JPH0797434A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH0797434A
JPH0797434A JP24260293A JP24260293A JPH0797434A JP H0797434 A JPH0797434 A JP H0797434A JP 24260293 A JP24260293 A JP 24260293A JP 24260293 A JP24260293 A JP 24260293A JP H0797434 A JPH0797434 A JP H0797434A
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JP
Japan
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epoxy resin
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epoxy
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JP24260293A
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Hisao Ikeda
久男 池田
Yasuhiro Gunji
康弘 軍司
Motohiko Hidaka
基彦 日高
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐衝撃性、耐熱衝撃性、電気絶縁性
に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する事を目的とす
る。 【構成】 本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)トリ
ス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、
(B)エポキシ樹脂、(C)ポリカルボン酸無水物、
(D)エポキシ基と反応性のある官能基を有しないポリ
エーテル変性オルガノポリシロキサン、及び(E)エポ
キシ基と反応性がある官能基を有したポリエーテル変性
オルガノポリシロキサンからなり、且つ、上記(A)〜
(E)成分を特定の配合比率に含有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、接着剤、成形材
料、積層板材料、又は電気、電子部品の埋め込み材料に
好適な耐熱性、耐衝撃性、耐熱衝撃性、絶縁性に優れた
エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂硬化物は一般に、優れた物
理的、電気的、化学的性質を示す。即ち、機械的強度、
耐熱性、寸法安定性、耐薬品性及び耐蝕性に優れ、電気
絶縁性にも優れた性質を示す。これらの優れた特性を利
用して、塗料、接着剤、FRPのマトリックス、半導体
封止材料、重電機器等の絶縁構造材料、各種成型材料な
どである。昨今、これら各種用途においてエポキシ樹脂
硬化物に対する要求性能は厳しく、これら耐熱性と強靱
性の相反する性能を両方満たす要求が高まっている。し
かし、一般的なエポキシ樹脂硬化物の耐熱性は十分とは
言えず、柔軟性に乏しく、強靱性に欠けるため、耐衝撃
性、耐熱衝撃性及び破壊強度に問題があり、基材との間
に発生する応力が大きいためクラックが発生しやすい。
【0003】特開平4−331826号公報には、汎用
のエポキシ樹脂にトリス(2,3−エポキシプロピル)
イソシアヌレートを配合することで耐熱性を向上させた
樹脂組成物が開示されている。トリス(2,3−エポキ
シプロピル)イソシアヌレートの硬化物はガラス転移温
度が高く、高温時の電気絶縁性が優れているが、耐熱衝
撃性は十分ではない。
【0004】これら耐熱性と耐熱衝撃性の両立させる
為、特開平4−110320号公報、特開平4−180
956号公報、特開平2−248423号公報では、カ
ルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムを改
質剤に使用する方法が記載されているが、これらの公報
に記載の方法では、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くな
るため、充填剤を多く含有させる事が出来ず、また、電
気絶縁性が低下する欠点がある。
【0005】一方、オルガノポリシロキサンを配合し、
エポキシ樹脂硬化物の内部応力を減少し耐熱衝撃性を向
上させ、同時に耐湿性をも改善する方法が検討されてい
る。これらの方法では、架橋密度の低いエポキシ樹脂の
改質には効果があっても、架橋密度が高く耐熱性の高い
エポキシ樹脂の改質には効果が少ない。これは、オルガ
ノポリシロキサンと架橋密度の高いエポキシ樹脂の両者
の極性の相違から相溶性が低下した為、エポキシ樹脂の
硬化時に、オルガノポリシロキサン微粒子が、その樹脂
組成物中で分散せずに、粗粒子となり偏在しブリードア
ウトするため改質効果が少ないと考えられる。
【0006】また、オルガノポリシロキサンをポリエー
テル変性したものは、エポキシ樹脂硬化物との相溶性が
改善される事が報告されている。例えば、特開平4−7
348号公報では、ポリエーテル変性オルガノポリシロ
キサンを用いて、汎用エポキシ樹脂の耐熱衝撃性と耐湿
性を改良しているが、この方法では耐熱性に問題があ
る。特開平4−33914号公報、特開平3−9771
9号公報では、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサ
ンをエポキシ樹脂の改質剤に用いているが、樹脂組成物
の粘度低下による作業性の向上に目的を持つものであ
り、やはり耐熱性に問題がある。
【0007】ところで、特開平1−108255号公
報、特開平4−41520号公報には、分子鎖の両末端
にアミノ基が結合し変性させたオルガノポリシロキサン
と、エポキシ樹脂を反応させてゴム粒子を形成させ、耐
熱衝撃性を改良させた報告があるが、このアミノ変性オ
ルガノポリシロキサンは、エポキシ樹脂との相溶性が極
めて悪い為、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン
を添加して、樹脂硬化物を均質化している。これら、ポ
リエーテル変性オルガノポリシロキサンを添加して、オ
ルガノポリシロキサンゴムとエポキシ樹脂硬化物の相溶
性を向上させる方法において共通する問題は、用いるエ
ポキシ樹脂硬化物がビスフェノール型エポキシ樹脂の場
合は、オルガノポリシロキサンとの間の相溶性向上の効
果が見られるが、このビスフェノール型エポキシ樹脂よ
りも架橋密度が高く、極性の高いトリス(2,3−エポ
キシプロピル)イソシアヌレートを含有したエポキシ樹
脂硬化物では、両者の極性の相違から相溶性向上が見ら
れず、改質効果がない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
克服し、高いガラス転移温度を持った耐熱性の高い樹脂
でありながら、同時に高い耐熱衝撃性と、高温時電気絶
縁性をも満足する樹脂組成物を提供する事を目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)トリス
(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、
(B)エポキシ樹脂、(C)ポリカルボン酸無水物、
(D)下記一般式(1)で示される構造を有するポリエ
ーテル変性オルガノポリシロキサン、及び(E)下記一
般式(2)で示される構造を有するポリエーテル変性オ
ルガノポリシロキサンからなり、且つ、 イ.(A)100重量部に対して、(B)を50〜15
0重量部、 ロ.(A)及び(B)のエポキシ化合物中のエポキシ基
に対して、(C)を一般式R(CO)2 O基〔但し、R
は炭化水素〕として、R(CO)2 O基/エポキシ基の
当量比が0.8〜1.0、 ハ.(A)、(B)及び(C)の合計100重量部に対
して、(D)を5〜30重量部、及び、 ニ.(A)、(B)及び(C)の合計100重量部に対
して、(E)を5〜40重量部、の比率に含有させたエ
ポキシ樹脂組成物。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】Rは2価の炭化水素基、Zは水素原子、エ
ポキシ基、又はグリシドキシ基、Xはアミノ基、カルボ
キシル基、水酸基、又はイソシアネート基、Yは−R1
−O−(C2 4 O)c −(C3 6 O)d −R2 で示
されるポリオキシアルキレン基(但し、R1 は2価の炭
化水素基、R2 は水素原子又は1価の炭化水素基をそれ
ぞれ表し、cは1〜50の整数、dは1〜50の整数で
ある。)、及び、rは0〜10の整数、sは1〜10の
整数、tは10〜100の整数で表される。
【0013】本発明に用いられる(A)成分であるトリ
ス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートは、
エポキシ当量が100程度と小さく、1分子中に3つの
エポキシ基を持つため、樹脂全体の架橋密度を上げ、ガ
ラス転移温度が高くなり耐熱性が高くなる。更に、トリ
アジン環に起因する優れた耐候性や電気絶縁性が向上す
る。このトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシア
ヌレートは、特に限定されるものではなく、一般に市販
されているものであればよい。例えば、日産化学工業
(株)製、商品名、TEPIC−G(エポキシ当量10
6)、TEPIC−S(エポキシ当量100)、TEP
IC−SS(エポキシ当量99、高純度品、塩素含有量
200ppm)、TEPIC−SSS(エポキシ当量9
9、高純度品、塩素含有量10ppm)、TEPIC−
L(エポキシ当量101)を用いる事ができ、これらは
単独又は2種以上の組合せとして用いることができる。
【0014】本発明に用いられる(B)成分であるエポ
キシ樹脂は、架橋密度を調節し、耐熱性と柔軟性を保持
させることができる。それらエポキシ樹脂としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、水添型ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ダイマー酸のジグリシジルエステル、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂のプロピレンオキシド付加物の
ジグリシジルエーテル、ノボラック型エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ
樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は、単
独又は2種以上の組み合わせとして使用する事ができ
る。更にこれらエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂として、油化シェルエポキシ(株)製の商品
名エピコート828(エポキシ当量180〜300)、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、油化シェルエ
ポキシ(株)製の商品名エピコート807(エポキシ当
量160〜175)、水添型ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂として、東都化成(株)製の商品名ST−100
0(エポキシ当量200〜220)、ノボラック型エポ
キシ樹脂として、油化シェルエポキシ(株)製のエピコ
ート152(エポキシ当量172〜178)、ダイマー
酸のジグリシジルエステルとして、東都化成(株)製の
商品名YD−171(エポキシ当量390〜470)、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂のプロピレンオキシド
付加物のジグリシジルエーテルとして、共栄社油脂
(株)製の商品名エポライト3002が挙げられる。中
でも、エポキシ当量が160〜230のビスフェノール
系エポキシ樹脂やエポキシ当量が170〜180のフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
【0015】本発明に用いられる(C)成分であるポリ
カルボン酸無水物は、2個のカルボキシル基が脱水反応
によって生じたR(CO)2 O基〔但し、Rは炭化水
素〕を分子内に少なくとも1個持つものであり、エポキ
シ樹脂の硬化剤として使用する。このポリカルボン酸無
水物としては、例えば、メチルナジック酸無水物、メチ
ルヘキサハイドロフタル酸無水物、メチルテトラハイド
ロフタル酸無水物を用いる事が出来る。これらポリカル
ボン酸無水物は、単独又は2種以上の組み合わせとして
使用することができる。更に、これらポリカルボン酸無
水物は、メチルナジック酸無水物として、日立化成工業
(株)製、メチルヘキサハイドロフタル酸無水物とし
て、新日本理化(株)製の商品名MH−700、メチル
テトラハイドロフタル酸無水物として、新日本理化
(株)製の商品名MT−500が挙げられる。
【0016】また、本発明のエポキシ樹脂組成物では、
(D)及び(E)成分のポリエーテル変性オルガノポリ
シロキサンが均一に溶解又は分散した状態にする為に、
(B)及び(C)成分は、室温、例えば10〜30℃の
範囲の温度で液状である事が望ましい。本発明に用いら
れる(D)成分である一般式(1)で示された構造を有
するポリエーテル変性オルガノポリシロキサンは、
(A)及び(B)成分のエポキシ基と反応性がある官能
基を有しないオルガノポリシロキサンである。この
(D)成分は、一般式(1)の骨格を有していれば、直
鎖状或いは環状又はそれらの混合物等の如何なる形状で
も用いることができるが、好ましくは直鎖状であること
がよい。また、この(D)成分は、側鎖(一般式1のZ
部分)にエポキシ基を有するものと、側鎖(一般式1の
Z部分)にエポキシ基を有しないものがある。側鎖にエ
ポキシ基を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキ
サンとしては、例えば、トーレシリコーン(株)製のS
F−8421(EG)、東芝シリコーン(株)製のXF
42−A5041、信越化学工業(株)製のX−22−
3667が挙げられ、また、側鎖にエポキシ基を有しな
いポリエーテル変性オルガノポリシロキサンとしては、
信越化学工業(株)製のKF−351(A)、KF−6
15(A)、トーレシリコーン(株)製のVSF−84
00、SF−8410が挙げられる。(D)成分は、一
般式(1)で示された構造を有するオルガノポリシロキ
サンであれば、単独又は2種以上の組合せとして使用す
る事ができる。(D)成分のポリエーテル変性オルガノ
ポリシロキサンの分子量は、1000〜100000、
好ましくは、2000〜50000である。
【0017】本発明に用いられる(E)成分である一般
式(2)で示された構造を有するポリエーテル変性オル
ガノポリシロキサンは、側鎖(一般式2のX部分)に、
上記(A)、(B)及び(D)成分のエポキシ基と反応
性がある官能基を有したオルガノポリシロキサンであ
る。この(E)成分は、一般式(2)の骨格を有してい
れば、直鎖状或いは環状又はそれらの混合物等の如何な
る形状でも用いることができるが、好ましくは直鎖状で
あることがよい。このエポキシ基と反応性がある官能基
としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、イソシ
アネート基が挙げられるが、好ましくは、アミノ基、カ
ルボキシル基であり、最も好ましくは、アミノ基であ
る。側鎖にアミノ基を有するポリエーテル変性オルガノ
ポリシロキサンとしては、信越化学工業(株)製のX−
22−3939Aを用いることができる。また、このア
ミノ基を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサ
ンは、(D)成分で用いたエポキシ基を有するポリエー
テル変性オルガノポリシロキサンを、エタノール中で2
0〜60℃で過剰のアンモニアと反応させ、エポキシ基
にアミンを付加させて得る事や、ハイドロジエンオルガ
ノポリシロキサンに、アリルアミンと、アリルアルコー
ルを含有したポリエーテルを、トルエン溶媒中で塩化白
金酸の存在下、ハイドロシリレーションして得る事がで
きる。側鎖にカルボキシル基を有するポリエーテル変性
オルガノポリシロキサンは、ハイドロジエンオルガノポ
リシロキサンに、不飽和カルボン酸と、アリルアルコー
ルを含有したポリエーテルを、トルエン溶媒中で塩化白
金酸の存在下、ハイドロシリレーションして得る事がで
きる。(E)成分は、一般式(2)で示された構造を有
するオルガノポリシロキサンであれば、単独又は2種以
上の組合せとして使用する事ができる。(E)成分のポ
リエーテル変性オルガノポリシロキサンの分子量は、1
000〜100000、好ましくは、2000〜500
00である。
【0018】本発明において、(D)及び(E)成分と
して用いられる一般式(1)及び(2)の化合物のRは
2価の炭化水素であり、好ましくはメチレン、エチレ
ン、プロピレン基である。そして、上記化合物のYで示
されるポリオキシアルキレン基中で、R1 は2価の炭化
水素基であり、好ましくはメチレン、エチレン、プロピ
レン基であり、また、R2 は水素原子又は1価の炭化水
素基であり、1価の炭化水素基としては、好ましくはメ
チル、エチル、プロピル基である。本発明のエポキシ樹
脂組成物において、一般式(1)及び(2)の化合物中
のRは、同一の化学構造として用いる事も、異なる化学
構造として用いる事もできる。また同様に、一般式
(1)及び(2)の化合物中のYは、同一の化学構造と
して用いる事も、異なる化学構造として用いる事もでき
る。更に、一般式(1)及び(2)の化合物中のrは、
同じ整数を用いることも、異なる整数を用いることもで
きる。また、s及びtについても同様である。
【0019】本発明では、(F)成分として、無機粉
末、無機繊維、或いは無機粉末と無機繊維の混合物から
なる無機質充填剤を添加する事ができる。この(F)成
分の添加は、耐熱衝撃性の向上、耐吸水性の向上、或い
は線熱膨張率の低下等の効果があり、硬化組成物の物性
をより向上させる事ができる。この無機粉末としては、
例えば、溶融シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウ
ム等である。これら無機粉末は、単独又は2種以上の組
み合わせとして使用する事ができる。更にこれら無機粉
末は、溶融シリカとして、龍森(株)製の商品名ヒュー
ズレックス、アルミナとして、昭和軽金属(株)製の商
品名A42、タルクとして、日本タルク(株)の商品名
MSが挙げられる。また、無機繊維としては、例えば、
硼酸アルミニウムウイスカー、カーボンウイスカー、チ
タン酸カリウム等である。これら無機繊維は、単独又は
2種以上の組合せとして使用する事ができる。更に、こ
れら無機繊維は、硼酸アルミニウムウイスカーとして、
四国化成(株)の商品名アルボレックス、チタン酸カリ
ウムとして、大塚化学(株)製のティスモが挙げられ
る。この(F)成分としての無機質充填剤は、(A)、
(B)、(C)、(D)及び(E)の合計100重量部
に対して、25〜250重量部、好ましくは30〜15
0重量部添加することがよい。また、この無機質充填剤
は、必要に応じて表面処理することが出来る。この表面
処理によって、得られる組成物の低粘度化、硬化物の低
吸水化や強度の向上等の効果が得られる。この表面処理
に用いられる薬剤は、例えば、シリコン系、チタン系或
いはそれらの組合せからなるカップリング剤である。
【0020】本発明においては、エポキシ基とカルボン
酸無水物との反応を促進させる為に、(G)成分として
硬化促進剤を添加することができる。この硬化促進剤と
しては、例えば、トリフェニルフォスフィン、トリフェ
ニルフォスフィンのベンジルブロマイド塩、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジ
ルジメチルアミン、イミダゾール類である。これら硬化
促進剤は、単独又は2種以上の組み合わせとして使用す
る事ができる。更に、これら硬化促進剤は、トリフェニ
ルフォスフィンのベンジルブロマイド塩として、サンア
プロ(株)製の商品名SA5003、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノールとして、東京化
成(株)製の商品名DMP−30が挙げられる。この
(G)成分として硬化促進剤は、(A)、(B)の合計
重量に対して、0.001〜4重量%、好ましくは、
0.002〜3重量%の範囲で添加することがよい。
【0021】本発明において、(A)、(B)、
(C)、(D)、及び(E)の各成分の配合割合は、
(A)100重量部に対して、(B)は50〜150重
量部、好ましくは60〜120重量部である。また、
(A)及び(B)のエポキシ化合物中のエポキシ基に対
して、(C)は一般式R(CO)2 O基〔但し、Rは炭
化水素〕として、R(CO)2 O基/エポキシ基の当量
比が0.8〜1.0、好ましくは、0.85〜0.95
である。(A)、(B)及び(C)の合計100重量部
に対して、(D)は5〜30重量部、好ましくは7〜2
5重量部であり、また、(E)は5〜40重量部、好ま
しくは7〜30重量部である。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶媒
を含有することができる。この有機溶媒としては、トル
エン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上の混合溶媒として用いる
ことができる。本発明のエポキシ樹脂組成物の混合にお
いて、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)及び(G)の各成分の添加において、(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の各成分
は、如何なる順序で添加する事もできる。しかし、
(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を添加
し均一分散した後に(G)成分を添加する方法、又は
(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を添加
した後に(F)成分を添加し均一混合した後、最後に
(G)成分を添加する方法がより好ましい。上記各成分
は、そのまま添加することもできるが、上記有機溶媒に
予め溶解又は分散した状態で添加することもできる。こ
れら各成分の混合は、20〜100℃、好ましくは、4
0〜80℃の温度で、10分〜1時間の混合によって行
われる。混合に用いられる機械は、撹拌羽根付き反応器
等が上げられる。この混合で組成物中に気泡が混入した
場合は、撹拌しながら減圧処理することによって脱気さ
せることができる。
【0023】本発明によって得られるエポキシ樹脂組成
物は、例えば80℃の加熱成形時の粘度が100〜20
000c.p.であり、また、樹脂固形分として、50
〜100重量%、好ましくは、80〜100重量%であ
る。そして、室温で保存して20日以上の保存安定性を
有する。また、放置により部分的な硬化、組成物の粘度
上昇、成分の沈澱等の物性上の変質を生じない。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、基材に塗
布又は充填した後、80〜120℃で、0.5〜2時
間、その後、150〜200℃で、1〜3時間の熱処理
によって硬化物とすることができる。この塗布又は充填
は、ロールコーター等を用いて行うことができる。
【0025】
【作用】本発明において、(D)成分のポリエーテル変
性オルガノポリシロキサンは、エポキシ樹脂との極性の
相違から分子鎖凝集を起こしエポキシ樹脂中でゴム状の
微粒子を形成する。この微粒子の形成によって、衝撃吸
収性が発生する。また、(D)成分中のポリエーテル化
部分はエポキシ樹脂との親和性も向上する。一方(E)
成分のポリエーテル変性オルガノポリシロキサンは、側
鎖の官能基がエポキシ樹脂中のエポキシ基と反応すると
共に、ポリエーテル化部分は(D)成分によって生じた
微粒子の均一分散を助ける界面活性剤の役割をする。こ
の時、(D)成分を用いず、(E)成分のみでは、この
(E)成分のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン
がエポキシ樹脂と反応する事により、このシロキサン分
子鎖はエポキシ樹脂に固定される事になり、シロキサン
分子鎖同士の凝集が起こりにくく、上記ゴム状の微粒子
が生成出来ない為に得られたエポキシ樹脂組成物は改質
効果がない。また、(E)成分を用いず、(D)成分の
みでは、(D)成分によって形成される上記ゴム状粒子
が、数μm以上になり、また、ブリードする為に得られ
たエポキシ硬化物の耐衝撃性は向上しない。(D)成分
と(E)成分のどちらか一方が欠けても効果が無く、両
者の特定の配合比率により最良の効果が達成される。ま
た、この(D)成分と(E)成分は、共にポリエーテル
化されている事が重要である。
【0026】本発明において、(A)成分のトリス
(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート100
重量部に対して、(B)成分のエポキシ樹脂は、50重
量部未満では、耐クラック性が問題であり、150重量
部を越える場合は、耐熱性が低下する。また、(A)及
び(B)のエポキシ化合物中のエポキシ基に対して、
(C)のポリカルボン酸無水物を一般式R(CO)2
基〔但し、Rは炭化水素〕として、R(CO)2 O基/
エポキシ基の当量比が0.8未満や1.0を越える場合
は、耐熱性や電気絶縁性が低下する。更に、(A)、
(B)及び(C)成分の合計100重量部に対して、
(D)の一般式(1)で示されるポリエーテル変性オル
ガノポリシロキサンが、5重量部未満では、耐熱性、耐
熱衝撃性、電気絶縁性を同時に満たすことが難しく、3
0重量部を越える場合は、分散性に問題がある。そし
て、(A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部
に対して、(E)の一般式(2)で示されるポリエーテ
ル変性オルガノポリシロキサンが、5重量部未満では、
耐熱性、耐熱衝撃性、電気絶縁性を同時に満たすことが
難しく、40重量部を越える場合は、耐熱性が低下す
る。
【0027】
【実施例】下記材料を用意した。 A1 :トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌ
レート〔日産化学工業(株)製、商品名TEPIC−
S、エポキシ当量100〕 B1 :エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、商
品名エピコート152、エポキシ当量172〜178〕 B2 :エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、商
品名エピコート807、エポキシ当量160〜175〕 B3 :エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、商
品名エピコート828、エポキシ当量184〜194〕 C1 :ポリカルボン酸無水物〔日立化成工業(株)製、
メチルナジック酸無水物〕 C2 :ポリカルボン酸無水物〔新日本理科(株)製、メ
チルヘキサハイドロフタル酸無水物〕 D1 :一般式(1)で示され、側鎖のZ部分がエポキシ
基であるポリエーテル変性オルガノポリシロキサン〔ト
ーレシリコーン(株)製、商品名SF−8421(E
G)〕 D2 :一般式(1)で示され、側鎖のZ部分がエポキシ
基であるポリエーテル変性オルガノポリシロキサン〔信
越化学工業(株)製、商品名X−22−3667〕 D3 :一般式(1)で示され、側鎖のZ部分が水素原子
であるポリエーテル変性オルガノポリシロキサン〔信越
化学工業(株)製、商品名KF−615(A)〕 E1 :一般式(2)で示され、側鎖のX部分がアミノ基
であるポリエーテル変性オルガノポリシロキサン〔信越
化学工業(株)製、商品名X−22−3939A〕 E2 :一般式(2)で示されるポリエーテル変性オルガ
ノポリシロキサン〔信越化学工業(株)製、商品名SF
−8421(EG)をエタノール中で、20〜60℃の
温度で過剰のアンモニアと反応させ、エポキシ基にアミ
ンを付加させた〕 F1 :無機粉末として溶融シリカ〔龍森(株)製、商品
名RD−8〕 F2 :無機繊維として硼酸アルミニウム〔四国化成
(株)製、商品名アルボレックスYS−2〕 G1 :硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンのベン
ジルブロマイド塩〔サンアプロ(株)製、商品名SA5
003〕 G2 :硬化促進剤として2,4,6−トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール〔東京化成(株)製、商品名
DMP−30〕 実施例1 撹拌装置を装着した0.3リットルのガラス製容器に、
1 18重量部、B318重量部、C1 44重量部、D
2 10重量部及びE1 10重量部を添加し、大気圧下、
100℃、0.5時間で均一になるように混合した。そ
の後、80℃でG1 0.6重量部を添加し、得られた混
合物を真空下で80℃で0.5時間撹拌しながら脱気し
て本発明の実施例1のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0028】また、実施例1と同様の方法で、表1〜3
に記載の各成分をそれぞれ記載の重量割合で添加し、本
発明の実施例2〜9及び13〜17のエポキシ樹脂組成
物を得た。 実施例10 撹拌装置を装着した0.5リットルのガラス製容器に、
1 18重量部、B318重量部、C1 44重量部、D
1 6重量部及びE1 14重量部を添加し、大気圧下、1
00℃、0.5時間で混合した。その後、F1 33重量
部を添加し、100℃、0.5時間で均一になるように
混合した。そして、80℃でG1 0.6重量部を添加
し、得られた混合物を真空下で80℃で0.5時間撹拌
しながら脱気して本発明の実施例10のエポキシ樹脂組
成物を得た。
【0029】また、実施例10と同様の方法で、表2に
記載の各成分をそれぞれ記載の重量割合で添加し、本発
明の実施例11及び12のエポキシ樹脂組成物を得た。 比較例1 撹拌装置を装着した0.3リットルのガラス製容器に、
1 18重量部、B318重量部、C1 44重量部を添
加し、大気圧下、100℃、0.5時間で均一になるよ
うに混合した。その後、80℃でG1 0.6重量部を添
加し、得られた混合物を真空下で80℃で0.5時間撹
拌しながら脱気して比較例1のエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0030】また、比較例1と同様の方法で、表4に記
載の各成分をそれぞれ記載の重量割合で添加し、比較例
2〜4のエポキシ樹脂組成物を得た。 比較例5 撹拌装置を装着した0.5リットルのガラス製容器に、
1 18重量部、B318重量部、C1 44重量部を添
加し、大気圧下、100℃、0.5時間で混合した。そ
の後、F1 33重量部を添加し、100℃、0.5時間
で均一になるように混合した。そして、80℃でG
1 0.6重量部を添加し、得られた混合物を真空下で8
0℃で0.5時間撹拌しながら脱気して比較例5のエポ
キシ樹脂組成物を得た。
【0031】また、比較例5と同様の方法で、表4に記
載の各成分をそれぞれ記載の重量割合で添加し、比較例
6のエポキシ樹脂組成物を得た。 表1 成分 実施例番号 1 2 3 4 5 6 1 18 18 18 18 18 18 B1 ── ── ── ── ── ── B2 ── ── ── ── ── ── B3 18 18 18 18 18 18 C1 44 44 44 44 44 44 C2 ── ── ── ── ── ── D1 ── 10 6 11 ── 7.5 D2 10 ── ── ── ── 2.5 D3 ── ── ── ── 10 ── E1 10 10 14 23 10 10 E2 ── ── ── ── ── ── F1 ── ── ── ── ── ── F2 ── ── ── ── ── ── G1 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 2 ── ── ── ── ── ── 表2 成分 実施例番号 7 8 9 10 11 12 1 18 18 18 18 18 18 B1 ── ── ── ── ── ── B2 ── ── ── ── ── ── B3 18 18 18 18 18 18 C1 44 44 44 44 44 44 C2 ── ── ── ── ── ── D1 5 2.5 ── 6 6 6 D2 5 7.5 17 ── ── ── D3 ── ── ── ── ── ── E1 10 10 17 14 14 14 E2 ── ── ── ── ── ── F1 ── ── ── 33 100 ── F2 ── ── ── ── ── 50 G1 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 2 ── ── ── ── ── ── 表3 成分 実施例番号 13 14 15 16 17 1 18 18 18 18 18 B1 ── 18 ── ── ── B2 18 ── ── ── ── B3 ── ── 18 18 18 C1 44 44 ── 44 44 C2 ── ── 46 ── ── D1 10 10 10 10 10 D2 ── ── ── ── ── D3 ── ── ── ── ── E1 10 10 10 10 ── E2 ── ── ── ── 10 F1 ── ── ── ── ── F2 ── ── ── ── ── G1 0.6 0.6 0.6 ── 0.6 2 ── ── ── 0.036 ── 表4 成分 比較例番号 1 2 3 4 5 6 1 18 18 18 18 18 18 B1 ── ── ── ── ── ── B2 ── ── ── ── ── ── B3 18 18 18 18 18 18 C1 44 44 44 44 44 44 C2 ── ── ── ── ── ── D1 ── 20 ── ── ── ── D2 ── ── 20 ── ── ── D3 ── ── ── ── ── ── E1 ── ── ── 20 ── ── E2 ── ── ── ── ── ── F1 ── ── ── ── 33 ── F2 ── ── ── ── ── 50 G1 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 2 ── ── ── ── ── ── 上記実施例1〜17及び比較例1〜6で得られたエポキ
シ樹脂組成物は、それぞれ、縦4mm、横200mm、
高さ100mmの離型処理済のガラス製型に注入し、1
00℃で2時間保持後、180℃まで7時間で昇温して
硬化させた後、室温まで冷却させ、各実施例及び比較例
に対応する試験片とした。下記に記載された試験方法に
従い、(1)硬化物の外観の観察、(2)ガラス転移温
度、(3)破断面の電子顕微鏡写真、(4)体積固有抵
抗値の測定を行った。
【0032】(1)硬化物の外観の観察 上記試験片を目視で、硬化物の表面外観を観察した。こ
の時、(D)成分及び(E)成分によって生じる微粒子
状のオルガノポリシロキサンによって、均一に白濁した
ものは記号(W)とし、上記微粒子が生成せず白濁しな
いものは記号(T)とし、上記微粒子が不均一に分散し
ブリードしているものは記号(B)とした。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物の硬化物として好ましい状態は、上記
記号(W)である。
【0033】(2)ガラス転移温度の測定 縦約10mm、横約10mm、高さ約3mmの試験片
を、熱機械分析法に従い、硬化物の熱膨張の変化から測
定した。この測定は、TMA装置を用いて、圧縮法によ
り荷重10g、昇温速度10℃/分の条件で測定した。 (3)破断面の電子顕微鏡写真 上記試験片を高さ方向に対して垂直に切断し、電子顕微
鏡を用いて1000〜20000倍で測定し、破断面の
オルガノポリシロキサンに起因する粒子又はその粒子の
抜けた空孔の大きさを観察した。
【0034】(4)体積固有抵抗の測定 JIS−K6911の方法に従い測定した。即ち、直径
約100mm、厚さ約2mmの円板に成形した試験片を
用意し、その試験片の表面に直径50mmφのカソード
を圧着させ、裏面に直径83mmφのアノードを圧着さ
せた。表面のカソード側には、カソードより10mm隔
てて周囲を幅5mmのガードを設置した。絶縁抵抗測定
器を用いて、直流電圧500Vで体積抵抗を測定し、下
記計算式に従って体積抵抗率を算出し、体積固有抵抗の
値とした。測定は23℃と150℃で行った。
【0035】ρV =(πd2 /4t)RV ここで、ρV は体積抵抗率(Ωcm)、πは円周率
(3.14)、dは表面電極の内円の外径(cm)、t
は試験片の厚さ(cm)、RV は体積抵抗(Ω)であ
る。また、上記実施例1〜17及び比較例1〜6で得ら
れたエポキシ樹脂組成物は、それぞれ、JIS−B12
51に規格化された、ばね座金2号12Sの入った直径
約45mmφ高さ35mmのアルミカップに高さ約10
mm程度と、ばね座金2号24Sの入った直径約60m
mφ高さ55mmのアルミカップに高さ約15mm程度
注入し、それぞれのアルミカップは、100℃で2時
間、その後180℃まで7時間で昇温して硬化させ、室
温まで冷却し、各実施例及び比較例に対応する試験片と
し、(5)耐熱衝撃性試験に用いた。
【0036】(5)耐熱衝撃性試験 耐熱衝撃性試験は、硬化後の割れの観察と、ヒートサイ
クル試験を行った。硬化後の割れの観察では、硬化後室
温まで冷却した硬化物がばね座金との間に発生する応力
によってもクラックが全く発生しないものは記号(◎)
とし、硬化物に僅かにクラックが発生するが硬化物の外
周まではクラックが広がっていないものは記号(○)と
し、硬化することによって発生した内部応力によって硬
化物の外周まで大きくクラックが広がってしまったもの
は記号(×)とした。また、ヒートサイクル試験は、マ
イナス30℃で30分間保持した後、プラス105℃で
30分間保持のヒートサイクルを1回として、外周まで
クラックが発生するまでのサイクル数でヒートサイクル
試験を評価し、100回以上は記号(◎)、50〜99
回は記号(○)、49回以下は記号(×)とした。
【0037】これら試験結果を表5〜8に記載した。表
5〜8中の各評価試験で、番号(1)は硬化物の外観の
観察結果、番号(2)はガラス転移温度の測定結果〔単
位は℃〕、番号(3)は破断面の電子顕微鏡写真観察に
おいてオルガノポリシロキサンに起因する粒子の大きさ
又はその粒子の抜けた空孔の大きさの測定結果〔単位は
μm〕、番号(4−1)は23℃での体積固有抵抗の測
定結果〔単位はΩcm〕、番号(4−2)は150℃で
の体積固有抵抗の測定結果〔単位はΩcm〕、番号(5
−1)は硬化後の割れの観察結果、番号(5−2)はヒ
ートサイクル試験結果である。
【0038】 表5 評価試験 実施例の組成物に対応する試験片(硬化物)番号 1 2 3 4 5 6 (1) W W W W W W (2) 172 173 171 165 173 173 (3) 0.1 0.5 0.1 0.05 0.05 0.05 〜2 〜1 〜0.4 〜0.3 〜0.2 〜2 (4−1) 1×1016 1×1016 1×1016 1×1016 1×1016 1×1016 (4−2) 5×1012 3×1012 2×1012 5×1011 2×1012 5×1012 (5−1) ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎ (5−2) ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ 表6 評価試験 実施例の組成物に対応する試験片(硬化物)番号 7 8 9 10 11 12 (1) W W W W W W (2) 178 180 174 172 177 173 (3) 0.1 0.3 0.1 0.1 0.1 0.1 〜1 〜1 〜3 〜0.4 〜0.4 〜0.4 (4−1) 1×1016 1×1016 1×1016 3×1016 2×1016 3×1016 (4−2) 3×1012 4×1012 5×1012 4×1012 4×1012 3×1012 (5−1) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ (5−2) ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 表7 評価試験 実施例の組成物に対応する試験片(硬化物)番号 13 14 15 16 17 (1) W W W W W (2) 174 182 182 183 184 (3) 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 〜1 〜1 〜0.4 〜3 〜2 (4−1) 1×1016 1×1016 3×1015 1×1016 1×1016 (4−2) 3×1012 2×1012 2×1011 5×1012 3×1012 (5−1) ○ ○ ◎ ◎ ○ (5−2) ○ ○ ◎ ◎ ○ 表8 評価試験 比較例の組成物に対応する試験片(硬化物)番号 1 2 3 4 5 6 (1) T B B T ── ── (2) 186 ── ── 163 186 187 (3) ── ── ── ── ── ── (4−1) 5×1015 1×1016 1×1016 1×1016 2×1016 2×1016 (4−2) 1×1013 3×1012 2×1012 3×1011 1×1013 2×1013 (5−1) × × × × × × (5−2) × × × × × × 上記結果から判る様に、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、(D)成分である一般式(1)で示されたポリエー
テル変性オルガノポリシロキサンと、(E)成分である
一般式(2)で示されたポリエーテル変性オルガノポリ
シロキサンを所定量組み合わせた組成物は、破断面の電
子顕微鏡観察から明らかなように、硬化時に形成するオ
ルガノポリシロキサンゴム粒子がサブミクロンから数ミ
クロンの微粒子状態で均一に分散しているため、高いガ
ラス転移温度(耐熱性)や電気絶縁性を保持しながら、
同時に良好な耐熱衝撃性を持つことができる。
【0039】しかし、(D)成分、(E)成分の内、何
方か一方が所定量を満たさないエポキシ樹脂組成物は、
耐熱性、電気絶縁性及び耐熱衝撃性を同時に満足させる
ことはできない。
【0040】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキ
シ化合物に、エポキシ基と反応性を持たないシリコーン
化合物と、エポキシ基と反応性を有するシリコーン化合
物を特定量配合させることを特徴とするものである。本
発明のエポキシ樹脂組成物は、長期間安定に保存するこ
とができ、また、その硬化物は、高い耐熱性と、耐衝撃
性や耐熱衝撃性と、良好な電気絶縁性を同時に兼ね備え
ている。更に、このエポキシ樹脂組成物は低粘度である
為、無機質充填剤を多量に添加しても成形性を損なわな
い利点が有るため、無機質充填剤との相乗硬化により耐
衝撃性や耐熱衝撃性が飛躍的に向上させることができ
る。これらの特性によって、本発明のエポキシ樹脂組成
物は、接着剤、成形材料、積層板材料又は電気・電子部
品の埋め込み材料の分野に利用する事ができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)トリス(2,3−エポキシプロピ
    ル)イソシアヌレート、(B)エポキシ樹脂、(C)ポ
    リカルボン酸無水物、(D)下記一般式(1)で示され
    る構造を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサ
    ン、及び(E)下記一般式(2)で示される構造を有す
    るポリエーテル変性オルガノポリシロキサンからなり、
    且つ、 イ.(A)100重量部に対して、(B)を50〜15
    0重量部、 ロ.(A)及び(B)のエポキシ化合物中のエポキシ基
    に対して、(C)を一般式R(CO)2 O基〔但し、R
    は炭化水素〕として、R(CO)2 O基/エポキシ基の
    当量比が0.8〜1.0、 ハ.(A)、(B)及び(C)の合計100重量部に対
    して、(D)を5〜30重量部、及び、 ニ.(A)、(B)及び(C)の合計100重量部に対
    して、(E)を5〜40重量部、の比率に含有させたエ
    ポキシ樹脂組成物。 【化1】 【化2】 Rは2価の炭化水素基、Zは水素原子、エポキシ基、又
    はグリシドキシ基、Xはアミノ基、カルボキシル基、水
    酸基、又はイソシアネート基、Yは−R1 −O−(C2
    4 O)c −(C3 6 O)d −R2 で示されるポリオ
    キシアルキレン基(但し、R1 は2価の炭化水素基、R
    2 は水素原子又は1価の炭化水素基をそれぞれ表し、c
    は1〜50の整数、dは1〜50の整数である。)、及
    び、rは0〜10の整数、sは1〜10の整数、tは1
    0〜100の整数である。
  2. 【請求項2】 一般式(2)において、Xがアミノ基で
    ある事を特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 上記(B)エポキシ樹脂が、ビスフェノ
    ール系エポキシ樹脂である事を特徴とする請求項1、又
    は請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記(B)エポキシ樹脂が、フェノール
    ノボラック型エポキシ樹脂である事を特徴とする請求項
    1、又は請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された(A)、(B)、
    (C)、(D)、(E)及び下記(F): (F) 無機粉末及び/又は無機繊維、からなり、且
    つ、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の合計
    100重量部に対して、(F)を25〜250重量部の
    比率に含有させたエポキシ樹脂組成物。
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