JP3343860B2 - 渦電流探傷プローブ - Google Patents

渦電流探傷プローブ

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JP3343860B2
JP3343860B2 JP55905999A JP55905999A JP3343860B2 JP 3343860 B2 JP3343860 B2 JP 3343860B2 JP 55905999 A JP55905999 A JP 55905999A JP 55905999 A JP55905999 A JP 55905999A JP 3343860 B2 JP3343860 B2 JP 3343860B2
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coils
flaw
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政秋 黒川
光由 松本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
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    • G01N27/904Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents with two or more sensors

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、非破壊検査に用いて好適の、渦電流探傷プ
ローブに関する。
背景技術 従来より、鉄鋼・非鉄材料の製造時における検査及び
熱交換器の細管等などの各種プラントにおける保守検査
等の非破壊検査に用いる渦電流探傷プローブが開発され
ている。渦電流探傷プローブによる試験体の探傷の基本
原理は、励磁コイルにより試験体表面に渦電流を発生さ
せて、この渦電流の影響による検出コイルのインピーダ
ンス変化を監視することにより傷を検出するものであ
る。つまり、試験体表面に傷があると、この傷が試験体
表面に発生した渦電流にも影響を及ぼす。この渦電流の
変化は、検出コイルに生じるインピーダンスにも影響を
及ぼし、したがって、検出コイルのインピーダンスの変
化の監視することで、試験体の傷を検出できるのであ
る。
図7(a)〜図7(d)は従来の渦電流探傷プローブ
の各種構成を示す模式図である。ここで、渦電流探傷プ
ローブは、インピーダンス変化の検出方法と、励磁コイ
ル,検出コイルの構成とによりそれぞれ分類することが
できる。
検出コイルのインピーダンス変化の検出方法に着目す
ると、図7(a),図7(b)に示すような、1つの検
出コイルにより試験体の傷を検出するアブソリュート型
と、図7(c),図7(d)に示すような、2つの検出
コイルにそれぞれ発生するインピーダンスの差動成分に
より試験体の傷を検出するディファレンシャル型とに分
けることができる。
また、励磁コイル及び検出コイルの構成について着目
すると、図7(a),図7(c)に示すような自己誘導
型と、図7(b),図7(d)に示すような相互誘導型
とに分けることができる。自己誘導型とは、1つのコイ
ルが、渦電流を発生させるための励磁コイルと、インピ
ーダンスを検出するための検出コイルとを兼用するタイ
プであり、相互誘導型とは、励磁コイル(一次コイル)
と検出コイル(2次コイル)とが分離されているタイプ
である。
このように、検出コイルのインピーダンス変化の検出
方法と、励磁コイル,検出コイルの構成とにより、図7
(a)〜図7(d)に示すような4つの型に分類するこ
とができるのである。
ここで、図7(a)〜図7(d)に示す各渦電流探傷
プローブの模式的構成及び作用についてそれぞれ説明す
る。
図7(a)は、アブソリュート型且つ自己誘導型の渦
電流探傷プローブであって、1つで励磁コイルと検出コ
イルとを兼用する励磁兼検出コイル59を試験体(平板状
の被検査体)10に面して設置する。励磁兼検出コイル59
には、図示しない発振器とインピーダンスを監視する計
器とが接続されている。発振器は励磁兼検出コイル59に
交流電流を供給するためのものである。
かかる構成により、試験体10の傷を検知する際には、
まず発振器により励磁兼検出コイル59に交流電流を供給
して励磁兼検出コイル59に矢印F1,F2で示すように交流
磁場を発生させて試験体10の表面に渦電流を発生させ
る。励磁兼検出コイル59にはこの渦電流に応じたインピ
ーダンスが生じる。試験体10の表面に傷があると渦電流
が変化し、この励磁兼検出コイル59のインピーダンスも
変化するので、励磁兼検出コイル59のインピーダンスを
監視することで、試験体10の傷を検出することができ
る。
図7(b)は、アブソリュート型且つ相互誘導型の渦
電流探傷プローブであって、検出コイル51と励磁コイル
52とを試験体10にいずれも面して且つ互いに隣接するよ
うに設置する。検出コイル51には図示しないインピーダ
ンスを監視する計器が接続され、励磁コイル52には図示
しない発振器が接続されている。
このような構成により、励磁コイル52に矢印F3,F4で
示すように交流磁場を発生させて試験体10の表面に渦電
流を発生させ、この渦電流に起因して検出コイル51に発
生するインピーダンスを監視することにより傷を検出す
る。
図7(c)は、ディファレンシャル型且つ自己誘導型
の渦電流探傷プローブであって、試験体10から同じ距離
だけ離隔して設置される1対の励磁兼検出コイル59a,59
bを試験体10に面して設置する。励磁兼検出コイル59a,5
9bには、図示しない発振器がそれぞれ接続されて交流電
流が供給される。さらに、励磁兼検出コイル59a,59bに
は、励磁兼検出コイル59a,59bにそれぞれ発生するイン
ピーダンスの差動成分を監視する図示しない計器が接続
されている。
このような構成により、試験体10の傷を検知する際に
は、まず、発振器により交流電流を供給して励磁兼検出
コイル59aに矢印F5,F6で示すように交流磁場を発生さ
せ、励磁兼検出コイル59bに矢印F7,F8で示すように交流
磁場を発生させる。この時、励磁兼検出コイル59a,59b
には、それぞれ、この渦電流に応じたインピーダンスが
生じる。試験体10の表面に傷がなければ試験体10の表面
の状態は一様であって、試験体10の表面上に発生する渦
電流の分布も一様となり、従ってこの励磁兼検出コイル
59a,59bに生じるインピーダンスも等しくなる。これに
対して、試験体10の表面に傷があれば、この傷に応じて
試験体10の表面上の渦電流の分布も一様でなくなるた
め、励磁兼検出コイル59a,59bに生じるインピーダンス
にも差が生じる。したがって、励磁兼検出コイル59a,59
bにそれぞれ発生するインピーダンスの差動成分を監視
することによって傷を検出できるのである。
図7(d)は、ディファレンシャル型且つ相互誘導型
の渦電流探傷プローブであって、励磁コイル52を試験体
10に面して設置し、この励磁コイル52よりも励磁体10側
に1対の検出コイル51a,51bを試験体10に面して設置す
る。励磁コイル52には図示しない発振器が接続され、検
出コイル51a,51bには、検出コイル51a,51bにそれぞれ発
生するインピーダンスの差動成分を監視する図示しない
計器が接続されている。ここで、検出コイル51a,51b
は、試験体10から同じ距離だけ離隔するように配置され
るとともに、試験体10に向かって見た平面視において励
磁コイル52の中心線に対して線対称に配設され、試験体
10および励磁コイル52に対して互いに等しい位置条件と
している。これにより励磁コイル52により試験体10に形
成される渦電流に対して、検出コイル51a,51bが、互い
に同一の条件とされているのである。
このような構成により、励磁コイル52に矢印F9,F10で
示すように交流磁場を発生させて、試験体10の表面に渦
電流を発生させて、この渦電流に応じて検出コイル51a,
51bに発生するインピーダンスの差を監視することによ
り傷を検出することができる。
ところで、効率良く探傷を行なうために、このような
検出コイルや励磁兼検出コイルを、例えば、試験体10の
幅方向に、複数、列状に並べて構成されるマルチコイル
型渦電流探傷プローブがある。図9は、複数(ここでは
5個)の励磁兼検出コイル59a〜59eを並べて構成される
自己誘導型のマルチコイル型渦電流探傷プローブ20aを
示し、図10は、複数(ここでは5個)の励磁コイル52a
〜52eと、複数の検出コイル51a〜51j(ここでは10個)
とを並べて構成される相互誘導型のマルチコイル型渦電
流探傷プローブ20bを示す。
このように各コイルを試験体10の幅に合わせて列状に
配置したマルチコイル型渦電流探傷プローブ20a,20bに
よれば、幅広の平板被検査体(試験体)10であっても、
この試験体10上で、図9に矢印A1,図10に矢印B1で示す
ように移動させることにより、一度に比較的広い範囲で
の探傷を行なうことができる。
なお、上述の、検出コイル,励磁コイル,励磁兼検出
コイルには、例えば、ボビン型やパンケーキ型のコイル
が用いられることが多い。
しかしながら、検出コイルに発生するインピーダンス
は検出コイルと試験体との距離に応じて変化するもので
あるため、検出コイルと試験体との距離の変化(リフト
オフ変化)が生じると、傷の有無にかかわらず、このリ
フトオフ変化に応じて検出コイルのインピーダンスの変
化(このインピーダンス変化をリフトオフ信号という)
が生じてしまう。このため、従来の渦電流探傷プローブ
ではこのリフトオフ信号により、傷の検出を正確に行な
えないという課題を有している。
つまり、図7(a),図7(b)に示すような、1つ
の検出コイルにより試験体の傷を検出するアブソリュー
ト型の渦電流探傷プローブでは、上述のように、励磁兼
検出コイル59や検出コイル51に生じるインピーダンスそ
のものをインピーダンス監視回路で監視する。このた
め、渦電流探傷プローブと試験体との間でリフトオフ変
化がある場合は、リフトオフ変化によりコイルに発生す
るインピーダンスがノイズ(リフトオフ信号)となる。
このため、インピーダンス監視回路で測定されるインピ
ーダンスは、リフトオフ信号に影響されて、傷の検出が
正確にできなくなってしまうという不具合がある。
また、図7(c),図7(d)に示すようなディファ
レンシャル型渦電流探傷プローブは、2つの検出コイル
にそれぞれ発生するインピーダンスの差動成分により試
験体の傷を検出するものであるから、例えば図7(d)
に示すようなディファレンシャル型且つ相互誘導型の渦
電流探傷プローブでは、検出コイル51aと試験体10との
距離l1と、検出コイル51bと試験体10との距離l2とが互
いに等しくさえあれば、たとえ距離l1,l2が変化したと
しても、検出コイル51a,51bにそれぞれ生じるインピー
ダンスの変化は等しく、その差動成分は距離l1,l2(本
体はl1=l2)の変化に影響されない。したがって、2つ
の検出コイル51a,51bと試験体10とが平行の状態を保ち
つつリフトオフ変化(平行リフトオフ変化)する場合に
は、平行リフトオフ変化の影響を受けずに、正確に試験
体10の傷を検出できる。
しかし、図8に示す状態のように、2つの検出コイル
51a,51bと試験体10とが斜めになるリフトオフ変化(斜
めリフトオフ変化)、つまり、距離l1,距離l2が異なる
ような場合には、検出コイル51a,51bにそれぞれ発生す
るインピーダンスの変化も、この距離l1,距離l2に応じ
て異なった値になる。したがって、検出コイル51a,51b
にそれぞれ発生するインピーダンスの変化の差分(差動
成分)が生じ、これがリフトオフ信号となって、傷の検
出が正確にできなくなってしまうという不具合がある。
なお、ここでは、図8に示すようにディファレンシャ
ル型のもののうち相互誘導型の渦電流探傷プローブを例
に挙げてディファレンシャル型の課題を説明したが、当
然ながらディファレンシャル型のうちの自己誘導型の渦
電流探傷プローブにおいても、同一の課題が生じる。
さて、図11(a),図11(b)は、図9に示すような
マルチコイル型渦電流探傷プローブ20aの励磁兼検出コ
イル59a,59bに着目して、その検出感度分布を示す図で
あり、図11(a)は励磁兼検出コイル59a,59bと傷11と
の位置関係を示す図であり、図11(b)は励磁兼検出コ
イル59a,59bにより検出された検出信号の振幅(信号レ
ベル)を示す図である。図11(b)の横軸は、励磁兼検
出コイル59aの軸心線と励磁兼検出59bの軸心線との中間
に位置する基準線CL0からの距離Lを示し、縦軸は、横
軸の示す位置に傷があった場合に、励磁兼検出コイル59
a,59bにより検出される信号レベルを示す。各曲線Lx,Ly
は、励磁兼検出コイル59a,59bの検出感度分布を示す。
励磁兼検出コイル59aは、傷11が励磁兼検出コイル59aの
直下にある時、つまり、傷11が励磁兼検出コイル59aの
軸心線CLx上にある時に、信号レベルは最大になる。し
たがって、励磁兼検出コイル59aの検出感度分布曲線Lx
は、軸心線CLx上で最大となり、同様に、励磁兼検出コ
イル59bの検出感度分布曲線Lyは、励磁兼検出コイル59b
の軸心線CLy上で最大となる。
当然ながら、励磁兼検出コイル59a,59b間には検出レ
ベルの低い領域(低検出レベル領域)が存在する。した
がって、図9及び図10に示すような検出コイル或いは励
磁兼検出コイルを一列のみ配置した一段型のマルチコイ
ル型渦電流探傷プローブ20a,20bでは、傷11が基準線CL0
の近傍に位置するような場合には、傷11を正確に検出で
きなくなってしまう虞がある。
このような低検出レベル領域は、隣接する励磁兼検出
コイルや検出コイルの相互間を狭めるほど小さくするこ
とができる。そこで、このような低検出レベル領域を小
さくする(傷信号の検出レベル分布を平坦化する)た
め、図12に示すような二段型の自己誘導型のマルチコイ
ル型渦電流探傷プローブ20cが提案されている。このマ
ルチコイル型渦電流探傷プローブ20cは、複数(ここで
は9個)の励磁兼検出コイル59f〜59nが探傷プローブ20
cの移動方向に二列(二段)に並べられて構成されてお
り、前方の一段目の励磁兼検出コイル59f〜59iと、後方
の二段目の励磁兼検出コイル59j〜59nとを、幅方向(マ
ルチコイル型渦電流探傷プローブ20cの移動方向と直交
する方向)にずらして並べることにより、励磁兼検出コ
イル59f〜59nの幅方向での各相互間を短くして傷信号の
検出レベル分布を平坦なものとしている。
ところで、傷の形状を直観的に且つ正確に評価するに
は、図13に示すような鳥瞰図を作成することが有効であ
る。図13においては、X軸及びY軸は試験体10の平面位
置を示し、Z軸は、各XY座標において、マルチコイル型
渦電流探傷プローブにより検出された検出値のレベルを
示す。しかし、このような鳥瞰図をマルチコイル型渦電
流探傷プローブ20cの検出結果に基づいて作成すること
は非常に困難である。
つまり、二段型のマルチコイル型渦電流探傷プローブ
20cは、励磁兼検出コイル59f〜59nを、マルチコイル型
渦電流探傷プローブ20cの移動方向に対して二段に並べ
て構成されているため、一段目の励磁兼検出コイル59f
〜59iと、二段目の励磁兼検出コイル59j〜59nとは、同
時刻において、移動方向において異なる位置の検出を行
なう(検出位置にずれがある)ことになる。図13に示す
ような鳥瞰図を作成するためには、試験体10の平面位置
と、その平面位置での検出値との対応が重要となるた
め、検出位置のずれを考慮して検出値を位置補正する必
要があるが、探傷プローブ20cの移動速度にも変動が発
生するため、かかる検出位置のずれにも変動が生じ、検
出値の位置補正を正確に行なうことは非常に困難なもの
となってしまうのである。
発明の開示 本発明の目的は、傷を正確に検出できるようにした、
渦電流探傷プローブを提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の渦電流探傷プロ
ーブは、同一平面上に線対称に並べられ、交流磁場を発
生させて試験体に渦電流を発生させる同一の2個の励磁
コイルと、いずれも単一のコイルであって、同一平面上
に線対称に並べられ、同相に配置され差動接続された同
一の2個の検出コイルとをそなえ、上記2個の検出コイ
ルの対称中心線上の中心部と上記2個の励磁コイルの対
称中心線上の中心部とが該試験体に向かって見た平面視
上で同一又はほぼ同一の位置となるように、且つ、上記
の2個の検出コイルの対称中心線と上記の2個の励磁コ
イルの対称中心線とを交差させるように、上記2個の検
出コイル及び上記2個の励磁コイルが配置され、上記2
個の検出コイルの各相互間で該渦電流によって生じる電
圧差に基づいて該試験体上の傷を検出するように構成さ
れる。
このように構成することにより、各検出コイルと試験
体との距離に差がある場合においても、渦電流により発
生して各検出コイルに作用する磁束の和は等しくなる。
したがって、各検出コイルと試験体とが互いに平行な状
態を保ちつつ移動する平行リフトオフ変化だけでなく、
各検出コイルと試験体との距離に差が生じる斜めリフト
オフ変化が発生しても、該磁束に起因して各検出コイル
の各相互間に生じる電圧差に基づいて、試験体上の傷を
正確に検出できるという利点がある。
さらに、該試験体に生じる傷が製作工程などから所定
方向に沿って生じることが予想される場合には、該対称
中心線上に発生した渦電流が該所定方向に対して斜め方
向になるように、上記の2個の励磁コイルを位置設定す
ることが望ましい。
このように構成することにより、励磁コイルが、試験
体上の傷の方向に対して斜め方向に渦電流を発生させる
ように設定されているので、試験体上の傷が効果的に渦
電流に影響を及ぼすようにして、試験体上の傷を一層正
確に検出できるという利点がある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、該2個の検
出コイルを接続され該2個の検出コイルの相互間に該渦
電流によって生じる該電圧差をキズ信号として取り出す
ブリッジ回路がそなえられていることが望ましい。
このように構成することにより、ブリッジ回路によ
り、自動で傷を検出できるという利点がある。
また、本発明の渦電流探傷プローブは、交流磁場を発
生させ、試験体に線対称に並ぶように同一の2個の渦電
流を発生させる励磁コイルと、いずれも単一のコイルで
あって、同一平面上に線対称に並べられ、同相に配置さ
れ差動接続された同一の2個の検出コイルとをそなえ、
上記2個の検出コイルの対称中心線上の中心部と上記2
個の渦電流の対称中心線上の中心部とが該試験体に向か
って見た平面視上で同一又はほぼ同一の位置となるよう
に、且つ、上記の検出コイルの対称中心線と上記2個の
渦電流の対称中心線とを交差させるように、上記2個の
検出コイル及び該励磁コイルが配置され、上記2個の検
出コイルの各相互間で該渦電流によって生じる電圧差に
基づいて該試験体上の傷を検出するよう構成されてい
る。
したがって、請求項4に係る本願の発明によれば、請
求項1記載の渦電流探傷プローブと同様の効果が得られ
る利点がある。
本発明の渦電流探傷プローブは、交流磁場を発生させ
て試験体に渦電流を発生させる複数の励磁コイルと、上
下二層に重ねられて一列に並べられた複数の薄膜状の検
出コイルとをそなえ、該試験体上の傷を検出するように
構成される。
このように構成することにより、上下二層に重ねられ
て一列に並べられた複数の薄膜状の検出コイルとをそな
えているので、上層の検出コイルの検出値と、下層の検
出コイルの検出値との間で、上下方向及び渦電流探傷プ
ローブの移動方向(列と垂直方向)に関して位置補正は
不要となって、試験体上の傷を正確に検出できるという
利点がある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、上記の複数
の薄膜状の検出コイルは、上層と下層とで略半ピッチだ
けずれて配置されていることが望ましい。
このように構成することにより、複数の薄膜状の検出
コイルが、上層と下層とで略半ピッチだけずれて配置さ
れているので、複数の検出コイルの各相互間を狭くし
て、渦電流探傷プローブ全体としての検出感度分布を平
坦化することができ、これにより、試験体上の傷を一層
正確に検出できるという利点がある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、上記の上層
と下層との上下相互間に、薄膜状の絶縁層が介装されて
いることが望ましい。
このように構成することにより、上層と下層との上下
相互間に薄膜状の絶縁層が介装されているので、上層の
検出コイルと下層の検出コイルとが影響を及ぼしあうよ
うなことが防止されて、試験体上の傷を一層正確に検出
できるという利点がある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、該絶縁層
に、上記の下層の各検出コイルの信号線を引き出すため
の導通穴が設けられていることが望ましい。
このように構成することにより、下層の検出コイルの
信号線は、絶縁層に設けられた導通穴から上方に引き出
されるので、検出コイルの下方において信号線に取られ
るスペースが不要となって、この分、渦電流探傷プロー
ブを試験体に近接させることができるので、傷信号の減
衰が抑制され、これにより、試験体上の傷を一層正確に
検出できるという利点がある。また、導通性のある信号
線を、試験体と下層の検出コイルとの間に設けないの
で、検出コイルによる検出精度を低下させないという利
点もある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、上記の各励
磁コイルが、いずれも該試験体の表面に対して略垂直に
起立するように配置された軸方向長の短い円形コイルで
構成され、上記の複数の励磁コイルが、上記の複数の薄
膜状の検出コイルの上方に、列状に並べられていること
が望ましい。
このように構成することにより、各励磁コイルが、い
ずれも試験体の表面に対して略垂直に起立するように配
置された軸方向長の短い円形コイルで構成され、複数の
励磁コイルが、複数の薄膜状の検出コイルの上方に、列
状に並べられているので、空間的に密なプローブ構成を
実現して効率良い励磁を行なうことができるという利点
がある。また、渦電流探傷プローブを小サイズ化して、
操作性を向上させることができるという利点がある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、上記の各励
磁コイルが、上記の複数の励磁コイルの列方向に対し
て、斜めに傾けて配置されていることが望ましい。
このように構成することにより、各励磁コイルが、複
数の励磁コイルの列方向に対して、斜めに傾けて配置さ
れているので、さらに渦電流探傷プローブを小サイズ化
して、操作性を一層向上させることができるという利点
がある。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、上記の複数
の励磁コイルのうち互いに隣接している励磁コイルには
同時に電圧が印加されないようにすることが望ましい。
このように構成することにより、複数の励磁コイルの
うち互いに隣接している励磁コイルには同時に電圧が印
加されない。したがって、同時に近接して渦電流が発生
してこれらの渦電流が互いに影響を及ぼし合うことを防
止することができるので、これにより、試験体上の傷を
一層正確に検出できるという利点がある。
なお、上記の各励磁コイルへの電圧の印加は、パルス
状に行なうことが望ましい。
さらに、本渦電流探傷プローブにおいて、該渦電流探
傷プローブが、該試験体上を、上記の複数の薄膜状の検
出コイルの列方向に対して垂直方向に向けて該試験体の
表面に沿って移動して、該試験体の表面の傷を検出する
ようにすることが望ましい。
このように構成することにより、渦電流探傷プローブ
が、試験体上を、複数の薄膜状の検出コイルの列方向に
対して垂直方向に向けて試験体の表面に沿って移動する
ので、広い範囲での探傷を容易に行なうことができると
いう利点がある。
図面の簡単な説明 図1(a)は、本発明の第1実施形態としての渦電流
探傷プローブの本体構成を模式的に示す図である。
図1(b)は、本発明の第1実施形態としての渦電流
探傷プローブの本体要部の平面視上での位置関係を示す
図である。
図1(c)は、本発明の第1実施形態としての渦電流
探傷プローブにおいて試験体に傷が無い場合の渦電流の
状態を示す図である。
図1(d)は、本発明の第1実施形態としての渦電流
探傷プローブにおいて試験体に傷がある場合の渦電流の
状態を示す図である。
図2は、本発明の第1実施形態としての渦電流探傷プ
ローブのブリッジ回路及び検出コイルの回路構成を示す
図である。
図3は、本発明の第1実施形態としての渦電流探傷プ
ローブの渦電流,鎖交磁束,励磁コイル,検出コイルの
位置関係を示す図であり、一点鎖線は試験体に向かって
見た平面視上での検出コイルの位置を示し、二点鎖線は
かかる平面視上での励磁コイルの位置を示している。
図4(a)は、本発明の第1実施形態にかかる渦電流
探傷プローブに用いられる平面型励磁コイルを示す図で
ある。
図4(b)は、矩形型励磁コイルを示す図である。
図4(c)は、円形型励磁コイルを示す図である。
図5(a)は、本発明の第2実施形態としての渦電流
探傷プローブの構成を示す模式的な平面図である。
図5(b)は、本発明の第2実施形態としての渦電流
探傷プローブの構成を示す模式的な正面図であり、上下
方向に拡大して示す図である。
図5(c)は、本発明の第2実施形態としての渦電流
探傷プローブの構成を示す正面視に応じた模式的な要部
断面図であり、上下方向に大幅に拡大して示す図であ
る。
図6は、本発明の第2実施形態としての渦電流探傷プ
ローブの検出の感度分布を示す図である。
図7(a)は、従来の渦電流探傷プローブの模式的構
成図で、アブソリュート型且つ自己誘導型の渦電流探傷
プローブを示す図である。
図7(b)は、従来の渦電流探傷プローブの模式的構
成図で、アブソリュート型且つ相互誘導型の渦電流探傷
プローブを示す図である。
図7(c)は、従来の渦電流探傷プローブの模式的構
成図で、ディファレンシャル型且つ自己誘導型の渦電流
探傷プローブを示す図である。
図7(d)は、従来の渦電流探傷プローブの模式的構
成図で、ディファレンシャル型且つ相互誘導型の渦電流
探傷プローブを示す図である。
図8は、従来のディファレンシャル型渦電流探傷プロ
ーブの課題を示すための図である。
図9は、従来の自己誘導型且つ一段型のマルチコイル
型渦電流探傷プローブの構成を示す模式的な斜視図であ
る。
図10は、従来の相互誘導型且つ一段型のマルチコイル
型渦電流探傷プローブの構成を示す模式的な斜視図であ
る。
図11(a)は、従来の自己誘導型且つ一段型のマルチ
コイル型渦電流探傷プローブの励磁兼検出コイルと傷と
の位置関係を示す模式的な平面図である。
図11(b)は、従来の自己誘導型且つ一段型のマルチ
コイル型渦電流探傷プローブの励磁兼検出コイルにより
検出された検出信号の振幅(検出感度分布)を示す図で
ある。
図12は、従来の自己誘導型且つ二段型のマルチコイル
型渦電流探傷プローブの構成を示す模式的な斜視図であ
る。
図13は、渦電流探傷プローブの検出値に基づいて作成
された試験体の傷形状を示す鳥瞰図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、図面により、本発明の実施の形態について説明
する。
まず、第1実施形態について説明すると、図1(a)
〜図4(c)は本発明の第1実施形態としての渦電流探
傷プローブについて示すもので図1(a)〜図1(d)
はその本体及び渦電について示す図であり、図2はその
ブリッジ回路及び検出コイルの回路構成を示す図であ
り、図3はその渦電流,鎖交磁束,励磁コイル,検出コ
イルの位置関係を示す図であり、図4(a)〜図4
(c)は、それぞれ励磁コイルの方式を示す図である。
本実施形態の渦電流探傷プローブは、試験体10上を移
動しながら、下方に位置する試験体10の部位に傷11があ
れば、これを検出するもので、図1(a)に示すよう
に、交流磁場を発生させて試験体10上に渦電流12を発生
させる励磁コイル2と、同相に配置され差動接続される
いずれも単一のコイルであって同一の一対の(2個の)
検出コイル1a,1bと、この検出コイル1a,1bに接続される
ブリッジ回路4とをそなえて構成されて、励磁コイル2
には励磁コイル2に交流電流を供給する発振器3が接続
されている。また、1対の検出コイル1a,1bは、試験体
(平板状の被検査体)10から等距離だけ離隔するように
配置される。
ここで、本渦電流探傷プローブの回路の構成を説明す
ると、図2に示すように、差動接続されている1対の検
出コイル1a,1bがブリッジ回路4に接続されており、検
出コイル1a,1bに発生する電圧が異なると、ブリッジ回
路4からキズ信号が出力されるようになっている。
また、励磁コイル2は、同一の1対のコイル2a,2bを
同一平面上に線対称に並べて配置したものであり、これ
により、図1(a),図1(c)及び図1(d)に示す
ように、隣接して互いに対称な1対の渦電流12a,12bを
形成し、特に、コイル2a,2bの対称中心線上にこれらの
渦電流12a,12bが加算されて強い渦電流12を発生させる
ようにしている。
また、励磁コイル2は、図1(d)に示すように、試
験体10の表面に傷がある場合に想定される傷の方向に対
して、渦電流12の流れが斜め方向になるような向きに配
設される。これは、本渦電流探傷プローブの検出原理に
応じたものである。つまり、本渦電流探傷プローブで
は、図1(d)に示すように試験体10の表面の傷11が渦
電流12の外乱となって渦電流12が変化することを利用し
て、傷11を検出するものであり、傷11が渦電流12の流れ
に沿った(傷11が渦電流12と平行である)ものでは、顕
著な外乱として渦電流12に作用しにくいためである。ま
た、試験体10の表面の傷の方向は、試験体10の製作工程
などから適宜に想定することができる。
ところで、検出コイル1a,1bは、図1(a)に示すよ
うに、互いに隣接し且つ試験体10に平行になるような同
一平面上に線対称に配置されており、図1(b)に示す
ように、平面視において、この検出コイル1a,1bの対称
中心線CL1と励磁コイル2の中心線(励磁コイル2a,2bの
対称中心線)CL2とが、互いに直交するように配置され
ている。しかも、検出コイル1a,1bの中心部(対称中心
線CL1上に存在する)C1と励磁コイル2の中心部(対称
中心線CL2上に存在する)C2とが、平面視において一致
するように配置されている。
渦電流12は、平面視(図1(b))において、試験体
10表面の励磁コイル2の中心線CL2上に生じ、特に、励
磁コイル2の中心部C2付近では渦電流12が確実に生じる
が、検出コイル1a,1bの中心部C1は、この渦電流12の最
も確実に生じる箇所の直上に配置されていることにな
る。
なお、ここでは、検出コイル1a,1bの対称中心線CL1と
励磁コイル2の中心線CL2とが、平面視において互いに
直交しているが、両者は互いに直交しなくても交差すれ
ばよい。また、検出コイル1a,1bの中心部C1と励磁コイ
ル2の中心部C2とが、平面視において一致しているが、
これらは必ずしも一致する必要はなく互いに接近してい
ればよい。ただし、検出を容易に且つ精度よく行なうに
は、本実施形態のような設定が望ましい。
本発明の第1実施形態としての渦電流探傷プローブは
このように構成されているので、図3に示すように、コ
イル2a,2bの配置に応じて、試験体10上には1対の渦電
流12a,12bが形成され、また、渦電流12aから矢印F11,F1
2で示す上向きの鎖交磁束が、渦電流12bからは矢印F13,
F14で示す下向きの鎖交磁束が発生する。ここで、検出
コイル1a,1bは、平面視において励磁コイル2と、その
中心を一致させるとともに、検出コイル1a,1bの向き
(対称中心線CL1の向き)は、コイル2a,2bの向き(対称
中心線CL2の向き)と直交するようにして配置されてい
るので、検出コイル1a,1bと渦電流12a,12bとの位置関係
もこれと同様になる。すなわち、検出コイル1a,1bは、
平面視において渦電流12a,12bとその中心を一致させる
とともに、検出コイル1a,1bの向き(対象中心線CL1の向
き)は、渦電流12a,12bの向き(対象中心線CL2の向き)
と直交するようになるのである。
したがって、各検出コイル1a,1bには、その一方(図
3中の左半分)には矢印F11,F12で示すような上向きの
鎖交磁束が、他方(図3中の右半分)には矢印F13,F14
で示すような下向きの鎖交磁束が作用する。つまり、各
検出コイル1a,1bには、左右で互いに逆方向の鎖交磁束
が作用することになる。
そして、試験体10上に傷が無い場合には渦電流12a,12
bに外乱が作用しない(図1(c)参照)ので、各検出
コイル1a,1bに作用する鎖交磁束に差はなく、この鎖交
磁束に応じて各検出コイル1a,1bに生じる電圧にも差が
生じない。このため、ブリッジ回路4からはキズ信号が
発生しない。一方、試験体10上に傷11がある場合には渦
電流12a,12bに外乱が生じる(図1(d)参照)ので、
渦電流12a,12bによって発生する鎖交磁束も不均一な分
布となって、各検出コイル1a,1bに作用する鎖交磁束の
和に差が生じ、したがって各検出コイル1a,1bに生じる
電圧に差が生じ、この電圧差によってブリッジ回路4か
らキズ信号が出力されるのである。
また、本渦電流探傷プローブによれば、リフトオフ変
化によるリフトオフ信号も生じない。
つまり、平行リフトオフ変化については、各検出コイ
ル1a,1bと試験体10との距離が等しいので、各検出コイ
ル1a,1bに作用する鎖交磁束の和は必ず0になる。この
ため、各検出コイル1a,1bに生じる電圧に差が生じるこ
とはなく、リフトオフ信号は発生しない。
また、斜めリフトオフ変化についてもリフトオフ信号
が生じないか又は生じても無視できる程度になる。以下
に、図中のx軸,y軸,a軸,b軸を中心とした検出コイル1
a,1bの回転による斜めリフトオフ変化を例にとって、こ
の順で説明していく。
まず、x軸を中心に矢印Aで示す方向に両検出コイル
1a,1bを回転させた場合、試験体10に近づくほど鎖交磁
束は大きくなる性質を有するので、下向きの鎖交磁束F1
3,F14がいずれも大きくなり、上向きの鎖交磁束F11,F12
がいずれも小さくなる。したがって、鎖交磁束の和は下
向きになる。しかし、両検出コイル1a,1bとも鎖交磁束
の和が下向きになり、その鎖交磁束の大きさも等しいの
で、互いに差動接続された各検出コイル1a,1bに発生す
る電圧は等しいものになり、リフトオフ信号は発生しな
い。
次に、y軸を中心に矢印Bで示す方向に両検出コイル
1a,1bを回転させた場合、検出コイル1aに作用する鎖交
磁束F11,F13がいずれも小さくなり、検出コイル1bに作
用する鎖交磁束F12,F14がいずれも大きくなる。しか
し、鎖交磁束F11と鎖交磁束F13とは、回転させても、向
きが反対であり且つ大きさは等しいので、検出コイル1a
に作用する鎖交磁束の和は0になる。同様に検出コイル
1bに作用する鎖交磁束の和も0である。このためリフト
オフ信号は発生しない。
そして、両検出コイル1a,1bをa軸を中心に矢印Cで
示す方向に回転させた場合、下向きの鎖交磁束F14が大
きくなり、上向きの鎖交磁束F11が小さくなり、鎖交磁
束の和は下向きになる。しかし、両検出コイル1a,1bと
も鎖交磁束の和が下向きになり、その鎖交磁束の大きさ
の差も小さいので、互いに差動接続された検出コイル1
a,1bからはリフトオフ信号は僅かしか発生しない。
また、両検出コイル1a,1bをb軸を中心に矢印Dで示
す方向に回転させた場合、上向きの鎖交磁束F11,F12が
大きくなり、下向きの鎖交磁束F13,F14が小さくなり、
鎖交磁束の和は上向きになる。しかし、両検出コイル1
a,1bとも鎖交磁束の和が上向きになり、その鎖交磁束の
大きさの差も小さいので、互いに差動接続された検出コ
イル1a,1bからはリフトオフ信号は僅かしか発生しな
い。
したがって、本渦電流探傷プローブによれば、以下の
ような効果が得られる。
つまり、試験体10表面上に傷がある場合、検出コイル
1a,1bに電圧差が生じて、これをブリッジ回路4により
キズ信号として検出することができる。
また、平行リフトオフ変化や斜めリフトオフ変化が生
じても、このリフトオフ変化の影響によって検出コイル
1a,1bにキズ信号に近いレベルの電圧差(リフトオフ信
号)が生じることはない。
したがって、平行リフトオフ変化および斜めリフトオ
フ変化が発生しても、傷を正確に検出できるという利点
がある。
なお、本実施形態では、励磁コイルに、図4(a)に
示す2つの平面型のコイルを隣接した型(平面型励磁コ
イル)を使用しているが、例えば、図4(b)に示す矩
形のコイルを渦電流が発生される媒体に垂直となるよう
に設置する型(矩形型励磁コイル)や、図4(c)に示
す円形のコイルを渦電流を発生させる媒体に垂直となる
ように設置する型(円形型励磁コイル)等を用いてもよ
い。
また、ブリッジ回路4の代わりに例えば電圧計を設け
て、作業者がこの電圧計により検出コイル1a,1b間の電
圧差を監視することで傷2を検出するようにしてもよ
い。
また、上述のように渦電流探傷は、プローブを試験体
10の表面に沿って移動させながら行なうことになるが、
本実施形態の渦電流探傷プローブを、複数組一列に並べ
てマルチコイル型渦電流探傷プローブを構成し、一度に
広い範囲での探傷を行なえるようにしてもよい。
次に、第2実施形態について説明すると、図5(a)
〜図5(c),図6は本発明の第2実施形態としての渦
電流探傷プローブについて示すもので、図5(a)〜図
5(c)はその構成を示す模式図であり、図6はその検
出感度分布を示す図である。
本実施形態の渦電流探傷プローブは、マルチコイル型
渦電流探傷プローブであり、図5(a)〜図5(c)に
示すように、上下二層に重ねられて一列に並べられた複
数(ここでは8個)の薄膜状の検出コイル21a〜21hと、
検出コイル21a〜21hの上方に列状に並べて配設される複
数(ここでは8個)の励磁コイル22a〜22hとをそなえて
構成されており、渦電流探傷プローブを図5(a)中に
矢印A4で示す方向に移動させることにより試験体10の探
傷(傷の検出)を行なうようになっている。
なお、各検出コイル21a〜21h及び各励磁コイル22a〜2
2hを特に区別して説明する必要のない場合には、以降、
単に検出コイル21,励磁コイル22という。
励磁コイル22についてさらに詳しく説明する。各励磁
コイル22a〜22hは、軸方向長の短い円形コイル(図4
(c)参照)により構成され、図5(b)に示すよう
に、その円が試験体10上に略垂直に起立するように設置
される。また、各励磁コイル22a〜22hは、図5(a)に
示すように、いずれも試験体10と垂直な軸心線回りに等
角度だけ回転した状態になっており、励磁コイル22a〜2
2hの列方向に対して、その円形面が斜めに傾くように配
設されている。このように各励磁コイル22a〜22hを、そ
の円が試験体10上に略垂直に起立するように且つ斜めに
傾くように配設すると、空間的に密なプローブ構成を実
現でき、効率良い励磁を行なうことができ、また、各励
磁コイル22a〜22hを、その円形面が列方向に対して垂直
となるように配設した場合に比べ、渦電流探傷プローブ
移動方向での寸法を短くして小サイズ化を図ることもで
きる。
また、各励磁コイル22a〜22hには、図示しない発振器
が接続されており、この発振器から各励磁コイル22a〜2
2hに電圧が印加されると、各励磁コイル22a〜22hは、試
験体10に渦電流を発生させるようになっている。
そして、隣接した各励磁コイル22,22により同時に渦
電流12を発生させると、これらの渦電流12,12が互いに
影響を与えてしまうため、隣接した各励磁コイル22,22
が同時に渦電流12を発生しないようにする必要がある。
ここでは、各励磁コイル22a〜22hにはパルス状に電圧を
印加するようにして、隣接している励磁コイル22には同
時に電圧を印加しないように設定している。
次に、検出コイル21について説明する。励磁コイル22
に電圧を印可すると、励磁コイル22の作用により試験体
10上に渦電流が発生する。そして、試験体10上に傷があ
ると、この傷の影響を受けて渦電流の状態が変化し、こ
れにより、検出コイル21には電圧が誘起される。検出コ
イル21は、信号線24a(図5(c)に、検出コイル21hの
片側分のみ示す)を介して検出装置(図示略)が接続さ
れており、検出コイル21に発生する電圧を、傷の形状を
示す信号として検出することができるようになってい
る。
また、検出コイル21a〜21hは、上述したように上下2
層に重ねられている。そして、図5(b),図5(c)
に示すように、上層検出コイル21a〜21dと、下層検出コ
イル21e〜21hとは、互いに近接しているので、これらの
上層検出コイル21a〜21dと下層検出コイル21e〜21hとが
互いに影響を及ぼし合わないように、上層検出コイル21
a〜21dと下層検出コイル21e〜21hとの間には、絶縁フィ
ルム(薄膜状の絶縁層)23が設けられており、各検出コ
イル21a〜21hは、絶縁フィルム23上に被覆された螺旋状
の薄膜の金属により構成されている。なお、検出コイル
21a〜21h及び絶縁フィルム23は極めて薄いものなので、
実際の厚みのまま図示することは困難であるため、図5
(b)では上下方向(厚み方向)に拡大し、図5(c)
では上下方向にさらに大きく拡大して示している。
検出コイル21に発生する信号は、検出コイル21と傷と
の距離(リフトオフ)に応じて変化してしまうが、上述
のように、上層検出コイル21a〜21d,下層検出コイル21e
〜21h及び絶縁フィルム23をいずれも薄膜状に形成して
重ね合わせているので、上層検出コイル21a〜21dと、下
層検出コイル21e〜21hとの間にリフトオフ差が殆ど生じ
ないようになっている。
また、図5(c)に示すように、絶縁フィルム23及び
上層検出コイル21a〜21dには、下層検出コイル21e〜21h
から検出信号を取り出すための複数の導通穴24が設けら
れている(図5(b)では図示略)。上述したように検
出コイル21は螺旋状の薄膜の金属により構成されてお
り、各導通穴24は、上層検出コイル21a〜21dを形成する
螺旋状の金属間の隙間に配置され、又、各導通穴24は、
絶縁フィルム23に穴をあけ、内部に導通金属を付着する
ことにより形成される。
なお、導通穴24のうち上層検出コイル21a〜21d側に延
設される部分は、予め、絶縁フィルム23の上面の導通穴
形成箇所に、上層検出コイル21a〜21dの高さに応じたパ
ッド(図示略)を設けておいて、絶縁フィルム23の穴あ
け及び穴内への金属付着時に同時に加工される。
このような導通穴24の上端は、上層検出コイル21a〜2
1dの上面に達するので、各下層検出コイル21e〜21hの信
号線24a(検出コイル21hの片側分のみ示す)の一端を、
これらの複数の導通穴24の上部に容易に接続することが
できる。また、信号線24aの他端は図示しない検出回路
等に接続される。なお、導通穴24の内周面への金属付着
は、真空蒸着或いはメッキを施すことにより行なわれ
る。
一般に、各下層検出コイル21e〜21hの信号線24aを下
方に引き出すようにすると、下層検出コイル21e〜21hの
下方に、この信号線分のスペースが必要となるが、信号
線を導通穴24から上方に引き出すようにすることで、こ
のスペースが不要となって、この分、検出コイル21a〜2
1hを、試験体10に近接させることができるようになって
いるのである。また、導通性のある信号線24aを、試験
体10と下層検出コイル21e〜21hとの間に設けないので、
検出コイル21による検出精度を低下させないようにもな
っている。
なお、導通穴24に導通性の金属を充填することができ
れば、導通穴24内に金属を充填して、この金属と信号線
24aとを接続することにより、下層検出コイル21e〜21h
が上層側で信号線24aと接続しうるように構成して、よ
り導通性を高めてもよい。
また、上層検出コイル21a〜21dと、下層検出コイル21
e〜21hとは、半ピッチずらして配列されている。図6
は、図5(a)〜図5(c)に示す検出コイル21a,21e,
21fに着目して、その検出感度分布を示す図であり、横
軸は、検出コイル21aの軸心線CLaからの距離Lを示し、
縦軸は、横軸の示す位置に傷があった場合に、検出コイ
ル21a,21e,21fにより検出される信号振幅(信号レベ
ル)LVを示す。各曲線La,Le,Lfは、検出コイル21a,21e,
21fの検出感度分布を示す。検出コイル21eは、傷が検出
コイル21eの直下にあるとき、つまり、検出コイル21eの
軸心線CLe上に傷がある時、信号レベルは最大になり、
したがって、検出コイル21eの検出感度分布曲線Leは、
軸心線CLe上で最大となる。同様に、検出コイル21aの検
出感度分布曲線Laは、検出コイル21aの軸心線CLa上で最
大となり、検出コイル21fの検出感度分布曲線Lfは、検
出コイル21fの軸心線CLf上で最大となる。
検出コイル21e,21fの上に検出コイル21aを半ピッチず
らして重ねることにより、例えば、下層の検出コイル21
eの検出感度分布曲線Leと検出コイル21fの検出感度分布
曲線Lfとの間の谷間を、上層の検出コイル21aが、検出
感度分布曲線Laで示すようにカバーして、渦電流探傷プ
ローブとしての低検出レベル領域を縮小化している。つ
まり、下層検出コイル21e,21f間に生じる低検出レベル
領域を、上層の検出コイル21aの高検出レベル領域によ
り検出して、検出感度分布を平坦化しているのである。
なお、このように、検出コイルを上下2層に配置する
場合、上層と下層とで半ピッチずらすことが検出信号レ
ベルを万遍なく高めるのに有利であるが、半ピッチに近
い程度ずらせば、ある程度の効果はある。
本発明の第2実施形態としての渦電流探傷プローブ
は、上述のように構成されているので、図5(a)に示
すように、渦電流探傷プローブを、試験体10上におい
て、図中にA4で示す方向に移動させることにより、試験
体10表面の探傷を行なう。各励磁コイル22a〜22hには、
図示しない発振器からパルス状に電圧が印加され、電圧
の印加に応じて、試験体10に渦電流が発生する。試験体
10上に傷があると、この傷の影響を受けて渦電流の状態
が変化して各検出コイル21a〜21hには電圧が誘起される
ので、この電圧を、各検出コイル21a〜21hに接続された
図示しない検出装置により監視することで、傷を検出で
きる。
そして、本渦電流探傷プローブによれば、検出コイル
21a〜21hは上下2層に重ねられ、上層検出コイル21a〜2
1dと下層検出コイル21e〜21hとは半ピッチずらして配列
されているので、下層検出コイル21e〜21hの各相互間に
生じる低検出レベル領域を、上層検出コイル21a〜21dの
高検出レベル領域により検出することができ、このよう
な検出感度分布の平坦化により傷を正確に検出すること
ができるという利点がある。
また、上層検出コイル21a〜21dと、下層検出コイル21
e〜21hとは、プローブの移動方向にずれることなく上下
に重合して一列に配置されるので、渦電流探傷プローブ
の移動方向に関して同一位置のデータ(検出値)を上層
と下層とで同時に得ることができるので、上層検出コイ
ル21a〜21dのデータと下層検出コイル21e〜21hのデータ
との間で、位置補正が不要となって、図13に示すような
傷形状を表す鳥瞰図の作成を容易に行なうことができる
という利点がある。
また、上層検出コイル21a〜21d,下層検出コイル21e〜
21h及び絶縁フィルム23をいずれも薄膜状に形成して重
ね合わせているので、上層検出コイル21a〜21dと、下層
検出コイル21e〜21hとの間でリフトオフ差が殆ど生じる
ことがなく、このような観点からも、上層検出コイル21
a〜21dのデータと下層検出コイル21e〜21hのデータとの
間で位置補正が不要であるという利点がある。
さらに、信号線を導通穴24から上方に引き出すように
することで、下層検出コイル21e〜21hの下方に信号線24
aのスペースを取られることがないので、この分、検出
コイル21a〜21hを、試験体10(傷)に近接させることが
できる。検出コイル21a〜21hと傷との距離が大きいほ
ど、検出コイル21a〜21hで検出される検出信号(傷信
号)は減衰してしまうが、このように検出コイル21a〜2
1hを、試験体10(傷)に近接させることができるので、
かかる検出信号の減衰を抑制することができるという利
点がある。また、導通性のある信号線24aを、試験体10
と下層検出コイル21e〜21hとの間に設けないので、検出
コイル21による検出精度を低下させないという利点もあ
る。
また、各励磁コイル22a〜22hには、パルス状に電圧を
印加して、隣接している励磁コイル22に同時に電圧を印
加させないようにしている。したがって、渦電流が近接
して発生して、互いに影響を及ぼしあうようなことを防
止することができ、ひいては、渦電流の変化に応じて検
出コイル21により検出される傷信号が、不要な外乱を受
けないようにすることができ、検出精度を確保すること
ができるという利点がある。
また、各励磁コイル22a〜22hをその円が試験体10上に
略垂直に起立するように且つ列方向に対して斜めに傾く
ように配設することにより、空間的に密なプローブ構成
を実現できるので、効率良い励磁を行なうことができる
という利点がある。また、このように各励磁コイル22a
〜22hを配置することで渦電流探傷プローブを小サイズ
化できるので、操作性を向上させることができるという
利点もある。
なお、上述の実施形態では、検出コイル21を二層に重
ねているが、検出コイル21の層数はこれに限定されず、
例えば、三層に重ねても良い。この場合、検出コイル21
を、各層で三分の一ピッチずらして並べることが最も効
果的であるが、三分の一ピッチ近くずらすようにしても
ある程度の効果はある。
また、上述の実施形態では、励磁コイル22を円形コイ
ルで構成しているが、例えば、図4(b)に示すような
矩形コイル又は楕円形のコイルにより構成してもよい。
なお、本発明の渦電流探傷プローブは、上述の実施形
態のものに限定されない。例えば、上述の各実施形態で
は、平板の試験体10の探傷を行なうようにしているが、
パイプのような円筒形状の試験体の探傷を行なうことも
できる。この場合、例えば、渦電流探傷プローブ下で、
円筒形状の試験体をその軸心線を中心に回転させること
により、試験体の周面の探傷を行なうようにすればよ
い。
産業上の利用可能性 本発明は、各検出コイルと試験体とが互いに平行な状
態を保ちつつ移動する平行リフトオフ変化だけでなく、
各検出コイルと試験体との距離に差が生じる斜めリフト
オフ変化が発生しても、該磁束に起因して各検出コイル
の各相互間に生じる電圧差に基づいて、試験体上の傷を
検出でき、或いは、上下二層に重ねられて一列に並べら
れた複数の薄膜状の検出コイルをそなえているので、上
層の検出コイルの検出値と、下層の検出コイルの検出値
との間で、上下方向及び渦電流探傷プローブの移動方向
(列と垂直方向)に関して位置補正は不要となって、試
験体上の傷を容易にしかも正確に検出することができ
る。
したがって、本発明を、鉄鋼・非鉄材料の製造時にお
ける検査及び熱交換器の細管等などの各種プラントにお
ける保守検査等の非破壊検査に用いることにより、鉄鋼
・非鉄材料の製造品質を向上させたり、各種プラントに
おいては損傷に起因した事故を未然に防止することがで
き、本発明の有用性は極めて高いものと考えられる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−197493(JP,A) 特開 平9−33488(JP,A) 特開 平10−2883(JP,A) 特開 平5−142205(JP,A) 特開 平10−111279(JP,A) 特開 昭59−107258(JP,A) 特開 昭63−180850(JP,A) 実開 平7−34366(JP,U) 実用新案登録2577684(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 G01R 33/00 - 33/26 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一平面上に線対称に並べられ、交流磁場
    を発生させた試験体(10)に渦電流(12a,12b)を発生
    させる同一の2個の励磁コイル(2a,2b)と、 いずれも単一のコイルであって、同一平面上に線対称に
    並べられ、同相に配置され差動接続された同一の2個の
    検出コイル(1a,1b)とをそなえ、 上記2個の検出コイル(1a,1b)の対称中心線(CL1)上
    の中心部(C1)と上記2個の励磁コイル(2a,2b)の対
    称中心線(CL2)上の中心部(C2)とが該試験体(10)
    に向かって見た平面視上で同一又はほぼ同一の位置とな
    るように、且つ、上記の対称中心線(CL1)と対称中心
    線(CL2)とを交差させるように、上記2個の検出コイ
    ル(1a,1b)及び上記2個の励磁コイル(2a,2b)が配置
    され、 上記2個の検出コイル(1a,1b)の各相互間で該渦電流
    (12)によって生じる電圧差に基づいて該試験体(10)
    上の傷(11)を検出する ことを特徴とする、渦電流探傷プローブ。
  2. 【請求項2】該試験体(10)に生じる傷(11)が製作工
    程などから所定方向に沿って生じることが予想される場
    合には、 該対称中心線(CL2)上に発生した渦電流(12)が該所
    定方向に対して斜め方向になるように、上記の2個の励
    磁コイル(2a,2b)が位置設定される ことを特徴とする、請求項1記載の渦電流探傷プロー
    ブ。
  3. 【請求項3】上記2個の検出コイル(1a,1b)を接続さ
    れ上記2個の検出コイル(1a,1b)の相互間に該渦電流
    (12)によって生じる該電圧差をキズ信号として取り出
    すブリッジ回路(4)がそなえられている ことを特徴とする、請求項1又は2記載の渦電流探傷プ
    ローブ。
  4. 【請求項4】交流磁場を発生させ、試験体(10)に線対
    称に並ぶように同一の2個の渦電流(12a,12b)を発生
    させる励磁コイル(2)と、 いずれも単一のコイルであって、同一平面上に線対称上
    に並べられ、同相に配置され差動接続された同一の2個
    の検出コイル(1a,1b)とをそなえ、 上記2個の検出コイル(1a,1b)の対称中心線(CL1)上
    の中心部(C1)と上記2個の渦電流(12a,12b)の対称
    中心線(CL2)上の中心部(C2)とが該試験体(10)に
    向かって見た平面視上で同一又はほぼ同一の位置となる
    ように、且つ、上記の対称中心線(CL1)と対称中心線
    (CL2)とを交差させるように、上記2個の検出コイル
    (1a,1b)及び該励磁コイル(2)が配置され、 上記2個の検出コイル(1a,1b)の各相互間で該渦電流
    (12)によって生じる電圧差に基づいて該試験体(10)
    上の傷(11)を検出する ことを特徴とする、渦電流探傷プローブ。
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