JP2003033202A - アウトソール及びこれを備えた靴 - Google Patents

アウトソール及びこれを備えた靴

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JP2003033202A
JP2003033202A JP2001224842A JP2001224842A JP2003033202A JP 2003033202 A JP2003033202 A JP 2003033202A JP 2001224842 A JP2001224842 A JP 2001224842A JP 2001224842 A JP2001224842 A JP 2001224842A JP 2003033202 A JP2003033202 A JP 2003033202A
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butadiene rubber
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Ikuko Umezawa
育子 梅澤
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なグリップ性と十分な耐摩耗性とを備え
たアウトソール5の提供。 【解決手段】 靴のアウトソール5は、ゴム組成物から
形成されている。このアウトソール5は、N領域とB領
域とを備えている。N領域は、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムを基材ポリマー中に80質量%以上含有する
ゴム組成物から成形されている。B領域は、ブタジエン
ゴムを基材ポリマー中に60質量%以上含有するゴム組
成物から成形されている。N領域とB領域との面積比
は、60/40以上98/2以下である。N領域に用い
られているアクリロニトリル−ブタジエンゴムにおける
結合アクリロニトリル量は、25%以上36%以下であ
る。B領域に用いられているブタジエンゴムにおけるシ
ス−1,4結合の比率は、80%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニスシューズ、
ゴルフシューズ、サッカーシューズ、ジョギングシュー
ズ、トレッキングシューズ、タウンシューズ等の靴と、
この靴に用いられるアウトソールとに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】靴は、その底面を形成するアウトソール
を備えている。通常アウトソールは、架橋ゴムから形成
されている。このアウトソールに対する重要な要求性能
として、地面とスリップしにくいこと、すなわちグリッ
プ性が良好であることが挙げられる。グリップ性が良好
なアウトソールは、着用者の運動しやすさに寄与する。
濡れた地面上ではスリップが生じやすいので、この濡れ
た地面上でのグリップ性(ウェットグリップ性)は特に
重要である。
【0003】アウトソールに対する他の要求性能とし
て、耐摩耗性が良好であることが挙げられる。耐摩耗性
が良好なアウトソールは長持ちするので、このアウトソ
ールを備えた靴は経済性に優れる。
【0004】グリップ性に優れたアウトソールは、耐摩
耗性に劣る傾向が見られる。逆に、耐摩耗性に優れたア
ウトソールは、グリップ性に劣る傾向が見られる。アウ
トソールのグリップ性と耐摩耗性とを両立させる目的
で、従来種々の工夫が施されてきている。例えば、特開
平10−17717号公報(特許第2957480号)
には、特定の基材ゴムが用いられたアウトソールが開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、十分な
ウェットグリップ性と十分な耐摩耗性とを備えたアウト
ソールは、未だに得られていないのが実状である。
【0006】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、ウェットグリップ性及び耐摩耗性に優れた
アウトソールの提供と、このアウトソールを備えた靴の
提供とをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めになされた発明は、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムを基材ポリマー中に80質量%以上含有するゴム組成
物から成形されたN領域と、ブタジエンゴムを基材ポリ
マー中に60質量%以上含有するゴム組成物から成形さ
れたB領域とを備えており、N領域とB領域との面積比
が60/40以上98/2以下であるアウトソール、で
ある。
【0008】このアウトソールのN領域は、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム(NBR)が主要ポリマーであ
る。このアクリロニトリル−ブタジエンゴムは、ウェッ
トグリップ性、特に濡れた地面上でのグリップ性に寄与
する。一方、B領域は、ブタジエンゴム(BR)が主要
ポリマーである。このブタジエンゴムは、耐摩耗性に寄
与する。N領域とB領域との面積比が60/40以上9
8/2以下とされることにより、アウトソールのウェッ
トグリップ性と耐摩耗性とが両立される。このアウトソ
ールを備えた靴は、着用者の運動しやすさに寄与し、し
かも長持ちする。
【0009】好ましくは、結合アクリロニトリル量が2
5%以上36%以下であるアクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムがN領域に用いられる。このアクリロニトリル−
ブタジエンゴムは、ウェットグリップ性に特に寄与す
る。
【0010】好ましくは、シス−1,4結合の比率が8
0%以上であるブタジエンゴムがB領域に用いられる。
このブタジエンゴムは、耐摩耗性に特に寄与する。
【0011】アウトソールにおいて地面との擦動が激し
い部位としては、前寄りのアウトサイド近傍と、踵近傍
とが挙げられる。これらの部位の全部又は一部にB領域
が形成されれば、アウトソールの耐摩耗性がさらに向上
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明され
る。
【0013】図1は、本発明の一実施形態にかかる靴1
が示された一部切り欠き断面図である。この靴1は、ア
ッパー2、インソール3、ミッドソール4及びアウトソ
ール5を備えている。アッパー2の材質、形状、寸法等
は、既知の靴のアッパーと同等である。インソール3の
材質、形状、寸法等は、既知の靴のインソールと同等で
ある。ミッドソール4の材質、形状、寸法等は、既知の
靴のミッドソールと同等である。インソール3及びミッ
ドソール4は、省略されてもよい。
【0014】図2は、図1の靴1のアウトソール5が示
された底面図である。このアウトソール5は、底面に突
出部6を備えている。底面のうち突出部6以外の部分
は、凹陥部7である。図2には左足用のアウトソール5
のみが示されているが、右足用のアウトソール5は、図
2に示された形状が反転された形状である。
【0015】図3は、図2のアウトソール5が示された
模式的底面図である。この図では、突出部6及び凹陥部
7の図示は省略されている。このアウトソール5は、N
領域とB領域とを備えている。図3において縦線で塗り
つぶされている部分がN領域であり、横線で塗りつぶさ
れているのがB領域である。図3から明らかなように、
B領域は前寄りのアウトサイド近傍と踵近傍とに存在し
ている。B領域以外の領域は、N領域である。N領域及
びB領域は、いずれもゴム組成物が架橋されることによ
って成形されている。
【0016】N領域のゴム組成物には、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムが用いられている。アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムがN領域の全基材ポリマーに占める
比率は、80質量%以上である。アクリロニトリル−ブ
タジエンゴムはウェットグリップ性を高める特性を有す
るゴムなので、これが用いられたN領域では優れたグリ
ップ性が発現される。特に、図3に示されるように、親
指の付け根に相当する部分(着用者が地面を蹴る際に最
も力のかかる部分)の近傍にN領域が配されることによ
り、靴1のスリップが効果的に抑制される。グリップ性
向上の観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの
比率は90質量%以上がより好ましく、100質量%が
特に好ましい。
【0017】結合アクリロニトリル量(AN量)が25
%以上36%以下であるアクリロニトリル−ブタジエン
ゴムが、より好ましい。AN量が上記範囲であるアクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムが用いられることにより、
アウトソール5のウェットグリップ性が顕著に向上す
る。この観点から、AN量が31%以上35%以下のア
クリロニトリル−ブタジエンゴムが特に好ましい。
【0018】強度向上、加工性向上、耐油性向上、耐候
性向上、柔軟性向上、製造コスト低減等の目的で、アク
リロニトリル−ブタジエンゴムと他のゴムとが併用され
てもよい。併用されうるゴムとしては、スチレン−ブタ
ジエン、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化
ゴム、ウレタンゴム、天然ゴム等が挙げられる。他のゴ
ムに代えて、又は他のゴムと共に、合成樹脂や熱可塑性
エラストマーが基材ポリマーとして用いられてもよい。
【0019】N領域が2以上の領域に細分されてそれぞ
れの領域で異なる材料が用いられてもよい。例えば、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴムのグレード又は配合量
がそれぞれの領域毎に異なってもよく、添加剤の種類又
は配合量がそれぞれの領域毎に異なってもよい。
【0020】B領域のゴム組成物には、ブタジエンゴム
が用いられている。ブタジエンゴムがB領域の全基材ポ
リマーに占める比率は、60質量%以上である。ブタジ
エンゴムは耐摩耗性を高める特性を備えたゴムなので、
これが用いられたB領域では優れた耐摩耗性が発現され
る。特に、図3に示されるように、地面との擦動が激し
い部分(前寄りのアウトサイド近傍及び踵近傍)にB領
域が配されることにより、アウトソール5の摩耗が効果
的に抑制される。耐摩耗性向上の観点から、ブタジエン
ゴムの比率は65質量%以上がより好ましく、70質量
%が特に好ましい。
【0021】ミクロ構造に占めるシス−1,4結合の比
率が80%以上であるブタジエンゴムが、より好まし
い。シス−1,4結合の比率が上記範囲であるブタジエ
ンゴムが用いられることにより、アウトソール5の耐摩
耗性が顕著に向上する。この観点から、シス−1,4結
合の比率が90%以上のブタジエンゴムがさらに好まし
く、95%以上のブタジエンゴムが特に好ましい。
【0022】強度向上、加工性向上、耐油性向上、耐候
性向上、柔軟性向上、製造コスト低減等の目的で、ブタ
ジエンゴムと他のゴムが併用されてもよい。併用されう
るゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴ
ム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化
ゴム、ウレタンゴム、天然ゴム等が挙げられる。他のゴ
ムに代えて、又は他のゴムと共に、合成樹脂や熱可塑性
エラストマーが基材ポリマーとして用いられてもよい。
【0023】B領域が多数の領域に細分されてそれぞれ
の領域で異なる材料が用いられてもよい。例えば、ブタ
ジエンゴムのグレード又は配合量がそれぞれの領域毎に
異なってもよく、添加剤の種類や配合量がそれぞれの領
域毎に異なってもよい。
【0024】N領域の面積Snと、B領域の面積Sbと
の比(Sn/Sb)は、60/40以上98/2以下で
ある。比(Sn/Sb)が上記範囲未満であると、アウ
トソール5のウェットグリップ性が不十分となることが
ある。この観点から、比(Sn/Sb)は65/35以
上が好ましく、70/30以上が特に好ましい。比(S
n/Sb)が上記範囲を越えると、アウトソール5の耐
摩耗性が不十分となることがある。この観点から、比
(Sn/Sb)は95/5以下が好ましく、90/10
以下が特に好ましい。
【0025】アウトソール5の底面に、N領域でもB領
域でもない領域が形成されてもよい。この場合でも、面
積Snがアウトソール5の底面積に占める比率が60%
以上、さらには70%以上、特には80%以上とされる
のが好ましい。また、面積Sbがアウトソール5の底面
積に占める比率が2%以上、さらには5%以上、特には
10%以上とされるのが好ましい。
【0026】N領域及びB領域のそれぞれに用いられる
ゴム組成物には、充填剤が配合されるのが好ましい。充
填剤の配合により、アウトソール5の耐摩耗性及び強度
が向上する。用いられうる充填剤としては、シリカ、カ
ーボンブラック、炭酸カルシウム及びクレーが例示され
る。特に、耐摩耗性向上効果が大きいという理由から、
シリカ及びカーボンブラックが好ましい。シリカ及びカ
ーボンブラックの配合量は、基材ポリマー100部(p
arts by weight)に対して30部以上7
0部以下が好ましい。
【0027】N領域及びB領域のそれぞれに用いられる
ゴム組成物の架橋形態は特には制限されない。通常は硫
黄架橋が採用され、加硫促進剤及び架橋助剤が併用され
る。これらのゴム組成物には、軟化剤、老化防止剤、シ
ランカップリング剤、シリル化剤、着色剤等が適宜配合
されてもよい。
【0028】図4は、図3のIV−IV線に沿った拡大断面
図である。本発明において、アウトソール5のN領域及
びB領域の面積は、これらの底面(露出面)が接地面
(水平面)に投影されて得られる図形の面積を意味す
る。例えば、図4において両矢印Wnで示されているの
は、N領域の投影図形の幅である。同様に、N領域の長
さ方向に関しても、投影図形から寸法が求められる。こ
れらの投影寸法が用いられて、N領域の面積Snが算出
される。N領域が2以上の領域に分断されて存在してい
る場合は、それぞれの領域の面積の合計がN領域の面積
Snとされる。一方、両矢印Wbで示されるのは、B領
域の投影図形の幅である。同様に、B領域の長さ方向に
関しても、投影図形から寸法が求められる。これらの投
影寸法が用いられて、B領域の面積Sbが算出される。
B領域が2以上の領域に分断されて存在している場合
は、それぞれの領域の面積の合計がB領域の面積Sbと
される。
【0029】図5は、本発明の他の実施形態にかかるア
ウトソール8が示された模式的底面図である。この図に
おいて縦線で塗りつぶされている部分がN領域であり、
横線で塗りつぶされているのがB領域である。このアウ
トソール8も図2と同等の突出部及び凹陥部を備えてい
るが、これらの図示は省略されている。
【0030】このアウトソール8では、B領域は踵近傍
に位置している。このアウトソール8でも、アクリロニ
トリル−ブタジエンゴムを基材ポリマー中に80質量%
以上含有するゴム組成物から成形されたN領域によって
優れたウェットグリップ性が発現される。また、ブタジ
エンゴムを基材ポリマー中に60質量%以上含有するゴ
ム組成物から成形されたB領域によって耐摩耗性が発現
される。
【0031】N領域とB領域との配置は、図3及び図5
に示されたものには限られない。B領域が、前寄りのア
ウトサイド近傍のみに形成されてもよい。底面から突出
する突起を備えたスパイクレスゴルフシューズのアウト
ソールにおいて、突起がB領域とされ、他の部分がN領
域とされてもよい。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
にされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定
的に解釈されるべきはない。
【0033】[ゴム組成物の調製]下記の表1に示され
る配合剤を密閉式混練機及びオープンロールで混練し、
組成番号がN1からN5及びB1からB5のゴム組成物
を得た。なお、表1では質量比によって配合量が表され
ている。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示されたゴム及び添加剤の詳細は、
以下の通りである。 *1 シス−1,4結合比率:96% *2 シス−1,4結合比率:35% *3 AN量:33.5% *4 AN量:40.5% *5 ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テト
ラスルフェン *6 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール *7 N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルス
ルフェンアミド *8 ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 *9 ジベンゾチアジルジスルフィド *10 テトラエチルチウラムジスルフィド *11 ジ−o−トリルグアニジン
【0036】[実施例1]アウトソールと同等形状のキ
ャビティを備えた金型を用意し、図3に示されるN領域
にゴム組成物N1を充填し、B領域にゴム組成物B1を
充填した。そして、160℃で8分間加圧・加熱して、
アウトソールを得た。このアウトソールにアッパー及び
インソールを取り付けて、実施例1の靴を得た。このア
ウトソールの底面形状は、図2に示される通りである。
この靴のN領域の面積Snの比率は80%であり、B領
域の面積Sbの比率は20%である。
【0037】[比較例1及び実施例2]N領域とB領域
との境界を移動し、N領域の面積Sn及びB領域の面積
Sbを下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にし
て、比較例1及び実施例2の靴を得た。
【0038】[実施例3及び4]金型を変更し、図5に
示されるN領域及びB領域の面積を下記の表2の通りと
した他は実施例1と同様にして、実施例3及び4の靴を
得た。
【0039】[比較例2]金型全体にゴム組成物B1を
充填した他は実施例1と同様にして、比較例2の靴を得
た。
【0040】[実施例5から7及び比較例3]B領域に
充填するゴム組成物を下記の表3に示される通りとした
他は実施例1と同様にして、実施例5から7及び比較例
3の靴を得た。
【0041】[実施例8から10及び比較例4]N領域
に充填するゴム組成物を下記の表3に示される通りとし
た他は実施例1と同様にして、実施例8から10及び比
較例4の靴を得た。
【0042】[ウェットグリップ性の評価]10名のテ
スターそれぞれに靴を着用させ、濡れたコンクリート製
地面を歩行させた。そして、ウェットグリップ性につい
て、「1」から「5」の5段階で評価させた。滑りにく
いものを「5」とし、滑りやすいものを「1」とした。
10名の評価の平均値が、下記の表2及び表3に示され
ている。
【0043】[耐摩耗性の評価]アスファルト製地面に
アウトソールを置き、10kgの錘で均一に荷重をかけ
た。そして、50cmの距離を引きずった。これを10
0往復繰り返し、アウトソールの底面を摩耗させた。そ
して、摩耗前後のアウトソールの質量から、摩耗量を算
出した。実施例1のアウトソールの摩耗量を100とし
たときの指数が、下記の表2及び表3に示されている。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】表2に示されるように、N領域の面積Sn
が小さな比較例1の靴はウェットグリップ性に劣り、B
領域が存在しない比較例2の靴は耐摩耗性に劣る。表3
に示されるように、B領域のブタジエンゴムの比率が少
ない比較例3の靴は耐摩耗性に劣り、N領域のアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムの比率が少ない比較例4の靴
はウェットグリップ性に劣る。これに対し、各実施例の
靴はウェットグリップ性と耐摩耗性との両方に優れる。
この評価結果より、本発明の優位性は明らかである。
【0047】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明のアウト
ソールはグリップ性と耐摩耗性との両方に優れたもので
ある。このアウトソールを備えた靴の着用者は、運動が
しやすい。また、この靴は長持ちする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる靴が示さ
れた一部切り欠き断面図である。
【図2】図2は、図1の靴のアウトソールが示された底
面図である。
【図3】図3は、図2のアウトソールが示された模式的
底面図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV線に沿った拡大断面図で
ある。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態にかかるアウト
ソールが示された模式的底面図である。
【符号の説明】
1・・・靴 2・・・アッパー 3・・・インソール 4・・・ミッドソール 5、8・・・アウトソール 6・・・突出部 7・・・凹陥部 N・・・N領域 B・・・B領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 BA09 BA38 BA55 BA56 HA53 HA55 HA82 HA83 HA89 4J002 AC031 AC071 AE052 DA036 DA049 DE109 DE236 DJ016 EF059 EH147 EJ028 FB096 FD016 FD027 FD038 FD149 FD159

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル−ブタジエンゴムを基
    材ポリマー中に80質量%以上含有するゴム組成物から
    成形されたN領域と、ブタジエンゴムを基材ポリマー中
    に60質量%以上含有するゴム組成物から成形されたB
    領域とを備えており、N領域とB領域との面積比が60
    /40以上98/2以下であるアウトソール。
  2. 【請求項2】 上記N領域に用いられているアクリロニ
    トリル−ブタジエンゴムにおける結合アクリロニトリル
    量が25%以上36%以下である請求項1に記載のアウ
    トソール。
  3. 【請求項3】 上記B領域に用いられているブタジエン
    ゴムにおけるシス−1,4結合の比率が80%以上であ
    る請求項1又は請求項2に記載のアウトソール。
  4. 【請求項4】 上記B領域が前寄りのアウトサイド近傍
    又は踵近傍に形成されている請求項1から請求項3のい
    ずれか1項に記載のアウトソール。
  5. 【請求項5】 アクリロニトリル−ブタジエンゴムを基
    材ポリマー中に80質量%以上含有するゴム組成物から
    成形されたN領域と、ブタジエンゴムを基材ポリマー中
    に60質量%以上含有するゴム組成物から成形されたB
    領域とを備えており、N領域とB領域との面積比が60
    /40以上98/2以下であるアウトソールを備えた
    靴。
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