JP3338350B2 - 履き物用アウトソール - Google Patents

履き物用アウトソール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は履き物用アウトソー
ル(靴底)に関し、詳しくは、濡れた足場でも優れた防
滑性(グリップ性)が得られるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】靴やサンダル等の履き物では、良好な履
き心地及び安全性を得るためには、履き物の底部である
アウトソール(靴底)が足場に対して優れた防滑性(グ
リップ性)を有していることが重要である。ゴム組成物
からなる履き物用アウトソールでは、足場が乾燥状態の
場合は足場に対してゴム特有のグリップ力が得られ、優
れた防滑性(グリップ性)を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、雨の日
や、水辺等の濡れた状態の足場では、ソール表面と足場
との間に十分な摩擦係数が得られなくなり、優れた防滑
性が得られなくなる。これは、足場が濡れると、ソール
表面と足場との間に水の膜が介在し、この水の膜によっ
てソール表面と足場間の摩擦係数が減少してしまうため
である。
【0004】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、ゴム組成物からなるアウトソールであって、
濡れた足場でも極めて良好な防滑性が得られると共にア
ウトソールとして必要な強度を合わせもつ履き物用アウ
トソールを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、加硫ゴム組成物を成形してなる履き物用
アウトソールにおいて、上記加硫ゴム組成物中にシリカ
と共にシリカとポリマーの両方に結合性を有するシラン
カップリング剤及びシリカと結合性を有するがポリマー
とは結合性を有しないシリル化剤を配合することによ
り、濡れた足場での高い防滑性とアウトソールに必要と
される高い強度を両立することを達成したものである。
【0006】上記本発明の履き物用アウトソールでは、
シリカと共にシリカとポリマーの両方に結合性を有する
シランカップリング剤が配合されていることにより、補
強用充填剤であるシリカとポリマーがシランカップリン
グ剤を介して連結してゴム組成物の強度が有効に高めら
れる一方、シリカと結合性を有するがポリマーとは結合
性を有しないシリル化剤が配合されていることにより、
該シリル化剤が有する撥水性が有効に作用してゴム組成
物に優れた撥水性を付与する。また、シランカップリン
グ剤により強度を高められたアウトソールを用いた履き
物を装着して濡れた足場で運動すると、アウトソールは
人間の体重が荷重した状態で大きく変形することなく適
度な接触圧で足場に接触すると同時に足場の水を外部に
逃がし、足場との間に大きな摩擦抵抗を得ることがで
き、シリル化剤による撥水性とあいまって非常に良好な
防滑性が達成される。
【0007】すなわち、上記シランカップリング剤は、
それ自体は撥水性を有し、ゴム組成物の撥水性向上にも
作用するが、ゴム組成物中でシリカとポリマーの両方に
化学結合を形成するため、主にゴム組成物の補強(強度
向上)に作用する。一方、シリル化剤は、シリカとのみ
結合するのでゴム組成物の補強効果は小さいが、それ自
体が有する撥水性によりゴム組成物の撥水性を大きく向
上させる。
【0008】上記シリカとポリマーの両方に結合性を有
するシランカップリング剤は、シランカップリング剤と
して称して市販されているもののうち、(a)1個のS
i元素を有する化合物であって、加水分解を受てシラノ
ール基となり、化合物中のSi元素とシリカのSi元素
間にシロキサン結合を形成する反応性基(例えば、−C
l、−OR、−NR、−OR1 OR2 ここで、R、R
1 、R2 はメチル基またはエチル基である。)が上記1
個のSi元素に2個または3個結合すると共に、末端に
ポリマ−(ゴム成分)と反応する官能基(例えば、ビニ
ル基、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、ハロゲン
原子)を有する1個の有機基が上記1個のSi元素に結
合した化合物や、(b)下記一般式(化1)で表される
分子中にポリスルフィド結合を有し、両末端にSi元素
に結合する3個のアルコキシ基を備えた化合物を用いる
ことができる。
【0009】上記化合物(b)では、ポリスルフィド基
が活性硫黄の放出反応、加硫反応及び不均化反応を引き
起こして、最終的にとシランとポリマーとの間の結合を
形成する一方、Si元素に結合する3個のアルコキシ基
が加水分解を受てシラノール基となり、上記と同様にシ
リカのSi元素との間にシロキサン結合を形成する。な
お、ポリスルフィド基の活性硫黄の放出反応、加硫反応
及び不均化反応に比して、シリカのSi元素との間のシ
ロキサン結合の形成速度の方が格段に速いため、この化
合物(b)を配合した場合、第1にシリカ表面が疎水化
し、未加硫ゴムの粘度が低下するとともにポリマー中へ
のシリカの分散性も改良される。
【化1】 (式中、nは1〜4の整数を表わし、m及びkは1〜6
の整数を表わす。)
【0010】これらの具体例を下記表1及び表2に示
す。
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】上記シリカと結合性を有するがポリマーと
は結合性を有しないシリル化剤としては、1個のSi元
素を有する化合物であって、加水分解を受てシラノール
基となり、化合物中のSi元素とシリカのSi元素間に
シロキサン結合を形成する反応性基(例えば、−Cl、
−OR、−NR、−OR1 OR2 ここで、R、R1
2 はメチル基またはエチル基である。)が上記1個の
Si元素に1〜3個結合し、かつ、炭素数が1〜10の
アルキル基またはフェニル基が上記1個のSi元素に1
〜3個結合した化合物を用いることができる。ここでの
アルキル基またはフェニル基はポリマ−(ゴム成分)と
反応しない。
【0013】これらの具体例を下記表3及び表4に示
す。
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】また、上記の化合物以外にも、シリル化剤
として、ヘキサメチルジシラザン[(CH33 SiN
HSi(CH33 ]、N,O−(ビストリメチルシリ
ル)アセトアミド[(CH33 SiOC(CH3 )N
Si(CH33 ]、N,N−ビス(トリメチルシリ
ル)ウレア{[(CH33 SiNH]CO}等の化合
物を用いることができる。
【0016】これらの化合物は少なくとも1部の分子末
端がシリカやポリマーと結合せず、フリーな状態で存在
しているため、ゴム組成物に極めて高い撥水性を付与す
る。
【0017】上記シランカップリング剤及びシリル化剤
をシリカとともにゴム組成物中に配合する。シリカはゴ
ム組成物のポリマー成分100重量部に対して30〜8
0重量部、好ましくは40〜70重量部配合する。これ
は、シランカップリング剤の配合量にもよるが、一般に
ポリマー100重量部に対してシリカが30重量部より
も少ない場合はゴム組成物(アウトソール)の補強効果
が得難く、80重量部よりも多い場合にはアウトソール
が硬くなり過ぎ、加工性も低化し、材料コストも高くな
ってしまうためである。
【0018】また、シランカップリング剤はポリマー成
分100重量部に対して1〜15重量部、好ましくは3
〜10重量部配合する。これは、シリカの配合量にもよ
るが、一般にポリマー100重量部に対して1重量部よ
り少ない場合はゴム組成物中のポリマー及び分散するシ
リカとの間に強固な結合力が形成されにくく、その結
果、ゴム組成物の強度不足によって耐摩耗性や耐カット
性等の耐久性が悪くなったり、アウトソールの荷重時の
変形が大きくなり過ぎて地面への接触圧が分散して安定
したグリップ力を得ることが困難になる。一方、ポリマ
ー100重量部に対して15重量部より多い場合は、余
分なシランラップリング剤がアウトソールの表面に析出
し、また、アウトソール内の架橋度が大きくなり過ぎて
アウトソールが変形せず、かえって地面へのグリップ力
が低下する傾向となりやすく、また、材料コストも高く
なり好ましくない。
【0019】シリル化剤をポリマー100重量部に対し
て1〜15重量部、好ましくは2〜15重量部配合す
る。これは、シランカップリング剤の配合量にもよる
が、一般にポリマー100重量部に対して1重量部より
少ない場合はゴム組成物(アウトソール)に十分な撥水
性を付与することが困難になり、15重量部よりも多い
場合は余分なシリル化剤がアウトソール表面へ析出し
て、外観不良を起こしたり、また、材料コストが高くな
り好ましくない。
【0020】シリカの種類は特に限定はされず、所謂、
乾式法シリカ、湿式法シリカ(含水シリカ)のいずれも
使用可能であるが、混練り加工性が良好な湿式法シリカ
(含水シリカ)を用いるのが好ましい。シリカの配合量
はポリマー成分100重量部に対して30〜80重量
部、好ましくは40〜70重量部配合する。これは、シ
リカの配合量がポリマー成分100重量部に対して30
重量部よりも少なくなると、シランカップリング剤を配
合してもシリカとポリマー間に強固な結合力を得ること
が困難になり、ポリマー成分100重量部に対して80
重量部よりも多くなると、加工性が低下するとともにソ
ールが固くなり過ぎるためである。
【0021】上記シリカ、シランカップリング剤、及び
シリル化剤はゴム組成物中に配合する他の配合剤ととと
もに種々のミキサーでゴム成分と混合する。なお、シラ
ンカップリング剤及びシリル化剤は室温で液体なのでゴ
ムに対する分散性も非常に良好である。
【0022】ゴム組成物のゴム成分(ポリマー成分)と
しては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジ
エンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム(EPDM)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴム等の従来から履き物用アウトソ
ールを作製するに使用されているゴム材料を使用するこ
とができる。これらは1種のみならず2種以上の材料を
使用してもよい。
【0023】ゴム組成物にはシリカ以外の充填剤を配合
してもよく、例えば、カーボンを配合すると、アウトソ
ールの耐摩耗性が一段と向上し、激しい運動を行う履き
物(靴)のアウトソールに好適である。カーボンは通
常、ゴム組成物中のポリマー成分100重量部に対して
20重量部以上100重量部以下になるように配合す
る。これは、20重量部よりも少ない場合は耐摩耗性の
向上効果が発現しにくく、100重量部よりも多い場合
はアウトソールが硬くなりすぎるためである。
【0024】また、ゴム組成物には上記シリカ、シラン
カップリング剤、及びシリル化剤等の他、従来からこの
種のアウトソールの作成に使用されている配合剤を配合
することができる。本発明においてもゴム組成物は加硫
成形するのが一般的であり、ゴム組成物に硫黄等の加硫
剤及び亜鉛華、ステアリン酸等の加硫助剤を配合する。
また、加硫促進剤を配合することもできる。更に老化防
止剤、軟化剤(可塑剤)を配合することもできる。加硫
剤はゴム組成物中のポリマー成分100重量部当たり通
常1〜3重量部程度配合する。
【0025】アウトソールの形状は特に限定はされない
が、接地面には路面との接触面積を拡大するための突起
や水はけを良くするための溝を形成するのが好ましい。
突起の大きさ、高さ、形状、個数、溝の形状、深さ、個
数等は適宜決定する。なお、アウトソール全体を、上記
シリカ、シランカップリング剤、及び、シリル化剤を配
合したゴム組成物の成形体で構成するのが好ましいが、
アウトソールを部分的に上記シリカとシランカップリン
グ剤、及びシリル化剤を配合したゴム組成物の成形体で
構成してもよい。例えばアウトソールの接地面における
踵部のみや、爪先から甲裏にわたるソール部のみを、上
記シリカ、シランカップリング剤、及び、シリル化剤を
配合したゴム組成物の成形体で構成してもよい。
【0026】本発明のアウトソールは、テニスシュー
ズ、ゴルフシューズ等のスポーツシューズやショギング
用シューズのアウトソールに特に好適であり、この他、
釣り用の長靴、ビーチサンダル、ダイビング用シュー
ズ、バイク用シューズ、トレッキングシューズ、お風呂
靴、レインシューズ等の水場で使用する履き物のアウト
ソールにも好適である。もちろん、これら以外の他の履
き物のアウトソールに適用しても効果を発揮することは
言うまでもない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
により更に詳しく説明する。下記表5の上段に示す処方
の混練物を調整し、各混練物をアウトソール用金型に入
れて160℃、10分の条件にて加硫成形して実施例1
〜6及び比較例1〜3のアウトソールを作成した。な
お、これらのアウトソールの接地面の形状は図2に示す
形状とした。すなわち、アウトソール100は足の爪先
から甲裏部を支える第1ソール部51と、足の踵部を支
える第2ソール部52、及び、これら第1ソール部51
と第2ソール部52を繋ぐ土踏まず部53とからなる。
【0028】第1ソール部51の接地面には、幅2.5
mmの細溝11A、11B、幅5.5mmの太溝13を
形成し、これらの溝で平坦面を6個の領域21、22、
23、24、25、26の区画している。なお、細溝1
1Aは溝深さを2.5mmにした一段溝で、細溝11B
は溝深さ2.5mmの溝内に更に1.5mm深さの極細
溝を形成した2段溝である。また、太溝13の深さは4
mmである。区画領域21、22、23、24、25、
26にはそれぞれ周辺部に平坦部30を残してヘンリボ
ーン柄の凹凸部21A、22A、23A、24A、25
A、26Aを形成している。ヘンリボーン柄の凹凸部2
1A、22A、23A、24A、25Aはそれぞれソー
ル外周辺と略平行にその波パターンを走らせている。一
方、ヘンリボーン柄の凹凸部26Aはソールの長手方向
と略直交方向にその波パターンを走らせている。ヘンリ
ボーン柄の凹凸部21A、22A、23A、24A、2
5A、36Aの凹凸差は3.5mmにしている。区画領
域21と区画領域22、23との間の細溝を2段溝11
Bとしているのは、爪先の屈曲させた時のソールの追従
性を向上させるためである。また、区画領域24、25
と区画領域26の間に3本の溝(細溝11A、11B、
太溝13)を連続して形成しているのは、歩行及び走行
時にソールがこの部分で前後にk屈曲して、足裏に負荷
を与えないようにするためである。なお、区画領域26
の土踏まず部53側の端部には、溝深さ2.5mmの細
溝11Aを形成していおり、端部平坦部28を区画領域
26のその他の部分と分割している。
【0029】第2ソール部52は土踏まず部53側の端
縁をV字形状にカットしており、ソール外周に平坦部を
残してほぼ全体をヘンリボーン柄の凹凸部27とし、ヘ
ンリボーン柄の凹凸部27の凹凸差は3.5mmにして
いる。なお、第2ソール部52の土踏まず部53側の端
縁近傍には端縁に沿って溝深さ2.5mmの細溝11A
を形成しており、端部平坦部29を第2ソール部のその
他の部分と分割している。
【0030】土踏まず部53は第1ソール部51と第2
ソール部52の間に設けられた深さ2.5mmで窪んだ
凹平坦部であり、ソールの屈曲性を増している。
【表5】
【0031】表中、NRは天然ゴム RSS3号、BR
はブタジエンゴム(日本合成ゴム製BR11)、SBR
はスチレンブタジエンゴム(日本合成ゴム製SBR15
02)、シリカは湿式法シリカ(ウルトラジルVN3
(デグサ製))、シランカップリング剤はSi69(デ
グサ製)であり、シリル化剤はKBM3063(信越化
学工業製)、亜鉛華は銀嶺(東邦亜鉛製)、可塑剤はプ
ロセスオイルPW380(出光興産製)、老化防止剤は
ノクラック200(大内新興化学工業製)、硫黄は粉末
硫黄(鶴見化学製)、加硫促進剤(1)はノクセラーN
S(大内新興化学工業製)、加硫促進剤(2)はノクセ
ラーEZ(大内新興化学工業製)、加硫促進剤(3)は
ソクシノールD(住友化学製)である。なお、シランカ
ップリングは化学品名がビス(3−トリエトキシシリル
プロピル)テトラスルフェンである。また、シリル化剤
は化学品名がヘキシルトリメトキシシランである。ま
た、表中の配合量は重量部である。
【0032】(グリップ性(防滑性)評価)図1に示す
ように、上記作成した実施例1〜6及び比較例1〜3の
各アウトソール1、別途作成しておいた靴本体2の靴底
に接着してテニスシューズを作製した。
【0033】上記作製した各靴について、ウエット状態
のコンクリートとアスファルトの2種類の地面につい
て、10人のテスターが歩行、走行、及び軽い運動を行
うことにより、グリップ性(防滑性)を最良を5点、最
低1点の5段階で評価し、10人のテスターの平均値を
比較した。この結果を表5の中段に示した。
【0034】(引裂強度評価)、上記とは別に上記実施
例1〜6及び比較例1〜3の各処方の混練物を試験片用
金型に入れ、160℃、10分の条件にて加硫成形して
厚さ2mmのシートを作成し、該シートを切り取ってB
型試験片とし、JIS−K−6301に規定される引裂
き試験方法による評価を行った。この結果を表5の下段
に示した。
【0035】表5に示されるように、実施例1〜6のシ
リカと共にシリカとポリマーの両方に結合性を有するシ
ランカップリング剤とシリカと結合性を有するがポリマ
ーとは結合性を有しないシリル化剤を配合した加硫ゴム
組成物を成形したアウトソールは、引裂強度が40〜5
0kgf/cmの範囲で高強度であった。また、グリッ
プ性はウエット状態のアスファルト及びコンクリートの
いずれにおいても評価点が3.1以上の好ましい評価結
果であった。
【0036】これに対し、シランカップリング剤もシリ
ル化剤も配合しなかった比較例1のアウトソールは引裂
強度が35kgf/cmで強度が十分でなく、また、か
かる強度が不十分であり、かつ、シリル化剤による撥水
性の付与も無いため良好なグリップ性が得られず、グリ
ップ性は評価点が1.6(アスファルト)と1.4(コ
ンクリート)で極めて劣悪であった。また、シリカとと
もにシリル化剤を配合した比較例2のアウトソールはシ
リル化剤によって高い撥水性が達成されることによって
り高いグリップ性が得られているが、ゴム組成物の強度
が低く引張強度が低くなっている。
【0037】また、シリカとともにシリル化剤を配合し
た比較例3のアウトソールは引裂強度が50で強度は十
分であるものの、撥水性が不十分であるために良好なグ
リップ性が得られず、グリップ性は評価点が2.2(ア
スファルト)と1.7(コンクリート)で劣悪であっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の履き物用アウトソールによれば、シリカとポリマーの
両方に結合性を有するシランカップリング剤と、シリカ
と結合性を有するがポリマーとは結合性を有しないシリ
ル化剤を配合したことにより、補強用充填剤であるシリ
カとポリマーがシランカップリング剤を介して連結して
ゴム組成物の強度が有効に高められる一方、シリル化剤
による撥水性が有効に作用し、この結果、かかるアウト
ソールを用いた履き物を装着すると、濡れた足場でも極
めて良好な防滑性と、アウトソールに必要とされる高い
強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアウトソールを適用したテニスシュ
ーズの一例を示す側面図である。
【図2】 実施例のアウトソールの接地面の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 アウトソール 2 靴本体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−170031(JP,A) 国際公開96/29364(WO,A1) 国際公開97/25374(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 1/00 - 23/30 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ゴム組成物を成形してなる履き物用
    アウトソールであって、上記加硫ゴム組成物中にシリカ
    と共にシリカとポリマーの両方に結合性を有するシラン
    カップリング剤及びシリカと結合性を有するがポリマー
    とは結合性を有しないシリル化剤を配合したことを特徴
    とする履き物用アウトソール。
  2. 【請求項2】 上記加硫ゴム組成物はシリカをポリマー
    成分100重量部に対して30〜80重量部含有し、シ
    ランカップリング剤をポリマー成分100重量部に対し
    て1〜15重量部含有し、シリル化剤をポリマー100
    重量部に対して1〜15重量部含有している請求項1に
    記載の履き物用アウトソール。
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