JP2003003791A - シールド掘進機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、地中に推進管等を埋設していく推進
工法において、シールド掘進機のチャンバ内に取り込ま
れた掘削土砂を添加材と攪拌して、塑性流動性に優れた
土砂としてチャンバ内に充満させ、安全で効率の良い推
進施工を行える泥土圧式シールド掘進機を提供するもの
である。 【構成】本発明は、面板の前面に取り付けられた切削具
で地盤を切削し、切削された掘削土砂を、面板に設けた
土砂取込口から後方のチャンバ内に送り込み、チャンバ
内に土砂を充満させて加圧して切羽の安定を図りながら
トンネル孔を構築していくシールド掘進機において、シ
ールド掘進機のチャンバ内の外殻内面の下方に上方に向
かってエアーを噴射させるエアー噴射孔を装備したシー
ルド掘進機である。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、シールド掘進機の
チャンバ内に掘削土砂を充満させて切羽の安定を図りな
がら地中に推進管等を埋設していく推進工法で、チャン
バ内の土砂を添加材と攪拌して塑性流動性に優れた掘削
土砂とするとともにチャンバ内壁への付着を防止できる
泥土圧式シールド掘進機に関するものである。 【０００２】 【従来技術】泥土圧式の推進工法は、推進管列の先端に
設置したシールド掘進機の面板の前面に取り付けられた
切削具によって、前方の地盤を切削し、切削された土砂
を、面板に設けた土砂取込口から後方のチャンバ内に送
り込み、チャンバ内に掘削土砂を充満させて切羽の土圧
や水圧とバランスさせながらトンネル孔を構築していく
方法である。面板の前面には、注入孔が設けられ、切羽
に注入孔から添加材を注入することによって、切削され
た掘削土砂と添加材を面板で攪拌することで塑性流動性
に優れた掘削土砂を作成することができ、切羽土圧や水
圧に対して効率良くバランスさせる。チャンバ内に充満
された掘削土砂は、切羽土圧や水圧とバランスさせなが
ら、下方に設けたスクリュウコンベア等の排土装置で圧
力保持しながら掘進機後方に搬送され、推進管内に設置
した掘削土砂用台車やパイプ搬送手段等によって発進立
坑内に搬送されていく。しかし、地下水の多い土質の場
合は、切羽部で注入された添加材と掘削土砂が十分に攪
拌される前に、地下水とともに細粒分の砂やシルトがチ
ャンバ内に流され、スクリュウコンヘア等の排土装置内
に保持されることなく流出してしまい、チャンバ内に切
羽土圧や水圧に対抗する対抗土圧を発生できなく、切羽
の安定が図れないという問題がある。 【０００３】このため、面板の背面やチャンバ内の面板
回転軸に複数の攪拌翼を設けて、添加材と掘削土砂を攪
拌する混練機構が設けられている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】前記した混練機構によ
り、チャンバ内での添加材と掘削土砂の攪拌は可能とな
り、塑性流動性に優れた掘削土砂の作成が行え、切羽土
圧や水圧に対抗する対抗土圧の発生ができるようになっ
た。しかし、粘性土を含む付着力の大きい土質に遭遇す
ると、チャンバ内に設けた複数の攪拌翼に粘性土が付着
して、徐々に一体化して固結土となって共回りし、掘削
土砂の排土が困難になるという問題が発生していた。 【０００５】このため、本発明は、どんな土質条件下に
おいてもチャンバ内で添加材と掘削土砂の攪拌が効率良
く行えるシールド掘進機を提供するものである。 【０００６】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、面板
の前面に取り付けられた切削具で地盤を切削し、切削さ
れた掘削土砂を、面板に設けた土砂取込口から後方のチ
ャンバ内に送り込み、チャンバ内に土砂を充満させて加
圧して切羽の安定を図りながらトンネル孔を構築してい
くシールド掘進機において、シールド掘進機のチャンバ
内の外殻内面の下方に上方に向かってエアーを噴射させ
るエアー噴射孔を装備したシールド掘進機である。 【０００７】シールド掘進機としては、通常使用されて
いる泥土圧式シールド掘進機を用いればよく、面板と後
方の隔壁によってチャンバが形成されている。隔壁の下
方には排土装置であるコンベア等が設けられ、土質条件
によってスクリュウ方式が採用されたり、リボン方式が
採用される。面板の前面に注入される添加材は、面板の
回転軸内を通して面板中央のフィッシュテールの側面か
ら注入すればよい。チャンバ内の外殻内面の下方には、
圧縮空気を上方に噴射させるための複数のエアー噴射孔
が装備されている。エアー噴射孔への圧縮空気の供給
は、下方に設けられたコンベア等の支障とならないよう
に、シールド掘進機の後方から外殻内側の上方からチャ
ンバ内まで送気管を延長し、チャンバ内の外殻の内周面
に沿うように下方に送気管を配管してエアー噴射孔に接
続されている。 【０００８】エアー噴射孔の設置本数は、土質条件や推
進管の径によって変化させ、噴射するエアーがチャンバ
内に万遍なく行きわたるように下方部分に配置する。 【０００９】エアー噴射孔から噴出される圧縮空気圧
は、切羽土圧や水圧より大きくならないように管理され
ている。チャンバ内の圧力を常に一定に保つために、隔
壁にリリーバルブ等を設置しておくと有効である。 【００１０】地下水の多い土質条件では、面板の前面で
切削された掘削土砂と添加材は、攪拌されることなく、
地下水によって土砂取込口からチャンバ内に送り込まれ
るが、チャンバ内の下方に装備したエアー噴射孔から圧
縮空気が上方に向かって噴射されることによって、掘削
土砂と添加材は強制的に攪拌され、塑性流動性に優れた
掘削土砂を作成することが可能となった。また、圧縮空
気圧を切羽土圧や水圧に合わせることによって、地下水
がチャンバ内へ流入することが防止でき、面板の前面で
の掘削土砂と添加材の攪拌を確実に行うことが可能とな
った。このため、チャンバ内には塑性流動性に優れた掘
削土砂を充満させることができ、効率の良い推進施工が
可能となった。 【００１１】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
基に説明する。図１は、本発明のシールド掘進機を説明
する縦断面図である。シールド掘進機１には、筒状の外
殻３の先端に地盤を掘削する切削具を装備した面板２
と、面板２の背面には所定の間隔を置いて外殻３内を塞
ぐように隔壁４が設けられ、掘削した土砂を貯留するた
めのチャンバ５が形成されている。面板２の後方の中心
部には、回転軸１１が取り付けられ隔壁４の後方に設置
されたギアーボックス１２、減速機１３を経て駆動機８
の回転が、回転軸１１に伝達される。回転軸１１内には
添加材の配管が面板２中央のフィッシュテール１０まで
接続され、フィッシュテール１０の側面から添加材を注
入する（図示省略）。隔壁４の下端には、隔壁４を貫通
して後方にスクリュウコンベア６が設置され、チャンバ
５内に充填された土砂を後方へと搬出する。スクリュウ
コンベア６内には、土質条件に応じて軸付きスクリュウ
やリボンスクリュウが装備されている。 【００１２】上記シールド掘進機１の構成に加えて本発
明のシールド掘進機は、シールド掘進機１の後方より外
殻３の内周に沿って前方のチャンバ５内まで送気管９が
配管され、チャンバ５内の下方に装備した複数個のエア
ー噴射孔７に接続されている。前記エアー噴射孔７は、
上方に向かってエアーが噴射できるように設置されてい
る。 【００１３】本実施形態では、面板２の駆動を面板中央
の回転軸１１による駆動方法を開示したが、外殻３部に
設けた駆動機により回転を伝達させる外周駆動方法を用
いることも可能である。 【００１４】図２は、本発明のシールド掘進機を説明す
る正面図である。図の左側は面板前面を示す正面図であ
り、右側はチャンバ内を示す正面図である。面板２には
複数個の切削具１５が所定の位置に配置され、面板２の
回転によって地盤を切削する。この時、中央部のフィッ
シュテール１０の側面からは添加材が注入されて掘削土
とともに攪拌される。掘削された土砂は、面板２に設け
られた取込口１４から後方のチャンバ５内に送り込まれ
る。送気管９は、スクリュウコンベア６の支障とならな
いように、外殻３の上方からチャンバ５内へ配管され、
チャンバ５内の内周に沿わせて下方に送気管９を配管
し、チャンバ５内の下方に設置された２つのエアー噴射
孔７に接続されている。、エアー噴射孔７は、下方から
上方に向かってエアーが噴射され、取込口１４から送ら
れてきた掘削土砂を強制的に攪拌混合する。 【００１５】本実施形態では、エアー噴射孔７を左右に
２箇所で設置する方法を例示したが、推進管径や土質条
件に応じて増減させることができる。エアー噴射孔７か
ら噴出させる圧縮空気圧は、切羽土圧や水圧にバランス
させるために隔壁４等にリリーフバルブ等を設置して、
チャンバ５内の圧力を常に一定に保つ方法が用いられ
る。 【００１６】次に本発明のシールド掘進機１を用いた掘
削状況について説明する。シールド掘進機１内に設置さ
れた駆動機８が稼働され、減速機１３及びギアーボック
ス１２を経て回転軸１１に、回転が伝達される。回転軸
１１の回転によって、シールド掘進機１先端の面板２が
回転し、面板２前面に装備された複数個の切削具１５に
よって地盤が切削されていく。この時、面板２の中央の
フィッシュテール１０の側面からは、添加材が注入され
て面板２の回転によって切削された土砂とともに攪拌さ
れる。土質が地下水の多いの砂礫層の場合には、切羽部
で注入された添加材と掘削土砂が十分に攪拌される前
に、地下水とともに細粒分である砂やシルトがチャンバ
５内に流されてくるが、チャンバ５内の下方に装備した
エアー噴射孔７からのエアー噴射によって、掘削土砂と
添加材は強制的に噴き上げられながら攪拌混合されて、
塑性流動性に優れた土砂としてチャンバ５内に貯留され
ていく。チャンバ５内に充満された掘削土砂は、切羽土
圧や水圧に対抗する対抗土圧を発生させて、切羽の安定
を図ることができる。 【００１７】チャンバ５内に充満された土砂は、チャン
バ５内に発生させた対抗土圧を維持しつつ隔壁４の下方
のスクリュウコンベア６から少しづつ掘削土砂を後方へ
と搬出させていく。このため、切羽の地下水等によって
掘削土砂の細粒分だけが押し流されることなく、安全で
確実な推進施工が行える。また、チャンバ５内は、エア
ー噴射孔７より噴射されるエアーによって、チャンバ５
内には常に一定の空気圧が作用していることから、切羽
の地下水圧とバランスしてチャンバ５内に地下水が土砂
を流入させる作用も防止する効果を有している。 【００１８】 【発明の効果】以上のように、本発明のシールド掘進機
により、チャンバ内の下方から噴射されるエアーによっ
て、掘削土砂と添加材が強制的に攪拌混合されて、塑性
流動性に優れた掘削土砂をチャンバ内に充満され、切羽
の切羽土圧や水圧に対抗する対抗土圧がチャンバ内に発
生できて、安定した効率の良い推進施工が行えるように
なった。また、チャンバ内の下方か上方に向かって噴射
されるエアーによって、チャンバの内壁部に付着した粘
性土も吹き飛ばされて拡散され、内壁に固着して固結す
ることもなくなった。 【００１９】

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明のシールド掘進機を説明する縦断面図で
ある。 【図２】本発明のシールド掘進機を説明する正面図であ
る。 【符号の説明】 １ シールド掘進機 ２ 面板 ３ 外殻 ４ 隔壁 ５ チャンバ ６ スクリュウコンベア ７ エアー噴射孔 ８ 駆動機 ９ 送気管 １０ フィッシュテール １１ 回転軸 １２ ギアーボックス １３ 減速機 １４ 取込口 １５ 切削具

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】面板の前面に取り付けられた切削具で地盤
   を切削し、切削された掘削土砂を、面板に設けた土砂取
   込口から後方のチャンバ内に送り込み、チャンバ内に土
   砂を充満させて加圧して切羽の安定を図りながらトンネ
   ル孔を構築していくシールド掘進機において、 シールド掘進機のチャンバ内の外殻内面の下方に上方に
   向かってエアーを噴射させるエアー噴射孔を装備したこ
   とを特徴とするシールド掘進機。