JP2686920B2 - 地盤攪拌混合機械 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地盤をセメント等
の粉体の固化材を供給しつつ攪拌混合し建築・構造物の
基礎として改良するための地盤攪拌混合機械に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来の地盤攪拌混合機械は、攪拌装置
に、土壌の攪拌に伴いセメント等の粉体の固化材を供給
するための固化材圧送管を配管すると共に所望位置に該
固化材圧送管内を圧送される固化材を噴出するための吐
出口を設けて構成されており、攪拌装置を地盤中に下降
させつつ吐出口から固化材を噴出すると共に、固化材の
一部が飛散することにより発生する粉塵公害を防止すべ
く散水ホースなど別系路から水を供給して、土壌を攪拌
混合するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、粉塵対策
のために水を使用するが、固化材と水は別系路から供給
されるので、噴出される固化材を飛散させることなくほ
とんど土壌中に供給することは難しく粉塵対策としては
充分ではなかった。また、特に１．５ｍ程度の浅い範囲
を地盤改良するので、固化材が空中に飛散し易く、原料
ロスにも繋るといった課題があった。そこで、本発明は
上記課題を解決すべくなされたもので、粉塵公害を発生
させない地盤攪拌混合機械を提供することを目的とする
ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明に係る地盤攪拌混合機械は、攪拌装置に土壌の
攪拌に伴いセメント等の粉体の固化材を供給するための
固化材圧送管を配管すると共に所望位置に該固化材圧送
管内を圧送される固化材を噴出するための吐出口を設け
た地盤攪拌混合機械において、前記吐出口内に水噴射用
のノズルを配置し、攪拌装置を地盤中に下降して前記吐
出口から固化材と水を同時に噴出しつつ土壌の攪拌混合
を行う。これにより、固化材が周囲に飛散するようなこ
とがなく粉塵による公害を無くすことができる。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下に本発明に係る地盤攪拌混合
機械の実施の形態を図面と共に説明する。図１は地盤を
掘削して攪拌混合する地盤攪拌混合機械を示し、自走可
能なバックホー１から可動自在のアーム２が延設され、
該アーム２の先端に地盤中に下降して地盤を攪拌混合す
る攪拌装置３が取着されている。この攪拌装置３はアー
ム２の先端に門状の機枠４が固着されており、その両側
板４ａ，４ｂ間の上部に駆動軸５が軸架されている。６
は一方の側板４ａの外側に取着され、前記駆動軸５を回
転駆動させる駆動モータである。また、前記駆動軸５に
は一対の駆動スプロケット７，７が設けられている。前
記駆動両側板４ａ，４ｂ間の下部に上下一対の横杆８，
８が横架され、これらの横杆８，８から前記一対の駆動
スプロケット７，７と対応位置させて一対の支持枠９，
９が垂設されている。そして、該各支持枠９，９の下端
部に従動スプロケット１０，１０が軸着されている。１
１，１１は前記一対の駆動スプロケット７，７と従動ス
プロケット１０，１０間に無端状に張設されるチエンで
あり、該各チエン１１，１１の外周面に地盤を掘削して
攪拌混合するための攪拌翼１２が複数列設されている。

【０００６】しかして、１３は攪拌装置３に沿うように
設けられ固化材であるセメントの粉体を圧送して地盤中
へ供給するための固化材圧送管であり、同じく１４は水
を供給するための給水管である。固化材圧送管１３はそ
の先端が攪拌装置３に沿ってＬ形に形成され、水平部１
３ａが前記一対の支持枠９，９の前側に固着され、垂直
部１３ｂが機枠４の一方の側板４ｂに固着されている。
そして、固化材圧送管１３の水平部１３ａの先端に先端
吐出部１５が図３に示すように吐出口１６に向い漸次広
がるハの字形に、かつ図２に示すように偏平に形成さ
れ、固化材が放射状に拡散されて吐出されるようになっ
ている。また、固化材圧送管１３の基端側は図示を省略
するが固化材が貯留させる貯留タンクに接続される。該
貯留タンクには圧縮ポンプが接続され、固化材圧送管１
３に供給される固化材を圧縮ポンプにより圧送するよう
にしている。

【０００７】また、給水管１４も前記固化材圧送管１３
に沿って取り付けられ、図示は省略する水源に接続され
る。そして、その水平部１４ａの先端は図３に示すよう
に固化材圧送管１３の水平部１３ａ内に引き入れられて
おり、その先端を固化材圧送管１３の先端吐出部１５内
に位置させ、さらにその先端に水を霧状に噴出させるノ
ズル１７を設けている。

【０００８】地盤攪拌混合機械は上記構成よりなり次に
その作用を説明する。固化材圧送管１３の先端の吐出口
１６から固化材を吐出させつつ地盤を攪拌混合するが、
この際に固化材は先端吐出部１５で放射状に広がり拡散
して吐出される。

【０００９】そして、吐出口１６から固化材を吐出する
ときは、給水管１４先端のノズル１７から同時に水を霧
状に噴出させるようにする。これにより霧状になった水
滴が固化材の粉体に付着してそのまま土壌中に吐出され
る。このように本発明では、固化材圧送管１３の先端吐
出部１５内の中心に位置して水の吐出口１７が設けられ
ているために、固化材が水と常に適当に混合された状態
で吐出され、その一部が粉塵となって地表の周囲には飛
散するようなことがなくなる。

【００１０】図４に示した攪拌装置２０は他の実施の形
態に係るもので、地盤中へ垂直に下降する一対の支持腕
間に回転軸を水平に軸支し、該回転軸の外周面に複数の
攪拌翼を突設して、回転軸を回転させながら地盤を攪拌
混合して改良するようにしたものである。図４はこの攪
拌装置２０の要部の正面図であり、図５はその断面図で
ある。図中、２１，２１は地盤中へ垂直に下降する一対
の支持腕であり、該各支持腕２１，２１の基端は前記バ
ックホー１のアーム２の先端に取着される。そして、両
側下端部に軸孔２２，２２が開設されている。２３は両
支持腕２１，２１間に水平に配置され、各軸孔２２，２
２に回転自在に軸支される回転軸である。該回転軸２３
はその外周面にリブ２４，２４を介して円筒状の保持筒
２５が固着され、該保持筒２５の外周面に複数の攪拌翼
２６が等間隔に突設されている。

【００１１】また、該回転軸２３は、図５に示すように
一端に駆動モータ２７が取着されて中空状に形成され、
他端に中空内部ａへセメントの粉体である固化材を圧送
するロータリースイベル２８が取着される。２９は該ロ
ータリースイベル２８へ固化材を供給する固化材圧送管
である。さらに、前記回転軸２３の外周面には適宜位置
に中空内部ａと連通する開口３０が複数設けられ、該各
開口３０から突出させた導出管３１の先端の吐出口３２
を前記保持筒２５の外周面に臨ませている。

【００１２】しかして、３３は水を供給する給水管であ
り、該給水管３３はロータリースイベル２８の内部を経
て中空内部ａ内に配管され、さらに各分岐管３３ａが導
出管３１内に配管され、吐出口３２に臨ませて各分岐管
３３ａ先端にノズル３４が取り付けられる。

【００１３】そして、前記一対の支持腕２１，２１を地
中へ垂直に下降させ、同時に駆動モータ２７により回転
軸２３を回転させ、固化材圧送管２９を介して中空内部
ａへ固化材を供給すると共に、各吐出口３２から外方へ
噴出しつつ土壌を攪拌混合してその改良を行なう。この
際、同時に各分岐管３３ａ先端のノズル３４から、水を
霧状に噴出させるようにする。これにより、固化材が水
滴とうまく混合してそのまま土壌中に吐出される。この
場合も、固化材の一部が周囲へ飛散するようなことはな
く、粉塵公害の発生も防止することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上に述べたように本発明に係わる地盤
攪拌混合機械は、固化材を噴出する吐出口内に水噴射用
のノズルを配置し、固化材の噴出と同時に水を噴出する
ようにしたので、固化材を水と常に適量に混合された状
態で吐出することができる。これにより、吐出される一
部の固化材が地表の周囲へ飛散することが少なくなり、
粉塵公害の発生を防止することができる。また、固化材
のロスも少なくなり経済的であるという利点も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる地盤攪拌混合機械の全体斜視
図。

【図２】図１のＡ−Ａ線拡大矢視図。

【図３】図２のＢ−Ｂ線断面図。

【図４】他の攪拌装置の正面図。

【図５】同正面断面図。

【符号の説明】

３，２０ 攪拌装置 １３，２９ 固化材圧送管 １６，３２ 吐出口 １７，３４ ノズル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地盤中に下降して土壌を攪拌混合する攪
   拌装置に、土壌の攪拌に伴いセメント等の粉体の固化材
   を供給するための固化材圧送管を配管すると共に、所望
   位置に該固化材圧送管内を圧送される固化材を噴出する
   めの吐出口を設けた地盤攪拌混合機械において、 前記吐出口内に水噴射用のノズルを配置し、前記吐出口
   から適量の固化材と水とを同時に噴出して、互いに混合
   した状態で土壌中に供給できるようにしたことを特徴と
   する地盤攪拌混合機械。