JP2003192923A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JP2003192923A
JP2003192923A JP2002302599A JP2002302599A JP2003192923A JP 2003192923 A JP2003192923 A JP 2003192923A JP 2002302599 A JP2002302599 A JP 2002302599A JP 2002302599 A JP2002302599 A JP 2002302599A JP 2003192923 A JP2003192923 A JP 2003192923A
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thermoplastic resin
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Yasukazu Kano
泰和 鹿野
Sadayuki Yakabe
貞行 矢ヶ部
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素や臭素を含むハロゲン系難燃剤、アンチ
モン系難燃助剤並びにリン系難燃剤を含有せずに、熱可
塑性樹脂が本来有する機械的特性、耐薬品性、良成形性
を損なうことなく、難燃性を向上させ、燃焼時のドリッ
プ発生の抑制された難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供す
ること。 【解決手段】 (a)熱可塑性樹脂20〜94.9重量
%、(b)特定のシロキサン単位を有し、かつビニル基
を含有するシリコーン化合物0.1〜20重量%及び
(c)強化材5〜60重量%からなる難燃性熱可塑性樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性熱可塑性樹脂
組成物に関する。特に、電気・電子分野のコネクター、
ブレーカー、マグネットスイッチ等の部品、自動車分野
の電装部品等の部品材料に好適に用いられる難燃性熱可
塑性樹脂組成物に関する。とりわけ、本発明は、熱可塑
性樹脂が本来有する機械的特性を損なうことなく、低い
金型腐食性で、難燃性を向上させ、かつ塩素や臭素を含
むハロゲン系難燃剤、アンチモン系助難燃剤並びにリン
系難燃剤を含有しない難燃性熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂は、機械的性質、成
形加工性、電気絶縁性等に優れることから、自動車部
品、機械部品、電気・電子部品などの広範な分野で使用
されている。しかしながら、熱可塑性樹脂の大半は易燃
性であり、安全性の問題から種々の難燃化技術が提案さ
れてきた。そしてそれらは一般的に高い難燃化効果を持
つ臭素化合物等のハロゲン系難燃剤と酸化アンチモンを
樹脂に配合する方法が取られている。
【0003】例えば、ポリアミド樹脂への塩素置換多環
式化合物の添加(例えば、特許文献1参照。)や臭素系
難燃剤、例えば、デカブロモジフェニルエーテルの添加
(例えば、特許文献2参照。)、臭素化ポリスチレンの
添加(例えば、特許文献3及び4参照。)、臭素化ポリ
フェニレンエーテルの添加(例えば、特許文献5参
照。)、臭素化架橋芳香族重合体の添加(例えば、特許
文献6参照。)、臭素化スチレン−無水マレイン酸重合
体の添加(例えば、特許文献7参照。)等が知られてい
る。
【0004】特にこれらハロゲン系難燃剤をガラス繊維
等で強化したポリアミド樹脂に配合した組成物は高度の
難燃性と高い剛性から、電気・電子部品用途、特にプリ
ント積層板に搭載されたり、接続されたりするコネクタ
ー用途に多用されてきた。しかしながら、塩素や臭素を
含むハロゲン系難燃剤は難燃性を向上させる一方、射出
成形などの加熱加工時に、腐食性のハロゲン化水素を発
生し、金型等を腐食する問題があった。
【0005】このことから、ハロゲンフリーのリン系難
燃剤が注目され、数多く検討がなされてきた。例えば、
リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、あるいはポリリ
ン酸メラミンをガラス繊維強化ポリアミド樹脂に使用す
るハロゲンフリーの難燃技術(例えば、特許文献8参
照。)、無機質強化ポリアミド樹脂にポリリン酸メラミ
ンを加え、チャー化触媒及び/又はチャー形成剤を併用
する難燃技術(例えば、特許文献9参照。)が提案さ
れ、1/16inchの成形品において難燃規格UL9
4V−0規格を満足することが知られている。
【0006】しかし、これらの技術では、電気・電子部
品のコネクター用途で特に要求される薄肉成形品でのU
L94V−0規格を満足するためには、リン酸メラミン
系難燃剤を多く用いる必要があり、この為、ガラス繊維
強化ポリアミド樹脂組成物の機械的特性が大きく低下す
る。さらには成形加工時の離型性にも劣り、必ずしも電
気・電子部品用の成形材料として満足されるものではな
かった。
【0007】また、薄肉成形品での難燃規格UL94V
−0を達成する技術として、イントメッセント型難燃剤
である硫酸メラミンをガラス繊維強化半芳香族ポリアミ
ド樹脂に適用した技術(例えば、特許文献10参照。)
も開示されているが、この技術においてもポリアミド樹
脂成分量に対して難燃剤を多く配合する必要があり、上
記と同様の問題があった。さらには、薄肉成形品での難
燃規格UL94V−0を達成しつつ、高い耐トラッキン
グ性を付与する技術として、無機質強化ポリアミド樹脂
にリン酸メラミン複合難燃剤に加え、アルカリ土類金属
塩を配合する技術(例えば、特許文献11参照。)も提
案されているが、この技術で得られた成形品は非常に脆
い問題があった。
【0008】更には成形加工性においても満足出来な
く、また成形品を例えば60℃、95%RH等の高温高
湿の環境下で長時間放置時、成形品表面にポリアミドオ
リゴマーや難燃剤が析出する、いわゆるブリードアウト
現象が生じるなどの問題があり満足出来るものではなか
った。
【0009】これらに対して、シリコーン化合物は耐熱
性が高く、加熱加工時に腐食性のガス等の発生は無いた
め、これを難燃剤として利用しようとする試みが数多く
なされ、樹脂成分にシリコーン化合物を添加することに
より、ハロゲン化合物やリン化合物を使用せずに難燃性
を付与できることが知られている。一般的にシリコーン
(オルガノポリシロキサン)化合物の構造は、以下に示
す4つのシロキサン単位(M単位、D単位、T単位、Q
単位)の少なくともいずれかが重合してなるポリマーで
ある。
【0010】M単位(一官能性)
【化9】
【0011】D単位(二官能性)
【化10】
【0012】T単位(三官能性)
【化11】
【0013】Q単位(四官能性)
【化12】
【0014】この内、特にT単位及び/又はQ単位を含
有すると分岐状構造となる。例えば、非ハロゲンかつ非
リン系で難燃化が行われているものとして、ポリカーボ
ネート樹脂に特定構造を持つシリコーン化合物、アルカ
リ(土類)金属塩を添加する技術(例えば、特許文献1
2参照。)、含芳香族の非シリコーン樹脂に特定の構造
を持つシリコーン化合物を添加する技術(例えば、特許
文献13参照。)、芳香族ポリカーボネート樹脂に特定
の構造を持つシリコーン化合物を添加する技術(例え
ば、特許文献14参照。)、含芳香族合成樹脂に特定の
構造を持つシリコーン化合物を添加する技術(例えば、
特許文献15及び16参照。)、ポリカーボネート樹脂
を除く含芳香族合成樹脂またはポリオレフィン系樹脂に
特定の構造を持つシリコーン化合物を添加する技術(例
えば、特許文献17参照。)、ポリカーボネート樹脂に
特定構造を持つシリコーン化合物、硫黄化合物の金属塩
を添加する技術(例えば、特許文献18参照。)、ポリ
カーボネート樹脂に特定の構造を持つシリコーン化合
物、アルカリ金属塩を添加する技術(例えば、特許文献
19参照。)などが開示されているが、これらの技術で
はガラス繊維などの強化材を添加した場合、燃焼時にド
リップが発生し、充分な難燃性を発現しない場合があっ
た。
【0015】
【特許文献1】特開昭48−29846号公報
【特許文献2】特開昭47−7134号公報
【特許文献3】特開昭51−47044号公報
【特許文献4】特開平4−175371号公報
【特許文献5】特開昭54−116054号公報
【特許文献6】特開昭63−317552号公報
【特許文献7】特開平3−168246号公報
【特許文献8】特表平10−505875号公報
【特許文献9】世界公開98/45364号パンフレッ
【特許文献10】特開2000−119512号公報
【特許文献11】世界公開00/09606号パンフレ
ット
【特許文献12】特開平8−176425号公報
【特許文献13】特開平10−139964号公報
【特許文献14】特開平11−140294号公報
【特許文献15】特開平11−222559号公報
【特許文献16】特開2000−212460号公報
【特許文献17】特開2000−327851号公報
【特許文献18】特開平11−217494号公報
【特許文献19】特開2000−302961号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
や臭素を含むハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃助剤
並びにリン系難燃剤を含有せずに、熱可塑性樹脂が本来
有する機械的特性、耐薬品性、良成形性を損なうことな
く、難燃性を向上させ、燃焼時のドリップ発生の抑制さ
れた難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、熱可塑性樹脂、特定のシリコーン化合物
及び強化材を組み合わせた際に、前記目的を達成しうる
ことを見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、(a)熱可塑性樹脂20
〜94.9重量%、(b)下記のM、D、T及びQ単位
のシロキサン単位を有する群から選ばれる少なくとも1
種以上であって、かつビニル基を含有するシリコーン化
合物0.1〜20重量%、
【0018】M単位(一官能性)
【化13】
【0019】D単位(ニ官能性)
【化14】
【0020】T単位(三官能性)
【化15】
【0021】Q単位(四官能性)
【化16】
【0022】(但し、Rは、それぞれ同一又は異なる置
換基で、アルキル基、アリール基、ビニル基、アリル
基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、メチ
ルエステル基およびエチルエステル基から選択され
る。)及び(c)強化材5〜60重量%からなる難燃性
熱可塑性樹脂組成物である。本発明について、以下具体
的に説明する。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂とは加熱すると流動
性を示し、これを利用して成形できる合成樹脂のことで
ある。この具体例としては、例えば、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性
ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリス
チレン系樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、種々のエラストマー、あるいはこれ
ら熱可塑性樹脂の2種以上の混合物が挙げられるが、ポ
リアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエー
テル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキ
シメチレン樹脂から選択される少なくとも1種からなる
ことが好ましく、特に高い電気特性を持つのでポリアミ
ド樹脂が好ましい。
【0024】上記(a)熱可塑性樹脂の内、ポリアミド
樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジアミンとの重
縮合物、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸
の重縮合物などが挙げられ、具体的にはポリ(メタキシ
リレンアジパミド)(以下MXD6ナイロンと略す)、
ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(以下6Tナ
イロンと略す)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミ
ド)(以下6Iナイロンと略す)、ポリ(ノナメチレン
テレフタルアミド)(以下9Tナイロンと略す)、ポリ
(テトラメチレンイソフタルアミド)(以下4Iナイロ
ンと略す)等の脂肪族−芳香族ポリアミド、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナ
イロン612、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族
ポリアミド、及びこれらの共重合体や混合物を挙げるこ
とができる。
【0025】特に本発明に好適なポリアミドとしてはM
XD6ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、9Tナ
イロン、4Iナイロン、及びこれらの共重合体や混合物
を挙げることができる。本発明に好ましいポリアミドと
しては、難燃性の点から芳香族ポリアミド成分を含むポ
リアミドが挙げられる。芳香族を含むポリアミドとして
は芳香族二酸であるイソフタル酸やテレフタル酸成分を
含むものより重合されたポリアミドが高い難燃性を発現
するので特に好ましい。例えば6Tナイロン、6Iナイ
ロン、9Tナイロン、4Iナイロン、及びこれらの共重
合体や混合物が挙げられる。
【0026】更に好ましくは、6Tナイロン、66/6
I共重合ナイロン、66/6T共重合ナイロン、6I/
6T共重合ナイロン、66/6I/6T三元共重合ナイ
ロン、66/6I/6三元共重合ナイロンが高い難燃性
と成形性を併せて満足するので好ましい。具体的には、
(1)ポリアミド66単位70〜95重量%及びポリア
ミド6I単位5〜30重量%からなる共重合体;(2)
ポリアミド66単位60〜89重量%、ポリアミド6I
単位5〜30重量%及びポリヘキサメチレン以外の脂肪
族ポリアミド単位1〜10重量%からなる3元共重合
体;(3)ポリアミド66成分70〜95重量%及びポ
リアミド6I成分5〜30重量%を含有する混合ポリア
ミド;(4)ポリアミド66成分60〜89重量%、ポ
リアミド6I成分5〜30重量%及びポリヘキサメチレ
ン以外の脂肪族ポリアミド成分1〜10重量%を含有す
る混合ポリアミドが挙げられ、これらの芳香族成分含有
ポリアミドは上記特性に更に優れた耐熱性を付与できる
ので更に好ましい。
【0027】更に、芳香族を含むポリアミドとしてはジ
アミンであるキシリレンジアミン成分(メタキシリレン
ジアミンやパラキシリレンジアミンが挙げられる)を含
むものより重合されたポリアミドが不燃層生成量が大き
く、高い難燃性を発現するので特に好ましい。この様な
ものとして、具体的にはMXD6ナイロンが挙げられ、
強化材及び有機アルカリ(土類)金属と組み合わせて用
いた際にさらに優れた難燃性を発現し、併せて優れた成
形品外観を有するので好ましい。
【0028】上記(a)熱可塑性樹脂の内、ポリエステ
ル樹脂としては、実質的に、ジカルボン酸とグリコール
の重縮合物、環状ラクトンの開環重合物、ヒドロキシカ
ルボン酸の重縮合物等が挙げられ、具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂(以下PETと略す)、ポリ
トリメチレンテレフタレート樹脂(以下PTTと略
す)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下PBTと
略す)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレン
ナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート樹脂及びポリエチレン−1,2−ビス(フェ
ノキシ)エタン−4,4‘−ジカルボキシレート樹脂及
びこれらの共重合体や混合物を挙げることができる。特
に本発明に好適なポリエステル樹脂としてはPET、P
TT、PBTを挙げることができる。一般的にシリコー
ン(オルガノポリシロキサン)化合物の構造は、以下に
示す4つのシロキサン単位(M単位、D単位、T単位、
Q単位)の少なくともいずれかが重合してなるポリマー
である。
【0029】M単位(一官能性)
【化17】
【0030】この具体例としては、Me3SiO1/2、M
2PhSiO1/2、MePh2SiO1/2、Ph3SiO
1/2、Me2ViSiO1/2、MeVi2SiO1/2、Vi3
SiO1/2、Ph2ViSiO1/2、PhVi2SiO1/2
等が挙げられる。(ここで、Meはメチル基、Phはフ
ェニル基、Viはビニル基を表す。)
【0031】D単位(二官能性)
【化18】
【0032】この具体例としては、Me2SiO2/2、M
ePhSiO2/2、Ph2SiO2/2、MeViSi
2/2、Vi2SiO2/2、PhViSiO2/2等が挙げら
れる。(ここで、Meはメチル基、Phはフェニル基、
Viはビニル基を表す。)
【0033】T単位(三官能性)
【化19】
【0034】この具体例としては、MeSiO3/2、P
hSiO3/2、ViSiO3/2等が挙げられる。(ここ
で、Meはメチル基、Phはフェニル基、Viはビニル
基を表す。)
【0035】Q単位(四官能性)
【化20】
【0036】この内、特にT単位及び/又はQ単位を含
有すると分岐状構造となる。この様なものとしては、例
えばT、Q単位を含まない直鎖状のオルガノポリシロキ
サンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン、ビニルメチルオルガノポリシロキサ
ン、ビニルフェニルメチルポリシロキサン等が挙げら
れ、分岐状のものとしてはメチルポリシロキサンレジ
ン、メチルフェニルポリシロキサンレジン、フェニルポ
リシロキサンレジン、ビニルメチルオルガノポリシロキ
サンレジン、ビニルフェニルメチルポリシロキサンレジ
ン等が挙げられる。
【0037】更にそれらを変性したものとして、アミノ
変性オルガノポリシロキサン、エポキシ変性オルガノポ
リシロキサン、カルボキシル変性オルガノポリシロキサ
ン、カルビノール変性オルガノポリシロキサン、メタク
リル変性オルガノポリシロキサン、メルカプト変性オル
ガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシ
ロキサン、メチルスチリル変性オルガノポリシロキサ
ン、高級アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級ア
ルキル脂肪酸エステル変性オルガノポリシロキサン、ア
ルキルアラルキル変性オルガノポリシロキサン、アルコ
キシ変性オルガノポリシロキサン、アルコール変性オル
ガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサ
ン、シラノール変性オルガノポリシロキサン等が挙げら
れ、これらの有機置換基の導入位置はオルガノポリシロ
キサンの主鎖末端や側鎖が挙げられ、導入率は一部又は
全部でも良い。
【0038】本発明で用いられる(b)ビニル基を含有
するシリコーン化合物とは、T単位のCH2=CHSi
3/2単位、D単位のCH2=CH(R1)SiO2/2
位、M単位のCH2=CH(R2)(R3)SiO1/2単位
(R1、R2、R3は、それぞれ同一又は異なる置換基
で、アルキル基、アリール基、ビニル基、アリル基、ア
ルコキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、メチルエス
テル基及びエチルエステル基から選択される。)等のビ
ニル基を含む単位から選ばれる少なくとも1種以上を有
するシリコーン化合物である。
【0039】これらビニル基を含む単位の具体例とし
て、M単位としてはMe2ViSiO1 /2、MeVi2
iO1/2、Vi3SiO1/2、Ph2ViSiO1/2、Ph
Vi2SiO1/2等が挙げられ、D単位としてはMeVi
SiO2/2、Vi2SiO2/2、PhViSiO2/2等が挙
げられ、T単位としてはViSiO3/2等が挙げられ
る。(ここで、Meはメチル基、Phはフェニル基、V
iはビニル基を表す。)
【0040】なお、Q単位であるSiO4/2をその構造
に含んでも含まなくても構わない。また、ビニル基を含
有するシリコーン化合物の他の構造は特に規定が無く、
分岐状でも直鎖状でも良く、液状でも固体状でも良い。
また、ビニル基が直接ケイ素原子に結合したシリコーン
化合物が高い難燃性を発現するので特に好ましく、ビニ
ル基率がモル比で2%以上であるシリコーンが一層高い
難燃性を発現するので好ましい。更に好ましくは4%以
上である。最も好ましくは、6%以上50%以下の範囲
である。本発明でいうビニル基率とは、下記式(a)に
示す式から計算される値である。
【数2】
【0041】このシリコーン中に含有されるビニル基を
測定する方法としては、例えば以下の方法が挙げられ
る。シリコーン化合物を重クロロホルムに溶解させ、
29Si−NMR及びH−NMRを測定し、二つのN
MR測定で得られたピークの位置とピークの面積(積
分)比より、ケイ素原子に結合している全有機置換基の
種類と量(モル比)を求める。ケイ素原子と結合してい
る有機置換基には、メチル基、フェニル基、ビニル基等
の側鎖中のケイ素原子に結合している置換基と、末端基
として存在するトリメチルシリロキシル基(−OSiM
3)、アルコキシル基(−OR)又はヒドロキシル基
(−OH)が末端でケイ素原子に結合している置換基が
存在する。上記NMR測定で、これらの置換基の各々の
モル比が得られるので、上述の式(a)によりビニル基
率を求めることが出来る。
【0042】又、ビニル基を含有するシリコーン化合物
は強化材と組み合わせて用いた際に優れた難燃性を発現
する。その理由は明らかではないが、燃焼時に反応性の
高いビニル基を含有するシリコーンが不燃層を形成し易
くし、その形成された不燃層を強化材が強化する両者の
相乗効果によって、優れた難燃効果即ち燃焼時のドリッ
プ抑制効果を発揮するものと思われる。
【0043】本発明に用いる(c)強化材としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊
維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミ
ックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シ
リカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウオ
ラストナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、酸化チ
タン等の繊維状、粒状、板状、あるいは針状の無機質強
化材が挙げられる。これらの強化材は二種以上組み合わ
せて用いてもよい。特にガラス繊維等の繊維状強化剤が
ドリップ抑制効果が高く、好ましく使用される。また、
ガラス繊維は長繊維タイプのロービング、短繊維タイプ
のチョップドストランド、ミルドファイバー等から選択
して用いることが出来る。ガラス繊維は表面処理した物
を用いるのが好ましい。
【0044】とりわけ、ガラス繊維を用いると、物性、
難燃性に優れるために好ましい。そのなかでもガラス繊
維の平均繊維径が5〜30μmが好ましい。また、ガラ
ス繊維の表面処理をしたものが優れた物性を付与するの
で一層好ましい。本発明において(d)有機アルカリ金
属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩は任意成分であ
るが、添加されることにより、UL94垂直燃焼試験に
おいて、燃焼継続時間が短くなるなどの難燃性の更なる
向上が見られる。理由は分かっていないが、燃焼時にチ
ャー形成反応を触媒し、チャー形成量を増やしたり、熱
可塑性樹脂へのシリコーンの分散を小さくして、難燃剤
であるシリコーンの表面積を大きくし、難燃剤の効率を
向上させるためなどの理由が考えられる。
【0045】本発明に用いられる(d)有機アルカリ金
属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩としては、p−
トルエンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン
酸ナトリウム、1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、
イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム、
2,6−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム、ベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−ス
ルホン酸カリウム、o−ベンゼンジスルホン酸二ナトリ
ウム、m−ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム、パーフ
ルオロブタンスルホン酸カリウム、
【0046】パーフルオロメタンスルホン酸カリウム、
パーフルオロエタンスルホン酸カリウム、パーフルオロ
プロパンスルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタ
ンスルホン酸カリウム、パーフルオロペンタンスルホン
酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウ
ム、パーフルオロヘプタンスルホン酸カリウム、パーフ
ルオロオクタンスルホン酸カリウム等の有機スルホン酸
アルカリ(土類)金属塩、N−(p−トリルスルホニ
ル)−p−トルエンスルホイミドのカリウム塩、N−
(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミ
ドのカリウム塩等の有機スルホイミドのアルカリ(土
類)金属塩、
【0047】ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸バリウム、酒石酸カリウム等
のカルボン酸アルカリ(土類)金属塩、硝酸カリウム、
炭酸カリウム、炭酸マグネシウム等の炭酸アルカリ(土
類)金属塩、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸バリウム、酒石酸カリウム等
のカルボン酸アルカリ(土類)金属塩、硝酸カリウム、
過マンガン酸カリウム等などから選択して用いることが
できる。特に有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩が
好ましい。
【0048】更に、p−トルエンスルホン酸ナトリウ
ム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、1−ナフタレ
ンスルホン酸ナトリウム、イソフタル酸ジメチル−5−
スルホン酸ナトリウム、2,6−ナフタレンジスルホン
酸二ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジフ
ェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、o−ベンゼ
ンジスルホン酸二ナトリウム、m−ベンゼンジスルホン
酸二ナトリウム等の芳香族スルホン酸アルカリ(土類)
金属塩やパーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パー
フルオロメタンスルホン酸カリウム、
【0049】パーフルオロエタンスルホン酸カリウム、
パーフルオロプロパンスルホン酸カリウム、パーフルオ
ロメチルブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロペン
タンスルホン酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホ
ン酸カリウム、パーフルオロヘプタンスルホン酸カリウ
ム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム等のパー
フルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩が
難燃性に優れるので更に好ましい。また、p−トルエン
スルホン酸ナトリウムやパーフルオロブタンスルホン酸
カリウム等の有機スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩
が難燃性に優れるので最も好ましい。
【0050】本発明の好ましい態様として、成分
(a)、(b)、(c)及び任意成分の(d)からなる
難燃性熱可塑性樹脂組成物において、主体となる(a)
熱可塑性樹脂の割合は、成形加工性、機械的物性の点か
ら20重量%以上であり、難燃性、剛性の点から94.
9重量%以下である。より好ましくは、30重量%以上
90重量%以下であり、更に好ましくは、40重量%以
上85重量%以下である。
【0051】(b)ビニル基を含有するシリコーン化合
物の割合は、燃焼時のドリップ発生を抑制する効果の点
から0.1重量%以上であり、混練時分解ガスが発生し
たり、成形加工時に成形金型に汚染性物質が付着するこ
とを防止あるいは機械的物性や成形品外観の観点から2
0重量%以下である。より好ましくは、0.5重量%以
上15重量%以下であり、更に好ましくは、1重量%以
上10重量%以下である。
【0052】(c)強化材の割合は、機械的強度・剛性
の点から5重量%以上であり、押出時や射出成形時の成
形加工性や物性改良効果の観点から60重量%以下であ
る。より好ましくは、10重量%以上50重量%以下で
あり、更に好ましくは、15重量%以上40重量%以下
である。任意成分の(d)有機アルカリ金属塩及び/又
は有機アルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種
の金属塩化合物の割合は、上記(a)、(b)及び
(c)からなる組成物100重量部に対して難燃性の点
から0.01重量部以上であり、射出成形時の熱安定性
の点から10重量部以下である。より好ましくは、0.
05重量部以上5重量部以下であり、更に好ましくは、
0.1重量部以上1重量部以下である。
【0053】本明細書中で本発明の構成成分に含まない
と記載した、塩素や臭素を含むハロゲン系難燃剤、アン
チモン系難燃助剤並びにリン系難燃剤とは、塩素や臭素
を含むハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物
の中で難燃性を高めることを目的とした化合物のことで
あり、具体的には、以下の化合物が該当する。
【0054】即ち、ハロゲン化合物としては、塩素系難
燃剤として塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、ド
デカクロロペンタシクロオクタデカ−7,15−ジエン
(オキシデンタルケミカル社製デクロランプラス25<
登録商標>)、無水ヘット酸等、臭素系難燃剤としてヘ
キサブロモシクロドデカン(HBCD)、デカブロモジ
フェニルオキサイド(DBDPO)、
【0055】オクタブロモジフェニルオキサイド、テト
ラブロモビスフェノールA(TBBA)、ビス(トリブ
ロモフェノキシ)エタン、ビス(ペンタブロモフェノキ
シ)エタン(BPBPE)、テトラブロモビスフェノー
ルAエポキシ樹脂(TBBAエポキシ)、テトラブロモ
ビスフェノールAカーボネート(TBBA−PC)、エ
チレン(ビステトラブロモフタル)イミド(EBTBP
I)、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス
(トリブロモフェノキシ)トリアジン(TTBPT
A)、
【0056】ビス(ジブロモプロピル)テトラブロモビ
スフェノールA(DBP−TBBA)、ビス(ジブロモ
プロピル)テトラブロモビスフェノールS(DBP−T
BBS)、臭素化ポリフェニレンエーテル(ポリジプロ
モフェニレンエーテル等を含む)(BrPPE)、臭素
化ポリスチレン(ポリジブロモスチレン等を含む)(B
rPS)、臭素化架橋芳香族重合体、臭素化エポキシ樹
脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化スチレン−無水マレ
イン酸重合体、テトラブロモビスフェノールS(TBB
S)、
【0057】トリス(トリブロモネオペンチル)フォス
フェート(TTBNPP)、ポリブロモトリメチルフェ
ニルインダン(PBPI)、トリス(ジブロモプロピ
ル)−イソシアヌレート(TDBPIC)等、反応型難
燃剤としてテトラブロモビスフェノールA(TBBA)
(臭素系難燃剤にも記載)、テトラブロモフタレート、
テトラブロモフタレートジオール、テトラブロモフタレ
ートエステル、テトラブロモフタレートジソジウム、テ
トラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、
トリブロモフェノール(TBP)、ジブロモフェノー
ル、ジブロモメタクレゾール、ジブロモネオペンチルグ
リコール、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレー
ト)(PPBBA)、クロレント酸、無水クロレント
酸、臭素化フェノール、ジブロモクレジルグリシジルエ
ーテル、ビニルブロマイド、ジブロモスチレン、トリブ
ロモスチレン等が挙げられる。
【0058】次に、アンチモン化合物としては、例とし
て、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アン
チモン等の酸化アンチモン類やアンチモン酸ソーダ等が
挙げられる。
【0059】三番目に、リン化合物としては、例とし
て、赤リン系難燃剤として赤リン、リン酸エステル系難
燃剤として、トリフェニルフォスフェート(TPP)、
トリクレジルフォスフェート(TCP)、トリキシレニ
ルフォスフェート(TXP)、トリエチルフォスフェー
ト、トリブチルフォスフェート(TBP)、トリオクチ
ルフォスフェート(TOP)、トリス(ブトキシエチ
ル)フォスフェート、
【0060】クレジルジフェニルフォスフェート(CD
P)、キシレニルジフェニルフォスフェート、ビス(ノ
ニルフェニル)フェニルフォスフェート(DNP)、ク
レジルビス(ジ2,6−キシレニル)フォスフェート、
2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェート、レゾル
シノールビス(ジフェニル)フォスフェート(RD
P)、ビスフェノールAビス(ジフェニル)フォスフェ
ート(BPA−DP)、ビスフェノールAビス(ジクレ
ジル)フォスフェート(BPA−DC)、
【0061】レゾルシノールビス(ジ2,6−キシレニ
ル)フォスフェート、ジエチルーN,N−ビス(2−ヒ
ドロキシエチル)アミノメチルホスフォネート、ジメチ
ルメチルフォスフォネート等、ハロゲン化リン酸エステ
ル系難燃剤として、トリス(クロロエチル)フォスフェ
ート、トリス(クロロプロピル)フォスフェート、トリ
ス(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリス(トリ
ブロモネオペンチル)フォスフェート等、リン酸アミド
系難燃剤として、トリフェニルフォスフォルアミド等、
リン酸塩系難燃剤として、ポリリン酸アンモニウム(A
PP)、リン酸メラミン、リン酸グアニジン、ピロリン
酸メラミン、ポリリン酸メラミン等、
【0062】フォスフィン系難燃剤としては、トリフェ
ニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイ
ド、テトラキス(ヒドロキシメチル)フォスフォニウム
クロライド、テトラキス(ヒドロキシメチル)サルフェ
イト等、フォスファゼン系難燃剤としては、プロポキシ
フォスファゼン、フェノキシフォスファゼン、アミノフ
ォスファゼン、ポリ(フロロアルキルフォスファゼ
ン)、ジプロポキシフォスファゼン等のリン化合物が挙
げられる。
【0063】一方、ハロゲン化合物、アンチモン化合
物、リン化合物であっても、前述した難燃性を高める目
的で用いられる化合物ではなく、耐熱安定性を高めたり
変色を防止したりする目的で用いられる化合物について
は、本発明の効果を損なわない範囲で本発明の樹脂組成
物中に含むことが出来る。具体的には、耐熱安定性向上
や変色防止等のための化合物として一般的に用いられて
いるもの、例えば、ハロゲンを含むものとしては、ヨウ
化カリウム、臭化カルウム、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅
等のハロゲン化合物、リン系の熱安定剤、リン酸銅、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4
‘−ビフェニレンフォスフォナイト、ビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
トリフェニルホスファイト、
【0064】トリス(2,4−ジ−t―ブチルフェニ
ル)フォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファ
イト、フェニルジイソデシルフォスファイト、4,4−
ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ル−ジ−トリデシル)フォスファイト、サイクリックネ
オペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイ
ト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(ノニル・フェニル)ホスファイト、
【0065】ジイソデシルペンタエリスリトールジフォ
スファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−
ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン、リン酸トリメチル、次亜リン酸ナトリウム
等のリン化合物等が挙げられる。
【0066】本発明の強化された難燃性熱可塑性樹脂組
成物の製造方法は、特に限定的でなく、熱可塑性樹脂、
シリコーン化合物、強化材を常用の単軸または2軸の押
出機やニーダー等の混練機を用いて、200〜350℃
の温度で溶融混練する方法等であればよい 。
【0067】本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分、例えば難
燃剤、フィブリル化剤、顔料、染料等の着色剤や、熱可
塑性樹脂の一般的な熱安定剤である銅系熱安定剤(例え
ばヨウ化銅、酢酸銅等とヨウ化カリウム、臭化カルウム
等との併用)、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤
に代表される有機系耐熱剤、耐候性改良剤、核剤、可塑
剤、帯電防止剤等の添加剤等を添加することが出来る。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形な
ど公知の方法によってコネクター、コイルボビン、ブレ
ーカー、電磁開閉器、ホルダー、プラグ、スイッチ等の
電気、電子、自動車用途の各種成形品に成形される。
【0068】
【発明の実施の形態】以下の実施例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例に用いた原材料及び測
定方法を以下に示す。
【0069】[原材料] (a)熱可塑性樹脂 (a−1):ポリアミドMXD6 三菱エンジニアプラ
スチックス(株)製商品名 レニー6002 (a−2):製造例1の66/6Iナイロン (共重合
成分の重量比 66:6I=85:15)
【0070】(b)シリコーン化合物 (b−1):ビニル基含有シリコーン 信越化学工業
(株)製 商品名 X−40−9243 このシリコーン化合物を重クロロホルムに溶解させ、
29Si−NMR及びH−NMRを測定し、シリコー
ン化合物の構造解析を行い、ビニル基の有無を確認し
た。また、この測定で得られた積分比より、このシリコ
ーン化合物は、末端基(トリメチルシリロキシル基(−
OSiMe3)、アルコキシル基(−OR)及びヒドロ
キシル基(−OH))を除くケイ素原子に結合している
有機置換基の全量に対するビニル基の割合であるビニル
基率は、モル比で10%であった。 (b−2):製造例2のビニル基含有シリコ−ン化合物 b−1と同様に測定を行い、ビニル基率はモル比で8%
であった。 (b−3):ビニル基非含有シリコ−ン ジ−イー東芝
シリコーン(株)製商品名 XR39−B1676。 b−1と同様に測定を行い、ビニル基率は存在しなかっ
た。
【0071】(c)強化材 (c−1):ガラス繊維 日本電気硝子(株)製 商品
名 ECT03T275H/PL(平均繊維径10μ
m)
【0072】(d)金属塩化合物 (d−1):p−トルエンスルホン酸ナトリウム 和光
純薬製 (d−2):パーフルオロブタンスルホン酸カリウム
大日本インキ化学(株)製 商品名 メガファックF1
14
【0073】
【製造例1】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル塩2.00kgとイソフタル酸とヘキサメチレンジ
アミンの等モル塩0.35kg、アジピン酸0.1k
g、および純水2.5kgを5Lのオートクレーブの中
に仕込み良く撹拌した。充分窒素置換した後、撹拌しな
がら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温し
た。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で
内圧はゲージ圧で1.76MPaになるが、1.76M
Pa以上の圧にならないよう水を反応系外に除去しなが
ら加熱を続けた。更に2時間後内温が260℃に到達し
た時点で加熱を止め、オートクレーブのバルブを閉止
し、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートク
レーブを開け、約2kgのポリマーを取りだし粉砕し
た。得られた粉砕ポリマーを、10Lのエバポレーター
に入れ窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。
固相重合によって得られたポリアミドは、融点245
℃、硫酸相対粘度2.38であった。
【0074】
【製造例2】トリクロロフェニルシラン42.3g、ジ
クロロメチルビニルシラン42.3g、ジクロロメチル
フェニルシラン38.2g、ジクロロジメチルシラン1
67.8gの混合液を水450.8g、トルエン143
gの混合液中にゆっくり滴下し加水分解した後、80℃
で1時間熟成した。そして、過剰量のクロロトリメチル
シランを反応液に滴下し、さらに80℃で1時間熟成し
た。分液ロートで水相を捨て、有機(トルエン)相を中
性になるまで10%硫酸ナトリウム水溶液で数回抽出し
た。その後、蒸留装置に有機相を移して、ある程度溶媒
のトルエンを除去し、最後にエバポレーターを用いて溶
媒を完全に減圧留去を行い、ビニル基含有シリコーン約
180gを得た。
【0075】[測定方法] (1)難燃性 UL94(米国Under Writers Labo
ratories Inc.で定められた規格)の方法
を用いて1試験片当たり二度の接炎後のドリップの有無
をそれぞれ10本ずつ測定した。なお試験片の厚みは1
/8inchとし射出成形機(日精工業(株)製:PS
40E)を用いて成形して得た。
【0076】ドリップには、各試料の試験中に綿着火の
原因となるドリップをしたサンプル数を示した。平均時
間(s)には、各試料10秒間を2回即ち計20回接炎
後の消炎時間の平均燃焼時間を示した。最大時間(s)
には、同じく計20回接炎後の消炎時間の最大燃焼時間
を示した。しかし、試験片が燃え尽きてしまった場合や
消炎時間が長すぎて、明らかにV−0、V−1、V−2
のいずれにも該当しない場合のサンプルについては平均
時間、最大時間には値を記載しない。評価にはUL94
垂直燃焼試験によって分類される難燃性のクラスを示し
た。分類方法の概要は以下の通り。詳細はUL94規格
に準じる。
【0077】V−0 綿着火無し 平均燃焼時間5秒以下 最大燃焼時間10
秒以下 V−1 綿着火無し 平均燃焼時間25秒以下 最大燃焼時間3
0秒以下 V−2 綿着火有り 平均燃焼時間25秒以下 最大燃焼時間3
0秒以下 該当無し 上記3項目に該当しない難燃効果として、ドリップが発
生するものを不合格(×)、ドリップが発生しないもの
をやや合格(○)、ドリップが発生せずかつ燃焼時間も
短くなり、V−1評価以上のものを合格(◎)とした。
【0078】(2)成形性 射出成形機(東芝機械製:IS150)を用いて、それ
ぞれのサンプルの厚肉試験片(5.0×32.5×11
4mm)を成形した際に、ノズル詰まりや成形品が金型
の固定側に取られたり、突き出しピンで試験片が落下し
ない等の現象が発生せず全自動成形が比較的可能なもの
を合格(○)とし、全自動成形が比較的困難なものを不
合格(×)とした。同時にそれぞれのサンプル成形での
モールドデポジット(MD)の付着も目視で判断した。
MDが少ないものを合格(○)、多いものを不合格
(×)とした。
【0079】
【実施例1】熱可塑性樹脂a−1が72.0重量%、シ
リコーン化合物b−1が8.0重量%、強化材c−1が
20.0重量%を2軸押出機(東芝機械製TEM35)
を用いてシリンダー設定温度240℃、スクリュー回転
300rpm、吐出量30kg/hrの条件下で、熱可
塑性樹脂a−1及びシリコーン化合物b−1を予めブレ
ンドしたものをトップフィードし、ガラス繊維c−1は
サイドフィードして混練し、ストランド状に取り出し、
冷却後カッターで造粒し熱可塑性樹脂組成物ペレットを
得た。得られたペレットを前記した測定方法にて難燃性
と成形性を調べた。その結果を表1に示す。
【0080】
【実施例2】シリコーン化合物としてb−2を用いた以
外は実施例1と同様にしてペレットを得て、難燃性と成
形性を調べた。その結果を表1に示す。
【0081】
【実施例3】熱可塑性樹脂としてa−2を70.0重量
%、シリコーン化合物としてb−1を10.0重量%用
いた以外は実施例1と同様にしてペレットを得て、難燃
性と成形性を調べた。その結果を表1に示す。
【0082】
【比較例1】シリコーン化合物としてb−3を用いた以
外は実施例1と同様にしてペレットを得て、難燃性と成
形性を調べた。その結果を表1に示す。
【0083】
【比較例2】熱可塑性樹脂a−1が90.0重量%、シ
リコーン化合物b−1が10.0重量%を2軸押出機
(東芝機械製TEM35)を用いてシリンダー設定温度
240℃、スクリュー回転300rpm、吐出量30k
g/hrの条件下で、熱可塑性樹脂a−1及びシリコー
ン化合物b−1を予めブレンドしたものをトップフィー
ドして混練し、ストランド状に取り出し、冷却後カッタ
ーで造粒し熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。得られ
たペレットを前記した測定方法にて難燃性と成形性を調
べた。その結果を表1に示す。
【0084】
【比較例3】熱可塑性樹脂a−1が80.0重量%、強
化材c−1が20.0重量%を2軸押出機(東芝機械製
TEM35)を用いてシリンダー設定温度240℃、ス
クリュー回転300rpm、吐出量30kg/hrの条
件下で、熱可塑性樹脂a−1をトップフィードし、ガラ
ス繊維c−1はサイドフィードして混練し、ストランド
状に取り出し、冷却後カッターで造粒し熱可塑性樹脂組
成物ペレットを得た。得られたペレットを前記した測定
方法にて難燃性と成形性を調べた。その結果を表1に示
す。
【0085】
【比較例4】熱可塑性樹脂a−1のみを前記した測定方
法にて難燃性と成形性を調べた。その結果を表1に示
す。表1の実施例1〜3と比較例1〜4から判るよう
に、熱可塑性樹脂にビニル基含有シリコーン化合物と強
化材を組み合わせたときのみ、成形性を低下させずに、
ドリップが発生せず、熱可塑性樹脂の難燃性を向上させ
ることができる。
【0086】
【実施例4】熱可塑性樹脂a−1が72.0重量%、シ
リコーン化合物b−1が8.0重量%、強化材c−1が
20.0重量%、有機アルカリ(土類)金属塩d−1が
0.1重量部(a−1、b−1、c−1計100重量部
に対して)を2軸押出機(東芝機械製TEM35)を用
いてシリンダー設定温度240℃、スクリュー回転30
0rpm、吐出量30kg/hrの条件下で、熱可塑性
樹脂a−1、シリコーン化合物b−1及び金属塩d−1
を予めブレンドしたものをトップフィードし、ガラス繊
維c−1はサイドフィードして混練し、ストランド状に
取り出し、冷却後カッターで造粒し熱可塑性樹脂組成物
ペレットを得た。得られたペレットを前記した測定方法
にて難燃性と成形性を調べた。その結果を表2に示す。
【0087】
【実施例5】有機アルカリ(土類)金属塩としてd−2
を用いた以外は実施例4と同様にしてペレットを得て、
難燃性と成形性を調べた。その結果を表2に示す。
【実施例6】シリコーン化合物としてb−2を用いた以
外は実施例4と同様にしてペレットを得て、難燃性と成
形性を調べた。その結果を表2に示す。
【0088】
【実施例7】熱可塑性樹脂a−2が70.0重量%、シ
リコーン化合物b−2が10.0重量%、強化材c−1
が20.0重量%、有機アルカリ(土類)金属塩d−1
が0.1重量部(a−1、b−1、c−1計100重量
部に対して)を実施例4と同様にしてペレットを得て、
難燃性と成形性を調べた。その結果を表2に示す。
【0089】
【比較例5】熱可塑性樹脂a−1が90.0重量%、シ
リコーン化合物b−1が10.0重量%、有機アルカリ
(土類)金属塩d−1が0.1重量部(a−1、b−1
計100重量部に対して)を2軸押出機(東芝機械製T
EM35)を用いてシリンダー設定温度240℃、スク
リュー回転300rpm、吐出量30kg/hrの条件
下で、熱可塑性樹脂a−1、シリコーン化合物b−1及
び金属塩d−1を予めブレンドしたものをトップフィー
ドして混練し、ストランド状に取り出し、冷却後カッタ
ーで造粒し熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。得られ
たペレットを前記した測定方法にて難燃性と成形性を調
べた。その結果を表2に示す。
【0090】
【比較例6】熱可塑性樹脂a−1が80.0重量%、強
化材c−1が20.0重量%、有機アルカリ(土類)金
属塩d−1が3.0重量部(a−1、c−1計100重
量部に対して)を2軸押出機(東芝機械製TEM35)
を用いてシリンダー設定温度240℃、スクリュー回転
300rpm、吐出量30kg/hrの条件下で、熱可
塑性樹脂a−1及び金属化合物d−1を予めブレンドし
たものをトップフィードし、ガラス繊維c−1はサイド
フィードして混練し、ストランド状に取り出し、冷却後
カッターで造粒し熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを前記した測定方法にて難燃性と成形
性を調べた。その結果を表2に示す。
【0091】
【比較例7】金属塩化合物としてd−2を用いた以外は
比較例6と同様にしてペレットを得て、難燃性と成形性
を調べた。その結果を表2に示す。表2の実施例4〜7
と比較例5〜7から判るように、熱可塑性樹脂にシリコ
ーン化合物、強化材と金属塩化合物を組み合わせたとき
のみ、成形性を低下させずに、ドリップが発生せずか
つ、燃焼時間が減少し、難燃性を更に向上させることが
できる。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】本発明の組成物は、塩素や臭素を含むハ
ロゲン系難燃剤、アンチモン系助難燃剤並びリン系難燃
剤を含有しない難燃性熱可塑性樹脂材料であり、熱可塑
性樹脂が本来有する機械的特性、耐薬品性、良成形性、
電気特性を損なうことなく、低い金型腐食性で、難燃性
を向上させ、家電部品、電子部品、自動車部品等の用途
に好適に用いることが出来る。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)熱可塑性樹脂20〜94.9重量
    %、(b)下記のM、D、T及びQ単位のシロキサン単
    位を有する群から選ばれる少なくとも1種以上であっ
    て、かつビニル基を含有するシリコーン化合物0.1〜
    20重量%、 M単位(一官能性) 【化1】 D単位(ニ官能性) 【化2】 T単位(三官能性) 【化3】 Q単位(四官能性) 【化4】 (但し、Rは、それぞれ同一又は異なる置換基で、アル
    キル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アルコキシ
    基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチルエステル基および
    エチルエステル基から選択される。)及び(c)強化材
    5〜60重量%からなる難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)熱可塑性樹脂20〜94.9重量
    %、(b)下記のM、D、T及びQ単位のシロキサン単
    位を有する群から選ばれる少なくとも1種以上であっ
    て、かつビニル基を含有するシリコーン化合物0.1〜
    20重量%、 M単位(一官能性) 【化5】 D単位(ニ官能性) 【化6】 T単位(三官能性) 【化7】 Q単位(四官能性) 【化8】 (但し、Rは、それぞれ同一又は異なる置換基で、アル
    キル基、アリール基、ビニル基、アリル基、アルコキシ
    基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチルエステル基および
    エチルエステル基から選択される。)及び(c)強化材
    5〜60重量%からなる組成100重量部に対して
    (d)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類
    金属塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩化合物を
    0.01〜10重量部を配合してなる難燃性熱可塑性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 (a)熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹
    脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、
    変性ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリオキシメチレ
    ン樹脂から選択される少なくとも1種からなることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の難燃性熱可塑性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 (a)熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂
    である請求項1又は2に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 ポリアミド樹脂が、芳香族成分を含むポ
    リアミド樹脂である請求項4に記載の難燃性熱可塑性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 芳香族成分を含むポリアミド樹脂の芳香
    族成分が、イソフタル酸及び/又はテレフタル酸から選
    ばれた少なくとも1種の二酸成分由来である請求項5に
    記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 芳香族成分を含むポリアミド樹脂が、 (1)ポリ(カプラミド)単位及びポリ(ヘキサメチレ
    ンテレフタルアミド)単位からなる共重合体; (2)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)単位及びポリ
    (ヘキサメチレンイソフタルアミド)単位からなる共重
    合体; (3)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)単位及びポリ
    (ヘキサメチレンテレフタルアミド)単位からなる共重
    合体; (4)ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)単位及
    びポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)単位からな
    る共重合体; (5)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)単位、ポリ
    (ヘキサメチレンイソフタルアミド)単位及びポリ(ヘ
    キサメチレンテレフタルアミド)単位からなる3元共重
    合体 からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である
    請求項5に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 芳香族成分を含むポリアミド樹脂が、 (1)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)単位70〜9
    5重量%及びポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)
    単位5〜30重量%からなる共重合体; (2)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)単位60〜8
    9重量%、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)単
    位5〜30重量%及びポリヘキサメチレン以外の脂肪族
    ポリアミド単位1〜10重量%からなる3元共重合体; (3)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)成分70〜9
    5重量%及びポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)
    成分5〜30重量%を含有する混合ポリアミド; (4)ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)成分60〜8
    9重量%、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)成
    分5〜30重量%及びポリヘキサメチレン以外の脂肪族
    ポリアミド成分1〜10重量%を含有する混合ポリアミ
    ドからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体であ
    る請求項5に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 芳香族成分を含むポリアミド樹脂の芳香
    族成分が、メタキシリレンジアミン成分由来である請求
    項5に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 芳香族成分を含むポリアミド樹脂が、
    ポリ(メタキシリレンアジパミド)樹脂である請求項5
    に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (b)ビニル基を含有するシリコーン
    化合物のビニル基がケイ素原子に直接結合していること
    を特徴とするシリコーン化合物である請求項1〜10の
    いずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 (b)ビニル基を含有するシリコーン
    化合物が、下記式(a)に示すビニル基率が2%以上と
    なることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
    の難燃性熱可塑性樹脂組成物。 【数1】
  13. 【請求項13】 (c)強化材が繊維状フィラーである
    請求項1〜12のいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂
    組成物。
  14. 【請求項14】 繊維状フィラーがガラス繊維である請
    求項13に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 ガラス繊維の平均繊維径が5〜30μ
    mであることを特徴とする請求項14に記載の難燃性熱
    可塑性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 ガラス繊維の平均繊維径が5〜30μ
    mであり、かつ表面処理されていることを特徴とする請
    求項14に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 (d)有機アルカリ金属塩及び/又は
    有機アルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種の
    金属塩化合物が、有機スルホン酸のアルカリ金属塩及び
    /又は有機スルホン酸のアルカリ土類金属塩から選ばれ
    た少なくとも1種の金属塩化合物である請求項2〜16
    のいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 (d)有機アルカリ金属塩及び/又は
    有機アルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種の
    金属塩化合物が、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩及
    び/又は芳香族スルホン酸のアルカリ土類金属塩から選
    ばれた少なくとも1種の金属塩化合物である請求項2〜
    16のいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 (d)有機アルカリ金属塩及び/又は
    有機アルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種の
    金属塩化合物が、パーフルオロアルカンスルホン酸のア
    ルカリ金属塩及び/又はパーフルオロスルホン酸のアル
    カリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種の金属塩化
    合物である請求項2〜16のいずれかに記載の難燃性熱
    可塑性樹脂組成物。
  20. 【請求項20】 (d)有機アルカリ金属塩及び/又は
    有機アルカリ土類金属塩から選ばれた少なくとも1種の
    金属塩化合物が、p−トルエンスルホン酸ナトリウム及
    び/又はパーフルオロブタン酸カリウムから選ばれた少
    なくとも1種の金属塩化合物である請求項2〜16のい
    ずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の難
    燃性樹脂組成物からなる成形品。
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