JP2017222840A - ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
洗浄剤組成物中のポリマー(成分A)のカルボキシル基が基板表面及びパーティクル表面に吸着することで、基板表面及びパーティクル表面にポリアルキレンオキシ基に起因する立体的な障壁が形成され、基板表面−パーティクル間やパーティクル−パーティクル間で立体反発が生じ、その結果、基板表面からのパーティクルの除去が促進され、また基板表面へのパーティクルの再付着、及びパーティクル同士の凝集が抑制され、基板表面からパーティクルを効率よく除去でき、洗浄性を向上できると推測される。
さらに、ポリマー(成分A)が所定の重量平均分子量を有することで、上述した立体反発の作用がより効果的に生じ、基板表面へのパーティクルの再付着やパーティクル同士の凝集をより効果的に抑制できると考えられる。通常、研磨くず由来のパーティクルは、砥粒由来のパーティクルに比べて粒径が小さく除去が難しいが、本開示の洗浄剤組成物では、所定のポリマー(成分A)を含有することで、除去が難しい研磨くず由来のパーティクルも効率よく除去できると考えられる。
但し、本開示は、これらのメカニズムに限定して解釈されなくてよい。
本開示に係る洗浄剤組成物に含まれる成分Aは、下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含有するポリマーである。
アンモニウム基、及びアンモニウム基から選ばれる少なくとも1種であって、洗浄性向上の観点から、アルカリ金属が好ましく、ナトリウム及びカリウムがより好ましい。
がより好ましい。
モノマーa2は、下記一般式(II)で表されるモノマー(以下、「モノマーa21」ともいう)及び下記一般式(III)で表されるモノマー(以下、「モノマーa22」ともいう)から選ばれる少なくとも1種のモノマーである。
本開示に係る洗浄剤組成物は、アルカリ剤(成分B)をさらに含有してもよい。アルカリ剤としては、洗浄剤組成物にアルカリ性を付与できる化合物や洗浄剤組成物のpHを後述の範囲内に調整できる化合物が挙げられ、例えば、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤等が挙げられる。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア;水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本開示に係る洗浄剤組成物は、さらに水(成分C)を含有してもよい。前記水は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、上記成分A〜C以外に、キレート剤、アニオンポリマー、ノニオン性界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤等の任意成分を含有することができる。任意成分は、本開示の効果を損なわない範囲で洗浄剤組成物中に含有されることが好ましく、洗浄剤組成物の洗浄時における任意成分の含有量は、0質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、キレート剤を含有してもよい。キレート剤としては、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸等のアルドン酸類;エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸類;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等のホスホン酸類;及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、カルボン酸系重合体等のアニオンポリマーを含有してもよい。カルボン酸系重合体としては、例えば、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/メタクリル酸の共重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、メタクリル酸/アクリル酸メチルエステルの共重合体等のメタクリル酸又はアクリル酸を構成単位に含むアニオンポリマーが挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、洗浄性の向上の観点から、ノニオン性界面活性剤を含有してもよい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、保存安定性向上の観点から、可溶化剤を含有してもよい。可溶化剤としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジメチルベンゼンスルホン酸、2−エチルヘキサン酸、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄時のpHは、8以上であって、洗浄性の観点から、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、10.5以上がよりさらに好ましく、そして、同様の観点から、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12.5以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましく、11.5以下がよりさらに好ましい。本開示に係る洗浄剤組成物のpH調整は、例えば、洗浄性の向上の観点から、酸や成分Bのアルカリ剤を用いて行うことができる。酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸;オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機酸;等が挙げられる。本開示において「洗浄時のpH」とは、25℃における洗浄剤組成物の使用時(希釈後)のpHであり、pHメータを用いて測定でき、好ましくはpHメータの電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値である。
本開示に係る洗浄剤組成物は、成分A、並びに必要に応じて成分B、成分C及び任意成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示に係る洗浄剤組成物は、少なくとも成分Aを配合してなるものとすることができる。したがって、本開示は、少なくとも成分Aを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合」とは、成分A並びに必要に応じて成分B、成分C及び任意成分を同時又は任意の順に混合することを含む。本開示に係る洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示に係る洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、一又は複数の実施形態において、研磨液組成物で研磨された基板、又は、パーティクルが残留又は付着している基板の洗浄に使用されうる。
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法(以下、「本開示に係る洗浄方法」ともいう)に関する。本開示に係る洗浄方法は、前記本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物を希釈する希釈工程をさらに含むことができる。被洗浄基板としては、上述した基板を用いることができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、被洗浄基板に本開示に係る洗浄剤組成物を接触させる工程を含むことができる。前記洗浄工程は、一又は複数の実施形態において、浸漬洗浄及び/又はスクラブ洗浄を行うことを含むことができる。本開示に係る洗浄方法であれば、基板表面に付着したパーティクル、好ましくは酸化ニッケル、酸化珪素等の研磨くず由来のパーティクル、より好ましくは酸化ニッケルの研磨くず由来のパーティクルを効率よく除去できる。
被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はない。例えば、洗浄剤組成物の温度は、作業性及び操業性の観点から、20〜100℃が好ましい。例えば、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性の向上の観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、100秒以上がさらに好ましく、そして、洗浄された基板の生産効率の向上の観点から、30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下がさらに好ましい。残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、例えば、20〜2000kHzが好ましく、40〜2000kHzがより好ましく、40〜1500kHzがさらに好ましい。
スクラブ洗浄の方法としては、研磨粒子等の残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄すること、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらに、スクラブ洗浄の方法は、同様の観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて、被洗浄基板を洗浄する工程を含む、ハードディスク用基板の製造方法(以下、「本開示に係る製造方法」ともいう)に関する。被洗浄基板としては上述した基板を用いることができる。
(1)研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程。
(2)工程(1)で得られた基板(被洗浄基板)を、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄する洗浄工程。
本開示は、一態様において、洗浄剤組成物を製造するためのキットであって、成分Aを含む溶液が容器に収容された容器入り成分A溶液を含む、キット(以下、「本開示に係るキット」ともいう)に関する。本開示に係るキットは、前記容器入り成分A溶液とは別の容器に収納された、成分B、成分C及び任意成分から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことができる。例えば、本開示に係るキットとしては、成分Aを含む溶液(第一液)と、成分Bを含む溶液(第二液)とが、相互に混合されない状態で保管されており、これらが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。第一液及び第二液の各々には、必要に応じて上述した成分C及び任意成分が混合されていてもよい。第一液と第二液との混合時に、例えば、第二液の使用量を調整することにより、洗浄剤組成物中の各成分の濃度を調整することができる。
本開示によれば、基板表面に残留するパーティクルの洗浄性に優れるハードディスク用基板用の洗浄剤組成物が得られうるキットを提供できる。
本開示は、一態様において、本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用したハードディスク記録装置(以下、「本開示に係るハードディスク記録装置」ともいう)に関する。本開示に係る洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用することで、高記録密度のハードディスク記録装置を提供できる。
<1> 下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、
成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であり、
pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
<3> 式(I)中、M1及びM2は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)
、有機アンモニウム基、及びアンモニウム基から選ばれる少なくとも1種であって、アルカリ金属が好ましく、ナトリウム及びカリウムがより好ましい、<1>又は<2>に記載の洗浄剤組成物。
<4> 式(I)中、pは0以上2以下の整数であって、0又は1が好ましく、0がより好ましい、
<1>から<3>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<5> 式(II)中、nは、4以上であって、6以上が好ましく、9以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、40以上がよりさらに好ましく、80以上がよりさらに好ましい、<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<6> 式(II)中、nは300以下であって、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下がさらに好ましい、<1>から<5>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<7> 式(II)中、Xは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であって、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましい、<1>から<6>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<8> 成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1以上がさらに好ましく、2以上がよりさらに好ましい、<1>から<7>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<9> 成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、30以下がさらに好ましく、20以下がよりさらに好ましい、<1>から<8>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<10> 成分Aの全構成単位中の構成単位(a2)に対する構成単位(a1)のモル比a1/a2は、0.1以上100以下が好ましく、0.5以上50以下がより好ましく、1以上30以下がさらに好ましく、2以上20以下がよりさらに好ましい、<1>から<9>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<11> 成分Aの重量平均分子量は、15000以上であって、20000以上が好ましく、25000以上がより好ましく、30000以上がさらに好ましく、50000以上がよりさらに好ましい、<1>から<10>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<12> 成分Aの重量平均分子量は、200000以下であって、150000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、80000以下がさらに好ましい、<1>から<11>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<13> 成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であって、20000以上150000以下が好ましく、20000以上100000以下がより好ましく、20000以上80000以下がさらに好ましく、25000以上80000以下がよりさらに好ましい、<1>から<12>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<14> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、1質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がよりさらに好ましい、<1>から<13>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<15> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、98質量%以下がさらに好ましい、<1>から<14>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<16> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Aの含有量は、1質量%以上99.9質量%以下が好ましく、10質量%以上99.9質量%以下がより好ましく、15質量%以上99質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上98質量%以下がよりさらに好ましい、<1>から<15>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<17> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい、<1>から<16>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<18> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がよりさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.2質量%以下がよりさらに好ましい、<1>から<17>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<19> 洗浄剤組成物中の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下が好ましく、0.005質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下がさらに好ましく、0.01質量%以上1質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下がよりさらに好ましい、<1>から<18>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<20> アルカリ剤(成分B)をさらに含有する、<1>から<19>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<21> 成分Bは、アルカリ金属水酸化物、ヒドロキシアルキルアミン及び第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムの少なくとも1種がさらに好ましい、<20>に記載の洗浄剤組成物。
<22> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい、<20>又は<21>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<23> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下がよりさらに好ましい、<20>から<22>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<24> 洗浄剤組成物中の水以外の成分の合計質量に対する成分Bの含有量は、0.1質量%以上90質量%以下が好ましく、0.3質量%以上80質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上75質量%以下がさらに好ましい、<20>から<23>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<25> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、0.00005質量%以上が好ましく、0.0001質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましい、<20>から<24>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<26> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、2.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0.07質量%以下がよりさらに好ましく、0.05質量%以下がよりさらに好ましい、<20>から<25>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<27> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Bの含有量は、0.00005質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.00005質量%以上0.3質量%以下がより好ましく、0.00005質量%以上0.1質量%以下がさらに好ましく、0.0001質量%以上0.07質量%以下がよりさらに好ましく、0.001質量%以上0.05質量%以下がよりさらに好ましい、<20>から<26>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<28> 洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい、<20>から<27>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<29> 洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、20000以下が好ましく、1000以下がより好ましく、100以下がさらに好ましい、<20>から<28>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<30> 洗浄剤組成物中の成分Bの含有量に対する成分Aの含有量の比A/Bは、0.01以上20000以下が好ましく、0.1以上1000以下がより好ましく、0.3以上100以下がさらに好ましい、<20>から<29>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<31> 水(成分C)をさらに含有する、<1>から<30>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<32> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい、<31>に記載の洗浄剤組成物。
<33> 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Cの含有量は、99.99質量%以下が好ましく、99.98質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下がさらに好ましい、<31>又は<32>に記載の洗浄剤組成物。
<34> キレート剤、アニオンポリマー、ノニオン性界面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤及び抗菌剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分をさらに含有する、<1>から<33>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<35> 洗浄剤組成物の洗浄時における任意成分の含有量は、0質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がよりさらに好ましい、<34>に記載の洗浄剤組成物。
<36> 洗浄時のpHは、8以上であって、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、10.5以上がよりさらに好ましい、<1>から<35>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<37> 洗浄時のpHは、14以下が好ましく、13以下がより好ましく、12.5以下がさらに好ましく、12以下がよりさらに好ましく、11.5以下がよりさらに好ましい、<1>から<36>のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
<38> 研磨液組成物で研磨された基板、又はパーティクルが残留又は付着している基板の洗浄のための、<1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物の使用。
<39> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法。
<40> 前記基板が、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、<39>に記載の洗浄方法。
<41> 前記研磨液組成物が、シリカ砥粒を含有する研磨液組成物である、<39>又は<40>に記載の洗浄方法。
<42> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、ハードディスク用基板の製造方法。
<43> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を製造するためのキットであって、成分Aを含む溶液が容器に収容された容器入り成分A溶液を含む、キット。
<44> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて洗浄したハードディスク用基板を使用したハードディスク記録装置。
<45> <1>から<37>のいずれかに記載の洗浄剤組成物のハードディスク用基板の洗浄への使用。
表1に示すポリマーA1〜A16の調製には、下記原料を用いた。
(1)MAA:メタクリル酸(東京化成工業株式会社製)
(2)AA:アクリル酸(和工純薬工業株式会社製)
(3)MA:無水マレイン酸(三菱化学株式会社製)
(1)モノマーa2−1
80℃に溶融したエチレンオキシド付加モル数120のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(重量平均分子量5344)1000質量部を、温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び冷却凝縮器を備えたガラス製反応容器に仕込んだ。次に、ハイドロキノン3質量部、p-トルエンスルホン酸32質量部を投入した。ここでポリエチレングリコールモノメチルエーテルとメタクリル酸の合計質量1kg当たり6ml/minとなる流量で空気を反応液中に導入し、さらに反応容器の気相部に12ml/minの流量で窒素を導入しながら、メタクリル酸483質量部(ポリエチレングリコールモノメチルエーテルに対して30モル倍となる量)を投入し、加熱及び反応容器内の減圧を開始した。圧力は26.7kPaに制御し、反応液温度が105℃に到達した時点を反応開始時刻とし、引き続き加熱して反応液温度を110℃に維持して反応水とメタクリル酸を留出させながら反応を行った。圧力は、反応開始1時間後に12〜13.3kPaに減圧したのち、そのまま維持した。反応開始から6時間後に圧力を常圧に戻し、p−トルエンスルホン酸に対して1.05倍当量の48%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和し、反応を終了させた。その後、反応液温度を130℃以下に維持し、真空蒸留法により、未反応のメタクリル酸を回収し、エステル化反応物を得た。100℃まで冷却後、この反応物に飽和食塩水200質量部、トルエン1000質量部を加え、50℃に調整した。分層した下層の抜出、飽和食塩水200質量部の追加、分層、を5回繰り返した後、トルエンを留去し、精製されたモノマーa2−1のメトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数120)を得た。
(2)モノマーa2−2
メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数23)、M−230G(新中村化学工業株式会社製)
(3)モノマーa2−3
メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数9)、M−90G(新中村化学工業株式会社製)
(4)モノマーa2−4
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルのエチレンオキシド付加モル数を41(重量平均分子量1838)、メタクリル酸投入量を1405質量部に変えた以外は、前記モノマーa2−1と同様に製造し、精製されたモノマーa2−4のメトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(EO平均付加モル数41)を得た。
(5)EG:エチレングリコール
(6)モノマーa2−5
メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(平均分子量1500、EO平均付加モル数32)、ユニオックスPKA−5010(日油株式会社製)
(7)モノマーa2−6
ポリエチレングリコール−3−メチル−3−ブテニルエーテル(EO平均付加モル数50)
(8)モノマーa2−7
ポリエチレングリコールアリルエーテル(EO平均付加モル数25)
(9)モノマーa2−8
ポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5)
・2−メルカプトエタノール(東京化成工業株式会社製)
・β−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)
<重合連鎖移動剤兼溶媒>
・1,2−プロパンジオール(和光純薬工業株式会社製)
<重合開始剤>
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)(ナカライテスク株式会社製)
・過酸化水素水(30〜35.5質量%水溶液、ナカライテスク株式会社製)
・ペルオキソ二硫酸ナトリウム(ナカライテスク株式会社製)
<中和剤>
・水酸化ナトリウム(48質量%NaOH、旭硝子株式会社製)
攪拌機付反応容器に水:282g(15.7モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:20.7g(0.24モル)とモノマーa2−1:323g(0.06モル)(質量比=6/94、モル比=80/20)、水:239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:34.7g、及び2−メルカプトエタノール:1.8gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:13.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を23.9g加えて中和し、ポリマーA1(37質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:367g(20.4モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。MAA:62.9g(0.73モル)とモノマーa2−2:300g(0.27モル)(質量比=17.3/82.7、モル比=73/27)、水:173g(9.6モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:34.1g、及び2−メルカプトエタノール:2.9gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:11.4gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を61g加えて中和し、ポリマーA2(36質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:317g(17.6モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:46.5g(0.54モル)とモノマーa2−1 323g(0.06モル)(質量比=12.6/87.4、モル比=90/10)、水:239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:41.7g、及び2−メルカプトエタノール:1.9gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:13.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を49.3g加えて中和し、ポリマーA3(36質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:275g(15.3モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:9.5g(0.11モル)とモノマーa2−1:323g(0.06モル)(質量比=2.9/97.1、モル比a1/a2=65/35)、水:239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:3.8g、及び2−メルカプトエタノール1.2gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:11.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を13.1g加えて中和し、ポリマーA4(38質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:449g(24.9)モルを仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。MAA:55.9g(0.65モル)とモノマーa2−2:390g(0.35モル)(質量比=12.5/87.5、モル比=65/35)、水:220g(12.2モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:31.0g、及び2−メルカプトエタノール:4.2gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:10.5gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を54.2g加えて中和し、ポリマーA5(37質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:292g(16.2モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:102g(1.19モル)とモノマーa2−1:339g(0.063モル)(質量比=23.1/76.9、モル比=95/5)、水:252g(14.0モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:71.5g、及び2−メルカプトエタノール:10.3gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:57.2gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を103.3g加えて中和し、ポリマーA6(36質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:303g(16.8モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MAA:40.4g(0.47モル)とモノマーa2−3:257g(0.53モル)(質量比=13.3/86.7、モル比=47/53)、水:152g(8.42モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:15.5g、及び2−メルカプトエタノール:2.1gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:5.2gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を39.2g加えて中和し、ポリマーA7(37質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:22.6g(1.26モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で85℃まで昇温した。AA:8.7g(0.12モル)とモノマーa2−4:89.6g(0.047モル)(質量比=8.8/91.2、モル比=72/28)、水:92.3g(5.13モル)を混合溶解したものと、5質量%過硫酸アンモニウム水溶液:15.0g、及び6質量%β−メルカプトプロピオン酸水溶液:15.0gをそれぞれ同時に反応系に1.5時間かけて滴下した。次に22質量%過硫酸アンモニウム水溶液:5.0gを5分かけて滴下し、0.5時間同温度(85℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を10.1g加えて中和し、ポリマーA8(38質量%水溶液)を得た。
・ポリアクリル酸ナトリウム「アロンA−210」(43質量%水溶液、重量平均分子量3000、東亞合成株式会社製)
[ポリマーA10]
・ポリアクリル酸ナトリウム(35質量%水溶液、重量平均分子量60000、Polysciences,Inc.製)
[ポリマーA11]
・ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量5000、Sigma-Aldrich社製)
[ポリマーA12]
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオペレックス G−25」(25質量%水溶液、花王株式会社製)
攪拌機付反応容器に水:90.5g(5.0モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。MA:63.7g(0.65モル)とモノマーa2−5:525g(0.35モル)(質量比=11/89、モル比=65/35)、水:161g(8.9モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:37.0gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液:14.8gを30分かけて滴下し、3時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を108g加えて中和し、ポリマーA13(60質量%水溶液)を得た。
攪拌機付反応容器に水:234g(13.0モル)、モノマーa2−6:546g(0.24モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で65℃まで昇温し、過酸化水素水8.6gを滴下した。次にAA:54.4g(0.76モル)及び水:45.6g(2.5モル)を混合溶解したものと、β−メルカプトプロピオン酸:8.0g、L−アスコルビン酸3.3g及び水:38.8gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。その後、1時間同温度(65℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を62.9g加えて中和し、ポリマーA14(60質量%水溶液)を得た(AA/モノマーa2−6質量比=9/91、モル比=76/24)。
攪拌機付反応容器に水:193g(10.7モル)、1,2−プロパンジオール:295g(3.9モル)、AA:5.0g(0.069モル)、モノマーa2−7:150g(0.13モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で85℃まで昇温した。AA:49.7g(0.69モル)とモノマーa2−7:150g(0.13モル)及び水:50.3g(2.8モル)を混合溶解したものと、ペルオキソ二硫酸ナトリウム:5.3g及び水:21.2gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に75分かけて滴下した。次に、AA:45.1g(0.63モル)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム:4.8g及び水:30.3gを混合溶解したものを、それぞれ同時に反応系に135分かけて滴下した。その後、3時間同温度(85℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を52.2g加えて中和し、ポリマーA15(40質量%溶液)を得た(AA/モノマーa2−7質量比=25/75、モル比=84/16)。
ポリマーA16には、アクリル酸/ポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5)共重合体のナトリウム塩(重量平均分子量10000、特開2000−309796号公報記載の化合物E)を用いた。表1において、ポリマーA16の構成単位(a1)となるアクリル酸はAAと示し、構成単位(a2)となるポリエチレングリコールアクリル酸エステル(EO平均付加モル数5)はモノマーa2−8と示す。
ポリマーA1〜A11、A13〜A16の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)法を用いて下記条件で測定した。測定結果を表1に示した。
表1中のポリマーA12の重量平均分子量(348.5)は、国際化学物質安全性カードに記載の値である。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1(体積比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.5mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
表2に記載の各成分を表2に記載の割合(質量%、有効分)で配合し混合することにより、実施例1〜22及び比較例1〜8の洗浄剤組成物を調製した。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)の電極を洗浄剤組成物に浸漬して3分後の数値を測定した。pH調整には、水酸化カリウム及び硫酸を用いた。成分B及び成分Cには以下のものを用いた。
<成分B:アルカリ剤>
KOH:水酸化カリウム(関東化学株式会社製、鹿特級、固形分48質量%)
MEA:モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)
MDA:N−メチルジエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール MDA)
EA:N−(β−アミノエチル)エタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール EA)
<成分C:水>
水:栗田工業株式会社製の連続純水製造装置(ピュアコンティ PC-2000VRL型)とサブシステム(マクエース KC-05H型)を用いて製造した超純水
<その他の成分>
硫酸:和工純薬工業株式会社製、試薬特級、純度95.0質量%
[分散性試験方法]
洗浄剤組成物30.0gを50mLポリプロピレンボトルに入れ、酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)0.15gを添加し、超音波洗浄機UT−105HS(シャープマニファクチャリングシステム株式会社製、100W、35kHz、30分間)にて攪拌し、攪拌直後及び静置1時間後の上澄みの吸光度を紫外可視分光光度計UV−2700(株式会社島津製作所製、測定波長660nm)で測定する。攪拌直後の吸光度を100とし、その相対値を分散性として表2に示す。数値が大きいほど分散性に優れる。
Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板(外径:95mmφ、内径:25mmφ、厚さ:1.75mm)を、研磨くずに相当する酸化ニッケル粒子(平均粒径50nm未満)を含有する分散液(濃度:0.0025質量%)に2分間浸漬することにより、汚染された被洗浄基板、すなわち、パーティクルが付着した被洗浄基板を用意した。そして、各洗浄剤組成物を用いて前記被洗浄基板の洗浄を行い、各洗浄剤組成物の洗浄性を評価した。洗浄は以下のようにして行った。
被洗浄基板5枚を、洗浄装置を用いて以下の条件で洗浄した。すすぎ槽は2セット用意した。
(1)洗浄−1:洗浄に使用する洗浄剤組成物を4000g調製した。調製した洗浄剤組成物を洗浄槽(a)に入れ、洗浄槽(a)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の洗浄剤組成物に被洗浄基板を浸漬し、超音波(200kHz)を照射しながら120秒間洗浄した。
(2)すすぎ−1:超純水をすすぎ槽(b)に入れ、すすぎ槽(b)内の液温が25℃になるように設定した。そして、洗浄槽(a)内の被洗浄基板をすすぎ槽(b)に移してすすぎ槽(b)内の超純水に浸漬し、超音波(600kHz)を照射しながら120秒間すすいだ。
(3)すすぎ槽(b)と同様の条件で準備した超純水を入れたすすぎ槽(c)を使用して、再度(2)を繰り返した。
(4)洗浄−2:すすぎ槽(c)内の被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移した。そして、洗浄ブラシに25℃の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行った。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄−1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いた。
(5)すすぎ−2:スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、25℃の超純水を射出し、洗浄ブラシを被洗浄基板の両面に(4)と同様に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを25℃で5秒間行った。
(6)スクラブ洗浄ユニット(A)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(C)、スクラブ洗浄ユニット(B)と同様の条件で準備したスクラブ洗浄ユニット(D)を使用して再度(4)と(5)を繰り返した。
(7)すすぎ−3:超純水をすすぎ槽(e)に入れ、すすぎ槽(e)内の液温が25℃になるように設定した。そして、被洗浄基板をすすぎ槽(e)に移してすすぎ槽(e)内の超純水に浸漬し、超音波(170kHz)を照射しながら600秒間すすいだ。
(8)乾燥:被洗浄基板をスピンドライヤーに移し、回転数700rpmで60秒間かけて完全に基板表面を乾燥させた。
10000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela7100、KLA−Tencor社製)のMODE Q−Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。各洗浄剤組成物について10枚ずつの基板について前記測定を行い、平均値を算出した。比較例1の値を100として相対値を表2に示す。値が小さいほど、欠陥数が少なく、洗浄性に優れると評価できる。
Claims (10)
- 下記一般式(I)で表されるモノマーa1又はその無水物由来の構成単位(a1)、並びに、下記一般式(II)で表されるモノマー及び下記一般式(III)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマーa2由来の構成単位(a2)を含むポリマー(成分A)を含有し、
成分Aの重量平均分子量は、15000以上200000以下であり、
pHが8以上である、ハードディスク用基板用の洗浄剤組成物。
- 成分Aの重量平均分子量が、20000以上80000以下である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
- アルカリ剤(成分B)をさらに含有する、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
- 成分Bが、アルカリ金属水酸化物、ヒドロキシアルキルアミン及び第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の洗浄剤組成物。
- 洗浄剤組成物の洗浄時における成分Aの含有量は、0.001質量%以上10質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
- 請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、基板の洗浄方法。 - 前記基板が、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板である、請求項6に記載の洗浄方法。
- 前記研磨液組成物が、シリカ砥粒を含有する研磨液組成物である、請求項6又は7に記載の洗浄方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物を用いて被洗浄基板を洗浄する洗浄工程を含み、
前記被洗浄基板は、研磨液組成物で研磨された基板である、ハードディスク用基板の製造方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載の洗浄剤組成物のハードディスク用基板の洗浄への使用。
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