JPH07138473A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH07138473A
JPH07138473A JP29073093A JP29073093A JPH07138473A JP H07138473 A JPH07138473 A JP H07138473A JP 29073093 A JP29073093 A JP 29073093A JP 29073093 A JP29073093 A JP 29073093A JP H07138473 A JPH07138473 A JP H07138473A
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group
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polyamide resin
resin composition
general formula
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JP29073093A
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Masanori Yamamoto
正規 山本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアミド樹脂100重量部に成分(A);
リン酸系難燃剤5〜40重量部と成分(B);分子内に
1以上の下記一般式(1)で表わされる構造 【化1】 (式(1)中、R1 、R2 はそれぞれH、ホスホリル
基、アルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基又
はアリールカルボニル基を示しアルキル基、アリール
基、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基は
炭素数20以下であって、R1 とR2 は互いに結合して
環を形成していてもよい。)を有し、化合物中の−OR
1 基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10-3当量
/g以上である化合物及び/又は、分子内に1以上の下
記一般式(2)で表わされるエポキシ基の構造 【化2】 を有し、化合物中のエポキシ基の濃度が0.5×10-3
当量/g以上である化合物0.1〜5重量部とを含むポ
リアミド樹脂組成物。 【効果】 成形加工時の腐食性ガスの発生や金型汚染、
成形物からのブリードアウトが生じにくく、燃焼時の刺
激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生を飛躍的に抑制し、
しかも難燃性と機械的性質とに優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド樹脂は、自動車部品、
家庭電器用部品、事務用部品、工業用部品、繊維製品、
建築資材、雑貨類等に幅広く使用されているが、これら
の用途においては、機械的性質は勿論のこと、難燃性を
有する材料が要求されるようになってきている。難燃剤
としては種々の無機系難燃剤および有機系難燃剤が知ら
れており、ポリアミド樹脂の難燃化には従来、ハロゲン
系の有機難燃剤が広く用いられている。しかし、ハロゲ
ン系有機難燃剤を用いたポリアミド樹脂は、熱分解によ
って発生するハロゲン化水素等で成形加工時に金型等を
腐食させたり、火災発生時に多量の黒煙や有毒なハロゲ
ン含有ガスを発生するという欠点を有している。更に、
ハロゲン化合物の熱分解生成物としてダイオキシン発生
の危険性を指摘した報告もあり、ハロゲン化合物の使用
を抑制する方向に向かいつつある。
【0003】非ハロゲン難燃剤としては水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム等の含水無機化合物が用いら
れるが、樹脂に対して多量に添加する必要があり、その
ために機械的性質が著しく低下する欠点を有している。
また、これら含水無機化合物とは別にリン酸系難燃剤や
シアヌル酸系あるいはメラミン系難燃剤、またはこれら
を組み合わせる方法等が例えば特公昭47−41745
号公報、特開昭50−105744号公報、特開昭51
−39750号公報、特開昭53−31759号公報、
特公昭60−42826号公報等により知られている。
しかし、いずれも難燃性が不十分であったり、これらの
難燃剤が成形時に昇華あるいは分解して金型等を汚染し
たり、成形物の表面に析出(ブリードアウト)したりす
る欠点を有している。また、例えば特開昭60−365
42号公報に示されるようなリン酸系難燃剤にペンタエ
リスリトール等の多価アルコールを添加する方法も提案
されているが必らずしも十分な難燃性を与えず、難燃性
の大幅な改良が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非ハ
ロゲン化組成物であって、成形加工時の腐食性ガスの発
生や金型汚染、成形物からのブリードアウトが生じず、
燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生を抑制
し、しかも従来より少ない添加量で難燃性と機械的性質
とに優れた難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題を解
決するためになされたものであり、その要旨は、ポリア
ミド樹脂100重量部に成分(A);リン酸系難燃剤5
〜40重量部と成分(B);分子内に1以上の下記一般
式(1)で表わされる構造
【0006】
【化6】
【0007】(式(1)中、R1 、R2 はそれぞれH、
ホスホリル基、アルキル基、アリール基、アルキルカル
ボニル基又はアリールカルボニル基を示しアルキル基、
アリール基、アルキルカルボニル基及びアリールカルボ
ニル基は炭素数20以下であって、R1 とR2 は互いに
結合して環を形成していてもよい。)を有し、化合物中
の−OR1 基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×1
-3当量/g以上である化合物及び/又は、分子内に1
以上の下記一般式(2)で表わされるエポキシ基の構造
【0008】
【化7】
【0009】を有し、化合物中のエポキシ基の濃度が
0.5×10-3当量/g以上である化合物0.1〜5重
量部とを含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物に
存する。 以下、本発明につき詳細に説明する。本発明
で使用されるポリアミド樹脂としては、主鎖中にアミド
結合(−NHCO−)を含む重合体であって、加熱溶融
できるものを意味する。好適なポリアミド樹脂として
は、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、
ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセ
バカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデ
カミド(ナイロン612)、ポリウンデカラクタム(ナ
イロン11)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、
テレフタル酸およびイソフタル酸とヘキサメチレンジア
ミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシ
リレンジアミンとから得られるポリアミド、テレフタル
酸およびアジピン酸とヘキサメチレンジアミンとから得
られるポリアミド、共重合成分として二量体化脂肪酸を
含む共重合ポリアミド、およびこれらのうち少なくとも
2種の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共
重合体並びにこれらの混合物等が挙げられる。さらにこ
れらのポリアミドと他の熱可塑性重合物40重量%以下
との混合物であっても本発明に適用することができる。
また、かかるポリアミドの原料は具体的にはジアミンと
ジカルボン酸、ラクタム類、または重合可能なω−アミ
ノ酸類、ジアミンとジカルボン酸からなる塩、およびこ
れらを原料とするオリゴマーである。ジアミンとして
は、一般式(6)
【0010】
【化8】H2 N−X−NH2 (6)
【0011】(式(6)中、Xは二価の脂肪族基、二価
の脂環式基または二価の芳香族基であって、これらの基
は置換基を有していてもよい。)で示される化合物が用
いられる。このようなジアミンとして具体的には、例え
ばトリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペ
ンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、フェ
ニレンジアミン類、キシリレンジアミン類、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3
−メチルシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジア
ミン等が挙げられる。これらのジアミンは一種用いても
よいし、二種以上を組み合わせてもよい。また、ジカル
ボン酸としては、一般式(7)
【0012】
【化9】HOOC−Y−COOH (7)
【0013】(式(7)中、Yは二価の脂肪族基、二価
の脂環式基または二価の芳香族基であって、これらの基
は置換基を有していてもよい。)で示される化合物が用
いられる。このようなジカルボン酸として具体的には、
例えばアジピン酸、ピメリン酸、グルタル酸、スベリン
酸、セバシン酸、オクタデカン2酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボ
ン酸、シクロヘキサン−1,4−および1,3−ジカル
ボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。これら
のジカルボン酸は一種用いてもよいし、二種以上を組み
合わせてもよい。また、ラクタム類として具体的には、
例えばブチルラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタ
ム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノ
ラクタム、ドデカノラクタム等が挙げられる。これらの
ラクタムは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせ
てもよい。
【0014】さらに重合可能なω−アミノ酸類として具
体的には、例えば6−アミノカプロン酸、7−アミノヘ
プタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカ
ン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これら
の重合可能なω−アミノ酸は一種用いてもよいし、二種
以上を組み合わせてもよい。また、これらの各種のポリ
アミド成分またはポリアミド原料は数種組み合わせて用
いてもよい。本発明のポリアミド樹脂組成物におけるポ
リアミド成分の分子量には特に制限はなく、使用目的等
に応じて適宜決められるが通常はその相対粘度1.5以
上、好ましくは1.8〜5、さらに好ましくは2.0〜
4.0である。ここで相対粘度とは、JIS K681
0に従って98%硫酸中、ポリマー濃度1%、温度25
℃で測定した溶液粘度である。さらに、このようなポリ
アミド樹脂60重量%以上と他の熱可塑性樹脂40重量
%以下との混合物であっても本発明に適用することがで
きる。
【0015】成分(A)であるリン酸系難燃剤として
は、リン酸構造、ホスホン酸構造、亜リン酸構造及び/
又はポリリン酸構造を有する化合物またはこれらの成分
を含む混合物であって、具体例としてはリン酸アンモニ
ウム、リン酸アミド、ピロリン酸アンモニウム、ピロリ
ン酸アミド、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミ
ド、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフ
ェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、ジメチルメチルホスホネート、トリフェニルホスフ
ァイトなどがあげられるが、中でも窒素原子を含有する
ものが好ましく、特に好ましくはポリリン酸アミドであ
る。ポリリン酸アミドの例として特公昭51−4865
9号公報に示されるものであり、ポリリン酸アンモニウ
ムとメラミンの縮合反応により得られるものが好まし
く、スミセーフPM(商品名、住友化学工業(株)製)
あるいはExolit462(商品名、ヘキスト社製)
として市販されているものをそのまま用いることができ
る。リン酸系難燃剤の含有量はポリアミド100重量部
に対して5〜40重量部であり、とくに8〜30重量部
が好ましい。リン酸系難燃剤の含有量が5重量部以下で
は難燃性が不十分になり、40重量%以上ではポリマー
の物性が著しく低下する。本発明の成分(B)として
は、分子内に1以上の下記一般式(1)で表わされる隣
接した炭素原子のそれぞれに水酸基または水酸基から誘
導される基が結合した構造
【0016】
【化10】
【0017】を有し、化合物中の−OR1 基と−OR2
との合計の濃度が1.0×10-3当量/g以上である化
合物及び/又は、分子内に1以上の下記一般式(2)で
表わされるエポキシ基の構造
【0018】
【化11】
【0019】を有し、化合物中のエポキシ基の濃度が
0.5×10-3当量/g以上である化合物を用いる。上
記一般式(1)中、R1 及びR2 はそれぞれH、ホスホ
リル基、アルキル基、アリール基、アルキルカルボニル
基又はアリールカルボニル基を示しアルキル基、アリー
ル基、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基
は炭素数20以下である。又、R1 とR2 は互いに結合
して環を形成していてもよい。R1 とR2 はそれぞれH
であることが好ましい。上記化合物中の−OR1 基と−
OR2 基との合計の濃度とは−OR1 基と−OR2 基と
の有する化合物中の−OR1 基と−OR2 基との総数N
1 を該化合物の重量W1 で除した数値で、以下の式で表
わされる。
【0020】
【数1】N1 =〔(−OR1 基)+(−OR2 基)〕 −OR1 基と−OR2 基との合計の濃度=N1 /W
1 (当量/g)
【0021】−OR1 基と−OR2 基との合計の濃度は
1.0×10-3当量/g以上であって、難燃効果の点よ
り好ましくは5.0×10-3当量/g以上、更に好まし
くは10×10-3当量/g以上である。 上記化合物中
のエポキシ基の濃度とは、エポキシ基を有する化合物中
のエポキシ基の総数N2 を該化合物の重量W2 で除した
数値で、以下の式で表わされる。
【0022】
【数2】エポキシ基の濃度=N2 /W2 (当量/g)
【0023】エポキシ基の濃度は0.5×10-3当量/
g以上であって、難燃効果の点より好ましくは1.0×
10-3当量/g以上、更に好ましくは3.0×10-3
量/g以上である。成分(B)の分子内に1以上の前記
一般式(1)で表わされる構造を有し、化合物中の−O
1 基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10-3
量/g以上である化合物としては、好ましくは、下記一
般式(3)で表わされる、化合物中の−OR1 基と−O
2 基との合計の濃度が1.0×10-3当量/g以上で
ある化合物、あるいは分子中に一般式(1)で表わされ
る構造を有し、高分子化合物中の−OR1 基と−OR2
基との合計の濃度が1.0×10-3当量/g以上である
高分子化合物が挙げられる。
【0024】
【化12】
【0025】式(3)中、R1 及びR2 は、それぞれ
H、ホスホリル基、アルキル基、アリール基、アルキル
カルボニル基又はアリールカルボニル基を示し、アルキ
ル基、アリール基、アルキルカルボニル基及びアリール
カルボニル基は炭素数20以下であって、R1 とR2
互いに結合して環を形成していてもよい。R1 とR2
それぞれHであることが好ましい。R3 及びR4 は、そ
れぞれHまたは炭素数3以下のアルキル基を示す。R3
とR4 はそれぞれHであることが好ましい。R5及びR
6 は、それぞれH、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基及びアリールオキシ基は置換基を有していてもよ
く、R5 とR 6 は互いに結合して環を形成していてもよ
い。置換基としては、水酸基、エーテル基、エポキシ
基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミ
ノ基等が挙げられる。R5 、R6 はH、または置換基を
有するアルキル基であることが好ましく、さらには水酸
基またはエポキシ基、ビニル基、アリル基等で置換され
たアルキル基が好適である。
【0026】前記一般式(3)で表わされ、化合物中の
−OR1 基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10
-3当量/gである化合物としては、グリセリン、1,
2,3−トリメトキシプロパン、1,2−ブタンジオー
ル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタ
ントリオール、エリスリトール、リビトール、キシリト
ール、ズルシトール、ソルビトール等の直鎖状多価アル
コール、2,3−ジヒドロキシテトラヒドロフラン、
1,2−シクロヘキサンジオール、イノシトール等の環
状多価アルコール、グルコース、ガラクトース、マンノ
ース、ガラツロン酸、キシロース、グルコサミン、ガラ
クトサミン、イソプロピリデングルコース等の糖類など
が挙げられ、中でも直鎖状多価アルコールが好ましく、
特に好ましくはエリスリトール、ソルビトール等の炭素
数4以上の直鎖状多価アルコールである。
【0027】分子中に一般式(1)で表わされる構造を
有し、高分子化合物中の−OR1 基と−OR2 基との合
計の濃度が1.0×10-3当量/g以上である高分子化
合物としては、例えば多糖類、ポリエチレングリコー
ル、ポリグリセリン等が用いられる。多糖類としては上
記糖類の重合体が使用され、セルロース、アミロース、
アミロペクチン、キシラン、カードラン等が挙げられ、
特にはセルロース、アミロース、アミロペクチン等のグ
リコース重合体が好ましく、特に好ましくはセルロース
である。
【0028】成分(B)の、分子内に1以上の前記一般
式(2)で表わされたエポキシ基の構造を有し、化合物
中のエポキシ基の濃度が0.5×10-3当量/g以上で
ある化合物としては、好ましくは、下記一般式(4)で
表わされ、化合物中のエポキシ基の濃度が0.5×10
-3当量/g以上の化合物である。
【0029】
【化13】
【0030】上記一般式(4)中、R7 及びR8 は、そ
れぞれHまたは炭素数3以下のアルキル基を示し、それ
ぞれ好ましくはHである。R9 及びR10は、それぞれ
H、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基を示しアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アルコキシ基及びアリールオ
キシ基は置換基を有していてもよい。又、R9 とR10
互いに結合して環を形成していてもよい。置換基として
は、水酸基、エーテル基、エポキシ基、カルボキシル
基、カルボニル基、エステル基、アミノ基等が挙げられ
る。前記一般式(4)で表わされ、化合物中のエポキシ
基の濃度が0.5×10-3当量/g以上の化合物として
は、好ましくは、下記一般式(5)で表わされる化合物
である。
【0031】
【化14】
【0032】一般式(5)中、R9 はアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリール
オキシ基を示し、これらは置換基を有していてもよい。
置換基としては、水酸基、エーテル基、エポキシ基、カ
ルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基等
が挙げられる。前記一般式(5)で表わされ、化合物中
のエポキシ基の濃度が0.5×10-3当量/g以上の化
合物としては、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ベンジ
ルグリシジルエーテル、ビスグリシジルビスフェノール
A等のアルキルまたはアリールグリシジルエーテル、ア
リルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート
等、分子内に二重結合を有するエポキシ化合物、ジグリ
シジルテレフタレート等のカルボン酸グリシジルエステ
ル等が挙げられ、中でもエポキシ基を分子内に複数個有
するものが好ましい。
【0033】成分(B)の含有量はポリアミド樹脂10
0重量部に対して0.1〜5重量部好ましくは0.3〜
3重量部である。含有量が0.1重量部以下では十分な
難燃性が得られず、5重量部以上ではポリマーの物性が
低下する。本発明の組成物は、他の慣用の成分、例えば
熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電
防止剤、防腐剤、接着促進剤、着色剤、結晶化促進剤、
充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、発泡剤、滑剤、殺菌
剤、可塑剤、離型剤、増粘剤、防滴剤、衝撃性改良剤、
発煙抑制剤などを含み得る。本発明による組成物は公知
の方法により得ることができ、例えばブレンダーやミキ
サーなどを用いてドライブレンドする方法、押出機を用
いて溶融混合する方法などが挙げられるが、通常スクリ
ュー押出機を用い溶融混合してストランドに押し出し、
ペレット化するのがよい。本発明のポリアミド樹脂組成
物は、射出成形、押出成形、圧縮成形などの種々の成形
法で容易に成形でき、難燃性が高く機械的性質に優れて
いるので利用価値が大きい。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は
「重量部」を示す。また、燃焼性についてはアンダーラ
イターズラボラトリー(Underwriter's Laboratories I
nc.)のUL−94規格垂直燃焼試験、または限界酸素指
数(LOI:ASTM D−2863,JIS K72
01)を測定することにより評価した。
【0035】〔実施例1〕相対粘度2.5のナイロン6
(三菱化成(株)製、商品名ノバミッド)85重量部、
ポリリン酸アミド(住友化学工業(株)製、商品名スミ
セーフPM)15重量部およびエリスリトール1重量部
をブレンドし、これを30mmのベントタイプ2軸押出
機を用いて250℃で混練してストランドに押し出し、
ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。このペレット
を射出成形機(日本製鋼所(株)製、J28SA型)
と、UL94燃焼試験片用および限界酸素指数用金型を
用い、成形温度260℃、金型温度85℃で成形を行っ
た。得られたポリアミド樹脂組成物の難燃性を表−1に
示す。
【0036】〔実施例2〜4〕実施例1においてナイロ
ン6、ポリリン酸アミド及びエリスリトールの割合を表
−1に示す割合でブレンドした以外は、実施例1と全く
同様にしてポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。 〔実施例5〕実施例1においてエリスリトールの代りに
ソルビトールを用いる以外は、実施例1と全く同様にし
てポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
【0037】〔実施例6〕実施例5において、ナイロン
6、ポリリン酸アミド及びソルビトールの割合を表−1
に示す割合でブレンドした以外は実施例5と全く同様に
してポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。 〔実施例7〕実施例1においてエリスリトールの代りに
セルロースを用いる以外は実施例1と全く同様にしてポ
リアミド樹脂組成物のペレットを得た。 〔実施例8〕実施例1においてエリスリトールの代わり
に下式で示されるエポキシ化合物を用いた以外は実施例
1と全く同様にしてポリアミド樹脂組成物のペレットを
得た。
【0038】
【化15】
【0039】〔実施例9〕実施例1においてエリスリト
ール1重量部の代わりに、エリスリトール1重量部と実
施例8で用いたエポキシ化合物1重量部とを用いる以外
は実施例1と全く同様にして、ポリアミド樹脂組成物を
得た。 〔実施例10〕実施例1においてリン系難燃剤としてポ
リリン酸アミドの代わりにポリリン酸アンモニウム(住
友化学工業(株)製、商品名スミセーフPを用いる以外
は実施例1と全く同様にしてポリアミド樹脂組成物のペ
レットを得た。 〔実施例11〕実施例1においてリン系難燃剤としてポ
リリン酸アミドの代わりにトリクレジルホスフェートを
用いる以外は実施例1と全く同様にしてポリアミド樹脂
組成物のペレットを得た。
【0040】〔比較例1〕ナイロン6のみを用い実施例
1と同様にしてナイロン6のペレットを得た。 〔比較例2〕実施例4においてエリスリトールを用いな
い以外は実施例4と全く同様にしてポリアミド樹脂組成
物ペレットを得た。 〔比較例3〕実施例4においてエリスリトールの代わり
にペンタエリスリトールを用いる以外は実施例4と全く
同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。 〔比較例4〕実施例4においてエリスリトールの代わり
に1,4−ブタンジオールを用いた以外は実施例4と全
く同様にしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
【0041】〔比較例5〕実施例10においてエリスリ
トールを用いない以外は実施例10と全く同様にしてポ
リアミド樹脂組成物ペレットを得た。 〔比較例6〕実施例11においてエリスリトールを用い
ない以外は実施例11と全く同様にしてポリアミド樹脂
組成物ペレットを得た。 〔比較例7〕実施例1においてナイロン6を85重量
部、ポリリン酸アミド15重量部、エリスリトール1重
量部の代わりにナイロン6を100重量部とエリスリト
ール1重量部を用いる以外は実施例1と全く同様にして
ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。実施例2〜11
及び比較例1〜7のペレットは実施例1と全く同様にし
て成形し、難燃性を測定した。結果を表−1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形
加工時の腐食性ガスの発生や金型汚染、成形物からのブ
リードアウトが生じにくく、燃焼時の刺激性ガス、腐食
性ガス、黒煙の発生を飛躍的に抑制し、しかも難燃性と
は機械的性質とに優れているという利点を有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂100重量部に成分
    (A);リン酸系難燃剤5〜40重量部と成分(B);
    分子内に1以上の下記一般式(1)で表わされる構造 【化1】 (式(1)中、R1 、R2 はそれぞれH、ホスホリル
    基、アルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基又
    はアリールカルボニル基を示しアルキル基、アリール
    基、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基は
    炭素数20以下であって、R1 とR2 は互いに結合して
    環を形成していてもよい。)を有し、化合物中の−OR
    1 基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10-3当量
    /g以上である化合物及び/又は、分子内に1以上の下
    記一般式(2)で表わされるエポキシ基の構造 【化2】 を有し、化合物中のエポキシ基の濃度が0.5×10-3
    当量/g以上である化合物0.1〜5重量部とを含むこ
    とを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(B)が、分子内に1以上の前記一
    般式(1)で表わされる構造を有し、化合物中の−OR
    1 基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10-3当量
    /g以上である化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(B)の分子内に1以上の前記一般
    式(1)で表わされる構造を有し、化合物中の−OR1
    基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10-3当量/
    g以上である化合物が、下記一般式(3)で表わされ、
    化合物中の−OR1 基と−OR2 基との合計の濃度が
    1.0×10-3当量/g以上である化合物であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリアミド樹
    脂組成物。 【化3】 (式(3)中、R1 、R2 はそれぞれH、ホスホリル
    基、アルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基又
    はアリールカルボニル基を示し、アルキル基、アリール
    基、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基は
    炭素数20以下であって、R1 とR2 は互いに結合して
    環を形成していてもよく、R3 、R4 はそれぞれHまた
    は炭素数3以下のアルキル基を示し、R5 、R6 はそれ
    ぞれH、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
    アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、アルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基及び
    アリールオキシ基は置換基を有していてもよく、R5
    6 は互いに結合して環を形成していてもよい。)
  4. 【請求項4】 成分(B)の分子内に1以上の前記一般
    式(1)で表わされる構造を有し、化合物中の−OR1
    基と−OR2 基との合計の濃度が1.0×10-3当量/
    g以上である化合物が、前記一般式(1)で表わされる
    構造を有し、化合物中の−OR1 基と−OR2 基との合
    計量の濃度が1.0×10-3当量/g以上の高分子化合
    物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記高分子化合物が多糖類であることを
    特徴とする請求項4に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(B)が、分子内に1以上の前記一
    般式(2)で表わされるエポキシ基を有し、化合物中の
    エポキシ基濃度が0.5×10-3当量/g以上の化合物
    であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分(C)の分子内に1以上の前記一般
    式(2)で表わされるエポキシ基の構造を有し、化合物
    中のエポキシ基の濃度が0.5×10-3当量/g以上で
    ある化合物が、下記一般式(4)で表わされ、化合物中
    のエポキシ基の濃度が0.5×10-3当量/g以上のエ
    ポキシ系化合物であることを特徴とする請求項1又は請
    求項6に記載のポリアミド樹脂組成物。 【化4】 (式(4)中、R7 、R8 はそれぞれHまたは炭素数3
    以下のアルキル基を示し、R9 、R10はそれぞれH、ア
    ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ
    基、又はアリールオキシ基を示し、アルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基及びアリールオ
    キシ基は置換基を有していてもよく、R 9 とR10は互い
    に結合して環を形成していてもよい。)
  8. 【請求項8】 前記一般式(4)が下記一般式(5)で
    あることを特徴とする請求項7記載のポリアミド樹脂組
    成物。 【化5】 (式(5)中、R9 はアルキル基、シクロアルキル基、
    アリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を示
    し、これらは置換基を有していてもよい。)
  9. 【請求項9】 成分(C)のリン酸系難燃剤がポリリン
    酸アミドであることを特徴とする請求項1ないし8のい
    ずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
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