JP3344266B2 - プリプレグ - Google Patents
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Description
て銅張り積層板等の製造に使用される実質的に無溶剤の
エポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグに関するもので
ある。
るエポキシ樹脂積層板は、例えばガラスクロス等の基材
にエポキシ樹脂組成物を含浸した後、乾燥して半硬化さ
せることによってプリプレグを製造し、このプリプレグ
を所要枚数重ねるとともに、必要に応じて銅箔等の金属
箔をその片側又は両側に配して積層した後、加熱加圧し
て製造されている。そして、上記エポキシ樹脂組成物
は、基材内部にまで含浸するのに適する粘度にするため
に溶剤を配合して粘度調整することが一般に行われてい
る。
キシ樹脂組成物を用いる場合、溶剤を大量に使用するた
め、作業環境や安全性等に問題があった。そのため、例
えば特公昭60−39288号に記載されたような、分
子内にエポキシ基を複数有するエポキシ樹脂とフェノー
ル樹脂と硬化剤等を加熱溶融して混合することにより、
実質的に無溶剤の液状エポキシ樹脂組成物を製造し、こ
の液状エポキシ樹脂組成物を基材に含浸してプリプレグ
を製造する方法や、特開平8−132537号に記載さ
れたような、分子内にエポキシ基を複数有するエポキシ
樹脂と硬化剤等を配合した実質的に無溶剤のエポキシ樹
脂組成物を基材の片面に塗工した後、加熱して粘度を低
下させて含浸する方法等が提案されている。
号や特開平8−132537号に記載されたような方法
に用いる実質的に無溶剤のエポキシ樹脂組成物は、溶剤
を配合したエポキシ樹脂組成物と比較すると粘度が高
く、得られるプリプレグは、内部に樹脂が含浸されない
部分が多数残留したり、一般に「はじき」と呼ばれる表
面に樹脂付着量の特に少ない部分が多数形成されたり、
樹脂付着量の表裏の差が大きくなる場合があり、含浸性
が低いという問題があった。
残留したプリプレグや、表面に樹脂付着量の特に少ない
部分が形成されたプリプレグを用いて製造した積層板
は、内部に気泡が残留し易く、吸湿耐熱性や電気的信頼
性が低いという問題があり、また、樹脂付着量の表裏の
差が大きなプリプレグを用いて製造した積層板は、表裏
の電気特性が異なり易く、電気的信頼性が低いという問
題があった。そのため、実質的に無溶剤のエポキシ樹脂
組成物であって、含浸性が優れたプリプレグが得られる
積層板用エポキシ樹脂組成物が望まれている。
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、含浸性が優れたプリプレグが得られる、実質的に
無溶剤の積層板用エポキシ樹脂組成物を用いた含浸性が
優れたプリプレグを提供することにある。
プリプレグは、分子内にエポキシ基を複数有するエポキ
シ樹脂と、その硬化剤と、硬化促進剤とを配合する実質
的に無溶剤の積層板用エポキシ樹脂組成物において、張
力低下剤として、フッ素化アルキルエステル系張力低下
剤、パーフロロアルキルアルコキシレート系張力低下
剤、パーフロロアルキルポリオキシエチレンエタノール
系張力低下剤、フロロアルキルカルボン酸系張力低下剤
又はパーフロロアルキルカルボン酸系張力低下剤をも配
合すると共に、泡減少剤としてポリシロキサン系消泡
剤、アクリル酸系消泡剤、ブタジエン共重合物系消泡剤
からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物をも配
合していて、さらに、前記硬化剤としてジシアンジアミ
ドとフェノール性化合物とを併用している積層板用エポ
キシ樹脂組成物を、基材の少なくとも一方の面に塗工し
た後、加熱して基材に含浸してなるプリプレグである。
力低下剤を配合する量が、配合するエポキシ樹脂、硬化
剤及び硬化促進剤の混合物の表面張力を、それを配合す
ることにより10%以上低下する量配合することを特徴
とする請求項1記載のプリプレグである。
減少剤を配合する量が、エポキシ樹脂組成物100重量
部に対し0.01〜5重量部であることを特徴とする請
求項1又は請求項2記載のプリプレグである。
ポキシ樹脂組成物の融点が、80℃以下であることを特
徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプリプ
レグである。
硬化剤及び硬化促進剤の混合物の表面張力を、それを配
合することにより低下させる化合物を配合した後、混合
して他の成分に溶解または分散させると、エポキシ樹脂
組成物の表面張力が低下して、基材に対しての濡れ性が
向上し、基材内部までエポキシ樹脂組成物が浸透しやす
くなる。そのため基材内部の樹脂が含浸されない部分が
減少したり、エポキシ樹脂組成物を供給した側の基材表
面から他方の面に移動する樹脂量が多くなって樹脂付着
量の表裏の差が小さくなる。また基材の表面に露出して
いる部分に対しての濡れ性も向上するため、はじき状の
表面に樹脂付着量の特に少ない部分が形成され難くな
る。そのため実質的に無溶剤の積層板用エポキシ樹脂組
成物を用いた場合であっても、含浸性が優れたプリプレ
グが得られる。
硬化促進剤に難溶性の液状化合物であって、それを配合
することによりエポキシ樹脂組成物中の泡の量を減少さ
せる化合物をも配合するため、エポキシ樹脂組成物を撹
拌したとき、上記表面張力を低下させる化合物が外気を
抱き込んでエポキシ樹脂組成物中に空気の泡を形成して
も、この泡の量を減少させる化合物がその泡の凝集力を
低下させて泡の量を減少させ、泡の量が少ないエポキシ
樹脂組成物となり、そのエポキシ樹脂組成物を用いて得
られるプリプレグは、基材内部の気泡が少なくなって、
含浸性が優れたプリプレグとなる。
板用エポキシ樹脂組成物は、分子内にエポキシ基を複数
有するエポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、配合
するエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の混合物の表
面張力を、それを配合することにより低下させる化合物
(以下、張力低下剤と記す)と、配合するエポキシ樹
脂、硬化剤及び硬化促進剤に難溶性の液状化合物であっ
て、それを配合することによりエポキシ樹脂組成物中の
泡の量を減少させる化合物(以下、泡減少剤と記す)と
を少なくとも配合する実質的に無溶剤の積層板用エポキ
シ樹脂組成物である。
要である。配合していない場合には含浸性が低く、得ら
れるプリプレグの内部に樹脂が含浸されない部分が多数
残留したり、はじき状の表面に樹脂付着量の特に少ない
部分が多数形成されたり、樹脂付着量の表裏の差が大き
くなる場合がある。
キシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の混合物の表面張力が
10%以上低下するように配合すると好ましい。表面張
力の低下が10%未満の配合量の場合には含浸性が低下
する場合がある。
面張力を低下させる値の最大値は、100%以下であれ
ば特に限定するものではないが、張力低下剤の量をあま
り多く配合すると、得られる積層板の耐熱性が低下する
場合があるため、エポキシ樹脂組成物100重量部に対
し0.01〜3重量部の範囲内で配合すると好ましい。
3重量部を越える場合は得られる積層板の耐熱性が低下
する場合がある。なお一般に、3重量部を越える量配合
しても、表面張力を低下させる効果はほとんど差がない
ため、経済的でないという問題も発生する。また、0.
01重量部未満配合するだけで表面張力を10%以上低
下させる化合物は一般的でない。
ヘルミー法(垂直板法、吊板法及びCBVP法ともい
う)と呼ばれる、鉛直に吊された板を液体中に浸したと
きの板に働く力より求める値を用いる。そして、エポキ
シ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の混合物と、更に張力低
下剤を配合した混合物の表面張力を、両者が共に液体状
態である温度であり、かつ同じ温度で測定し、その両者
の値より張力低下剤を配合することにより表面張力を低
下させる比率を求める。なお、この測定温度は、測定し
ようとするものが共に液体状態であり、かつ同じ温度で
測定する場合には、温度を変更しても表面張力を低下さ
せる比率はほぼ一定の値となるため特に限定するもので
はないが、測定しようとするものの融点より80℃程度
高い温度で測定すると効率的に測定することができる。
テル系張力低下剤、パーフロロアルキルアルコキシレー
ト系張力低下剤、パーフロロアルキルポリオキシエチレ
ンエタノール系張力低下剤、フロロアルキルカルボン酸
系張力低下剤又はパーフロロアルキルカルボン酸系張力
低下剤である。これらのフッ素原子を構造中に有するフ
ッ素系界面活性剤を用いた場合、少量の配合で表面張力
を低下させることが可能なため、得られる積層板の耐熱
性が優れる。
等を溶解させる液体化合物のため、溶剤としても用いる
ことが可能な化合物の場合であっても、本発明の場合は
溶剤には含めず、このような張力低下剤を配合したエポ
キシ樹脂組成物であっても、実質的に無溶剤の積層板用
エポキシ樹脂組成物に含めるものである。
をも配合していることが重要である。泡減少剤を配合せ
ずに、張力低下剤とエポキシ樹脂等とを、外気に露出し
た状態で一般の方法で撹拌すると、張力低下剤が外気を
抱き込んでエポキシ樹脂組成物中で安定化するため、エ
ポキシ樹脂組成物中に微細な空気の泡を多量に含みやす
い。そしてこの微細な空気の泡を多量に含んだエポキシ
樹脂組成物を基材に含浸したプリプレグは、この空気の
泡によって、樹脂の含浸されない部分が形成され、含浸
性が低下したプリプレグとなる場合がある。
シ樹脂組成物中に微細な空気の泡を含み難いため、含浸
性が優れたプリプレグが得られる。これは、泡減少剤は
一般に表面張力が低い化合物であるため、空気の泡の部
分を取り囲んで泡の凝集力を低下させ、エポキシ樹脂組
成物中の泡の量を減少させるためと考えられる。
樹脂、硬化剤及び硬化促進剤に難溶性の液状化合物であ
ることが重要である。なお、エポキシ樹脂等を複数種類
配合するエポキシ樹脂組成物の場合は、それらの全エポ
キシ樹脂等に難溶性の液状化合物であることが重要であ
る。難溶性の液状化合物の場合、空気の泡を取り囲む部
分に泡減少剤が偏在しやすく、少ない配合量で泡の量を
減少させることが可能なため、積層板の電気特性等を低
下することがなく好ましい。なお、配合するエポキシ樹
脂、硬化剤及び硬化促進剤のうちいずれかの化合物に溶
解性の場合又はこれらの混合物に溶解性の場合には、得
られるプリプレグの含浸性が低下したり、この溶解性の
化合物の配合量を増やすことが必要となって、得られる
積層板の電気特性等が低下する場合がある。
100重量部に対し0.01〜5重量部であると好まし
い。5重量部を越える場合は得られる積層板の耐熱性が
低下する場合がある。また、0.01重量部未満の場
合、エポキシ樹脂組成物中に空気の泡を含む場合があ
り、得られるプリプレグの含浸性が低下する場合があ
る。
る化合物であり、ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロ
キサン等のポリシロキサン系消泡剤や、アルキルメタク
リレート、ポリアクリレート、アクリル酸共重合物等の
アクリル酸系消泡剤や、ブタジエン共重合物系消泡剤が
挙げられ、併用することもできる。泡減少剤として、ポ
リシロキサン系消泡剤、アクリル酸系消泡剤及びブタジ
エン共重合物系消泡剤からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物を用いる。この場合、エポキシ樹脂
組成物中の泡の量を減少させる効果が大きいため、特に
含浸性が優れたプリプレグが得られる。
にエポキシ基を複数有するエポキシ樹脂であり、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、芳香族アミン系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニル
メタン型エポキシ樹脂及びこれらのエポキシ樹脂構造体
中の水素原子の一部をハロゲン化することにより難燃化
したエポキシ樹脂等の単独、変性物、混合物が挙げられ
る。なお、エポキシ樹脂1分子内のエポキシ基の数は、
2個以上であれは特に限定するものではないが、あまり
多いとエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなって、基材へ
の含浸性が低下するため、2〜30個の範囲のものを使
用すると好ましい。なお、分子内にエポキシ基を1個有
するエポキシ樹脂を併用することもできる。
ドと、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノー
ルノボラック、クレゾールノボラック、ピロガロール等
のフェノール性化合物とを併用する。なお、硬化剤とし
てジシアンジアミドを含有すると、得られるプリプレグ
の保存安定性、及び得られる積層板の耐熱性が優れる。
脂組成物の硬化反応を促進するものであれば特に限定す
るものではなく、例えば、2−メチルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザ−ビシク
ロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミ
ン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン類、トリブ
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホス
フィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニル
ボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレ
ート等のテトラフェニルボロン塩等が例示でき、これら
は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。通
常、硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂組成物100
重量部に対して1重量部以下程度である。
て無機充填材、難燃剤等をも配合することができる。
で液状又は固体状となるエポキシ樹脂組成物であれば特
に限定するものではないが、融点が、常圧で80℃以
下、より好ましくは室温以下となるようにエポキシ樹脂
及び硬化剤等を選ぶと、基材への含浸性が優れたプリプ
レグを容易に得ることができ好ましい。80℃を越える
場合は含浸するのに適する粘度にするための加熱設備が
大がかりになって、生産性が低下しやすい。なお、硬化
剤としてフェノール性化合物を含有させると、エポキシ
樹脂組成物の融点を低下しやすくなる。なお、エポキシ
樹脂組成物の融点の下限は、特に限定するものではない
が、−100℃以上のものが一般的に用いられる。
エポキシ基を複数有するエポキシ樹脂とその硬化剤と張
力低下剤と泡減少剤等を配合した後、必要に応じて加熱
溶融させながら、均一に混合して製造する。
化剤と混合する場合には、エポキシ樹脂及びその硬化剤
のうちの少なくとも1成分(複数種のエポキシ樹脂や硬
化剤を併用する場合、その中の少なくとも1成分)と張
力低下剤と泡減少剤とを、必要に応じて加熱溶融させた
後、閉鎖した容器に満たして混合する方法や、エポキシ
樹脂及びその硬化剤のうちの少なくとも1成分(同上)
と張力低下剤と泡減少剤とを、必要に応じて加熱溶融さ
せた後、減圧した容器に収容して混合する方法で混合し
た後、残る他の成分と混合するようにすると、撹拌する
とき外気を抱き込み難いため、得られるプリプレグや積
層板の内部に微細な気泡が特に残留し難く好ましい。
る方法に用いる具体的設備としては、スタティックミキ
サー、パイプラインミキサー、ニーダー等の撹拌部にエ
ポキシ樹脂組成物を満たして比較的静的に混合する撹拌
機が挙げられる。また、上記減圧した容器に収容して混
合する方法の場合には、容器内を100Torr以下の
減圧度にすると、エポキシ樹脂組成物中に微細な空気の
泡が特に残留し難くなり好ましい。
材に含浸させ、加熱乾燥してプリプレグを製造する。基
材としては、特に限定するものではないが、ガラス繊
維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等
の繊維を使用したクロス、マットもしくは不織布、また
はクラフト紙、リンター紙等の紙などを使用することが
できる。加熱乾燥する条件としては特に限定するもので
はなく、エポキシ樹脂組成物が半硬化する条件で乾燥を
行う。
せる方法としては、浸漬法や、ロールコーター法や、ダ
イコーター法等が挙げられる。ダイコーターを用いて基
材の少なくとも一方の面に塗工した後、加熱することに
よってエポキシ樹脂組成物を基材に含浸する方法の場
合、ダイコーターから供給するエポキシ樹脂組成物の量
を調整することで所望の樹脂付着量のプリプレグが得や
すく好ましい。なお、含浸する樹脂量は、特には限定し
ないが、30〜60重量%とすると、得られる積層板の
耐熱性および板厚偏差が優れ好ましい。
〜5) エポキシ樹脂組成物の原料として、下記のエポキシ樹
脂、硬化剤、硬化促進剤、張力低下剤及び泡減少剤を使
用した。 ・エポキシ樹脂1:エポキシ当量が500であり、融点
が約80℃である臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂[東都化成株式会社製、商品名YDB500] ・エポキシ樹脂2:エポキシ当量が220であり、融点
が約90℃であるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
[大日本インキ化学工業株式会社製、商品名EPICL
ON N690] ・エポキシ樹脂3:エポキシ当量が190であり、室温
で液体のビスフェノールA型エポキシ樹脂[油化シェル
エポキシ株式会社製、商品名エピコート828] ・硬化剤1:ジシアンジアミド[油化シェルエポキシ株
式会社製、商品名DICY7] ・硬化剤2:ビスフェノールA[試薬を使用] ・硬化促進剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール
[試薬を使用] ・張力低下剤A:フッ素化アルキルエステル[住友スリ
ーエム株式会社製、商品名FC430] ・張力低下剤B:パーフロロアルキルポリオキシエチレ
ンエタノール[住友スリーエム株式会社製、商品名FC
170c] ・泡減少剤a:ポリシロキサン[ビックケミー株式会社
製、商品名BYK−088] ・泡減少剤b:ポリアクリル酸[ビックケミー株式会社
製、商品名BYK−354] ・泡減少剤c:ブタジエン共重合物[ビックケミー株式
会社製、商品名BYK−057]。
張力低下剤及び泡減少剤を表1に示す重量部配合した
後、100℃に加温し、次いで外気に露出した状態で混
合して無溶剤のエポキシ樹脂組成物を得た。
は、泡減少剤を除く、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進
剤及び張力低下剤を同じ比率・条件で配合・混合した評
価用混合物の表面張力を別途測定しておき、その値と、
エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を同じ比率・条件
で配合・混合した比較例1の値より計算して、張力低下
剤を配合することにより表面張力を低下する比率を求め
た。また、同様に、参考例9,10の表面張力を低下す
る比率を、比較例4の値を用いて求めた。その結果を表
1に示す。また、各実施例及び各比較例で得られたエポ
キシ樹脂組成物の融点を求めた。その結果を表1に示
す。
法を用いた表面張力計[協和界面科学社製、商品名CB
VP式表面張力計A3型]で、実施例1〜8及び比較例
1〜3は100℃、参考例9,10及び比較例4,5は
160℃で測定した。
実施例で得られたエポキシ樹脂組成物の泡の量を比較す
ることにより、用いた泡減少剤は、それを配合すること
によりエポキシ樹脂組成物中の泡の量を減少させる化合
物であることを確認した。
コーターのホッパーに供給し、そのホッパー内のエポキ
シ樹脂組成物をダイコーターのリップ部から吐出させ
て、厚さ0.18mmのガラスクロス基材[旭シュエー
ベル株式会社製、商品名 7628]の片面に塗工し、
次いで実施例1〜8及び比較例1〜3は120℃、参考
例9,10及び比較例4,5は170℃のヒーターで加
熱して基材に含浸した後、180℃で150秒加熱して
プリプレグを得た。
の両側に厚さ18μmの銅箔を積層した後、170℃、
3.0MPaの条件で70分加熱加圧して銅張り積層板
を得た。
化促進剤、張力低下剤及び泡減少剤を配合した後、10
0℃に加温し、次いでパイプラインミキサーに投入して
撹拌することにより、上記閉鎖した容器に満たして混合
する方法で混合したこと以外は実施例4と同様にしてプ
リプレグ及び銅張り積層板を得た。
化促進剤、張力低下剤及び泡減少剤を配合した後、10
0℃に加温し、次いでその配合した容器内を80Tor
rに減圧した状態で撹拌することにより、上記減圧した
容器に収容して混合する方法で混合したこと以外は実施
例4と同様にしてプリプレグ及び銅張り積層板を得た。
プリプレグの含浸性の評価として、樹脂浸透性、はじき
発生数、樹脂量の表裏差及び微細な気泡量を評価し、こ
れらの結果より含浸性を総合判定した。
ラスクロスの繊維間への樹脂の浸透状況を20倍の拡大
鏡を用いて観察し、浸透していない部分が少ない場合を
○とし、浸透していない部分が多数ある場合を×とし、
それらの中間の場合を△とした。
レグの表面に形成された、はじき状の樹脂付着量の特に
少ない部分のうち、φ2mm以上の大きさのものの数を
目視で数えた。
断面観察して、表裏の樹脂の厚みの差が5μm未満の場
合を○とし、差が5〜20μmの場合を△とし、差が2
0μmを越える場合を×とした。
脂内に残留している微細な気泡を5倍の拡大鏡を用いて
観察し、気泡の量が少ない場合を○とし、気泡の量が多
い場合を×とし、それらの中間の場合を△とした。
張り積層板について、吸湿耐熱性を測定した。その方法
は、表面の銅箔を除去した後、50×50mmに切断
し、次いで、133℃、相対湿度100%のプレッシャ
ークッカーテスト処理を2時間行った後、260℃のハ
ンダに20秒浸漬し、ふくれ、剥がれ等の異常が観察さ
れない場合を合格として、測定試料5枚中の合格の数を
求めた。
1,12で得られたプリプレグは、張力低下剤と泡減少
剤の一方又は両方を配合していない比較例1〜3で得ら
れたプリプレグと比べ、また、参考例9,10で得られ
たプリプレグは同様の比較例4,5で得られたプリプレ
グと比べ、含浸性の総合判定が優れていることが確認さ
れた。
80℃以下である実施例1〜8及び実施例11,12で
得られたプリプレグは、参考例9,10で得られたプリ
プレグと比べ、特に樹脂浸透性が優れていることが確認
された。
組成物100重量部に対し0.01〜5重量部の範囲内
である実施例1〜6及び参考例9,10及び実施例1
1、12で得られた銅張り積層板は、実施例8で得られ
た銅張り積層板と比べ、吸湿耐熱性が優れていることが
確認された。
リプレグは、張力低下剤を配合していると共に、泡減少
剤を配合したエポキシ樹脂組成物を用いているため、含
浸性が優れたプリプレグとなる。
Claims (4)
- 【請求項1】 分子内にエポキシ基を複数有するエポキ
シ樹脂と、その硬化剤と、硬化促進剤とを配合する実質
的に無溶剤の積層板用エポキシ樹脂組成物において、張
力低下剤として、フッ素化アルキルエステル系張力低下
剤、パーフロロアルキルアルコキシレート系張力低下
剤、パーフロロアルキルポリオキシエチレンエタノール
系張力低下剤、フロロアルキルカルボン酸系張力低下剤
又はパーフロロアルキルカルボン酸系張力低下剤をも配
合すると共に、泡減少剤としてポリシロキサン系消泡
剤、アクリル酸系消泡剤、ブタジエン共重合物系消泡剤
からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物をも配
合していて、さらに、前記硬化剤としてジシアンジアミ
ドとフェノール性化合物とを併用している積層板用エポ
キシ樹脂組成物を、基材の少なくとも一方の面に塗工し
た後、加熱して基材に含浸してなるプリプレグ。 - 【請求項2】 張力低下剤を配合する量が、配合するエ
ポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の混合物の表面張力
を、それを配合することにより10%以上低下する量配
合することを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。 - 【請求項3】 泡減少剤を配合する量が、エポキシ樹脂
組成物100重量部に対し0.01〜5重量部であるこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプリプレ
グ。 - 【請求項4】 エポキシ樹脂組成物の融点が、80℃以
下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
かに記載のプリプレグ。
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JP07248297A JP3344266B2 (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | プリプレグ |
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