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物 - Google Patents

プラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物

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JP3420922B2
JP3420922B2 JP29756197A JP29756197A JP3420922B2 JP 3420922 B2 JP3420922 B2 JP 3420922B2 JP 29756197 A JP29756197 A JP 29756197A JP 29756197 A JP29756197 A JP 29756197A JP 3420922 B2 JP3420922 B2 JP 3420922B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズ成形ガラス型用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄
方法に関する。さらに詳しくは、プラスチックレンズ成
形ガラス型に付着した、例えば、メガネ、カメラ、プロ
ジェクションテレビ、大型スクリーン、オーバーヘッド
プロジェクター、コンパクトディスク装置、光メモリー
装置などの光学機器向けのレンズ、プリズムなどの各種
光学用プラスチックレンズの製造に使用される成形ガラ
ス型に付着したプラスチックレンズ成形用原料、未反応
モノマー、オリゴマー、ポリマー、ガスケットからブリ
ードアウトした成分、可塑剤、接着剤、鋳型固定用テー
プ由来の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れなどを洗浄
するためのプラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組
成物およびそれを用いた洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メガネ用レンズ、コンタクトレン
ズ、カメラのファインダー、撮影用レンズ、プロジェク
ションテレビ用レンズ、大型スクリーン用フレネルレン
ズ、レンチキュラー、太陽光集光用レンズ、オーバーヘ
ッドプロジェクタータイプのフレネルレンズ、コンパク
トディスク用レンズ、光メモリー用対物レンズなど光学
機器など向けのレンズ、プリズムなどは、ガラス材質か
らプラスチック材質への変換が進行してきている。特
に、メガネ用レンズは、表面の傷を防止する(ハード)
コーティング技術が開発され、耐擦傷性が実用上問題と
ならないレベルになったこと、高屈折率の材料が開発さ
れ、より薄く軽いレンズの加工ができるようになったこ
とにより、ガラスからプラスチックへの変換比率の伸び
が著しい。
【0003】光学用プラスチックレンズ向けの樹脂とし
て、例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートをラジカル重合させて得られたアリルジグリコール
カーボネート(ADC)樹脂、ウレタン系樹脂、含硫黄
ウレタン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、スチレン/
メタクリル酸メチル共重合体、α−メチルスチレン/メ
タクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸シクロヘキシ
ル/メタクリル酸メチル共重合体、脂肪族メタクリレー
ト/メタクリル酸メチル共重合体などのメタクリル系樹
脂、トリアジン環アクリル系樹脂などのアクリル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ビスフェノール誘導体な
どの臭素配合系樹脂、4−メチルペンテン−1−フマル
酸エステル/アリル系モノマー共重合体などのオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル
共重合体などのスチレン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、
チオエーテル/エステル系樹脂などが使用されている。
【0004】光学用プラスチックレンズの製造方法とし
ては、例えば、メガネ用プラスチックレンズの場合、プ
ラスチックレンズ本体は、成形ガラス型を鋳型として用
いて成形した後、外周整形を行い、さらにエッジ部分の
面取りを行って、洗浄される。
【0005】このとき、使用された成形ガラス型は、洗
浄され、再び鋳型として使用される。メガネ用プラスチ
ックレンズの場合、そのレンズの種類が数千種類と多
く、多品種少量生産されるため、必要とされる成形ガラ
ス型は、膨大な量となり、1枚のプラスチックレンズあ
たりの製造コストが高くなる。したがって、1つの成形
ガラス型を何度も繰り返して使用することができれば、
プラスチックレンズの製造に占める成形ガラス型の費用
の割合が減少するため、結果としてプラスチックレンズ
を経済的に有利に製造することができるようになる。
【0006】一方、プラスチックレンを離型した後の成
形ガラス型には、プラスチックレンズ成形用原料、未反
応モノマー、オリゴマー、ポリマー、ガスケットからブ
リードアウトした成分や可塑剤、接着剤、鋳型固定用テ
ープ由来の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れをはじ
め、雰囲気中の粉塵、作業者の指紋などの汚れが付着し
ている。このような汚れがガラス型に付着している場
合、表面がスムーズな良質のプラスチックレンズが得ら
れなくなったり、ガラス型に汚れが蓄積した場合、得ら
れるプラスチックレンズに破損や傷が発生するおそれが
あるため、該ガラス型を使用することができなくなり、
廃棄せざるを得なくなることがある。
【0007】前記汚れのうち、プラスチックレンズ成形
用原料に由来のオリゴマー、ポリマー、ガスケットから
ブリードアウトした成分、接着剤、鋳型固定用テープ由
来の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れは、ガラス型の
硬質表面に強固に付着(接着)し、しかも樹脂状汚れ自
身の分子量が高いため、溶解、膨潤、軟化、崩壊、剥離
作用などを利用した薬剤による洗浄が非常に困難であ
る。
【0008】従来、プラスチックレンズの製造時に用い
られているガラス型に付着したオリゴマー、ポリマーな
どの樹脂状汚れの洗浄には、塩化メチレンと疎水性界面
活性剤とを含有する洗浄剤(特開昭58−119828
号公報)や、塩化メチレンと水系アルカリ洗浄剤とを含
有する洗浄剤(特開昭62−179600号公報)など
が使用されている。
【0009】これらの洗浄剤は、いずれも洗浄力が弱
く、しかも発ガン性があるといわれている塩化メチレン
が用いられているので、その使用を回避することが望ま
しい。
【0010】近年、プラスチックレンズ成形ガラス型用
洗浄剤として、例えば、特定のグリコールジエーテルが
用いられた洗浄剤(特開平8−224740号公報)、
特定の水溶性アミド化合物または水溶性ラクトン化合物
と、アルカノールアミンまたは第四級アンモニウムヒド
ロキシ化合物と、芳香族炭化水素と、水とを含有する洗
浄剤(特開平9−3486号公報)などが知られてい
る。
【0011】しかしながら、これらの洗浄剤は、いずれ
も樹脂状汚れを溶解して洗浄することが主な洗浄機構で
あるため、樹脂状汚れの分子量が大きい場合、溶解に長
時間を要するという欠点がある。
【0012】また、前記洗浄剤以外にも、付着した汚れ
を剥離するという、剥離を主な洗浄機構とするアルカリ
系洗浄剤は、含有されている無機アルカリの量が少ない
場合には、洗浄力が不十分で、汚れを完全に除去するの
に長時間を要したり、手作業で汚れを除去する必要があ
る。また、十分な洗浄力を付与するために、無機アルカ
リの量を多くした場合には、いわゆる潜傷や焼けなどの
腐食がガラス型の表面に発生する。このようにガラス表
面に腐食が発生すると、表面がスムーズな良質のプラス
チックレンズが得られなくなり、再度、研磨、表面強化
処理を施さざるを得なくなったり、場合によっては、そ
のガラス型を廃棄せざるを得なくなり、その結果、非常
に不経済的となるという問題がある。
【0013】そこで、ガラス表面にダメージをほとんど
与えないガラス用洗浄剤として、例えば、水酸化第四級
アンモニウム塩基と非イオン系界面活性剤とアルカノー
ルアミンとが用いられた洗浄剤(特開平5−27169
9号公報)、水ガラスがビルダーとして用いられた洗浄
剤(特開平9−71799号公報)が提案されている。
しかしながら、これらの洗浄剤は、確かにガラス表面に
あまりダメージを与えないものであるが、ガラス型を繰
り返して使用しているうちに表面荒れが発生する欠点が
ある。
【0014】また、無機アルカリ基剤とカルシウムイオ
ン放出性物質もしくはカルシウム錯体とが用いられた洗
浄剤が提案されている(特開昭61−157595号公
報)。しかしながら、かかる洗浄剤には、高分子量の樹
脂状汚れに対する洗浄性が不十分であるという欠点があ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、高分子量の樹脂状汚れ
に対する洗浄性および洗浄時における人体に対する安全
性に優れ、成形ガラス型を腐食しないプラスチックレン
ズ成形ガラス型用洗浄剤組成物を提供することを目的と
する。
【0016】本発明は、また、高分子量の樹脂状汚れに
対する洗浄性および洗浄時における人体に対する安全性
に優れ、成形ガラス型を腐食させずに洗浄することがで
きる洗浄方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0018】即ち、本発明の要旨は、(1) (a)一
般式(I):
【0019】
【化2】
【0020】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
4の炭化水素基、Xは酸素原子、オキシメチレン基、カ
ルボニル基または−(CH2 k −基〔kは1または2
を示す〕、Yは水酸基、炭素数1〜7の炭化水素基また
は−(R2 O)j H基〔R2 は炭素数2または3のアル
キレン基、jは1〜8の整数を示す〕を示す)で表わさ
れる芳香族化合物10〜65重量%、 (b)アルカリ剤0.1〜50重量%、 (c)カルシウムイオン放出性物質0.005〜25重
量%〔カルシウムイオン換算量〕、および (d)水5〜89重量%を含有してなるプラスチックレ
ンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物、 (2) プラスチックレンズ成形ガラス型に付着した樹
脂状汚れの洗浄用である前記(1)記載の洗浄剤組成
物。 (3) プラスチックレンズ成形ガラス型が、化学強化
された成形ガラス型である前記(1)または(2)記載
の洗浄剤組成物、 (4) さらに、一般式(II): 3 −O−(R 4 −O) m −R 5 (II) (式中、R 3 は炭素数1〜8のアルキル基またはアリル
基、R 4 は炭素数2〜4のアルキレン基、R 5 は水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシル
基またはアリル基、mは1〜8の整数を示す)で表わさ
れるアルキレンオキサイド化合物を含有してな る前記
(1)〜(3)いずれか記載の洗浄剤組成物、 (5) さらに、水溶性多価アルコールを含有してな
前記(1)〜(4)いずれか記載の洗浄剤組成物。 (6) 芳香族化合物が、アルキルベンゼン、芳香族ア
ルコール、芳香族エーテル、芳香族ケトンおよび芳香族
グリコールエーテルからなる群より選ばれた少なくとも
1種である前記(〜(4)いずれか記載の洗浄剤組
成物、 (7) ルカリ剤が、一級、二級および/または三級
アミン性の窒素原子を1分子中に1〜5個有し、かつ分
子量50〜10000を有するアミン系化合物ならびに
水酸化第四級アンモニウム化合物からなる群より選ばれ
た少なくとも1種である前記(1)〜(6)いずれか
載の洗浄剤組成物、 (8) カルシウムイオン放出性物質が、水酸化カルシ
ウム、炭酸カルシウム、無機酸カルシウム塩、直鎖アル
キルカルボン酸カルシウム、アルキレンカルボン酸カル
シウム、芳香族カルボン酸カルシウム、オキシカルボン
酸カルシウム、多価カルボン酸カルシウム、アミノカル
ボン酸カルシウム、有機硫酸カルシウム、有機スルホン
酸カルシウムおよび有機リン酸カルシウムからなる群よ
り選ばれた少なくとも1種である前記(1)〜(7)い
ずれか記載の洗浄剤組成物、 (9) (A)プラスチックレンズ成形ガラス型を、前
記(1)〜(8)いずれか記載の洗浄剤組成物を用いて
洗浄し、 (B)洗浄されたガラス型を、すすぎ水ですすぐことを
特徴とするプラスチックレンズ成形ガラス型の洗浄方法
に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックレンズ成形
ガラス型用洗浄剤組成物は、前記したように、(a)一
般式(I):
【0022】
【化3】
【0023】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
4の炭化水素基、Xは酸素原子、オキシメチレン基、カ
ルボニル基または−(CH2k −基〔kは1または2
を示す〕、Yは水酸基、炭素数1〜7の炭化水素基また
は−(R2 O)j H基〔R2 は炭素数2または3のアル
キレン基、jは1〜8の整数を示す〕を示す)で表わさ
れる芳香族化合物10〜94重量%、(b)アルカリ剤
0.1〜50重量%、(c)カルシウムイオン放出性物
質0.005〜25重量%〔カルシウムイオン換算
量〕、および(d)水5〜89重量%を含有したもので
ある。
【0024】本発明においては、前記芳香族化合物とア
ルカリ剤とが併用されている点に1つの大きな特徴があ
る。このように芳香族化合物とアルカリ剤とが併用され
ていることにより、プラスチックレンズ成形ガラス型に
付着した種々の汚れの溶解性、種々の樹脂状汚れへの浸
透性および樹脂状汚れの膨潤性ならびにそれに伴う汚れ
の崩壊性が相乗的に高められるので、優れた洗浄性が発
現される。
【0025】前記一般式(I)において、R1 は、水素
原子または炭素数1〜4の炭化水素基である。
【0026】前記炭素数1〜4の炭化水素基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル
基に代表される直鎖飽和炭化水素基;イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチ
ル基に代表される分岐鎖飽和炭化水素基;ビニル基、ア
リル基およびブテニル基に代表される直鎖不飽和炭化水
素基;イソプロペニル基などの分岐鎖不飽和炭化水素
基;シクロプロピル基、シクロブチル基などの環状飽和
炭化水素基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基な
どの環状不飽和炭化水素基などがあげられる。
【0027】前記R1 のなかでは、入手の容易性の観点
から、水素原子、メチル基およびエチル基は、本発明に
おいて、好ましい基である。
【0028】前記一般式(I) において、Xは酸素原子、
オキシメチレン基、カルボニル基または−(CH2k
−基(kは前記と同じ)である。
【0029】前記−(CH2 k −基において、kは、
入手の容易性の観点から、1または2とされる。
【0030】前記Xにおいて、樹脂状汚れに対する洗浄
性を向上させる観点から、酸素原子、オキシメチレン基
およびカルボニル基が、本発明においては、特に好まし
い基である。
【0031】前記Yは、水酸基、炭素数1〜7の炭化水
素基または−(R2 O)j H基(R2 は炭素数2または
3のアルキレン基、jは1〜8の整数を示す)である。
【0032】前記炭素数1〜7の炭化水素基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基およびヘプチル基に代表される
直鎖飽和炭化水素基;イソプロピル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基に代表される分
岐鎖飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基、ブテニル
基、ペンテニル基、ヘキセニル基およびヘプテニル基に
代表される直鎖不飽和炭化水素基;イソプロペニル基な
どの分岐鎖不飽和炭化水素基;シクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およ
びシクロヘプチル基に代表される環状飽和炭化水素基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテ
ニル基、シクロヘキセニル基およびシクロヘプテニル基
に代表される環状不飽和炭化水素基などがあげられる。
【0033】前記−(R2 O)j H基において、R
2 は、優れた洗浄性を発現させ、入手が容易である観点
から、炭素数2または3のアルキレン基とされる。ま
た、jは、洗浄後のすすぎ性の観点から、1以上の整数
であり、2以上の整数が好ましく、洗浄性を向上させる
観点から、8以下の整数であり、4以下の整数が好まし
い。
【0034】前記炭素数2または3のアルキレン基とし
ては、エチレン基およびプロピレン基があげられる。
【0035】また、本発明においては、一般式(I) にお
いて、Xで示される基およびYで示される基の少なくと
もいずれかの基に酸素原子が含まれていることが樹脂状
汚れに対する洗浄性を向上させる観点でより好ましい。
【0036】なお、前記一般式(I)において、Xがカ
ルボニル基であり、Yが水酸基である場合には、−X−
Y基は、カルボキシル基となり、アルカリ剤と反応して
塩を形成するようになる。かかる塩は、洗浄性を低下さ
せることがあるので、本発明においては、Xがカルボニ
ル基であり、かつYが水酸基である場合が除外されてい
ることが望ましい。
【0037】前記一般式(I) で表わされる芳香族化合物
の代表例としては、例えば、アルキルベンゼン、芳香族
アルコール、芳香族エーテル、芳香族ケトン、芳香族グ
リコールエーテルなどがあげられる。
【0038】前記芳香族化合物の具体例としては、例え
ば、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼ
ン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベ
ンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼンなどのアル
キルベンゼン;ベンジルアルコール、4−エチルベンジ
ルアルコール、β−フェニルエチルアルコールなどの芳
香族アルコール;アニソール、フェネトール、イソプロ
ピルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、シク
ロヘキシルフェニルエーテル、ベンジルメチルエーテ
ル、ベンジルエチルエーテル、ベンジルイソプロピルエ
ーテル、ベンジルブチルエーテル、ベンジルシクロヘキ
シルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、クレジルメ
チルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテ
ルなどの芳香族エーテル;アセトフェノン、p−メチル
アセトフェノン、エチルフェニルケトン、イソプロピル
フェニルケトン、ブチルフェニルケトン、シクロヘキシ
ルフェニルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルエ
チルケトン、ベンジルイソプロピルケトン、ベンジルブ
チルケトン、ベンジルシクロヘキシルケトン、ベンジル
フェニルケトン、ジフェニルケトン、ジベンジルケトン
などの芳香族ケトン;(POE)18 モノフェニルエ
ーテル、(POE)18 モノベンジルエーテル、(P
OP)18 モノフェニルエーテル、(POP)18
モノベンジルエーテルなどの芳香族グリコールエーテル
などがあげられるが、本発明は、かかる例示にのみに限
定されるものではない。なお、前記芳香族化合物は、そ
れぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることが
できる。
【0039】なお、本明細書において、「(POE)」
は、エチレンオキサイド基を示し、(POE)の右下の
添字は、エチレンオキサイド基の付加モル数を示す。ま
た、「(POP)」の語は、プロピレンオキサイド基を
示し、(POP)の右下の添字は、プロピレンオキサイ
ド基の付加モル数を示す。また、例えば、(POE) 1
モノメチルエーテル、(POE)2 モノメチルエーテ
ル、(POE)3 モノメチルエーテル、(POE)4
ノメチルエーテル、(POE)5 モノメチルエーテル、
(POE)6 モノメチルエーテル、(POE)7 モノメ
チルエーテルおよび(POE)8 モノメチルエーテルの
化合物をまとめて(POE)18 モノメチルエーテル
のように略記する場合がある。
【0040】前記芳香族化合物のなかでは、エチルベン
ゼン、ベンジルアルコール、4−エチルベンジルアルコ
ール、β−フェニルエチルアルコール、アニソール、フ
ェネトール、イソプロピルフェニルエーテル、ブチルフ
ェニルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエ
チルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジ
ルブチルエーテル、アセトフェノン、p−メチルアセト
フェノン、エチルフェニルケトン、イソプロピルフェニ
ルケトン、ベンジルメチルケトン、ベンジルエチルケト
ン、ベンジルイソプロピルケトン、ベンジルブチルケト
ン、ブチルフェニルケトン、(POE)13 モノフェ
ニルエーテル、(POE)13 モノベンジルエーテ
ル、(POP)13 モノフェニルエーテルおよび(P
OP)1 3 モノベンジルエーテルは洗浄性および入手
の容易性の観点から好ましい化合物である。なかでも、
特にベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコー
ル、(POE)1 3 モノフェニルエーテルおよび(P
OE)1 3 モノベンジルエーテルが本発明においては
好ましい。
【0041】本発明の洗浄剤組成物における、前記芳香
族化合物の含有量は、洗浄性を向上させる観点から、1
0重量%以上であり、20重量%以上が好ましく、35
重量%以上がより好ましく、40重量%以上がさらに好
ましい。また、洗浄後のリンス性を向上させる観点か
ら、94重量%以下であり、80重量%以下が好まし
く、65重量%以下がより好ましく、50重量%以下が
さらに好ましい。
【0042】前記アルカリ剤としては、無機系アルカリ
剤および有機系アルカリ剤があげられる。
【0043】前記無機系アルカリ剤としては、例えば、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属弱酸塩などがあげ
られる。
【0044】前記アルカリ金属水酸化物の具体例として
は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどがあげられるが、本発明はかかる例示の
みに限定されるものではない。
【0045】アルカリ金属弱酸塩の具体例としては、例
えば、ケイ酸リチウム、炭酸リチウム、ギ酸リチウム、
酢酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸
カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウムなどがあげられ
るが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。
【0046】なお、前記のアルカリ金属水酸化物および
アルカリ金属弱酸塩は、いずれも本発明の洗浄剤組成物
中で、アルカリ金属またはその金属酸化物と、水、弱酸
または弱酸水溶液とを反応させることによって得られた
ものであってもよい。
【0047】前記有機系アルカリ剤としては、一級、二
級および/または三級アミン性の窒素原子を1分子中に
1〜5個有し、かつ分子量50〜10000を有するア
ミン系化合物ならびに水酸化第四級アンモニウム化合物
からなる群より選ばれた少なくとも1種などがあげられ
る。
【0048】前記アミン系化合物は、水への溶解性を高
め、樹脂状汚れの接触面付近の水相で汚れを剥離する効
果を十分に発現させる観点から、一級、二級および/ま
たは三級アミン性の窒素原子を1分子中に1個以上、好
ましくは、2個以上有することが望ましく、また、樹脂
状汚れ内部への浸透性を十分に発現させる観点から、一
級、二級および/または三級アミン性の窒素原子を5個
以下、好ましくは3個以下を有することが望ましい。
【0049】前記アミン系化合物の分子量は、該アミン
系化合物が蒸発することによって該アミン系化合物の含
有量が低下したり、取り扱いの危険性を回避する観点か
ら、50以上とされ、樹脂状汚れ内部への浸透性を十分
に発現させる観点から、10000以下とされる。
【0050】前記アミン系化合物の代表例としては、例
えば、炭素数1〜22の直鎖アルキル基を有する直鎖ア
ルキルアミン、炭素数1〜22の分岐鎖アルキル基を有
する分岐鎖アルキルアミン、環式アミン、炭素数1〜1
8のアルキル基を有するアルキルアルカノールアミン、
モルホリン類、複素環式アミン、ジアミン、ポリアミン
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。
【0051】前記炭素数1〜22の直鎖アルキル基を有
する直鎖アルキルアミンの具体例としては、例えば、モ
ノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミ
ン、モノブチルアミン、モノアミルアミン、モノペンチ
ルアミン、モノヘキシルアミン、モノヘプチルアミン、
モノオクチルアミン、モノノニルアミン、モノデシルア
ミン、モノウンデシルアミン、モノラウリルアミン、モ
ノトリデシルアミン、モノミリスチルアミン、モノペン
タデシルアミン、モノセチルアミン、モノヘプタデシル
アミン、モノステアリルアミン、モノノナデシルアミ
ン、モノエイコシルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチ
ルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオ
クチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルア
ミン、メチルブチルアミン、メチルヘキシルアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチル
オクチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルス
テアリルアミンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0052】前記炭素数1〜22の分岐鎖アルキル基を
有する分岐鎖アルキルアミンとしては、例えば、sec
−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチル
アミン、1−メチルブチルアミン、1−エチルプロピル
アミン、2−メチルブチルアミン、イソアミルアミン、
ジメチルプロピルアミン、tert−アミルアミン、
1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチ
ルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、
1−メチルヘプチルアミン、2−エチルヘキシルアミ
ン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、tert−オク
チルアミン、tert−トリデシルアミン、tert−
ナノデシルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0053】前記環式アミンの具体例としては、例え
ば、シクロヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、トリ
ベンジルアミンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0054】前記炭素数1〜18のアルキル基を有する
アルキルアルカノールアミンの具体例としては、例え
ば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、メチルモノエタノールアミン、ジメ
チルモノエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、ブチルモノエタノールアミン、ジブチルモノエタノ
ールアミン、トリメチルアミノプロピルエタノールアミ
ン、トリメチルヒドロキシエチルジエチレントリアミン
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。
【0055】前記モルホリン類の具体例としては、例え
ば、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモ
ルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、4−(2−ヒ
ドロキシエチル)モルホリン、4−アミノモルホリン、
4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(3−アミ
ノプロピル)モルホリンなどがあげられるが、本発明は
かかる例示のみに限定されるものではない。
【0056】前記複素環式アミンの具体例としては、例
えば、4−アミノメチルピリジン、アミノメチルピペラ
ジン、ビスアミノプロピルピペラジン、トリメチルアミ
ノエチルピペラジン、2−アミノメチルピペリジン、4
−アミノメチルピペリジン、2−メチルピラジン、キノ
キサリン、メチルイミダゾールなどがあげられるが、本
発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0057】前記ジアミンの具体例としては、例えば、
ジアミノプロパン、ジアミノヘキサン、ジアミノオクタ
ン、ジアミノドデカン、ジアミノジフェニルメタン、ジ
アミノジフェニルエタン、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルアミン)、1,3−ジアミノキシレン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリエ
チレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テト
ラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン、メチルジアミノプロパン、ジメチルジア
ミノプロパン、ジブチルジアミノプロパン、ステアリル
プロピレンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−ジ
アミノプロパン、1,2−ジアミノアントラキノン、ペ
ンタメチルジエチレントリアミンなどがあげられるが、
本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0058】前記ポリアミンの具体例としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ポリ
ビニルピリジン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミ
ン、ポリアクリロヒドラジド、ポリジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ポリジエチルアミノエチルメタクリ
レートなどの三級アミノ基を含む重合性単量体からなる
重合体、または該重合性単量体とノニオン性単量体との
共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン系ポリマー、
三級アミノ化澱粉、三級アミノ化セルロース、グリコー
ルキトサン、三級アミノ化ポリウレタン樹脂、三級アミ
ノ化ポリアクリルアミドなどがあげられるが、本発明は
かかる例示のみに限定されるものではない。
【0059】また、前記水酸化第四級アンモニウム化合
物の具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラオ
クチルアンモニウムヒドロキシド、テトラベンジルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルシクロヘキシルアン
モニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウ
ムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒド
ロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリブチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリ
ブチルシクロヘキシルアンモニウムヒドロキシド、トリ
ベンジルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル
ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリ
ン)、テトラエタノールアンモニウムヒドロキシド、メ
チルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベンジ
ルメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベン
ジルトリエタノールアンモニウムヒドロキシドなどがあ
げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるもの
ではない。
【0060】前記アルカリ剤の中では、高アルカリ性を
有することにより樹脂状汚れの低分子量化および剥離性
を高め、優れた洗浄性能を付与する観点から、アルカリ
金属水酸化物およびアルカリ金属弱酸塩から選ばれた少
なくとも1種の無機系アルカリ剤や水酸化第四級アンモ
ニウム化合物が好ましい。
【0061】また、前記アルカリ剤のなかでは、洗浄性
の向上、洗浄能の持続性、入手の容易性および経済性の
観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸
ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸カ
リウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドおよび
トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド
(コリン)が好ましい。
【0062】また、アルミニウム、ニッケル、銅、亜
鉛、錫などの金属類、真鍮、黄銅、ハンダなどの合金類
およびメッキ部品などが使用されている洗浄機を用いて
洗浄する場合には、前記アルカリ剤のなかでは、一級、
二級および/または三級アミン性の窒素原子を1分子中
に1〜5個含み、かつ分子量50〜10,000を有す
るアミン系化合物は、洗浄機器関連の部材がアルカリに
よって腐食するのを抑制し、樹脂状汚れ成分との高い相
溶性による、樹脂状汚れへの浸透、樹脂状汚れの膨潤効
果により、より一層優れた洗浄性を発現させる観点から
好ましい。前記アミン化合物の中では、特に炭素数1〜
18のアルキル基を有するアルキルアルカノールアミン
およびジアミンが好ましい。
【0063】このような優れた性質を発現するアミン系
化合物の具体例としては、例えば、モノメチルアミン、
モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルア
ミン、モノアミルアミン、モノヘキシルアミン、モノオ
クチルアミン、モノデシルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メ
チルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチ
ルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
プロピルアミン、sec−ブチルアミン、イソブチルア
ミン、tert−ブチルアミン、1−メチルブチルアミ
ン、1−エチルプロピルアミン、2−メチルブチルアミ
ン、イソアミルアミン、ジメチルプロピルアミン、te
rt−アミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、
3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、
3−アミノヘプタン、1−メチルヘプチルアミン、2−
エチルヘキシルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミ
ン、tert−オクチルアミン、ジイソブチルアミン、
シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、メチルモノエタノールアミン、ジメチルモノエタノ
ールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルモノエ
タノールアミン、トリメチルアミノプロピルエタノール
アミン、トリメチルヒドロキシエチルジエチレントリア
ミン、ジアミノプロパン、ジアミノヘキサン、ジアミノ
オクタン、ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)、1,3−ジアミノキシレ
ン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ト
リエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
テトラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサ
メチレンジアミン、メチルジアミノプロパン、ジメチル
ジアミノプロパン、ジブチルジアミノプロパン、N−シ
クロヘキシル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジ
アミノアントラキノン、ペンタメチルジエチレントリア
ミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミンなどがあげられ、これら
は、いずれも洗浄性の向上、洗浄能の持続性および入手
の容易性の観点から好ましいものである。
【0064】前記アルカリ剤として、アルカリ金属水酸
化物およびアルカリ金属弱酸塩などの無機系アルカリ剤
または水酸化第四級アンモニウム化合物を用いる場合、
洗浄性を向上させる観点から、本発明の洗浄剤組成物に
おける含有量は、0.5重量%以上であることが好まし
く、1重量%以上であることがより好ましく、2重量%
以上であることが最も好ましく、また、取り扱いの安全
性の観点から30重量%以下であることが好ましく、2
0重量%以下であることがより好ましく、10重量%以
下であることが最も好ましい。
【0065】また、本発明に用いられるアルカリ剤とし
て前記アミン系化合物を用いる場合、洗浄性を向上させ
る観点から、本発明の洗浄剤組成物における含有量は、
1重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であ
ることがより好ましく、8重量%以上であることが最も
好ましく、また、取り扱いの安全性の観点から40重量
%以下であることが好ましく、30重量%以下であるこ
とがより好ましく、20重量%以下であることが最も好
ましい。
【0066】本発明の洗浄剤組成物中におけるアルカリ
剤の含有量は、洗浄性を向上させる観点から、0.1重
量%以上であり、0.5重量%以上が好ましく、1重量
%以上がさらに好ましく、2重量%以上が特に好まし
く、また、取り扱いの安全性の観点から50重量%以下
であり、40重量%以下が好ましく、30重量%以下が
さらに好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
【0067】本発明においては、カルシウムイオン放出
性物質が用いられている点にも、1つの大きな特徴があ
る。このように、本発明においてはカルシウムイオン放
出性物質が用いられていることにより、成形ガラス型が
腐食されることを防止することができ、前記芳香族化合
物およびアルカリ剤と併用することにより、優れた洗浄
性が発現され、成形ガラス型の品質を保持することがで
きるという優れた性質が発現される。
【0068】前記カルシウムイオン放出性物質の代表例
としては、例えば、無機系カルシウム塩、有機系カルシ
ウム塩などがあげられる。
【0069】前記無機系カルシウム塩の具体例として
は、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化
カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硝酸
カルシウム、亜硝酸カルシウム、次亜リン酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、トリポ
リリン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウムなどがあげ
られるが、本発明はかかる例示のみに限定されるもので
はない。
【0070】なお、前記カルシウムイオン放出性物質と
して、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなど
の無機酸カルシウム塩を用いる場合には、例えば、該無
機酸カルシウム塩の原料である金属カルシウムまたは酸
化カルシウムを本発明の洗浄剤組成物に配合し、その中
で、水、無機酸塩などと反応させることにより生成させ
てもよい。
【0071】前記有機系カルシウム塩の具体例として
は、例えば、直鎖アルキルカルボン酸カルシウム、アル
キレンカルボン酸カルシウム、芳香族カルボン酸カルシ
ウム、オキシカルボン酸カルシウム、多価カルボン酸カ
ルシウム、アミノカルボン酸カルシウム、有機硫酸カル
シウム、有機スルホン酸カルシウム、有機リン酸カルシ
ウムなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。なおこれらの有機系カルシウム
塩は、単独でまたは2種類以上を混合して使用してもよ
い。
【0072】直鎖アルキルカルボン酸カルシウムおよび
アルキレンカルボン酸カルシウムの具体例としては、例
えば、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸
カルシウム、酪酸カルシウム、吉草酸カルシウムなどが
あげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるも
のではない。
【0073】前記芳香族カルボン酸カルシウムの具体例
としては、例えば、安息香酸カルシウム、m−ヒドロキ
シ安息香酸カルシウム、p−ヒドロキシ安息香酸カルシ
ウム、2,3−ジヒドロキシ安息香酸カルシウム、2,
5−ジヒドロキシ安息香酸カルシウム、α−レゾルシン
酸カルシウム、β−レゾルシン酸カルシウム、γ−レゾ
ルシン酸カルシウム、プロトカテク酸カルシウム、没食
子酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、フタル酸カル
シウム、ベンジル酸カルシウムなどがあげられるが、本
発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0074】前記オキシカルボン酸カルシウムの具体例
としては、例えば、グリオキシル酸カルシウム、グリコ
ール酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシ
ウム、タートロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、
酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ムチン酸カル
シウムなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに
限定されるものではない。
【0075】前記多価カルボン酸カルシウムの具体例と
しては、例えば、シュウ酸カルシウム、マロン酸カルシ
ウム、コハク酸カルシウム、グルタル酸カルシウム、ア
ジピン酸カルシウム、ピメリン酸カルシウム、フマル酸
カルシウム、マレイン酸カルシウム、ジグリコール酸カ
ルシウム、L-アスパラギン酸カルシウムなどがあげられ
るが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。
【0076】前記アミノカルボン酸カルシウムの具体例
としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウ
ム、N−ヒドロキシエチレンジアミン−N,N’,N’
−三酢酸カルシウム、ジエチレントリアミン五酢酸カル
シウム、ニトリロ三酢酸カルシウム、トリエチレンテト
ラミン六酢酸カルシウム、トランス−1,2−シクロヘ
キサンジアミン四酢酸カルシウム、ヒドロキシエチルイ
ミノ二酢酸カルシウム、N, N−ジ(2−ヒドロキシエ
チル)グリシンカルシウムなどがあげられるが、本発明
はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0077】前記有機硫酸カルシウムの具体例として
は、例えば、アルキル硫酸エステルカルシウム、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸カルシウム、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸カルシウム
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。
【0078】前記有機スルホン酸カルシウムの具体例と
しては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウ
ム、アルキルナフタレンスルホン酸カルシウム、ジアル
キルスルホコハク酸カルシウム、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸カルシウム、β−ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物のカルシウム塩などがあげられる
が、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。
【0079】前記有機リン酸カルシウムの具体例として
は、例えば、アルキルリン酸カルシウム、アミノトリ
(メチレンホスホン酸)カルシウム、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸カルシウム、エチレン
ジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)カルシウム、ジ
エチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)カル
シウムなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに
限定されるものではない。
【0080】前記カルシウムイオン放出性物質のなかで
は、水に対する溶解性および洗浄剤組成物の安定性の観
点から、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カル
シウム、亜硝酸カルシウム、次亜リン酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、トリポリリン
酸カルシウム、ポリリン酸カルシウム;安息香酸カルシ
ウム、m−ヒドロキシ安息香酸カルシウム、p−ヒドロ
キシ安息香酸カルシウム、2,3−ジヒドロキシ安息香
酸カルシウム、2,5−ジヒドロキシ安息香酸カルシウ
ム、α−レゾルシン酸カルシウム、β−レゾルシン酸カ
ルシウム、γ−レゾルシン酸カルシウム、プロトカテク
酸カルシウム、没食子酸カルシウム、ベンジル酸カルシ
ウム、グリオキシル酸カルシウム、グリコール酸カルシ
ウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、タート
ロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸カルシ
ウム、クエン酸カルシウム、ムチン酸カルシウム;L-ア
スパラギン酸カルシウム、エチレンジアミン四酢酸カル
シウム、N−ヒドロキシエチレンジアミン−N,N’,
N’−三酢酸カルシウム、ジエチレントリアミン五酢酸
カルシウム、ニトリロ三酢酸カルシウム、トリエチレン
テトラミン六酢酸カルシウム、トランス−1,2−シク
ロヘキサンジアミン四酢酸カルシウム、ヒドロキシエチ
ルイミノ二酢酸カルシウム、N, N−ジ(2−ヒドロキ
シエチル)グリシンカルシウム、アルキル硫酸エステル
カルシウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
カルシウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸カルシウム、アルキルベンゼンスルホン酸カル
シウム、アルキルナフタレンスルホン酸カルシウム、ジ
アルキルスルホコハク酸カルシウム、アルキルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸カルシウム、β−ナフタレンス
ルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のカルシウム塩、アミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)カルシウム、1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸カルシウム、エ
チレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)カルシウ
ムおよびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホ
ン酸)カルシウムが好ましい。
【0081】本発明の洗浄剤組成物中のカルシウムイオ
ン放出性物質の含有量(カルシウムイオン換算量)は、
ガラスの腐食を防止する観点から、0.005重量%以
上であり、0.01重量%以上が好ましく、0.05重
量%以上がさらに好ましく、0.1重量%以上が特に好
ましく、また、製品の均一性およびガラス表面の品質保
持の観点から、25重量%以下であり、15重量%以下
が好ましく、8重量%以下がさらに好ましく、3重量%
以下が最も好ましい。
【0082】前記水は、前記芳香族化合物、前記アルカ
リ剤および前記カルシウムイオン放出性物質を均一に溶
解させる溶媒として、またアルカリ剤のアルカリ作用を
促進させる溶媒として用いられる。
【0083】前記水の種類は、本発明の洗浄剤組成物の
目的が妨げられないものであれば、特に限定されるもの
でない。かかる水の代表例としては、例えば、超純水、
純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水などがあげ
られる。
【0084】本発明の洗浄剤組成物における水の含有量
は、本発明の洗浄剤組成物の各成分を配合した際の相溶
性およびアルカリ剤が有する樹脂状汚れの剥離効果を十
分に発現させる観点から、5重量%以上であり、15重
量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、
50重量%以上が特に好ましく、また、優れた洗浄性を
発現させる観点から、89重量%以下であり、80重量
%以下が好ましく、70重量%以下より好ましく、60
重量%以下が特に好ましい。
【0085】本発明の洗浄剤組成物に、さらにアルキレ
ンオキサイド化合物を含有させることができる。このよ
うにアルキルオキサイド化合物を含有させた洗浄剤は、
洗浄性や洗浄後のすすぎ性、水などの成分を配合する際
の相溶性をより一層向上させることができるという利点
がある。
【0086】前記アルキレンオキサイド化合物として
は、一般式(II): R3 −O−(R4 −O)m −R5 (II) (式中、R3 は炭素数1〜8のアルキル基またはアリル
基、R4 は炭素数2〜4のアルキレン基、R5 は水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシル
基またはアリル基、mは1〜8の整数を示す)で表わさ
れるアルキレンオキサイド化合物が用いられる。
【0087】前記一般式(II)において、R3 は、水に
対する溶解性の低下を抑え、粘度の上昇を抑えて洗浄後
のすすぎを容易にする観点から、炭素数が1〜8、好ま
しくは3〜8、より好ましくは3〜6のアルキル基また
はアリル基である。
【0088】前記アルキル基の具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、アリル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などが
あげられる。
【0089】前記R4 は、炭素数2〜4のアルキレン基
であるが、かかるアルキレン基の炭素数は、入手の容易
性の観点から、2〜4とされる。
【0090】前記炭素数が2〜4のアルキレン基の具体
例としては、エチレン基、プロピレン基およびブチレン
基があげられる。
【0091】前記R5 は、水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアシル基またはアリル基であ
る。
【0092】前記炭素数1〜4のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基があげ
られる。
【0093】前記炭素数1〜4のアシル基としては、ホ
ルミル基、アセチル基、プロピオニル基およびブチリル
基があげられる。
【0094】前記mは、洗浄性や配合成分の相溶性を十
分に発現させる観点から、1以上の整数とされ、また、
粘度の上昇を抑え、洗浄後のすすぎを容易にする観点か
ら、8以下の整数、好ましくは4以下の整数とされる。
【0095】前記アルキレンオキサイド化合物の代表例
としては、例えば、エチレングリコールモノエーテル
類、エチレングリコールジエーテル類、プロピレングリ
コールモノエーテル類、プロピレングリコールジエーテ
ル類、エチレングリコールモノエーテルアセテート類、
プロピレングリコールモノエーテルアセテート類、ブチ
レングリコールモノエーテル類、ブチレングリコールジ
エーテル類、ブチレングリコールモノエーテルアセテー
ト類などがあげられるが、これらは単独でまたは2種類
以上を混合して用いることができる。
【0096】前記エチレングリコールモノエーテル類の
具体例としては、例えば、(POE)18 モノエチル
エーテル、(POE)18 モノプロピルエーテル、
(POE)18 モノイソプロピルエーテル、(PO
E)18 モノアリルエーテル、(POE)18 モノ
ブチルエーテル、(POE)18 モノイソブチルエー
テル、(POE)18 モノヘキシルエーテル、(PO
E)18 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(PO
E)18 モノオクチルエーテルなどがあげられるが本
発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0097】前記エチレングリコールジエーテル類の具
体例としては、例えば、(POE) 18 ジメチルエー
テル、(POE)18 ジエチルエーテル、(POE)
1 8 ジプロピルエーテル、(POE)18 ジブチル
エーテル、(POE)18ジイソブチルエーテル、
(POE)18 ジアリルエーテル、(POE)18
エチルメチルエーテル、(POE)18 ブチルメチル
エーテル、(POE)18 2−エチルヘキシルメチル
エーテル、(POE)18 イソプロピルメチルエーテ
ル、(POE)18 イソプロピルエチルエーテルなど
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。
【0098】前記プロピレングリコールモノエーテル類
の具体例としては、例えば、(POP)18 モノメチ
ルエーテル、(POP)18 モノエチルエーテル、
(POP)18 モノプロピルエーテル、(POP)1
8 モノブチルエーテル、(POP)18 モノイソブ
チルエーテル、(POP)18 モノアリルエーテル、
(POP)18 モノヘキシルエーテル、(POP)1
8 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(POP)1
8 モノオクチルエーテルなどがあげられるが、本発明は
かかる例示にのみ限定されるものではない。
【0099】前記プロピレングリコールジエーテル類の
具体例としては、例えば、(POP)18 ジメチルエ
ーテル、(POP)18 ジエチルエーテル、(PO
P)18 ジプロピルエーテル、(POP)18 ジブ
チルエーテル、(POP)1 8 ジイソブチルエーテ
ル、(POP)18 ジアリルエーテル、(POP)1
8 エチルメチルエーテル、(POP)18 ブチルメ
チルエーテル、(POP) 18 2−エチルヘキシルメ
チルエーテル、(POP)2 イソプロピルメチルエーテ
ル、(POP)2 イソプロピルエチルエーテルなどがあ
げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるもの
ではない。
【0100】前記エチレングリコールモノエーテルアセ
テート類としては、例えば、(POE)18 モノメチ
ルエーテルアセテート、(POE)18 モノエチルエ
ーテルアセテート、(POE)18 モノプロピルエー
テルアセテート、(POE) 18 モノブチルエーテル
アセテート、(POE)18 モノイソブチルエーテル
アセテート、(POE)18 モノアリルエーテルアセ
テート、(POE)18 モノヘキシルエーテルアセテ
ート、(POE)18 モノ2−エチルヘキシルエーテ
ルアセテート、(POE)18 モノオクチルエーテル
アセテートなどがあげられるが、本発明はかかる例示の
みに限定されるものではない。
【0101】前記プロピレングリコールモノエーテルア
セテート類の具体例としては、例えば、(POP)1
8 モノメチルエーテルアセテート、(POP)18
ノエチルエーテルアセテート、(POP)18 モノプ
ロピルエーテルアセテート、(POP)18 モノブチ
ルエーテルアセテート、(POP)18 モノイソブチ
ルエーテルアセテート、(POP)18 モノアリルエ
ーテルアセテート、(POP)18 モノヘキシルエー
テルアセテート、(POP)18 モノ2−エチルヘキ
シルエーテルアセテート、(POP)18 モノオクチ
ルエーテルアセテートなどがあげられるが、本発明はか
かる例示のみに限定されるものではない。
【0102】前記ブチレングリコールモノエーテル類の
具体例としては、例えば、前記エチレングリコールモノ
エーテル類において、エチレングリコールをブチレング
リコールに置換したものなどがあげられるが、本発明は
かかる例示のみに限定されるものではない。
【0103】前記ブチレングリコールジエーテル類の具
体例としては、例えば、前記エチレングリコールジエー
テル類において、エチレングリコールをブチレングリコ
ールに置換したものなどがあげられるが、本発明はかか
る例示のみに限定されるものではない。
【0104】前記ブチレングリコールモノエーテルアセ
テート類の具体例としては、例えば、前記エチレングリ
コールモノエーテルアセテート類において、プロピレン
グリコールをブチレングリコールに置換したものなどが
あげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるも
のではない。
【0105】前記アルキレンオキサイド化合物の中で
は、(POE)15 モノメチルエーテル、(POE)
15 モノエチルエーテル、(POE)15 モノプロ
ピルエーテル、(POE)15 モノブチルエーテル、
(POE)12 モノイソブチルエーテル、(POE)
12 モノアリルエーテル、(POE)12 モノヘキ
シルエーテル、(POE)12 モノ2−エチルヘキシ
ルエーテル、(POE) 14 ジメチルエーテル、(P
OE)12 ジエチルエーテル、(POE)1 2 ジプ
ロピルエーテル、(POE)12 ジブチルエーテル、
(POE)23エチルメチルエーテル、(POE)2
3 ブチルメチルエーテル、(POE)23 2−エチ
ルヘキシルメチルエーテル、(POP)13 モノメチ
ルエーテル、(POP)13 モノエチルエーテル、
(POP)13 モノプロピルエーテル、(POP)1
3 モノブチルエーテル、(POP)13 モノヘキシ
ルエーテル、(POP)13 ジメチルエーテル、(P
OP)12 ジエチルエーテル、(POP)12 ジプ
ロピルエーテル、(POP)12 ジブチルエーテル、
(POP)2 イソプロピルメチルエーテル、(POP)
2 イソプロピルエチルエーテル、(POE)12 モノ
メチルエーテルアセテート、(POE)12 モノエチ
ルエーテルアセテート、(POE)12 モノプロピル
エーテルアセテート、(POE)12 モノブチルエー
テルアセテート、(POP)1 モノメチルエーテルアセ
テートおよび(POP)1 モノエチルエーテルアセテー
トは、洗浄性や洗浄後のすすぎの容易性、アルカリ金属
水酸化物や水などの他の成分を配合する際の相溶性の観
点から好ましいものである。
【0106】前記アルキレンオキサイド化合物は、例え
ば、炭素数1〜8のアルキル基またはアリル基を有する
アルコールに水酸化ナトリウムなどの触媒の存在下、加
熱しながら、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなどの炭素数2〜4のアルキレ
ンオキサイドを液状または気体状で加えて反応させるこ
とにより得られるものを用いてもよく、更に前記アルキ
レンオキサイド化合物の末端水酸基を、アルキルクロラ
イドなどによりアルキル化させたり、酢酸などを用いて
エステル化させることによって得ることができる。
【0107】前記アルキレンオキサイド化合物の洗浄剤
組成物中における含有量は、水などの他の成分を配合す
る際の相溶性、洗浄性や洗浄後のすすぎ性などを向上さ
せる観点から、1重量%以上、好ましくは5重量%以
上、より好ましくは8重量%以上、さらに好ましくは1
0重量%以上とすることが望ましく、また樹脂状汚れの
洗浄性の低下を抑える観点から、45重量%以下、好ま
しくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以
下、さらに好ましくは15重量%以下とすることが望ま
しい。
【0108】本発明の洗浄剤組成物には、さらに水溶性
多価アルコールを含有させることにより、洗浄性、洗浄
後のすすぎ性、水などの他の成分を配合する際の相溶性
を向上させることができる。
【0109】前記水溶性多価アルコールとしては、25
℃で、水100gに対して20g以上溶解する多価アル
コールが好ましい。また、水溶性多価アルコールのアル
コール性水酸基の数は、洗浄剤組成物の水溶性の観点か
ら、2以上であり、また、極性および融点の観点から、
3以下であることが好ましい。
【0110】前記水溶性多価アルコールの代表例として
は、例えば、エチレングリコール類、プロピレングリコ
ール類、ジオール類、トリオール類などがあげられが、
これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いること
ができる。
【0111】前記エチレングリコール類の具体例として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコ
ール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリ
コール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコ
ールなどがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限
定されるものではない。
【0112】前記プロピレングリコール類の具体例とし
ては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコールなどがあげられる
が、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。
【0113】前記ジオール類の具体例としては、例え
ば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエ
チル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プ
ロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、2,3−ブタンジオール、3,3−ジメチル−
1,2−ブタンジオール、ピナコール、1,4−ブテン
ジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペン
タンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5
−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールなどがあげられ
るが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。
【0114】前記トリオール類の具体例としては、例え
ば、グリセリンなどがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0115】前記水溶性多価アルコールの中では、洗浄
性の向上、洗浄後のすすぎ性、水などの他の成分を配合
する際の相溶性および入手の容易性の観点から、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレン
グリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレ
ングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレ
ングリコール、デカエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,4−ブテンジオール、1,4−ペンタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールなどの、直線状に近い分
子構造を持ち、分子の両末端近くにそれぞれ1個の水酸
基を持つ2価の水溶性多価アルコールが好ましい。
【0116】前記水溶性多価アルコールの洗浄剤組成物
中における含有量は、洗浄性や洗浄後のすすぎ性向上な
どの観点から、1重量%以上、好ましくは2重量%以
上、より好ましくは5重量%以上、特に好ましくは8重
量%以上であることが望ましく、また、水などの他の成
分を配合する際の相溶性を向上させ、樹脂状汚れの洗浄
性の低下を抑える観点から、45重量%以下、好ましく
は30重量%以下、より好ましくは15重量%以下、特
に好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0117】本発明の洗浄剤組成物においては、本発明
の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、通常洗浄
剤に用いられる、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノ2酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸
などのアミノカルボン酸塩などのキレート化剤、防腐
剤、防錆剤、シリコーンなどの消泡剤、酸化防止剤、ヤ
シ脂肪酸メチルや酢酸ベンジルなどのエステル、炭化水
素系溶剤、アルコール類などを適宜含有させることがで
きる。
【0118】本発明の洗浄剤組成物は、芳香族化合物、
アルカリ剤、カルシウムイオン放出性物質、水、さらに
はアルキレンオキサイド化合物、水溶性多価アルコー
ル、任意成分などを常法により混合することによって製
造することができる。
【0119】また、芳香族化合物、さらにはアルキレン
オキサイド化合物、水溶性多価アルコールなどと、カル
シウムイオン放出性物質を所定量含有するアルカリ系洗
浄剤とを所定の比率で混合することによっても、本発明
の洗浄剤組成物を得ることができる。
【0120】かくして得られる本発明のプラスチックレ
ンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物は、種々の樹脂状の汚
れに対して優れた洗浄性を有し、しかも成形ガラス型を
腐食させない性質を有する洗浄剤組成物である。また、
本発明のプラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成
物は、人体に対する安全性の高い組成であるため、洗浄
時において、人体に対する安全性が高いという優れた性
質を発現する。
【0121】次に、本発明のプラスチックレンズ成形ガ
ラス型の洗浄方法について説明する。本発明の洗浄方法
は、前記洗浄剤組成物を用いて樹脂状汚れなどが付着し
たガラス型洗浄する方法である。
【0122】すなわち、(A)前記洗浄剤組成物を用い
てプラスチックレンズ成形ガラス型を、洗浄し、(B)
洗浄されたガラス型を、すすぎ水ですすぐことを特徴と
する洗浄方法である。
【0123】本発明の洗浄方法において、前記洗浄剤組
成物が用いられているので、成形ガラス型を腐食させず
に種々の樹脂状汚れを洗浄することができる。
【0124】前記工程(A)は、前記洗浄剤組成物を用
いてプラスチックレンズ成形ガラス型を洗浄する工程で
ある。
【0125】前記洗浄剤組成物を用いた洗浄方法は、特
に限定されるものではなく、通常用いられる公知の方法
を使用することができる。例えば、浸漬法、浸漬揺動
法、超音波洗浄法、スプレー法、手拭き法などの洗浄方
法があげられる。また、洗浄剤組成物の温度、洗浄時間
などの洗浄条件は、特に限定されるものではなく、樹脂
状汚れの種類、構成成分、重合状態、付着量、付着場
所、付着状態や、ガラス型の大きさや数、清浄性の要求
程度、洗浄機の能力、洗浄許容時間などにより適宜選択
すればよい。
【0126】前記工程(B)は、前記工程(A)で洗浄
されたガラス型をすすぎ水ですすぐ工程である。
【0127】前記工程(B)においては、本発明の洗浄
剤組成物で洗浄されたガラス型を、容易に、しかも短時
間ですすぐことができる。
【0128】前記すすぎ水としては、ガラス型表面に残
留する汚染物を除去することができるものであれば特に
限定されないが、例えば、超純水、純水、イオン交換
水、蒸留水、水道水などがすすぎの容易性の観点から好
ましい。また、すすぎ方法にも特に限定されるものでは
なく、工程(A)の洗浄方法と同様の方法を用いること
ができる。また、すすぎ条件も特に限定されるものでは
なく、適宜選択すればよい。
【0129】本発明のプラスチックレンズ成形ガラス型
用洗浄剤組成物を用いた洗浄方法は、樹脂状汚れなどの
分解および溶解を引き起こす成分と樹脂状汚れなどの剥
離を引き起こす成分とが同時に洗浄剤組成物に含まれて
いるため、単一の洗浄槽を用いて、樹脂状汚れなどの洗
浄を行うことができるという簡便な洗浄方法である。ま
た、本発明のプラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤
組成物を用いた洗浄方法は、人体に対する安全性が高い
洗浄剤組成物を使用しているため、洗浄時において人体
に対する安全性が高いという優れた効果を発現する。
【0130】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はかかる実施例によりなんら制限され
るものではない。
【0131】製造例〔テストピースの製造〕 (1)ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
(ADC)樹脂状汚れの調製 直径20mm、最大深さ2mmの時計皿状のくぼみを3
個有する、ガラス製の4.7mm×75.4mm×2
6.0mmの3穴ホールスライドガラス((株)井内盛
栄堂製)を用意した。モノマーとしてADC(PPG社
製、商品名:CR−39モノマー)100重量部と、重
合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト〔日本油脂(株)製、商品名:パーロイルIPP−2
7(CR)〕11重量部とを、低温(−10〜10℃)
で均一な組成となるように攪拌して混合物を得た。得ら
れた混合物を、水平に保った前記スライドガラスのくぼ
みに、スライドガラス上面と同じ表面高さとなるよう
に、各々0.22mLずつ注入し、3穴ホールスライド
ガラス1枚あたりの樹脂の注入量を0.66mLとし、
均一な形状の重合物を得た。
【0132】この3穴ホールスライドガラスをステンレ
ス鋼製の蓋付きトレーに入れ、内部を窒素ガスに置換し
た後、完全に密閉した。その後、40℃で2時間、60
℃で2時間、さらに80℃で18時間加熱することによ
って重合、固形化させて、ADC樹脂状汚れの洗浄試験
用のテストピースを得た。
【0133】(2)ウレタン樹脂状汚れの調製 4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)
〔日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:ミリオネー
トMT〕100重量部とグリセリン〔花王(株)製、精
製グリセリン〕36.8重量部とを40℃、減圧下で混
合した(4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネ
ート)とグリセリンとのモル比=1:1)。この混合物
0.5mLを直径100mm、最大深さ10mmのガラ
ス製時計皿(コーニング社製)の中心部分に、混合物を
水平になるように入れ、均一な真円状の重合物が得られ
るようにした。さらに、この時計皿を蓋付きトレーに入
れ、乾燥剤を通した窒素ガスで置換した後、完全に密閉
した。120℃で2時間加熱後、さらに180℃で5時
間加熱することによって重合、固形化させて、ウレタン
樹脂状汚れの洗浄試験用のテストピースとした。
【0134】(3)ガラス腐食試験用テストピースの製
造 1.1mm×76.0mm×26.0mmのアルカリ珪
酸ガラス(組成:70%SiO2 、12%Na2 O、
6.5%CaO、4%K2 O、4%ZnO、1%Mg
O、1%BaO、1%Al2 3 、0.5%TiO2
製のスライドガラス〔松浪硝子工業(株)製、商品名:
S−1112〕を、400〜410℃に保持した硝酸カ
リウム溶融塩中に、24時間浸漬した。その後、ゆっく
りと室温まで冷却し、流水にて、硝酸カリウムを洗い流
した。よく水を切って、風乾後、ガラス腐食試験用化学
強化ガラステストピースとした。
【0135】実施例1〜21および比較例1〜17 表1、表2−1〜2−2、表3−1〜3−2および表4
に示す組成(組成比単位は重量%)の各種洗浄剤組成物
を調製し、これらの洗浄剤組成物を用いてガラスの洗浄
性とガラスの腐食防止性を評価した。実施例1〜21の
各種洗浄剤組成物の組成を表1、表2−1〜2−2に、
比較例1〜17の各種洗浄剤組成物の組成を表3−1〜
3−2および表4に示す。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】
【表4】
【0140】
【表5】
【0141】
【表6】
【0142】〔洗浄試験〕前記ADC樹脂状汚れと粘着
剤汚れの洗浄試験用のテストピースを、60℃に保持し
た表1、表2−1〜2−2、表3−1〜3−2および表
4に示す洗浄剤組成物に浸漬し、39kHz、200W
の超音波洗浄装置(シャープ(株)製、商品名:SIL
ENTSONIC UT−204)で100秒間洗浄し
た。
【0143】次いで、30℃のイオン交換水に浸漬し、
洗浄と同様の超音波洗浄装置で50秒間リンスした(第
1リンス)。さらに、同じく、30℃のイオン交換水に
浸漬し、超音波洗浄装置で50秒間仕上げリンスした
(第2リンス)。その後、50秒間エアーブローし、送
風定温乾燥機((株)東洋製作所製、商品名:FV−6
30)にて80℃、10分間乾燥した。
【0144】なお、比較例13〜14では、塩化メチレ
ンを配合した洗浄剤組成物として、1つの槽で洗浄温度
35℃(沸点:40.2℃)で、100秒間同様に洗浄
した。その後、塩化メチレン(室温)に浸漬し、上記の
超音波洗浄装置を用いて50秒間のリンス(第1リン
ス)を行い、更に、30℃のイオン交換水に浸漬し、超
音波洗浄装置で50秒間仕上げリンス(第2リンス)を
行なった。その後、50秒間エアーブローし、送風定温
乾燥機((株)東洋製作所製、商品名:FV−630)
にて80℃、10分間乾燥した。
【0145】各洗浄剤組成物について、上記の条件で、
ADC樹脂状汚れと粘着剤汚れの各々5枚のテストピー
スを洗浄し、計5個のモデル樹脂状汚れの洗浄率を、洗
浄前後のテストピースの重量の変化より求め、その平均
値をとって、洗浄率(%)とした。
【0146】〔ガラス腐食試験〕前記のガラス腐食試験
用化学強化ガラステストピースを、各々80℃に保った
表1、表2−1〜2−2、表3−1〜3−2および表4
記載の洗浄剤組成物に24時間浸漬した。洗浄剤組成物
から取り出したテストピースを、清浄なイオン交換水に
て十分にすすいだ後、1分間エアーブローし、室内にて
風乾させた。
【0147】なお、比較例13〜14では、ガラス腐食
試験用化学強化ガラステストピースを、各々35℃に保
った塩化メチレンを配合した洗浄剤組成物に24時間浸
漬した。洗浄剤組成物から取り出したテストピースを、
清浄なイオン交換水にて十分に掛け濯いした後、1分間
エアーブローし、室内にて風乾させた。
【0148】各洗浄剤組成物について、上記の条件で、
5枚のテストピースを処理し、ガラス腐食によって溶解
し、重量が減少した割合(%)を、処理前後のテストピ
ースの重量変化より求め、その平均値をとって、ガラス
腐食性の指標とした。また、同時にガラス表面の状態を
目視にて判定した。その際の判定基準は以下の通りであ
る。
【0149】〔判定基準〕 ◎:変化なし ○:ごくわずかに、部分的に白色化 △:部分的に白色化 ×:全体的に白色化 以上の結果を表5〜10に示す。
【0150】
【表7】
【0151】
【表8】
【0152】
【表9】
【0153】
【表10】
【0154】
【表11】
【0155】
【表12】
【0156】表5〜9に示された結果から、実施例1〜
21で得られた洗浄剤組成物は、比較例1〜9の洗浄剤
組成物と比べ、ADC樹脂状汚れおよびウレタン樹脂状
汚れに対する洗浄率、ならびにガラス腐食性に対する評
価のいずれにおいても優れたものであることがわかる。
【0157】さらに、表5〜7および表10に示された
結果から、従来の比較例10〜17の洗浄剤組成物と比
べて、実施例1〜21で得られた洗浄剤組成物は、いず
れもADC樹脂状汚れおよびウレタン樹脂状汚れに対す
る洗浄率、ならびにガラス腐食性に対する評価のいずれ
においても優れたものであることがわかる。
【0158】したがって、実施例1〜21における洗浄
方法は、従来の洗浄方法と比べて、ガラスの品質を損な
うことなく優れた洗浄力を発現するものであることがわ
かる。
【0159】
【発明の効果】本発明のプラスチックレンズ成形ガラス
型用洗浄剤組成物は、種々の樹脂状汚れに対しても優れ
た洗浄性を有し、かつガラスを腐食しないという優れた
性質を発現するものである。また、本発明の洗浄剤組成
物は、人体に対する安全性が高いものであるため、洗浄
時において人体に対する安全性が高いという優れた性質
を発現する。
【0160】また、本発明の洗浄方法によれば、樹脂状
汚れなどの分解および溶解を引き起こす成分と樹脂状汚
れなどの剥離を引き起こす成分が同時に含まれている洗
浄剤組成物が用いられているので、1つの洗浄槽を用い
て、樹脂状汚れなどを簡便に洗浄することができるとい
う優れた効果が奏される。また、本発明の洗浄方法で使
用されている洗浄剤は、人体に対する安全性が高いもの
であるため、本発明の洗浄方法は、洗浄時において、人
体に対する安全性が高いという優れた効果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 7/26 C11D 7/26 7/32 7/32 //(C11D 7/60 C11D 7:26 7:26 7:06 7:06 7:02 7:02) (56)参考文献 特開 平9−263792(JP,A) 特開 平9−3486(JP,A) 特開 昭61−157595(JP,A) 特開 平7−48686(JP,A) 特開 平11−152496(JP,A) 特開 平11−172300(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 7/00 - 7/60 B29C 33/72 B29D 11/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素
    基、Xは酸素原子、オキシメチレン基、カルボニル基ま
    たは−(CH2 k −基〔kは1または2を示す〕、Y
    は水酸基、炭素数1〜7の炭化水素基または−(R
    2 O)j H基〔R2 は炭素数2または3のアルキレン
    基、jは1〜8の整数を示す〕を示す)で表わされる芳
    香族化合物10〜65重量%、 (b)アルカリ剤0.1〜50重量%、 (c)カルシウムイオン放出性物質0.005〜25重
    量%〔カルシウムイオン換算量〕、および (d)水5〜89重量%を含有してなるプラスチックレ
    ンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 プラスチックレンズ成形ガラス型に付着
    した樹脂状汚れの洗浄用である請求項1記載の洗浄剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 プラスチックレンズ成形ガラス型が、化
    学強化された成形ガラス型である請求項1または2記載
    の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、一般式(II): 3 −O−(R 4 −O) m −R 5 (II) (式中、R 3 は炭素数1〜8のアルキル基またはアリル
    基、R 4 は炭素数2〜4のアルキレン基、R 5 は水素原
    子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシル
    基またはアリル基、mは1〜8の整数を示す)で表わさ
    れるアルキレンオキサイド化合物を含有してな る請求項
    1〜3いずれか記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、水溶性多価アルコールを含有し
    てなる請求項1〜4いずれか記載の洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 芳香族化合物が、アルキルベンゼン、芳
    香族アルコール、芳香族エーテル、芳香族ケトンおよび
    芳香族グリコールエーテルからなる群より選ばれた少な
    くとも1種である請求項1〜4いずれか記載の洗浄剤組
    成物。
  7. 【請求項7】 ルカリ剤が、一級、二級および/また
    は三級アミン性の窒素原子を1分子中に1〜5個有し、
    かつ分子量50〜10000を有するアミン系化合物な
    らびに水酸化第四級アンモニウム化合物からなる群より
    選ばれた少なくとも1種である請求項1〜いずれか
    載の洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】 カルシウムイオン放出性物質が、水酸化
    カルシウム、炭酸カルシウム、無機酸カルシウム塩、直
    鎖アルキルカルボン酸カルシウム、アルキレンカルボン
    酸カルシウム、芳香族カルボン酸カルシウム、オキシカ
    ルボン酸カルシウム、多価カルボン酸カルシウム、アミ
    ノカルボン酸カルシウム、有機硫酸カルシウム、有機ス
    ルホン酸カルシウムおよび有機リン酸カルシウムからな
    る群より選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7い
    ずれか記載の洗浄剤組成物。
  9. 【請求項9】 (A)プラスチックレンズ成形ガラス型
    を、請求項1〜8いずれか記載の洗浄剤組成物を用いて
    洗浄し、 (B)洗浄されたガラス型を、すすぎ水ですすぐことを
    特徴とするプラスチックレンズ成形ガラス型の洗浄方
    法。
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