JP2003312866A - 給紙ローラ及びその製造方法 - Google Patents

給紙ローラ及びその製造方法

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JP2003312866A
JP2003312866A JP2002122744A JP2002122744A JP2003312866A JP 2003312866 A JP2003312866 A JP 2003312866A JP 2002122744 A JP2002122744 A JP 2002122744A JP 2002122744 A JP2002122744 A JP 2002122744A JP 2003312866 A JP2003312866 A JP 2003312866A
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Shinichi Kamata
真一 蒲田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転芯材外周に巻着した紙送りシートの金属
疲労による損傷を低減させた長寿命な、かつ、製造組立
の容易な給紙ローラの提供。 【解決手段】 表面に複数の紙送り爪11を突設した金
属製紙送りシート10を樹脂ローラなどの丸軸状回転芯
材3の外周に一層に巻回して、紙送りシート10の両端
部10a、10b同士を遊嵌係合などして回転芯材3の
外周方向に所定長さ内で自由移動可能に連結した給紙ロ
ーラ1で、回転芯材3との熱膨張係数差などで紙送りシ
ート10が回転芯材3の外周に沿って屈曲伸展運動する
状況が生じると、この屈曲伸展を両端部10a、10b
同士の自由移動で許容させ吸収させて、屈曲伸展運動に
よる金属疲労などの不具合発生を未然に回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンターや複写
機、ファックスなどの給紙装置に使用される給紙ローラ
と、この給紙ローラの外周に形成される微小な金属製紙
送り爪の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンターなどの給紙装置に使用される
給紙ローラは、ステンレスなどの金属薄板の紙送りシー
トを樹脂ローラ、金属ローラなどの丸軸状回転芯材の外
周に巻着したものが多用されている。紙送りシートは、
例えば0.05mm厚の帯状ステンレス製薄板材の表面
に微小な紙送り爪を一体に突設したもので、回転芯材の
外周に密着させて巻回され、接着やピン止め、スポット
溶接などで固定される。
【0003】給紙ローラの外周面を形成する紙送りシー
トの表面には、所定間隔又はランダムに多数個の紙送り
爪が一体に突設される。多数の各紙送り爪は、給紙ロー
ラの回転方向に所定の角度で上向く先鋭な先端部を有す
る。給紙ローラを定方向に回転させて、給紙すべき原稿
などの用紙を給紙ローラ外周に軸方向で線状接触させる
と、給紙ローラ外周の軸方向に並ぶ複数の紙送り爪の先
端部が用紙に突き刺さり、給紙ローラの回転力を用紙に
伝達して用紙を定方向に搬送する。用紙に突き刺さった
紙送り爪の先端部は、給紙ローラの回転に伴って用紙か
ら抜け、代わりに後続の紙送り爪が用紙に突き刺さって
用紙を連続して搬送する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記給紙ローラを回転
させて紙送りする場合、外周に突設した紙送りシートの
紙送り爪が用紙に突き刺さることで用紙との間に安定し
た摩擦係数が確保されて、空回りすることなく用紙を安
定した速度で搬送する。使用環境の温度変化などで給紙
ローラの回転芯材と紙送りシートの間の熱膨張係数差が
大きくなると、回転芯材の外周から紙送りシートが部分
的に浮き、浮いた部分が用紙搬送時の用紙からの摩擦抵
抗の反力でもって回転芯材の外周上を波打つように屈曲
しながら移動するシート屈曲運動(波打ち現象)が発生
することがある。特に、回転芯材が樹脂製の場合は、熱
収縮しやすい樹脂の回転芯材とステンレスなどの金属製
紙送りシートの熱膨張係数差が大きくなって、上記シー
ト屈曲運動が生じやすくなり、このシート屈曲運動が繰
り返し連続的に行われることで、紙送りシートが金属疲
労により破損して短寿命になることがある。
【0005】紙送りシートのシート屈曲運動を抑制する
ため、回転芯材外周の全面に紙送りシートの裏面を接着
剤で強固に接着することが行われているが、接着剤の経
時変化による劣化でシート屈曲運動を問題ない程度まで
抑制することが難しい。また、回転芯材の外周に紙送り
シートを多点に亘ってピン止めやスポット溶接して、シ
ート屈曲運動を抑制することも行われているが、これも
問題ない程度まで抑制することが難しい。さらに、回転
芯材の外周に紙送りシートを巻回して屈曲運動しないよ
うに全面的に固定する製造組立工程が難しく、この製造
組立工程が工数多くて給紙ローラの製造コストを高くす
る要因になっていた。
【0006】また、給紙ローラにおける金属製紙送りシ
ートの紙送り爪は、金属薄板のプレス打ち抜き法やエッ
チング法で形成されるが、用紙に直接に突き刺さる先端
部の先鋭度の改善が難しい。すなわち、紙送りシートの
微細な部分に紙送り爪をプレス打ち抜き法やエッチング
法で形成しているが、プレス型やエッチングマスクの機
械的精度の限界で紙送り爪の先端が少し丸まった不定形
な形状となって、紙送り爪の用紙への突き刺さり性と用
紙からの抜け性が安定せず、給紙ローラの給紙性能が不
安定になる問題があった。
【0007】本発明の目的は、丸軸状回転芯材の外周に
巻着された紙送りシートの破損発生を少なくして長寿命
にした給紙ローラ、また、製造組立工数を少なくして製
造コストを低減させた給紙ローラを提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の他の目的は、紙送りシート
の紙送り爪の先鋭な先端部の先鋭度を常に高く確保する
ことのできる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の給紙ローラは、表面に複数の紙送り爪を突設した金
属製紙送りシートを丸軸状回転芯材の外周に一層に巻回
し、この紙送りシートの巻回方向両端部同士を回転芯材
の外周方向に所定長さ内で自由移動可能に連結したこと
を特徴とする(請求項1の発明)。
【0010】ここで、回転芯材は樹脂ローラや金属ロー
ラで、この回転芯材の外周にステンレスなどの金属製の
薄い紙送りシートを一層で巻回して、巻回方向での両端
部同士を自由移動可能に連結する。つまり、紙送りシー
トの両端部を除く部分は回転芯材の外周に所望の摩擦抵
抗で巻き付けて、紙送りシートの両端部同士を例えばシ
ェイクハンド式に連結する。この紙送りシートは回転芯
材の回転時に一体に回転し、回転芯材との熱膨張差で紙
送りシートの一部が回転芯材の外周から浮き上がって回
転芯材の外周方向に屈曲運動しようとすると、このシー
ト屈曲運動初期の紙送りシートの変位量が両端部同士の
自由移動で吸収されてシート屈曲運動が抑制され、紙送
りシートの屈曲運動による損傷が未然に回避される。ま
た、回転芯材の外周に紙送りシートを所望の摩擦抵抗で
巻き付けて両端部同士を連結するだけの少ない工数の製
造組立でよいので、給紙ローラの製造コストの低減が容
易となる。
【0011】また、紙送りシートの両端部同士の連結構
造は、特別な連結部材を使用して連結する構造も可能で
あるが、請求項2の発明のように、互いに係合状態を保
持して回転芯材外周方向に所定長さ内で自由移動可能に
係合するシート状係合部同士で連結する構造が、シート
両端部同士を薄いシート形状のままで連結でき、かつ、
特別な連結部材を使用することなく連結できることから
望ましい。
【0012】また、上記目的を達成する本発明の給紙ロ
ーラは、表面に複数の紙送り爪を突設した金属製紙送り
シートを丸軸状回転芯材の外周に一層に螺旋巻し、この
紙送りシートの螺旋巻方向での一端部を回転芯材外周に
固定し、他の一端部を回転芯材外周にシート長さ方向に
自由移動可能に係合させたことを特徴とする(請求項3
の発明)。
【0013】この請求項3の発明は、1つの回転芯材の
外周に1枚の帯状の紙送りシートを一層に螺旋状に巻回
したものに限らず、1つの回転芯材の外周に複数枚の帯
状紙送りシートを連続して一層の螺旋状に巻回した給紙
ローラや、1つの回転芯材の外周を軸方向で複数に区切
って、各区間に帯状紙送りシートを螺旋状に巻回した給
紙ローラも含む。回転芯材外周に帯状紙送りシートを一
層で螺旋状に巻回する場合、紙送りシートの両端部が離
反することから、紙送りシートの一端部を回転芯材の外
周に固定した状態で、紙送りシートを回転芯材の外周に
所望の摩擦抵抗で螺旋状に巻回して、他の一端部を回転
芯材の外周に自由移動可能に係合させるようにする。こ
の場合、回転芯材の回転方向によって、紙送りシートの
両端部のいずれの一端部を回転芯材外周に固定するかが
選択される。つまり、回転芯材の回転で、回転芯材に螺
旋巻きされた紙送りシートが回転芯材に固定された一端
部から順に用紙に接触して、用紙を連続送りするように
選択される。例えば、回転芯材外周の軸方向左端部から
右端部に向けて紙送りシートを回転芯材の回転方向で螺
旋巻きする場合は、回転芯材の右端部に紙送りシートの
一端部を固定する。
【0014】請求項3の発明の場合も、紙送りシートは
回転芯材の回転時に一体に回転し、回転芯材との熱膨張
差で紙送りシートが回転芯材の外周方向に屈曲運動しよ
うとすると、螺旋状の紙送りシートが回転芯材外周を螺
旋方向に自由移動してシート屈曲運動が吸収され、紙送
りシートの屈曲運動による損傷が未然に回避される。ま
た、回転芯材の外周に紙送りシートを螺旋巻きして、紙
送りシートの両端部を回転芯材外周に固定及び自由移動
可能に係合させて給紙ローラを製造組立するので、工数
少なく製造組立できて製造コストの低減が可能となる。
【0015】本発明の上記目的を達成する請求項4の製
造方法は、表面に複数の紙送り爪を突設した金属製紙送
りシートを有する給紙ローラの前記紙送り爪の形成方法
であって、給紙ローラで搬送される用紙に突き刺さる紙
送り爪先端部を、2回以上の切断又はエッチング工程で
仕上げるようにしたことを特徴とする。
【0016】この場合、例えば紙送り爪の先端部をその
最終の先鋭な形状より少し大きめの形状(余分な部分を
設けた形状)に1回の切断工程又はエッチング工程で形
成し、次に余分な部分を除去するように2回目の切断又
はエッチング工程を行うようにして、2回目の成形工程
で紙送り爪の先端部を最終的な先鋭な形状に仕上げる。
このようにすると紙送り爪の成形工程が2工程となる
が、2回目の成形工程で紙送り爪先端部が設計通りの先
鋭な形状に仕上がって、給紙ローラの給紙性能が良好か
つ安定したものになる。紙送り爪の材質や形状によって
は2回の成形工程で先端部を設計値通りに先鋭に仕上げ
ることが難しい場合があり、このような場合は3回の成
形工程で製造するようにすればよい。
【0017】また、請求項5の製造方法は、表面に複数
の紙送り爪を突設した金属製紙送りシートを有する給紙
ローラの前記紙送り爪の形成方法であって、給紙ローラ
で搬送される用紙に突き刺さる紙送り爪の先端部を、板
厚を減少させる仕上げ前工程と、板厚が減少した先端部
を最終の先鋭な形状に切断又はエッチングする仕上げ工
程で形成することを特徴とする。
【0018】この場合の仕上げ前工程は、金属薄板の原
材料をプレス打ち抜きやエッチングで形成された紙送り
シートの未完成状態にある紙送り爪の先端部を潰し加工
法やハーフエッチング法で板厚を小さくする工程であ
る。薄く成形された紙送り爪先端部を所望の形状に切断
又はエッチングで仕上げると、先端部が厚さと形状の両
方で先鋭なものに仕上がる。この場合も紙送り爪の成形
工程が増えるが、先端部の先鋭度が確実に高くなって、
給紙ローラの給紙性能が良好かつ安定したものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図16を参照して説明する。
【0020】図1(A)の正面図と図1(B)の側面図
に示される給紙ローラ1は、丸軸状回転芯材3の外周に
1枚の金属製紙送りシート10を一層に巻着し、紙送り
シート10の両端部同士を連結して構成される。回転芯
材3は円柱状の樹脂ローラや金属ローラ、他の材質の弾
性ローラ、硬質ローラである。紙送りシート10は、例
えば板厚0.05mm程度の薄い帯状のステンレス板
で、これの展開図が図2に示される。
【0021】紙送りシート10は、表面側に図6に示す
ような紙送り爪11の多数を縦横配列で一体に有する。
帯状の紙送りシート10の長さは回転芯材3の外周長と
ほぼ同一で、回転芯材3の外周に適度な締め力で一層に
巻締めされて、紙送りシート10の長さ方向の両端部1
0a、10b同士が回転芯材3の外周方向に自由移動可
能に連結される。回転芯材3と紙送りシート10の熱膨
張係数差などで回転芯材3の外周方向に紙送りシート1
0が屈曲伸展する状況になると、両端部10a、10b
同士の自由移動で紙送りシート10の回転芯材3外周方
向での伸展が許容され、この許容で紙送りシート10が
回転芯材3外周上で波打つシート屈曲運動の発生が未然
に回避される。図2の展開図に示される紙送りシート1
0の両端部10a、10bは、平坦な金属薄板材料だけ
で形成されたシート状係合部20a、20bを有する。
シート状係合部20a、20bはシート幅方向に階段形
状をした金属薄板で、これの詳細は後述する。
【0022】紙送りシート10の紙送り爪11は、紙送
りシート10の原材料と一体の金属薄板で、紙送りシー
ト10の表面に対して略90°で起立する。紙送り爪1
1の形成は、次のように行われる。平坦な原材料のステ
ンレス薄板にプレス打ち抜き法やエッチング法で所定長
さの多数のスリット12を形成する。尚、図2のステン
レス薄板の幅方向両端部に形成された穴13は、紙送り
爪製造に利用される作業穴などで、これは必ずしも必要
としない。ステンレス薄板にスリット12を形成すると
き、同時にスリット12の長さ方向二辺に複数の平坦な
紙送り爪11を一体に形成しておいて、後工程で紙送り
爪11をスリット12との境界線部分から板厚方向に約
90°折曲して紙送りシート10表面側に起立させる。
起立させた紙送り爪11の正面図が、図7に示される。
図7の紙送り爪11は、略台形の爪本体11aの上辺一
端部から突出させたくさび形の先鋭な先端部11bを有
し、この先端部11bが図1(B)の鎖線で示す用紙2
に突き刺さり、すくい上げるように用紙2を搬送して用
紙2から抜ける。
【0023】図2に示すように、1枚の紙送りシート1
0に所定長さのスリット12の複数が紙送りシート10
の長さ方向直列に、及び、幅方向並行に形成される。各
スリット12における紙送り爪11の先端部11bは、
紙送りシート10の一端部10a(又は10b)に上向
き姿勢となり、この先端部11bの向く方向に給紙ロー
ラ1が回転して所望の給紙動作を行う。紙送り爪11の
具体的形状は、本願発明の先願である特開2000−2
47480に開示されているが、本発明理解のために説
明する。
【0024】紙送り爪11の先端部11bは、一枚の用
紙2だけに突き刺さって良好な紙送り動作をするよう
に、図7に示すようなすくい角θ1、爪角θ2、爪高さ
hが設定される。爪高さhは、略台形の爪本体11aの
上辺から先端部11bの先端までの高さである。爪本体
11aの上辺は、先端部11bが用紙2を突き抜けない
ようにするストッパーの作用と、先端部11bが用紙2
に突き刺さるときに用紙2に与えるダメージを抑える作
用をする。すくい角θ1は、先端部11bの傾斜下辺と
紙送りシート10表面間の湾曲した部分(紙紛溜め部)
の開口角度で、先端部11bが用紙2に突き刺さり、そ
のまま回転して用紙2をすくい上げるようにして用紙2
を搬送するに適した角度(用紙2の材質により40°〜
90°の角度)に設定される。先端部11bが用紙2に
突き刺さってすくい上げると、紙紛がすくい角θ1の湾
曲部分に入り、そのまま脱落して排出される。爪角θ2
は、先端部11bが用紙2に突き刺さりやすく、かつ、
抜けやすい角度に設定され、これは用紙2の材質によっ
て30°〜80°の範囲内で選択される。爪角θ2とす
くい角θ1が、設計された値に近いほど、より高い搬送
力、給紙能力が得られる。
【0025】紙送りシート10の両端に形成されるシー
ト状係合部20a、20bは、図2及び図3に示すよう
な互いに噛合う階段形状で、一方の係合部20aはシー
ト幅方向両側の側辺に略矩形の切欠き21、22と、幅
方向中央に横長矩形の係止穴23を有する。他方の係合
部20bはシート幅方向両端部にシート厚さ分のスリッ
ト幅の係止スリット24、25と、幅方向中央に前記係
止穴23に挿入されて所定長さ範囲で自由移動可能に係
止する係止爪片26を一体に有する。
【0026】帯状の紙送りシート10を回転芯材3の外
周に一層で巻き付け、図4に示すように両端のシート状
係合部20a、20bを上下に交差させるようにして、
一方の切欠き21を対応する係止スリット24に係止さ
せ、他方の切欠き22を対応する係止スリット25に係
止させ、係止穴23に係止爪片26を挿通して係止させ
る。回転芯材3の外周に紙送りシート10を巻締めし
て、各シート状係合部20a、20b同士を係止させた
状態が図5(A)に示され、このとき、切欠き22、2
3の外側辺(図3の左辺)が係止スリット24、25に
係止し、係止穴23の外側辺(図3の左辺)に係止爪片
26の根元の小切欠き27が係止する。図5(A)の状
態において、一方の係合部20aに対して他方の係合部
20bは図5(A)の左方向に相対移動して上記3点で
係止した状態(紙送りシート10が回転芯材3の外周に
安定して巻締めされた状態)にある。また、図5(A)
の状態において、一方の係合部20aに対して他方の係
合部20bは右方向の相対移動だけが許容された状態に
あり、この右方向の相対移動は図3に示す切欠き21、
22の開口幅p、係止穴23の長さq(p=q)の範囲
内で行われ、この範囲内の最大長で右方向に相対移動さ
せたときが図5(B)である。
【0027】図1の給紙ローラ1を、その外周に突設さ
れた紙送り爪11の先端部11bが向く定方向に回転さ
せて給紙動作を行わせると、給紙ローラ1の外周に軸方
向に用紙2が線状接触し、この線状接触部分の紙送り爪
11が用紙2に突き刺さって用紙2を定方向に搬送す
る。給紙ローラ1外周の軸方向に並ぶ紙送り爪11の数
と配列パターンが平均化されて、給紙ローラ1の外周の
いずれの軸方向の線状接触部が用紙2に接触しても用紙
2が平均的な搬送力で搬送されるように、紙送りシート
10の表面全体に紙送り爪11が平均的に形成される。
【0028】回転芯材3が例えば樹脂ローラで、ステン
レスの紙送りシート10との熱膨張係数差で回転芯材3
外周に対して紙送りシート10が屈曲伸展するような状
況になると、紙送りシート10の両端のシート状係合部
20a、20bが回転芯材3の外周方向に自由移動可能
であるので、この自由移動部分で紙送りシート10の伸
展が許容されて、係合部20a、20b同士が図5
(A)の状態から図5(B)の状態へと変位する。した
がって、紙送りシート10の一部が回転芯材3の外周か
ら浮いて屈曲伸展移動するシート屈曲運動が回避され
る。給紙ローラ1を回転させて給紙動作を行わせるとき
に、紙送りシート10がシート屈曲運動をせずに回転芯
材3に巻締め時と同様な状態で摩擦接触したままである
ので、紙送りシート10が金属疲労を起こして損傷する
虞が少なくなり、その分、紙送りシート10が長寿命と
なる。
【0029】回転芯材3の外周に1枚の紙送りシート1
0を巻締めして、両端のシート状係合部20a、20b
同士を係合させる簡単な作業、少ない工数で給紙ローラ
1が製造組立されるので、給紙ローラ1の製造コストの
低減が容易となる。なお、紙送りシート10の両端を含
む離隔した任意の複数箇所を回転芯材3の外周に周方向
に自由移動可能に係合させてもよく、このようにしても
従来の接着やピン止め、溶接などの製造組立工法に比べ
簡単な係合工法が適用できて、給紙ローラの製造コスト
を低減させることが容易になる。
【0030】給紙ローラ1の給紙性能を決める要因の1
つに、紙送り爪11の先端部11bの先鋭度がある。こ
の先端部11bは、図7に示すように鋭角の爪角θ2が
設計値通りであれば高い先鋭度となるのであるが、実際
は紙送り爪11をプレス打ち抜きやエッチングで形成す
ると、先端部11bの先端が少し丸く仕上がって、実際
上の先鋭度が下がる傾向にある。このような傾向を無く
したのが、本発明の製造方法で、その具体例を図8
(A)、(B)と図9(A)〜(C)、図10(A)〜
(C)で説明する。
【0031】図8(A)は、紙送り爪11を2回の切断
工程で形成する製造方法を説明するためのもので、1回
目の切断工程で紙送り爪11を最終形状より大き目のサ
イズで形成する。この紙送り爪11は先端部11bの図
8での上辺が最終と同じ形状をなし、先端部11bの下
辺部分が最終形状より大きくした余分な部分11cとし
て残されている。2回目の切断工程で紙送り爪11の余
分な部分11cを切断除去し、このときに切断線を図8
(A)の鎖線で示すように先端部11bの上辺と所定の
爪角θ2で交差させる。このように先端部11bを上辺
の切断工程と下辺の切断工程に分けて形成すると、先端
部11bの先端が丸まらずに確実に鋭角に仕上がって、
先端部11bの先鋭度が常に高く、かつ、安定して確保
される。
【0032】図8(B)は、紙送り爪11の先端部11
bの下辺側を1回目の切断工程で形成して、上辺側に余
分な部分11dを残し、この余分な部分11dを2回目
の切断工程で切断し除去して、先端部11bの先端の先
鋭度を確保する製造方法が示される。
【0033】図8(A)、(B)のいずれの製造方法も
2回の切断工程で行うように説明したが、2回のエッチ
ング工程で行うようにしてもよく、また、切断工程とエ
ッチング工程を組合わせて先端部11bを2回の工程で
形成するようにしてもよい。また、紙送り爪11の形
状、材質によっては、図示しないが2回以上の切断工程
やエッチング工程で先端部11bを段階的に先鋭に仕上
げるようにしてもよい。このことは、次の図9と図10
の形成方法においても同様である。
【0034】図9(A)は、従来方法で形成された紙送
り爪11が示され、全体に同一の板厚で形成されてい
る。この紙送り爪11に対して、まず仕上げ前工程で図
9(B)に示すように、先端部11bとその周辺部を表
裏両面からプレス潰し加工して板厚を半減させる。この
後、図9(C)に示すように先端部11bを最終形状に
切断又はエッチングして仕上げる。この仕上げ工程で成
形された先端部11bは、前工程で板厚半減処理されて
いるので、先端部11bの先端形状が多少丸みを帯びて
いても板厚方向での先鋭度が高く確保されて、結果的に
先端部11bの先鋭度が常に高く、かつ、安定して得ら
れる。
【0035】図10(A)は図9(A)と同じであり、
図10(B)は紙送り爪11の先端部11bとその周辺
部を片面からハーフエッチングして板厚を半減させたも
のである。このハーフエッチングされた先端部11b
を、図10(C)に示すように最終形状に切断又はエッ
チングして仕上げる。このようにしても先端部11bの
板厚方向での先鋭度が高く確保されて、先端部11bの
先鋭度が常に高く、かつ、安定して得られる。
【0036】図11に示される給紙ローラ1は、丸軸状
回転芯材3の外周に長尺な帯状紙送りシート10を一層
で螺旋巻きして、紙送りシート10のシート長さ方向で
の一端部30aを回転芯材3の外周に固定し、他の一端
部30bを回転芯材3の外周に周方向自由移動可能に係
合して構成される。図12は帯状の紙送りシート10の
展開図で、長さ方向に少し傾斜する角度で多数のスリッ
ト12が形成され、各スリット12から複数の紙送り爪
11が突設される。このスリット12と紙送り爪11の
基本構造は、図1の給紙ローラと同一ゆえ説明は省略す
る。
【0037】回転芯材3の外周に紙送りシート10を重
ならないように一層で螺旋状に巻締めする。回転芯材3
への紙送りシート10の螺旋巻方向は右巻き方向、左巻
き方向のいずれも可能である。回転芯材3が図11の矢
印方向に回転し、回転芯材3の図11の左側から紙送り
シート10を回転芯材3の外周に、回転芯材3の回転方
向と逆の右巻き方向に螺旋巻きする場合は、回転芯材3
の左側端部外周に紙送りシート10の一端部30aを止
め手段31で固定し、回転芯材3の右側端部外周に他の
一端部30bを係合手段32で周方向自由移動可能に係
合させる。止め手段31は止めピン、接着剤、凹凸の係
止部などが適用でき、係合手段32は例えば図13に示
すような紙送りシート10の一端部30bにシート長さ
方向に形成した長穴33に嵌挿されたピン部材や、図示
しないガイド溝とガイド突起の嵌合構造などが適用され
る。
【0038】図11の給紙ローラ1を定方向に回転させ
ると、紙送りシート10は一端部30a側から用紙に順
に接触して紙送り動作をする。このとき、紙送りシート
10が回転芯材3との熱膨張係数差などで回転芯材3の
外周に対して紙送りシート10が屈曲伸展するような状
況になると、螺旋状の紙送りシート10がその固定側一
端部30aから螺旋方向に伸展が許容されて、金属疲労
を起こすようなシート屈曲運動に発展しない。そのた
め、図11の給紙ローラ1においても、紙送りシート1
0が回転芯材3に巻締め時と同様な状態で摩擦接触した
ままとなって、紙送りシート10が長寿命となる。
【0039】また、回転芯材3の外周に1枚の帯状紙送
りシート10を螺旋状に巻締めして、一端部30aを回
転芯材3の外周に固定し、他端部30bを回転芯材3の
外周に自由移動可能に係合させるだけで給紙ローラ1が
製造組立されるので、給紙ローラ1の製造コストの低減
が容易となる。さらに、長尺な紙送りシート10の両端
を含む離隔した任意の複数箇所を回転芯材3の外周に周
方向に自由移動可能に係合させてもよく、このようにし
ても製造組立工数が少なくて給紙ローラの製造コストを
低減させることが容易になる。
【0040】以上の各実施の形態における給紙ローラの
紙送り爪の形状は上記例に限らず、例えば図14及び図
15に示す三角片形状のものであってもよい。この三角
片の紙送り爪11’は、スリット12’の対向2辺の片
辺側から延在して、定方向斜め上向きに折曲されて紙送
りシート10’の表面に突出する。三角片の紙送り爪1
1’は略二等辺三角形で、この紙送り爪11’の二側辺
底部に凹状に湾曲させた紙粉溜め部11e’が形成さ
れ、各紙粉溜め部11e’の先端からは同一高さに揃え
られた上辺であるストッパー辺11f’が形成される。
紙粉溜め部11e’は、図7の紙送り爪11のすくい角
θ1の部分に相当する部分で、紙送り爪11’が用紙に
突き刺さってすくい上げると、紙粉溜め部11e’に紙
粉が脱落して排出される。ストッパー辺11f’は、三
角片の紙送り爪11’が一枚の用紙を突き抜けないよう
に、かつ、用紙にダメージ少なくして突き刺さるように
する。
【0041】三角形の紙送り爪11’の頂点である先端
部11b’の先鋭度を高くする製造方法は、図8乃至図
10のいずれかの本願製造方法が適用される。図16
(A)は図8(A)と同様に紙送り爪11’を1回目の
切断工程で成形したときの図であり、図16(B)は図
16(A)の鎖線箇所を2回目の切断工程で切断して、
先端部11b’を最終の先鋭形状に仕上げた図である。
【0042】
【発明の効果】本発明の給紙ローラによれば、給紙動作
時に回転芯材の外周に対して紙送りシートが回転芯材外
周方向に屈曲運動しようとする状況が生じた場合、シー
ト屈曲運動初期の紙送りシートの変位量が回転芯材外周
に対する紙送りシートの自由移動で吸収されてシート屈
曲運動が抑制されるため、紙送りシートの屈曲運動によ
る損傷が未然に回避されて、紙送りシートが長寿命な商
品的付加価値の高い給紙ローラが提供できる。また、回
転芯材の外周に紙送りシートを所望の摩擦抵抗で巻き付
けて両端部同士を連結するだけの少ない工数で給紙ロー
ラが製造組立できて、製造コストの低減が容易となる効
果がある。また、金属製紙送りシートの紙送り爪の先端
部を複数の成形工程で成形することで、紙送り爪先端部
を常に高い、かつ、安定した先鋭度で成形することがで
きて、給紙性能が良好かつ安定した高性能な給紙ローラ
の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る給紙ローラの実施の一形
態を示す正面図、(B)は給紙ローラの側面図である。
【図2】図1の給紙ローラにおける紙送りシートの展開
図である。
【図3】図2の紙送りシートの連結前の両端部の一部省
略部分を含む平面図である。
【図4】図3の紙送りシート両端部の正面図である。
【図5】(A)は図3の紙送りシートを連結したときの
部分平面図、(B)は両端部同士が相対移動したときの
部分平面図である。
【図6】紙送りシートの紙送り爪の部分での拡大斜視図
である。
【図7】図6の紙送り爪の正面図である。
【図8】(A)は図6の紙送り爪の本発明による形成方
法を説明するための仕上げ前工程での正面図、(B)は
仕上げ工程での正面図である。
【図9】(A)は図6の紙送り爪の本発明による別の形
成方法を説明するための仕上げ前工程での斜視図、
(B)も仕上げ前工程での斜視図、(C)は仕上げ工程
での斜視図である。
【図10】(A)は図6の紙送り爪の本発明による別の
形成方法を説明するための仕上げ前工程での斜視図、
(B)も仕上げ前工程での斜視図、(C)は仕上げ工程
での斜視図である。
【図11】本発明に係る給紙ローラの他の実施の形態を
示す正面図である。
【図12】図11の給紙ローラにおける紙送りシートの
展開図である。
【図13】図11の給紙ローラにおける紙送りシートの
両端部構造を説明するための部分断面図である。
【図14】紙送りシートに形成される紙送り爪の変形例
を示す断面図である。
【図15】図14の紙送り爪の斜視図である。
【図16】(A)は図15の紙送り爪を本発明方法で形
成するときの仕上げ前工程の正面図、(B)は仕上げ工
程での正面図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ 2 用紙 3 丸軸状回転芯材 10、10’ 金属製紙送りシート 10a 端部 10b 端部 11、11’ 紙送り爪 11a 爪本体 11b、11b’ 先端部 12 、12’ スリット 20a シート状係合部 20b シート状係合部 21、22 切欠き 23 係止穴 24、25 係止スリット 26 係止爪片 30a (固定側)一端部 30b (自由移動側)一端部 32 係合手段 33 長穴 θ1 すくい角 θ2 爪角 h 爪高さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数の紙送り爪を突設した金属製
    紙送りシートを丸軸状回転芯材の外周に一層に巻回し、
    この紙送りシートの巻回方向両端部同士を回転芯材の外
    周方向に所定長さ内で自由移動可能に連結したことを特
    徴とする給紙ローラ。
  2. 【請求項2】 紙送りシートの両端部に、互いに係合状
    態を保持して回転芯材外周方向に所定長さ内で自由移動
    可能に係合するシート状係合部を形成した請求項1記載
    の給紙ローラ。
  3. 【請求項3】 表面に複数の紙送り爪を突設した金属製
    紙送りシートを丸軸状回転芯材の外周に一層に螺旋巻
    し、この紙送りシートの螺旋巻方向一端部を回転芯材外
    周に固定し、他の一端部を回転芯材外周にシート長さ方
    向に自由移動可能に係合させたことを特徴とする給紙ロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 表面に複数の紙送り爪を突設した金属製
    紙送りシートを有する給紙ローラの前記紙送り爪の形成
    方法であって、給紙ローラで搬送される用紙に突き刺さ
    る紙送り爪の先端部を、2回以上の切断又はエッチング
    工程で仕上げるようにした給紙ローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 表面に複数の紙送り爪を突設した金属製
    紙送りシートを有する給紙ローラの前記紙送り爪の形成
    方法であって、給紙ローラで搬送される用紙に突き刺さ
    る紙送り爪の先端部を、板厚を減少させる仕上げ前工程
    と、板厚減少した先端部を最終の形状に切断又はエッチ
    ングする仕上げ工程で形成したことを特徴とする給紙ロ
    ーラの製造方法。
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