JP2016023250A - 光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、(B)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つのエポキシ樹脂、(C)酸無水物硬化剤、(D)硬化促進剤 及び(E)グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び高級アルコール脂肪酸エステルの混合物である離型剤
を必須成分とする光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
<1>
(A)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、
(B)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つのエポキシ樹脂、
(C)酸無水物硬化剤、
(D)硬化促進剤 及び
(E)離型剤
を必須成分とし、該(E)成分の離型剤が、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び高級アルコール脂肪酸エステルの混合物であることを特徴とする光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物、
を提供するものである。
まず、光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物の各成分について説明する。
<(A)トリアジン誘導体エポキシ樹脂>
本発明で用いられる(A)成分のトリアジン誘導体エポキシ樹脂は、(B)成分及び (C)成分と共に溶融混合して使用する。(A)成分のトリアジン誘導体エポキシ樹脂を用いることで熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物は透明性が向上し、経時劣化の少ない半導体発光装置を実現することができる。かかるトリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、1,3,5−トリアジン核誘導体エポキシ樹脂が好ましい。特にイソシアヌレート環を有するエポキシ樹脂は、耐光性や電気絶縁性に優れており、1つのイソシアヌレート環に対して、2価の、より好ましくは3価のエポキシ基を有することが望ましい。具体的には、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート、トリス(α−メチルグリシジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
本発明では、(A)成分のトリアジン誘導体エポキシ樹脂以外に(B)成分のエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つのエポキシ樹脂を使用する。(B)成分を加えることで、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性を向上させ、且つ経時劣化の少ない半導体発光装置を実現することができる。
本発明で用いられる(C)成分の酸無水物は、硬化剤として作用するものであり、耐光性を与えるために非芳香族化合物であり、且つ炭素−炭素二重結合を有さないものが好ましく、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられ、これらの中でもヘキサヒドロ無水フタル酸及び/またはメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの酸無水物系硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
(D)成分の硬化促進剤は熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させるために配合するものである。硬化促進剤の種類としては、熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化促進剤として公知のものが使用でき、特に限定されないが、第三級アミン類、イミダゾール類、それらの有機カルボン酸塩、有機カルボン酸金属塩、金属−有機キレート化合物、芳香族スルホニウム塩、有機ホスフィン化合物類、ホスホニウム化合物類等のリン系硬化触媒、これらの塩類等の1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、イミダゾール類、リン系硬化触媒、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾールや1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェイト、第三級アミンのオクチル酸塩が更に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、特定の離型剤を配合する。(E)成分の離型剤は、成形時の離型性を高めるために配合するものである。今回、特定の離型剤として、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び高級アルコール脂肪酸エステルの3者を使用する。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、初期反射率向上及び長期での反射率維持のために(F)酸化防止剤を配合することができる。(F)成分の酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系酸化防止剤を使用でき、酸化防止剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、リードフレームなどの金属基材との接着強度を高めるため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどが好ましいものとして挙げられる。なお、アミン系のシランカップリング剤のように150℃以上に放置した場合に熱樹脂が変色するものは好ましくない。カップリング剤の表面処理方法については特に制限されるものではなく、常法により適宜決定すればよい。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は室温や熱時での強度向上や成形時のクラック抑制のために(H)成分として補強材を配合することができる。
本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物には、更に硬化物の透明性を低下させない範囲で必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々のシリコーンパウダー、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができる。
<(A)トリアジン誘導体エポキシ樹脂>
(A−1)トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(TEPIC−S:日産化学(株)製商品名、エポキシ当量100)
(B−1)固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER−1001:三菱化学(株)製商品名、エポキシ当量475)
(B−2)固形脂環式エポキシ樹脂(EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)製商品、エポキシ当量170)
(B−3)液状脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P:ダイセル化学工業(株)製商品、エポキシ当量135)
(C−1)メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(リカシッドMH:新日本理化(株)製商品名、酸無水物当量168)
(D−1)イミダゾール系硬化触媒;2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ:四国化成工業(株)製商品名)
(E−1)グリセリンモノステアレート(ポエムV−100:理研ビタミン(株)製商品名)
(E−2)プロピレングリコールモノパルミテート(リケマールPP−100:理研ビタミン(株)製商品名)
(E−3)ステアリルステアレート(リケマールSL−800:理研ビタミン(株)製商品名)
(E−4)カルナバワックス(TOWAX−131:東亜化成(株)商品名)
(E−5)酸化ポリエチレンワックス(H−22:クラリアントジャパン(株)製商品名)
(E−6)エステルワックス(LICOWAX E:クラリアントジャパン(株)製商品名)
後記の表1に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分を同表に示す割合で配合し、85℃に加熱したゲートミキサー内にて10分間溶融混合し、冷却させることで固形〜ペースト状のエポキシ樹脂組成物を得た。
熱硬化性エポキシ樹脂をトランスファー成型した後の成形片を以下の基準で評価した。
○:成形後、成形片は透明であった。
×:成形後、成形片は濁っていた。
成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で、厚さ1mmのシート型硬化物を作成し、分光光度計U−4100(日立ハイテック社製)にて600nmの光透過率を測定した。
JIS−K6911規格に準じた金型を使用して、成型温度175℃、成型圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃、1時間ポストキュアーした。ポストキュアーした試験片を室温(25℃)または高温(260℃)にて、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
50×50mmのMAP方式パッケージ(AgメッキされたCuフレーム)を、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で連続して成型し、キャビィティ部の離型性、ランナー折れ、バリ部の付着状態の観察を行った。キャビィティ部から樹脂が離型しなかった場合、ランナーが折れた場合、バリ部が付着するまでの成形数をカウントした。
Claims (2)
- (A)トリアジン誘導体エポキシ樹脂、
(B)ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一つのエポキシ樹脂、
(C)酸無水物硬化剤、
(D)硬化促進剤 及び
(E)離型剤
を必須成分とし、該(E)成分の離型剤が、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及び高級アルコール脂肪酸エステルの混合物であることを特徴とする光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物。 - 請求項1記載の光半導体素子封止用熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子をトランスファー成型して封止してなる光半導体装置。
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