JP3354019B2 - 刃物回動型切削装置およびこれを使用した切削加工方法 - Google Patents

刃物回動型切削装置およびこれを使用した切削加工方法

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JP3354019B2 JP27155394A JP27155394A JP3354019B2 JP 3354019 B2 JP3354019 B2 JP 3354019B2 JP 27155394 A JP27155394 A JP 27155394A JP 27155394 A JP27155394 A JP 27155394A JP 3354019 B2 JP3354019 B2 JP 3354019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円形状をなす切刃部分
で切削加工を行なう丸駒チップをそなえた刃物回動型切
削装置およびこれを使用した切削加工方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の刃物回動型切削装置としては、例
えば、図11に示すようなものがある。 この刃物回動
型切削装置51では、一方端に刃物としての丸駒チップ
52が他方端にピニオン53が固定された回動軸54が
ホルダ本体55に回動可能に軸支されている。
【0003】そして、丸駒チップ52の上端面を押圧す
ることによって丸駒チップ52の回動を規制するクラン
パ56が、クランプボルト57を介して皿ばね58によ
りホルダ本体55側に押し付けられた状態(クランプ状
態)で配設されている。
【0004】また、ホルダ本体55の内部には、上記し
たクランプボルト57の下端部に先端のテーパ部59a
を押圧することによりクランパ56の上側方向への移動
を可能ならしめるアンクランプ作動ロッド59が配設さ
れており、このアンクランプ作動ロッド59の他方端に
設けられたロッド60を空圧装置等の動力源により矢印
A11方向に押すと、クランプボルト57は皿ばね58の
力に抗って上方向に押し上げられるため、クランプボル
ト57に固定されたクランパ56が押し上げられて、丸
駒チップ52のクランプ状態は解除されてアンクランプ
状態となる。
【0005】一方、丸駒チップ52の回動は、ホルダ本
体55に摺動可能に設けられたラック本体61(図11
の(b))の先端に取り付けられたラック61a(上記
の回動軸54に固定されたピニオン53と噛合する)
を、ロッド62を空圧装置等の動力源により矢印A12の
方向に押して前進させることにより行なう。この際、ロ
ッド62を押す力を取り去るとばね63の反発力により
ラック61aは逆方向に引き戻されるようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の刃物回動型切削装置51にあっては、ホルダ
本体55の内部に丸駒チップ52の回動のための部品を
配設しているためホルダ本体55内部が薄肉となってホ
ルダ本体55の剛性が低下したり、また、ロッド60,
62の駆動のための空圧装置や空圧動力源を必要とした
りする構成となっているため、コストが高くなるという
問題があり、さらに、丸駒チップ52の回動が一定角度
だけであるため丸駒チップ52に損傷があった場合には
その損傷部位が切削加工に関与して加工品位を劣化させ
てしまうという問題点があり、これらの問題点を解決す
ることが課題であった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題に鑑み
てなされたもので、ホルダ本体の剛性が高く、コストが
比較的低く、また、丸駒チップの損傷部位が切削加工に
関与することのない刃物回動型切削装置およびこれを使
用した切削加工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る刃物回動型
切削装置は、請求項1として、円形状をなす切刃で切削
加工を行なう丸駒チップをそなえた刃物回動型切削装置
において、丸駒チップと、この丸駒チップの中心穴に挿
入した枢支軸を回動可能に軸支する工具ホルダと、この
工具ホルダとは別体をなして弾性体で支持され且つ丸駒
チップまたはその同心体の外周面と接触する摩擦係数の
大きな弾性体により形成した当接部を有する回動補助部
材とから基本的に構成され、かつ、丸駒チップまたはそ
の同心体の外周面と回動補助部材の当接部とが接触した
状態で工具ホルダを回動補助部材に対して所定の距離相
対移動する間に、丸駒チップが所定角度回動するよう相
対移動可能とし、回動補助部材は工具ホルダの相対移動
に対応して回動可能に設けられ、回動補助部材が回動す
る際に回動補助部材の当接部が丸駒チップまたはその同
心体との接触状態を保つように回動の径方向に移動する
移動手段が設けられ、回動補助部材の当接部は、丸駒チ
ップまたはその同心体の外周面形状に対応した円弧形状
をなしている構成のものとし、請求項2として、丸駒チ
ップの損傷検出手段が設けられている構成とし、請求項
3として、丸駒チップの損傷検出手段が、丸駒チップの
切刃に接触する接触子と磁気誘導式変位計または圧電式
変位計からなる接触変位検出装置である構成としてい
る。
【0009】また、本発明に係る刃物回動型切削装置を
使用した切削加工方法は、請求項4として、請求項2ま
たは3の刃物回動型切削装置を使用して切削加工する際
に、丸駒チップの損傷を検出した場合には、損傷部が切
削に関与しないように丸駒チップを適切な角度回動させ
て切削加工を行なう構成としており、上記の構成を課題
を解決するための手段としている。
【0010】
【発明の作用】本発明の請求項1に係る刃物回動型切削
装置では、丸駒チップ回動のための部品が工具ホルダ本
体内に配設されていないため、ホルダ本体の剛性が従来
と比較して向上することとなり、また、回動補助部材等
をホルダ本体とは別に設けたことにより、刃物回動型切
削装置の製作が非常に容易となる。
【0011】
【0012】
【0013】また、本発明の請求項1に係る刃物回動型
切削装置では、上記の構成とすることにより、丸駒チッ
プまたはその同心体と回転補助部材の当接部との接触時
の衝撃が緩和されることとなり、丸駒チップの同心体と
してピニオンを設け、回転補助部材の当接部としてラッ
クを設けた場合には、ラックとピニオンとの衝突による
損傷が防がれるとともに、ピニオンとラックとの間の位
置決め精度が緩和されることとなる。
【0014】さらに、本発明の請求項1に係る刃物回動
型切削装置では、回動補助部材の丸駒チップまたはその
同心体と接触する当接部を摩擦係数の大きな弾性体によ
り形成しているものとすることにより、ラック、ピニオ
ン等の部品を必要とせず、摩擦力により丸駒チップの回
動が行なわれ、回動装置の製作がさらに容易なものとな
る。
【0015】さらにまた、本発明の請求項1に係る刃物
回動型切削装置では、回動補助部材が工具ホルダの相対
移動に対応して回動可能に設けられていることにより、
工具ホルダの相対移動とともに回動補助部材も回動し、
また、回動補助部材が回動する際に回動補助部材の当接
部が丸駒チップまたはその同心体との接触状態を保つよ
うに回動の径方向に移動する移動手段が設けられている
ことにより、回動補助部材の当接部と丸駒チップまたは
その同心体との接触状態が一定の位置で保たれることと
なり、この結果、丸駒チップの回動が良好に行なわれる
こととなる。
【0016】さらにまた、本発明の請求項1に係る刃物
回動型切削装置では、回転補助部材の当接部と丸駒チッ
プまたはその同心体の外周面とが常に密着した状態で回
動が行なわれることとなり、この結果、丸駒チップの回
動がより滑らかなものとなる。
【0017】本発明の請求項2に係る刃物回動型切削装
置では、上記の構成とすることにより、丸駒チップの損
傷の検出により、被加工物の加工品位の低下が未然に防
止されることとなる。
【0018】本発明の請求項3に係る刃物回動型切削装
置では、上記の構成とすることにより、比較的安価な装
置で確実に丸駒チップの損傷が検出されることとなる。
【0019】本発明の請求項4に係る刃物回動型切削装
置を使用した切削加工方法では、上記の構成としたこと
により、丸駒チップの損傷部が切削加工に関与すること
が防がれるとともに、丸駒チップの切刃が全周に渡って
有効に使用されることとなるため、丸駒チップの寿命が
さらに延長されることとなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】図1は、本発明をより一層明確にするため
の参考例に係る刃物回動型切削装置を示す平面説明図
(図1の(a))および断面説明図(図1の(b))で
ある。
【0022】図1における刃物回動型切削装置1では、
丸駒チップ2および丸駒チップ2の同心体としてのピニ
オン3(図1の(b))が取り付けられた枢支軸4がホ
ルダ本体5に保持されている。
【0023】そして、丸駒チップ2の上端面を押圧する
ことによって丸駒チップ2の回動を規制するクランパ6
がクランプボルト7を介して皿ばね8によりホルダ本体
5および丸駒チップ2に押し付けられた状態(クランプ
状態)で配設されている。
【0024】一方、図面左側に示すように、ホルダ本体
5とは別に平板状の部材の端面に上記のピニオン3と噛
合するラック9a(丸駒チップ2の同心体であるピニオ
ン3に対する当接部)が形成された回動補助部材9が支
持部材10上に配設されており、この回動補助部材9は
丸駒チップ2の回動を補助する機能を果たすものとなっ
ている。
【0025】さらに、支持部材10の下側には、上記し
たクランプボルト7の下端面(滑らかな曲面に形成され
ている。)7aと当接するテーパ部11aが形成された
クランプ補助部材11が配設されている。
【0026】以上のように構成される刃物回動型切削装
置1の動作は、まず、ホルダ本体5を矢印A1 の方向に
移動させて枢支軸4に固定されたピニオン3と回動補助
部材9の端面に形成されたラック9aとを噛合状態にす
る。
【0027】このとき、上記したクランプボルト7の下
端面7aとクランプ補助部材11のテーパ部11aとの
係合により、ホルダ本体5の矢印A1 の方向への移動と
ともにクランプボルト7は皿ばね8の反発力に抗して上
側方向に押し上げられ、その結果、クランパ6による丸
駒チップ2のクランプ状態は解除されてアンクランプ状
態となる。
【0028】ここで、この状態を保って、つまり、ピニ
オン3とラック9aとが噛合しかつ丸駒チップ2のアン
クランプ状態を保ちながら図1の(a)に示す矢印A3
の方向にホルダ本体5を所定の距離相対移動させること
により、丸駒チップ2は移動量に応じた角度だけ回動す
る。
【0029】そして、ホルダ本体1の所定の距離の相対
移動の後、ホルダ本体5を矢印A2の方向に移動させ
る。
【0030】こうすることにより、クランプボルト7は
下方向に押し下げられ、再び丸駒チップ2はクランパ6
によりクランプ状態となる。
【0031】この参考例の刃物回動型切削装置1におい
ては、ホルダ本体1の内部に、従来例のような丸駒チッ
プ2の回動のための部品が配設されていないため、ホル
ダ本体5の剛性を従来と比較して向上させることがで
き、また、回動補助部材9等をホルダ本体5とは別に設
けたことにより、刃物回動型切削装置1の製作が非常に
容易となるが、ラック、ピニオン等の部品を必要とす
る。
【0032】次に、図2は、他の参考例を示す平面説明
図(図2の(a))および断面説明図(図2の(b))
であって、図2に示す刃物回動型切削装置1は、ゴムな
どの弾性体12を支持部材10と回動補助部材9との間
に挿入して回動補助部材9を支持したもので、こうする
ことにより、ピニオン3とラック9aとの接触時の衝撃
を緩和し、ラック9aおよびピニオン3の損傷を防止で
きるとともに、ピニオン3とラック9aとの間に必要な
位置決め精度を緩和できるが、この参考例にあっても、
ラック、ピニオン等の部品を必要とする。
【0033】次に、図3は、さらに他の参考例を示す平
面説明図(図3の(a))および断面説明図(図3の
(b))であって、図3に示す刃物回動型切削装置1
は、回動補助部材9の端面部、つまりピニオン3との当
接部である端面部に摩擦係数の大きなゴム等の弾性体9
bを設けたものであり、枢支軸4に固定されたピニオン
3を弾性体9bに押し付け、ホルダ本体5を矢印A3 の
方向に相対移動させて摩擦力により枢支軸4を介して丸
駒チップ2を回動するものである。
【0034】また、図4は、さらに他の参考例を示す平
面説明図(図4の(a))および断面説明図(図4の
(b))であって、図4に示す刃物回動型切削装置1
は、回動補助部材9の当接部として摩擦係数の大きなゴ
ム等の弾性体9bを設け、アンクランプ状態時に丸駒チ
ップ2を弾性体9bに押し付け、ホルダ本体1を矢印A
3の方向に相対移動させて摩擦力により丸駒チップ2を
回動するものである。
【0035】図3の参考例ではラック9aを、図4の参
考例ではラック9aおよびピニオン3を必要としないた
め、回動装置の製作をさらに容易にすることができる
が、丸駒チップを回動させるに際して、いずれの参考例
においても、図3(a)および図4(a)に示す矢印A
3 の方向にホルダ本体5を所定の距離相対移動させる必
要がある。
【0036】図5は、本発明に係る刃物回動型切削装置
の一実施例を示す平面説明図(図5の(a))および断
面説明図(図5の(b))であって、図5に示す刃物回
動型切削装置1において、回動補助部材9がアダプタ1
3の内部に設けられたばね14によってばね付勢された
状態で移動可能に保持されており、また、アダプタ13
は支持部材15に枢支軸16の回りに回動可能に取り付
けられている。また、回動補助部材9の丸駒チップ2と
の当接部位には摩擦係数の高いゴム等の弾性体17が設
けられているとともに、その形状が丸駒チップ2の外周
面形状に対応した円弧形状となっている。
【0037】一方、クランプボルト7の下端部には油圧
機構30が配設されており、この油圧機構30は上部油
室30a,下部油室30bおよびピストン30cから基
本的に構成されており、上部油室30aおよび下部油室
30bにそれぞれ連通する油圧経路31および32から
の油の供給により、ピストン30cの上下動が可能とな
り、その結果、ピストン30cに連結されたクランプボ
ルト7の上下動が行なわれる。
【0038】この本発明の一実施例に係る刃物回動型切
削装置1の動作は、まず、油圧経路32より、油を下部
油室30bに供給し、ピストン30cを上方向に押し上
げて丸駒チップをアンクランプ状態にし、次に、ホルダ
本体5を矢印A3 の方向に移動させる。このとき、アダ
プタ13は枢支軸16の回りに回動可能となっており、
かつ、回動補助部材9がばね14の力により丸駒チップ
2の方向に移動可能となっているため、ホルダ本体5を
矢印A3 の方向に移動させると、アダプタ13はその動
きに伴って図5の(a)に示す矢印Rの方向に回動する
とともに、回動補助部材9の丸駒チップ2との当接部を
形成している摩擦係数の高い弾性体17は、丸駒チップ
2の外周面と常に密着した状態になる。この結果、上記
した参考例の刃物回動型切削装置と比較して、丸駒チッ
プ2の回動がより滑らかなものとなる。なお、丸駒チッ
プ2の回動の際には、アダプタ13は支持部材15に設
けられたばね18およびピン19により回動方向の位置
決めがなされる。
【0039】そして、丸駒チップ2の所定の回動後、丸
駒チップ2をクランプ状態にするには、油圧経路31よ
り、油を油圧機構30の上部油室30aに供給し、ピス
トン30cを下方向に押し下げることにより行なう。
【0040】また、図6は、さらに他の参考例を示す平
面説明図であって、図6に示す刃物回動型切削装置1に
おいて、回動補助部材9上にガイドレール40が設けら
れているとともに、このガイドレール40に沿って移動
可能な台座41が設けられ、また、台座41上には丸駒
チップ2の損傷検出手段である工具損傷検出器42が取
り付けられている。さらに、台座41は、コイルばね4
3によりばね付勢されている。
【0041】この参考例の刃物回動型切削装置1におい
ては、工具損傷検出器42の接触子42aを丸駒チップ
2の外周面に接触させた状態で、ホルダ本体5をラック
9aに沿って矢印A3 の方向に相対移動させて丸駒チッ
プ2を回動させながら、丸駒チップ2の切刃の欠けや割
れを工具損傷検出器42により検出し、丸駒チップ2の
損傷の有無を判断するが、ラック9aやピニオン等の部
品を必要とするうえ、図6に示す矢印A3 の方向にホル
ダ本体5を所定の距離相対移動させる必要がある。
【0042】なお、この参考例の刃物回動型切削装置1
において、図7に示すような、接触子42aと磁気誘導
式または圧電式変位計からなる工具損傷検出器42を用
いることができ、さらに、静電容量式や光学式も適用可
能である。
【0043】さらにまた、図8に示すように、工具損傷
検出器42にレーザによる変位計を適用し、非接触式と
することもできる。
【0044】ここで、図9に、上記の工具損傷検出器4
2を用いた検出結果の一例を示す。図9は、丸駒チップ
2の回動角度に対する工具損傷検出器42により検出し
た丸駒チップ2の外周面(切刃)の凹凸の振幅の関係を
示しており、図に示すように、丸駒チップ2の外周面に
切削により摩耗した摩耗部と損傷部が同時に存在する場
合には、摩耗部の検出信号および損傷部の検出信号とも
にある程度の大きさの振幅をもっているため損傷部の判
別が難しいが、適当な値のしきい値を設定しておくこと
により、このしきい値を超えたときにはその回動角度に
おいて丸駒チップ2に損傷が存在すると判断することが
できる。
【0045】図10は、工具損傷検出器42を備えた刃
物回動型切削装置を使用した際の切削加工方法を示す説
明図である。
【0046】この装置において、加工中あるいは加工し
ていないときのいずれにおいても丸駒チップ2の損傷を
検出した場合、丸駒チップ2の損傷部2aが切削に関与
しないように、損傷部以降から横切刃境界部から検出位
置までの角度αと工具接触長さ分の角度θを合わせた角
度だけ丸駒チップ2の回動を行なう。
【0047】こうすることにより、丸駒チップ2の損傷
部2aが切削に関与するのを未然に防止できるととも
に、丸駒チップ2の切刃を全周にわたって有効に使用す
ることができ、丸駒チップ2の寿命をさらに延長するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係る刃物回動型切削装置によれば、ホルダ本体に
丸駒チップの回動のための部品が配設されていないた
め、ホルダ本体の剛性を従来と比較して高めることが可
能となり、また、回動補助部材等をホルダ本体とは別に
設けたことにより、刃物回動型切削装置の製作が非常に
容易となり、コストを削減することができるという著大
なる効果がもたらされる。
【0049】
【0050】
【0051】また、本発明の請求項1に記載の構成とす
れば、丸駒チップまたはその同心体と回転補助部材の当
接部との接触時の衝撃を緩和させることが可能となり、
丸駒チップの同心体としてピニオン、回転補助部材の当
接部としてラックを設けた場合には、ラックとピニオン
との衝突による損傷を防止することが可能となるととも
に、ピニオンとラックとの間に必要な位置決め精度を緩
和できるという効果がもたらされる。
【0052】さらに、本発明の請求項1に記載の構成と
すれば、回動補助部材の丸駒チップまたはその同心体と
接触する当接部を摩擦係数の大きな弾性体により形成す
ることにより、ラック、ピニオン等の部品が必要でなく
なって、摩擦力により丸駒チップの回動を行なうことが
可能となり、回動装置の製作がさらに容易なものとなる
という効果がもたらされる。
【0053】さらにまた、本発明の請求項1に記載の構
成とすれば、工具ホルダの相対移動とともに回動補助部
材を回動させるとともに、回動補助部材の当接部と丸駒
チップまたは同心体との接触状態を一定の位置で保つこ
とができ、この結果、丸駒チップの回動を良好に行なう
ことができるという効果がもたらされる。
【0054】さらにまた、本発明の請求項1に記載の構
成とすれば、回転補助部材の当接部と丸駒チップまたは
その同心体の外周面とが常に密着した状態で回動が行な
われることとなり、この結果、丸駒チップの回動をより
滑らかなものとすることができるという効果がもたらさ
れる。
【0055】本発明の請求項2に記載の構成とすれば、
丸駒チップの損傷を検出することにより、被加工物の加
工品位の低下を未然に防止することができるという効果
がもたらされる。
【0056】本発明の請求項3に記載の構成とすれば、
比較的安価な装置で確実に丸駒チップの損傷を検出する
ことができるという効果がもたらされる。
【0057】一方、本発明の請求項4に係る刃物回動型
切削装置を使用した切削加工方法によれば、丸駒チップ
の損傷検出手段を備えた刃物回動型切削装置を使用して
切削加工する際に、丸駒チップの損傷を検出した場合に
は、損傷部が切削に関与しないように丸駒チップを適切
な角度回動させて切削加工を行なう構成としたことによ
り、丸駒チップの損傷部が切削加工に関与するのを防止
できるとともに、丸駒チップの刃先を全周に渡って有効
に使用することができるため、丸駒チップの寿命をさら
に延長することができるという優れた効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を明確にするための一参考例に係る刃物
回動型切削装置を示す平面説明図(図1の(a))およ
び断面説明図(図1の(b))である。
【図2】本発明を明確にするための他の参考例に係る刃
物回動型切削装置を示す平面説明図(図2の(a))お
よび断面説明図(図2の(b))である。
【図3】本発明を明確にするためのさらに他の参考例に
係る刃物回動型切削装置を示す平面説明図(図3の
(a))および断面説明図(図3の(b))である。
【図4】本発明を明確にするためのさらに他の参考例に
係る刃物回動型切削装置を示す平面説明図(図4の
(a))および断面説明図(図4の(b))である。
【図5】本発明に係る刃物回動型切削装置の一実施例を
示す平面説明図(図5の(a))および断面説明図(図
5の(b))である。
【図6】本発明を明確にするためのさらに他の参考例に
係る刃物回動型切削装置を示す平面説明図である。
【図7】工具損傷検出器の一例を示す斜視説明図であ
る。
【図8】工具損傷検出器の他の例を示す斜視説明図であ
る。
【図9】工具損傷検出器を用いた検出結果の一例を示す
説明図である。
【図10】工具損傷検出器を備えた刃物回動型切削装置
を使用した際の切削加工方法を示す説明図である。
【図11】従来における丸駒チップ回動装置の一例を示
す平面説明図(図11の(a))および断面説明図(図
11の(b))である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−39685(JP,A) 実開 昭61−46101(JP,U) 実開 昭59−59203(JP,U) 実開 昭57−53803(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/00 B23B 27/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形状をなす切刃で切削加工を行なう丸
    駒チップをそなえた刃物回動型切削装置において、丸駒
    チップと、この丸駒チップの中心穴に挿入した枢支軸を
    回動可能に軸支する工具ホルダと、この工具ホルダとは
    別体をなして弾性体で支持され且つ丸駒チップまたはそ
    の同心体の外周面と接触する摩擦係数の大きな弾性体に
    より形成した当接部を有する回動補助部材とから基本的
    に構成され、かつ、丸駒チップまたはその同心体の外周
    面と回動補助部材の当接部とが接触した状態で工具ホル
    ダを回動補助部材に対して所定の距離相対移動する間
    に、丸駒チップが所定角度回動するよう相対移動可能と
    し、回動補助部材は工具ホルダの相対移動に対応して回
    動可能に設けられ、回動補助部材が回動する際に回動補
    助部材の当接部が丸駒チップまたはその同心体との接触
    状態を保つように回動の径方向に移動する移動手段が設
    けられ、回動補助部材の当接部は、丸駒チップまたはそ
    の同心体の外周面形状に対応した円弧形状をなしている
    ことを特徴とする刃物回動型切削装置。
  2. 【請求項2】 丸駒チップの損傷検出手段が設けられて
    いることを特徴とする請求項1に記載の刃物回動型切削
    装置。
  3. 【請求項3】 丸駒チップの損傷検出手段が、丸駒チッ
    プの切刃に接触する接触子と磁気誘導式変位計または圧
    電式変位計からなる接触変位検出装置であることを特徴
    とする請求項2に記載の刃物回動型切削装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3の刃物回動型切削装置
    を使用して切削加工する際に、丸駒チップの損傷を検出
    した場合には、損傷部が切削に関与しないように丸駒チ
    ップを適切な角度回動させて切削加工を行なうことを特
    徴とする刃物回動型切削装置を使用した切削加工方法。
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