JP2001002914A - 難燃性ガラス強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ガラス強化ポリアミド樹脂組成物

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JP2001002914A
JP2001002914A JP11171751A JP17175199A JP2001002914A JP 2001002914 A JP2001002914 A JP 2001002914A JP 11171751 A JP11171751 A JP 11171751A JP 17175199 A JP17175199 A JP 17175199A JP 2001002914 A JP2001002914 A JP 2001002914A
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flame retardant
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polyamide resin
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JP11171751A
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Kiyoshi Mori
清 森
Junji Nantaku
淳二 南宅
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、難燃性、耐候性、機械特性に優
れ、成形時における滞留熱安定性が良好な成形品を得る
のに適した難燃性ガラス強化ポリアミド樹脂組成物を提
供する。 【構成】 ポリアミド系樹脂100重量部に対し、一般
式(1)で表されるトリアジン化合物とフェノール類、
ホルムアルデヒド類を縮合させた化合物を主成分とする
縮合反応生成物5〜50重量部、リン系難燃剤0〜20
重量部、ガラス繊維5〜100重量部、分子中にエポキ
シ基またはビニル基、メルカプト基のいずれかの基が存
在し、かつアルコキシ基を有するシランカップリング剤
0.01〜2.5重量部を配合してなる難燃性ポリアミ
ド樹脂組成物であり、かつ、ポリアミド樹脂100重量
部に対し、窒素系難燃剤とリン系難燃剤の合計が20重
量部以上である難燃性ガラス強化ポリアミド樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリアジン系難燃剤及
びガラス繊維を配合した難燃性ガラス強化ポリアミド樹
脂組成物に関するものであり、ハロゲン系の難燃剤を使
用せずに、難燃性、耐候性、機械特性に優れ、成形時に
おける滞留熱安定性が良好で、樹脂との相溶性が良いた
めブリードアウトがない難燃性ガラス強化ポリアミド樹
脂組成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】6ナイロン、66ナイロンなどに代表さ
れる熱可塑性ポリアミド樹脂は、成形加工性、機械特性
などの優れた諸特性を利用して機械機構部品、電気部品
及び自動車部品などに、エンジニアリングプラスチック
として近年広く用いられている。一方これらの工業材料
の中でも特に電気及び電子部品の分野では火災に対する
安全性の要求が高まり、米国UL規格に代表される難燃
化に関する各種規制が強化されるにともない、多くの使
用上の制限を受けてきている。
【0003】ポリアミド樹脂に難燃性を付与する方法と
しては、難燃剤としてハロゲン系有機化合物、更に難燃
助剤としてアンチモン化合物を樹脂にコンパウンドする
方法が一般的である。しかしながら、近年ヨーロッパを
中心に、ハロゲンを含まない難燃剤を用いることが強く
望まれているが、現在までに開発された非ハロゲン系難
燃剤は、熱安定性、着色、機械物性の低下などで多くの
問題点を有していた。
【0004】これまでに、ハロゲン系難燃剤を使わずに
合成樹脂を難燃化する方法としてはリン化合物や金属水
酸化物を添加する方法が広く知られている。しかしなが
ら、リン化合物単独では熱安定性が悪いため、高温で加
工するポリアミド樹脂では、練り込み時に多量の発煙が
生じたり、樹脂が着色するなどの問題があり、成形加工
時にも金型汚染などの問題がある。更に、難燃性も十分
でなかった。また、金属水酸化物は多量に添加しないと
難燃効果が得られないため、樹脂本来の機械的特性や諸
特性を著しく低下させるという欠点を有しており、実用
上使えないものとなる。このため、ポリアミド樹脂には
メラミンのシアヌル酸塩が、ノンハロゲンの難燃剤とし
て使用されているが、これも未強化のポリアミド樹脂に
ついてのことである。ガラス繊維を使用して強化された
ポリアミド樹脂ではメラミンのシアヌル酸塩を用いても
難燃化が非常に困難であり、ハロゲン系難燃剤を使用せ
ずに満足いく難燃性を付与する方法は皆無である。
【0005】従って、本発明の目的は、機械的特性及び
加工特性などのポリアミド樹脂の特性に悪影響を与える
ことなく、ハロゲン系有機化合物を使用しないで優れた
難燃性を有するガラス強化ポリアミド樹脂組成物を提供
するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、一般式(1) (ただし、式中のRは、水素またはアルキル基、アリー
ル基、ビニル基、シクロアルキル基、アミド基、−NH
である。また、式中のR、R、Rは、同一又
は相違なる水素またはアリール基、アルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシア
ルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルコキシア
ルキル基である。)で表されるトリアジン化合物とフェ
ノール類、ホルムアルデヒド類を縮合させた化合物を主
成分とする縮合反応生成物であり、トリアジン化合物と
フェノール類の重量比が4:1〜1:2であり、トリア
ジン化合物とフェノール類の合計のモル数に対してホル
ムアルデヒド類0.5〜0.9倍モルで反応することに
よって得られる窒素系難燃剤をポリアミド樹脂100重
量部に対し5〜50重量部、リン系難燃剤0〜20重量
部、ガラス繊維5〜100重量部、分子中にエポキシ基
またはビニル基、メルカプト基のいずれかの基が存在
し、かつアルコキシ基を有するシランカップリング剤
0.01〜2.5重量部を配合し、かつ、ポリアミド樹
脂100重量部に対し、窒素系難燃剤とリン系難燃剤の
合計が20重量部以上で配合することによりガラス強化
ポリアミド樹脂本来の優れた特徴を保持しながら、更に
練り込み時及び成形時の滞留による、発煙、着色、金型
汚染の恐れがなく、熱安定性の良好な樹脂が得られる事
を見いだし本発明に至った。
【0007】
【発明の細部構成と作用】本発明の窒素系難燃剤の製造
方法としては、一般式(1) で表されるトリアジン化合物とフェノール類、ホルムア
ルデヒド類を触媒の存在化、80〜100℃で1時間以
上加熱した後、常圧または減圧脱水により残留モノマー
を除去する事により容易に得ることができる。また、フ
ェノール類とホルムアルデヒド類を先に反応させてお
き、そこに一般式(1)のトリアジン化合物とホルムア
ルデヒド類を追加して反応させた後、常圧または減圧脱
水により残留モノマーを除去する事により得ることもで
きる。
【0008】しかし、本発明の難燃剤の製造方法はこれ
らに限定されるものではなく、公知慣用な方法に従えば
よいことは無論である。
【0009】更に、得られた難燃剤中にはメチロール基
が原因で生じる加熱減量物が、180℃、30分の加熱
で1%以下になっていることが重要である。メチロール
基が残存していると熱重量分析において、メチロール基
の熱分解による重量減少が200℃までに見られるが、
この結果、練り込み時の発煙や樹脂の熱安定性に悪影響
を与える事になる。
【0010】一般式(1)のトリアジン化合物とフェノ
ール類の割合は、重量比で4:1〜1:2であり、この
割合よりトリアジン化合物の割合が増えると、トリアジ
ン化合物とホルムアルデヒド類の反応生成物が多くな
り、樹脂への相容性が悪くなる。また、この割合よりフ
ェノール類が多くなると難燃性が悪くなってしまう。好
ましくは重量比で3:1〜1:1の割合で反応するのが
良い。
【0011】トリアジン化合物とフェノール類に対する
ホルムアルデヒドの割合は、トリアジン化合物とフェノ
ール類の合計のモル数に対してホルムアルデヒド類0.
5〜0.9倍モルで反応することが重要である。この割
合が0.5倍モル以下では、フェノール類やトリアジン
化合物のモノマー体が多く残存し、ブリードアウトの原
因となり、0.9倍モル以上では、トリアジン化合物や
フェノール類に反応したホルムアルデヒドが完全にはメ
チレン基とならずメチロール基として多く存在し、熱安
定性が悪くなる。更に好ましくは、トリアジン化合物と
フェノール類の合計のモル数に対してホルムアルデヒド
0.6〜0.8倍モルで反応させたものが良い。
【0012】また、反応に使用するトリアジン化合物や
フェノール類は、1種もしくは2種以上の混合物であっ
ても良い。
【0013】一般式(1)中のR、R、Rの具体
的な例としては水素、メチル基、エチル基、ブチル基、
2−エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキ
シエトキシエチル基、メトキシメチル基、シクロヘキシ
ル基等が挙げられるが、好ましくは水素、フェニル基、
メチル基、エチル基、メトキシメチル基、アミド基が好
ましい。
【0014】また、Rの具体的な例としては、アミノ
基、アミド基、メチル基、フェニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、(メトキシメ
チル)アミノ基、ベンジル基等が挙げられるが、好まし
くは水素基、アミノ基、メチル基、フェニル基、ベンジ
ル基が好ましい。
【0015】フェノール類とは、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、ナフトール、ブチルフェノール、ジ
ヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、などの1価ならびに多価フェノール類、及びそれ
らの置換体が挙げられる。
【0016】またホルムアルデヒド類としては、通常ホ
ルムアルデヒドの37%水溶液として市販されているも
のが一般的であるが、その水和重合物であるパラホルム
アルデヒドやトリオキサン、ポリオキシメチレン等もそ
の類である。また、ホルムアルデヒドとして反応するヘ
キサメチレンテトラミン等もその類である。
【0017】このようにして得られた難燃剤は、ポリア
ミド樹脂に添加したときのブリードアウトがなく、練り
込み時の発煙が少ない、熱安定性に優れた難燃剤とな
る。
【0018】更に、トリアジン化合物モノマーをポリア
ミド樹脂に単独で使用した場合には、ブリードアウトが
大きな問題となっていたが、本発明の難燃剤を併用する
ことにより、トリアジン化合物モノマーのブリードアウ
トも抑えることが出来るようになる。
【0019】このような難燃剤のポリアミド樹脂への配
合量としては、樹脂100重量部に対して5〜50重量
部であり、特に好ましくは10〜30重量部の範囲であ
る。この配合量が5重量部未満では充分な難燃性が得ら
れず、逆に50重量部を越えると樹脂組成物の物性など
に悪影響を及ぼすことになる。
【0020】リン系難燃剤としては、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸
エステル、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフ
ェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェー
トなどの縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウ
ム、ポリリン酸アミド、赤リン、リン酸グアニジンなど
があげられるが、これらに限定するものではなく、リン
含有量が高いほど添加量を少なくできるため、より好ま
しい。
【0021】尚、窒素系難燃剤単独や窒素系難燃剤とリ
ン系難燃剤の併用でも、ある程度の難燃性ガラス強化ポ
リアミド樹脂組成物が得られるが、更に難燃性の向上が
必要な場合は、シリコン系やテフロン系のドリップ防止
剤を添加するのが好ましい。
【0022】本発明のシランカップリング剤とは、分子
中にエポキシ基またはビニル基、メルカプト基のいずれ
かの基が存在し、かつアルコキシ基を有する化合物であ
り、具体的にはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキ
シ)シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0023】シランカップリング剤としては、エポキシ
基やビニル基、メルカプト基が分子中にあることが重要
であり、ガラス繊維が添加されたことによって、燃えや
すくなった樹脂の状態を改善するのに大きな役割を果た
していると思われる。
【0024】シランカップリング剤の添加方法として
は、樹脂と練り込む前に、ガラス繊維表面にシランカッ
プリング剤を処理した後、この処理したガラス繊維と難
燃剤を樹脂に練り込む方法、ガラス繊維と難燃剤を樹脂
に練り込むときに同時に練り込む方法、難燃剤とシラン
カップリング剤を前もってブレンドしておき、ガラス繊
維とともに樹脂に練り込む方法などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0025】シランカップリング剤の樹脂への添加量と
しては、その添加方法によって異なり、前もってガラス
繊維に処理する場合には、ガラス繊維100重量部に対
して0.1〜1重量部程度でよいが、樹脂に直接ブレン
ドする場合には、樹脂100重量部に対して0.5〜
2.5重量部添加する必要がある。ただし、樹脂100
重量部に対して2.5重量部以上添加した場合、難燃性
の低下が著しく、好ましくは1〜1.5重量部である。
【0026】本発明でいうポリアミド樹脂とは、3個以
上の炭素原子を有するラクタムもしくはアミノカルボン
酸を重合するか、または、ジアミンとジカルボン酸もし
くはその誘導体の重縮合により得られる高分子量のポリ
アミド樹脂のことであり、ホモポリマー及びコポリマ
ー、その混合物も含む。
【0027】具体的なものとしては、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン64、ナイロン4、ナイロン8、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン69のようなホモ
ポリアミドやナイロン6/66、ナイロン6/12のよ
うなコポリアミドなどが挙げられる。
【0028】また、難燃性を著しく損なわない範囲で他
の強化充填剤を利用できるが、代表的なものとしては、
炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、チタン酸カリ繊
維、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化鉄黒鉛、カー
ボンブラック、雲母、アスベスト、セラミック、金属フ
レーク、ガラスビーズ、ガラスパウダーなどが挙げられ
る。
【0029】本発明の組成物には、その目的を阻害しな
い範囲で他の熱可塑性樹脂を併用することができる。例
えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、AS、ABS、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、
ポリブタジエン、ポリオレフィンなどを目的に応じて任
意の割合で配合することが可能である。
【0030】本発明に係る樹脂組成物には、耐熱性、耐
候性、耐衝撃性を著しく損わない範囲で、他の公知の難
燃剤を配合しても良く、更に、他の各種の添加剤、例え
ば、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、充填剤、滑剤、安
定剤などを添加してもよい。
【0031】以下に合成例及び実施例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は、その要旨をこえないか
ぎり、以下に示す合成例及び実施例に制約されるもので
はない。
【0032】
【合成例1】ベンゾグアナミン150g(0.802モ
ル)とフェノール50g(0.532モル)、37%ホ
ルマリン86.5g(1.067モル)をセパラブルの
4つ口フラスコに仕込み、触媒としてトリエチルアミン
を添加し、還流下で1時間反応した。この後常圧で蒸留
を行いながら昇温し、減圧蒸留で残留モノマーを除去
し、反応生成物を得た。この生成物は、白色の固体であ
り、窒素含有量が27.4重量%であった。以下、窒素
系難燃剤(A)という。
【0033】
【合成例2】メラミン100g(0.794モル)とフ
ェノール50g(0.532モル)、37%ホルマリン
86.0g(1.060モル)をフラスコに仕込み、合
成例1と同様にして反応生成物を得た。この生成物は、
白色の固体であり、窒素含有量が42.4重量%であっ
た。以下、窒素系難燃剤(B)という。
【0034】
【合成例3】ベンゾグアナミン150g(0.802モ
ル)とビスフェノールA50g(0.219モル)、3
7%ホルマリン86.5g(0.817モル)をフラス
コに仕込み、合成例1と同様にして反応生成物を得た。
この生成物は、白色の固体であり、窒素含有量が27.
7重量%であった。以下、窒素系難燃剤(C)という。
【0035】
【合成例4】ベンゾグアナミン50g(0.267モ
ル)とメラミン50g(0.397モル)、フェノール
50g(0.532モル)、37%ホルマリン58.2
g(0.718モル)をフラスコに仕込み、合成例1と
同様にして反応生成物を得た。この生成物は、白色の固
体であり、窒素含有量が34.0重量%であった。以
下、窒素系難燃剤(D)という。
【0036】
【合成例5】ベンゾグアナミン50g(0.267モ
ル)とメラミン50g(0.397モル)、クレゾール
100g(0.926モル)、37%ホルマリン10
3.1g(1.272モル)をフラスコに仕込み、合成
例1と同様にして反応生成物を得た。この生成物は、白
色の固体であり、窒素含有量が25.0重量%であっ
た。以下、窒素系難燃剤(E)という。
【0037】次に比較のため、ホルマリンの反応モル比
を振らしたものと、トリアジン化合物とフェノール類の
重量比を振らした難燃剤の合成を以下のとおり行った。
【0038】
【合成例6】ベンゾグアナミン50g(0.267モ
ル)とメラミン50g(0.397モル)、フェノール
50g(0.532モル)、37%ホルマリン38.8
g(0.478モル)をフラスコに仕込み、合成例1と
同様にして反応生成物を得た。この生成物は、白色の固
体であり、窒素含有量が34.6重量%であった。以
下、窒素系難燃剤(F)という。
【0039】
【合成例7】ベンゾグアナミン50g(0.267モ
ル)とメラミン50g(0.397モル)、フェノール
50g(0.532モル)、37%ホルマリン97.0
g(1.196モル)をフラスコに仕込み、合成例1と
同様にして反応生成物を得た。この生成物は、白色の固
体であり、窒素含有量が32.8重量%であった。以
下、窒素系難燃剤(G)という。
【0040】
【合成例8】ベンゾグアナミン100g(0.535モ
ル)とフェノール20g(0.213モル)、37%ホ
ルマリン48.5g(0.598モル)をフラスコに仕
込み、合成例1と同様にして反応生成物を得た。この生
成物は、白色の固体であり、窒素含有量が30.5重量
%であった。以下、窒素系難燃剤(H)という。
【0041】
【合成例9】メラミン50g(0.397モル)とフェ
ノール150g(1.596モル)、37%ホルマリン
129.2g(1.594モル)をフラスコに仕込み、
合成例1と同様にして反応生成物を得た。この生成物
は、白色の固体であり、窒素含有量が15.8重量%で
あった。以下、窒素系難燃剤(I)という。
【0042】
【実施例1〜5、比較例1〜6】ナイロン66(宇部ナ
イロン2020B(宇部興産製))に、合成例で得られ
た化合物及びリン系難燃剤、ガラス繊維、シランカップ
リング剤(1〜3)を第1表の割合で配合し、押出機に
てペレタイズし、射出成型機にてそれぞれUL−94燃
焼試験、アイゾット衝撃試験、曲げ試験、熱安定性、耐
候性などの各種試験片を成型し、各試験を行った。その
結果を第1表に示した。
【0043】ただし、芳香族縮合リン酸エステルはPX
−200(大八化学工業製)であり、シランカップリン
グ剤(1)は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(KBM403、信越化学工業製)であり、シラ
ンカップリング剤(2)は、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン(KBM603、信越化学工業製)、
シランカップリング剤(3)は、ビニルトリス(βメト
キシエトキシ)シラン(KBC1003、信越化学工業
製)である。
【0044】また、表中のBGは、使用したトリアジン
化合物がベンゾグアナミンであることを示しており、M
Mはメラミン、BG/MMはベンゾグアナミンとメラミ
ンの併用を示している。この他、TAはトリアジン化合
物、PHはフェノール類、FAはホルマリン類を省略し
たものである。
【0045】
【表1】
【0046】アイゾット衝撃試験はJIS K7110
(Vノッチつき、1/8")、曲げ強度試験はJIS K7
203、燃焼性試験はUL−94(1/16")に準じて行
なった。
【0047】ブリードアウトについては、試験片を15
0℃の乾燥機内に24時間放置後の試験片表面を観察
し、○△×の3段階評価で表わした。
【0048】練り込み時の発煙の量については、練り込
み時に出る煙の量を目視で観察し、○△×の3段階評価
で表わした。
【0049】耐候性については、試験片を屋外に1ヶ月
間放置し、その着色を観察し、○△×の3段階評価で表
わした。
【0050】熱安定性については、試験片を150℃の
乾燥機内に24時間放置後の着色を観測し、○△×の3
段階評価で表わした。
【0051】
【発明の効果】以上、本発明によるトリアジン系難燃剤
とシランカップリング剤をガラス繊維と共にポリアミド
系樹脂に使用することにより、ハロゲン系の難燃剤を使
用せずに、難燃性、耐候性、機械特性に優れ、成形時に
おける滞留熱安定性が良好で、樹脂との相溶性が良いた
めブリードアウトがない難燃性ガラス強化ポリアミド樹
脂組成物の成型品を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 21/14 C09K 21/14 //(C08L 77/00 61:34) Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AB09 AC06 AD44 AE07 AF01 AF19 AF21 AF27 AL11 AL16 4H028 AA30 AA35 AA44 AA49 4J002 CC282 CL011 CL031 CL051 DA056 DH056 DL007 EW046 EW156 EX018 EX068 EX088 FA047 FD010 FD017 FD132 FD136 FD208 GQ00 4J033 FA01 FA02 FA06 FA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) (ただし、式中のRは、水素またはアルキル基、アリー
    ル基、ビニル基、シクロアルキル基、アミド基、−NH
    である。また、式中のR、R、Rは、同一又
    は相違なる水素またはアリール基、アルキル基、ヒドロ
    キシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルコキシア
    ルキル基である。)で表されるトリアジン化合物とフェ
    ノール類、ホルムアルデヒド類を縮合させた化合物を主
    成分とする縮合反応生成物であり、トリアジン化合物と
    フェノール類の重量比が4:1〜1:2であり、トリア
    ジン化合物とフェノール類の合計のモル数に対してホル
    ムアルデヒド類0.5〜0.9倍モルで反応することに
    よって得られる窒素系難燃剤。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂100重量部に対し、請
    求項1記載の窒素系難燃剤5〜50重量部、リン系難燃
    剤0〜20重量部、ガラス繊維5〜100重量部、分子
    中にエポキシ基またはビニル基、メルカプト基のいずれ
    かの基が存在し、かつアルコキシ基を有するシランカッ
    プリング剤0.01〜2.5重量部を配合してなる難燃
    性ポリアミド樹脂組成物であり、かつ、ポリアミド樹脂
    100重量部に対し、窒素系難燃剤とリン系難燃剤の合
    計が20重量部以上である難燃性ガラス強化ポリアミド
    樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101165097B (zh) * 2007-09-30 2010-10-13 深圳市科聚新材料有限公司 一种己二酸己二胺加纤阻燃改性材料及其制备方法
CN103161074A (zh) * 2013-02-04 2013-06-19 华南理工大学 一种用于织物后整理的含磷、氮、硅阻燃剂及其制备方法

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