JP3364907B2 - ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート(P
C)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)などのポリカーボネート樹脂やポ
リエステル樹脂、あるいはこれらのブレンド、あるいは
これらの1つ、又は複数の樹脂に他の熱可塑性樹脂がブ
レンドされたような熱可塑性樹脂は各種成形行程におい
て加熱、溶融されるときに熱分解を起こし分子量が低下
し、かつ、機械的性質が低下する。この時の熱分解を防
ぐ樹脂の熱安定化方法に関する。
C)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)などのポリカーボネート樹脂やポ
リエステル樹脂、あるいはこれらのブレンド、あるいは
これらの1つ、又は複数の樹脂に他の熱可塑性樹脂がブ
レンドされたような熱可塑性樹脂は各種成形行程におい
て加熱、溶融されるときに熱分解を起こし分子量が低下
し、かつ、機械的性質が低下する。この時の熱分解を防
ぐ樹脂の熱安定化方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】樹脂材料、特にPC、PB
T、PETのようなポリカーボネート樹脂やポリエステル樹
脂は熱溶融における分子量低下が激しく、このため各成
形行程で与えられる熱や混練時のせん断応力によって分
子量が著しく低下していた。従って、製品のリサイクル
はもちろんのこと、成形時に発生するスプルー、ランナ
ーのリサイクルは困難であった。本発明は有機酸塩を微
量添加し、さらにフタル酸を併せて微量添加するするこ
とによって前述した樹脂材料の分子量低下を抑制し、リ
サイクル可能な材料とすることができるポリカーボネー
ト樹脂やポリエステル樹脂の熱安定化方法を提供するこ
とを目的とする。
T、PETのようなポリカーボネート樹脂やポリエステル樹
脂は熱溶融における分子量低下が激しく、このため各成
形行程で与えられる熱や混練時のせん断応力によって分
子量が著しく低下していた。従って、製品のリサイクル
はもちろんのこと、成形時に発生するスプルー、ランナ
ーのリサイクルは困難であった。本発明は有機酸塩を微
量添加し、さらにフタル酸を併せて微量添加するするこ
とによって前述した樹脂材料の分子量低下を抑制し、リ
サイクル可能な材料とすることができるポリカーボネー
ト樹脂やポリエステル樹脂の熱安定化方法を提供するこ
とを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは高分子材料
における分子内再重合について触媒と結合剤の影響につ
いて鋭意研究を続けた結果、微量の低級有機酸塩が酸触
媒として働き、さらに微量のフタル酸が重合物が熱分解
を受けた部分を再重合し、熱可塑性樹脂の加熱、溶融時
の分子量低下を抑制することができることを見出し本発
明を完成するに至った。次に本発明を更に詳細に説明す
る。
における分子内再重合について触媒と結合剤の影響につ
いて鋭意研究を続けた結果、微量の低級有機酸塩が酸触
媒として働き、さらに微量のフタル酸が重合物が熱分解
を受けた部分を再重合し、熱可塑性樹脂の加熱、溶融時
の分子量低下を抑制することができることを見出し本発
明を完成するに至った。次に本発明を更に詳細に説明す
る。
【0004】本発明で用いられる有機酸塩は低級脂肪族
有機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはア
ンモニウムの塩が用いられる。
有機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはア
ンモニウムの塩が用いられる。
【0005】低級有機酸としては、炭素原子数が厳密で
はないが約8以下の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン
酸またはヒドロキシカルボン酸が用いられる。モノカル
ボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、カプロン酸、カプリル酸などが好ましく、さらに
はこれらの異性体も用いられる。ジカルボン酸として
は、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸やこれらの異性体が用いら
れる。更にヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸等が用いられる。もちろんこれ
らの化学構造において、わずかな分子構造の違いによっ
て本発明が、左右されることはない。
はないが約8以下の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン
酸またはヒドロキシカルボン酸が用いられる。モノカル
ボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、カプロン酸、カプリル酸などが好ましく、さらに
はこれらの異性体も用いられる。ジカルボン酸として
は、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸やこれらの異性体が用いら
れる。更にヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸等が用いられる。もちろんこれ
らの化学構造において、わずかな分子構造の違いによっ
て本発明が、左右されることはない。
【0006】一方、塩としては一般的にアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩が用いら
れ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、など、またアルカリ土類金属としては、マグネ
シウム、カルシウム、バリウムなどが好ましく用いられ
る。しかし、有機酸の種類によっては、亜鉛族の亜鉛や
カドミウム、アルミニウム族のアルミニウム、炭素族の
スズや鉛などが反応性や経済性から選択されることもあ
る。本発明で用いられる有機酸塩は具体的にはたとえば
酢酸カルシウム、蓚酸カリウム、乳酸ナトリウムなどが
特に好ましく用いられる。
塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩が用いら
れ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、など、またアルカリ土類金属としては、マグネ
シウム、カルシウム、バリウムなどが好ましく用いられ
る。しかし、有機酸の種類によっては、亜鉛族の亜鉛や
カドミウム、アルミニウム族のアルミニウム、炭素族の
スズや鉛などが反応性や経済性から選択されることもあ
る。本発明で用いられる有機酸塩は具体的にはたとえば
酢酸カルシウム、蓚酸カリウム、乳酸ナトリウムなどが
特に好ましく用いられる。
【0007】本発明においては、これらの塩を複数混合
して用いることはもちろんかまわない。
して用いることはもちろんかまわない。
【0008】現在、こうした塩類は、飲料用酒類やジュ
ース類、食品の調味料や保存剤、染色助剤などに用いら
れている。こうした塩は、水やアルコールなどの溶媒に
よく溶けるものも多く高濃度の溶液として用いることも
できる。
ース類、食品の調味料や保存剤、染色助剤などに用いら
れている。こうした塩は、水やアルコールなどの溶媒に
よく溶けるものも多く高濃度の溶液として用いることも
できる。
【0009】本発明で用いられるフタル酸はベンゼン環
に結合するカルボキシル基の位置により、オルソ位、メ
タ位、パラ位の3種のフタル酸が存在し、そのいずれで
あっても用いることができるが、反応のし易さから、好
ましくはオルソ位とパラ位のフタル酸が用いられる。ま
た、オルソ位のフタル酸は脱水反応によって、無水フタ
ル酸となり、この化合物も本発明において好ましく用い
ることができる。フタル酸は2種以上を併用することも
できる。
に結合するカルボキシル基の位置により、オルソ位、メ
タ位、パラ位の3種のフタル酸が存在し、そのいずれで
あっても用いることができるが、反応のし易さから、好
ましくはオルソ位とパラ位のフタル酸が用いられる。ま
た、オルソ位のフタル酸は脱水反応によって、無水フタ
ル酸となり、この化合物も本発明において好ましく用い
ることができる。フタル酸は2種以上を併用することも
できる。
【0010】本発明のフタル酸および有機酸塩が添加さ
れる対象とされるポリカーボネート樹脂やポリエステル
樹脂は特に限定されないが、ビスフェノールAポリカー
ボネート樹脂(PC)、あるいは熱可塑性ポリエステル、中
でもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)などが好都合である。更に2種類以
上のポリカーボネート樹脂あるいは2種類以上のポリエ
ステル樹脂のブレンド樹脂やポリカーボネート樹脂とポ
リエステル樹脂のブレンド樹脂、これらのポリカーボネ
ート樹脂あるいはポリエステル樹脂の1つ、又は複数の
組み合わせと他の樹脂とのブレンド樹脂、例えば、PC/A
BS、PBT/ABS、PC/PBT、PC/PET、PC/ポリスチレン、及び
PC/PBT/ポリスチレン、などのブレンド樹脂が好ましく
用いられる。
れる対象とされるポリカーボネート樹脂やポリエステル
樹脂は特に限定されないが、ビスフェノールAポリカー
ボネート樹脂(PC)、あるいは熱可塑性ポリエステル、中
でもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)などが好都合である。更に2種類以
上のポリカーボネート樹脂あるいは2種類以上のポリエ
ステル樹脂のブレンド樹脂やポリカーボネート樹脂とポ
リエステル樹脂のブレンド樹脂、これらのポリカーボネ
ート樹脂あるいはポリエステル樹脂の1つ、又は複数の
組み合わせと他の樹脂とのブレンド樹脂、例えば、PC/A
BS、PBT/ABS、PC/PBT、PC/PET、PC/ポリスチレン、及び
PC/PBT/ポリスチレン、などのブレンド樹脂が好ましく
用いられる。
【0011】本発明の有機酸塩とフタル酸の添加方法と
しては特に限定されないが、粉末状の有機酸塩とフタル
酸を直接樹脂に加えても良いし、あるいは対象となる樹
脂にあらかじめ混合したり、溶剤等に有機酸塩とフタル
酸を溶解し、これを樹脂に加えても良い。
しては特に限定されないが、粉末状の有機酸塩とフタル
酸を直接樹脂に加えても良いし、あるいは対象となる樹
脂にあらかじめ混合したり、溶剤等に有機酸塩とフタル
酸を溶解し、これを樹脂に加えても良い。
【0012】樹脂のポリマー分子が熱や剪断応力などに
よつて切断された場合、切断箇所は当然ラジカル分子と
なる。本発明者らは、特許第3046962〜4号等に
よつて、熱安定剤としてのタンニンが、生成したラジカ
ルをトラップし熱安定化効果が高いことを先に開示した
が、本発明はこのラジカル分子の反応性が高いことに着
目し、ここにPCの主鎖であるビスフェノールやPBT、PET
の主鎖と類似化合物であるフタル酸を反応させ、切断さ
れたポリマー分子を再結合させることにより樹脂の分子
量低下を抑制せんとするもので、このとき有機酸塩は、
再結合反応の触媒として働くものと考えられる。こうし
た理論の整合性を確認することは、非常に困難な作業を
余儀なくされるが、もちろん本発明がこの理論によって
左右されるものではない。
よつて切断された場合、切断箇所は当然ラジカル分子と
なる。本発明者らは、特許第3046962〜4号等に
よつて、熱安定剤としてのタンニンが、生成したラジカ
ルをトラップし熱安定化効果が高いことを先に開示した
が、本発明はこのラジカル分子の反応性が高いことに着
目し、ここにPCの主鎖であるビスフェノールやPBT、PET
の主鎖と類似化合物であるフタル酸を反応させ、切断さ
れたポリマー分子を再結合させることにより樹脂の分子
量低下を抑制せんとするもので、このとき有機酸塩は、
再結合反応の触媒として働くものと考えられる。こうし
た理論の整合性を確認することは、非常に困難な作業を
余儀なくされるが、もちろん本発明がこの理論によって
左右されるものではない。
【0013】本発明のフタル酸をおよび有機酸塩の添加
量は樹脂全量に対して触媒である有機酸塩は2〜180ppm
を添加すれば良く、これはフタル酸の添加量と比例す
る。おおむねフタル酸の1/10程度が好ましい。フタル酸
は、樹脂全量に対し、20〜1800ppmが好ましく、更に好
ましくは100〜800ppmが好ましい。フタル酸が少なけれ
ばその効果が得にくく、多すぎると、過剰のフタル酸が
樹脂のポリマー分子の間に存在し、機械的強度等の低下
を招く。このときの反応触媒として、フタル酸の1/10程
度の有機酸塩が存在すればよい。
量は樹脂全量に対して触媒である有機酸塩は2〜180ppm
を添加すれば良く、これはフタル酸の添加量と比例す
る。おおむねフタル酸の1/10程度が好ましい。フタル酸
は、樹脂全量に対し、20〜1800ppmが好ましく、更に好
ましくは100〜800ppmが好ましい。フタル酸が少なけれ
ばその効果が得にくく、多すぎると、過剰のフタル酸が
樹脂のポリマー分子の間に存在し、機械的強度等の低下
を招く。このときの反応触媒として、フタル酸の1/10程
度の有機酸塩が存在すればよい。
【0014】このようにして得られた有機酸塩とフタル
酸を添加されたポリカーボネート樹脂またはポリエステ
ル樹脂は分子量低下が抑制され、リサイクル等が可能と
なる。
酸を添加されたポリカーボネート樹脂またはポリエステ
ル樹脂は分子量低下が抑制され、リサイクル等が可能と
なる。
【0015】
【0016】
【実施例】以下実施例及び比較例により、本発明を更に
詳しく説明する。
詳しく説明する。
【0017】実施例1
PC樹脂(帝人化成(株)製 パンライトL-1250 Mn=2470
0、Mw=60800、Mw/Mn=2.46)を59.00gを計量し、更に酢酸
カルシウム(ナカライテスク(株)製 試薬1級)を1.7
7mg、テレフタル酸11.8mgをそれぞれ加え、これをプラ
ストメーター(東洋精機製作所(株)製 ラボプラストミ
ル 50C150型)に投入し、温度280℃、回転速度32rp
m.、にて混練した。この場合PCに対する酢酸カルシウ
ムの添加量は30ppm、テレフタル酸は、200ppmに相当す
る。この間10分ごとに約0.05g程度を分子量測定試料と
して採取した。
0、Mw=60800、Mw/Mn=2.46)を59.00gを計量し、更に酢酸
カルシウム(ナカライテスク(株)製 試薬1級)を1.7
7mg、テレフタル酸11.8mgをそれぞれ加え、これをプラ
ストメーター(東洋精機製作所(株)製 ラボプラストミ
ル 50C150型)に投入し、温度280℃、回転速度32rp
m.、にて混練した。この場合PCに対する酢酸カルシウ
ムの添加量は30ppm、テレフタル酸は、200ppmに相当す
る。この間10分ごとに約0.05g程度を分子量測定試料と
して採取した。
【0018】ここで得た試料をゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー〔以下GPCと訳す日立製作所(株)製
L7000タイプ)を用い、試料濃度約0.05wt%THF溶液、キ
ャリア溶媒THF(テトラヒドロフラン)、圧力10kg/cm2、
流量0.5ml/min、検出器RI〕を用いて数平均分子量を測
定した。結果を表−1に記す。
ロマトグラフィー〔以下GPCと訳す日立製作所(株)製
L7000タイプ)を用い、試料濃度約0.05wt%THF溶液、キ
ャリア溶媒THF(テトラヒドロフラン)、圧力10kg/cm2、
流量0.5ml/min、検出器RI〕を用いて数平均分子量を測
定した。結果を表−1に記す。
【0019】比較例1
テレフタル酸を添加しなかった以外は実施例1と全く同
様に行い、結果を表−1に併せて記載した。また、無添
加のPCのみの場合も同様に行った。結果を表−1に併せ
て記載した。 比較例2 テレフタル酸の添加量を変えた以外は、実施例1と全く
同様に行った。このとき酢酸カルシウムの添加量は30pp
mに統一した。このときのテレフタル酸の添加量と結果
を表−1に併せて記載した。
様に行い、結果を表−1に併せて記載した。また、無添
加のPCのみの場合も同様に行った。結果を表−1に併せ
て記載した。 比較例2 テレフタル酸の添加量を変えた以外は、実施例1と全く
同様に行った。このとき酢酸カルシウムの添加量は30pp
mに統一した。このときのテレフタル酸の添加量と結果
を表−1に併せて記載した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2
実施例1の酢酸カルシウムを(1)酢酸ナトリウム (2)コ
ハク酸カリウム (3)乳酸カルシウム (4)クエン酸マグ
ネシウム(それぞれナカライテスク(株)製、試薬1
級)に変えた以外は全く同様に行った。結果を( )内番
号順に表−1に併せて記載した。
ハク酸カリウム (3)乳酸カルシウム (4)クエン酸マグ
ネシウム(それぞれナカライテスク(株)製、試薬1
級)に変えた以外は全く同様に行った。結果を( )内番
号順に表−1に併せて記載した。
【0022】比較例3
低級有機酸塩の添加量を変えた以外は、実施例1と全く
同様に行った。このときテレフタル酸の添加量は200ppm
に統一した。このときのタンニンの添加量と結果を表−
1に併せて記載した。
同様に行った。このときテレフタル酸の添加量は200ppm
に統一した。このときのタンニンの添加量と結果を表−
1に併せて記載した。
【0023】実施例3
PBT樹脂(ポリプラスチック(株)製 ジュラネックス320
0)、PET((株)クラレ製 クラペットKS750RC)、PC/ABS/
アロイ(宇部サイコン(株)製 ウベロイCX104)、PBT/AB
S/アロイ(ダイセル化学工業(株)製 ノバロイB、B150
0)のそれぞれに酢酸カルシウムを30ppm、テレフタル酸2
00ppmになるように実施例1で用いた酢酸カルシウムと
テレフタル酸を加え、これを各10kgずつ用意した。これ
を射出成形機(東芝機械(株)製 IS-170型)のホッパー
に全量投入し、ノズル温度280℃、射出圧995kgf/cm2、
保圧595kgf/cm2、射出時間1.61sec、保圧時間21.4secの
条件で240mm×200mm×2.4mmの板を成形した。これを粉
砕機(日水加工(株)製 FNSK-15D)を用いて粉砕した。
粉砕した樹脂の中から約50gをMI測定用試料として取り
出し、残りを全て同条件にて射出成形を4回行った。こ
こで得られた粉砕した試料の溶融流れ(MI値)をメルトイ
ンデクサー(東洋精機製作所(株)製 C-50型)を用いてM
I値を求めた。本来樹脂の劣化を分子量で評価すべきで
あるが、ここに挙げた各樹脂は分子量測定用の溶媒に溶
けないため、分子量を直接測定することができない。一
方、MI値と分子量は相関関係があるため、ここではMI値
による評価を行った。もちろんMI値の低い方が分子量が
大きく、MI値の増加は分子量の低下を表す。結果を表−
2に記す。
0)、PET((株)クラレ製 クラペットKS750RC)、PC/ABS/
アロイ(宇部サイコン(株)製 ウベロイCX104)、PBT/AB
S/アロイ(ダイセル化学工業(株)製 ノバロイB、B150
0)のそれぞれに酢酸カルシウムを30ppm、テレフタル酸2
00ppmになるように実施例1で用いた酢酸カルシウムと
テレフタル酸を加え、これを各10kgずつ用意した。これ
を射出成形機(東芝機械(株)製 IS-170型)のホッパー
に全量投入し、ノズル温度280℃、射出圧995kgf/cm2、
保圧595kgf/cm2、射出時間1.61sec、保圧時間21.4secの
条件で240mm×200mm×2.4mmの板を成形した。これを粉
砕機(日水加工(株)製 FNSK-15D)を用いて粉砕した。
粉砕した樹脂の中から約50gをMI測定用試料として取り
出し、残りを全て同条件にて射出成形を4回行った。こ
こで得られた粉砕した試料の溶融流れ(MI値)をメルトイ
ンデクサー(東洋精機製作所(株)製 C-50型)を用いてM
I値を求めた。本来樹脂の劣化を分子量で評価すべきで
あるが、ここに挙げた各樹脂は分子量測定用の溶媒に溶
けないため、分子量を直接測定することができない。一
方、MI値と分子量は相関関係があるため、ここではMI値
による評価を行った。もちろんMI値の低い方が分子量が
大きく、MI値の増加は分子量の低下を表す。結果を表−
2に記す。
【0024】比較例4
実施例3の中で有機酸塩とテレフタル酸を加えないで、
それ以外は全く実施例3と同様に行った。結果を表−2
に併せて記載する。
それ以外は全く実施例3と同様に行った。結果を表−2
に併せて記載する。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例に示されたよう
に有機酸塩を触媒として添加しながら同時に調整した添
加量のフタル酸を添加したポリカーボネート樹脂、ある
いはポリエステル樹脂は、分子量低下が抑制されてい
る。従って本発明の有機酸塩およびフタル酸を用いるこ
とによって該樹脂の熱安定化を達成することができる。
に有機酸塩を触媒として添加しながら同時に調整した添
加量のフタル酸を添加したポリカーボネート樹脂、ある
いはポリエステル樹脂は、分子量低下が抑制されてい
る。従って本発明の有機酸塩およびフタル酸を用いるこ
とによって該樹脂の熱安定化を達成することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 67/00 - 67/02
C08L 69/00
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂またはポリエステ
ル樹脂、ただしこれらのポリカーボネート樹脂またはポ
リエステル樹脂はエポキシ基含有エチレン共重合体を含
まないものである、に対してフタル酸を20〜1800ppmお
よび有機酸塩を2〜180ppm添加することを特徴とするポ
リカーボネート樹脂またはポリエステル樹脂の熱安定化
方法。 - 【請求項2】 有機酸塩が、炭素原子数が8以下の低級
脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸、またはヒドロキ
シカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩またはアンモニウム塩であることを特徴とする請求項
1記載の熱安定化方法。 - 【請求項3】 フタル酸がオルトフタル酸、無水フタル
酸、またはテレフタル酸であることを特徴とする請求項
1記載の熱安定化方法。 - 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂またはポリエステ
ル樹脂がこれらと他の熱可塑性樹脂との混合物である
か、または2種類以上のポリカーボネート樹脂の混合
物、または2種類以上のポリエステル樹脂の混合物、ま
たはポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂との混合
物、ただしこれらの混合物はいずれもエポキシ基含有エ
チレン共重合体を含まないものである、であることを特
徴とする請求項1記載の熱安定化方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002220524A JP2002220524A (ja) | 2002-08-09 |
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