JP3340078B2 - 紙送り構体 - Google Patents

紙送り構体

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JP3340078B2
JP3340078B2 JP04520199A JP4520199A JP3340078B2 JP 3340078 B2 JP3340078 B2 JP 3340078B2 JP 04520199 A JP04520199 A JP 04520199A JP 4520199 A JP4520199 A JP 4520199A JP 3340078 B2 JP3340078 B2 JP 3340078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
等の紙搬送に好適な紙送り構体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタ等の紙送りローラは、
従来、ゴム製又は弾性樹脂で作製されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ゴム又は弾性樹脂製紙
送りローラは、経時劣化により搬送力(摩擦係数)が低
下し、又、長期使用によりローラ表面に紙粉が付着して
同様に搬送力が低下するため、紙粉除去シート等による
定期的清掃が必要になる等の不具合がある。更に、ゴム
の摩擦係数自体も十分大きくないため、市場からの搬送
力向上の要望に対しゴム製ローラでは十分応えることが
出来ない。
【0004】本発明の目的は、紙粉の付着や経時劣化が
なく、紙送り精度を維持し、且つ、搬送力に優れた紙送
り構体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る紙送り構体
は、所定長と高さの爪片と、前記爪片の直線状の上縁
と、前記上縁のコーナ部にあって一枚の紙のみに突き刺
さって搬送力を得るように上縁から所定高さで突出成形
された所定形状の先鋭な爪部と、前記爪部の下方の紙繊
維留め部とを有する紙送り爪を、帯状金属製薄板材の表
面に所定間隔又はランダムに複数個突出形成してなる紙
送りシートを、回転芯材に巻き付けて紙をローラ搬送
し、又は搬送ベルトに用いて紙をベルト搬送する
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る紙送り構体の実施の
形態を図1〜図4を参照して以下に説明する。まず図1
(a)は本発明に係るローラ状紙送り構体(1)の斜視
図で、図において(2)は回転芯材、(3)は紙送りシ
ートで、回転芯材(2)は、金属、樹脂、弾性体、非弾
性体等、特定しない材質からなる円柱状パイプ又はシャ
フトである。
【0008】紙送りシート(3)は、0.07mm厚の
長尺な帯状ステンレス製薄板材(3a)上に所定間隔又
はランダムに複数個の紙送り爪(3b)を突出形成した
もので、プリンタ等の紙送り機構の回転芯材(2)に巻
き付けられてローラ状紙送り構体(1)が形成される。
【0009】紙送り爪(3b)は、図1(a)(b)に
示すように、薄板材(3a)に長手方向に配向してその
方向に所定間隔、千鳥足状多列に整列形成されたスリッ
ト(3c)の長手方向に沿った各両内側縁部に一体に形
成される。紙送り爪(3b)も又、薄板材長手方向に配
向してその方向に多列に配列形成され、ローラ周方向に
連続的に隙間なく並ぶ。又は、必要に応じスリット(3
c)を薄板材幅方向に配向してその幅方向に沿った各内
側縁部に紙送り爪(3b)を一体形成し、ローラ周方向
に断続的に紙送り爪を配列形成しても良い。更に、紙送
り爪をローラ周方向に沿ってスパイラル状に配列形成し
ても良い。
【0010】又、紙送り爪(3b)は、図1(b)に示
すように、スリット両内側縁部に形成された所定長と高
さの爪片(3ba)と、各爪片上縁コーナ部にあって所
定角度から一枚の紙のみに突き刺さって大きな搬送力を
得るように成形された先鋭な爪部(3bb)とで構成さ
れ、且つ、爪部(3bb)の下方に連続して紙繊維留め
部(3bc)が形成される。
【0011】尚、爪片(3ba)は、図2に示すよう
に、後述する金属製薄板材を打ち抜き成形した紙送り爪
片(3b’)を厚み方向曲げ加工{図示鎖線(M)が折
曲線}して紙送り爪(3b)となるもので、曲げ加工を
容易にするための曲げ代として0.2mmの曲げ高さ
(Ha)を設ける。
【0012】爪部(3bb)は、一枚の紙のみに突き刺
さって大きな搬送力を得るように、例えば30°のすく
い角(θ)及び0.05mmの爪高さ(Hb)を設けた
もので、摩擦係数(μ)が大きくなる角度から一枚の紙
のみに突き刺さってすくい、搬送する。尚、すくい角
(θ)は30°に限らず、45°でも良く、その他、適
宜、他の角度に設定すれば良い。
【0013】又、紙繊維留め部(3bc)は、爪部(3
bb)が一枚の紙に突き刺さった時に発生する紙繊維を
留め、曲げ高さ(Ha)により容易に爪部(3bb)か
ら脱落させる。
【0014】上記構成によれば、まずローラ状紙送り構
体(1)が図1(a)(b)の矢印(A)に沿って回転
した時、爪部(3bb)に一枚の紙のみ突き刺さってす
くわれ、紙が同方向(A)に一枚ずつ大きな搬送力でロ
ーラ搬送される。又、紙が爪部(3bb)に突き刺さっ
た時、紙繊維留め部(3bc)に紙粉が塞き止められる
と共に、曲げ高さ(Ha)があるため、容易に脱落して
いく。
【0015】ここで、本発明に係る紙送りローラと従来
のゴム製ローラとの各摩擦係数(μ)の値を計測する
と、図4に示すようになり、本発明に係る紙送りローラ
(Δプロット)の方がゴム製ローラ(×プロット)より
も常に上回っていることが知られる。
【0016】次に、本発明に係る紙送り構体の製造方法
を図3を参照して示す。まず0.07mm厚の長尺な帯
状ステンレス製薄板材(3a)をプレス打ち抜き又はエ
ッチング加工し、所定間隔又はランダムに紙送り爪(3
b)と同一形状の複数個の紙送り爪片(3b’)が内側
縁部に一体成形されたスリット(3c)を形成する。次
に、スリット(3c)内に棒状治具等を圧入し、上述の
ように、紙送り爪片(3b’)を厚み方向に曲げ加工し
て紙送り爪(3b)が配列形成された紙送りシート
(3)を形成する。
【0017】次に、紙送りシート(3)をパイプ又はシ
ャフト等の回転芯材に巻き付けて径方向外方に略直角に
紙送り爪(3b)が突出したローラ状紙送り構体(1)
を形成する。又は、図示しないが、紙送りシート(3)
をそのまま搬送ベルトに用いてベルト面に略直角に紙送
り爪(3b)が突出したベルト状紙送り構体を形成して
も良い。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、帯状金属製薄板材の表
面に所定形状の紙送り爪が所定間隔又はランダムに複数
個突出形成された紙送りシートを回転芯材に巻き付けて
紙をローラ搬送し、又は搬送ベルトに用いて紙をベルト
搬送したから、摩擦係数が大きくなって搬送力に優れ、
且つ、経時的性能劣化がなく、紙粉も付着し難く、長期
使用しても搬送力が低下しなくなる。そのため、優れた
紙送り精度を安定して維持出来、定期清掃等のメインテ
ナンスも不要になる。又、特殊な材料や部品を用いない
ため、コストを低減出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明に係るローラ状紙送り構
体の実施の形態を示す斜視図とその要部である紙送り爪
の拡大斜視図。
【図2】本発明に係る紙送り爪片の平面図。
【図3】本発明に係る紙送り構体の製造方法を示す金属
製薄板材のスリットの部分平面図。
【図4】本発明に係る紙送り構体と従来のゴム製ローラ
の摩擦係数の各計測値を示すグラフ。
【符号の説明】
1 ローラ状紙送り構体 2 回転芯材 3 紙送りシート 3a帯状金属製薄板材 3b紙送り爪 3cスリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 5/06 B65H 5/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長と高さの爪片と、前記爪片の直線
    状の上縁と、前記上縁のコーナ部にあって一枚の紙のみ
    に突き刺さって搬送力を得るように上縁から所定高さで
    突出成形された所定形状の先鋭な爪部と、前記爪部の下
    方の紙繊維留め部とを有する紙送り爪を、帯状金属製薄
    板材の表面に所定間隔又はランダムに複数個突出形成し
    てなる紙送りシートを、回転芯材に巻き付けて紙をロー
    ラ搬送し、又は搬送ベルトに用いて紙をベルト搬送する
    ことを特徴とする紙送り構体。
JP04520199A 1999-02-23 1999-02-23 紙送り構体 Expired - Fee Related JP3340078B2 (ja)

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