JP2011256296A - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物、プレモールドパッケージ、led装置及び半導体装置 - Google Patents

熱硬化性エポキシ樹脂組成物、プレモールドパッケージ、led装置及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低弾性化による耐クラック性の向上ならびに良好な初期の光反射率を達成でき、且つその性質が長期間保持される硬化物を与える熱硬化性エポキシ樹脂組成物、該熱硬化性エポキシ樹脂を用いたプレモールドパッケージ、LED装置及び半導体装置を提供する。
【解決手段】 (A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを混合させたもの、又は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを反応させて得られたプレポリマー、(B)低応力材、(C)無機充填材、及び(D)硬化促進剤を含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、前記(B)成分である低応力材が、下記一般式(1)で示されるシリコーンポリマーであることを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
(R SiO)(RSiO)(RSiO1.5 (1)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いたプレモールドパッケージ、LED装置及び半導体装置に関する。
半導体・電子機器装置の封止材に要求される信頼性は、装置の薄型化、小型化と共に、高出力化によって、益々厳しくなっている。一例として、LEDやLD(lazer diode)等の半導体素子は、小型で効率よく鮮やかな色の発光をし、また半導体素子であるため球切れがなく、駆動特性が優れ、振動やON/OFF点灯の繰り返しに耐久性が高い。そのため、各種インジケータや種々の光源として利用されている。
このようなLEDなどの光半導体素子を用いたパッケージ材料のひとつとして、ポリフタルアミド樹脂(PPA)が現在広く使用されている。
しかしながら、光半導体技術の進歩により、光半導体装置は高出力化ならびに短波長化の傾向にある。そのため、高エネルギー光を発光または受光可能なLED素子ケース材やフォトカプラー等の光半導体素子の封止材に、特に白色材料としてPPA樹脂を用いた場合、長時間の使用による劣化が著しく、変色や剥離、クラック、機械強度の低下が発生しやすい。そのため、このような問題を効果的に解決する必要がある。
また、光半導体素子封止ケース材やフォトカプラー等の光半導体素子封止材には、発光効率ならびに受光効率向上のため、高い初期光反射率およびその維持が求められる。
また、発光素子封止用エポキシ樹脂組成物にトリアジン誘導体エポキシ樹脂を使用することが、特許文献1〜特許文献3に記載されている。しかし、これら樹脂組成物で製造したパッケージなどに高輝度のLEDを搭載した場合、長時間点灯で該パッケージが変色してくるといった不具合がある。
そこで、特許文献4においてエポキシ樹脂と酸無水物とを反応させたプレポリマーに対して、熱硬化性シリコーン樹脂を添加することにより、耐熱・耐光性の向上を図る試みがなされている。しかしながら成型物の衝撃に対するクラックの発生が問題となる場合がある。
なお、本発明に関連する公知文献としては、上記の公報に加えて、下記特許文献5〜7及び非特許文献1が挙げられる。
特開2000−196151号公報 特開2003−224305号公報 特開2005−306952号公報 特開2010−31269号公報 特許第3512732号公報 特開2001−234032号公報 特開2002−302533号公報
エレクトロニクス実装技術2004.4の特集
本発明は、上記問題点を解決するため、低応力(弾性)化による耐クラック性の向上、ならびに良好な初期の光反射率を達成でき、且つその性質が長期間保持される硬化物を与える熱硬化性エポキシ樹脂組成物、該熱硬化性エポキシ樹脂を用いたプレモールドパッケージ、LED装置及び半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも、
(A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比が0.6〜2.0となる割合で混合させたもの、又は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを前記割合で反応させて得られたプレポリマー、
(B)低応力材、
(C)無機充填材、及び
(D)硬化促進剤、
を含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、前記(B)成分である低応力材が、下記一般式(1)で示されるシリコーンポリマーであることを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する。
(R SiO)(RSiO)(RSiO1.5 (1)
(式中、R〜Rは同一又は異種の炭素原子数1〜20の有機基である(ただし、RとRとは互いに異なる有機基である)。l、m、及びnは、それぞれ20≦l≦80、0.4≦m≦2.5、5≦n≦50を満たす数である。)
上記のような熱硬化性エポキシ樹脂組成物であれば、低応力化が達成でき、初期反射率が良好で、かつ、その性質が長時間保持され、長期耐熱性及び耐光性に優れた、変色の少ない硬化物を与えることができ、また、離型性にも優れたものとなる。
また、前記(A)成分と前記(B)成分の質量比が、95:5〜60:40の範囲内であることが好ましい。
このように、(A)成分と(B)成分の配合比率が、質量比で95:5〜60:40の範囲内であれば、硬化後の硬化物の強度、高温信頼性が共に十分なものとなる。
また、前記(C)成分の無機充填剤が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、及びガラス繊維からなる群の中から選ばれる少なくとも一種であり、その総量が前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、100〜1000質量部であることが好ましい。
このように、(C)成分の無機充填剤として、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、及びガラス繊維を用いることができ、該(C)成分の総量が(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、100〜1000質量部の範囲内であれば、十分な強度を有する硬化物を与えることができ、また、LED装置内の剥離等の不良が発生する恐れがない。
また、前記(A)成分の(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂が、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂であることが好ましい。
このように、(A)成分の(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂として、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、前記(A)成分のプレポリマーを、下記一般式(2)で示される化合物とすることができる。
Figure 2011256296
(式中、Rは酸無水物残基、n’は0〜200の数である。)
このように、(A)成分の(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを反応させて得られたプレポリマーとして、上記一般式(2)で示される化合物を挙げることができる。
また、本発明では、前記熱硬化性エポキシ樹脂組成物を成形して得られたものであることを特徴とするプレモールドパッケージを提供する。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、初期の光反射率が良好であり、高温保管時の信頼性に優れ、長期にわたり耐光性(特に耐紫外線性)を保持し、均一で変色の少ない硬化物を与えるものであるため、白色や青色LED用、更には紫外LED用のプレモールドパッケージの製造に好適なばかりでなく、ソーラセル用のパッケージ材料としても最適なものである。
また、本発明では、前記熱硬化性エポキシ樹脂組成物を成形して得られたプレモールドパッケージと、該パッケージに搭載されたLEDチップを有するものであることを特徴とするLED装置を提供する。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、初期の光反射率が良好であり、かつその性質が長時間保持される硬化物を与えることができるため、高い光反射率が必要とされるLED装置のプレモールドパッケージに有効なものとなる。
また、本発明では、前記熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止したものであることを特徴とする半導体装置を提供する。
このように、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、特に、フォトカプラー等の発光・受光素子を有する半導体装置において有用な封止材料として用いることができ、その他通常の半導体素子の封止材としても好適に用いることができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、耐クラック性を示し、初期の光反射率が良好であるとともに、金型離型性や高温保管時の信頼性に優れ、長期にわたり良好な耐光性を保持し、均一で変色の少ない硬化物を与えるものである。
そのため、本発明によって与えられる樹脂硬化物は、高い光反射率が必要とされるLED等の半導体素子ケース材ならびに、フォトカプラー等の発光・受光素子を有する半導体装置において特に有用な封止材料である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
上述したように、従来、発光素子封止用材料において、耐熱・耐光性の向上を図る試みがなされているが、成型物の衝撃に対するクラックの発生が問題となっていた。従って、
低弾性化による耐クラック性の向上ならびに良好な初期の光反射率を達成でき、且つその性質が長期間保持される硬化物を与える材料の開発が望まれていた。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、少なくとも、
(A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比が0.6〜2.0となる割合で混合させたもの、又は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを前記割合で反応させて得られたプレポリマー、
(B)低応力材、
(C)無機充填材、及び
(D)硬化促進剤、
を含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、前記(B)成分である低応力材が、下記一般式(1)で示されるシリコーンポリマーであることを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物であれば、低応力化が達成でき、初期反射率が良好で、かつ、長期耐熱性及び耐光性に優れた、変色の少ない硬化物を与えることができ、また、離型性にも優れたものとなることを見出した。
(R SiO)(RSiO)(RSiO1.5 (1)
(式中、R〜Rは同一又は異種の炭素原子数1〜20の有機基である(ただし、RとRとは互いに異なる有機基である)。l、m、及びnは、それぞれ20≦l≦80、0.4≦m≦2.5、5≦n≦50を満たす数である。)
以下、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂の(A)〜(D)成分について詳述する。
<(A)成分>
本発明で用いられる(A)成分は、下記に詳述する(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比が0.6〜2.0となる割合で混合させたもの、又は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを前記割合で反応させて得られたプレポリマーである。
(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂
本発明で用いられるトリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有する、好ましくは2〜3個のエポキシ基を有するトリアジン化合物(特に、1,3,5−トリアジン化合物)、特にエポキシ基を2〜3個有するイソシアヌレート環を有する化合物、即ち、イソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂が好ましい。このようなイソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は、耐光性や電気絶縁性に優れており、1つのイソシアヌレート環に対して、2個、より好ましくは3個のエポキシ基を有することが望ましい。具体的には、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート等を用いることができる。
本発明で用いるトリアジン誘導体エポキシ樹脂の軟化点は90〜125℃であることが好ましい。なお、本発明において、このトリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、トリアジン環を水素化したものは包含しない。
(A−2)酸無水物
本発明で用いられる(A−2)成分の酸無水物は、硬化剤として作用するものであり、耐光性を向上させるため非芳香族であり、かつ炭素炭素二重結合を有さないものが好ましく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられ、これらの中でもメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの酸無水物系硬化剤は、1種類を単独で使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
(A)成分を、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを混合させたもの、即ち、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物との組み合わせとして構成する場合には、配合量としては、上記した(A−2)酸無水物が有する酸無水物基1モルに対し、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂が有するエポキシ基が0.6〜2.0モルであり、好ましくは1.0〜2.0モル、更に好ましくは1.2〜1.6モルである。0.6モル未満では硬化不良が生じ、信頼性が低下する場合がある。また、2.0モルを超える量では未反応硬化剤が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させる場合がある。
また、(A)成分を、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と、(A−2)酸無水物とを予め反応させて得られたプレポリマーとして構成する場合には、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを、〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比0.6〜2.0で配合し、好ましくは後述するものと同じ酸化防止剤及び/又は(D)成分として後述するものと同じ硬化促進剤の存在下において反応して得られた固体生成物(即ち、プレポリマー)を樹脂成分として使用することもできる。このとき、該固体生成物は粉砕等により微粉末状態で用いることが好ましい。該微粉末の粒子径は10μm〜3mmの範囲が好ましい。上記の配合比(モル比)は好ましくは1.2〜1.6である。配合比(モル比)が0.6モル未満では硬化不良が生じ、信頼性が低下する場合がある。また、2.0モルを超える量では未反応硬化剤が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させる場合がある。本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物としては、(A)成分を上記固体状のプレポリマー(特に微粉末状で)として使用した方が作業性のよい固体の熱硬化性樹脂として使用できることから望ましい。
上記プレポリマーを合成する際には、必要に応じて、(A−1)成分以外のエポキシ樹脂を本発明の効果を損なわない範囲で一定量以下併用することができる。このエポキシ樹脂の例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂又は4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂のようなビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、及びフェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらエポキシ樹脂の中でも耐熱性や耐紫外線性から芳香環を水素化したエポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂が望ましい。また、その他のエポキシ樹脂の軟化点は70〜100℃であることが好ましい。
上記プレポリマーを合成する際の詳細な反応条件としては、例えば、上記した(A−1)成分と(A−2)成分とを、好ましくは(A−1)成分、(A−2)成分、及び酸化防止剤とを、70〜120℃、好ましくは80〜110℃にて4〜20時間、好ましくは6〜15時間反応させる。
あるいは、例えば、(A−1)成分、(A−2)成分及び(D)成分の硬化促進剤を、好ましくは(A−1)成分、(A−2)成分、酸化防止剤、及び(D)成分の硬化促進剤を予め30〜80℃、好ましくは40〜60℃にて10〜72時間、好ましくは36〜60時間反応させる。こうして、好ましくは軟化点が50〜100℃、特に60〜90℃である固体生成物としてプレポリマーを得ることができる。これを本発明の組成物に配合するには、粉砕等により微粉状化して行うことが好ましい。反応して得られる物質の軟化点が50℃以上であれば、固体生成物として得ることができ、100℃以下であれば、組成物として成型の時に必要な流動性が低すぎる恐れがないために好ましい。
上記プレポリマーは、下記一般式(2)で示される化合物が例示される。
Figure 2011256296
(式中、Rは酸無水物残基、n’は0〜200の数である。)
<(B)成分>
本発明のエポキシ樹脂組成物には、(B)成分として、低応力材を配合する。低応力材はシリコーンポリマーであり、該シリコーンポリマーは、下記一般式(1)で示される。
(R SiO)(RSiO)(RSiO1.5 (1)
(式中、R〜Rは同一又は異種の炭素原子数1〜20の有機基である(ただし、RとRとは互いに異なる有機基である)。l、m、及びnは、それぞれ20≦l≦80、0.4≦m≦2.5、5≦n≦50を満たす数である。)
一般式(1)で表されるシリコーンブロックポリマーは、下記式(3)〜(5)で示されるオルガノシランの共加水分解縮合物として得ることができる。
SiX (3)
SiX (4)
SiX (5)
(式中、R〜Rは前記の通りであり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基である。)
〜Rは同一又は異種の炭素原子数1〜20の有機基であり、特に、炭化水素基であり、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、又は炭素原子数7〜20のアラルキル基等である。
ここで、R〜Rで示される上記炭素原子数1〜20のアルキル基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
〜Rで示される炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基がより好ましく、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基等が挙げられる。
〜Rで示される上記炭素原子数6〜20のアリール基としては、炭素原子数6〜10のものがより好ましく、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
〜Rで示される上記炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、炭素原子数7〜10のものがより好ましく、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記式(1)、(3)〜(5)におけるR〜Rは、これらの中でも、特にメチル基又はフェニル基であることが好ましい。
上記Xで示されうるハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子等が挙げられ、更に好ましくは塩素原子である。
また、Xで示されうるアルコキシ基は炭素原子数1〜5、好ましくは炭素原子数1〜3のものが挙げられる。具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基等であり、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基である。
上記式(3)〜(5)で表されるシラン化合物の具体例としては、メチルビニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のジオルガノジクロロシラン、オルガノトリクロロシラン及びオルガノトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン等が挙げられる。特に(5)としてフェニルトリクロロシランを、(4)としてはメチルフェニルジクロロシラン、(3)としてはジメチルジクロロシランもしくはジフェニルジクロロシランを用いることが好ましい。
上記加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解及び縮合は、通常の方法で行えばよいが、例えば酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸等の酸触媒、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ触媒の存在下で行うことが好ましい。例えば加水分解性基としてSi−クロル基を含有するシランを使用する場合は、水添加によって発生する塩酸を触媒として、目的とする適切な分子量の加水分解縮合物を得ることができる。
この場合、加水分解及び縮合の反応温度は、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜60℃である。反応温度がかかる範囲を満たすと、ゲル化することなく、次の工程に使用可能な固体の加水分解縮合物が得られるために好ましい。
このようにして得られる(B)成分の融点は、好ましくは50℃〜100℃であり、より好ましくは70℃〜80℃である。(B)成分の融点が、50℃以上100℃以下であれば、次工程の混合・混練作業がより容易になるために好ましい。
(A)成分と(B)成分の配合比率(A)/(B)の質量比は、95:5〜60:40の範囲内であることが好ましい。(B)成分が(A)/(B)の質量比で60/40以下であれば、硬化物の強度が十分なものとなり、95/5以上であれば、プレモールドパッケージの高温信頼性が十分なものとなる。配合比率(A)/(B)は、より好ましくは90/10〜80/20の範囲である。
l、m、及びnは、それぞれ20≦l≦80、0.4≦m≦2.5、5≦n≦50を満たす数である。l、m、nがこの範囲内であれば、成型性が良好となるために好ましい。逆に、l、m、nがこの範囲内に無い場合、硬化性や流動性を損ねる恐れがある。
<(C)成分>
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物に配合される(C)成分の無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタンおよびガラス繊維が挙げられる。これら無機充填剤は一種単独でも二種以上併用してもよい。上記の無機充填剤であれば、白色度や流動性が低下する恐れがないために好ましい。
特に流動性からみた場合、溶融シリカ、とりわけ溶融球状シリカが好適に用いられる。また、機械強度の向上のため破砕シリカやガラス繊維を流動性を損なわない範囲で添加することが出来る。
上記無機充填剤は、樹脂成分との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものでもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
無機充填剤の充填量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、100〜1000質量部であることが好ましく、特に200〜900質量部が好ましい。100質量部以上であれば、硬化物が十分な強度を得ることができ、1000質量部以下であれば、組成物の増粘による未充填不良となる恐れや柔軟性が失われる恐れがなく、LED装置内の剥離等の不良が発生する恐れがないために好ましい。なお、この無機充填剤は、本発明の組成物全体の50〜93質量%、より好ましくは60〜90質量%の範囲で含有することが好ましい。
<(D)成分>
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物に配合される(D)成分の硬化促進剤は、(A)成分の熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させる縮合触媒である。この縮合触媒としては、例えば、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジシアンジアミド等の塩基性化合物類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート、モノアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラブチレート、コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、スズアセチルアセトナート、ジブチルスズオクチレート、ジブチルスズラウレート、オクチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、等の含金属化合物類、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物等が挙げられる。この中で特にオクチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、アルミニウムトリイソプロポキシドが好ましい。中でも安息香酸亜鉛、有機チタンキレート化合物が好ましく使用される。なお、この硬化促進剤の配合量は、(A)成分の熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させる触媒としての有効量であれば特に限定されない。
<その他添加剤>
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて本発明の目的、効果を損なわない限りその他の成分を添加することができる。代表的な任意成分として(a)白色顔料、(b)酸化防止剤を挙げることができる。
(a)白色顔料
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物に添加することができる(a)白色顔料は、白色着色剤として、白色度を高めるために配合するものであり、特にLED用プレモールドパッケージの製造に本発明の組成物を使用する場合には、二酸化チタンを白色着色剤として白色度を高めるために配合することが好ましい。この二酸化チタンの単位格子はルチル型、アナターゼ型のどちらでも構わない。
また、平均粒径や形状も限定されないが、少量で白色度を高めるためには微粉のものが望ましく、平均粒径は通常0.05〜5.0μmである。上記二酸化チタンは、樹脂や無機充填剤との相溶性、分散性、耐光性を高めるため、AlやSiなどの含水酸化物、シラン等で予め表面処理したもの(特にルチル型が好ましい)を用いる方がよい。
なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
また、白色顔料(白色着色剤)として、二酸化チタン以外にチタン酸カリウム、酸化ジルコン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を単独で又は二酸化チタンと併用して使用することもできる。
白色顔料の充填量は、組成物全体の5〜40質量%、特に10〜30質量%が好ましい。5質量%以上であれば、十分な白色度が得られないという恐れがなく、40質量%以下であれば組成物の流動性が低下し、成形性に不具合が生じ未充填やボイド等が発生する恐れがないために好ましい。
(b)酸化防止剤
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物に添加することができる(b)酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系酸化防止剤を使用でき、酸化防止剤の具体例としては、以下のような酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル
−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{
β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エ
チル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン等が挙げられ、中でも2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールが好ましい。
リン系酸化防止剤としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜
リン酸フェニルジアルキル、亜リン酸トリ(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、
亜リン酸トリオクタデシル、トリフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、
ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ジ(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホス
ファイト及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェ
ニルジホスホネート等が挙げられ、中でも亜リン酸トリフェニルが好ましい。
また、硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジ
ミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピ
オネート等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で使用できるが、リン系酸化防止剤単独又はフェ
ノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを組み合わせて使用することが特に好ましい。
この場合、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との使用割合は、質量比でフェノ
ール系酸化防止剤:リン系酸化防止剤=0:100〜70:30、特に0:100〜50
:50とすることが好ましい。
酸化防止剤の配合量は、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.03〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部以上であれば、十分な耐熱性を得ることができ変色する恐れがなく、10質量部以下であれば硬化阻害を起こす恐れがなく、十分な硬化性、強度を得ることができるために好ましい。
そのほかの添加剤としては、内部離型剤、イオントラップ剤などを硬化物の特性を損なわない範囲で加えることができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の波長380nm〜750nmでの反射率は初期値で70%以上であり、かつ、180℃、24hr劣化テスト後の反射率が70%以上であることが好ましい。反射率が、70%以上であれば、LED用半導体素子ケ−ス用として、使用上、使用期間が短くなる恐れがないために好ましい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を通常の半導体用封止材や車載用各種モジュールなどの封止に使用する場合、着色剤としてカーボンブラック等を用いることができる。カーボンブラックとしては市販されているものであればどのようなものも使用できるが、望ましくはアルカリ金属やハロゲンを多く含まない純度のよいものが望ましい。
本発明の熱硬化性エポキシ組成物の調製方法としては、例えば、(A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比が0.6〜2.0となる割合で混合させたもの、又は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを前記割合で反応させて得られたプレポリマー、(B)低応力材、(C)無機充填材、(D)硬化促進剤を、必要に応じて添加されるその他の添加物、例えば(a)白色顔料や(b)酸化防止剤等とともに、所定の割合で配合し、これをミキサー等によって均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕しての成形材料とすることができる。
このようにして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物は成形性に優れるとともに、その硬化物はエポキシ樹脂に比べ、耐熱性及び耐光性、特に耐紫外線性において非常に優れていることから白色や青色LED用、更には紫外LED用のプレモールドパッケージの製造に好適なばかりでなく、ソーラセル用のパッケージ材料としても最適なものである。
更に、リード部やパッド部が形成されたマトリックスアレー型の金属基板や有機基板上で、LED素子搭載部分のみを空けた状態で本材料を用い一括封止するプレモールドパッケージも本発明の範疇に入る。また、通常の半導体用封止材や車載用各種モジュールなどの封止にも使用することができる。
この場合、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の成形温度は150〜185℃で30〜180秒行うことが望ましい。後硬化を150〜185℃で2〜20時間行ってもよい。
以下、合成例、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(合成例1)シリコーンポリマーB−1の合成
水1380質量部を3Lのセパラフラスコに入れ、ジメチルジクロロシラン623.2質量部、トリクロロフェニルシラン258.8質量部、メチルフェニルジクロロシラン12.3質量部及びトルエン511.6質量部の混合液を滴下した。フラスコ内液温25〜40℃で3〜5時間かけて滴下し、その後得られた反応液を25〜40℃で60分間撹拌した。こうして得た混合液から有機層を採取した。この有機層を中性になるまで洗浄した後、共沸脱水を行い不揮発分を50%に調整した。これに28%アンモニア水1.9質量部を加え25〜40℃で30分撹拌した後、共沸脱水を行った。その後、氷酢酸1.0質量部加えて液性を酸性にし、再度共沸脱水を行った。得られた溶液を濾過、減圧ストリップに供することにより、下記(6)式で示される無色透明の固体として410質量部のオルガノポリシロキサン(シリコーンポリマーB−1)を得た(重量平均分子量:59000)。

(MeSiO)75(MePhSiO)(PhSiO1.519 (6)
(合成例2)シリコーンポリマーB−2の合成
水2500質量部を5Lのセパラフラスコに入れ、ジメチルジクロロシラン714.9質量部、トリクロロフェニルシラン390.6質量部、メチルフェニルジクロロシラン24.6質量部及びトルエン678.1質量部の混合液を滴下した。フラスコ内液温25〜40℃で3〜5時間かけて滴下し、その後得られた反応液を25〜40℃で60分間撹拌した。こうして得た混合液から有機層を採取した。この有機層を中性になるまで洗浄した後、共沸脱水を行い不揮発分を50%に調整した。これに28%アンモニア水2.3質量部を加え25〜40℃で30分撹拌した後、共沸脱水を行った。その後、氷酢酸1.2質量部加えて液性を酸性にし、再度共沸脱水を行った。得られた溶液を濾過、減圧ストリップに供することにより、下記(7)式で示される無色透明の固体として734質量部のオルガノポリシロキサン(シリコーンポリマーB−2)を得た(重量平均分子量:40000)。

(MeSiO)57(MePhSiO)(PhSiO1.519 (7)
(合成例3)シリコーンポリマーB−3の合成
水2910質量部を5Lのセパラフラスコに入れ、ジメチルジクロロシラン498.6質量部、トリクロロフェニルシラン517.5質量部、メチルフェニルジクロロシラン24.6質量部及びトルエン624.4質量部の混合液を滴下した。フラスコ内液温25〜40℃で3〜5時間かけて滴下し、その後得られた反応液を25〜40℃で60分間撹拌した。こうして得た混合液から有機層を採取した。この有機層を中性になるまで洗浄した後、共沸脱水を行い不揮発分を50%に調整した。これに28%アンモニア水2.0質量部を加え25〜40℃で30分撹拌した後、共沸脱水を行った。その後、氷酢酸1.0質量部加えて液性を酸性にし、再度共沸脱水を行った。得られた溶液を濾過、減圧ストリップに供することにより、下記(8)式で示される無色透明の固体として530質量部のオルガノポリシロキサン(シリコーンポリマーB−3)を得た(重量平均分子量:11000)。

(MeSiO)30(MePhSiO)(PhSiO1.519 (8)
上記で調整したシリコーンポリマーB−1〜B−3を用い、下記組成の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を調整した。
(実施例1)
(A)トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアネート(TEPIC−S:日産化学工業(株)製商品名)とメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH:新日本理化(株))とをエポキシ基当量/酸無水物基当量1.4の割合で混合し、反応釜で100℃にて3時間溶融混合し、冷却し固化させた反応物(融点60℃)を85.0質量部、(B)オルガノポリシロキサン(上記合成品シリコーンポリマーB−1)を15.0質量部、(C)無機充填材として球状溶融シリカ(CS−6103 53C2:(株)龍森製商品名)を354.0質量部、(D)硬化促進剤としてリン系硬化促進剤;第四級ホスホニウムブロマイド(硬化促進剤1 UCAT−5003:サンアプロ(株)製商品名)、アミン系硬化促進剤;特殊アミン(硬化促進剤2 UCAT−18X:サンアプロ(株)製商品名)をそれぞれ0.6質量部、0.7質量部、白色顔料として二酸化チタン;ルチル型(CR−95:石原産業(株)製商品名)を100.0質量部、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤;テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン(アデカスタブAO−60:アデカ(株)製商品名)を0.6質量部、離型剤としてグリセリンモノステアレート(離型剤1 H−100:理研ビタミン(株)製商品名)、ステアリルステアレート(離型剤2 SL−900A:理研ビタミン(株)製商品名)、プロピレングリコールモノベヘネート(離型剤3 PB−100:理研ビタミン(株)製商品名)をそれぞれ、1.0質量部、1.0質量部、5.0質量部、接着助剤として3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803P:信越化学工業(株)製商品名)を0.5質量部を添加混合し加熱ロールで混練し、その後冷却・粉砕することにより熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。該エポキシ樹脂組成物中の各成分の配合比を表1に示す。
(実施例2)
実施例1で調整した熱硬化性エポキシ樹脂組成物と同様の成分を、表1中の組成で混合し、ロールで混練を行い、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。該エポキシ樹脂組成物中の各成分の配合比を表1に示す。
(実施例3)
(B)成分としてシリコーンポリマーB−2を用いた以外は、実施例1と同様の成分を表1に示す組成で混合し、ロールで混練を行い、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。該該エポキシ樹脂組成物中の各成分の配合比を表1に示す。
(実施例4)
(B)成分としてシリコーンポリマーB−3を用いた以外は、実施例1と同様の成分を表1に示す組成で混合し、ロールで混練を行い、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。該エポキシ樹脂組成物中の各成分の配合比を表1に示す。
(比較例)
(B)成分のシリコーンポリマーを加えないこと以外は実施例と同様の成分を表1に示す組成で混合し、ロールで混練を行い、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物中の各成分の配合比を表1に示す。
上記で得られたエポキシ樹脂組成物について、下記方法で諸特性を測定した。評価結果を表1に示す。
《室温曲げ弾性率》
EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃,6.9N/mm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの試験片を成形し、室温にて曲げ弾性率を測定した。
《反射率、耐熱性》
175℃,6.9N/mm2、成形時間90秒の条件で直径50×3mmの円盤を成形し、表面の初期光反射率、180℃で24時間放置後、及び200℃で240時間放置後の光反射率の変化を反射率測定器で測定した。
Figure 2011256296
表1の結果より、本発明のエポキシ樹脂組成物から得られた硬化物の初期の反射率は良好であり、且つこの性質を長時間保持する高い耐熱性を有し、また、低応力化にも寄与することが判った。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。

Claims (8)

  1. 少なくとも、
    (A)(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを〔(A−1)成分が有するエポキシ基〕/〔(A−2)成分が有する酸無水物基〕のモル比が0.6〜2.0となる割合で混合させたもの、又は、(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂と(A−2)酸無水物とを前記割合で反応させて得られたプレポリマー、
    (B)低応力材、
    (C)無機充填材、及び
    (D)硬化促進剤、
    を含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物であって、前記(B)成分である低応力材が、下記一般式(1)で示されるシリコーンポリマーであることを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    (R SiO)(RSiO)(RSiO1.5 (1)
    (式中、R〜Rは同一又は異種の炭素原子数1〜20の有機基である(ただし、RとRとは互いに異なる有機基である)。l、m、及びnは、それぞれ20≦l≦80、0.4≦m≦2.5、5≦n≦50を満たす数である。)
  2. 前記(A)成分と前記(B)成分の質量比が、95:5〜60:40の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分の無機充填剤が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、及びガラス繊維からなる群の中から選ばれる少なくとも一種であり、その総量が前記(A)成分と前記(B)成分の合計100質量部に対して、100〜1000質量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分の(A−1)トリアジン誘導体エポキシ樹脂が、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分のプレポリマーが、下記一般式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2011256296
    (式中、Rは酸無水物残基、n’は0〜200の数である。)
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を成形して得られたものであることを特徴とするプレモールドパッケージ。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を成形して得られたプレモールドパッケージと、該パッケージに搭載されたLEDチップを有するものであることを特徴とするLED装置。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物で半導体素子を封止したものであることを特徴とする半導体装置。
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