JP3350887B2 - ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート(P
C)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、などのポリカーボネート樹脂や
ポリエステル樹脂、あるいはこれら同しのブレンド、あ
るいはこれらの1つ、又は複数の樹脂に他の熱可塑性樹
脂がブレンドされたような熱可塑性樹脂は、各種成形行
程において加熱・溶融されるときに熱分解を起こし分子
量が低下し、かつ、機械的性質が低下するがこの時の熱
分解を防ぐ樹脂の熱安定化方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】樹脂材料、特にPC、PB
T、PETの各樹脂は熱溶融における分子量低下が激しく、
このため各成形行程で与えられる熱や混練時のせん断応
力によって分子量が著しく低下していた。従って、製品
のリサイクルはもちろんのこと、成形時に発生するスプ
ルー、ランナーのリサイクルは困難であった。本発明は
タンニンまたはタンニンが脱水縮重合されたタンニン、
またはポリエチレングリコールまたはポリビニルアルコ
ールと共重合されたタンニンを触媒として微量添加し、
さらにグリシジルエーテル化合物を劣化した樹脂の分子
結合剤として併せて微量添加するすることによって前述
した樹脂材料の分子量低下を抑制し、リサイクル可能な
材料とすることができるポリカーボネート樹脂またはポ
リエステル樹脂の熱安定化方法を提供することを目的と
する。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはタンニンが
材料に与える影響について鋭意研究を続けた結果、微量
のグリシジルエーテル化合物が重合物が熱分解を受けた
部分を再重合し、さらに微量のタンニンが酸触媒として
働き、熱可塑性樹脂の加熱、溶融時の分子量低下を抑制
することができることを見出し本発明を完成するに至っ
た。次に本発明を更に詳細に説明する。
【0004】本発明で用いられるタンニンは、タンニン
酸類、カテキン類、ロイコアントシアン類、クロロゲン
酸類を包括する多価フェノールと呼ばれ、広く自然界の
植物に含まれる。大きく分けてタンニン酸やカテキンに
は加水分解型と縮合型の2種類に分けられるが、いずれ
も天然化合物であるため構造の異なる化合物が多数存在
する。加水分解型にはチャイナタンニン、エラグタンニ
ン、カフェ酸やキナ酸等のデプシドからなるクロロゲン
酸などがあり、このうちチャイナタンニンは没食子酸、
およびその誘導体がエステル結合をしたものである。一
方の縮合型タンニンには、ケプラコタンニン、ワットル
タンニン、ガンビルタンニン、カッチタンニン、ミロバ
ランタンニンなどがあり、更にカテキン類、ロイコアン
トシアンやロイコアントシアニジン類がある(村上孝
夫、岡本敏彦:天然物科学,98頁 (1983)廣川書店刊)。
【0005】本発明で用いられるタンニンはいずれであ
ってもかまわない。また、タンニン酸はタンニンとも呼
ばれており本発明では特に区別はしない。
【0006】代表的な加水分解型タンニンであるチャイ
ナタンニンを(1)式に示した。更にチャイナタンニンに
対して述べるならば、没食子酸基10個がブトウ糖残基の
周囲に配座し、更に2つの没食子酸基を垂直方向に結合
させたことが明らかになっている。しかし化合物中心は
必ずしもブドウ糖に限られることもなく、セルローズ型
の化合物であったりもする。また、タンニン酸の加水分
解で得られる(2)式で示した没食子酸のジデプシドなど
も使用することができる。このようにタンニン酸は広く
自然界の植物に含まれる化合物であるため、部分的に化
学構造が異なることは容易に類推できる。本発明ではこ
うしたタンニン酸とカテキンなどを区別しないで多価フ
ェノールとしてこれらをすべて包含する意味で用いられ
る。(3)式と(4)式と(5)式に化学構造が異なる多価フェ
ノールとしてそれぞれカテキン、ケブロタンニン、およ
びトルコタンニンを示した。
【0007】なお、染料固定効果や皮の鞣し効果を持つ
多価フェノール化合物を「合成タンニン」、「シンタ
ン」と呼んでいるが、本発明ではこの合成タンニンの中
で本発明で効果的に用いられる化合物も使用することが
出来る。現在タンニンは日用品としてはインク、医薬用
としては止血剤、工業用としては皮の鞣し剤や染色時の
媒染剤として用いられ、最近においては食品添加剤とし
て用いられている。
【0008】更に本発明で用いられるタンニンは、タン
ニンを70〜230℃に数分から数時間加熱することによっ
て得られる縮重合タンニンも使用することができる。加
熱されたタンニンは、分子量が平均して1.6分子程度
が脱水反応を伴いながら、結合する。この結合はおおむ
ね、タンニン分子間によるものもあるが、分子内のとな
り合った水酸基2個より、1分子の水が脱水されると考
えられる場合もある。本発明において触媒として用いら
れる縮重合タンニンはタンニンを70〜230℃まで加熱、
脱水していくつかのタンニンが脱水縮重合しているのが
望ましいが、こ場合タンニンがある程度脱水されている
ことが重要であり、必ずしも縮重合されていなくてもよ
い。
【0009】更に本発明で用いられるタンニンはポリビ
ニルアルコールまたはポリエチレングリコールと共重合
したタンニン(共重合タンニンと略称する)も使用でき
る。共重合タンニンはポリビニルアルコール(PVA)また
はポリエチレングリコール(PEG)をそれぞれ水や低級ア
ルコールに溶かした溶液を作り、これにタンニンを加え
るか、またはタンニン溶液を加えると、容易に共重合物
を作り沈殿する。これを濾過して作ることができる。こ
のときPVAやPEG、タンニンの溶液の濃度の影響はほとん
どないが、PVAやPEGの分子量は、適切に選定する必要が
ある。すなわち、PVAやPEGは分子量が小さすぎると室温
で液状であったり、生成した共重合タンニンの耐熱性が
低かったりする。一方PVAやPEGの分子量が100万付近よ
りも大きくなると、反応のため水溶液とする際、水で膨
潤し均一な溶液となりにくく、その結果、均一な共重合
タンニンを得にくい。従ってPVAやPEGの重量平均分子量
でおおむね、800〜900,000位が望ましく、更
に好ましくは、1000〜100000が好都合に用い
られる。こうして、共重合されたタンニンは水や低級ア
ルコールに不溶となるが、PC、PET、PBT等には相溶性が
見られ、PCに添加しても、透明性が得られる。もちろ
ん、PVAやPEGは混合して用いることもできる。また本発
明において、熱可塑性樹脂に添加する場合は、こうして
できた各共重合タンニンを混合してもよい。更に共重合
反応をする際の溶媒としては水や低級アルコールが好ま
しく用いられるが、アセトニトリルなど、PVA又はタン
ニンのいずれかを溶解することのできる溶媒であれば本
発明に用いることができる。
【0010】更にこうして作った共重合タンニンを70〜
230℃まで加熱し、水分をあらかじめ除去しておくこと
も好ましい。
【0011】タンニンとPVAやPEGとの反応はいずれか一
方の量が少なければその量に比例してグラフト化合物が
得られるため、あまり厳密に考慮する必要はない。経済
的に言えば、未反応物を捨てるのは好ましくないため、
概ね等モル量で反応させるのが好ましい。
【0012】PVAやPEGと共重合されたタンニンはポリカ
ーボネート樹脂またはポリエステル樹脂に添加された場
合、これらの樹脂が成形される際に受ける熱により、熱
分解してしまうことを防ぐことができる。共重合タンニ
ンはおおむね、280℃付近より、タンニンが放出さ
れ、後述するように樹脂分子の再結合時に、酸触媒とし
て働くのに好都合な状態となる。
【0013】このようにして得られた各種のタンニンを
触媒として、またグリシジルエーテル化合物を樹脂高分
子の重合修復剤として添加されたポリカーボネート樹脂
またはポリエステル樹脂は分子量低下が抑制され、リサ
イクル等が可能となる。タンニンや縮重合タンニンは水
や低級アルコールに極めてよく溶けるため高濃度の溶液
として用いることもできる。また、共重合タンニンはテ
トラヒドロフランや他の溶媒に溶けるのでこうした溶媒
を利用してもよい。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】本発明においてこれらのタンニンは、1種
又は2種以上を混合して用いることもできる。また、タ
ンニンやこれらの縮重合タンニン、共重合タンニンを混
合して用いることもできる。
【0017】本発明で高分子結合剤として用いられるグ
リシジルエーテル化合物はグリシジルエーテル基を有す
る化合物であればいかなる化合物でもよいが、大別して
脂肪族系と芳香族系とがある。本発明で用いられる代表
的なグリシジルエーテル化合物の化学式を次に示した。
以下本発明の説明の中では、表現方法においてグリシジ
ルエーテル基をエポキシ基と呼び、またグリシジルエー
テル化合物をエポキシ化合物と称することがあるが同意
語である。それぞれの系はエポキシ基の個数によって脂
肪族系のモノエポキシ、ジエポキシ、トリエポキシ化合
物などがあり、また芳香族系のモノエポキシ、ジエポキ
シ、トリエポキシ化合物などの群がある。脂肪族系の具
体例として、モノエポキシ化合物としては、(1)式のn-
ブチルグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては
(2)式の1.4.ブタンジグリシジルエーテル、トリエポキ
シ化合物の例としては(3)式のトリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルなどが好ましく、さらにはこれ
らの異性体も用いられる。芳香族グリシジルエーテル化
合物の例として、モノエポキシ化合物は(4)式のt−ブ
チルフェニルグリシジルエーテルなどがあり、ジエポキ
シ化合物の例としては(5)式のビスフェノールAやF等の
グリシジルエーテルがある。またトリエポキシ化合物と
しては(6)式のフェノールノボラック型トリグリシジル
エーテルが挙げられる。また、本発明ではシランエポキ
シ化合物も特に好ましく用いられ、具体例としてモノエ
ポキシ化合物として、(7)式にγ-グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、ジエポキシ化合物として(8)式に
1.3.ビス(3-グリシドキシプロピル)1.1.3.3-テトラメチ
ルジシロキサンを挙げた。もちろんこれらの化学構造に
おいて、エポキシ基の開環性を損なわない程度のわずか
な分子構造の違いであれば、たとえば側鎖として化学修
飾などがあっても本発明が左右されることはない。本発
明においては、これらのエポキシ化合物を複数混合して
用いることはもちろんかまわない。
【0018】現在、こうしたエポキシ化合物は、各種化
学薬品の誘導原料として、あるいはエポキシ樹脂とし
て、あるいはカップリング剤として用いられている。こ
うしたエポキシ化合物は、アルコールや他の有機溶媒な
どの溶媒によく溶けるものも多く高濃度の溶液として用
いることもできる。
【0019】
【化3】
【0020】本発明の樹脂添加剤が添加される対象とさ
れる樹脂は特に限定されないが、ポリカーボネート樹脂
(PC)、あるいは熱可塑性ポリエステル、中でもポリエチ
レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)などが好都合である。更にこれら同士のブレン
ド、及びこれらの1つ、又は複数の組み合わせと他の樹
脂とのブレンド樹脂、例えば、PC/ABS、PBT/ABS、PC/PB
T、PC/PET、PC/ポリスチレン、及びPC/PBT/ポリスチレ
ン、などのブレンド樹脂が好ましく用いられる。
【0021】本発明におけるタンニンおよびグリシジル
エーテル化合物の添加法としては特に限定されないが、
粉末状のタンニン、縮重合タンニンまたは共重合タンニ
ンおよびグリシジルエーテル化合物を直接樹脂に加えて
もよいし、あるいは対象となる樹脂にあらかじめ混合し
たりして、これを樹脂に加えてもよい。こうして、樹脂
のポリマー分子が熱や剪断応力などによつて切断された
場合、切断箇所は当然ラジカル分子となる。本発明者ら
は、特許第3046962〜4号等によって、タンニン
が、熱可塑性樹脂中に生成したラジカルをトラップする
ため、熱安定化効果が高いことを先に開示したが、本発
明はこのラジカル分子の反応性が高いことに着目し、こ
こにPCの主鎖であるビスフェノールやPBT、PETの主鎖と
類似化合物であるエポキシ化合物を反応させ、切断され
たポリマー分子を再結合させることにより樹脂の分子量
低下を抑制しようとするものである。このときタンニン
は、再結合反応の酸触媒として働くものと考えられる。
【0022】エポキシ化合物が1個のモノエポキシ化合
物でも効果が得られる理由として、エポキシ基は1個の
酸素が開環するため、樹脂の切断部分に反応するとき、
この開環時に2個の結合手を持つため、エポキシ基が1
個しかないモノエポキシ化合物でも相応の効果が得られ
るものと考えられる。
【0023】こうした理論の整合性を確認することは、
非常に困難な作業を余儀なくされるが、もちろん本発明
がこの理論によって左右されるものではない。
【0024】ポリカーボネート樹脂またはポリエステル
樹脂に対するグリシジルエーテル化合物(エポキシ化合
物)およびタンニンの添加量は樹脂全量に対して、タン
ニンは2〜180ppm添加を添加すればよく、これはエポキ
シ化合物の添加量と比例する。おおむねエポキシ化合物
の1/10程度が好ましい。エポキシ化合物は樹脂全量に対
し、20〜1800ppmが好ましく、更に好ましくは100〜800p
pmが好ましい。エポキシ化合物が少なければその効果が
得にくく、多すぎると、過剰のエポキシ化合物が樹脂の
ポリマー分子の間に存在し、熱的特性や、機械的強度等
が低下する原因となる。このときの反応触媒として、エ
ポキシ化合物の1/10程度のタンニンが存在すればよい。
タンニンは酸触媒として働くものと考えられる。タンニ
ンは、触媒であるから多すぎても、一定以上の効果はな
く、少なければ、触媒の働きをしない。
【0025】このようにして得られたグリシジルエーテ
ル化合物とタンニンを添加されたポリカーボネート樹脂
またはポリエステル樹脂は分子量低下が抑制され、リサ
イクル等が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
【0027】
【実施例】以下実施例及び比較例により、本発明を更に
詳しく説明する。 実施例1 PC樹脂(帝人化成(株)製 ポリカーボネート樹脂;商品
名パンライトL-1250;Mn=24700、Mw=60800、Mw/Mn=2.4
6)59.00gを計量し、更にチャイナタンニン(小宗化学
(株)製 試薬1級)1.77mg、ビスフェノールA型ジグ
リシジルエーテル(油化シェルエポキシ(株)製 エピ
コート815)11.8mgをそれぞれ加え、これをプラストメ
ーター(東洋精機製作所(株)製 ラボプラストミル 50C
150型)に投入し、温度280℃、回転速度32rpm.、にて
混練した。この場合PCに対するタンニンの添加量は30pp
m、エポキシ化合物は、200ppmに相当する。この間10分
ごとに約0.05g程度を分子量測定試料として採取した。
【0028】ここで得た試料をゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー[以下GPCと訳す日立製作所(株)製
L7000タイプ)を用い、試料濃度約0.05wt%THF溶液、キ
ャリア溶媒THF(テトラヒドロフラン)、圧力10kg/cm2
流量0.5ml/min、検出器RI]を用いて分子量を測定し
た。結果を表−1に記す。 実施例2 実施例1で用いた チャイナタンニン、約500gをホー
ロー製バットに採取し、これを140℃のオーブン(ヤ
マト科学(株)製、DX-30型)に入れ、2時間放置し、脱
水縮重合反応を行った。これを室温近くまで放冷し、デ
シケーター中で保管した。これを0.05wt%テトラヒ
ドロフラン(以下THFと記す)溶液として、GPC測定を行っ
た結果、平均分子量で2800となり、これはチャイナ
タンニン1.61分子に相当する。縮重合していること
が判明した。この縮重合タンニンを実施例1のタンニン
に替えた以外はまったく実施例1と同様に行った結果を
表−1に併せて記載した。 実施例3 PVA(ナカライテスク(株)製 試薬1級 Mw=4000)を10
gビーカーに採取し純水100mlを加え撹拌・溶解した。次
に実施例1で用いた タンニン20gを同様に純水100mlに
溶解した。これを500mlのビーカーに同時に注ぎ、ガラ
ス棒で撹拌すると茶色の浮遊物が生成した。これを室内
で24時間放置し、沈殿物をデカンテーション法で液層と
分け、更に純水数回で洗浄した。このまま60℃24時間乾
燥し、茶褐色のPVA/タンニン共重合物(cA)を得た。重
量を測定したところ27.5gであり、収率約92%であっ
た。更に全く同様にしてPEG(ナカライテスク(株)製
試薬1級 Mw=6000)を共重合させたもの(gA)を作製し
た。この場合、収率は94%であった。このcAおよびgAを
実施例1のタンニンに替えた以外はまったく実施例1と
同様に行った結果を表−1に併せて記載した。
【0029】比較例1 タンニンを添加しなかった以外は実施例1と全く同様に
行い、結果を表−1に併せて記載した。また、無添加の
PCのみの場合も同様に行った。結果を表−1に併せて記
載した。 比較例2 エポキシ化合物の添加量を変えた以外は、実施例1と全
く同様に行った。このときタンニンの添加量は30ppmに
統一した。このときのエポキシ化合物の添加量と結果を
表−1に併せて記載した。
【0030】
【表1】
【0031】実施例4 実施例1のチャイナタンニンをカテキン(ナカライテス
ク(株)製、D-カテキン)に変えた以外は全く同様に行
った。結果を表−1に併せて記載した。 比較例3 タンニンの添加量を変えた以外は、実施例1と全く同様
に行った。このときエポキシ化合物の添加量は200ppmに
統一した。このときのタンニンの添加量と結果を表−1
に併せて記載した。 実施例5 実施例1のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルを
(1)n-ブチルグリシジルエーテル (2)1.4.ブタンジグリ
シジルエーテル(それぞれナカライテスク(株)製、試
薬1級)(3)γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(信越化学工業(株)製、KBM403)、(4)1.3.ビス(3-グ
リシドキシプロピル)1.1.3.3-テトラメチルジシロキサ
ンアミノナフタレン(信越化学工業(株)製、LS-7970)
に変えた以外は全く実施例1と同様に行った。結果を
( )内番号順に表1に併せて記載した。 実施例6 PBT樹脂(ポリプラスチック(株)製 ジュラネックス320
0)、PET((株)クラレ製 クラペットKS750RC)、PC/ABS/
アロイ(宇部サイコン(株)製 ウベロイCX104)、PBT/AB
S/アロイ(ダイセル化学工業(株)製 ノバロイB、B150
0)にそれぞれ20ppmになるように実施例1で用いたタン
ニンを加え、更に実施例1で用いたエピコート815(油化
シェルエポキシ株製)200ppmを添加した。これを各10kg
ずつ用意した。これを射出成形機(東芝機械(株)製 IS
-170型)のホッパーに全量投入し、ノズル温度280℃、射
出圧995kgf/cm2、保圧595kgf/cm2、射出時間1.61sec、
保圧時間21.4secの条件で240mm×200mm×2.4mmの板を成
形した。これを粉砕機(日水加工(株)製 FNSK-15D)を
用いて粉砕した。粉砕した樹脂の中から約50gMI用試料
として取り出し、残り全てを同条件にて射出成形を行
い、これを繰り返し4回行った。ここで得られた粉砕し
た試料の溶融流れ(MI値)をメルトインデクサー(東洋精
機製作所(株)製 C-50型)を用いてMI値を求めた。本来
樹脂の劣化を分子量で評価すべきであるが、ここに挙げ
た各樹脂は分子量測定用の溶媒に溶けないため、分子量
を直接測定することが出来ない。一方、MI値と分子量は
相関関係があるため、ここではMI値による評価を行っ
た。もちろんMI値の低い方が分子量が大きく、MI値の増
加は分子量の低下を表す。結果を表−2に記す。 比較例4 実施例6の中でタンニンおよびエポキシ化合物を加えな
い以外は全く実施例6と同様に行った。結果を表−2に
合わせて記載する。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例に示されたよう
にタンニン、縮重合タンニンまたは共重合タンニンのい
ずれか、またはこれらの混合されたタンニンを触媒とし
て添加し同時に、調整した添加量のグリシジルエーテル
化合物を添加したポリカーボネート樹脂あるいはポリエ
ステル樹脂は分子量低下が抑制されている。従って本発
明のタンニンおよびグリシジルエーテル化合物を用いる
ことによってポリカーボネート樹脂またはポリエステル
樹脂の熱安定化を達成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02 C08L 69/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂またはポリエステ
    ル樹脂に対してグリシジルエーテル化合物を20〜1800pp
    mおよび触媒としてタンニンを2〜180ppm添加することを
    特徴とするポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹
    脂の熱安定化方法。
  2. 【請求項2】 タンニンがカテキン類、ロイコアントシ
    アン類、クロロゲン酸類を含む多価フェノールであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱安定化方法。
  3. 【請求項3】 タンニンが、タンニン単独でまたはタン
    ニンが脱水縮重合されたタンニン、またはポリエチレン
    グリコールまたはポリビニルアルコールと共重合された
    タンニンとして用いられることを特徴とする請求項1記
    載の熱安定化方法。
  4. 【請求項4】 グリシジルエーテル化合物が、脂肪族系
    または芳香族系のグリシジルエーテル化合物であること
    を特徴とする請求項1記載の熱安定化方法。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート樹脂またはポリエステ
    ル樹脂がこれらと他の熱可塑性樹脂との混合物である
    か、または2種類以上のポリカーボネート樹脂の混合物
    または2種類以上のポリエステル樹脂の混合物またはポ
    リカーボネート樹脂とポリエステル樹脂との混合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の熱安定化方法。
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