JP3350885B2 - ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法

Info

Publication number
JP3350885B2
JP3350885B2 JP2001023787A JP2001023787A JP3350885B2 JP 3350885 B2 JP3350885 B2 JP 3350885B2 JP 2001023787 A JP2001023787 A JP 2001023787A JP 2001023787 A JP2001023787 A JP 2001023787A JP 3350885 B2 JP3350885 B2 JP 3350885B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tannin
resin
urea
polyester resin
polycarbonate resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001023787A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002226693A (ja
Inventor
進 日下石
慎行 紺野
Original Assignee
東北ムネカタ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東北ムネカタ株式会社 filed Critical 東北ムネカタ株式会社
Priority to JP2001023787A priority Critical patent/JP3350885B2/ja
Publication of JP2002226693A publication Critical patent/JP2002226693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3350885B2 publication Critical patent/JP3350885B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート(P
C)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)などのポリカーボネート樹脂やポ
リエステル樹脂、あるいはこれらのブレンド、あるいは
これらの1つ、又は複数の樹脂に他の熱可塑性樹脂がブ
レンドされたような熱可塑性樹脂は各種成形行程におい
て加熱、溶融されるときに熱分解を起こし分子量が低下
し、かつ、機械的性質が低下するがこの時の熱分解を防
ぐ樹脂の熱安定化方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】樹脂材料、特にPC、PB
T、PETのようなポリカーボネート樹脂やポリエステル樹
脂は熱溶融における分子量低下が激しく、このため各成
形行程で与えられる熱や混練時のせん断応力によって分
子量が著しく低下していた。従って、製品のリサイクル
はもちろんのこと、成形時に発生するスプルー、ランナ
ーのリサイクルは困難であった。本発明はタンニンまた
は、縮重合されたタンニンまたは、ポリエチレングリコ
ールまたはポリビニルアルコールと共重合されたタンニ
ンまたはこれらの混合物を微量添加し、さらに尿素化合
物を併せて微量添加するすることによって前述した樹脂
材料の分子量低下を抑制し、リサイクル可能な材料とす
ることができるポリカーボネート樹脂やポリエステル樹
脂の熱安定化方法を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはタンニンが
材料に与える影響について鋭意研究を続けた結果、微量
の尿素化合物が重合物が熱分解を受けた部分を再重合し
この場合微量のタンニンが酸触媒として働き、熱可塑性
樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を抑制することができ
ることを見出し本発明を完成するに至った。次に本発明
を更に詳細に説明する。
【0004】本発明で用いられるタンニンは、タンニン
酸類、カテキン類、ロイコアントシアン類、クロロゲン
酸類を包括する多価フェノールと呼ばれ、広く自然界の
植物に含まれる。大きく分けてタンニン酸やカテキンは
加水分解型と縮合型の2種類に分けられるが、いずれも
天然化合物であるため構造の異なる化合物が多数存在す
る。加水分解型タンニンにはチャイナタンニン、エラグ
タンニン、カフェ酸やキナ酸等のデプシドからなるクロ
ロゲン酸などがあり、このうちチャイナタンニンは没食
子酸、およびその誘導体がエステル結合をしたものであ
る。一方の縮合型タンニンには、ケプラコタンニン、ワ
ットルタンニン、ガンビルタンニン、カッチタンニン、
ミロバランタンニンなどがあり、更にカテキン類、ロイ
コアントシアンやロイコアントシアニジン類がある(村
上孝夫、岡本敏彦:天然物科学(1983)廣川書店98頁より
参照)。
【0005】本発明で用いられるタンニンはいずれであ
ってもかまわない。また、タンニン酸はタンニンとも呼
ばれており本発明では特に区別はしない。
【0006】代表的な加水分解型タンニンであるチャイ
ナタンニンを(1)式に示した。更にチャイナタンニンに
対して述べるならば、チャイナタンニンは没食子酸基10
個がブトウ糖残基の周囲に配座し、更に2つの没食子酸
基を垂直方向に結合させたかたちのものであることが明
らかになっている。しかし化合物の中心は必ずしもブド
ウ糖に限られることもなく、セルローズ型の化合物であ
ったりもする。また、本発明ではタンニン酸の加水分解
で得られる(2)式で示した没食子酸のジデプシドなども
使用することができる。このようにタンニンは広く自然
界の植物に含まれる化合物であるため、部分的に化学構
造が異なることは容易に類推できる。本発明で用いられ
るタンニンとはこうしたタンニン酸とカテキンなどを区
別しないで多価フェノールとしてこれらをすべて包含す
る意味で用いられる。(3)式と(4)式と(5)式に化学構造
が異なるタンニンとしてそれぞれカテキン、ケブロタン
ニン、及びトルコタンニンを示した。
【0007】なお、染料固定効果や皮の鞣し効果を持つ
多価フェノール化合物を「合成タンニン」、「シンタ
ン」と呼んでいるが、本発明ではこのような合成タンニ
ンの中で本発明で効果的に用いられる化合物も使用する
ことができる。現在タンニンは日用品としてはインク、
医薬用としては止血剤、工業用としては皮の鞣し剤や染
色時の媒染剤として用いられ、最近においては食品添加
剤としても用いられている。
【0008】更に本発明で用いられるタンニンは、タン
ニンを70〜230℃に数分から数時間加熱することによっ
て得られる縮重合タンニンも使用することができる。加
熱されたタンニンは、分子量が平均して1.6分子程度
が脱水反応を伴いながら、結合する。この結合はおおむ
ね、タンニン分子間によるものもあるが、分子内のとな
り合った水酸基2個より、1分子の水が脱水される場合
もあると考えられる。本発明における触媒として用いら
れる縮重合タンニンはタンニンを70〜230℃まで加熱、
脱水して、いくつかのタンニンが脱水縮重合しているも
のが望ましいが、こ場合タンニンがある程度脱水されて
いることが重要であり、必ずしも縮重合されていなくて
もよい。
【0009】更に本発明で用いられるタンニンはポリビ
ニルアルコールまたはポリエチレングリコールと共重合
したタンニン(共重合タンニンと略称する)も使用でき
る。共重合タンニンはポリビニルアルコール(PVA)また
はポリエチレングリコール(PEG)をそれぞれ水や低級ア
ルコールに溶かした溶液を作り、これにタンニンを加え
るか、またはタンニン溶液を加えると、容易に共重合物
を作り沈殿するのでこれを濾過して作ることができる。
このときPVAやPEG、タンニンの溶液濃度の影響はほとん
どないが、PVAやPEGの分子量は、適切に選定する必要が
ある。すなわち、PVAやPEGは分子量が小さすぎると室温
で液状であったり、生成した共重合タンニンの耐熱性が
低かったりする。一方PVAやPEGの分子量が100万付近よ
りも大きくなると、反応のため水溶液とする際、水で膨
潤し均一な溶液となりにくく、その結果、均一な共重合
タンニンを得にくい。従ってPVAやPEGの重量平均分子量
でおおむね、800〜900,000位が望ましく、更
に好ましくは、1000〜100000が好都合に用い
られる。こうして、共重合されたタンニンは水や低級ア
ルコールに不溶となるが、PC、PET、PBT等には相溶性が
見られ、PCに添加しても、透明性が得られる。もちろ
ん、PVAやPEGは混合して用いることもできる。また本発
明において、熱可塑性樹脂に添加する場合は、こうして
できた各共重合タンニンを混合してもよい。更に共重合
反応をする際の溶媒としては水や低級アルコールが好ま
しく用いられるが、アセトニトリルなど、PVA又はタン
ニンのいずれかを溶解することのできる溶媒であれば本
発明に用いることができる。
【0010】更にこうして作った共重合タンニンを70〜
230℃まで加熱し、水分をあらかじめ除去しておくこと
も好ましい。
【0011】タンニンとPVAやPEGとの反応はいずれか一
方の量が少なければその量に比例してグラフト化合物が
得られるため、あまり厳密に考慮する必要はない。経済
的に言えば、未反応物を捨てるのは好ましくないため、
概ね等モル量で反応させるのが好ましい。
【0012】PVAやPEGと共重合されたタンニンはポリカ
ーボネート樹脂またはポリエステル樹脂に添加された場
合、これらの樹脂が成形される際に受ける熱により、熱
分解してしまうことを防ぐことができる。共重合タンニ
ンはおおむね、280℃付近より、タンニンが放出さ
れ、後述するように樹脂の再結合時に、酸触媒として働
くのに好都合な状態となる。
【0013】このようにして得られた各種のタンニンを
触媒として、また尿素化合物を樹脂の重合補修剤として
添加されたポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹
脂は分子量低下が抑制され、リサイクル等が可能とな
る。タンニンや縮重合タンニンは水や低級アルコールに
極めてよく溶けるため高濃度の溶液として用いることも
できる。また、共重合タンニンはテトラヒドロフランや
他の溶媒に溶けるのでこうした溶媒を利用してもよい。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】本発明においてこれらのタンニンは、1種
又は2種以上を混合して用いることもできる。また、タ
ンニンやこれらの縮重合タンニン、共重合タンニンを混
合して用いることもできる。
【0017】本発明で高分子結合剤として用いられる尿
素化合物は、大別して尿素とその前駆体であるカルバミ
ン酸アンモニウムとがある。化学式を下に示した。(1)
はカルバミン酸エステルの1種であるカルバミン酸メチ
ルであり、(2)はカルバミン酸アンモニウム、(3)は尿素
である。もちろんこれらの化学構造において本発明で有
効に使用しうるような塩基性を損なわない程度のわずか
な分子構造の違いであれば、たとえば側鎖に化学修飾な
どがある場合、例えば(1)のようなカルバミン酸エステ
ルのようなものであっても本発明の尿素化合物に含まれ
る。本発明においては、これらの尿素化合物を複数混合
して用いることはもちろんかまわない。
【0018】現在、こうした尿素化合物は、塩基として
各種化学薬品の誘導原料、合成樹脂の原料として用いら
れ、更には優良な肥料として、また火薬の原料としても
多量に用いられている。尿素化合物は、水やアルコール
などの溶媒によく溶けるため高濃度の溶液として用いる
こともできる。
【0019】
【化3】
【0020】本発明の熱安定化の対象とされるポリカー
ボネート樹脂やポリエステル樹脂は特に限定されない
が、ビスフェノールAポリカーボネート樹脂(PC)、ある
いは熱可塑性ポリエステル、中でもポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など
が好都合である。更に2種類以上のポリカーボネート樹
脂あるいは2種類以上のポリエステル樹脂のブレンド樹
脂やポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂のブレン
ド樹脂、これらのポリカーボネート樹脂あるいはポリエ
ステル樹脂の1つ、又は複数の組み合わせと他の樹脂と
のブレンド樹脂、例えば、PC/ABS、PBT/ABS、PC/PBT、P
C/PET、PC/ポリスチレン、及びPC/PBT/ポリスチレン、
などのブレンド樹脂が好ましく用いられる。
【0021】本発明におけるタンニンおよび尿素化合物
の添加法としては特に限定されないが、粉末状のタンニ
ン縮重合タンニンまたは共重合タンニンおよび尿素化合
物を直接樹脂に加えてもよいし、あるいは対象となる樹
脂にあらかじめ混合したりして、これを樹脂に加えても
よい。
【0022】樹脂のポリマー分子が熱や剪断応力などに
よつて切断された場合、切断箇所は当然ラジカル分子と
なる。本発明者らは、特許第3046962〜4号等に
よって、タンニンが、熱可塑性樹脂中に生成したラジカ
ルをトラップするため、熱安定化効果が高いことを先に
開示したが、本発明はこのラジカル分子の反応性が高い
ことに着目し、ここにPCの主鎖であるビスフェノールや
PBT、PETの主鎖と類似化合物である尿素化合物を反応さ
せ、切断されたポリマー分子を再結合させることにより
樹脂の分子量低下を抑制せんとするもので、このときタ
ンニンは、再結合反応の酸触媒として働くものと考えら
れる。こうした理論の整合性を確認することは、非常に
困難な作業を余儀なくされるが、もちろん本発明がこの
理論によって左右されるものではない。
【0023】ポリカーボネート樹脂またはポリエステル
樹脂に対する尿素化合物およびタンニンの添加量は樹脂
全量に対して、タンニンは2〜180ppmを添加すればよ
く、これは尿素化合物の添加量と比例する。おおむね尿
素化合物の1/10程度が好ましい。尿素化合物は樹脂全量
に対し、20〜1800ppmが好ましく、更に好ましくは100〜
800ppmが好ましい。尿素化合物が少なければその効果が
得にくく、多すぎると、過剰の尿素化合物が樹脂のポリ
マー分子の間に存在し、熱的特性や、機械的強度等が低
下する原因となる。このときの反応触媒として、尿素化
合物の1/10程度のタンニンが存在すればよい。タンニン
は酸触媒として働くものと考えられる。タンニンは、触
媒であるから多すぎても、一定以上の効果はなく、少な
ければ、触媒の働きをしない。
【0024】このようにして得られた尿素化合物とタン
ニンを添加されたポリカーボネート樹脂またはポリエス
テル樹脂は分子量低下が抑制され、リサイクル等が可能
となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】以下実施例及び比較例により、本発明を更に
詳しく説明する。
【0027】実施例1 PC樹脂(帝人化成(株)製 ポリカーボネート樹脂;商品
名パンライトL-1250;Mn=24700、Mw=60800、Mw/Mn=2.4
6)59.00gを計量しこれに更にチャイナタンニン(小宗化
学(株)製 試薬1級)1.77mg、尿素(ナカライテスク
(株)製 試薬1級)11.8mgをそれぞれ加え、これをプ
ラストメーター(東洋精機製作所(株)製 ラボプラスト
ミル 50C150型)に投入し、温度280℃、回転速度32rp
m.、にて混練した。この場合PCに対するタンニンの添
加量は30ppm、尿素は、200ppmに相当する。この間10分
ごとに約0.05g程度を分子量測定試料として採取した。
【0028】ここで得た試料をゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー[以下GPCと訳す日立製作所(株)製
L7000タイプ)を用い、試料濃度約0.05wt%THF溶液、キ
ャリア溶媒THF(テトラヒドロフラン)、圧力10kg/cm2
流量0.5ml/min、検出器RI]を用いて数平均分子量を測
定した。結果を表−1に記す。
【0029】実施例2 実施例1で用いた チャイナタンニン、約500gをホー
ロー製バットに採取し、これを140℃のオーブン(ヤ
マト科学(株)製、DX-30型)に入れ、2時間放置し、脱
水縮重合反応を行った。これを室温近くまで放冷し、デ
シケーター中で保管した。これを0.05wt%テトラヒ
ドロフラン(以下THFと記す)溶液として、GPC測定を行っ
た結果、平均分子量で2800となり、これはチャイナ
タンニン1.61分子に相当する。従って縮重合してい
ることが判明した。この縮重合タンニンを実施例1のタ
ンニンに替えた以外はまったく実施例1と同様に行った
結果を表−1に併せて記載した。
【0030】実施例3 PVA(ナカライテスク(株)製 試薬1級 Mw=4000)を10
gビーカーに採取し純水100mlを加え撹拌;溶解した。次
に実施例1で用いた タンニン20gを同様に純水100mlに
溶解した。これを500mlのビーカーに同時に注ぎ、ガラ
ス棒で撹拌すると茶色の浮遊物が生成した。これを室内
で24時間放置し、沈殿物をデカンテーション法で液層と
分け、更に純水で数回で洗浄した。このまま60℃24時間
乾燥し、茶褐色のPVA/タンニン共重合物(cA)を得た。
重量を測定したところ27.5gであり、収率約92%であっ
た。更に全く同様にしてPEG(ナカライテスク(株)製
試薬1級 Mw=6000)をタンニンと共重合させたもの(gA)
を作製した。この場合、収率は94%であった。このcAお
よびgAを実施例1のタンニンに替えた以外はまったく実
施例1と同様に行った結果を表−1に併せて記載した。
【0031】比較例1 タンニンを添加しなかった以外は実施例1と全く同様に
行い、結果を表−1に併せて記載した。また、無添加の
PCのみの場合も同様に行った。結果を表−1に併せて記
載した。
【0032】比較例2 尿素の添加量を変えた以外は、実施例1と全く同様に行
った。このときタンニンの添加量は30ppmに統一した。
このときの尿素の添加量と結果を表−1に併せて記載し
た。
【0033】
【表1】
【0034】実施例4 実施例1のチャイナタンニンをカテキン(ナカライテス
ク(株)製、D-カテキン)に変えた以外は全く実施例1
と同様に行った。結果を表−1に併せて記載した。
【0035】比較例3 タンニンの添加量を変えた以外は、実施例1と全く同様
に行った。このとき尿素の添加量は200ppmに統一した。
このときのタンニンの添加量と結果を表−1に併せて記
載した。
【0036】実施例5 PBT樹脂(ポリプラスチック(株)製 ジュラネックス320
0)、PET((株)クラレ製 クラペットKS750RC)、PC/ABS/
アロイ(宇部サイコン(株)製 ウベロイCX104)、PBT/AB
S/アロイ(ダイセル化学工業(株)製 ノバロイB、B150
0)にそれぞれ20ppmになるように実施例1で用いたタン
ニンを加え、更に尿素200ppmを添加した。これを各10kg
ずつ用意した。これを射出成形機(東芝機械(株)製 IS
-170型)のホッパーに全量投入し、ノズル温度280℃、射
出圧995kgf/cm2、保圧595kgf/cm2、射出時間1.61sec、
保圧時間21.4secの条件で240mm×200mm×2.4mmの板を成
形した。これを粉砕機(日水加工(株)製 FNSK-15D)を
用いて粉砕した。粉砕した樹脂の中から約50gをMI測定
用試料として取り出し、残り全てを同条件にて射出成形
を行い、これを繰り返し4回行った。ここで得られた粉
砕した試料の溶融流れ(MI値)をメルトインデクサー(東
洋精機製作所(株)製 C-50型)を用いてMI値を求めた。
本来樹脂の劣化を分子量で評価すべきであるが、ここに
挙げた各樹脂は分子量測定用の溶媒に溶けないため、分
子量を直接測定することができない。一方、MI値と分子
量は相関関係があるため、ここではMI値による評価を行
った。もちろんMI値の低い方が分子量が大きく、MI値の
増加は分子量の低下を表す。結果を表−2に記す。
【0037】比較例4 実施例5の中でタンニンおよび尿素を加えない以外は全
く実施例5と同様に行った。結果を表−2に併せて記載
する。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例に示されたよう
にタンニン、縮重合タンニンまたは共重合タンニンのい
ずれか、またはこれらの混合されたタンニンを触媒とし
て添加し、同時に調整した添加量の尿素化合物を添加し
たポリカーボネート樹脂あるいはポリエステル樹脂は、
分子量低下が抑制されている。従って本発明のタンニン
および尿素化合物を用いることによってポリカーボネー
ト樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化を達成するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02 C08L 69/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂またはポリエステ
    ル樹脂に対して尿素化合物を20〜1800ppmおよびタンニ
    ンを2〜180ppm添加することを特徴とするポリカーボネ
    ート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法。
  2. 【請求項2】 タンニンがカテキン類、ロイコアントシ
    アン類、またはクロロゲン酸類を含む多価フェノールで
    あることを特徴とする請求項1記載の熱安定化方法。
  3. 【請求項3】 タンニンが、タンニン単独でまたはタン
    ニンが脱水縮重合されたタンニン、またはポリエチレン
    グリコールまたはポリビニルアルコールと共重合された
    タンニンとして用いられることを特徴とする請求項1記
    載の熱安定化方法。
  4. 【請求項4】尿素化合物が、尿素または尿素前駆体であ
    るカルバミン酸アンモニウムであることを特徴とする請
    求項1記載の熱安定化方法。
  5. 【請求項5】ポリカーボネート樹脂またはポリエステル
    樹脂がこれらと他の熱可塑性樹脂との混合物であるか、
    または2種類以上のポリカーボネート樹脂の混合物また
    は2種類以上のポリエステル樹脂の混合物、またはポリ
    カーボネート樹脂とポリエステル樹脂との混合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の熱安定化方法。
JP2001023787A 2001-01-31 2001-01-31 ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法 Expired - Fee Related JP3350885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001023787A JP3350885B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001023787A JP3350885B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002226693A JP2002226693A (ja) 2002-08-14
JP3350885B2 true JP3350885B2 (ja) 2002-11-25

Family

ID=18889029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001023787A Expired - Fee Related JP3350885B2 (ja) 2001-01-31 2001-01-31 ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3350885B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002226693A (ja) 2002-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6938501B2 (ja) ベンゾオキサジン及びフタロニトリル樹脂ブレンド
CN107735395A (zh) 邻苯二甲腈化合物
JP5612329B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物
JP3350885B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
US6624258B1 (en) Agent for imparting flame retardancy to thermoplastic resin
JP3280938B2 (ja) 熱可塑性樹脂添加剤
JP3350887B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP3350881B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP3350880B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP3350886B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP3350879B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
EP1069155A1 (en) Heat stabilizing method of thermoplastic resin
JP3068614B1 (ja) 樹脂添加剤
JP3038213B1 (ja) 熱可塑性樹脂の添加剤
JP3385594B1 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP2002220523A (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP3350883B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JP3350888B1 (ja) ポリエチレンテレフタレート樹脂の添加剤
JP3660342B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
CN107189701A (zh) 一种耐高温厌氧丙烯酸胶粘剂
JP3660341B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3364907B2 (ja) ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法
JPH0236225A (ja) 主鎖二重結合を有するアセタールコポリマー
JP2001002914A (ja) 難燃性ガラス強化ポリアミド樹脂組成物
JP2012001609A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂成形体の製造方法及びポリカーボネート樹脂成形体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees