JP6909615B2 - 三次元物体前駆体処理剤組成物 - Google Patents

三次元物体前駆体処理剤組成物 Download PDF

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本発明は、三次元物体前駆体処理剤組成物に関する。
3Dプリンタは、ラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)の一種で、3D CAD、3D CGなどの3Dデータを元に三次元物体を造形する立体プリンタである。3Dプリンタの方式としては、熱溶融積層方式(以下、FDM方式とも称する)、インクジェット紫外線硬化方式、光造形方式、レーザー焼結方式等が知られている。これらのうち、FDM方式は重合体フィラメントを加熱/溶融し押し出して積層させて三次元物体を得る造形方式であり、他の方式とは異なり材料の反応を用いない。そのためFDM方式の3Dプリンタは小型かつ低価格であり、後処理が少ない装置として近年普及が進んでいる。当該FDM方式で、より複雑な形状の三次元物体を造形するためには、三次元物体を構成する造形材、及び造形材の三次元構造を支持するためのサポート材を積層して三次元物体前駆体を得て、その後、三次元物体前駆体からサポート材を除去することで目的とする三次元物体を得ることができる。
三次元物体前駆体からサポート材を除去する手法として、サポート材に(メタ)アクリル酸系共重合体を用いた場合には、(メタ)アクリル酸系共重合体中のカルボン酸がアルカリにより中和され、アルカリ水溶液に溶解することを利用している。当該手法に用いられるサポート材に含有される(メタ)アクリル酸系共重合体は、3Dプリンタによる加熱/溶融押出と積層性の観点から疎水基と、前記三次元物体前駆体処理剤への溶解性の観点から親水基とをそれぞれ有する為に、それだけの処理では不十分な為に更に有機溶剤や加熱された水に浸漬することによりサポート材を除去する手法が挙げられている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2014−83744号公報 特開2016−2683号公報
従来の三次元物体前駆体処理剤は、親水基と疎水基とを有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含有するサポート材の除去に時間がかかる。
本発明は、従来よりも速やかに前記(メタ)アクリル酸系共重合体を含有するサポート材を除去することができる三次元物体前駆体処理剤組成物、及び当該三次元物体前駆体処理剤組成物を用いた熱溶融積層方式による三次元物体の製造方法を提供する。
本発明の三次元物体前駆体処理剤組成物は、三次元物体と、親水性モノマー及び疎水性モノマーをモノマー単位として有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含むサポート材とを含む三次元物体前駆体から、前記サポート材を除去する為の三次元物体前駆体処理剤組成物であって、前記三次元物体前駆体処理剤組成物が、1級アミン化合物を含み、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸化物の合計含有量が前記1級アミン化合物の含有量より少ない。
本発明の三次元物体の製造方法は、三次元物体及びサポート材を含む三次元物体前駆体を得る造形工程、及び当該三次元物体前駆体を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させ、前記サポート材を除去するサポート材除去工程を有する熱溶融積層方式による三次元物体の製造方法である。
本発明によれば、従来よりも速やかに前記(メタ)アクリル酸系共重合体を含有するサポート材を除去することができる三次元物体前駆体処理剤組成物、及び当該三次元物体前駆体処理剤組成物を用いた熱溶融積層方式による三次元物体の製造方法を提供することができる。
実施例で用いた評価サンプルの形状を示す概略図
<三次元物体前駆体処理剤組成物>
本実施形態の三次元物体前駆体処理剤組成物は、三次元物体と、親水性モノマー及び疎水性モノマーをモノマー単位として有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含むサポート材とを含む三次元物体前駆体から、前記サポート材を除去する為の三次元物体前駆体処理剤組成物であって、前記三次元物体前駆体処理剤組成物が、1級アミン化合物を含み、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸化物の合計含有量が前記1級アミン化合物の含有量より少ない。本実施形態の三次元物体前駆体処理剤組成物によれば、従来よりも速やかに前記(メタ)アクリル酸系共重合体を含有するサポート材を除去することができる。
〔1級アミン化合物〕
前記1級アミン化合物は、1以上の1級アミノ基を有する化合物を意味する。前記1級アミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノn−プロピルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミン、モノイソブチルアミン、モノsec−ブチルアミン、モノt−ブチルアミン、モノn−ペンチルアミン、及びイソペンチルアミン等のアルキルアミン;、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、及びモノブタノールアミン等のアルカノールアミン等が例示できるが、これらの中でもモノアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンがより好ましいが、サポート材の除去速度の点からモノプロパノールアミン、及びモノイソプロパノールアミンから選ばれる1種以上が更に好ましい。前記1級アミン化合物は、分子内に1級アミノ基以外のアミノ基を有していても構わない。
前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記1級アミン化合物の含有量は、サポート材の良好な除去を発現する観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記1級アミン化合物の含有量は、サポート材の良好な除去を発現する観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、8質量%以上がより更に好ましい。これらの観点を総合すると前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記1級アミン化合物の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましく、1.0〜8質量%がより更に好ましい。
〔アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸化物〕
前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等が例示できる。
前記アルカリ金属炭酸化物は、炭酸化リチウム、炭酸化ナトリウム、及び炭酸化カリウム等が例示できる。
前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記アルカリ金属水酸化物及び前記アルカリ金属炭酸化物の合計含有量は、三次元物体前駆体からサポート材を速やかに除去し、繰り返し使用によるpH低下を抑制してサポート材の良好な除去性を長時間持続させる観点から、2.5質量%未満が好ましく、1.0質量%未満がより好ましく、0.5質量%未満が更に好ましく、実質的に含まないのがより更に好ましい。
〔界面活性剤〕
前記三次元物体前駆体処理剤組成物は、界面活性剤を含有することもできる。前記三次元物体前駆体処理剤組成物が界面活性剤を含有すると、三次元物体の隙間にあるサポート材を速やかに除去することができ、更に、サポート材の良好な除去性を長時間持続させることができる。
前記界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びアニオン界面活性剤が挙げられる。
前記アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸塩、リン酸モノ又はジエステル、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が挙げられる。これらのうち、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、飽和脂肪酸塩、及びアルキルエーテルカルボン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。これらアニオン界面活性剤のアニオン性基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオンが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、イミダゾリン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、アミドスルホベタイン等が挙げられ、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン界面活性剤がより好ましく、脂肪酸アミドプロピルベタインが更に好ましい。
前記ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルがより好ましい。
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、三次元物体の隙間にあるサポート材を速やかに除去する観点、及び、サポート材の良好な除去性を長時間持続させる観点から下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
−O−(EO)m(PO)p−H (1)
(前記一般式(1)中、Rは炭素数4〜18のアルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、m及びpは、それぞれEO及びPOの平均付加モル数であり、mは1〜20の数、pは0〜20の数を表す。)
前記Rで表されるアルキル基の炭素数は、三次元物体の隙間にあるサポート材を速やかに除去する観点、及びサポート材の良好な除去性を長時間持続させる観点から4以上が好ましく、6以上がより好ましく、8以上が更に好ましい。前記Rで表されるアルキル基の炭素数は、隙間の洗浄性と除去液の耐久性の観点から18以下が好ましく、16以下がより好ましく、12以下が更に好ましい。これらの観点を総合すると、前記Rで表されるアルキル基の炭素数は、4〜18が好ましく、6〜16がより好ましく、8〜12が更に好ましい。
前記(EO)m(PO)pは、オキシエチレン基単独で構成(p=0)されていてもよいが、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とから構成されていてもよい。(EO)m(PO)pが、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とから構成される場合、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。EOとPOの配列がブロックである場合、EO及びPOのブロックを構成するEO及びPOの数は、各平均付加モル数が前記範囲内にある限り、各ブロックの数はそれぞれ1個であってもよいが2個以上であってもよい。また、EOからなるブロックの数が2個以上である場合、各ブロック中のEOの数は、相互に同じであってもよいが、異なっていてもよい。POのブロックの数が2個以上である場合も、各ブロック中のPOの数は、相互に同じであってもよいが、異なっていてもよい。
前記mは、三次元物体の隙間にあるサポート材を速やかに除去する観点、及びサポート材の良好な除去性を長時間持続させる観点から2以上が好ましく、4以上がより好ましい。前記mは、泡立ちを抑制する観点から20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下が更に好ましい。これらの観点を総合すると、前記mは、2〜20が好ましく、2〜15がより好ましく、4〜12が更に好ましい。
前記pは、三次元物体の隙間にあるサポート材を速やかに除去する観点、及びサポート材の良好な除去性を長時間持続させる観点から3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下が更に好ましい。
前記界面活性剤の含有量は、三次元物体の隙間にあるサポート材を速やかに除去する観点、及びサポート材の良好な除去性を長時間持続させる観点から、前記三次元物体前駆体処理剤組成物中10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
〔その他〕
前記三次元物体前駆体処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、水、水溶性有機溶剤、エチレンジアミン四酢酸塩、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、アルギン酸塩等のビルダー成分、増粘剤、pH調整剤、防腐剤、防錆剤、顔料、着色剤等が含まれていてもよい。着色剤を含有する現像液組成物は、サポート材の種類によっては、サポート材が溶解することで色が変化するため、着色剤は、現像の進行程度や終了時期を示す指示薬としての機能も期待できる。
[水]
前記水は、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、又は通常の水道水等を用いることができる。水の含有量は、前記三次元物体前駆体処理剤組成物の残部(合計を100質量%とする量)であってよい。前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記水の含有量は、現像液組成物の安定性及び取り扱い性を向上させ、かつ、廃液処理性等を向上させて環境への配慮を行う観点から20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記水の含有量は、現像液組成物の安定性及び取り扱い性を向上させ、かつ、廃液処理性等を向上させて環境への配慮を行う観点から99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、97質量%以下が更に好ましい。
[水溶性有機溶剤]
前記水溶性有機溶剤は、サポート材の崩壊と現像液組成物への溶解の性能を発現する。
前記水溶性有機溶剤は、20℃の水に対して1.5質量%以上溶解するものが好ましい。水溶性有機溶剤としては、1価アルコール、多価アルコール、及びグリコールエーテルから選ばれる水溶性有機溶剤が挙げられる。
前記1価アルコールとして、炭素数1以上、5以下の1価アルコールが挙げられる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、及びアミルアルコールから選ばれる1価アルコールが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、繰り返し単位の炭素数が2以上、3以下のアルキレングリコール〔以下、C2〜C3アルキレングリコールという〕が挙げられる。C2〜C3アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ノナエチレングリコール、デカエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げられる。C2〜C3アルキレングリコールは、繰り返し単位であるオキシエチレン基又はオキシプロピレン基を1以上、10以下有するものが好ましい。
また、C2〜C3アルキレングリコール以外の多価アルコールとして、炭素数2以上、8以下の多価アルコールが挙げられる。具体的には、トリメチレングリコール、1,3−オクチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
グリコールエーテルとしては、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、及びポリオキシアルキレンジアルキルエーテルから選ばれるグリコールエーテルが挙げられる。これらのオキシアルキレン基は、オキシエチレン基が好ましい。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数は1以上、7以下が好ましい。アルキル基(末端エーテル部分のアルキル基)の炭素数は1以上、4以下が好ましい。具体的には、PEO(1以上、7以下)モノメチルエーテル、PEO(1以上、7以下)モノエチルエーテル、PEO(1以上、7以下)モノプロピルエーテル、PEO(1以上、7以下)モノブチルエーテル、PEO(1以上、7以下)モノイソブチルエーテル、PEO(1以上、7以下)モノアリルエーテル、PEO(1以上、7以下)モノヘキシルエーテル、PEO(1以上、7以下)ジメチルエーテル、PEO(1以上、7以下)ジエチルエーテル、PEO(1以上、7以下)ジプロピルエーテル、PEO(1以上、7以下)ジブチルエーテルなどが挙げられる。ここで、PEOはポリオキシエチレンの略であり、かっこ内の数字はエチレンオキサイドの平均付加モル数である(以下同様)。
前記水溶性有機溶剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、サポート材の崩壊と現像液組成物への溶解を更に高める観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、POE(1以上、5以下)モノメチルエーテル、POE(1以上、5以下)モノエチルエーテル、POE(1以上、5以下)モノプロピルエーテル、POE(1以上、5以下)モノブチルエーテル、POE(1以上、5以下)モノイソブチルエーテル、POE(2以上、5以下)ジメチルエーテル、及びPOE(2以上、5以下)ジエチルエーテルから選ばれる水溶性有機溶剤が好ましく、エチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、POE(1以上、3以下)モノメチルエーテル、POE(1以上、3以下)モノエチルエーテル、POE(1以上、3以下)モノプロピルエーテル、POE(1以上、3以下)モノブチルエーテル、及びPOE(1以上、3以下)モノイソブチルエーテルから選ばれる水溶性有機溶剤がより好ましい。
<三次元物体の製造方法>
本実施形態の三次元物体の製造方法は、三次元物体と、親水性モノマー及び疎水性モノマーをモノマー単位として有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含むサポート材とを含む三次元物体前駆体を得る造形工程、及び当該三次元物体前駆体を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させ、前記サポート材を除去するサポート材除去工程を有する熱溶融積層方式による三次元物体の製造方法である。本実施形態の三次元物体の製造方法によれば、従来よりも速やかに前記メタクリル酸共重合体を含有するサポート材を除去することができる。このような効果を奏する理由としては前記三次元物体前駆体処理剤組成物が前記効果を奏する理由と同様の理由が考えられる。
〔造形工程〕
三次元物体と、親水性モノマー及び疎水性モノマーをモノマー単位として有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含むサポート材とを含む三次元物体前駆体を得る造形工程は、公知の熱溶融積層方式の3Dプリンタによる三次元物体の製造方法における三次元物体及びサポート材を含む三次元物体前駆体を得る工程を利用することができる。
三次元物体の材料である造形材は、従来のFDM方式の三次元物体の製造方法で造形材として用いられる樹脂であれば特に限定なく用いることが出来る。当該造形材としては、ABS樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリフェニルサルフォン樹脂等の熱可塑性樹脂が例示でき、3Dプリンタによる造形性及び耐熱性の観点からこれらの中でもポリカーボネート樹脂やポリアミド樹脂がより好ましく、ポリカーボネート樹脂が更に好ましい。
サポート材の材料である三次元造形用可溶性材料は、親水性モノマー及び疎水性モノマーをモノマー単位として有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含む。
[(メタ)アクリル酸系共重合体]
(親水性モノマー)
前記親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、α−ヒドロキシアクリル酸等が挙げられる。これらの中でも、サポート材の除去性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
(疎水性モノマー)
前記疎水性モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、α-メチレン−γ−バレロラクトン等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸系共重合体は、前記親水性モノマー及び前記疎水性モノマー以外のモノマーユニットを含有していてもよい。前記親水性モノマー及び前記疎水性モノマー以外のモノマーユニットとしてはスチレンモノマーユニットが挙げられる。
〔サポート材除去工程〕
前記サポート材除去工程は、前記三次元物体前駆体を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させ、前記サポート材を除去する工程である。三次元物体前駆体を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させる手法は、処理液中に浸漬後撹拌したり、強い水流中に晒したり、該前駆体自体を動かしたりすることが考えられる。しかし、前駆体の棄損防止の観点、及び作業の容易さの観点から、三次元物体前駆体を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に浸漬させる手法が好ましい。サポート材の除去性を向上させる観点から、浸漬中に超音波を照射し、サポート材の溶解を促すこともできる。
前記三次元物体前駆体処理剤組成物のpHは、サポート材の溶解性の観点から10以上が好ましく、11以上がより好ましい。また、前記三次元物体前駆体処理剤組成物のpHは、造形材へのダメージ抑制又は低減の観点から14以下が好ましく、13以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、前記三次元物体前駆体処理剤組成物のpHは、10〜14が好ましく、10〜13がより好ましく、11〜13が更に好ましい。
前記三次元物体前駆体処理剤組成物の使用量は、サポート材の溶解性の観点から当該サポート材に対して10質量倍以上が好ましく、20質量倍以上がより好ましい。前記三次元物体前駆体処理剤組成物の使用量は、作業性の観点から当該サポート材に対して10000質量倍以下が好ましく、5000質量倍以下がより好ましく、1000質量倍以下が更に好ましく、100質量倍以下が更に好ましい。
当該サポート材除去工程における前記三次元物体前駆体処理剤組成物の温度は、サポート材の溶解性の観点から25℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。当該サポート材除去工程における前記三次元物体前駆体処理剤組成物の温度は、同様の観点から80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、当該サポート材除去工程における前記三次元物体前駆体処理剤組成物の温度は、25〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。
前記三次元造形用可溶性材料を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させる時間は、サポート材の除去性の観点から5分以上が好ましい。また、前記三次元造形用可溶性材料を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させる時間は、三次元物体が受けるダメージを軽減する観点から180分以下が好ましく、120分以下がより好ましく、90分以下が更に好ましく、60分以下がより更に好ましい。これらの観点を総合すると、前記三次元造形用可溶性材料を前記三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させる時間は、5〜180分が好ましく、5〜120分がより好ましく、5〜90分が更に好ましく、5〜60分がより更に好ましい。
<実施例1〜6、比較例1、2>
〔評価サンプルの作製〕
ストラタシス社製のFDM方式3DプリンタFortus250MCにて、造形材としてポリカーボネート(ストラタシス社製ポリカーボネート樹脂)、三次元造形用可溶性材料としてSR−100(2種のストラタシス社製メタクリル酸系共重合体の混合物;1種目の構成モノマー;メタクリル酸とメタクリル酸メチルの共重合体と2種目の構成モノマー;メタクリル酸、スチレン、及びアクリル酸n−ブチルの共重合体)を用い、評価サンプルI(三次元物体前駆体)を作製した。図1は当該評価サンプルIの形状を示す概略図である。
図1で示される当該評価サンプルIは三次元物体1と、サポート材2からなる三次元物体前駆体からなる。前記サポート材2は、前記三次元物体1の形状の理解を助けるために図示を省略しているが、前記サポート材2は前記三次元物体1の空隙を満たしており、前記サポート材IIの外観は一つの立方体である。
<実施例7〜9、比較例3、4>
〔評価サンプルの作製〕
ストラタシス社製のFDM方式3DプリンタFortus250MCにて、造形材としてポリアミド樹脂(ストラタシス社製ナイロン12)、三次元造形用可溶性材料としてSR−110(2種のストラタシス社製メタクリル酸系共重合体の混合物;1種目の構成モノマー;メタクリル酸とメタクリル酸メチルの共重合体と2種目の構成モノマー;メタクリル酸、スチレン、及びアクリル酸n−ブチルの共重合体)を用い、評価サンプル評価サンプルIIと同じ形状の評価サンプルII(三次元物体前駆体)を作製した。
〔評価方法1〕
前記評価サンプルI及び前記評価サンプルIIの各質量Aを測定した後、各評価サンプルをそれぞれ表1に記載の組成の三次元物体前駆体処理剤組成物500mlに籠に入れた状態で浸漬させ、マグネットスターラーで400rpmにて20分間撹拌洗浄した。その後、各評価サンプルを110℃の乾燥機で1時間乾燥し、乾燥後の評価サンプルの各質量Bを測定し、下記計算により三次元造形用可溶性材料の溶出速度(質量%/分)を求めた。評価結果を表1に示す。なお、表1中のウォーター・ワークスの組成の例として、ウォーター・ワークス3質量%水溶液の組成を表2に示す。
・三次元造形用可溶性材料の溶出速度(質量%/分)=(前記質量A−前記質量B)/(前記質量A)×100/20
Figure 0006909615
Figure 0006909615
1:三次元物体
2:サポート材

Claims (5)

  1. 三次元物体と、親水性モノマー、疎水性モノマー、及びスチレンをモノマー単位として有する(メタ)アクリル酸系共重合体を含むサポート材とを含む三次元物体前駆体を得る造形工程、及び当該三次元物体前駆体を三次元物体前駆体処理剤組成物に接触させ、前記サポート材を除去するサポート材除去工程を有する熱溶融積層方式による三次元物体の製造方法であって、
    前記親水性モノマーがメタクリル酸であり、
    前記三次元物体前駆体処理剤組成物が、1級アミン化合物を含み、
    アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸化物の合計含有量が前記1級アミン化合物の含有量より少ない、三次元物体の製造方法
  2. 前記1級アミン化合物が、アルカノールアミンである、請求項1に記載の三次元物体の製造方法
  3. 前記三次元物体前駆体処理剤組成物中の前記1級アミン化合物の含有量が、0.1〜20質量%である、請求項1又は2に記載の三次元物体の製造方法
  4. 前記三次元物体前駆体処理剤組成物が、界面活性剤を含有する、請求項1〜3いずれか1項に記載の三次元物体の製造方法
  5. 前記三次元物体が、ポリカーボネート樹脂、及びポリアミド樹脂から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元物体の製造方法。
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