JP2002129010A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物

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JP2002129010A
JP2002129010A JP2000330295A JP2000330295A JP2002129010A JP 2002129010 A JP2002129010 A JP 2002129010A JP 2000330295 A JP2000330295 A JP 2000330295A JP 2000330295 A JP2000330295 A JP 2000330295A JP 2002129010 A JP2002129010 A JP 2002129010A
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JP2000330295A
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Junji Nantaku
淳二 南宅
Kiyoshi Mori
清 森
Shinichiro Kato
慎一朗 加藤
Hajime Oyama
一 大山
Masami Suzuki
政己 鈴木
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性に優れ、成形加工性、機械的特性、熱
安定性、および外観に優れた成形品が得られる難燃性ポ
リアミド樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ポリアミド樹脂(成分a)100重量部
と、軟化点120℃以上のノボラック型フェノール樹脂
類(成分b)1〜100重量部とよりなる樹脂成分10
0重量部に対し、難燃剤(成分c)1〜200重量部配
合されてなる難燃性ポリアミド樹脂組成物を要旨とす
る。 【効果】 上記課題が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリアミド樹脂
組成物に関する。さらに詳しくは、難燃性に優れ、成形
加工性、機械的特性、熱安定性、および外観に優れた成
形品が得られる樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】難燃性ポリアミド樹脂組成物は、優れた
難燃性、成形加工性、機械的特性、外観などを活かし、
電気・電子、自動車部品などの成形材料として広く用い
られている。ポリアミド樹脂を難燃化する目的で使用さ
れている難燃剤としては、シアヌル酸メラミンなどのチ
ッソ系難燃剤、赤燐、リン酸エステルなどのリン系難燃
剤、臭素化エポキシなどのハロゲン化合物、水酸化マグ
ネシウムなどの金属水和物などが挙げられる。しかし、
これらの難燃剤のうちシアヌル酸メラミン、リン酸エス
テルなどは熱安定性が悪く、赤燐、ハロゲン系難燃剤は
成形加工時に腐食性のガスを発生し易く、水酸化マグネ
シウムは機械物性を低下させ易いなど、種々の悪影響を
及ぼす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、樹脂成分に
配合する難燃剤の量を可及的に少なくすることが必要と
なるが、難燃剤の配合量を少なくすると所望の難燃効果
が達成できなくなり、優れた難燃効果と高水準の前記諸
特性とを同時に達成する、難燃性ポリアミド樹脂組成物
が要求されていた。すなわち少量の難燃剤で優れた難燃
性を発揮し、優れた成形加工性、機械的特性、低腐食性
などの諸特性を同時に発揮する、難燃性ポリアミド樹脂
組成物が希求されていた。
【0004】本発明者らは、かかる状況にあって、優れ
た成形加工性、機械的特性、低腐食性などの諸特性を発
揮し、かつ、優れた難燃性を発揮する難燃性ポリアミド
樹脂組成物を提供することを目的として鋭意検討の結
果、ポリアミド樹脂に特定の化合物を配合することによ
り、難燃剤の添加量を削減でき上記の課題が達成できる
ことを見出し本発明に至った。
【0005】
【問題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、ポリアミド樹脂(成分a)100重量
部と、軟化点が120℃以上のノボラック型フェノール
樹脂類(成分b)1〜100重量部よりなる樹脂成分1
00重量部に対し、難燃剤(成分c)1〜200重量部
配合されてなることを特徴とする、難燃性ポリアミド樹
脂組成物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリアミド樹脂(以下、単に「成
分a」と記載することがある)としては、3員環以上の
ラクタム、重合可能なωーアミノ酸、または、二塩基酸
とジアミンなどの重縮合によって得られるポリアミドを
用いることができる。具体的には、εーカプロラクタ
ム、アミノカプロン酸、エナントラクタム、7ーアミノ
ヘプタン酸、11ーアミノウンデカン酸、9ーアミノノ
ナン酸、αーピロリドン、αーピペリドンなどの重合
体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
メタキシリレンジアミンなどのジアミンと、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
二塩基酸、グルタール酸などのジカルボン酸と重縮合さ
せて得られる重合体またはこれらの共重合体である。さ
らに具体的には、例えば、ポリアミド4、6、7、8、
11、12、6・6、6・9、6・10、6・11、6
・12、6T、6/6・6、6/12、6/6T、6I
/6Tなどが挙げられる。本発明における熱可塑性ポリ
アミド樹脂として、より好ましくは、ポリアミド6、ポ
リアミド6・6、共重合ポリアミド6/6・6などが挙
げられる。上記のポリアミド樹脂は1種類でも2種類以
上の混合物であってもよい。
【0007】成分aは、特定範囲内の重合度、すなわち
特定範囲内の相対粘度を有するものが好ましい。成分a
の好ましい相対粘度は、JIS K 6810に従って
98%硫酸中濃度1%、温度25℃で測定した値で2.
0〜5.0、特に好ましくは2.2〜4.0の範囲であ
る。相対粘度が低いと、材料強度が小さくなり、逆に高
すぎると、流動性が低下し成形性や製品外観を損なうこ
とがあるので好ましくない。
【0008】本発明においてノボラック型フェノール樹
脂類(以下、単に「成分b」と記載することがある)と
は、フェノール類とホルムアルデヒド類より得られる熱
可塑性のフェノール樹脂類で、ヘキサメチレンテトラミ
ンなどの硬化剤を添加せず、120℃以上の軟化点を示
すものをいう。ここで、フェノール類とはフェノール、
クレゾール、キシレノール、ナフトール、ブチルフェノ
ール、フェニルフェノール、ジヒドロキシベンゼン、ビ
スフェノールA、ビスフェノールFなどの1価、ならび
に多価フェノール類、およびそれらの置換体が挙げられ
る。また、ホルムアルデヒド類としては、通常ホルムア
ルデヒドの37%水溶液が一般的であるが、その水和重
合物であるパラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリ
オキシメチレン、またホルムアルデヒドとして反応する
ヘキサメチレンテトラミンなどもその類である。
【0009】成分bは、ポリアミド樹脂との分散性、相
溶性を高める目的で、例えば、酸変性の様な処理を施し
たものであってもよい。
【0010】成分bは、軟化温度が120℃以上のもの
である必要がある。軟化温度が120℃以上であると、
成分aに配合して樹脂組成物とした場合に、この樹脂組
成物は良好な成形加工性、機械的特性を発揮する。成分
bの軟化温度が120℃未満であると、樹脂組成物は射
出成形時の離型性が悪く、かつ、高温時の弾性率低下な
どの機械的特性の低下も大きいので、工業用部品製造用
の成形材料として使用には適さない。なお、本発明にお
いて成分bの軟化温度は、JIS C2104「電気絶
縁塗料用100%油溶性フェノール樹脂試験方法」、に
示された軟化点測定方法に準じて測定した値を意味す
る。
【0011】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
における成分bの含有量は、成分a100重量部に対
し、1〜100重量部の範囲で選ぶものとする。成分b
の割合が1重量部より少ないと良好な難燃性が得られ
ず、100重量部より多いと機械物性が低下するので好
ましくない。成分bは、上記範囲では、10〜80重量
部が好ましく、中でも20〜50重量部が特に好まし
い。
【0012】本発明の係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
は、難燃剤(以下、単に「成分c」と記載することがあ
る)を含有してなる。成分cとしては、従来から知られ
ている難燃剤および/または難燃助剤が挙げられる。こ
の種難燃剤としては、窒素系難燃剤(a1)、リン系難燃剤
(a2)、ハロゲン系難燃剤(a3)、金属水和物(a4)などが挙
げられる。
【0013】窒素系難燃剤(a1)の具体例としては、シア
ヌル酸メラミンのような有機酸、または無機酸とトリア
ジン化合物の塩、メラム、メレム、ポリリン酸アンモニ
ウムなどが挙げられる。リン系難燃剤(a2)の具体例とし
ては、赤燐、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェートなどのモノリン酸エステル、ビスフェノー
ルAビス(ジフェニル)ホスフェート、レゾルシノール
ビス(ジフェニル)ホスフェートなどの縮合リン酸エス
テル、トリフェニルホスファイトなどのホスファイト
類、ポリリン酸アンモニウム、リン酸亜鉛、ポリリン酸
アミド、リン酸グアニジンなどの有機または無機のリン
酸塩、ホスファゼン化合物などが挙げられる。
【0014】ハロゲン系難燃剤(a3)の具体例としては、
臭素化ポリスチレン、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポ
リカーボネート化合物などが挙げられる。金属水和物(a
4)の具体例としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0015】成分cは、1種類でも2種類以上を併用す
ることもできる。成分cとしては、リン系難燃剤または
ハロゲン系難燃剤が好ましいが、環境への影響の点から
は、窒素系難燃剤、リン系難燃剤、金属水和物のような
非ハロゲン系難燃剤が好ましく、リン系難燃剤が特に好
ましい。
【0016】成分cには、難燃助剤(以下、単に「成分
d」と記載することがある)を配合するのが、難燃性な
どの向上の点から好ましい。成分dの具体例としては、
酸化アンチモン、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化亜鉛な
どの金属酸化物、ホウ酸亜鉛などのホウ酸金属塩、シリ
コンオイルなどの有機シリコン化合物、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)などのドリップ防止剤などが
挙げられ、好ましくは、三酸化アンチモン、ホウ酸亜
鉛、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。成
分dは、1種類でも2種類以上の混合物であってもよ
い。上に挙げた成分dの中では、三酸化アンチモン、ホ
ウ酸亜鉛、ポリテトラフルオロエチレンよりなる群より
選ばれた少なくとも1種が、特に好適である。
【0017】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
は、成分a100重量部と成分b1〜100重量部とよ
り構成されてなる樹脂成分100重量部に対し、成分c
が1〜200重量部配合されてなる。成分cの配合量が
1重量部より少ないと難燃性が不足し、200重量部よ
り多いと成形加工性、熱安定性、機械的特性、腐食性な
どが低下する。成分cは上記範囲では、2〜100重量
部が好ましく、中でも5〜50重量部が特に好ましい。
成分dの配合量は、成分cの種類と配合量にもよるが、
樹脂成分100重量部に対し、1〜100重量部の範囲
で選ぶのが好ましい。
【0018】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
は、成分a100重量部に対し、無機充填剤(以下、単
に「成分e」と記載することがある)を1〜200重量
部配合するのが、曲げ弾性率などの機械的物性向上の点
から好ましい。成分eは、数平均長さが1.0μm〜1
00μmで、数平均直径が0.1μm〜15μmの無機
充填剤が好ましい。具体的には、ガラス繊維、繊維状ワ
ラストナイト、メタケイ酸カルシウムなどが挙げられ
る。中でも、ガラス繊維が好適である。
【0019】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
に無機充填剤(成分e)、特にガラス繊維を配合すると
きには、シランカップリング剤を配合するのが、無機充
填剤と樹脂との接着性を向上させる上で好ましい。本発
明においてシランカップリング剤とは、分子中にエポキ
シ基またはビニル基、メルカプト基のいずれかの基有
し、かつアルコキシ基を有する化合物をいう。具体的に
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0020】シランカップリング剤の添加方法として
は、(1)樹脂成分にガラス繊維などの無機充填剤(成分
e)を混練する前に、成分eの表面をシランカップリン
グ剤によって処理した後、この処理した成分eと難燃剤
とを樹脂成分に混練する方法、(2)成分eと難燃剤を樹
脂成分に混練するときに同時に混練する方法、(3)難燃
剤とシランカップリング剤を前もってブレンドしてお
き、成分eとともに樹脂成分に混練する方法などが挙げ
られるが、これら(1)〜(3)の混練方法に限定されるもの
ではない。
【0021】樹脂成分へのシランカップリング剤の添加
量は、その添加方法によって異なり、前もってガラス繊
維などの無機充填剤(成分e)の表面処理をする場合に
は、成分e100重量部に対して0.1〜1重量部程度
が好ましいが、樹脂成分に直接混合する場合には、樹脂
成分100重量部に対して0.5〜2.5重量部の範囲
で選ぶのが好ましい。なお、樹脂成分100重量部に対
して2.5重量部以上添加すると難燃性の低下が著しい
ので、好ましい添加量は1〜1.5重量部の範囲であ
る。
【0022】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
には、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、機械的
特性、寸法安定性、耐薬品性、難燃性、熱安定性、成形
加工性、電気的特性、耐候性などを向上させるなどを目
的で、他の熱可塑性樹脂や、各種の樹脂添加剤を配合す
ることができる。
【0023】他の熱可塑性樹脂としては、例えば、液晶
ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチチレンテレフタレート(PBT)、P
C(ポリカーボネート)、変性ポリフェニレンエーテル
(変性PPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレ
ン(PP)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。
この中で、特に変性PPEを配合すると難燃性が向上す
るので好ましい。
【0024】各種の樹脂添加剤としては、オレフィン系
エラストマーなどの耐衝撃性改良材、脂肪酸アミドなど
の滑剤、銅化合物、ヒンダードフェノールなどの熱安定
剤、耐候性改良剤、発泡剤、造核剤、可塑剤、流動性改
良剤、染料、顔料、有機充填剤、有機過酸化物、分散剤
などが挙げられる。これらの樹脂添加剤は、本発明に係
る難燃性ポリアミド樹脂組成物を調製する際に、任意の
段階で配合することができるが、押出機によって樹脂成
分と溶融混練するのが好ましい
【0025】本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物
は、各種製品の成形材料として使用することができる。
各種製品の成形に採用される成形方法は、従来から熱可
塑性樹脂の成形法として知られている方法である。具体
的には、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー
成形法、ガス注入射出成形法、トランスファー成形法、
2色成形法、真空成形法などが挙げられる。製品として
は、例えば、各種の電気・電子製品用部品、自動車用部
品、OA機器用部品、音響機器用部品、モーター用部
品、建築用部材・部品などが挙げられる。中でも特に、
電気・電子製品用部品の成形材料として好適である。
【0026】
【実施例】以下、本発明を、合成例、実施例、比較例に
基づいて説明するが、本発明はその主旨を超えない限
り、以下の記載例に限定されるものではない
【0027】実施例、比較例で使用した原材料は、表−
1に示したとおりである。ただし、軟化点の高いノボラ
ック型フェノール樹脂は、以下に記載の合成例によって
合成したものである。
【0028】[合成例1]撹拌機、温度計、還流器を装
備した、容量が500ミリリットルの4つ口のセパラブ
ルフラスコに、フェノール94g(1モル)と37%ホ
ルマリン40.5g(0.5モル)とを仕込んだ。フラ
スコに、シュウ酸を0.1g加えて遷流する温度で4時
間以上反応させた後、パラホルムアルデヒドを13.5
g(0.45モル)添加して、100〜150℃の温度
で10時間以上反応させた。この反応溶液を50Torr以
下の減圧下、180℃で乾燥して水を完全に除去した。
得られた生成物は淡黄色の固体であり、軟化点は135
℃であった。以下、これをフェノール樹脂(b−1)と
いう。
【0029】[合成例2]合成例1で使用したセパラブ
ルフラスコに、ビスフェノールF200g(1モル)と
37%ホルマリン48.6g(0.6モル)とを仕込
み、シュウ酸を0.2g加えて還流する温度で2時間以
上反応させた。さらに、還流器から水を流出させながら
120℃〜150℃の温度で3時間反応させた後、反応
系にパラホルムアルデヒドを6.0g(0.2モル)添
加して、100〜150℃の温度で6時間以上反応させ
た。この反応溶液を50Torr以下の減圧下、180℃で
乾燥して水を完全に除去した。得られた生成物は淡黄色
の固体であり、軟化点は145℃であった。以下、これ
をフェノール樹脂(b−2)という。
【0030】[合成例3]合成例1で使用したセパラブ
ルフラスコに、ビスフェノールF200g(1モル)と
37%ホルマリン68.1g(0.84モル)とを仕込
み、シュウ酸を0.2g加えて遷流する温度で4時間以
上反応させた。さらに、還流器から水を流出させながら
120℃〜150℃の温度で4時間以上反応させた。こ
の反応溶液を50Torr以下の減圧下、180℃で乾燥し
て水を完全に除去した。得られた生成物は淡黄色の固体
であり、軟化点は159℃であった。以下、これをフェ
ノール樹脂(b−3)という。
【0031】[合成例4]合成例1で使用したセパラブ
ルフラスコに、フェノール94g(1モル)と37%ホ
ルマリン40.5g(0.5モル)とを仕込み、シュウ
酸を0.1g加えて遷流する温度で4時間以上反応させ
た後、パラホルムアルデヒドを9.0g(0.3モル)
添加して、100〜150℃の温度で6時間以上反応さ
せた。この反応溶液を50Torr以下の減圧下、180℃
で乾燥して水を完全に撤去した。この生成物は淡黄色の
固体であり、軟化点は117℃であった。以下、これを
フェノール樹脂(b−4)という。
【0032】
【表1】
【0033】[実施例1〜実施例10、比較例1〜比較
例6]上記表−1に記載の原材料を、実施例・比較例の
表−2、表−3および表−4に記載の割合で秤量し、ブ
レンダーで混合した。得られて混合物を、二軸押出機
(池貝鉄工社製、型式:PCM30)によって、シリン
ダー温度を260〜270℃として溶融混練し、ペレッ
ト状の樹脂組成物を得た。得られたペレットを90℃で
5時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製、型式:
IS60B)によって、シリンダー温度270℃とし
て、試験片を作成し、下記の項目について評価試験を行
なった。評価試験結果を、表−2〜表−4に示した。
【0034】(1)曲げ強度(単位:kg/cm2):ASTM
D790に準拠して測定した。 (2)曲げ弾性率(単位:kg/cm2):ASTM D790
に準拠して測定した。(3)難燃性:厚さ1/16”の試
験片につき、UL94の試験法に準拠して垂直燃焼試験
を行い、結果を表に記載した。燃焼試験結果をUL94
の判定基準に基づき、「V−0」、「Vー1」、「V−
2」と表示した。 (4)離型性:UL94燃焼試験用の試験片を成形する際
に、金型から試験片を離型する状態を目視で観察し、離
型性が良好なものを「○」、離型性が不良のものを
「×」と表示した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表−1〜表−4から、次のことが分かる。 (1)実施例1〜実施例7の樹脂組成物は、軟化点が12
0℃以上のノボラック型フェノール樹脂を配合している
ので、通常の難燃剤の配合量を樹脂成分100重量部に
対し20重量部未満と少なくしても、優れた難燃性を発
揮し(V−0合格)、優れた機械的特性(曲げ特性)を
発揮し、優れた成形加工性(離型性)を発揮する。 (2)実施例8〜実施例10のガラス繊維を配合した樹脂
組成物は、上記の特性の他に、優れた曲げ弾性率を発揮
する。 (3)これに対して、軟化点が120℃以下のノボラック
型フェノール樹脂を配合した比較例1、比較例2および
比較例4の樹脂組成物は、優れた難燃性を発揮する(V
−0合格)が、成形加工性(離型性)に劣る。 (4)また、軟化点が120℃以上のノボラック型フェノ
ール樹脂が配合されていない比較例3の樹脂組成物は、
難燃性はV−2に合格する程度で難燃性に劣る。 (5)比較例5、比較例6の樹脂組成物は、軟化点が12
0℃以上のノボラック型フェノール樹脂が配合されてい
ないので、難燃性はV−2に合格する程度で難燃性に劣
る。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明したとおりで
あり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上
の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物は、軟化
点が120℃以上のノボラック型フェノール樹脂を配合
しているので、通常の難燃剤の配合量を少なくしても、
優れた難燃性を発揮する。 2.本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物は、軟化
点が120℃以上のノボラック型フェノール樹脂を配合
しているので、通常の難燃剤の配合量を少なくすること
ができ、優れた機械的特性、優れた成形加工性、低腐食
性などの諸特性を発揮する。 3.本発明に係る難燃性ポリアミド樹脂組成物にガラス
繊維などの無機充填剤を配合した場合は、とりわけ優れ
た曲げ弾性率を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 清 大阪府泉大津市臨海町一丁目20番 阪本薬 品工業株式会社研究所内 (72)発明者 加藤 慎一朗 大阪府泉大津市臨海町一丁目20番 阪本薬 品工業株式会社研究所内 (72)発明者 大山 一 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 鈴木 政己 神奈川県平塚市東八幡五丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4J002 BC123 BD154 CC032 CC042 CC052 CC062 CD123 CG033 CL011 CL031 CL051 CP034 DA056 DE076 DE086 DE097 DE107 DE117 DE127 DE146 DH046 DH056 DK007 EU186 EU196 EW046 EW066 EW156 FD133 FD134 FD136 FD137 GN00 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド樹脂(成分a)100重量部
    と、軟化点が120℃以上のノボラック型フェノール樹
    脂類(成分b)1〜100重量部とよりなる樹脂成分1
    00重量部に対し、難燃剤(成分c)1〜200重量部
    配合されてなることを特徴とする、難燃性ポリアミド樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 難燃剤(成分c)が、リン系難燃剤また
    はハロゲン系難燃剤である、請求項1に記載の難燃性ポ
    リアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 難燃性ポリアミド樹脂組成物に難燃剤
    (成分c)の他に難燃助剤(成分d)が配合されてな
    り、難燃助剤(成分d)が樹脂成分100重量部に対
    し、1〜100重量部配合されてなる、請求項1または
    請求項2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 難燃助剤が、三酸化アンチモン、ホウ酸
    亜鉛、水酸化マグネシウム、ポリテトラフルオロエチレ
    ンよりなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求
    項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の難燃性ポリ
    アミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリアミド樹脂(成分a)100重量部
    に対し、無機充填剤(成分e)が1〜200重量部配合
    されてなる、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に
    記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 無機充填剤(成分e)がガラス繊維であ
    る、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の難
    燃性ポリアミド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリアミド樹脂(成分a)100重量部
    に対して、シランカップリング剤を0.001〜2.5
    重量部含有させてなる、請求項6に記載の難燃性ポリア
    ミド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアミド樹脂(成分a)が、ポリアミ
    ド6またはポリアミド6・6である、請求項1ないし請
    求項7のいずれか一項に記載の難燃性ポリアミド樹脂組
    成物。
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