JPH11279590A - 電子部品用洗浄剤 - Google Patents

電子部品用洗浄剤

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JPH11279590A
JPH11279590A JP8733098A JP8733098A JPH11279590A JP H11279590 A JPH11279590 A JP H11279590A JP 8733098 A JP8733098 A JP 8733098A JP 8733098 A JP8733098 A JP 8733098A JP H11279590 A JPH11279590 A JP H11279590A
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acid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消泡性並びに洗浄性に優れる安価で安全な電
子部品用洗浄剤を提供する。 【解決手段】 モノエチレン性不飽和カルボン酸系単量
体を含むモノエチレン性不飽和単量体成分をポリエーテ
ル化合物にグラフト重合してなる水溶性グラフト重合体
を電子部品用洗浄剤の成分として用いる。上記電子部品
用洗浄剤は、シリコンウェハ等の半導体基板やリードフ
レーム等の電子部品の金属不純物や樹脂汚れの洗浄・除
去に特に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板やリー
ドフレーム等の電子部品の洗浄に好適に用いられる電子
部品用洗浄剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化等をはじめ
とする電子機器の複雑化に伴って、これら電子機器に用
いられる例えば半導体基板やリードフレーム等の電子部
品におけるパターンの微細化や複雑化、並びに、薄膜化
が進んでいる。
【0003】これら半導体基板やリードフレーム等の電
子部品の表面は非常に敏感であり、これら電子部品表面
が汚染されていると、これら電子部品における表面伝導
やその他のパラメータに影響を及ぼしたり、pn接合耐
圧の低下や膜剥がれ等を招来する。このため、これら電
子部品表面の汚染は、これら電子部品の寿命を速めると
共に、信頼性の低下につながる。従って、これら電子部
品の製造工程において、これら電子部品に付着した汚染
物を除去するための洗浄工程は必要不可欠であり、これ
ら電子部品表面の汚染物を除去することにより、これら
電子部品の特性の安定性、再現性を著しく改善すること
ができる。
【0004】これら電子部品表面の汚染としては、例え
ば、ワックス、レジン、フォトレジスト等の樹脂あるい
は未反応モノマーによるいわゆる樹脂汚れや、配線やメ
ッキ等に用いられる銅やニッケル等の金属の(微)粒子
および金属イオン並びに金属不純物等の付着が挙げられ
る。
【0005】従来、シリコンウェハ上の(微)粒子や金
属不純物等の分解除去に用いられる洗浄剤としては、ア
ンモニア水に他の薬品を添加してなる水溶液が多用さ
れ、そのなかでも、アンモニア水と過酸化水素と水とを
混合したいわゆるSC−1洗浄液が一般的に用いられて
いる。
【0006】しかしながら、パターンの微細化や複雑
化、並びに、薄膜化等が進む近年の電子部品の洗浄事情
において、上記SC−1洗浄液は、電子部品表面に付着
した(微)粒子等の汚染物除去能力が不充分であり、し
かも、金属不純物をシリコンウェハ表面に吸着させ易
く、シリコン基板に対してエッチング作用を有するとい
う問題点を有している。
【0007】そこで、上記の問題点を解決すべく、シリ
コンウェハ洗浄用の組成物として、特定のフッ素系界面
活性剤と二つ以上のホスホン酸基を有する化合物とアン
モニアとを含有してなる洗浄剤組成物(特開平9−28
6999号公報)や、アルカリ性水溶液または酸性水溶
液に特定の酸化剤を添加してなる洗浄剤組成物(特開平
9−279189号公報)が提案されている。
【0008】一方、半導体基板やリードフレーム等の樹
脂汚れに用いられる洗浄剤としては、水酸化ナトリウム
や水酸化カリウムを主成分とするアルカリ洗浄剤や塩化
メチレン等が多用されている。さらに、近年では、この
ような樹脂汚れの洗浄に関し、特定の芳香族単環化合
物、グリコールエーテル化合物、およびエチレングリコ
ール系化合物を含む洗浄剤組成物(I)で樹脂汚れを崩
壊・溶解し、特定の芳香族化合物、金属封止剤、アルカ
リ金属水酸化物、および水を含む洗浄剤組成物(II)で
樹脂汚れを剥離する方法(特開平9−263792号公
報)が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り樹脂汚れの洗浄剤として用いられている水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウムを主成分とするアルカリ洗浄剤は
洗浄力が不充分であり、樹脂汚れを完全に除去するには
手間と時間とが必要であるという問題点を有している。
さらに、塩化メチレンは、発癌性が問われており、排水
や大気中への漏洩に対して厳しく規制されていると共
に、その使用の削減あるいは禁止が求められている。
【0010】また、特開平9−263792号公報に記
載の洗浄剤組成物(I)・(II)は、各々単独では洗浄
性が充分ではなく、互いに混合して用いるか、あるい
は、洗浄剤組成物(I)で洗浄した後、さらに洗浄剤組
成物(II)で洗浄する必要がある。このため、洗浄剤組
成物の調製が複雑化したり、洗浄に時間を要するため、
洗浄にかかる費用が増加し、経済的ではない。
【0011】さらに、シリコンウェハ等の半導体基板の
洗浄に用いられる特開平9−279189号公報に記載
の洗浄剤組成物は、アルカリ性水溶液または酸性水溶液
の調製に、アンモニア、フッ化水素、(濃)塩酸、また
は(濃)硫酸等を用いており、毒性や刺激性が強く、取
り扱いには注意を要する。
【0012】また、本願発明者等が検討した結果、特開
平9−286999号公報に記載の洗浄剤組成物は、添
加した界面活性剤の作用により生じる気泡の消泡性が未
だ充分ではなく、しかも、シリコンウェハ表面に付着し
た粒子の除去能力についても満足し得るものではないこ
とが判った。
【0013】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、消泡性並びに洗浄性に優れ
る安価で安全な電子部品用洗浄剤を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸系単量体を含むモノエチレン性不
飽和単量体成分をポリエーテル化合物にグラフト重合し
てなる水溶性グラフト重合体を含む洗浄剤が、消泡性、
洗浄性、安全性に優れ、かつ安価であり、電子部品の洗
浄に好適であることを見い出して本発明を完成させるに
至った。
【0015】即ち、請求項1記載の発明の電子部品用洗
浄剤は、上記の課題を解決するために、モノエチレン性
不飽和カルボン酸系単量体を含むモノエチレン性不飽和
単量体成分をポリエーテル化合物にグラフト重合してな
る水溶性グラフト重合体を含むことを特徴としている。
【0016】上記水溶性グラフト重合体は、多価金属イ
オンのキレート化能並びに分散能に優れ、洗浄液、即
ち、被洗浄物の洗浄時における電子部品用洗浄剤中の多
価金属イオンをキレートし、被洗浄物への多価金属イオ
ンの(再)付着を抑えることができると共に、被洗浄物
から剥離した樹脂や(微)粒子等の汚染物の被洗浄物へ
の再付着を抑制することができる。また、上記水溶性グ
ラフト重合体は、泡立ちが少なく、しかも、消泡性に優
れている。
【0017】さらに、上記の水溶性グラフト重合体は、
製造にかかる費用が安価であり、かつ、上記水溶性グラ
フト重合体を含む電子部品用洗浄剤が、低泡性、消泡
性、洗浄性に優れることから、作業性にも優れ、洗浄時
間や洗浄回数、すすぎ水の量等を削減することができ、
この結果、洗浄にかかる費用を低減させることができ
る。また、上記の水溶性グラフト重合体は、残存する単
量体量が少なく、ほとんど毒性がない。しかも、上記の
水溶性グラフト重合体は、洗浄性を向上させることがで
きるため、より穏和な条件で洗浄を行うことができる。
従って、上記の構成によれば、消泡性並びに洗浄性に優
れる安価で安全な電子部品用洗浄剤を提供することがで
きる。
【0018】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる上記水溶性グラフト重合体は、ポリエーテル化合
物(A)に、モノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体
を必須成分として含むモノエチレン性不飽和単量体成分
(B)をグラフト重合してなる。
【0019】本発明において、上記水溶性グラフト重合
体の原料として用いられる上記のポリエーテル化合物
(A)は、特に限定されるものではないが、好ましく
は、エチレンオキサイドを主な構成単位として含む数平
均分子量100以上の化合物であり、より好ましくは、
エチレンオキサイドを80モル%以上、構成単位として
含む化合物である。
【0020】上記のポリエーテル化合物(A)は、例え
ば、エチレンオキサイドおよび該エチレンオキサイドと
共重合可能なアルキレンオキサイド(以下、その他のア
ルキレンオキサイドと記す)を水またはアルコールを開
始点として公知の方法で重合することにより、容易に得
ることができる。
【0021】上記その他のアルキレンオキサイドとして
は、特に限定されるものではないが、プロピレンオキサ
イドまたはブチレンオキサイドが好ましい。
【0022】上記ポリエーテル化合物(A)におけるエ
チレンオキサイドからなる構成単位とその他のアルキレ
ンオキサイドからなる構成単位の割合、即ち、上記ポリ
エーテル化合物(A)を製造する際のエチレンオキサイ
ドと、その他のアルキレンオキサイドとの使用割合は、
エチレンオキサイドが全体の80モル%以上、上記その
他のアルキレンオキサイドの量が全体として20モル%
未満とすることが好ましい。上記その他のアルキレンオ
キサイドの量が20モル%以上であれば、該ポリエーテ
ル化合物(A)を用いて得られる水溶性グラフト重合体
のグラフト率が低下する虞れがある。
【0023】また、上記ポリエーテル化合物(A)を得
るためのアルコールとしては、具体的には、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール等の炭素数1〜22の1級または2級アルコール;
イソプロパノール、2−ブタノール等の炭素数3〜18
の2級アルコール;t−ブタノール等の3級アルコー
ル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
パンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール
等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン
等のトリオール類;ソルビトール等のポリオール類;フ
ェノール、ナフトール等の芳香族アルコール類;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
【0024】このようにして得られた上記ポリエーテル
化合物(A)の数平均分子量は100以上であることが
好ましく、500以上であることがより好ましい。ま
た、上記ポリエーテル化合物(A)の数平均分子量の上
限は、特に限定されるものではないが、好ましくは2
0,000以下であり、ポリエーテル化合物(A)が2
つ以上の水酸基を有する場合には、6,000以下であ
ることが好ましい。上記ポリエーテル化合物(A)の数
平均分子量が100未満の場合には、グラフト重合に関
与しないポリエーテル化合物(A)が多くなる。また、
数平均分子量が20,000を越えると、耐ゲル化性能
が低下し、多価金属イオンキレート能が低下する虞れが
ある。
【0025】尚、上記ポリエーテル化合物(A)として
は、全ての末端または一部の末端の水酸基を炭素数2〜
22の脂肪酸、コハク酸、無水コハク酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、アジピン酸等のジカルボン酸でエステ
ル化したものも含まれる。
【0026】また、上記水溶性グラフト重合体の原料の
うち、上記のモノエチレン性不飽和単量体成分(B)
は、モノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体を必須成
分として含むものである。
【0027】本発明において、上記モノエチレン性不飽
和カルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸が
特に好ましく、上記モノエチレン性不飽和単量体成分
(B)中には、(メタ)アクリル酸が、40モル%〜1
00モル%の範囲内で含まれることが好ましい。
【0028】また、本発明において、上記ポリエーテル
化合物(A)に対するモノエチレン性不飽和単量体成分
(B)のグラフト率としては、ポリエーテル化合物
(A)100重量%に対してモノエチレン性不飽和単量
体成分(B)が25重量%以上グラフト重合されている
ことが好ましく、モノエチレン性不飽和単量体成分
(B)のなかでも、モノエチレン性不飽和カルボン酸系
単量体として、(メタ)アクリル酸が、ポリエーテル化
合物(A)100重量%に対して20重量%以上グラフ
ト重合されていることがより好ましい。上記ポリエーテ
ル化合物(A)に対するモノエチレン性不飽和単量体成
分(B)の割合が25重量%未満であれば、得られる水
溶性グラフト重合体のカルボン酸密度が少なくなり、各
種性能、例えば、多価金属イオンキレート能、分散能等
が満足されないので好ましくない。また、モノエチレン
性不飽和単量体成分(B)の使用量が100重量%以上
の場合には、得られる水溶性グラフト重合体のカルボン
酸量(カルボン酸密度)が高くなりすぎ、多価金属イオ
ンにより、得られる水溶性グラフト重合体がゲル化し易
くなる。
【0029】上記(メタ)アクリル酸と共重合可能なモ
ノエチレン性不飽和単量体、即ち、上記(メタ)アクリ
ル酸以外のモノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体並
びにこれらモノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体以
外のモノエチレン性不飽和単量体(以下、これらをまと
めてその他のモノエチレン性不飽和単量体と記す)とし
ては、特に限定されるものではないが、上記(メタ)ア
クリル酸以外のモノエチレン性不飽和カルボン酸系単量
体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸等が挙げら
れる。また、これらモノエチレン性不飽和カルボン酸系
単量体以外のモノエチレン性不飽和単量体としては、具
体的には、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル等のマレイン酸のアルキルエステル類;フマル酸
ジメチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸のアルキルエ
ステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステ
アリル(メア)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート;ハイドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のハイド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル等の
酢酸アルケニルエステル類;スチレン等の芳香族ビニル
類;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイ
ン、(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。これらその他のモノ
エチレン性不飽和単量体は、一種類のみを用いてもよ
く、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。これらそ
の他のモノエチレン性不飽和単量体のなかでも、得られ
る水溶性グラフト重合体のカルボン酸密度や分散能を高
める点から、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸を
上記(メタ)アクリル酸と共用することが好ましい。
【0030】上記モノエチレン性不飽和単量体成分
(B)における(メタ)アクリル酸と共重合可能なその
他のモノエチレン性不飽和単量体との割合は、水溶性グ
ラフト重合体へのカルボン酸の導入率や残存単量体量か
ら、(メタ)アクリル酸40モル%〜100モル%に対
し、その他のモノエチレン性不飽和単量体0モル%〜6
0モル%の範囲内(但し、両者の合計は100モル%と
する)であることが好ましく、マレイン酸を20モル%
〜50モル%の範囲内で使用することがより好ましく、
30モル%〜45モル%の範囲内で使用することが最も
好ましい。
【0031】そして、上記モノエチレン性不飽和単量体
成分(B)が、その他のモノエチレン性不飽和単量体の
なかでも、モノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体以
外のモノエチレン性不飽和単量体を含む場合には、該不
飽和カルボン酸系単量体以外のモノエチレン性不飽和単
量体(即ち、カルボキシル基を持たないモノエチレン性
不飽和単量体)の含有量は、20モル%以下であること
が好ましい。上記不飽和カルボン酸系単量体以外のモノ
エチレン性不飽和単量体の含有量が20モル%を超える
と、得られる水溶性グラフト重合体へのカルボン酸の導
入率が低下し、残存する単量体量が多くなると共に、カ
ルボン酸密度が低くなり、多価金属イオンキレート能、
分散能等が満足されないので好ましくない。
【0032】尚、上記その他のモノエチレン性不飽和単
量体として(メタ)アクリル酸以外のモノエチレン性不
飽和カルボン酸系単量体を用いる場合には、(メタ)ア
クリル酸の含有量が40モル%未満であっても、得られ
る水溶性グラフト重合体のカルボン酸密度は低下しな
い。しかしながら、この場合には、(メタ)アクリル酸
の含有量が40モル%未満であれば、マレイン酸、フマ
ル酸、無水マレイン酸等の上記水溶性グラフト重合体へ
の導入率が低下し、残存する単量体量が多くなる傾向に
ある。
【0033】本発明において、上記ポリエーテル化合物
(A)とモノエチレン性不飽和単量体成分(B)とのグ
ラフト重合は、重合開始剤の存在下、実質的に触媒並び
に溶媒を用いずに行われる。
【0034】上記ポリエーテル化合物(A)とモノエチ
レン性不飽和単量体成分(B)とを、水、あるいは、ア
ルコール、トルエン等の有機溶媒の存在下にてグラフト
重合した場合、ポリエーテル化合物(A)へのモノエチ
レン性不飽和単量体(B)のグラフト効率が低下するた
め好ましくない。従って、重合開始剤やモノエチレン性
不飽和単量体成分(B)の添加のために溶媒を使用する
場合には、その量を極力少なくすることが好ましい。具
体的には、重合反応系の全量に対して5重量%以下の量
とするか、溶媒添加後、重合反応系から直ちに留去する
ことが好ましい。
【0035】上記の重合開始剤としては、公知のラジカ
ル重合開始剤を用いることができるが、そのなかでも有
機過酸化物が特に好ましい。本発明においてラジカル重
合開始剤として用いることができる上記の有機過酸化物
としては、具体的には、例えば、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケ
トンパーオキサイド類;t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイド
ロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5
−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパー
オキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p−ジイソプ
ロピルベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)p−ジイソプロピルヘキシン等のジアルキルパーオ
キサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブ
チルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカー
ボネート等のパーオキシエステル類;n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシ
ケタール類;ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシル
パーオキサイド類;等が挙げられる。
【0036】これら重合開始剤の使用量は特に限定され
るものではないが、モノエチレン性不飽和単量体成分
(B)に対して、0.1重量%〜15重量%の割合で使
用することが好ましく、0.5重量%〜10重量%の割
合で使用することがさらに好ましい。重合開始剤の使用
量が上記の範囲を逸脱する場合には、ポリエーテル化合
物(A)に対するモノエチレン性不飽和単量体成分
(B)のグラフト重合効率が低下する。尚、重合開始剤
は、予めポリエーテル化合物(A)に添加しておいても
よいし、モノエチレン性不飽和単量体成分(B)と同時
に添加してもよい。
【0037】また、重合温度は100℃以上であり、好
ましくは110℃〜160℃の範囲内であり、より好ま
しくは110℃〜140℃の範囲内である。重合温度が
100℃よりも低ければ、ポリエーテル化合物(A)へ
のモノエチレン性不飽和単量体成分(B)のグラフト効
率が低下する。一方、重合温度が160℃を超えると、
ポリエーテル化合物(A)および得られる水溶性グラフ
ト重合体が熱分解する虞れがある。
【0038】本発明において、上記グラフト重合を行う
際には、上記ポリエーテル化合物(A)の一部、または
全量を初期に仕込んでおくことが好ましい。また、モノ
エチレン性不飽和単量体成分(B)において、前記その
他のモノエチレン性不飽和単量体としてマレイン酸、フ
マル酸、無水マレイン酸等のモノエチレン性不飽和カル
ボン酸系単量体を用いる場合には、これらその他のモノ
エチレン性不飽和単量体の半量以上を予めポリエーテル
化合物(A)とともに初期に仕込んで混合し、得られた
混合物を100℃以上になるまで加熱した後、この混合
物に残りのモノエチレン性不飽和単量体成分(B)と重
合開始剤とを各々別々に添加してグラフト重合する方法
が特に好ましい。上記モノエチレン性不飽和単量体成分
(B)と重合開始剤とを各々別々に添加する方法として
は、例えば、滴下装置を用いて、上記モノエチレン性不
飽和単量体成分(B)と重合開始剤とを同時に別々の滴
下装置から上記混合物に滴下する方法等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。
【0039】上記の方法を採用することにより、マレイ
ン酸、フマル酸、無水マレイン酸等のモノエチレン性不
飽和カルボン酸系単量体の水溶性グラフト重合体への導
入率を大幅に向上させることができる。尚、ポリエーテ
ル化合物(A)の一部を初期に仕込む場合には、残りの
ポリエーテル化合物(A)は、重合開始剤またはモノエ
チレン性不飽和単量体成分(B)と混合して添加しても
よい。
【0040】このようにして得られた水溶性グラフト重
合体は、ポリエチレングリコール鎖にグラフトしたモノ
エチレン性カルボン酸系単量体によるカルボキシル基を
多数有するポリアニオン構造であり、泡が立ちにくく、
また、消泡性にも優れている。
【0041】上記水溶性グラフト重合体は、水に対する
溶解度が1%以上の重合体である。上記水溶性グラフト
重合体は、そのまま用いてもよく、上記グラフト重合反
応終了後、塩基性化合物を添加して中和することによ
り、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等の1価金属
塩;カルシウム塩等の2価金属塩;アルミニウム塩等の
3価金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;等の塩
にして用いてもよく、重合前に部分中和または完全中和
して用いてもよい。上記塩基性化合物を添加する際に用
いられる溶媒としては水が好ましいが、特に限定される
ものではない。
【0042】また、上記水溶性グラフト重合体の重量平
均分子量は、特に限定されるものではないが、500〜
50,000の範囲内であることが好ましい。上記の重
量平均分子量が500未満であれば、キレート力が低下
する結果、洗浄性が低下する傾向がある。一方、上記の
重量平均分子量が50,000を超えると、多価金属イ
オンにより該水溶性グラフト重合体がゲル化し易くな
り、洗浄性が低下する傾向がある。
【0043】本発明にかかる電子部品用洗浄剤(以下、
単に洗浄剤と記す)は、上記の水溶性グラフト重合体を
含んでなっている。上記洗浄剤による洗浄を適用するこ
とができる被洗浄物としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、シリコンウェハ等の半導体基板、リー
ドフレーム、液晶カラーフィルタ、磁気ヘッド等のセラ
ミック電子部品、プリント配線板等が挙げられる。ま
た、上記洗浄剤によって除去される汚染物としては、例
えば、ワックス、レジン、フォトレジスト等の樹脂およ
び未反応モノマーや、配線やメッキ等に用いられる銅や
ニッケル等の金属の(微)粒子および金属イオン並びに
金属不純物等が挙げられる。
【0044】本発明において、上記洗浄剤中に含まれる
上記水溶性グラフト重合体以外の成分としては、特に限
定されるものではなく、例えば、界面活性剤、ホスホン
酸系化合物、アンモニア、過酸化水素、アルカリ金属水
酸化物、金属封止剤等のなかから、被洗浄物や除去すべ
き汚染物の種類等に応じて適宜配合すればよい。
【0045】本発明にかかる上記の洗浄剤をシリコンウ
ェハ用の洗浄剤として用いる場合には、上記洗浄剤は、
上記水溶性グラフト重合体を必須成分とし、さらにアン
モニア、過酸化水素、水を含むことが好ましく、これら
アンモニア、過酸化水素、水に加えてさらにフッ素系界
面活性剤並びにホスホン酸系化合物を含むことがより好
ましい。
【0046】上記洗浄剤における上記水溶性グラフト重
合体の配合割合は、洗浄性の面から、0.5重量%〜6
0重量%の範囲内が好ましく、0.8重量%〜40重量
%の範囲内がより好ましく、1重量%〜30重量%の範
囲内が最も好ましい。
【0047】また、上記アンモニアの配合割合は、洗浄
性の面から、2重量%〜90重量%の範囲内が好まし
く、10重量%〜60重量%の範囲内がより好ましく、
20重量%〜50重量%の範囲内が最も好ましい。該ア
ンモニアとしては、市販のアンモニア水を、アンモニア
の配合量が上記の範囲内となるように適宜調整して用い
ることができる。
【0048】上記過酸化水素の配合割合は、洗浄性の面
から、0.5重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、
1重量%〜50重量%の範囲内がより好ましく、2重量
%〜30重量%の範囲内が最も好ましい。該過酸化水素
としては、市販の過酸化水素水を、過酸化水素の配合量
が上記の範囲内となるように適宜調整して用いることが
できる。
【0049】また、上記フッ素系界面活性剤としては、
フッ素系界面活性剤として市販されている公知の化合物
を用いることができる。該フッ素系界面活性剤として
は、例えば、クロロブチルスルホンアミド等のフルオロ
アルキルスルホンアミド型のフッ素系界面活性剤等が好
適である。これらフッ素系界面活性剤は、一種類のみを
用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いてもよ
い。これらフッ素系界面活性剤は、アンモニア水に溶解
して用いられる。
【0050】上記洗浄剤におけるフッ素系界面活性剤の
配合割合は、特に限定されるものではないが、0.1重
量%〜40重量%の範囲内が好ましく、0.2重量%〜
30重量%の範囲内がより好ましく、0.3重量%〜2
0重量%の範囲内が最も好ましい。上記の割合でフッ素
系界面活性剤を用いることにより、洗浄剤の洗浄性がよ
り一層向上され、洗剤剤のいわゆるコンパクト化を図る
ことができる。上記フッ素系界面活性剤の使用量が0.
1重量%未満であれば、界面活性剤としての性能が低下
する傾向にある。一方、該フッ素系界面活性剤の使用量
を40重量%よりも多くしても、フッ素系界面活性剤量
の増加に比例した、洗浄性能等のさらなる向上は望め
ず、添加したフッ素系界面活性剤の一部が無駄になり、
経済的に不利となるので好ましくない。
【0051】また、上記ホスホン酸系化合物としては、
具体的には、例えば、N,N,N',N’−エチレンジア
ミンテトラ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエ
チリデン−1、1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メ
チレンホスホン酸)、グリシン−N,N−ビスメチレン
ホスホン酸、フイチン酸、メチルジホスホン酸、エチリ
デンジホスホン酸、エチレンジアミンビス(メチレンホ
スホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホ
スホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレン
ホスホン酸)、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホ
スホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレン
ホスホン酸)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)、ヘキセンジアミンテトラキス(メ
チレンホスホン酸)、トランス−1,2−シクロヘキサ
ンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、トリアミノ
トリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、テト
ラエチレンペンタミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、
テトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン
酸)、エチルアミノビス(メチレンホスホン酸)、ドデ
シルアミノビス(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキ
シプロピリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキ
シブチリデン−1,1−ジホスホン酸等が挙げられる。
特に好ましくはN,N,N',N’−エチレンジアミンテ
トラ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1、1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレン
ホスホン酸)、グリシン−N,N−ビスメチレンホスホ
ン酸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これらホスホン酸系化合物は、一種類のみを用いてもよ
く、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。これらホ
スホン酸系化合物もアンモニア水に溶解して用いられ
る。
【0052】上記洗浄剤におけるホスホン酸系化合物の
配合割合は、特に限定されるものではないが、0.01
重量%〜20重量%の範囲内が好ましく、0.05重量
%〜10重量%の範囲内がより好ましく、0.1重量%
〜5重量%の範囲内が最も好ましい。上記の割合でホス
ホン酸系化合物を用いることにより、洗浄液中の過酸化
水素の分解をより一層抑制することができると共に、洗
浄剤の洗浄性をより一層向上させることができる。
【0053】また、上記電子写真用洗浄剤は、必要に応
じて、通常、シリコンウェハ用の洗浄剤中に含まれるそ
の他の添加物を、本発明にかかる効果を損なわない範囲
内で含んでいてもよい。
【0054】上記洗浄剤において、上記水溶性グラフト
重合体、アンモニア、過酸化水素、フッ素系界面活性
剤、ホスホン酸系化合物、その他の添加物等の各成分を
除く残部は水とする。また、上記洗浄剤に用いられるこ
れら成分は、その合計量が100重量部となるように用
いられる。上記洗浄剤中に含まれる水とは、超純水、純
水、イオン交換水、蒸留水、水道水等、上記洗浄剤の効
果を損なわないものであれば、特に限定されるものでは
ない。上記洗浄剤における水の配合割合は、5重量%〜
98重量%の範囲内が好ましく、10重量%〜90重量
%の範囲内がより好ましく、20重量%〜80重量%の
範囲内が最も好ましい。
【0055】また、本発明にかかる洗浄剤を半導体基板
やリードフレーム等の電子部品における樹脂汚れ用の洗
浄剤として用いる場合には、該洗浄剤は、上記水溶性グ
ラフト重合体を必須成分とし、さらにアルカリ金属水酸
化物および水を含むことが好ましい。また、上記洗浄剤
は、必要に応じて金属封止剤やその他の添加剤を含んで
いてもよい。
【0056】上記洗浄剤における上記水溶性グラフト重
合体の配合割合は、洗浄性の面から、0.2重量%〜6
0重量%の範囲内が好ましく、0.5重量%〜50重量
%の範囲内がより好ましく、0.8重量%〜40重量%
の範囲内が最も好ましい。
【0057】上記のアルカリ金属水酸化物としては、具
体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が挙げられ、特に水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが好適に使用される。これらアルカ
リ金属水酸化物は一種類のみを用いてもよく、適宜二種
類以上を混合して用いてもよい。
【0058】上記洗浄剤におけるアルカリ金属水酸化物
の配合割合は、洗浄性の面から、0.1重量%〜60重
量%の範囲内が好ましく、0.5重量%〜40重量%の
範囲内がより好ましく、3重量%〜30重量%の範囲内
が最も好ましい。上記アルカリ金属水酸化物の使用量が
0.1重量%未満であれば、洗浄性が低下する傾向にあ
る。一方、上記アルカリ金属水酸化物の使用量が60重
量%を越えると、得られる洗浄剤の均一性が阻害された
り、アルカリによる危険性が増加する場合があるので好
ましくない。
【0059】また、上記金属封止剤としては、具体的に
は、例えば、グルコン酸、タンニン酸、2,3−ジヒド
ロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,
3,4−トリヒドロキシ安息香酸、ポリ−α−ヒドロキ
シアクリル酸、グルクロン酸等のカルボン酸、および、
ヘプトン酸、2,3−ジヒドロキシフェノール、2−ヒ
ドロキシフェノール、D−ソルビット、D−マンニッ
ト、ズルシット、D−アラビット、キシリット、グルコ
ノラクトン、D−マンノース、D−ガラクト−ス、トレ
イトール、アミノナフトール、アミノナフトールスルホ
ン酸、並びに、これら例示の化合物とアルカリ金属等と
の塩類、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0060】上記金属封止剤は、一種類のみを用いても
よく、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。上記金
属封止剤のなかでも、グルコン酸、タンニン酸、3,4
−ジヒドロキシ安息香酸、2,3,4−トリヒドロキシ
安息香酸等のカルボン酸、および、2,3−ジヒドロキ
シフェノール、D−ソルビット、D−マンニット、グル
コノラクトン、D−ガラクトース、アミノナフトール、
アミノナフトールスルホン酸、並びに、これら例示の化
合物とアルカリ金属等との塩類、トリエタノールアミン
が、洗浄性、リンス性の観点から好ましい。
【0061】上記洗浄剤における上記金属封止剤の配合
割合は、0.01重量%〜20重量%の範囲内が好まし
く、0.1重量%〜10重量%の範囲内がより好まし
く、0.2重量%〜5重量%の範囲内が最も好ましい。
上記金属封止剤の使用量が0.01重量%未満であれ
ば、洗浄性が低下する傾向にある。一方、該金属封止剤
の使用量が20重量%を越えると、未溶解物が残留した
り、粘度が上昇して作業性が低下する虞れがある。
【0062】また、上記洗浄剤は、必要に応じて、通
常、樹脂汚れ用の洗浄剤中に含まれるその他の添加物
を、本発明にかかる効果を損なわない範囲内で含んでい
てもよい。上記その他の添加物としては、特に限定され
るものではないが、具体的には、例えば、キレート剤、
防腐剤、防錆剤、シリコーン等の消泡剤、酸化防止剤、
アミン系化合物、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジル等の
エステル、炭化水素系溶剤、アルコール等が挙げられ
る。また、上記キレート剤としては、通常、洗浄剤の成
分として用いられるヒドロキシエチルアミノ酢酸やヒド
ロキシエチルイミノ二酢酸およびエチレンジアミンテト
ラ酢酸等のアミノカルボン酸塩等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。
【0063】上記洗浄剤において、上記水溶性グラフト
重合体、アルカリ金属水酸化物、金属封止剤、その他の
添加物等の各成分を除く残部は水とする。また、上記洗
浄剤に用いられるこれら成分は、その合計量が100重
量部となるように用いられる。上記洗浄剤中に含まれる
水とは、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水
等、上記洗浄剤の効果を損なわないものであれば、特に
限定されるものではない。上記洗浄剤における水の配合
割合は、5重量%〜98重量%の範囲内が好ましく、1
0重量%〜90重量%の範囲内がより好ましく、20重
量%〜80重量%の範囲内が最も好ましい。
【0064】本発明において、これら洗浄剤を用いて電
子部品表面に付着した汚染物を洗浄、除去する方法とし
ては、特に限定されるものではないが、具体的には、例
えば、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー法
等、従来公知の種々の方法から選ばれる方法により洗浄
した後、溶剤または(温)水ですすぐ方法が挙げられ
る。上記のすすぎ水としては、電子部品表面の汚染物を
除去できるものであれば特に限定されないが、例えば超
純水、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水等がリンス
性の面から好ましい。
【0065】以上のように、本発明にかかる電子部品用
洗浄剤は、上記構成の水溶性グラフト重合体を含む構成
である。該水溶性グラフト重合体は、耐ゲル化性能や分
散能、多価金属イオンのキレート化能に特に優れてい
る。このため、シリコンウェハ等の半導体基板表面に付
着した(微)粒子や金属不純物等を分解除去すべく、該
水溶性グラフト重合体を、上述したように、例えばアン
モニア水並びに過酸化水素と併用した場合、上記洗浄剤
を用いた洗浄液中に含まれるかあるいか溶出する多価金
属イオンに由来する過酸化水素の無駄な分解を抑制し、
この過酸化水素の無駄な分解によって生じる酸素に由来
する発泡を抑えることができる。しかも、上記水溶性グ
ラフト重合体は、消泡性にも優れ、例えば界面活性剤と
併用した場合でも、泡立ちの低減が可能である。
【0066】さらに、上記水溶性グラフト重合体は、多
価金属イオンのキレート化能に優れることから、洗浄液
中の多価金属イオンをキレートし、被洗浄物への多価金
属イオンの(再)付着を抑えることができる。また、上
記水溶性グラフト重合体は、分散能にも優れ、一旦、被
洗浄物から剥離した汚染物の被洗浄物への再付着を抑制
することができる。従って、上記の構成によれば、消泡
性および洗浄性に優れる電子部品の洗浄に好適な洗浄剤
を提供することができる。
【0067】また、上記の水溶性グラフト重合体は、ポ
リエーテル化合物(A)およびモノエチレン性不飽和単
量体成分(B)からグラフト重合により合成できるた
め、安価に製造することができると共に、低泡性、消泡
性に優れ、しかも従来よりも洗浄性を向上させることが
できるため、該水溶性グラフト重合体を用いれば、洗浄
時間や洗浄回数、すすぎ水の量等を削減することがで
き、洗浄にかかる費用を低減させることができる。従っ
て、上記電子部品用洗浄剤は、経済性の高い洗浄剤であ
る。
【0068】また、上記の水溶性グラフト重合体は、残
存する単量体量が少なく、ほとんど毒性がない。しか
も、上記の水溶性グラフト重合体は、洗浄性を向上させ
ることができるため、より穏和な条件で洗浄を行うこと
ができる。従って、上記の電子部品用洗浄剤は、安全性
が非常に高いものである。
【0069】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示しており、「%」は、
「重量%」を示している。
【0070】〔実施例1〕温度計、撹拌機、窒素ガス導
入管、二つの滴下装置、および還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、ポリエーテル化合物(A)としての数平
均分子量200のポリエチレングリコール100部と、
モノエチレン性不飽和単量体成分(B)としてのマレイ
ン酸51.8部およびp−トルエンスルホン酸・1水和
物4.5部とを仕込んだ。また、一方の滴下装置に、モ
ノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体であるアクリル
酸48.2部を仕込み、他方の滴下装置に、重合開始剤
としてのパーブチルI(商品名;日本油脂株式会社製、
t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート9
5%含有物)8部を仕込んだ。
【0071】次に、上記反応器内の内容物を窒素ガス気
流下で撹拌しながら加熱して溶解させ、128℃まで昇
温した。続いて、上記反応器内の内容物の温度を126
℃〜131℃の温度範囲に保持して上記アクリル酸およ
びパーブチルIを1時間かけて連続的に滴下し、その
後、さらに1時間撹拌してグラフト重合を行った。
【0072】この結果、本発明にかかるグラフト重合体
として、重量平均分子量5,000、グラフト率80
%、純度85%の水溶性グラフト重合体(1)を得た。
続いて、この水溶性グラフト重合体(1)に所定量の水
を加え、水酸化ナトリウム水溶液で中和して上記水溶性
グラフト重合体(1)の水溶液のpHを8に調整して上
記水溶性グラフト重合体(1)のナトリウム塩を得た。
【0073】続いて、29%アンモニア水5gに対し、
上記水溶性グラフト重合体(1)のナトリウム塩0.0
5g、クロロアルキルスルホンアミド型のフッ素系界面
活性剤であるクロロブチルスルホンアミド0.5g、ホ
スホン酸系化合物であるホスホノブタントリカルボン酸
0.5gを溶解してアンモニア水溶液(a)を調製し
た。次に、このアンモニア水溶液(a)と30%過酸化
水素水と水とを容量比1:1:6で混合し、本発明にか
かる洗浄剤(1)を調製した。この洗浄剤(1)800
mlを1リットルビーカーに入れ、50℃に保ち、30
分経過後、発生した泡の高さを測定した。この結果を表
1に示す。
【0074】〔実施例2〕実施例1において、数平均分
子量200のポリエチレングリコールの代わりに、ポリ
エーテル化合物(A)としての数平均分子量600のナ
フトキシポリエチレングリコール100部を用いた以外
は、実施例1と同様の反応・操作を行って水溶性グラフ
ト重合体(2)を得た。上記ナフトキシポリエチレング
リコールにおけるナフトールへのエチレンキサイド平均
付加モル数は10モルである。また、得られた水溶性グ
ラフト重合体(2)の重量平均分子量は5,500であ
り、グラフト率は82%であり、純度は86%であっ
た。続いて、この水溶性グラフト重合体(2)に所定量
の水を加え、水酸化ナトリウム水溶液で中和して上記水
溶性グラフト重合体(2)の水溶液のpHを8に調整
し、上記水溶性グラフト重合体(2)のナトリウム塩を
得た。
【0075】続いて、実施例1において、水溶性グラフ
ト重合体(1)のナトリウム塩の代わりに上記水溶性グ
ラフト重合体(2)のナトリウム塩を用いた以外は、実
施例1と同様の操作を行って、本発明にかかる洗浄剤
(2)を調製した。この洗浄剤(2)を用いて実施例1
と同様の実験を行い、発生した泡の高さを測定した。こ
の結果を表1に示す。
【0076】〔実施例3〕実施例1において、数平均分
子量200のポリエチレングリコールの代わりに、ポリ
エーテル化合物(A)としての数平均分子量1,000
のナフトキシポリエチレングリコール200部を用いた
以外は、実施例1と同様の反応・操作を行って水溶性グ
ラフト重合体(3)を得た。上記ナフトキシポリエチレ
ングリコールにおけるナフトールへのエチレンオキサイ
ド平均付加モル数は20モルである。また、得られた水
溶性グラフト重合体(3)の重量平均分子量は4,30
0であり、グラフト率は80%であり、純度は83%で
あった。続いて、この水溶性グラフト重合体(3)に所
定量の水を加え、水酸化ナトリウム水溶液で中和して上
記水溶性グラフト重合体(3)の水溶液のpHを8に調
整し、上記水溶性グラフト重合体(3)のナトリウム塩
を得た。
【0077】続いて、実施例1において、水溶性グラフ
ト重合体(1)のナトリウム塩の代わりに上記水溶性グ
ラフト重合体(3)のナトリウム塩を用いた以外は、実
施例1と同様の操作を行って、本発明にかかる洗浄剤
(3)を調製した。この洗浄剤(3)を用いて実施例1
と同様の実験を行い、発生した泡の高さを測定した。こ
の結果を表1に示す。
【0078】〔実施例4〕実施例1において、数平均分
子量200のポリエチレングリコールの代わりに、ポリ
エーテル化合物(A)として、炭素数12〜15のアル
キルにエチレンオキサイドを平均7モルした付加物20
0部を用いた以外は、実施例1と同様の反応・操作を行
って水溶性グラフト重合体(4)を得た。得られた水溶
性グラフト重合体(4)の重量平均分子量は6,800
であり、グラフト率は78%であり、純度は82%であ
った。続いて、この水溶性グラフト重合体(4)に所定
量の水を加え、水酸化ナトリウム水溶液で中和して上記
水溶性グラフト重合体(4)の水溶液のpHを8に調整
し、上記水溶性グラフト重合体(4)のナトリウム塩を
得た。
【0079】続いて、実施例1において、水溶性グラフ
ト重合体(1)のナトリウム塩の代わりに上記水溶性グ
ラフト重合体(4)のナトリウム塩を用いた以外は、実
施例1と同様の操作を行って、本発明にかかる洗浄剤
(4)を調製した。この洗浄剤(4)を用いて実施例1
と同様の実験を行い、発生した泡の高さを測定した。こ
の結果を表1に示す。
【0080】〔比較例1〕実施例1において、水溶性グ
ラフト重合体(1)を使用しないことを除けば、実施例
1と同様の操作を行って、比較用の洗浄剤(5)を調製
した。この洗浄剤(5)を用いて実施例1と同様の実験
を行い、発生した泡の高さを測定した。この結果を表1
に示す。
【0081】
【表1】
【0082】〔実施例5〕ベアシリコンウェハ(直径4
インチ)を、ポリスチレンラテックス(日本合成ゴム株
式会社製;商品名 STADEX、粒径0.309μ
m)を分散させた希フッ酸液に浸漬し、ポリスチレンラ
テックスを上記ベアシリコンウェハ表面に付着させた。
ベアシリコンウェハ表面に付着したポリスチレンラテッ
クスの粒子数を表面検査装置(Surfscan 4500)を用いて
測定した。
【0083】その後、このベアシリコンウェハを、実施
例(1)で得られた洗浄液(1)を用いて10分間洗浄
し、ポリスチレンラテックスの除去を行った。洗浄後の
ベアシリコンウェハを超純水で5分間水洗し、スピンド
ライによって所定時間乾燥した後、上記の表面検査装置
を用いて、ベアシリコンウェハ表面に残留する、粒子径
0.24μm以上のポリスチレンラテックスの粒子数を
測定した。この結果を、洗浄前のベアシリコンウェハ表
面に付着していたポリスチレンラテックスの粒子数と併
せて表2に示す。
【0084】〔実施例6〕実施例5において、洗浄液
(1)に代えて、実施例(2)で得られた洗浄液(2)
を用いた以外は、実施例5と同様の方法により、洗浄前
後のベアシリコンウェハ表面のポリスチレンラテックス
の粒子数を測定した。この結果を表2に示す。
【0085】〔実施例7〕実施例5において、洗浄液
(1)に代えて、実施例(3)で得られた洗浄液(3)
を用いた以外は、実施例5と同様の方法により、洗浄前
後のベアシリコンウェハ表面のポリスチレンラテックス
の粒子数を測定した。この結果を表2に示す。
【0086】〔実施例8〕実施例5において、洗浄液
(1)に代えて、実施例(4)で得られた洗浄液(4)
を用いた以外は、実施例5と同様の方法により、洗浄前
後のベアシリコンウェハ表面のポリスチレンラテックス
の粒子数を測定した。この結果を表2に示す。
【0087】〔比較例2〕実施例5において、洗浄液
(1)に代えて、比較例1で得られた比較用の洗浄液
(5)を用いた以外は、実施例5と同様の方法により、
洗浄前後のベアシリコンウェハ表面のポリスチレンラテ
ックスの粒子数を測定した。この結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】〔実施例9〕水と、実施例1で得られた水
溶性グラフト重合体(1)のナトリウム塩と、アルカリ
金属水酸化物とを、80重量%:5重量%:15重量%
の割合で混合し、本発明にかかる洗浄剤(6)を調製し
た。
【0090】続いて、上記洗浄液(6)500mlを、
500mlガラスビーカーに採取し、該ガラスビーカー
を恒温槽(温水槽)に設置した。次いで、上記洗浄液
(6)の温度を60℃に昇温させて該温度で保持し、該
洗浄液(6)にテストピースを20分間浸漬した。その
後、このテストピースを、水道水の流水下で1分間すす
ぎ、さらに、1分間エアーブローを行った。
【0091】上記テストピースには、8cm×4cm×
0.5mmの鋼板を用いて得られたアクリルメラミン静
電塗装品(プライマー:エポキシメラミン樹脂、塗装
厚:合計40μm)を用いた。
【0092】上記テストピース表面に塗装された樹脂の
剥離・洗浄の程度を目視で評価することにより、上記洗
浄剤(6)の洗浄性を評価した。評価基準は下記の通り
である。樹脂が100%完全に剥離・洗浄されているも
のを「◎」とし、樹脂の少なくとも70%程度が剥離・
洗浄されているものを「○」とし、剥離・洗浄されてい
る樹脂の割合が70%未満(一部分)であるものを
「△」とし、樹脂が全く剥離・洗浄されていないものを
「×」とした。この結果を、主な洗浄条件と併せて表3
に示す。
【0093】〔実施例10〕水と、実施例(2)で得ら
れた水溶性グラフト重合体(2)のナトリウム塩と、ア
ルカリ金属水酸化物とを、80重量%:5重量%:15
重量%の割合で混合し、本発明にかかる洗浄剤(7)を
調製した。
【0094】続いて、実施例9において、洗浄液(6)
に代えて上記洗浄液(7)を用いた以外は、実施例9と
同様の操作を行って、テストピース表面に塗装された樹
脂の剥離・洗浄の程度を目視で評価することにより、上
記洗浄剤(7)の洗浄性を実施例9と同様にして評価し
た。上記テストピースには、実施例9と同様のアクリル
メラミン静電塗装品を用いた。上記評価の結果を、主な
洗浄条件と併せて表3に示す。
【0095】〔比較例3〕水とアルカリ金属水酸化物と
を、85重量%:15重量%の割合で混合することによ
り、比較用の洗浄剤(8)を調製した。
【0096】続いて、実施例9において、洗浄液(6)
に代えて上記洗浄液(8)を用いた以外は、実施例9と
同様の操作を行って、テストピース表面に塗装された樹
脂の剥離・洗浄の程度を目視で評価することにより、上
記洗浄剤(8)の洗浄性を実施例9と同様にして評価し
た。上記テストピースには、実施例9と同様のアクリル
メラミン静電塗装品を用いた。上記評価の結果を、主な
洗浄条件と併せて表3に示す。
【0097】〔実施例11〕水と、実施例(3)で得ら
れた水溶性グラフト重合体(3)のナトリウム塩と、ア
ルカリ金属水酸化物とを、80重量%:5重量%:15
重量%の割合で混合し、本発明にかかる洗浄剤(9)を
調製した。
【0098】続いて、上記洗浄液(9)を、500ml
ガラスビーカーに採取し、該ガラスビーカーを恒温槽
(温水槽)に設置した。次いで、上記洗浄液(9)の温
度を60℃に昇温させて該温度で保持し、該洗浄液
(9)にテストピースを8時間浸漬した。その後、この
テストピースを、実施例9と同様の条件にて、水道水の
流水下で1分間すすぎ、さらに、1分間エアーブローを
行った。
【0099】本実施例では、上記テストピースとして、
8cm×4cm×0.5mmの鋼板を用いて得られたポ
リエステル粉体静電塗装品(塗装厚:最大4400μ
m)を用いた。
【0100】上記テストピース表面に塗装された樹脂の
剥離・洗浄の程度を目視で評価することにより、上記洗
浄剤(9)の洗浄性を、実施例9と同様にして評価し
た。この結果を、主な洗浄条件と併せて表3に示す。
【0101】〔実施例12〕水と、実施例(4)で得ら
れた水溶性グラフト重合体(4)のナトリウム塩と、ア
ルカリ金属水酸化物とを、80重量%:5重量%:15
重量%の割合で混合し、本発明にかかる洗浄剤(10)
を調製した。
【0102】続いて、実施例11において、洗浄液
(9)に代えて上記洗浄液(10)を用いた以外は、実
施例11と同様の操作を行って、テストピース表面に塗
装された樹脂の剥離・洗浄の程度を目視で評価すること
により、上記洗浄剤(10)の洗浄性を実施例9と同様
にして評価した。上記テストピースには、実施例11と
同様のポリエステル粉体静電塗装品を用いた。上記評価
の結果を、主な洗浄条件と併せて表3に示す。
【0103】〔比較例4〕実施例11において、洗浄液
(9)に代えて、比較例3と同様の操作により得られた
洗浄剤(8)を用いた以外は、実施例11と同様の操作
を行って、テストピース表面に塗装された樹脂の剥離・
洗浄の程度を目視で評価することにより、上記洗浄剤
(8)の洗浄性を実施例9と同様にして評価した。上記
テストピースには、実施例11と同様のポリエステル粉
体静電塗装品を用いた。上記評価の結果を、主な洗浄条
件と併せて表3に示す。
【0104】
【表3】
【0105】表1〜3に記載の結果から、本発明にかか
る水溶性グラフト重合体を洗浄剤の成分として用いれ
ば、上記水溶性グラフト重合体を用いない場合と比較し
て、洗浄剤を調製してから30分経過後の泡立ちが少な
く、しかも、洗浄性に優れていることが判る。
【0106】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の電子部品用洗浄
剤は、以上のように、モノエチレン性不飽和カルボン酸
系単量体を含むモノエチレン性不飽和単量体成分をポリ
エーテル化合物にグラフト重合してなる水溶性グラフト
重合体を含む構成である。
【0107】上記の構成によれば、上記水溶性グラフト
重合体を電子部品用洗浄剤の成分として用いることで、
低発泡性、消泡性に優れると共に、洗浄性に優れた電子
部品用洗浄剤を提供することができるという効果を奏す
る。
【0108】また、上記の水溶性グラフト重合体は、製
造にかかる費用が安価であり、かつ、上記水溶性グラフ
ト重合体を含む電子部品用洗浄剤が、低泡性、消泡性、
洗浄性に優れることから、作業性にも優れ、洗浄時間や
洗浄回数、すすぎ水の量等を削減することができ、洗浄
にかかる費用を低減させることができる。また、上記の
水溶性グラフト重合体は、残存する単量体量が少なく、
ほとんど毒性がない。しかも、上記の水溶性グラフト重
合体は、洗浄性を向上させることができるため、より穏
和な条件で洗浄を行うことができる。従って、上記電子
部品用洗浄剤は、経済性並びに安全性が非常に高いもの
である。
【0109】上記の電子部品用洗浄剤は、例えば、シリ
コンウェハ等の半導体基板やリードフレーム等の電子部
品の金属不純物や樹脂汚れの洗浄・除去に特に好適に用
いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノエチレン性不飽和カルボン酸系単量体
    を含むモノエチレン性不飽和単量体成分をポリエーテル
    化合物にグラフト重合してなる水溶性グラフト重合体を
    含むことを特徴とする電子部品用洗浄剤。
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