JP3758315B2 - 渦流探傷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は渦流探傷装置に関し、特にマルチチャンネル型探傷装置において、探傷感度のバラツキを防止するための装置改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
渦流探傷装置は励磁コイルにより被探傷体たる鋼板等の表層に渦電流を生じさせ、鋼板表面の線状傷等による渦電流の変化に応じて検出コイルに現れる電圧変化より上記線状傷等の存在を検出するものである。この種の渦流探傷装置のうち、搬送される鋼板等の幅方向の探傷を効率良く行うために、検出コイルを鋼板等の幅方向へ複数並べた、いわゆるマルチチャンネル型探傷装置が知られている。その一例を図6に示し、矩形ブロック状のフェライト製コア体1には外周に励磁コイル4が巻回されるとともに、鋼板Pの表面に対向するコア体1の下面には、複数(図では3つ)の検出コイル3が一列に設けられている。各検出コイル3は公知のプリント配線により絶縁フィルム基板(図示略)上に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発明者の実験によると、上記従来の渦流探傷装置では、鋼板Pに生じる渦電流Eは、図6に示すように、コア体1下面の外周部に対向する鋼板領域に強く流れ、コア体1下面の内周部に対向する鋼板領域では殆ど流れない。したがって、図6の場合、コア体1下面の左右両端に設けた検出コイル3では十分な探傷感度が得られるが、中央に設けた検出コイル3では探傷感度が十分でない。なお、このことは、図7に示すコア体1直下の磁束分布からも明らかであり、コア体1の下面内周部に対応する下方位置では磁束密度が小さくなっている。なお、図7の磁束密度はその最大値を1.00とした相対値で示してある。
【0004】
そこで、例えば図8に示すように、鋼板の幅方向へ複数のコア体1を設けて、各コア体1の下面にそれぞれ励磁コイル5および検出コイル6をプリント配線により積層形成し、各励磁コイル5に順次通電を切り換えて互いに他の干渉を避けることにより、各コア体1の直下の鋼板に独立した渦電流を生じさせることが考えられる。これによると、検出コイル6間の探傷感度のバラツキはある程度抑えることができるが、切換回路を設ける必要があるため通電系が複雑化するとともに、各コア体1の設置位置が上下にずれると、やはり探傷感度に大きなバラツキを生じるおそれがある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するもので、励磁コイルへの通電系を複雑化させることなく、複数の検出コイル間の探傷感度のバラツキを効果的に抑えることができる渦流探傷装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、励磁コイル(2)により被探傷体(P)の表層に渦電流を生じさせ、被探傷体(P)表面の傷による渦電流(E)の変化に応じた検出コイル(3A〜3C)の電圧変化より傷の存在を検出する渦流探傷装置において、被探傷体(P)に対向するコア体(1)の端面に、励磁コイル(2)と検出コイル(3A〜3C)の対を複数配置するとともに、隣り合った励磁コイル(2)の極性を交互に異ならせ、かつ各励磁コイル(2)のコイル線(21)の密度をコイル外周部で密に、コイル内周部で疎にする。なお、励磁コイルと検出コイルの対は、プリント配線等により積層形成しても、あるいはコア体の端面に複数の突起部を形成して両コイルのコイル線を重ね巻きしても良い。
【0007】
本発明においては、隣り合った励磁コイルの極性を交互に異ならせてあるから、これら励磁コイルによって被探傷体表面に生じる渦電流は、隣り合うものの電流渦方向が逆になる。この結果、隣り合う渦電流はその境界域で互いに電流方向が一致するため、弱めあうことなく各励磁コイル直下の被探傷体表面にそれぞれ十分な強さの独立した渦電流が生じる。これにより、励磁コイルと対となった各検出コイルはほぼ同一かつ十分な感度で傷を検出することができ、検出コイル間の探傷感度のバラツキが解消される。本発明によれば、励磁コイルの全てに同時に通電することができるから、従来のように励磁コイルに順次切り換え通電する必要はなく、通電系の回路構成が簡素化される。また、各励磁コイルのコイル線の密度をコイル外周部で密に、コイル内周部で疎にしたから、各励磁コイル内の広い範囲で磁束密度が一様になり、励磁コイルと対となった各検出コイル内で、傷の位置による探傷感度のバラツキが解消される。
【0010】
【発明の実施の形態】
(参考例)図1に本発明の渦流探傷装置の斜視図を示す。図において、矩形ブロック状のフェライト製コア体1の、鋼板Pに対向する下面には、各3つの励磁コイル2が長手方向へ互いに位置をずらして三列設けられている。図2は上記コア体1の下面を下方から見たもので、各励磁コイル2の直下(図面の手前側)にはそれぞれ一対のコイル部31,32よりなる検出コイル3A〜3Cが設けられている。これら励磁コイル2および検出コイル3A〜3Cは、公知の構造によって絶縁フィルム基板(図示略)上にプリント配線により渦巻き状に成形されて(図1、図2では同心状に描いてある)積層されている。そして、各励磁コイル2は、図2のN、Sで示すように、隣り合うものの極性が交互に異ならせてある。極性を異ならせるためには、励磁コイル2の渦巻き方向を逆にするか、あるいは逆方向へ通電する。なお、本実施形態では、あらゆる方向の傷の検出を可能にするために、第1列および第2列の検出コイル3A,3Bのコイル部31,32は90°異なる方向へ斜めに形成してある。
【0011】
このように、隣り合う励磁コイル2の極性を交互に異ならせたことにより、各励磁コイル2によって鋼板P上に生じる渦電流Eは、図1に示すように、それぞれの励磁コイル2の直下で互いに逆方向の渦を描く(図は最も手前側の列の3つの励磁コイル2による渦電流のみを示す)。これらの渦電流はその境界域で互いに電流方向が一致するため互いに弱めあうことがなく、各励磁コイル2直下の渦電流はいずれも独立にほぼ同様の強さの渦を描く。したがって、いずれの検出コイル3A〜3Cにおいても探傷感度はほぼ等しくなり、複数の検出コイル3A〜3C間の探傷感度のバラツキが解消される。
【0012】
本参考例では更に、図3(A)に示すように、上記各励磁コイル2は、コイル線21がコイル外周部にのみ形成されている。このような励磁コイル2による磁束密度を、励磁コイル2直下の、コイルを横断するX−X´線上で測定したものを図3(B)に示す。図より明らかなようにコイル内周部の広い範囲で磁束密度がほぼ同程度の十分大きな値となっている。この結果、励磁コイル2のコイル内周部の広い範囲に対向する鋼板P上で、密度が大きく均一な渦電流が生じるから、各検出コイル3A〜3C毎にその直下の鋼板P上のいずれの位置に傷があっても十分な感度でこれを検出することができる。したがって、各検出コイル3A〜3C内での、傷の位置による探傷感度のバラツキも解消される。
【0013】
これに対して図5(A)に示す従来の励磁コイル2´のように、コイル線21がコイル全域に形成されているものでは、励磁コイル2´直下の、コイルを横断するZ−Z´線上で測定された磁束密度は、図5(B)に示すように、コイル中心部で最大値を示すとともに、これより外周部へ向かうにつれて急速に小さくなる。したがって、励磁コイル2´のコイル内周部に対向する鋼板P上に生じる渦電流の密度は均一とはならず、傷が各検出コイル3A〜3Cの中心部から外れると、十分大きな検出感度は得られない。
【0014】
このように、本参考例では、検出コイル間の探傷感度のバラツキのみならず、各検出コイル内の探傷感度のバラツキをも解消することができる。
【0015】
(本発明の実施形態)上記参考例のように励磁コイル2のコイル線21をコイル外周部にのみ形成するのに代えて、図4(A)に示すように、コイル線21を内周部で疎に、外周部で密になるように形成すれば、励磁コイル2直下の、コイルを横断するY−Y´線上で測定される磁束密度は、図4(B)に示すように、励磁コイル2のコイル内周部の広い範囲に対向する鋼板P上でさらに均一なものとなる。この結果、より均一な渦電流を得ることができるから、各検出コイル3A〜3C内での、傷の位置による探傷感度のバラツキをさらに小さくすることができる。
【0016】
上記参考例では、励磁コイルと検出コイルの対を幅方向へ位置をずらして三列設けたものについて説明したが、対の数が複数であれば、その配置は特に限定されない。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明の渦流探傷装置によれば、励磁コイルへの通電切り換えを要することなく、複数の検出コイル間の探傷感度のバラツキを効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例を示す、渦流探傷装置のコア体の斜視図である。
【図2】参考例を示す、コア体の下面の平面図である。
【図3】 参考例を示す、励磁コイルの平面図とその磁束密度分布のグラフである。
【図4】本発明の一実施形態における、励磁コイルの平面図とその磁束密度分布のグラフである。
【図5】従来の励磁コイルの平面図とその磁束密度分布のグラフである。
【図6】従来の渦流探傷装置のコア体の斜視図である。
【図7】従来の渦流探傷装置のコア体直下の磁束密度分布を示す立体グラフである。
【図8】従来の渦流探傷装置のコア体の分解斜視図である。
【符号の説明】
1…コア体、2…励磁コイル、21…コイル線、3A,3B,3C…検出コイル、E…渦電流、P…鋼板(被探傷体)。
Claims (1)
- 励磁コイルにより被探傷体の表層に渦電流を生じさせ、被探傷体表面の傷による渦電流の変化に応じた検出コイルの電圧変化より傷の存在を検出する渦流探傷装置において、被探傷体に対向するコア体の端面に、励磁コイルと検出コイルの対を複数配置するとともに、隣り合った励磁コイルの極性を交互に異ならせ、かつ各励磁コイルのコイル線の密度をコイル外周部で密に、コイル内周部で疎にしたことを特徴とする渦流探傷装置。
Priority Applications (1)
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JP18061597A JP3758315B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 渦流探傷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP18061597A JP3758315B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 渦流探傷装置 |
Publications (2)
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JP18061597A Expired - Lifetime JP3758315B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 渦流探傷装置 |
Country Status (1)
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- 1997-06-19 JP JP18061597A patent/JP3758315B2/ja not_active Expired - Lifetime
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