JP3384731B2 - プラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物 - Google Patents

プラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物

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JP3384731B2 JP34338297A JP34338297A JP3384731B2 JP 3384731 B2 JP3384731 B2 JP 3384731B2 JP 34338297 A JP34338297 A JP 34338297A JP 34338297 A JP34338297 A JP 34338297A JP 3384731 B2 JP3384731 B2 JP 3384731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズ成形ガラス型用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄
方法に関する。さらに詳しくは、各種光学用プラスチッ
クレンズの製造に使用される成形ガラス型に付着したプ
ラスチックレンズ成形用原料、未反応モノマー、オリゴ
マー、ポリマー、ガスケットからブリードアウトした成
分、可塑剤、接着剤、鋳型固定用テープ由来の粘着剤な
どの高分子量の樹脂状汚れなどを洗浄するためのプラス
チックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物およびそれを
用いた洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学用プラスチックレンズ向けの樹脂と
して、例えば、アリルジグリコールカーボネート(AD
C)樹脂、ウレタン系樹脂、含硫黄ウレタン系樹脂、メ
タクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、臭素配合系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系
樹脂、ノルボルネン系樹脂、チオエーテル/エステル系
樹脂などが使用されている。
【0003】光学用プラスチックレンズの製造方法とし
ては、例えば、メガネ用プラスチックレンズの場合、プ
ラスチックレンズ本体は、成形ガラス型を鋳型として用
いて成形した後、外周整形を行い、さらにエッジ部分の
面取りを行って、洗浄される。
【0004】一方、プラスチックレンズを離型した後の
成形ガラス型には、プラスチックレンズ成形用原料、未
反応モノマー、オリゴマー、ポリマー、ガスケットから
ブリードアウトした成分や可塑剤、接着剤、鋳型固定用
テープ由来の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れをはじ
め、雰囲気中の粉塵、作業者の指紋などの汚れが付着し
ている。このような汚れが成形ガラス型に付着している
場合、表面がスムーズな良質のプラスチックレンズが得
られなくなったり、成形ガラス型に汚れが蓄積した場
合、得られるプラスチックレンズに破損や傷が発生する
おそれがあるため、該成形ガラス型を使用することがで
きなくなり、廃棄せざるを得なくなることがある。
【0005】前記汚れのうち、プラスチックレンズ成形
用原料由来のオリゴマー、ポリマー、ガスケットからブ
リードアウトした成分、接着剤、鋳型固定用テープ由来
の粘着剤などの高分子量の樹脂状汚れは、成形ガラス型
の硬質表面に強固に付着(接着)し、しかも樹脂状汚れ
自身の分子量が高いため、溶解、膨潤、軟化、崩壊、剥
離作用などを利用した薬剤による洗浄が非常に困難であ
る。
【0006】付着した汚れを剥離するという、剥離を主
な洗浄機構とするアルカリ系洗浄剤は、含有されている
無機系アルカリ剤の量が少ない場合には、洗浄力が不十
分で、汚れを完全に除去するのに長時間を要したり、手
作業で汚れを除去する必要がある。また、十分な洗浄力
を付与するために、無機系アルカリ剤の量を多くした場
合には、いわゆる潜傷や焼けなどの腐食が成形ガラス型
の表面に発生する。このように成形ガラス型表面に腐食
が発生すると、表面がスムーズな良質のプラスチックレ
ンズが得られなくなり、再度、研磨、表面強化処理を施
さざるを得なくなったり、場合によっては、その成形ガ
ラス型を廃棄せざるを得なくなり、その結果、非常に不
経済的となるという問題がある。
【0007】そこで、ガラス表面にダメージをほとんど
与えないガラス用洗浄剤として、例えば、水酸化第四級
アンモニウム塩基と非イオン系界面活性剤とアルカノー
ルアミンとが用いられた洗浄剤(特開平5−27169
9号公報)、水ガラスがビルダーとして用いられた洗浄
剤(特開平9−71799号公報)が提案されている。
しかしながら、これらの洗浄剤は、確かにガラス表面に
あまりダメージを与えないものであるが、成形ガラス型
を繰り返して使用しているうちに表面荒れが発生する欠
点がある。
【0008】また、無機アルカリ基剤とカルシウムイオ
ン放出性物質もしくはカルシウム錯体とが用いられた洗
浄剤が提案されている(特開昭61−157595号公
報)。しかしながら、かかる洗浄剤には、高分子量の樹
脂状汚れに対する洗浄性が不十分であるという欠点があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、高分子量の樹脂状汚れ
に対する洗浄性および洗浄時における人体に対する安全
性に優れ、成形ガラス型を腐食しないプラスチックレン
ズ成形ガラス型用洗浄剤組成物を提供することを目的と
する。
【0010】本発明は、また、高分子量の樹脂状汚れに
対する洗浄性および洗浄時における人体に対する安全性
に優れ、成形ガラス型を腐食させずに洗浄することがで
きる洗浄方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 (a)アルカリ剤0.5〜40重量%、(b)
スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型
アニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン界面
活性剤、芳香族四級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤および平均HLB(親水性親油性バランス)が4〜1
8の非イオン界面活性剤からなる群より選ばれた少なく
とも1種の界面活性剤0.25〜20重量%、ならびに
(c)カルシウムイオン放出性物質0.005〜15重
量%〔カルシウムイオン換算〕を含有し、残部水からな
るプラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物、
〔2〕 さらに、(e)金属イオン封鎖剤を含有してな
る前記〔1〕記載の洗浄剤組成物、〔3〕 アルカリ剤
が、無機系アルカリ剤および有機系アルカリ剤からなる
群より選ばれた少なくとも1種である前記〔1〕または
〔2〕記載の洗浄剤組成物、〔4〕 無機系アルカリ剤
が、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属弱酸塩か
らなる群より選ばれた少なくとも1種である前記〔3〕
記載の洗浄剤組成物、〔5〕 有機系アルカリ剤が、一
級、二級および/または三級アミン性の窒素原子を1分
子中に1〜5個有し、かつ分子量50〜10000を有
するアミン系化合物ならびに水酸化第四級アンモニウム
化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種である前
記〔3〕または〔4〕記載の洗浄剤組成物、〔6〕 カ
ルシウムイオン放出性物質が、水酸化カルシウム、炭酸
カルシウム、無機酸カルシウム塩、直鎖アルキルカルボ
ン酸カルシウム、アルキレンカルボン酸カルシウム、芳
香族カルボン酸カルシウム、オキシカルボン酸カルシウ
ム、多価カルボン酸カルシウム、アミノカルボン酸カル
シウム、有機硫酸カルシウム、有機スルホン酸カルシウ
ムおよび有機リン酸カルシウムからなる群より選ばれた
少なくとも1種である前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載
の洗浄剤組成物、〔7〕 (A)プラスチックレンズ成
形ガラス型を、前記〔1〕〜〔6〕いずれか記載の洗浄
剤組成物を用いて洗浄し、(B)洗浄された成形ガラス
型を、すすぎ水ですすぐことを特徴とするプラスチック
レンズ成形ガラス型の洗浄方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックレンズ成形
ガラス型用洗浄剤組成物は、前記したように、(a)ア
ルカリ剤0.5〜40重量%、(b)スルホン酸塩型ア
ニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活性
剤、リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤、芳香族四
級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤および平均HL
B(親水性親油性バランス)が4〜18の非イオン界面
活性剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の界面活
性剤0.25〜20重量%、ならびに(c)カルシウム
イオン放出性物質0.005〜15重量%〔カルシウム
イオン換算〕を含有し、残部水からなるものである。
【0013】本発明においては、前記アルカリ剤と界面
活性剤とが併用されている点に1つの大きな特徴があ
る。このように、アルカリ剤と界面活性剤とが併用され
ていることにより、プラスチックレンズ成形ガラス型に
付着した種々の樹脂状汚れの溶解性、種々の樹脂状汚れ
への浸透性および樹脂状汚れの膨潤性ならびにそれに伴
う汚れの崩壊性が相乗的に高められるので、優れた洗浄
性が発現される。
【0014】前記アルカリ剤としては、無機系アルカリ
剤および有機系アルカリ剤があげられる。
【0015】前記無機系アルカリ剤としては、例えば、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属弱酸塩などがあげ
られる。
【0016】前記アルカリ金属水酸化物の具体例として
は、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどがあげられるが、本発明は、かかる例示
のみに限定されるものではない。
【0017】アルカリ金属弱酸塩の具体例としては、例
えば、ケイ酸リチウム、炭酸リチウム、ギ酸リチウム、
酢酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸
カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウムなどがあげられ
るが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものでは
ない。
【0018】なお、前記アルカリ金属水酸化物およびア
ルカリ金属弱酸塩は、いずれも本発明の洗浄剤組成物中
で、アルカリ金属またはその金属酸化物と、水、弱酸ま
たは弱酸水溶液とを反応させることによって得られたも
のであってもよい。
【0019】前記有機系アルカリ剤としては、一級、二
級および/または三級アミン性の窒素原子を1分子中に
1〜5個有し、かつ分子量50〜10000を有するア
ミン系化合物ならびに水酸化第四級アンモニウム化合物
からなる群より選ばれた少なくとも1種などがあげられ
る。
【0020】前記アミン系化合物は、水への溶解性を高
め、樹脂状汚れの接触面付近の水相で汚れを剥離する効
果を十分に発現させる観点から、一級、二級および/ま
たは三級アミン性の窒素原子を1分子中に1個以上、好
ましくは、2個以上有することが望ましく、また、樹脂
状汚れ内部への浸透性を十分に発現させる観点から、一
級、二級および/または三級アミン性の窒素原子を5個
以下、好ましくは3個以下を有することが望ましい。
【0021】前記アミン系化合物の分子量は、該アミン
系化合物が蒸発することによって該アミン系化合物の含
有量が低下したり、取り扱いの危険性を回避する観点か
ら、50以上とされ、樹脂状汚れ内部への浸透性を十分
に発現させる観点から、10000以下とされる。
【0022】前記アミン系化合物の代表例としては、例
えば、直鎖アルキルアミン、分岐鎖アルキル基を有する
分岐鎖アルキルアミン、環式アミン、アルキルアルカノ
ールアミン、モルホリン類、複素環式アミン、ジアミ
ン、ポリアミンなどがあげられるが、本発明は、かかる
例示のみに限定されるものではない。
【0023】前記直鎖アルキルアミンの具体例として
は、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モ
ノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノアミルアミ
ン、モノヘキシルアミン、モノオクチルアミン、モノデ
シルアミン、モノラウリルアミン、モノミリスチルアミ
ン、モノセチルアミン、モノステアリルアミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチ
ルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミ
ン、メチルブチルアミン、メチルヘキシルアミン、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミンなどがあげられる。
【0024】前記分岐鎖アルキルアミンとしては、例え
ば、sec−ブチルアミン、イソブチルアミン、ter
t−ブチルアミン、1−メチルブチルアミン、1−エチ
ルプロピルアミン、2−メチルブチルアミン、イソアミ
ルアミン、ジメチルプロピルアミン、tert−アミル
アミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメ
チルブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘ
プタン、1−メチルヘプチルアミン、2−エチルヘキシ
ルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、tert
−オクチルアミン、tert−トリデシルアミン、te
rt−ナノデシルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミンなどがあげられる。
【0025】前記環式アミンの具体例としては、例え
ば、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、ジベンジルアミンなどがあげられる。
【0026】前記アルキルアルカノールアミンの具体例
としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、メチルモノエタノー
ルアミン、ジメチルモノエタノールアミン、メチルジエ
タノールアミン、ブチルモノエタノールアミン、トリメ
チルアミノプロピルエタノールアミン、トリメチルヒド
ロキシエチルジエチレントリアミンなどがあげられる。
【0027】前記モルホリン類の具体例としては、例え
ば、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモ
ルホリン、2,6−ジメチルモルホリン、4−(2−ヒ
ドロキシエチル)モルホリン、4−アミノモルホリン、
4−(2−アミノエチル)モルホリン、4−(3−アミ
ノプロピル)モルホリンなどがあげられる。
【0028】前記複素環式アミンの具体例としては、例
えば、4−アミノメチルピリジン、アミノメチルピペラ
ジン、ビスアミノプロピルピペラジン、トリメチルアミ
ノエチルピペラジン、2−アミノメチルピペリジン、4
−アミノメチルピペリジン、2−メチルピラジン、キノ
キサリン、メチルイミダゾールなどがあげられる。
【0029】前記ジアミンの具体例としては、例えば、
ジアミノプロパン、ジアミノヘキサン、ジアミノオクタ
ン、ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビス(シク
ロヘキシルアミン)、1,3−ジアミノキシレン、1,
3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリエチレ
ンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメ
チルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレン
ジアミン、メチルジアミノプロパン、ジメチルジアミノ
プロパン、ジブチルジアミノプロパン、N−シクロヘキ
シル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノア
ントラキノン、ペンタメチルジエチレントリアミンなど
があげられる。
【0030】前記ポリアミンの具体例としては、例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミンなどの三級アミノ基を含む重
合性単量体からなる重合体、または該重合性単量体とノ
ニオン性単量体との共重合体、ポリアミド/エピハロヒ
ドリン系ポリマー、三級アミノ化澱粉、三級アミノ化セ
ルロース、グリコールキトサン、三級アミノ化ポリウレ
タン樹脂、三級アミノ化ポリアクリルアミドなどがあげ
られる。
【0031】また、前記水酸化第四級アンモニウム化合
物の具体例としては、例えば、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキ
シド(コリン)などがあげられる。
【0032】前記アルカリ剤の中では、高アルカリ性を
有することにより樹脂状汚れの低分子量化および剥離性
を高め、優れた洗浄性能を付与する観点から、アルカリ
金属水酸化物およびアルカリ金属弱酸塩から選ばれた少
なくとも1種の無機系アルカリ剤や水酸化第四級アンモ
ニウム化合物が好ましい。
【0033】また、前記アルカリ剤の中では、洗浄性の
向上、洗浄能の持続性、入手の容易性および経済性の観
点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸カリ
ウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドおよびト
リメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド
(コリン)が好ましい。
【0034】また、アルミニウム、ニッケル、銅、亜
鉛、錫などの金属類、黄銅、ハンダなどの合金類および
メッキ部品などが使用されている洗浄機を用いて洗浄す
る場合には、前記アルカリ剤のなかでは、一級、二級お
よび/または三級アミン性の窒素原子を1分子中に1〜
5個含み、かつ分子量50〜10,000を有するアミ
ン系化合物は、洗浄機器関連の部材がアルカリによって
腐食するのを抑制し、樹脂状汚れ成分との高い相溶性に
よる、樹脂状汚れへの浸透、樹脂状汚れの膨潤効果によ
り、より一層優れた洗浄性を発現させる観点から好まし
い。前記アミン化合物の中では、特に炭素数1〜18の
アルキル基を有するアルキルアルカノールアミンおよび
ジアミンが好ましい。
【0035】なお、前記アルカリ剤は、単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
【0036】前記アルカリ剤として、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ金属弱酸塩などの無機系アルカリ剤また
は水酸化第四級アンモニウム化合物を用いる場合、洗浄
性を向上させる観点から、本発明の洗浄剤組成物におけ
るアルカリ剤の含有量は、0.5重量%以上であること
が好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、
2重量%以上であることがさらに好ましく、4重量%以
上であることが最も好ましい。また、製品の均一性およ
び取り扱いの安全性の観点から、本発明の洗浄剤組成物
におけるアルカリ剤の含有量は、40重量%以下である
ことが好ましく、30重量%以下であることがより好ま
しく、20重量%以下であることがさらに好ましく、1
0重量%以下であることが最も好ましい。
【0037】また、本発明に用いられるアルカリ剤とし
て前記アミン系化合物を用いる場合、洗浄性を向上させ
る観点から、本発明の洗浄剤組成物における含有量は、
0.5重量%以上であることが好ましく、2重量%以上
であることがより好ましく、5重量%以上であることが
さらに好ましく、8重量%以上であることが最も好まし
い。また、取り扱いの安全性の観点から40重量%以下
であることが好ましく、30重量%以下であることがよ
り好ましく、20重量%以下であることがさらに好まし
く、15重量%以下であることが最も好ましい。
【0038】本発明の洗浄剤組成物中におけるアルカリ
剤の含有量は、洗浄性を向上させる観点から、0.5重
量%以上であり、1重量%以上であることが好ましく、
2重量%以上であることがさらに好ましく、5重量%以
上であることが特に好ましく、また、取り扱いの安全性
の観点から40重量%以下であり、30重量%以下であ
ることが好ましく、20重量%以下であることがさらに
好ましく、10重量%以下であることが特に好ましい。
【0039】本発明においては、界面活性剤として、ス
ルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型ア
ニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン界面活
性剤、芳香族四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
および平均HLB(親水性親油性バランス)が4〜18
の非イオン界面活性剤からなる群より選ばれた少なくと
も1種が用いられる。
【0040】本発明においては、洗浄剤組成物中に、前
記界面活性剤が用いられている点に1つの大きな特徴が
ある。このように、前記界面活性剤が用いられているの
で、驚くべきことに、プラスチックレンズ成形ガラス型
に付着した樹脂状汚れの分解による低分子量化および樹
脂状汚れの剥離性が飛躍的に高まり、さらに剥離した汚
れの再付着を防止することから、洗浄性が格段に向上す
るという優れた効果が発現される。
【0041】前記界面活性剤の中では、アルカリ剤を高
濃度で使用する際の洗浄剤組成物の均一性や洗浄性およ
び洗浄後のリンスの容易性の観点から、スルホン酸塩型
アニオン界面活性剤、硫酸エステル塩型アニオン界面活
性剤およびリン酸エステル塩型アニオン界面活性剤が好
ましい。
【0042】前記スルホン酸塩型アニオン界面活性剤の
代表例としては、例えば、炭素数10〜20の直鎖アル
キル基または分岐鎖アルキル基を有するアルキルスルホ
ン酸塩;炭素数10〜20のアルケニル基を有するアル
ケニルスルホン酸塩;炭素数8〜16の直鎖アルキル基
または分岐鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスル
ホン酸塩;炭素数2〜6の直鎖アルキル基または分岐鎖
アルキル基を有するアルキルナフタレンスルホン酸塩;
炭素数10〜20の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基
または環状アルキル基を有するアルキルスルホコハク
酸;炭素数10〜20のアルケニル基を有するアルケニ
ルスルホコハク酸塩;炭素数6〜18の直鎖アルキル基
または分岐鎖アルキル基を有するアルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸塩;炭素数6〜18のアルケニル基
を有するアルケニルジフェニルエーテルなどがあげられ
る。
【0043】前記硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤
の代表例としては、例えば、炭素数10〜20の直鎖ア
ルキル基または分岐鎖アルキル基を有するアルキル硫酸
塩;炭素数10〜20のアルケニル基を有するアルケニ
ル硫酸塩;炭素数10〜20の直鎖アルキル基または分
岐鎖アルキル基を有し、かつエチレンオキサイドの平均
付加モル数が2〜25のポリオキシエチレンアルキル硫
酸塩などがあげられる。
【0044】前記リン酸エステル塩型アニオン界面活性
剤の具体例としては、例えば、炭素数1〜20の直鎖ア
ルキル基または分岐鎖アルキル基を有するアルキルリン
酸塩;炭素数1〜20のアルケニル基を有するアルケニ
ルリン酸塩;炭素数1〜20の直鎖アルキル基または分
岐鎖アルキル基を有し、かつエチレンオキサイドの平均
付加モル数が2〜25のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルリン酸塩;炭素数1〜20のアルケニル基を有
し、かつエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜2
5のアルケニルエーテルリン酸塩などがあげられる。
【0045】前記スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤およびリン酸エス
テル塩型アニオン界面活性剤の具体例としては、例え
ば、オクチルスルホン酸ナトリウム、(C1018)α−
オレフィンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナト
リウム;ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソトリ
デシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルス
ルホコハク酸ナトリウム;オクチルジフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウム;ラウリル硫酸エステルナトリ
ウム、テトラデシル硫酸エステルナトリウム、ラウリル
硫酸エステルアンモニウム、ラウリル硫酸エステルトリ
エタノールアミン;(POE)3 10ラウリルエーテル
硫酸ナトリウム、(POE)3 10ラウリルエーテル硫
酸トリエタノールアミン、(POE)2 10(C
1213)合成アルコールエーテル硫酸ナトリウム、(P
OE)2025オレイルエーテル硫酸ナトリウム、(PO
E) 2 10オクチルフェノールエーテル硫酸ナトリウ
ム、(POE)4 18ノニルフェノールエーテル硫酸ナ
トリウム;モノラウリルリン酸エステルナトリウム、モ
ノステアリルリン酸エステルナトリウム;モノ(PO
E)1 エチルリン酸エステルナトリウム、モノ(PO
E)3 8 2−エチルヘキシルリン酸エステルナトリウ
ム、セスキ(POE)1 3 エチルリン酸エステルナト
リウム、セスキ(POE)3 8 2−エチルヘキシルリ
ン酸エステルナトリウムなどがあげられ、これらはいず
れも樹脂状汚れの洗浄性の向上、洗浄能の持続性および
経済性の観点から好ましい。
【0046】なお、本明細書において、「(POE)」
は、エチレンオキサイド基を示し、(POE)の右下の
添字は、エチレンオキサイド基の付加モル数を示す。
(POE)3 6 モノメチルエーテルは、エチレンオキ
サイド付加モル数が1〜8の化合物の略記である。
【0047】また、本明細書において、炭素数1〜18
であることを「(C1 18)」のように略記する場合が
ある。
【0048】さらに、前記アルカリ剤として、無機系ア
ルカリ剤を使用し、洗浄剤組成物が高アルカリ性物質含
有組成物である場合、製品の均一性と洗浄性能を十分に
発揮させる観点から、前記界面活性剤は、オクチルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、(POE) 3
10ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、(POE)3
10ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、(PO
E)2 10(C1213)合成アルコールエーテル硫酸ナ
トリウム、(POE)2025オレイルエーテル硫酸ナト
リウム、(POE)2 10オクチルフェノールエーテル
硫酸ナトリウム、(POE)4 18ノニルフェノールエ
ーテル硫酸ナトリウムモノ(POE)1 エチルリン酸エ
ステルナトリウム、モノ(POE)3 8 2−エチルヘ
キシルリン酸エステルナトリウム、セスキ(POE)1
エチルリン酸エステルナトリウムおよびセスキ(PO
E) 3 8 2−エチルヘキシルリン酸エステルナトリウ
ムからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが
好ましい。
【0049】また、前記界面活性剤のなかでは、成形ガ
ラス型と樹脂状汚れとの界面への洗浄剤組成物の浸透に
よる剥離性の向上および剥離した汚れの再付着の防止の
観点から、一般式(I):
【0050】
【化1】
【0051】(式中、R1 は炭素数8〜20の炭化水素
基、R2 およびR3 はそれぞれ炭素数1〜3の炭化水素
基、Xは水酸基またはハロゲン原子を示す)で表される
芳香族四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が好ま
しい。
【0052】前記一般式(I)において、R1 は、炭素
数8〜20の炭化水素基である。
【0053】前記一般式(I)において、R2 およびR
3 は炭素数1〜3の炭化水素基である。
【0054】前記Xは、水酸基またはハロゲン原子であ
る。前記ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0055】前記芳香族四級アンモニウム塩型カチオン
界面活性剤の中では、ベンジルラウリルジメチルアンモ
ニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム(C8
18)が洗浄性能とその持続性や入手の容易性、経済性
の観点からより好ましく用いることができる。
【0056】洗浄剤組成物中に無機イオンが高濃度に存
在する場合に、洗浄後のリンス性および洗浄性を十分に
発現させる観点から、前記界面活性剤の中では、平均H
LB(親水性親油性バランス)が4〜18である非イオ
ン界面活性剤が好ましい。
【0057】なお、本明細書においては、HLBは、G
riffinの式に基づいて算出されたものである。
【0058】前記非イオン界面活性剤の平均HLBは、
無機イオン成分が高濃度に存在する場合の洗浄後のリン
ス性の観点から、4以上であり、8以上であることが好
ましく、10以上であることがより好ましく、11以上
であることがさらに好ましく、洗浄性の観点から、18
以下であり、15以下であることが好ましく、14以下
であることがより好ましく、13以下であることがさら
に好ましい。
【0059】前記平均HLBが4〜18の非イオン界面
活性剤の具体例としては、例えば、(POE)2
37(C1214)合成アルコールエーテル、(POE)1
34ラウリルエーテル、(POE)2 46セチルエーテ
ル、(POE)2 51ステアリルエーテル、(POE)
2 51オレイルエーテル、(POE)2 38オクチルフ
ェニルエーテル、(POE)2 41ノニルフェニルエー
テルなどがあげられる。
【0060】前記界面活性剤の含有量は、洗浄性の観点
から、0.25重量%以上であり、0.5重量%以上で
あることが好ましく、1重量%以上であることがさらに
好ましく、2重量%が最も好ましい。また、洗浄剤の使
用時における取り扱い性の観点から、20重量%以下で
あり、15重量%であることがより好ましく、8重量%
以下であることがさらに好ましく、6重量%以下である
ことが最も好ましい。
【0061】本発明においては、カルシウムイオン放出
性物質が用いられている点にも、1つの大きな特徴があ
る。このように、本発明においてはカルシウムイオン放
出性物質が用いられていることにより、成形ガラス型が
腐食されることを防止することができ、前記アルカリ剤
および界面活性剤と併用することにより、優れた洗浄性
が発現され、成形ガラス型の品質を保持することができ
るという優れた性質が発現される。
【0062】前記カルシウムイオン放出性物質の代表例
としては、例えば、無機系カルシウム塩、有機系カルシ
ウム塩などがあげられ、これらは、単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0063】前記無機系カルシウム塩の具体例として
は、例えば、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸
カルシウム、亜硝酸カルシウム、次亜リン酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、トリポ
リリン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウムなどがあげ
られる。
【0064】なお、前記カルシウムイオン放出性物質と
して、例えば、水酸化カルシウムや、炭酸カルシウムな
どの無機酸カルシウム塩を用いる場合には、例えば、金
属カルシウムまたは酸化カルシウムを本発明の洗浄剤組
成物に配合し、その中で、水、無機酸塩などと反応させ
ることにより水酸化カルシウムや、炭酸カルシウムなど
の無機酸カルシウム塩を生成させてもよい。
【0065】前記有機系カルシウム塩の具体例として
は、例えば、直鎖アルキルカルボン酸カルシウム、アル
キレンカルボン酸カルシウム、芳香族カルボン酸カルシ
ウム、オキシカルボン酸カルシウム、多価カルボン酸カ
ルシウム、アミノカルボン酸カルシウム、有機硫酸カル
シウム、有機スルホン酸カルシウム、有機リン酸カルシ
ウムなどがあげられる。
【0066】直鎖アルキルカルボン酸カルシウムおよび
アルキレンカルボン酸カルシウムの具体例としては、例
えば、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウムなどがあげられ
る。
【0067】前記芳香族カルボン酸カルシウムの具体例
としては、例えば、安息香酸カルシウム、m−ヒドロキ
シ安息香酸カルシウム、p−ヒドロキシ安息香酸カルシ
ウム、2,3−ジヒドロキシ安息香酸カルシウム、2,
5−ジヒドロキシ安息香酸カルシウム、α−レゾルシン
酸カルシウム、β−レゾルシン酸カルシウム、γ−レゾ
ルシン酸カルシウム、プロトカテク酸カルシウム、没食
子酸カルシウム、ベンジル酸カルシウムなどがあげられ
る。
【0068】前記オキシカルボン酸カルシウムの具体例
としては、例えば、グリオキシル酸カルシウム、グリコ
ール酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシ
ウム、タートロン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、
酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ムチン酸カル
シウムなどがあげられる。
【0069】前記多価カルボン酸カルシウムの具体例と
しては、例えば、シュウ酸カルシウム、L-アスパラギン
酸カルシウムなどがあげられる。
【0070】前記アミノカルボン酸カルシウムの具体例
としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウ
ム、N−ヒドロキシエチレンジアミン−N,N’,N’
−三酢酸カルシウム、ジエチレントリアミン五酢酸カル
シウム、ニトリロ三酢酸カルシウム、トリエチレンテト
ラミン六酢酸カルシウム、トランス−1,2−シクロヘ
キサンジアミン四酢酸カルシウム、ヒドロキシエチルイ
ミノ二酢酸カルシウム、N, N−ジ(2−ヒドロキシエ
チル)グリシンカルシウムなどがあげられる。
【0071】前記有機硫酸カルシウムの具体例として
は、例えば、アルキル硫酸エステルカルシウム、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸カルシウム、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸カルシウム
などがあげられる。
【0072】前記有機スルホン酸カルシウムの具体例と
しては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウ
ム、アルキルナフタレンスルホン酸カルシウム、ジアル
キルスルホコハク酸カルシウム、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸カルシウム、β−ナフタレンスルホ
ン酸ホルムアルデヒド縮合物のカルシウム塩などがあげ
られる。
【0073】前記有機リン酸カルシウムの具体例として
は、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)カルシ
ウム、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸カルシウム、エチレンジアミンテトラ(メチレンホス
ホン酸)カルシウム、ジエチレントリアミンペンタ(メ
チレンホスホン酸)カルシウムなどがあげられる。
【0074】本発明の洗浄剤組成物中におけるカルシウ
ムイオン放出性物質の含有量(カルシウムイオン換算
量)は、ガラスの腐食を防止する観点から、0.005
重量%以上であり、0.01重量%以上であることが好
ましく、0.05重量%以上であることがさらに好まし
く、0.1重量%以上であることが特に好ましく、ま
た、製品の均一性およびガラス表面の品質保持の観点か
ら、25重量%以下であり、15重量%以下であること
が好ましく、8重量%以下であることがさらに好まし
く、3重量%以下であることが最も好ましい。
【0075】前記水は、前記芳香族化合物、前記アルカ
リ剤および前記カルシウムイオン放出性物質を均一に溶
解させる溶媒として、またアルカリ剤のアルカリ作用を
促進させる溶媒として用いられる。
【0076】前記水の種類は、本発明の洗浄剤組成物の
目的が妨げられないものであれば、特に限定されるもの
でない。かかる水の代表例としては、例えば、超純水、
純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水などがあげ
られる。
【0077】本発明の洗浄剤組成物における水の含有量
は、本発明の洗浄剤組成物のアルカリ剤、界面活性剤、
カルシウムイオン放出性物質、必要により添加される金
属イオン封鎖剤、後述する添加剤などの残部であるが、
本発明の洗浄剤組成物の各成分を配合した際の相溶性お
よびアルカリ剤が有する樹脂状汚れの剥離効果を十分に
発現させる観点から、5重量%以上、好ましくは15重
量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ま
しくは50重量%以上であることが望ましく、また、優
れた洗浄性を発現させる観点から、89重量%以下、好
ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以
下、さらに好ましくは60重量%以下であることが望ま
しい。
【0078】本発明の洗浄剤組成物には、さらに金属イ
オン封鎖剤を含有させた場合には、洗浄性やガラスの腐
食防止効果の持続性をはじめ、アルカリ剤、界面活性
剤、カルシウムイオン放出性物質および水を配合する際
の相溶性および製品の安定性を向上させることができ
る。
【0079】前記金属イオン封鎖剤の種類としては、本
発明の洗浄剤組成物の効果を損なわないものであれば特
に限定されるものではないが、高アルカリ性物質濃度に
おいても水溶性が高く、優れた金属イオン封鎖効果を発
現するものがより好ましく用いられる。
【0080】前記金属イオン封鎖剤の代表例としては、
例えば、アミノカルボン酸およびその塩、ホスホン酸お
よびその塩、オキシカルボン酸およびその塩、多価カル
ボン酸およびその塩、芳香族カルボン酸およびその塩、
ヒドロキシベンゼン、多価アルコール、リン酸およびそ
の塩、アミノナフトールスルホン酸およびその塩、トリ
エタノールアミンなどがあげられるが、本発明は、かか
る例示のみに限定されるものではない。なお、前記金属
イオン封鎖剤は、単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。
【0081】前記アミノカルボン酸およびその塩の具体
例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、エチレ
ンジアミン二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−ヒドロキシエ
チレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、ジエチレン
トリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、テ
トラエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミ
ノ二酢酸、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシ
ン、イミノ二酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサン
ジアミン四酢酸、これらのアルカリ金属または低級アミ
ン塩などがあげられる。
【0082】前記ホスホン酸およびその塩の具体例とし
ては、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレ
ントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらの
アルカリ金属または低級アミン塩などがあげられる。
【0083】前記オキシカルボン酸およびその塩の具体
例としては、例えば、グリオキシル酸、グリコール酸、
乳酸、グルコン酸、タートロン酸、リンゴ酸、酒石酸、
クエン酸、ムチン酸、これらのアルカリ金属または低級
アミン塩などがあげられる。
【0084】前記多価カルボン酸およびその塩の具体例
としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイ
ン酸、ジグリコール酸、L-アスパラギン酸、これらのア
ルカリ金属または低級アミン塩などがあげられる。
【0085】前記芳香族カルボン酸およびその塩の具体
例としては、例えば、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、
2,5−ジヒドロキシ安息香酸、α−レゾルシン酸、β
−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、プロトカテク酸、
没食子酸、タンニン酸、3,5−ジニトロサリチル酸、
サリチル酸、これらのアルカリ金属または低級アミン塩
などがあげられる。
【0086】前記ヒドロキシベンゼンの具体例として
は、例えば、2−ヒドロキシフェノール、3−ヒドロキ
シフェノール、2,3−ジヒドロキシフェノール(ピロ
ガロール)、3,5−ジヒドロキシフェノール、ヘキサ
ヒドロキシシクロヘキサン、アミノナフトールなどがあ
げられる。
【0087】前記多価アルコールの具体例としては、例
えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、ズルシト
ール、D−アラビノース、キシリトール、グルコノラク
トン、D−マンノース、D−ガラクトース、トレイトー
ルなどがあげられる。
【0088】前記リン酸およびその塩の具体例として
は、例えば、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリ
ウム、ポリリン酸カリウムなどがあげられる。
【0089】前記金属イオン封鎖剤の洗浄剤組成物中に
おける含有量は、特に限定されるものではないが、洗浄
性や、前記アルカリ剤、界面活性剤、カルシウムイオン
放出性物質および水の相溶性の観点から、0.01重量
%以上であり、0.1重量%以上であることが好まし
く、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.
5重量%以上であることが特に好ましく、1.5重量%
であることが最も好ましい。また、ガラス腐食防止効果
および洗浄時における取り扱いの容易性の観点から、前
記金属イオン封鎖剤の洗浄剤組成物中における含有量
は、20重量%以下であり、10重量%以下であること
が好ましく、8重量%以下であることが特に好ましく、
5重量%以下であることが最も好ましい。
【0090】本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲内で、必要に応じて、通常洗浄剤に用
いられる、防腐剤、防錆剤、シリコーンなどの消泡剤、
酸化防止剤、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジルなどのエ
ステル、炭化水素系溶剤、アルコール類などの添加剤を
適宜含有させることができる。
【0091】本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ剤、界
面活性剤、カルシウムイオン放出性物質および水、必要
により、金属イオン封鎖剤、添加剤などを常法により混
合することによって製造することができる。
【0092】本発明の洗浄剤組成物を用いてプラスチッ
クレンズ成形ガラス型表面に付着したプラスチックレン
ズ成形用原料、未反応モノマー、オリゴマー、ポリマ
ー、ガスケットからブリードアウトした成分や可塑剤、
接着剤、鋳型固定用テープ由来の粘着剤などの高分子量
で樹脂状の汚れを洗浄する方法としては特に限定がない
が、例えば、本発明の洗浄剤組成物を用いて浸漬法、浸
漬揺動法、超音波洗浄法、液中噴流法、スプレー法、手
拭き法などの各種の洗浄方法によって洗浄したのち、溶
剤、温水、常温の水などでリンスするなどの方法を連続
的に行う方法などが、効率の良い洗浄方法として挙げら
れる。また、すすぎ水としては、表面の汚染物を除去し
うるものであれば特に限定されないが、例えば、超純
水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水などが
リンス性の面から好ましい。
【0093】かくして得られる本発明のプラスチックレ
ンズ成形ガラス型用洗浄剤組成物は、種々の樹脂状の汚
れに対して優れた洗浄性を有し、しかも成形ガラス型を
腐食させない性質を有する洗浄剤組成物である。また、
本発明のプラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成
物は、人体に対する安全性の高い組成であるため、洗浄
時において、人体に対する安全性が高いという優れた性
質を発現する。
【0094】次に、本発明のプラスチックレンズ成形ガ
ラス型の洗浄方法について説明する。
【0095】本発明の洗浄方法は、(A)プラスチック
レンズ成形ガラス型を、前記洗浄剤組成物を用いて洗浄
し、(B)洗浄された成形ガラス型を、すすぎ水ですす
ぐことを特徴とする。
【0096】本発明の洗浄方法において、前記洗浄剤組
成物が用いられているので、高分子量の樹脂状汚れに対
する洗浄性および洗浄時における人体に対する安全性に
優れ、成形ガラス型を腐食させずに種々の樹脂状汚れを
洗浄することができる。
【0097】前記工程(A)は、前記洗浄剤組成物を用
いてプラスチックレンズ成形ガラス型を洗浄する工程で
ある。
【0098】前記洗浄剤組成物を用いてプラスチックレ
ンズ成形ガラス型を洗浄する方法は、特に限定がなく、
通常用いられている公知の方法を使用することができ
る。かかる洗浄方法としては、例えば、浸漬法、浸漬揺
動法、超音波洗浄法、スプレー法、手拭き法などの洗浄
方法があげられる。また、洗浄剤組成物の温度、洗浄時
間などの洗浄条件は、特に限定されるものではない。
【0099】前記工程(B)は、前記工程(A)で洗浄
された成形ガラス型をすすぎ水ですすぐ工程である。
【0100】前記工程(B)においては、本発明の洗浄
剤組成物で洗浄された成形ガラス型を、容易に、しかも
短時間ですすぐことができる。
【0101】前記すすぎ水としては、成形ガラス型表面
に残留する汚染物を除去することができるものであれば
特に限定がないが、例えば、超純水、純水、イオン交換
水、蒸留水、水道水などがすすぎの容易性の観点から好
ましい。また、すすぎ方法にも特に限定されるものでは
なく、工程(A)の洗浄方法と同様の方法を用いること
ができる。また、すすぎ条件にも特に限定がない。
【0102】本発明のプラスチックレンズ成形ガラス型
用洗浄剤組成物を用いた洗浄方法は、樹脂状汚れなどの
分解および溶解を引き起こす成分と樹脂状汚れなどの剥
離を引き起こす成分とが同時に洗浄剤組成物に含まれて
いるため、1つの洗浄槽を用いて、樹脂状汚れなどの洗
浄を行うことができるという簡便な洗浄方法である。
【0103】また、本発明のプラスチックレンズ成形ガ
ラス型用洗浄剤組成物を用いた洗浄方法は、人体に対す
る安全性が高い洗浄剤組成物を使用しているため、洗浄
時において人体に対する安全性が高いという優れた効果
が発現される。
【0104】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は、かかる実施例によりなんら制限さ
れるものではない。
【0105】製造例1 〔セスキ(POE)1 エチルリン酸エステルナトリウム
の製造〕エチレングリコールモノエチルエーテル90重
量部を反応釜に仕込み、45℃にて五酸化リン47重量
部を徐々に添加した。添加終了後、45〜50℃で3時
間撹拌した。水酸化ナトリウム(フレーク)40重量部
を水88重量部に溶解させた別釜に徐々に加え、40℃
以下で中和し、セスキ(POE)1 エチルリン酸エステ
ルナトリウムを得た。
【0106】製造例2 〔テストピースの製造〕 (1)ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
(ADC)樹脂状汚れの調製 直径20mm、最大深さ2mmの時計皿状のくぼみを3
個有する、ガラス製の4.7mm×75.4mm×2
6.0mmの3穴ホールスライドガラス((株)井内盛
栄堂製)を用意した。モノマーとしてADC(PPG社
製、商品名:CR−39モノマー)100重量部と、重
合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト〔日本油脂(株)製、商品名:パーロイルIPP−2
7(CR)〕11重量部とを、低温(−10〜10℃)
で均一な組成となるように攪拌して混合物を得た。得ら
れた混合物を、水平に保った前記スライドガラスのくぼ
みに、スライドガラス上面と同じ表面高さとなるよう
に、各々0.22mLずつ注入し、3穴ホールスライド
ガラス1枚あたりの樹脂の注入量を0.66mLとし、
均一な形状の重合物を得た。
【0107】この3穴ホールスライドガラスをステンレ
ス鋼製の蓋付きトレーに入れ、内部を窒素ガスに置換し
た後、完全に密閉した。その後、40℃で2時間、60
℃で2時間、さらに80℃で18時間加熱することによ
って重合、固形化させて、ADC樹脂状汚れに対する洗
浄性試験用のテストピースを得た。
【0108】(2)ウレタン樹脂状汚れの調製 4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)
〔日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:ミリオネー
トMT〕100重量部とグリセリン〔花王(株)製、精
製グリセリン〕36.8重量部とを40℃、減圧下で混
合した(4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネ
ート)とグリセリンとのモル比=1:1)。この混合物
0.5mLを直径100mm、最大深さ10mmのガラ
ス製時計皿(コーニング社製)の中心部分に、混合物を
水平になるように入れ、均一な真円状の重合物が得られ
るようにした。さらに、この時計皿を蓋付きトレーに入
れ、乾燥剤を通した窒素ガスで置換した後、完全に密閉
した。120℃で2時間加熱後、さらに180℃で5時
間加熱することによって重合、固形化させて、ウレタン
樹脂状汚れに対する洗浄性試験用のテストピースとし
た。
【0109】(3)ガラス腐食性試験用テストピースの
製造 1.1mm×76.0mm×26.0mmのアルカリ珪
酸ガラス(組成:70%SiO2 、12%Na2 O、
6.5%CaO、4%K2 O、4%ZnO、1%Mg
O、1%BaO、1%Al2 3 、0.5%TiO2
製のスライドガラス〔松浪硝子工業(株)製、商品名:
S−1112〕を、400〜410℃に保持した硝酸カ
リウム溶融塩中に、24時間浸漬した。その後、ゆっく
りと室温まで冷却し、流水にて、硝酸カリウムを洗い流
した。よく水を切って、風乾後、ガラス腐食試験用化学
強化ガラステストピースとした。
【0110】実施例1〜24および比較例1〜13 表1〜表8に示す組成(組成比単位は重量%)の各種洗
浄剤組成物を調製し、これらの洗浄剤組成物を用いて、
前記ADC樹脂状汚れおよびウレタン樹脂状汚れに対す
る洗浄性試験およびガラス腐食性試験を行った。
【0111】実施例1〜24の各種洗浄剤組成物の組成
を表1〜5に、比較例1〜13の各種洗浄剤組成物の組
成を表6〜8に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
【表7】
【0119】
【表8】
【0120】洗浄性試験とガラス腐食性試験の方法およ
びその評価基準を以下に示す。 〔洗浄性試験〕前記ADC樹脂状汚れとウレタン樹脂状
汚れに対する洗浄性試験用のテストピースを、60℃に
保持した洗浄剤組成物に浸漬し、39kHz、200W
の超音波洗浄装置(シャープ(株)製、商品名:SIL
ENTSONIC UT−204)で100秒間洗浄す
る。
【0121】次いで、30℃のイオン交換水に浸漬し、
洗浄と同様の超音波洗浄装置で50秒間リンスする(第
1リンス)。さらに、同じく、30℃のイオン交換水に
浸漬し、超音波洗浄装置で50秒間仕上げリンスする
(第2リンス)。その後、50秒間エアーブローし、送
風定温乾燥機((株)東洋製作所製、商品名:FV−6
30)にて80℃、10分間乾燥する。
【0122】なお、比較例9および10では、塩化メチ
レンを配合した洗浄剤組成物として、1つの槽で洗浄温
度35℃(沸点:40.2℃)で、100秒間同様に洗
浄する。その後、塩化メチレン(室温)に浸漬し、上記
の超音波洗浄装置を用いて50秒間のリンスし(第1リ
ンス)、さらに、30℃のイオン交換水に浸漬し、超音
波洗浄装置で50秒間仕上げリンスする(第2リン
ス)。その後、50秒間エアーブローし、送風定温乾燥
機((株)東洋製作所製、商品名:FV−630)にて
80℃、10分間乾燥する。
【0123】各洗浄剤組成物について、上記の条件で、
ADC樹脂状汚れとウレタン樹脂状汚れに対する洗浄性
試験用のテストピース各々5枚を洗浄し、それぞれ計5
個の樹脂状汚れに対する洗浄率を、洗浄前後のテストピ
ースの重量の変化より求め、これら平均値をとって、洗
浄率(%)とする。
【0124】〔ガラス腐食性試験〕前記のガラス腐食性
試験用化学強化ガラステストピースを、各々80℃に保
った洗浄剤組成物に24時間浸漬する。洗浄剤組成物か
ら取り出したテストピースを、清浄なイオン交換水にて
十分にすすいだ後、1分間エアーブローし、室内にて風
乾させる。
【0125】なお、比較例9および10では、ガラス腐
食試験用化学強化ガラステストピースを、各々35℃に
保った塩化メチレンを配合した洗浄剤組成物に24時間
浸漬した。洗浄剤組成物から取り出したテストピース
を、清浄なイオン交換水にて十分に掛け濯いした後、1
分間エアーブローし、室内にて風乾させる。
【0126】ガラス腐食性試験は、重量減少率(%)お
よび目視判定により行った。
【0127】重量減少率は、各洗浄剤組成物について、
上記の条件で、5枚のテストピースを処理し、ガラス腐
食によって溶解し、重量が現象した割合を、処理前後の
テストピースの重量変化より求め、その平均値をとるこ
とにより算出する。また、目視判定は、同様の条件で、
5枚のテストピースを処理し、処理後のガラス表面の状
態を目視にて判定した。その際の判定基準は以下の通り
である。
【0128】〔目視判定の判定基準〕 ◎:変化なし ○:ごくわずかに、部分的に白色化 △:部分的に白色化 ×:全体的に白色化 以上の結果を表9〜13に示す。
【0129】
【表9】
【0130】
【表10】
【0131】
【表11】
【0132】
【表12】
【0133】
【表13】
【0134】表9〜12に示された結果から、実施例1
〜24で得られた洗浄剤組成物は、比較例1〜8の洗浄
剤組成物と比べ、ADC樹脂状汚れおよびウレタン樹脂
状汚れに対する洗浄率、ならびにガラス腐食性試験に対
する評価のいずれにおいても優れたものであることがわ
かる。
【0135】さらに、表9〜11および表13に示され
た結果から、従来の比較例9〜10の洗浄剤組成物と比
べて、実施例1〜24で得られた洗浄剤組成物は、いず
れもADC樹脂状汚れおよびウレタン樹脂状汚れに対す
る洗浄率、ならびにガラス腐食性試験に対する評価のい
ずれにおいても優れたものであることがわかる。
【0136】したがって、実施例1〜24における洗浄
方法は、本発明の洗浄剤組成物を用いた方法なので、従
来の洗浄方法と比べて、ガラスの品質を損なうことなく
優れた洗浄力を発現することがわかる。
【0137】
【発明の効果】本発明のプラスチックレンズ成形ガラス
型用洗浄剤組成物は、種々の樹脂状汚れに対しても優れ
た洗浄性を有し、かつガラスを腐食しないという優れた
性質を発現するものである。また、本発明の洗浄剤組成
物は、人体に対する安全性が高いものであるため、洗浄
時において人体に対する安全性が高いという優れた性質
を発現する。
【0138】また、本発明の洗浄方法によれば、樹脂状
汚れなどの分解および溶解を引き起こす成分と樹脂状汚
れなどの剥離を引き起こす成分が同時に含まれている洗
浄剤組成物が用いられているので、1つの洗浄槽を用い
て、樹脂状汚れなどを簡便に洗浄することができるとい
う優れた効果が奏される。また、本発明の洗浄方法で使
用されている洗浄剤組成物は、人体に対する安全性が高
いものであるため、本発明の洗浄方法は、洗浄時におい
て、人体に対する安全性が高いという優れた効果が奏さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 17/08 C11D 3/04 C11D 3/20 B29D 11/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルカリ剤0.5〜40重量%、
    (b)スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、硫酸エステ
    ル塩型アニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオ
    ン界面活性剤、芳香族四級アンモニウム塩型カチオン界
    面活性剤および平均HLB(親水性親油性バランス)が
    4〜18の非イオン界面活性剤からなる群より選ばれた
    少なくとも1種の界面活性剤0.25〜20重量%、な
    らびに(c)カルシウムイオン放出性物質0.005〜
    15重量%〔カルシウムイオン換算〕を含有し、残部水
    からなるプラスチックレンズ成形ガラス型用洗浄剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 さらに、(e)金属イオン封鎖剤を含有
    してなる請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 アルカリ剤が、無機系アルカリ剤および
    有機系アルカリ剤からなる群より選ばれた少なくとも1
    種である請求項1または2記載の洗浄剤組成物。
  4. 【請求項4】 無機系アルカリ剤が、アルカリ金属水酸
    化物およびアルカリ金属弱酸塩からなる群より選ばれた
    少なくとも1種である請求項3記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 有機系アルカリ剤が、一級、二級および
    /または三級アミン性の窒素原子を1分子中に1〜5個
    有し、かつ分子量50〜10000を有するアミン系化
    合物ならびに水酸化第四級アンモニウム化合物からなる
    群より選ばれた少なくとも1種である請求項3または4
    記載の洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 カルシウムイオン放出性物質が、水酸化
    カルシウム、炭酸カルシウム、無機酸カルシウム塩、直
    鎖アルキルカルボン酸カルシウム、アルキレンカルボン
    酸カルシウム、芳香族カルボン酸カルシウム、オキシカ
    ルボン酸カルシウム、多価カルボン酸カルシウム、アミ
    ノカルボン酸カルシウム、有機硫酸カルシウム、有機ス
    ルホン酸カルシウムおよび有機リン酸カルシウムからな
    る群より選ばれた少なくとも1種である請求項1〜5い
    ずれか記載の洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 (A)プラスチックレンズ成形ガラス型
    を、請求項1〜6いずれか記載の洗浄剤組成物を用いて
    洗浄し、(B)洗浄された成形ガラス型を、すすぎ水で
    すすぐことを特徴とするプラスチックレンズ成形ガラス
    型の洗浄方法。
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