JP2003246999A - 水性ハードコート前処理剤、前処理方法及びプラスチックレンズ - Google Patents

水性ハードコート前処理剤、前処理方法及びプラスチックレンズ

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JP2003246999A
JP2003246999A JP2002050395A JP2002050395A JP2003246999A JP 2003246999 A JP2003246999 A JP 2003246999A JP 2002050395 A JP2002050395 A JP 2002050395A JP 2002050395 A JP2002050395 A JP 2002050395A JP 2003246999 A JP2003246999 A JP 2003246999A
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hard coat
plastic lens
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lens
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Toshiaki Takaoka
利明 高岡
Mutsuo Kuwata
睦男 桑田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プラスチックレンズ表面にハード
コート膜を長期的に密着できる水性ハードコート前処理
剤、実用的なハードコート前処理方法、及びハードコー
ト処理して得られるレンズを提供する。 【解決手段】 無機アルカリ1〜50重量%、下記式
(1)で示されるアルコール1〜70重量%を含む水性
ハードコート前処理剤。 R1(OR2nOH・・・(1) (式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、
フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基、R2は炭
素数2〜4のアルキレン基を示す。nはR1が水素原子
の場合は10以下の整数を示し、R1が水素原子以外の
場合は0、又は10以下の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性ハードコート前
処理剤、前処理方法及びプラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、軽量性、強度等
の点でガラスより優れ広く使用されているが、硬度に劣
り硬化樹脂自体で擦傷性十分なプラスチックレンズ材料
は未だ実用化されていない。このため、硬化後のレンズ
表面にハードコート膜(以下コート膜と略記する)を形
成させ耐擦傷性を付与している。コート膜としては主に
アクリル系、シリコン系のハードコート膜が使用されて
いる。特にシリコン系コート膜は耐擦傷性に優れ、ガラ
スと同等の表面硬度を有している。しかしながら前述の
コート材料を単にレンズ表面に塗布し、更に加熱処理す
るだけでは十分な密着性が得られない。そこでこの問題
を解消するため、水酸化ナトリウム水溶液や、水酸化カ
リウム水溶液などの強塩基でレンズ表面を前処理するこ
とによって、コート膜の密着性を向上させているのが一
般的である。最近では更に屈折率を向上させることによ
る軽量性を追求した結果、フッ素原子を除くハロゲン原
子、ベンゼン環、硫黄原子などの原子屈折率の大きい官
能基、又は元素をレンズ材料に導入しているが、前述の
強塩基による前処理ではコート膜の密着性が十分となら
ずに問題である。
【0003】そこで、コート膜の密着性を高める方法と
して様々な提案がなされている。例えば、特開昭58−
076410号公報では、硬化前の単量体組成物に水酸
基を有する単量体を使用し、硬化レンズとコート膜の密
着性向上を提案している。同様に特開昭58−0896
06号公報においても、単量体組成物にエポキシ基を有
する単量体を使用し、コート膜の密着性向上を提案して
いる。
【0004】特開昭59−231501号公報、特開昭
60−046502号公報では、ハードコート液にメタ
クリロイル基、ビニル基、エポキシ基を有するアルコキ
シシランに加えて、多官能エポキシ化合物、多価アルコ
ール、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物を用いる
ことを提案している。特開2001−129500号公
報では、アルキレンオキサイドなどを用いて、コーティ
ング時などに要求される高度に清浄な表面を得ることが
できるプラスチックレンズ用洗浄剤組成物、及び洗浄方
法を提案している。
【0005】さらに、コーティングの前に更にプライマ
ー層をレンズ基材とコート膜の間に設けることが提案さ
れている。また、物理的な処理としてプラズマ、短波長
の紫外線等による処理方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが特開昭58−
076410号公報、特開昭58−089606号公報
の方法では、硬化後のレンズとモールドとの密着性が強
くなり過ぎ、レンズが硬化後の脱型時に割れ、欠けが発
生するなどの問題があった。特開昭59−231501
号公報、特開昭60−046502号公報の方法では、
ハードコート液を加熱硬化させた後もレンズ上に反応基
が一部残存するので問題があり、さらに、長期装用する
と水分などによる加水分解、耐候性の低下によって密着
性が低下する問題があった。特開2001−12950
0号公報の方法では、実施しても表面処理の効果が十分
ではなく長期間の密着性維持は困難であり、装用中に徐
々にコート膜が剥がれる問題があった。
【0007】プライマー層を設ける方法では、初期の密
着性は向上するものの耐候性が十分ではなく、長期装用
すると密着性が低下する問題があった。また、プライマ
ー層を設けることによって干渉縞が発生しやすく、高度
な膜厚精度が要求されるので、実用上の問題があった。
また、プラズマ発生装置を用いてレンズ表面を処理する
方法では、コート膜の密着性に優れたレンズが得られる
が、工程上、チャンバー内を高真空にする必要があり、
工程処理が複雑にならざるを得ず、連続処理しづらいの
で実用に適さない。次に、短波長の紫外線を用いる方法
では、複数の光源を必要とするため照射強度等の調整に
精度が要求されることから、レンズ程度の形状であって
も均一な照射は困難であり実用に適さない。
【0008】本発明は、これらの課題を解決するため、
プラスチックレンズ表面にハードコート膜を長期的に密
着できる水性ハードコート前処理剤、実用的なハードコ
ート前処理方法、及びハードコート処理して得られるレ
ンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の発明であ
る。 (1)無機アルカリ1〜50重量%、下記式(1)で示
されるアルコール1〜70重量%を含む水性ハードコー
ト前処理剤組成物。 R1(OR2nOH・・・(1) (式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、
フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基、R2は炭
素数2〜4のアルキレン基を示す。、nはR1が水素原
子の場合は10以下の整数を示し、R1が水素原子以外
の場合は0、又は10以下の整数を示す。)
【0010】(2)前記(1)の前処理剤組成物にさら
に非イオン界面活性剤及び/又は陰イオン界面活性剤を
含んでなる水性ハードコート前処理剤組成物。 (3)前記(1)又は(2)の前処理剤組成物を仕込ん
だ浴内にプラスチックレンズを浸漬し、超音波洗浄処理
することを特徴とするプラスチックレンズのハードコー
ト前処理方法。 (4)前記(3)の前処理をしてなるハードコート用プ
ラスチックレンズ。
【0011】(5)プラスチックレンズがアリルエステ
ルを主成分とする単量体組成物、(メタ)アクリル酸エ
ステルを主成分とする単量体組成物、又はイソシアネー
トとチオールを主成分とする単量体組成物を硬化させて
なるものである前記(4)のハードコート用プラスチッ
クレンズ。 (6)前記(4)又は(5)の前処理をしてなるプラス
チックレンズ表面に、シリコン系ハードコートしたハー
ドコート用プラスチックレンズ。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の水性ハードコート前処理
剤組成物は、以下の成分、即ち無機アルカリ、式(1)
で示すアルコールを含む前処理剤組成物である。本発明
において無機アルカリの濃度は1〜50重量%が好まし
い。1重量%未満であると十分なコート膜の密着性が得
られず、50重量%を超えるとレンズ表面の平滑性が損
なわれ曇りが発生する。無機アルカリの具体例として
は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムである。通常、それぞれ単独で又はそれらの2
種以上を混合して用いることができる。
【0013】式(1)で示されるアルコールにおいて、
式中R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェ
ニル基、ベンジル基、又はフェネチル基、R2は炭素数
2〜4のアルキレン基である。R1の炭素数が8を超え
る場合又はR2の炭素数が4を超える場合、無機アルカ
リ水溶液への溶解性が低下して不均一になりハードコー
トの密着性にばらつきが生じる。R2の炭素数が1の場
合、このオキシアルキレン化合物の合成が困難となる。
nはR1が水素原子の場合は、10以下の整数である。
1が水素原子以外の場合は、0又は10以下の整数で
ある。10を超えると前処理剤の粘度が高くなり過ぎる
ので好ましくない。式(1)で示されるアルコールは、
通常、それぞれ単独で又はそれらの2種以上を混合して
用いることができる。
【0014】前述のアルコールとして具体的には、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、
オクタノールなどの直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基
を有するアルコール類;フェノール、クレゾール、ベン
ジルアルコール、フェネチルアルコールなどの芳香族ア
ルコール類;シクロヘキサノールなどの脂環式アルコー
ル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエ
チレングリコール等が挙げられる。さらに、水酸化ナト
リウム等の触媒下、加熱しながら、エチレン、プロピレ
ン、ブチレンなどの炭素数2〜4のアルキレンオキサイ
ドを、液状又は気体状で、単独又は複数加えて反応させ
ることにより得られたものなどのジオール類;前述のジ
オールの片末端がメトキシ基、エトキシ基、イソプロポ
キシ基、ブトキシ基で置換されたアルコールが挙げられ
る。
【0015】特に好ましくは無機アルカリ水溶液に可溶
なエチレングリコール、プロピレングリコール、2−メ
トキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノ
ール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノエチルエーテル、2−ブトキシエタノール、ジエチ
レングリコールモノブトキシエーテル、2−フェノキシ
エタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ルである。アルコールは、それぞれ単独で又は2種以上
を混合して用いることができる。本発明においてアルコ
ールの好ましい濃度範囲は1〜70重量%であり、さら
に好ましくは5〜60重量%である。1重量%未満で
は、ハードコートの密着性が十分ではなく、70重量%
を超えると無機アルカリの溶解性が低下する。
【0016】本発明においては、前述の処理剤組成物に
さらに非イオン界面活性剤及び/又は陰イオン界面活性
剤を含有させることにより、コート膜の密着性を一層向
上させることができる。前述の非イオン界面活性剤の具
体例は、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポ
リエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレング
リコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコール
オレイルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェ
ニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニ
ルエーテル等であり、それぞれ単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。非イオン界面活性剤のH
LBは、5〜18の範囲が好ましく、特に9〜16の範
囲が好ましい。
【0017】前述の陰イオン界面活性剤の具体例として
は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、
アルキルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホコハク
酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、分岐アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等で
あり、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いるこ
とができる。また、前述の非イオン界面活性剤と陰イオ
ン界面活性剤を併用することもできる。
【0018】これら非イオン界面活性剤及び/又は陰イ
オン界面活性剤の含有量は特に限定されるものではない
が、併用の効果を発現させるためには、本発明の前処理
剤中に好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは
0.5〜10重量%添加される。併用の効果の点から
0.5重量%以上が好ましく、前処理剤の粘度が適度で
ハンドリング性に優れ、また除去性も良好であるという
点から10重量%以下が好ましい。
【0019】本発明の前処理剤において、無機アルカ
リ、式(1)のアルコール、非イオン界面活性剤、陰イ
オン界面活性剤の他にアルコール性の3級アミンを含有
させることにより、表面処理性を高めコート膜の密着性
を向上させることができる。
【0020】本発明の前処理剤には、無機アルカリを溶
解するために水を含むものであり、これに超純水、純
水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水などを用いる
ことができる。本発明の前処理剤において、本発明の効
果を損なわない範囲で、必要に応じて金属イオン封鎖
剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、酸化防止剤などの添加剤
を適宜併用することができる。
【0021】本発明の前処理剤の製造方法としては、全
ての成分を同時に仕込み、これを混合してもかまわない
が、無機アルカリ水溶液を製造後、式(1)のアルコー
ル、必要に応じて非イオン界面活性剤、陰イオン界面活
性剤、任意の添加剤などを常法により混合するのが一般
的である。
【0022】本発明の前処理方法として超音波洗浄法の
適用が好ましい。また必要に応じて公知の物理力を利用
した方法、例えば浸漬法、浸漬揺動法、スプレー法、手
拭き法などと組み合わせて利用することができる。前処
理方法の温度、洗浄時間などの洗浄条件も特に限定され
るものではないが、レンズ材料の種類、表面状態に応じ
て適宜調整可能である。具体的には例えば前処理方法の
温度は、20℃〜90℃が好適であり、前処理性及び蒸
発量の低減するためには35〜80℃がより好ましい。
また、洗浄時間は0.5〜30分間程度から選ばれる。
このとき、超音波の発振周波数は20kHz〜100k
Hzの範囲が好ましい。
【0023】前処理工程後、ハードコート工程前に、レ
ンズ表面に残存する余分な前処理剤を除去するため、一
般的な除去工程をおこなってもかまわない。除去液とし
て、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、水溶性有機
溶剤の単独又は2種以上の混合液を使用できる。除去工
程において物理力は特に限定されるものではなく、通常
用いられる公知の物理力による工程を利用できる。例え
ば、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー法、
手拭き法などの各種の工程を単独又は組み合わせて利用
することができる。
【0024】また更に、除去工程の次に仕上げ工程とし
て前述の物理力による工程を行うことができる。この場
合に、乾燥性を向上させるために、水と混和し共沸する
揮発性に優れた溶剤を使用することが好ましく、具体的
にはイソプロパノール、アセトン等が使用される。
【0025】本発明の前処理剤は、ベンゼン環、硫黄原
子などの原子屈折率の大きい官能基、又は元素を有する
レンズ材料、例えば、アリルエステルを主成分とする単
量体組成物を硬化させてなるレンズ(例えば、特開昭5
3−7787号公報)、(メタ)アクリル酸エステルを
主成分とする単量体組成物を硬化させてなるレンズ(例
えば、特開昭55−13747号公報)、又はイソシア
ネートとチオールを主成分とする単量体組成物を硬化さ
せてなるレンズ(例えば、特開昭60−1999016
号公報)の前処理に好適に用いられる。さらに、ポリカ
ーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂にも適用できる。
【0026】本発明の前処理工程後に得られたハードコ
ート用プラスチックレンズは、次に表面にハードコート
剤を塗布し、例えばシリコン系ハードコート膜が形成さ
れる。このハードコート剤としては、アルコキシ基、エ
ポキシ基、ビニル基等の官能基を有するシラン化合物の
少なくとも1つと、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アン
チモン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化アルミニウ
ム等の金属酸化物コロイドの少なくとも1つとを主成分
とするコーティング組成物が好ましい。コーティング組
成物は、ディップ法、スピンコート法等の公知の塗布方
法により、レンズ表面に塗布され、加熱やUV照射によ
って硬化され、ハードコート層を形成する。ハードコー
ト層の厚みは通常0.5〜10μm程度である。
【0027】
【発明の効果】本発明の水性ハードコート前処理剤を使
用することにより、プラスチックレンズ表面にハードコ
ート膜を長期的に密着させることができる。本発明の前
処理剤を用いることにより、ハードコート膜の耐熱水密
着性及び耐候密着性が高くなる。本発明の前処理方法は
簡易であり、実用的である。さらに、ハードコート処理
したプラスチックレンズは耐擦傷性に優れ、長期に渡っ
て装用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。表中の略号は次の化合物名を示す。 (略号との化合物名) NaOH:水酸化ナトリウム(和光純薬工業(株)
製)、 PG:プロピレングリコール(和光純薬工業(株)
製)、 H2O:イオン交換水、 KOH:水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)、 DEME:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
(商品名:シーホゾールDG、日本触媒(株)製)、 DEMM:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(商品名:MDG、日本乳化剤(株)製)、 PENP:ポリエチレングリコールノニルフェニルエー
テル(商品名:ニッサンノニオンNS−220、日本油
脂(株)製、n=20)、 DEMB:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(商品名:BDG、日本乳化剤(株)製)、 EHSS:ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリ
ウム(商品名:ラピゾールA−90、日本油脂(株)
製)、 DEMZ:ジエチレングリコールモノベンジルエーテル
(商品名:BzDG、日本乳化剤(株)製)、 MPMM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(商品名:MFG、日本乳化剤(株)製)、 TPMM:トリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル(商品名:MFTG、日本乳化剤(株)製)、 NMM:N−メチルモルホリン(和光純薬工業(株)
製)、 PEDM:ポリエチレングリコールジメチルエーテル
(商品名:ユニオックスMM−500、日本油脂(株)
製、n=10)、 NDEA:N−メチルジエタノールアミン(和光純薬工
業(株)製)、 TEMM:トリエチレングリコールモノメチルエーテル
(商品名:MTG、日本乳化剤(株)製)。
【0029】実施例1〜7 (調製例1) アリルエステル系樹脂(アリルエステルを主成分とする
単量体組成物を硬化させてなるレンズ)の調製; ジアリルイソフタレート(昭和電工(株)製)80重量
部、CR−39(商品名、PPG社製)20重量部、パ
ーロイルIPP(商品名、日本油脂(株)製)3重量部
からなる組成物を、直径7cmの2枚のガラス製円板と
厚さ2mmのエチレン−プロピレンラバー製ガスケット
からなるモールドに注入した。その後、プログラム温度
コントローラー付熱風恒温槽中で、30℃から100℃
まで18時間かけて昇温した。引き続きモールドを10
0℃で2時間保持しその後40℃まで2時間かけて冷却
した。これによりモールド中の組成物は硬化し脱型によ
り円盤状のレンズ用樹脂が得られた。さらに100℃で
2時間にわたってアニーリング処理を行った。処理後、
樹脂板の屈折率を、25℃の温度でアッペ屈折形(アタ
ゴ製作所製)にて測定した。 (調製例2) (メタ)アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸エステル
を主成分とする単量体組成物を硬化させてなるレンズ)
の調製; 2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェ
ニル)プロパン(共栄社化学(株)製)30重量部、p
−クロロスチレン(和光純薬工業(株)製)70重量
部、エチレングリコールビス[3−メタクリロイルオキ
シ(2−ヒドロキシ)プロピルエーテル](共栄社化学
(株)製)5重量部、パーブチルO(商品名、日本油脂
(株)製)2重量部からなる組成物を、直径7cmの2
枚のガラス製円板と厚さ2mmのエチレン−プロピレン
ラバー製ガスケットからなるモールドに注入した。その
後、プログラム温度コントローラー付熱風恒温槽中で、
30℃から100℃まで18時間かけて昇温した。引き
続きモールドを100℃で2時間保持しその後40℃ま
で2時間かけて冷却した。これによりモールド中の組成
物は硬化し脱型により円盤状のレンズ用樹脂が得られ
た。さらに100℃で2時間にわたってアニーリング処
理を行った。処理後、樹脂板の屈折率を、25℃の温度
でアッペ屈折形(アタゴ製作所製)にて測定した。 (調製例3) ウレタン系樹脂(イソシアネートとチオールを主成分と
する単量体組成物を硬化させてなるレンズ)の調製; m−キシリレンジイソシアネート(武田三井化学(株)
製)44重量部、ペンタエリスリトールテトラキスチオ
プロピオネート(東京化成工業(株)製)56重量部、
ジブチルスズジラウレート(和光純薬工業(株)製)
0.02重量部からなる組成物を、直径7cmの2枚の
ガラス製円板と厚さ2mmのエチレンープロピレンラバ
ー製ガスケットからなるモールドに注入した。その後、
プログラム温度コントローラー付熱風恒温槽中で、30
℃から100℃まで18時間かけて昇温した。引き続き
モールドを100℃で2時間保持しその後40℃まで2
時間かけて冷却した。これによりモールド中の組成物は
硬化し脱型により円盤状のレンズ用樹脂が得られた。さ
らに100℃で2時間にわたってアニーリング処理を行
った。処理後、樹脂板の屈折率を、25℃の温度でアッ
ペ屈折形(アタゴ製作所製)にて測定した。
【0030】(前処理試験) (1)前処理液の調製 表1に示す組成(組成比単位は重量%)の各種前処理剤
を調製した。 (2)前処理 各種前処理剤の中に上記レンズ用樹脂を浸漬して、60
℃、5分間超音波処理(超音波洗浄装置UT−204、
シャープ社製)した後、25℃のイオン交換水に浸漬し
5分間超音波処理(超音波洗浄装置UT−204、シャ
ープ社製)した。更に、25℃のイソプロパノールに浸
漬し5分間超音波処理(超音波洗浄装置UT−204、
シャープ社製)した。その後1分間エアーブローした後
室温にて風乾した。
【0031】(ハードコート処理試験) (1)ハードコート液調製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品
名:LS−2940、信越化学(株)製)30.5重量
部、イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカ(商
品名:LS−2940、触媒化成(株)製、固形分30
重量%)15.5重量部、イソプロパノール40.5重
量部からなる溶液に撹拌しながら、0.05規定の塩酸
8.5重量部を徐々に滴下し加水分解を行った。その
後、室温で更に2時間撹拌した後、0℃で24時間熟成
させた。熟成後、室温で1,4−ブタンジオール4.7
重量部と、過塩素酸マグネシウム3重量部を加え、撹拌
して均一とした。これに、更にフローコントロール剤
(商品名:L−7001、日本ユニカ(株)製)を0.
3部加えハードコート液を調製した。 (2)塗布・硬化 樹脂板をハードコート液に浸漬し、20cm/分の速度
で引き上げ、直ちに80℃で1時間、更に130℃で2
時間熱風乾燥した。
【0032】(コート膜密着性試験) (1)初期密着試験 JIS D0202に準じて、前述の前処理した樹脂板
表面にカミソリで縦横にそれぞれ1ミリ間隔で100個
の升目を作り、セロハンテープを接着し90℃の角度で
急激に剥がして、全く升目が剥がれなかったものを○、
剥がれたものを×と判定した。 (2)熱水密着試験 樹脂板を100℃の沸騰水に2時間浸漬し乾燥した後、
初期密着試験同様の試験評価を行った。 (3)耐候密着性試験 樹脂板をキセノンランプフェードメーター(スガ試験機
製)を用いて500時間暴露した後、初期密着試験同様
の試験評価を行った。各評価結果を表1に示す。
【0033】比較例1〜4 実施例と同じ硬化樹脂を用い表2に示す各種前処理剤を
調製し、実施例と同様に、樹脂板硬化試験、前処理試
験、ハードコート処理試験、コート膜密着性試験を行い
結果を表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1、2での熱水密着性、耐候密着性試験
の結果から、本発明の無機アルカリ、アルコールを所定
濃度含有してなる水性ハードコート前処理剤(実施例1
〜7)を前処理に用いることにより、ハードコート膜の
長期密着性に対し優れた効果が得られることがわかる。
一方、本発明に係るアルコールを含有していない前処理
剤(比較例1、2)や、無機アルカリを使用していない
前処理剤(比較例3、4)を用いた場合は、実施例1〜
7の前処理剤を用いる場合に比べ、ハードコート膜の長
期密着性が劣ることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEZ C08J 7/04 CEZ C11D 7/06 C11D 7/06 7/26 7/26 G02B 1/10 C08L 101:00 // C08L 101:00 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2K009 AA15 BB13 BB14 BB24 BB25 CC09 CC42 DD02 DD05 DD06 DD08 4D075 BB13Y BB65Y BB77Y CA02 CA13 CA32 CA38 DA06 DA11 DB37 DB38 DB43 DB48 DB49 DB50 DC24 EA06 EB43 EC01 EC30 EC35 EC54 4F006 AA20 AA22 AA37 AB39 CA05 EA01 4H003 AB01 AC01 BA12 DA16 DC04 EA21 EB04 EB06 EB34 ED02 ED28 ED29 FA21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機アルカリ1〜50重量%、下記式
    (1)で示されるアルコール1〜70重量%を含む水性
    ハードコート前処理剤。 R1(OR2nOH・・・(1) (式中、R1は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、
    フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基、R2は炭
    素数2〜4のアルキレン基を示す。nはR1が水素原子
    の場合は10以下の整数を示し、R1が水素原子以外の
    場合は0、又は10以下の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 さらに非イオン界面活性剤及び/又は陰
    イオン界面活性剤を含んでなる請求項1記載の水性ハー
    ドコート前処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の前処理剤組成物
    を仕込んだ浴内にプラスチックレンズを浸漬し、超音波
    洗浄処理することを特徴とするプラスチックレンズのハ
    ードコート前処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の前処理をして得られる
    ハードコート用プラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】 プラスチックレンズが、アリルエステル
    を主成分とする単量体組成物、(メタ)アクリル酸エス
    テルを主成分とする単量体組成物、又はイソシアネート
    とチオールを主成分とする単量体のいずれかを硬化させ
    てなるものである請求項4記載の前処理をして得られる
    ハードコート用プラスチックレンズ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の前処理をして得
    られるハードコート用プラスチックレンズの表面にシリ
    コン系ハードコートしたプラスチックレンズ。
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