JP3357027B2 - 地盤改良装置 - Google Patents

地盤改良装置

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JP3357027B2
JP3357027B2 JP2000180978A JP2000180978A JP3357027B2 JP 3357027 B2 JP3357027 B2 JP 3357027B2 JP 2000180978 A JP2000180978 A JP 2000180978A JP 2000180978 A JP2000180978 A JP 2000180978A JP 3357027 B2 JP3357027 B2 JP 3357027B2
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健 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物等の基礎工
事として地盤を掘削しながらセメントや石灰等の粉粒体
状もしくはスラリ状の固化材と土壌とを撹拌,混合して
地盤を改良する地盤改良装置に関し、さらに詳しくは、
母機(ベースマシン)となるバックホー等の建設機械に
支持された掘削,撹拌用の撹拌装置に、掘削,撹拌処理
と並行して上記固化材を地中に吐出するための固化材吐
出装置を備えた地盤改良装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の地盤改良装置における固化材吐
出技術として、例えば特公平8−6313号公報および
特許第2686920号公報に記載されたものが知られ
ている。
【0003】これらの従来の技術では、固化材圧送管の
先端にラッパ状もしくは漏斗状に広がる吐出口部を設
け、この吐出口部からセメント等の粉粒体状の固化材を
単独もしくは水や圧空気とともに放射状に拡散させなが
ら吐出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、上記吐出口部が土壌中に大きく開口するかたちと
なるため、理論上は吐出の瞬間に広範囲にわたって固化
材を拡散噴射させることができるものの、実際には上記
吐出口部に土圧抵抗が加わることになるためにその吐出
口部が土壌によって閉塞されやすく、固化材の吐出効率
ひいていは土壌と固化材との撹拌混合品質もしくは地盤
改良品質の向上の上でなおも改善の余地を残している。
【0005】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、とりわけ撹拌装置に付設された吐出装置が
土壌中にあっても効率よく固化材を吐出することができ
るようにした構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、所定の建設機械を母機として地盤の掘削,撹拌用の
トレンチャー等の撹拌装置が装着されているとともに、
その撹拌装置には該撹拌装置による土壌の掘削,撹拌処
理と並行して土壌中に粉粒体状もしくはスラリ状の固化
材を吐出する固化材吐出装置が設けられた地盤改良装置
であることを前提としている。
【0007】そして、上記固化材吐出装置は、所定の固
化材圧送源に接続された固化材圧送管の先端に、その通
路面積を急激かつ大幅に拡大しつつ先端にはスリット状
の吐出口を有する偏平状のノズルチャンバーを備えてい
て、さらにこのノズルチャンバーは、固化材圧送管から
ノズルチャンバー内に導入される固化材をそのノズルチ
ャンバーに設けられた拡散部材と協働して上記吐出口の
長手方向全域に拡散させる拡散領域と、前記ノズルチャ
ンバー内で拡散された固化材を上記吐出口からの吐出に
先立って加圧しつつ加速させる加速領域とをもって構成
されていることを特徴としている。
【0008】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、ノズルチャンバーを、拡散領域を形成する拡散用チ
ャンバーと、この拡散用チャンバーに隣接しつつ加速領
域を形成する加速用チャンバーとに互いに分離,独立さ
せ、拡散用チャンバーの吐出口を加速用チャンバーに、
加速用チャンバーの吐出口を外部にそれぞれ開口させる
ようにするのが望ましい。
【0009】さらに、請求項3に記載の発明のように、
前記拡散用チャンバーおよび加速用チャンバーのうち少
なくとも加速用チャンバーの断面積がその吐出口側に向
かって漸次減少しつつその吐出口の開口面積をもって収
束していることが望ましい。
【0010】また、多くの場合には、請求項10に記載
の発明のように、所定の建設機械を母機としてそのアー
ム先端に地盤の掘削,撹拌用の撹拌装置が装着される。
【0011】したがって、上記請求項1に記載の発明で
は、ノズルチャンバーの吐出口がスリット状のものであ
ってその開口面積が小さいものの、ノズルチャンバー内
においてその吐出口の全長にわたって拡散された固化材
が同じくノズルチャンバー内の加速領域にて加圧,加速
され、そのままスリット状の吐出口から均一に吐出され
る。
【0012】特に請求項2に記載の発明のように、拡散
領域を形成する拡散用チャンバーと、この拡散用チャン
バーに隣接しつつ加速領域を形成する加速用チャンバー
とが互いに独立していると、上記固化材の拡散作用と加
圧,加速作用とがより良好に行われるようになり、しか
も、請求項3に記載の発明のように、少なくとも加速用
チャンバーの断面積がその吐出口側に向かって漸次減少
しつつその吐出口の開口面積をもって収束していると、
上記加速効果が一段と顕著となる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明を前提とした上で、外部に開口し
ている吐出口の直近位置に、固化材の吐出方向を制御し
つつ土砂等の進入を阻止する吐出方向制御部材が設けら
れていることを特徴としている。
【0014】この吐出方向制御部材としては、固化材の
吐出方向を制御しつつ土砂等の進入を阻止する機能があ
れば特に形状等は問わないが、スリット状の吐出口の長
手方向に沿って配置されることが望ましい。
【0015】したがって、この請求項4に記載の発明で
は、上記吐出方向制御部材があるために、土圧抵抗を受
けたとしてもその吐出口が閉塞されてしまうことがな
く、スリット状の吐出口からの固化材の吐出が安定して
行われる。
【0016】請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜
4のいずれかに記載の発明を前提とした上で、ノズルチ
ャンバー内には、上流側から下流側に向かって外部から
圧縮空気が導入されるようになっていることを特徴とし
ている。
【0017】したがって、この請求項5に記載の発明で
は、上記圧縮空気圧によってもまたノズルチャンバー内
での固化材の拡散作用と加圧,加速作用とが一層促進さ
れる。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明におけるノズルチャンバー内に導入すべき圧縮空
気を安定供給するための補助タンクをノズルチャンバー
に付設したことを特徴としている。この補助タンクは、
脈動等の防止のために実質的にアキュームレータとして
機能する。
【0019】したがって、この請求項6に記載の発明で
は、ノズルチャンバー内への圧縮空気の供給が安定化す
ることで、その圧縮空気圧による固化材の拡散作用と加
圧,加速作用とが一段と安定化する。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の
いずれかに記載の発明を前提とした上で、固化材圧送管
からノズルチャンバー内に導入される固化材がスラリ状
のものであって、且つ前記拡散用チャンバーと加速用チ
ャンバーとの間に絞りを設けたことを特徴としている。
【0021】したがって、この請求項7に記載の発明で
は、上記絞り効果のために、拡散領域から加速領域へと
固化材が流れる過程でその流速が一段と加速される。
【0022】請求項8に記載の発明は、請求項5に記載
の発明を前提とした上で、固化材圧送管からノズルチャ
ンバー内に導入される固化材が粉粒体状のものであっ
て、且つノズルチャンバー内に導入される圧縮空気に代
えて水を圧送することにより、そのノズルチャンバー内
において固化材をスラリ状に混合するものであることを
特徴としている。
【0023】したがって、この請求項8に記載の発明で
は、ノズルチャンバーには固化材として粉粒体状のもの
が供給されるも、そのノズルチャンバー内にて固化材と
水とが適度に混合された上でスラリ状のものとして吐出
口から吐出されることから、粉塵対策の上で有利とな
る。そして、水の供給量を調整することにより、固化材
と水との混合割合を任意に調整することが可能となる。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項5または
6に記載の発明を前提とした上で、固化材圧送管から供
給される空気量をQa、その固化材圧送管の断面積を
A、ノズルチャンバーの吐出口から吐出される空気量を
Qb、そのノズルチャンバーの吐出口の開口面積をBと
したとき、Qb/B≧Qa/Aとなるようにノズルチャ
ンバー内に導入される圧縮空気量が設定されていること
を特徴としている。
【0025】したがって、この請求項9に記載の発明で
は、固化材が固化材圧送管からノズルチャンバーに入る
ときの空気密度と、固化材がノズルチャンバーの吐出口
から吐出されるときの空気密度とがほぼ同等もしくは吐
出時の空気密度の方が大きくなるように、実質的にノズ
ルチャンバーへの圧縮空気の導入によってその空気量が
補給されることになる。これにより、スリット状の吐出
口にて固化材が詰まるようなことがなく、吐出口からの
固化材の吐出が安定して行われる。
【0026】請求項11に記載の発明は、請求項5に記
載の地盤改良装置を前提とした上で、撹拌装置は中空状
の支柱部を備えていて、この支柱部がノズルチャンバー
内に導入すべき圧縮空気を安定供給するための空気タン
クを兼ねていることを特徴としている。
【0027】したがって、この請求項11に記載の発明
では、強度部材としてとかく占有スペースが大きくなり
がちな支柱部を有効利用してその内部空間を空気タンク
として有効活用したものであり、結果的には請求項6に
記載の発明の補助タンクに代わり容量的にも十分な空気
室としての役目をすることになる。これにより、請求項
6に記載の発明のように空気タンクが外部に露出するこ
ともなければ、他の撹拌装置構成要素との関係で設置位
置や容量が制約されることもなくなる。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、スリッ
ト状の吐出口を有する偏平状のノズルチャンバーが、固
化材を拡散部材と協働して吐出口の長手方向全域に拡散
させる拡散領域と、ノズルチャンバー内で拡散された固
化材を吐出口からの吐出に先立って加圧しつつ加速させ
る加速領域とをもって構成されていることため、土圧抵
抗を受けたとしても土壌中にて固化材を効率よく、しか
も安定して吐出することができる。
【0029】特に請求項2に記載の発明のように、拡散
領域を形成する拡散用チャンバーとこの拡散用チャンバ
ーに隣接しつつ加速領域を形成する加速用チャンバーと
が互いに独立していると、上記固化材の拡散作用と加速
作用とがよりスムーズに行われて、固化材吐出の安定化
が一段と顕著となるほか、請求項3に記載の発明のよう
に、少なくとも加速用チャンバーの断面積がその吐出口
側に向かって漸次減少しつつその吐出口の開口面積をも
って収束していると、とりわけ固化材の加速効果が一段
と顕著となる。
【0030】請求項4に記載の発明によれば、外部に開
口している吐出口の直近位置に、固化材の吐出方向を制
御しつつ土砂等の進入を阻止する吐出方向制御部材が設
けられているため、土砂等の進入によって吐出口が閉塞
されてしまうことがなく、固化材吐出の安定性および信
頼性が一段と向上する。
【0031】請求項5に記載の発明によれば、ノズルチ
ャンバー内には上流側から下流側に向かって外部から圧
縮空気が導入されるようになっているため、固化材には
その圧送圧のみならず上記圧縮空気の圧力が付与される
ことになり、上記固化材の加圧および加速作用が一段と
助長され、固化材吐出の安定性および信頼性が一段と高
いものとなる。
【0032】請求項6に記載の発明によれば、ノズルチ
ャンバー内に導入すべき圧縮空気を安定供給するための
補助タンクをノズルチャンバーに付設したことから、こ
れによってもまた空気供給の安定化とともに固化材吐出
の安定性ならびに信頼性が一段と高いものとなる。
【0033】請求項7に記載の発明によれば、ノズルチ
ャンバー内に導入される固化材をスラリ状のものとした
上で、拡散用チャンバーと加速用チャンバーとの間に絞
りを設けたものであるから、特にスラリ状固化材を吐出
する場合の加速効果が一段と顕著となる利点がある。
【0034】請求項8に記載の発明によれば、ノズルチ
ャンバー内に導入される固化材が粉粒体状のものである
ことを前提とした上で、上記ノズルチャンバー内に導入
される圧縮空気に代えて水を圧送して、そのノズルチャ
ンバー内において固化材をスラリ状に混合するようにし
たことから、適度な混合状態となったスラリ状の固化材
を直接吐出することができるほか、一部の固化材が粉塵
となって飛散してしまうことがなく、地盤改良に伴う粉
塵発生防止と固化材の歩留まり向上の上で有利となる。
【0035】請求項9に記載の発明によれば、固化材圧
送管からノズルチャンバーへの固化材圧送時の空気密度
とノズルチャンバーの吐出口からの固化材吐出時の空気
密度とが同等もしくは固化材吐出時の空気密度の方が大
きくなるように設定されていることから、固化材吐出の
安定性が一段と向上する。
【0036】特に請求項11に記載の発明によれば、ト
レンチャーの支柱部自体が空気タンクを兼ねることによ
り、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られること
はもちろんのこと、空気室の設置位置や容量の制約を大
幅に緩和できる利点がある。
【0037】
【発明の実施の形態】図1〜6は本発明の地盤改良装置
の好ましい実施の形態を示す図で、図1に示すように建
設機械であるバックホー1を母機(ベースマシン)とし
て、そのアーム2の先端に土壌の掘削,撹拌のための撹
拌装置として例えばチェーン駆動式のトレンチャー3を
装着してある。
【0038】図2,3は上記撹拌装置として機能するト
レンチャー3の詳細を示す正面説明図および側面説明図
であって、そのトレンチャー3の主体となるフレーム4
は、略角柱状の支柱部5と、その支柱部5の上端に接合
された左右一対のサイドプレート6、およびそれら左右
のサイドプレート6,6同士を接続しているトッププレ
ート7と、このトッププレート7に接合された二股状の
クレビス8と、上記支柱部5の下端から斜めに延設され
た左右各一対の補助アーム9,10とをもって構成され
ていて、図1に示したように上記フレーム4のクレビス
8がバックホー1のアーム2に着脱可能に接続される。
【0039】上記サイドプレート6,6同士の間には一
対のブラケット11,12が立設されており、これらの
ブラケット11,12には駆動軸13と一体の駆動輪と
しての駆動側チェーンスプロケット14がベアリングユ
ニット15,16にて両持ち支持されるかたちで回転可
能に支持されている。一方のブラケット11の外側には
回転駆動手段として油圧モータ17が取り付けられてお
り、この油圧モータ17によって上記駆動側チェーンス
プロケット14が回転駆動されるようになっている。な
お、上記油圧モータ17としては正逆転駆動が可能なも
のが採用されている。
【0040】また、フレーム4の下端において左右で対
をなす各補助アーム9,10同士の間には、互いに平行
にそれぞれに回転軸18が横架されている。各回転軸1
8の中央部には従動輪としてのチェーンローラ19が装
着されているとともに、各回転軸18の両端部にはガイ
ドローラ20がそれぞれに装着されている。これらのチ
ェーンローラ19とガイドローラ20は個々に独立して
回転できる構成であってもよく、それらチェーンローラ
19と左右一対のガイドローラ20,20とが同軸一体
のものとして構成されていてもよい。加えて、チェーン
ローラ19は駆動側チェーンスプロケット14と異なり
後述するドライブチェーン21と噛み合う歯を有してい
ないものであるが、駆動側チェーンスプロケット14と
同様の歯を有するチェーンスプロケットタイプのもので
もよい。
【0041】そして、上記駆動側チェーンスプロケット
14とチェーンローラ19との間には単一かつエンドレ
スなドライブチェーン21が巻き掛けられていて、この
ドライブチェーン21は上記油圧モータ17の起動に応
じて周回駆動されるようになっているととに、上記ドラ
イブチェーン21の外周には所定のピッチで多数(例え
ば6枚〜12枚程度)の撹拌翼22が装着されている。
この撹拌翼22は、図4に示すように、幅寸法に比して
その長さが十分に長い短冊平板状のもので、上記フレー
ム4の下部では各撹拌翼22の両端部がガイドローラ2
0に接触してこれらのガイドローラ20に案内されるよ
うになっている。また、各撹拌翼22の前面には例えば
四つの切削羽根23が突出形成されているとともに、裏
面側の両端部には突起部材24が一体に形成されてい
る。
【0042】上記フレーム4のうち左右一対のサイドプ
レート6,6同士の対向間隙内には、払拭手段として各
撹拌翼22と同等の長さを有するワイヤブラシもしくは
櫛形状の払拭ブラシ25がドライブチェーン21側に向
けて一直線状に設けられていて、ドライブチェーン21
の周回運動に応じて各撹拌翼22が払拭ブラシ25を通
過する際にこれに接触してその撹拌翼22に付着した泥
や固化材等が払拭されるようになっている。
【0043】また、フレーム4の一部を形成する左右一
対のサイドプレート6,6の内側面には、定位置固定式
の略円弧状に湾曲成形された所定幅寸法の誘導リング2
6がそれぞれに溶接固定されている。そして、各誘導リ
ング26の上半部外周面の位置および曲率半径はドライ
ブチェーン21に固定された撹拌翼22の内周面の周回
移動軌跡と一致させてあり、したがって、ドライブチェ
ーン21とともに周回移動する各撹拌翼22はガイドロ
ーラ20のみならず誘導リング26によってもまた案内
されるようになっている。
【0044】上記フレーム4のうち支柱部5の下面には
一対のチェーンローラ19,19同士の間に位置するよ
うにしてセメントあるいは石灰等の地盤改良用の固化材
を吐出するための固化材吐出装置27が設けられてい
る。この固化材吐出装置27は、下方に至るにしたがっ
て漸次その断面積が小さくなりながら下端が吐出口とし
て開口した偏平矩形状のノズルチャンバー42と、その
ノズルチャンバー42の両側に配置されたレシーバータ
ンク43とを備えていて、レシーバータンク43は、固
化材吐出に必要な圧縮空気を安定供給するために、図示
しない空気圧力源から送られてきた圧縮空気を一時的に
蓄えた上で後述するエアブローノズルに供給するアキュ
ームレータとしての機能を有するものである。そして、
この固化材吐出装置27は、図示しない圧送パイプ等に
てノズルチャンバー42に圧送されてきた粉粒体状の固
化材をノズルチャンバー内42の長手方向全域に拡散し
つつ加速させ、さらに上記レシーバータンク43から供
給される圧縮空気をもって固化材を吐出するようになっ
ている。なお、この固化材吐出装置27の詳細は後述す
る。
【0045】上記フレーム4のうち支柱部5の両側面に
はドライブチェーン21の張り側および緩み側にそれぞ
れ張力を付与するためのチェーンテンショナ28,29
が配設されている。これらのチェーンテンショナ28,
29は重ね板ばね30の長手方向中央部にテンションロ
ーラ31を取り付けるとともに、各重ね板ばね30を相
互に独立した支持プレート32に固定支持させたもの
で、双方の支持プレート32,32は支柱部5を抱持す
るかのごとく配置された支持体としての共通のスライダ
33に固定されている。
【0046】より詳しくは、各重ね板ばね30はその一
端の目玉部30aを支点として支持プレート32に揺動
可能に支持させるともに、他端を半固定状態とするべく
クリップ30bにて浮動支持させたもので、その支持プ
レート32,32同士を連結しているスライダ33は図
3の左右方向にスライド可能となっている。そして、上
記のように支柱部5を抱持しているスライダ33には矩
形状の窓部34が開口形成されているとともに、支柱部
5側から突設されたガイドブロック35がこの窓部34
に係合していることから、このガイドブロック35と窓
部34とで規制される範囲内でスライダ33がスライド
可能であり、その結果として左右のチェーンテンショナ
28,29が連動するように構成されている。
【0047】したがって、このように構成された地盤改
良装置によれば、図1に示すようにトレンチャー3がバ
ックホー1のアーム2に支持されている状態で油圧モー
タ17を起動させて、ドライブチェーン21を駆動側チ
ェーンスプロケット14とチェーンローラ19との間で
周回駆動させる。この時、ドライブチェーン21の外周
に装着されている各撹拌翼22はドライブチェーン21
とともに周回移動し、特にフレーム4の下部側では撹拌
翼22が複数のガイドローラ20によって、またフレー
ム4の上部側では撹拌翼22が左右一対の誘導リング2
6によってそれぞれ案内されることから、各撹拌翼22
の周回運動が安定して行われる。
【0048】この状態でバックホー1自体の掘削能力を
もってトレンチャー3を対象とする改良土壌(改良地
盤)G中に挿入し、同時にトレンチャー3先端の固化材
吐出装置27から例えばセメントあるいは石灰等の固化
材を吐出する。これにより、改良土壌が繰り返し掘り返
されながら固化材と混ざり合うように撹拌混合される。
【0049】この撹拌混合の過程では、ドライブチェー
ン21の張り側および緩み側ともに相互に連動するチェ
ーンテンショナ28,29によって所定の張力が付与さ
れており、しかもドライブチェーン21とチェーンロー
ラ19との噛み合い部の両側にそれぞれにガイドローラ
20が位置しているため、石等の異物が噛み込みにくい
ばかりでなく、ドライブチェーン21自体もきわめて外
れにくいものとなる。
【0050】また、各撹拌翼22には切削羽根23とと
もその裏面側に突起部材24が設けられていることか
ら、掘削土壌をほぐしつつその塊を効率よく破砕するこ
とができることはもちろんのこと、掘り起こした土壌中
に適度な空間をつくって固化材と満遍なく混合すること
ができるようになり、またドライブチェーン21の裏側
に土壌が回り込んだとしてもやがては上記突起部材24
によって排除されることになる。
【0051】さらに、上記撹拌翼22に土壌が付着した
としてもその撹拌翼22が周回移動する過程で払拭ブラ
シ25を通過することにより除去されることから、いわ
ゆる撹拌翼22の詰まりによる掘削能率の低下を招かな
いで済むことになる。
【0052】以上の各機能は、必要に応じてドライブチ
ェーン21を逆転駆動した場合でも同様に発揮されるも
のであり、特に双方のチェーンテンショナ28,29が
連動するようになっていて張り側および緩み側ともに適
度な張力が付与されることから、逆転駆動に際して特に
ドライブチェーン21の張り側と緩み側を意識する必要
がなくなる。
【0053】図5の(A),(B)は上記固化材吐出装
置27の詳細を示す図であって、粉粒体状の固化材の圧
送を目的とした固化材圧送管41の先端に連結された偏
平状をなす矩形箱形状のノズルチャンバー42とそのノ
ズルチャンバー42の両側面に付設された補助タンクと
してのレシーバータンク43とを備えている。上記ノズ
ルチャンバー42は、後述するように固化材圧送管41
から供給されてくる固化材の通路面積を急激かつ大幅に
拡大しつつその固化材を吐出口47の長手方向全域に拡
散させる拡散領域aとしての先細り形状の拡散用チャン
バー44と、その拡散された固化材の流れを加圧,加速
させる加速領域bとしての断面略三角形状の加速用チャ
ンバー45とを直列に接続したものであって、拡散用チ
ャンバー44および加速用チャンバー45ともにその下
端にスリット状に開口した吐出口46または47を有し
ていて、拡散用チャンバー44の吐出口46はその下方
の加速用チャンバー45に、加速用チャンバー45の吐
出口47は外部にそれぞれ開口している。
【0054】そして、加速用チャンバー45の吐出口4
7の下方であってその長手方向全域には所定距離隔てて
吐出方向制御部材としてバッフルバー48が両持ち支持
されていて、このバッフルバー48によって吐出口47
からの固化材の吐出方向が制御されるとともに、同時に
土砂等の吐出口47からの直接的な進入が阻止されるよ
うになっている。
【0055】また、上記拡散用チャンバー44および加
速用チャンバー45ともに下方に至るにしたがってその
外形形状が小さくなるように絞られていて、実質的に各
チャンバー44,45の断面積が下方に至るにしたがっ
て漸次小さくなりながら最終的には各吐出口46または
47の開口面積をもって収束するように形成されてい
る。
【0056】上記拡散用チャンバー44の中央部には山
形状をなす拡散部材たる拡散プレート49が固化材圧送
管41に臨むように配置されていて、これにより固化材
圧送管41から圧送されてきた固化材は拡散用チャンバ
ー44自体の形状とも相俟って吐出口47の長手方向全
域に拡散されるようになっている。
【0057】また、上記拡散用チャンバー44の上面な
らびに加速用チャンバー45の上面にはそれぞれに複数
のエアブローノズル50または51を臨ませてあり、レ
シーバータンク43を経由した圧縮空気を各エアブロー
ノズル50,51から各チャンバー44,45内部に噴
射することにより、拡散用チャンバー44による固化材
の拡散効果および加速用チャンバー45による固化材加
速効果を助長するようにしてある。すなわち、拡散用チ
ャンバー44では、その上方から下方に向けて圧縮空気
を吹き込むことにより、拡散用チャンバー44側から加
速用チャンバー45側に向かう固化材の流れを助長する
ように設定してあり、他方、加速用チャンバー45で
は、吐出口47に向け斜め下方に圧縮空気を吹き込むこ
とにより、その吐出口47から外部に吐出しようとする
固化材を加圧しつつ加速する機能を持たせてある。
【0058】したがって、上記構造の固化材吐出装置2
7によれば、固化材圧送管41を通して所定の圧力をも
って空気圧送されてきた固化材は、上記ノズルチャンバ
ー42内に一旦入ったのち、スリット状の吐出口47か
ら左右に拡散するようにして吐出される。このとき、吐
出口47の下側にバッフルバー48があるため、吐出口
47から吐出された直後の固化材はそのバッフルバー4
8に衝突するかもしくは衝突しないままその吐出方向を
そらせられた上でより広い範囲に拡散するように吐出さ
れる。
【0059】一方、上記固化材圧送管41から供給され
た固化材がノズルチャンバー42内に滞留している過程
をより詳細に説明すると、固化材圧送管41からノズル
チャンバー42内に入った固化材は、最初に拡散用チャ
ンバー44内の拡散プレート49に衝突することで拡散
用チャンバー44の長手方向全域に拡散されて、固化材
自体の圧送エネルギのために下方に向かう拡散流れを生
成する。
【0060】そして、拡散用チャンバー44内で一旦拡
散された固化材は、拡散用チャンバー44の下方に至る
にしたがい拡散流れが再び収束されて、その吐出口46
からその下方の加速用チャンバー45へと吐出される。
このとき、拡散用チャンバー44に臨ませてあるエアブ
ローノズル50からの空気噴射により、その拡散用チャ
ンバー44内での下方に向かう固化材の拡散流れが一段
と促進される。
【0061】さらに、加速用チャンバー45内に入った
固化材は、長手方向での拡散状態を維持しつつその加速
用チャンバー45に臨ませてあるエアブローノズル51
からの空気噴射によって加圧されながら加速され、最終
的には吐出口47から勢いよく吐出されることになる。
【0062】ここで、上記固化材の吐出は、先に延べた
ように、地盤改良を目的として地中でのトレンチャー3
による掘削および撹拌混合処理と並行して行われるもの
であるから、上記吐出口47には土圧抵抗が作用しがち
であるが、吐出口47の直近位置にバッフルバー48を
設けてあるため、その土圧抵抗によって固化材の吐出が
遮られることはなく、吐出口47からの土砂等の逆流を
阻止しつつ、固化材は勢いよく土壌中に放出される。同
時に、ノズルチャンバー42内でのエアブローにて固化
材を加圧,加速してその運動エネルギを予め高めておく
ことにより、これによってもまた土砂等の逆流に対抗で
きるようになる。
【0063】また、固化材圧送管41からノズルチャン
バー42内に固化材とともに供給される空気量をQa、
その固化材圧送管41の断面積をAとし、さらにノズル
チャンバー42の吐出口47から固化材とともに吐出さ
れる空気量をQb、そのノズルチャンバー42の吐出口
47の開口面積をBとしたとき、それらの各パラメータ
の相互関係がQb/B≧Qa/Aの関係となるように、
ノズルチャンバー42内に導入されるエアブローノズル
50,51からの圧縮空気供給量を設定しておくとより
好ましいものとなる。
【0064】言い換えるならば、一般的には固化材圧送
管41の断面積よりも吐出口47の断面積の方が小さく
なることから、吐出口47での単位面積当たりの通過空
気量として、固化材圧送管41での単位面積当たりの通
過空気量と同等もしくはそれよりも大きくなるように、
各エアブローノズル50,51からの噴射空気量を調整
すると、ノズルチャンバー42による固化材の加圧,加
速効果が最適化され、且つまたスリット状の吐出口47
からの固化材の吐出状態がより一層スムーズに安定して
行われるようになる。
【0065】ここで、上記実施の形態では双方のエアブ
ローノズル50,51からともに圧縮空気を導入するよ
うにしているが、上部側のエアブローノズル50につい
ては単に大気開放として、固化材の供給圧および下側の
エアブローノズル51からの圧縮空気の導入に伴ってノ
ズルチャンバー42内部に発生する負圧により上記エア
ブローノズル50から外気を取り込むようにしてもよ
い。
【0066】図6,7は本発明の第2の実施の形態とし
て固化材吐出装置の別の形態を示す図で、この実施の形
態では単一のノズルチャンバー52をもって上記拡散用
チャンバー44と加速用チャンバー45との機能を併せ
持たせたものである。すなわち、そのノズルチャンバー
52の上半部を拡散領域aとし、下半部を加速領域bと
したもので、ノズルチャンバー52自体の構造の簡素化
と小型化を図る上では有利となる。なお、この実施の形
態は請求項1に記載の発明に対応している。
【0067】図8は本発明の第3の実施の形態として固
化材吐出装置のさらに他の形態を示す図で、この実施の
形態では、各エアブローノズル50,51からの空気噴
射に代えて水を噴射し、ノズルチャンバー42内にて粉
粒体状の固化材とその水とを混合してスラリ状あるいは
ミルク状の固化材とした上で、そのスラリ状の固化材を
吐出口47から吐出するようにしたものである。なお、
この実施の形態は請求項8に記載の発明に対応してい
る。
【0068】この第3の実施の形態の場合には、固化材
吐出による粉塵の発生がないので、固化材の無駄が少な
いだけでなく、地盤改良の際の作業環境を改善する上で
有利となる。
【0069】図9は本発明の第4の実施の形態として固
化材吐出装置のさらなる別の形態を示す図で、固化材圧
送管41にて粉粒体状の固化材ではなくスラリ状の固化
材を圧送する場合に、図の(B)と比較すると明らかな
ように、拡散用チャンバー54の下半部を急激に偏平化
させて絞り部(ベンチュリ)55を設定したものであ
る。なお、この実施の形態は請求項7に記載の発明に対
応している。
【0070】この実施の形態では、上記絞り効果のため
にスラリ状の固化材のチャンバー長手方向(吐出口の長
手方向)での拡散がより均一に行われるようになるとと
もに、拡散用チャンバー54のうちとかく負圧領域とな
りやすい上部側に図5の(A)と同様のエアブローノズ
ル50にてエアブローすることにより、その拡散用チャ
ンバー54から加速用チャンバー45へとスラリ状の固
化材が流れやすくなる。
【0071】図10以下の図面は本発明の第5の実施の
形態として撹拌装置であるトレンチャーそのものおよび
固化材吐出装置の他の変形例を示す図であって、先に説
明したトレンチャーと構成上共通する部分には同一符号
を付してある。すなわち、本実施の形態では、固化材吐
出装置そのものとそれに対する圧縮空気の供給系が先の
各実施の形態のものと異なっている。
【0072】図10,11に示すように、固化材吐出装
置60は図2,3に示したものと同様の配置のもとで撹
拌翼22とほぼ同等の幅寸法にわたり長尺偏平状のもの
として配置されていて、その長手方向両端部がブラケッ
ト61を介して補助アーム9,10に連結,支持されて
いる。この固化材吐出装置60そのものの長尺化により
固化材吐出効率の一層の向上が図られている。
【0073】他方、トレンチャー3のフレーム4の一部
を形成している中空角柱状もしくは角筒状の支柱部62
は完全密閉構造となっており、図12〜14に示すよう
にその支柱部62の内部は後述するように固化材吐出装
置60側に供給すべき圧縮空気を一時的に蓄える空気室
(空気タンク)たるレシーバータンク63としての機能
を併せ持っている。すなわち、図2,3,5に示したレ
シーバータンク43に代わる機能を有している。そし
て、図示しない空気圧力源からエア供給管64を通して
供給された圧縮空気は支柱部62の側部に形成されたポ
ート65を通してそのレシーバータンク63に一旦導入
された上、支柱部62の底部の吐出ポート66に接続さ
れるエアホース67を介して後述する固化材吐出装置6
0側に供給されることになる。また、図示しない固化材
供給源から固化材吐出装置60側へと固化材を圧送する
ための固化材圧送管41は、その圧送管41自体が上記
支柱部62内を通過して支柱部62の底部から外部に突
出して、そのまま後述する固化材吐出装置60に接続さ
れることになる。
【0074】図15以下の図面は上記固化材吐出装置6
0の詳細を示す図であって、その固化材吐出装置60の
中心となる偏平状をなす矩形箱型形状のノズルチャンバ
ー68は、固化材圧送管41から供給されてくる固化材
の通路面積を急激かつ大幅に拡大しつつその固化材を吐
出口72の長手方向全域に拡散させる拡散領域としての
先細り形状の拡散用チャンバー69と、その拡散された
固化材の流れを加圧,加速させる加速領域としての薄型
偏平形状の二つの加速用チャンバー70とで構成され、
上記拡散用チャンバー69を挟むようにしてその両側に
加速用チャンバー70を並べて配置してある。拡散用チ
ャンバー69はその下端にスリット状に開口した吐出口
71を、二つ一組の加速用チャンバー70はその下端に
両者が共有するようにしてスリット状に開口した吐出口
72をそれぞれ有していて、拡散用チャンバー44の吐
出口71は加速用チャンバー70の下部に、加速用チャ
ンバー70の吐出口72は外部にそれぞれ開口してい
る。
【0075】そして、上記拡散用チャンバー69および
加速用チャンバー70ともに下方に至るにしたがってそ
の外形形状が小さくなるように絞られていて、実質的に
各チャンバー69,70の断面積が下方に至るにしたが
って漸次小さくなりながら最終的には各吐出口71また
は72の開口面積をもって収束するように形成されてい
る。すなわち、ノズルチャンバー68内は、拡散用チャ
ンバー69の吐出口71よりも上方部分ではノズルチャ
ンバー68の厚み方向で実質的に三つの部屋に隔離形成
されている。
【0076】上記拡散用チャンバー69の上部中央部に
は、拡散部材たる拡散パイプ73が固化材圧送管41に
対しT字結合をもって接続されるように配置されてい
る。この拡散パイプ73の長手方向両端は着脱可能なエ
ンドキャップ74をもって閉塞されているとともに、そ
のエンドキャップ74に近接して拡散用チャンバー69
に臨む一対の拡散ノズル75が接続されている。これに
より、固化材圧送管41から圧送されてきた固化材は拡
散パイプ73を通ってその長手方向に向きを変えた上、
両端の拡散ノズル75から拡散用チャンバー69の長手
方向全域にわたり拡散吐出されるようになっている。
【0077】なお、上記拡散ノズル75からの固化材の
拡散吐出に伴ってその拡散用チャンバー69内の上部空
間が負圧となるのを防止するために、拡散用チャンバー
69は通気穴76をもって隣接する加速用チャンバー7
0に連通している。また、拡散パイプ75の両端を閉塞
しているエンドキャップ74にはその脱着の容易化ため
に操作ロッド77が一体に設けられていて、拡散パイプ
73内の清掃等に際しては適宜エンドキャップ74を取
り外すことで対処する。
【0078】他方、拡散用チャンバー69の両側の加速
用チャンバー70にはそれぞれに独立したエア供給ポー
ト78から圧縮空気が導入されるようになっているとと
もに、各加速用チャンバー70の下部には複数のエアブ
ローノズル78がサポートプレート79を介して長手方
向に一列に配設されていて、上記のように加速用チャン
バー70内に導入された圧縮空気は各エアブローノズル
78から双方の加速用チャンバー70,70が共有する
吐出口72に向けて均等に吹き出されるようになってい
る。これにより、その吐出口72から外部に吐出しよう
とする固化材を加圧しつつ加速する機能を持たせてあ
る。
【0079】ここで、上記加速用チャンバー70の上部
のエア供給ポート78は図11に示したエアホース67
を介して支柱部62内のレシーバータンク63に接続さ
れていて、したがってレシーバータンク63に一時的に
蓄えられた圧縮空気が上記加速用チャンバー70内に連
続的に供給されることになる。
【0080】したがって、本実施の形態の固化材吐出装
置60によれば、基本的には図5に示した実施の形態の
固化材吐出装置27の同様の機能が発揮される。
【0081】より詳しくは、固化材圧送管41を通して
所定の圧力をもって空気圧送されてきた固化材は、拡散
パイプ73を通過した上でその両端の拡散ノズル75か
ら拡散用チャンバー69内に勢いよく噴射され、さらに
拡散用チャンバー69自体が下方の吐出口71に向かっ
て収束しているために、固化材は拡散用チャンバー69
の長手方向全域に拡散されながらその吐出口71から噴
射される。
【0082】その一方、固化材の噴射と並行して左右の
加速用チャンバー70の複数のエアブローノズル78か
らは吐出口72に向かって圧縮空気が噴射されているた
め、上記拡散用チャンバー69の吐出口71から吐出さ
れた直後の固化材は加速空気流によって一段と加速され
て、最終的に吐出口72から勢いよく吐出されることに
なる。
【0083】このように本実施の形態によれば、図2,
3に示したものと異なり固化材吐出装置60そのものに
レシーバータンクを付帯させていないので、とかく狭隘
なスペースに配置せざるを得ない固化材吐出装置60の
配置位置の自由度を大きく確保できるほか、上記のよう
にトレンチャー3の支柱部62の内部空間をレシーバー
タンク63として利用しているので、レシーバータンク
63の容量も十分に大きく確保できる利点がある。
【0084】なお、本実施の形態の固化材吐出装置60
では第1の実施の形態のような吐出方向制御部材たるバ
ッフルバー48を備えていないが、必要に応じてバッフ
ルバーを設けてもよい。
【0085】図19,20は本発明の第6の実施の形態
を示す図で、この実施の形態では撹拌装置として上記ト
レンチャー3に代わるいわゆるタイン式地盤改良機80
を採用するとともに、このタイン式地盤改良機80に上
記第5の実施の形態における固化材吐出装置60を適用
したものである。なお、このタイン式地盤改良機80に
ついても図1に示すようなバックホー1等を母機として
そのアーム2の先端に装着される。
【0086】撹拌装置としてのタイン式の地盤改良機8
0は、周知のように例えば中空角柱状の支柱部82を含
むフレーム81の下部に一対のアーム83を備えてい
て、そのアーム間83,83に複数の撹拌翼84,84
…が装着された撹拌軸85が回転可能に両持ち支持され
ている。そして、その撹拌軸85と同軸一体の従動側の
チェーンスプロケット86と油圧モータ87側のモータ
軸と同軸一体の駆動側チェーンスプロケット88との間
にはドライブチェーン89が巻き掛けられていて、上記
油圧モータ87の起動により撹拌翼84を備えた撹拌軸
85が回転駆動される。
【0087】上記フレーム81の下面には、撹拌翼84
の配列幅とほぼ同等の長さをもって図15〜18に示し
たものと全く同様の固化材吐出装置60が装着されてい
て、同時にフレーム81の支柱部82の内部空間は図1
0〜14に示したものと同様に空気室たるレシーバータ
ンクを兼ねている。
【0088】したがって、本実施の形態によれば、先の
第5の実施の形態のものと比べて撹拌装置の形式が異な
るだけであるから、固化材吐出装置60の機能をはじめ
として基本的にはその第5の実施の形態のものと全く同
様の作用効果が得られることになる。
【0089】図21以下の図面は本発明の第7の実施の
形態を示す図で、この実施の形態では撹拌装置として回
転式垂直押し込み方式の撹拌シャフト90を採用すると
ともに、この撹拌シャフト90に上記第5の実施の形態
のものとほぼ同様の固化材吐出装置100を適用したも
のである。なお、この撹拌シャフト90についても図2
1に示すようにバックホー1等を母機としてそのアーム
2の先端に装着される。
【0090】撹拌装置としての撹拌シャフト90は、そ
の回転駆動ユニットとともにバックホー1のアーム2の
先端に吊り下げ支持されているとともに、その下端には
例えば一対の撹拌翼91が装着されていて、撹拌シャフ
ト90自体の回転運動とともにバックホー1の押し込み
推力を受けることにより地中深くまでその掘削,撹拌が
可能となっている。そして、撹拌翼91には図15〜1
8に示したものとほぼ同様の固化材吐出装置100が隣
接配置されていて、撹拌翼91による掘削,撹拌処理と
並行してその固化材吐出装置100から所定の固化材が
噴射されるようになっている。ここで、上記固化材吐出
装置100は図15〜18に示した操作ロッド77を有
していない点でのみ同図に示したものと異なっており、
それ以外の構造は全く同一であるから、ここでの詳細な
説明は省略するものとする。
【0091】上記固化材吐出装置100には撹拌シャフ
ト90内の固化材圧送管92を通して所定の固化材が供
給されるようになっているとともに、その撹拌シャフト
90内の一部は空気室(空気タンク)93として隔離形
成されている。この空気室93にはエア供給管94を通
して外部から圧縮空気が供給されるとともに、この空気
室93に導入された圧縮空気が固化材吐出装置100に
供給されるようになっている。
【0092】したがって、本実施の形態においても、先
の第5の実施の形態のものと比べて撹拌装置の形式が異
なるだけであるから、固化材吐出装置100の機能をは
じめとして基本的にはその第5の実施の形態のものと全
く同様の作用効果が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての地盤改良装
置の一例を示す全体構成説明図。
【図2】図1に示す撹拌装置としてのトレンチャーの正
面説明図。
【図3】図1に示すトレンチャーの左側面説明図。
【図4】図2,3のドライブチェーンの詳細を示す図
で、(A)は正面説明図、(B)は同図(A)の平面説
明図、(C)は同図(A)の右側面説明図。
【図5】図2,3のトレンチャーに適用された固化材吐
出装置の詳細を示す図で、(A)はその正面説明図、
(B)は同図(A)の垂直断面説明図。
【図6】本発明の第2の実施の形態として上記固化材吐
出装置の変形例を示す正面説明図。
【図7】図6の垂直断面説明図。
【図8】本発明の第3の実施の形態として上記固化材吐
出装置の別の変形例を示す断面説明図。
【図9】本発明の第4の実施の形態として上記固化材吐
出装置のさらに他の変形例を示す断面説明図。
【図10】本発明の第5の実施の形態として撹拌装置で
あるトレンチャーの変形例を示す正面説明図。
【図11】図10の右側面説明図。
【図12】図11のA−A線に沿う断面説明図。
【図13】図11のB−B線に沿う断面説明図。
【図14】図11のC−C線に沿う断面説明図。
【図15】図10,11に示す固化材吐出装置の断面説
明図。
【図16】図15のD−D線に沿う断面説明図。
【図17】図15のE−E線に沿う断面説明図。
【図18】図16,17の平面説明図。
【図19】本発明の第6の実施の形態として撹拌装置に
タイン式地盤改良機を用いた場合の正面説明図。
【図20】図19の左側面説明図。
【図21】本発明の第7の実施の形態として撹拌装置に
撹拌シャフトを用いた場合の地盤改良装置全体構成説明
図。
【図22】図21の要部拡大説明図。
【図23】図22の側面説明図。
【図24】図22のF−F線に沿う断面図。
【符号の説明】 1…バックホー(母機) 2…アーム 3…トレンチャー(撹拌装置) 27…固化材吐出装置 41…固化材圧送管 42…ノズルチャンバー 43…レシーバータンク(補助タンク) 44…拡散用チャンバー(拡散領域) 45…加速用チャンバー(加速領域) 47…吐出口 48…バッフルバー(吐出方向制御部材) 49…拡散プレート(拡散部材) 50,51…エアブローノズル 52…ノズルチャンバー 54…拡散用チャンバー 55…絞り 60…固化材吐出装置 62…支柱部 63…レシーバータンク 68…ノズルチャンバー 69…拡散用チャンバー 70…加速用チャンバー 71…吐出口 72…吐出口 73…拡散パイプ(拡散部材) 75…拡散ノズル 78…エアブローノズル 80…タイン式の地盤改良機(撹拌装置) 82…支柱部 90…撹拌シャフト(撹拌装置) 93…空気室 100…固化材吐出装置 a…拡散領域 b…加速領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−316868(JP,A) 特許2686920(JP,B2) 特公 平8−6313(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/12 102

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の建設機械を母機として地盤の掘
    削,撹拌用の撹拌装置が装着されているとともに、その
    撹拌装置には該撹拌装置による土壌の掘削,撹拌処理と
    並行して土壌中に粉粒体状もしくはスラリ状の固化材を
    吐出する固化材吐出装置が設けられた地盤改良装置であ
    って、 前記固化材吐出装置は、所定の固化材圧送源に接続され
    た固化材圧送管の先端に、その通路面積を急激かつ大幅
    に拡大しつつ先端にはスリット状の吐出口を有する偏平
    状のノズルチャンバーを備えてなり、 このノズルチャンバーは、 固化材圧送管からノズルチャンバー内に導入される固化
    材をそのノズルチャンバーに設けられた拡散部材と協働
    して上記吐出口の長手方向全域に拡散させる拡散領域
    と、 前記ノズルチャンバー内で拡散された固化材を上記吐出
    口からの吐出に先立って加圧しつつ加速させる加速領域
    と、 をもって構成されていることを特徴とする地盤改良装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ノズルチャンバーは、拡散領域を形
    成する拡散用チャンバーと、この拡散用チャンバーに隣
    接しつつ加速領域を形成する加速用チャンバーとが互い
    に独立していて、拡散用チャンバーの吐出口が加速用チ
    ャンバーに、加速用チャンバーの吐出口が外部にそれぞ
    れ開口していることを特徴とする請求項1に記載の地盤
    改良装置。
  3. 【請求項3】 前記拡散用チャンバーおよび加速用チャ
    ンバーのうち少なくとも加速用チャンバーの断面積がそ
    の吐出口側に向かって漸次減少しつつその吐出口の開口
    面積をもって収束していることを特徴とする請求項2に
    記載の地盤改良装置。
  4. 【請求項4】 外部に開口している吐出口の直近位置
    に、固化材の吐出方向を制御しつつ土砂等の進入を阻止
    する吐出方向制御部材が設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズルチャンバー内には、上流側か
    ら下流側に向かって外部から圧縮空気が導入されるよう
    になっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の地盤改良装置。
  6. 【請求項6】 前記ノズルチャンバー内に導入すべき圧
    縮空気を安定供給するための補助タンクをノズルチャン
    バーに付設したことを特徴とする請求項5に記載の地盤
    改良装置。
  7. 【請求項7】 前記固化材圧送管からノズルチャンバー
    内に導入される固化材がスラリ状のものであって、且つ
    前記拡散用チャンバーと加速用チャンバーとの間に絞り
    を設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記
    載の地盤改良装置。
  8. 【請求項8】 前記固化材圧送管からノズルチャンバー
    内に導入される固化材が粉粒体状のものであって、且つ
    ノズルチャンバー内に導入される圧縮空気に代えて水を
    圧送することにより、そのノズルチャンバー内において
    固化材をスラリ状に混合するものであることを特徴とす
    る請求項5に記載の地盤改良装置。
  9. 【請求項9】 固化材圧送管から供給される空気量をQ
    a、その固化材圧送管の断面積をA、ノズルチャンバー
    の吐出口から吐出される空気量をQb、そのノズルチャ
    ンバーの吐出口の開口面積をBとしたとき、Qb/B≧
    Qa/Aとなるようにノズルチャンバー内に導入される
    圧縮空気量が設定されていることを特徴とする請求項5
    または6に記載の地盤改良装置。
  10. 【請求項10】 所定の建設機械を母機としてそのアー
    ム先端に地盤の掘削,撹拌用の撹拌装置が装着されてい
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の地
    盤改良装置。
  11. 【請求項11】 撹拌装置は中空状の支柱部を備えてい
    て、この支柱部がノズルチャンバー内に導入すべき圧縮
    空気を安定供給するための空気タンクを兼ねていること
    を特徴とする請求項5に記載の地盤改良装置。
JP2000180978A 2000-06-16 2000-06-16 地盤改良装置 Expired - Fee Related JP3357027B2 (ja)

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