JP3171656B2 - 履物の底体及びこの底体を備える履物 - Google Patents

履物の底体及びこの底体を備える履物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防滑性で、歩行中に足音
を発しないか或いは殆ど発することがなく、しかも衝撃
吸収性及び耐摩耗性の優れた履物の底体及びこの底体を
備える履物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、履物とは足の保護と整容のため
に着用されるものであり、足の甲を露出させたもの(解
放性履物)と足を包み込むもの(閉鎖性履物)とがあ
り、解放性履物には下駄、草履又はサンダル(つっかけ
も含む。)等が挙げられるのであり、一方、閉鎖性履物
には革靴、ゴム靴、布靴、ズック靴、カジュアルシュー
ズ、スニーカー、スポーツシューズ、地下足袋、長靴、
ビジネスシューズ又はケミカル・シューズ等が挙げられ
る。
【0003】これらの履物の底体は、所要の物性、例え
ば踵、テープ、その他の接合部分の密着が良好で剥がれ
や浮きなどの欠点がないなどの物性が要求されているだ
けでなく、使用に際し、滑り難く安全であり(防滑
性)、また摩耗し難く耐久性が良好であり、しかも軽量
で疲れにくい上、歩行しやすい等の基本的な機能が要求
されている。
【0004】このため履物の底体として、種々の提案が
なされている。即ち、 滑りにくいゴム底としては、
スプリング式硬さが50前後のゴム体を用い、この底体
の接地面に、筋状の凹凸等を形成するなどの滑り止め加
工を施すことが提案されている。
【0005】又、 摩耗しにくいゴム底としては、公
知のものとして、ポリブタジエンゴムを用いたり、或い
はゴムにカーボンブラックなどの充填剤を配合してスプ
リング式硬さを50以上とし、これによって、耐摩耗性
の向上を図っている。
【0006】更に、 疲れ難く、歩きやすい履物とし
ては、中底材の内部や、本底の内部に、低反発弾性をも
った衝撃吸収材を装着させたり、クッション性の良好な
スポンジを用いて底体を製造することが提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 履
物の底体を滑り難くするために、この底体の接地面に筋
状の凹凸を形成しても所望の滑り止め機能を発現しない
だけでなく、デザイン面からこの滑り止め加工には種々
の制約が有り、必ずしも満足できるものが得られていな
い。
【0008】又、 摩耗しにくいゴム底を形成するに
あたり、ポリブタジエンゴムを用いたり、或いはゴムに
カーボンブラックなどの充填剤を配合する場合、底体の
多様性に欠けるだけでなく、色やデザイン等の観点よ
り、種々の制約が生じるのである。
【0009】更に、 疲れ難く、歩きやすい履物を得
るために、中底材の内部や、本底の内部に、低反発弾性
をもった衝撃吸収材を装着させた場合、構造が複雑にな
って生産性が低下したり、特殊な装置を用いる必要が有
り、この結果、履物の製造コストが著しく高くなるなど
の課題が生じる。
【0010】一方、疲れ難く、歩きやすい履物を得るた
めに、クッション性の良好なスポンジを用いて底体を製
造する場合、デザインや耐摩耗性等の観点より、気泡の
形成が均一なものが要求されるが、このように均一な気
泡の底体を得るのは必ずしも容易なことではない。
【0011】ところで、従来の履物、特にゴム底の履物
を着用し、歩行する際、「キュキュ音」や「ペタペタ
音」等の不快音が発生するが、この不快音を解消するた
めの対策は未だ確立されていないのが実情であり、特に
病院等における夜間勤務の際の足音が問題になる分野に
おいて、この不快音を解消することが強く要請されてい
る。
【0012】本発明は、上記技術的課題を解消するため
に完成されたものであって、履物の本底における少なく
とも路面との接当部が、ポリノルボーネンゴムを主成分
とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成されてお
り、且つこの発泡されていない硫黄加硫ゴム体のスプリ
ング式硬さが25〜40であるものを採用することによ
り、滑り難く安全であり(防滑性)、また摩耗し難く耐
久性が良好であり、しかも軽量で疲れにくい上、歩行し
やすく、更に歩行の際に不快音を発しない、履物の底体
及びこの底体を備える履物を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る履物の底体
及びこの底体を備える履物は、上記目的を達成するため
に、以下に述べる技術的手段を講じたものである。
【0014】即ち、本発明の履物の底体においては、履
物の底体における本底において、この本底の少なくとも
路面との接当部が、ポリノルボーネンゴムを主成分とす
発泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成されており、
且つこの発泡されていない硫黄加硫ゴム体のスプリング
式硬さが25〜40であることを特徴とするものであ
る。
【0015】本発明において、履物とは足の保護と整容
のために着用されるものであり、足の甲を露出させたも
の(解放性履物)と足を包み込むもの(閉鎖性履物)の
両方が挙げられる。
【0016】この閉鎖性履物としてはゴム底を用いるこ
とができる閉鎖性の履物であれば特に限定されるもので
はないが、具体的な代表例としては、革靴、ゴム靴、布
靴、ズック靴、カジュアルシューズ、スニーカー、スポ
ーツシューズ、地下足袋、長靴、ビジネスシューズ又は
ケミカル・シューズ等が挙げられる。
【0017】又、解放性履物としてはゴム底を用いるこ
とができる解放性の履物であれば特に限定されるもので
はないが、具体的な代表例としては、草履又はサンダル
(つっかけを含む。)等が挙げられる。
【0018】そして、本発明においては、上述の履物の
底体における本底において、この本底の少なくとも路面
との接当部が、ポリノルボーネンゴムを主成分とする
泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成されており、且つ
この発泡されていない硫黄加硫ゴム体のスプリング式硬
さが25〜40であることを特徴とするものである。
【0019】本発明において、本底の少なくとも路面と
の接当部とはそれ以外の箇所も特定の加硫ゴム体で形成
しても良い意味であり、履物の底体における本底全体
が、上記のポリノルボーネンゴムを主成分とする特定の
加硫ゴム体で形成されていても良いのである。
【0020】本発明で用いられるポリノルボーネンゴム
を主成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体とは、
ポリノルボーネンゴムを主成分とし、且つ硫黄で加硫さ
れたゴム系組成物で発泡されていないものをいう。
【0021】このゴム系組成物としては、ポリノルボー
ネンゴム単体を用いたものが靴底としての種々の物性や
機能が安定するので望ましいが、所望により、他のゴム
成分、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタ
ジエンゴム等のジエン系ゴムを適宜ブレンドしてもよい
のである。
【0022】この場合において、この底体を備える履物
を着用し、歩行する際の不快音を解消するために、加硫
ゴム体のスプリング式硬さが25〜40となるように調
整する必要が有る。
【0023】尚、本発明において、スプリング式硬さと
は、JIS K 6301のA形法で測定した値であ
る。
【0024】ところで、ポリノルボーネンゴム(A)と
他のゴム成分(B)との配合割合は、(A)100重量
部に対して、(B)が50重量部以下、特に30重量部
以下とするのが望ましく、(B)の配合割合が50重量
部を超えると所要の物性や機能が得られず、本発明の目
的が達成できない場合が有るから望ましくない。
【0025】又、本発明においては、このようにスプリ
ング式硬さが25〜40となるように調整したり、ゴム
との親和性や分散性等を向上させるために、上記ゴム系
組成物に充填剤や添加剤等の配合剤が配合されていても
良いのである。
【0026】この充填剤としては、増量によって製品コ
ストを低下させたり、種々の物性や加工性の向上に役立
つものであれば特に限定されるものではない。
【0027】この充填剤の具体的な代表例としては、例
えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ホワイトカーボン、カーボンブラック、亜
鉛華、硫酸バリウム、けいそう土、アスベスト、クレ
ー、ロウ石の粉砕物、滑石の粉末、雲母の粉末、コル
ク、セルロース粉末、エボナイト粉末、再生ゴム、含水
ケイ酸、含水ケイ酸塩、無水ケイ酸カルシウム、含水ケ
イ酸カルシウム、コロイド性含水ケイ酸カルシウム、ハ
ードクレー、ソフトクレー又は活性化クレーなどが挙げ
られる。
【0028】又、上記添加剤としてはロジン系樹脂、ク
マロン・インデン樹脂及び石油樹脂等の粘着付与剤、フ
タル酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、安息香酸系可塑
剤又はアジピン酸系可塑剤等の可塑剤、ステアリン酸や
パルミチン酸等の軟化剤、アロマチックオイル等のプロ
セスオイル、テトラメチルチウラムジスルフィド(以
下、TMTDと略称する。)、テトラブチルチウラムジ
スルフィド(以下、TBTDと略称する。)、テルルジ
エチルジチオカーボネート(以下、TeEDcと略称す
る。)、メルカプトベンゾチアゾール(以下、MBTと
略称する。)等の加硫促進剤、硫黄、顔料等が挙げられ
る。
【0029】ポリノルボーネンゴム(A)と充填剤や添
加剤等の配合剤(C)との配合割合は、用いられる配合
剤(C)の種類や目的によって大きく異なるが、一般に
(A)100重量部に対して、(C)が0.1〜500
重量部、特に0.5〜450重量部とするのが望まし
く、()の配合割合が0.1重量部未満になると少な
すぎて配合する意味がなく、一方、500重量部を超え
ると所要の物性や機能が得られない場合があるので、い
ずれも望ましくない。
【0030】本発明においては、このようにして、履物
の本底が得られるが、この本底は接地面と直接接触し、
接地面に接当したり、或いは接地面と摩擦するので、こ
の本底は発泡させたものを用いてはならない。即ち、本
発明において、硫黄加硫ゴム体は、上記目的を達成する
ために、発泡されていないものが用いられる。
【0031】本発明で用いられるポリノルボーネンゴム
を主成分とするゴム系組成物としては、例えば、商品名
ノーソレックスCM−NX503、ノーソレックスCM
−NX552、ノーソレックスCM−NX553(いず
れも日本ゼオン株式会社製)等が挙げられるのであり、
これらのうち、ノーソレックスCM−NX552が、上
記目的を達成するうえで最も望ましい。
【0032】本発明に係る履物の本底においては、履物
の底体における本底において、この本底の少なくとも路
面との接当部が、ポリノルボーネンゴムを主成分とする
発泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成されており、且
つこの発泡されていない硫黄加硫ゴム体のスプリング式
硬さが25〜40であり、しかも発泡されていない硫黄
加硫ゴム体が引張強度8〜13MPaで、且つ反発弾性
10%以下であるものが、防滑性や耐久性が著しく向上
し、しかも一層歩行しやすく、更に歩行の際の不快音が
一層発生しなくなるので望ましい。
【0033】本発明において、引張強度はJIS K
6301で測定したものであり、又、反発弾性はJIS
K 6301で測定した値である。
【0034】又、本発明の履物は、上記目的を達成する
ために、上述の履物の底体を備えた点に大きな特徴を有
する。
【0035】ところで、本発明の履物は、特殊な技術や
装置を用いる事なく、通常のゴム底を有する履物と同様
の方法で製造すれば良いのである。
【0036】本発明においては、このようにして、滑り
難く安全であり(防滑性)、また摩耗し難く耐久性が良
好であり、しかも軽量で疲れにくい上、歩行しやすく、
更に歩行の際に不快音を発しない履物が得られるのであ
る。
【0037】本発明に係る履物の底体は、その本底の少
なくとも路面との接当部が、ポリノルボーネンゴムを主
成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成され
ており、且つこの発泡されていない硫黄加硫ゴム体のス
プリング式硬さが25〜40であることより、非常に柔
らかく、しかも強度が高いために、床面をグリップさ
せ、摩耗しにくい状態になっており、このため歩行する
際、履物の底と床等の接地面との摩擦が防止されたり、
履物の底と床等の接地面との衝突音が吸収されるので、
この摩擦音や衝突音である「キュキュ音」や「ペタペタ
音」等の不快音が、発生しないか、或いは殆ど発生しな
い作用を有するのである。
【0038】又、このようにポリノルボーネンゴムを主
成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体を形成する
と、このものは摩耗し難く耐久性が良好であり、しかも
反発弾性が低く且つ滑り難いので、歩行しやすく、疲れ
難い作用を有するのである。
【0039】従って、本発明の底体を備える履物は、防
滑性で、歩行中に足音を発しないか或いは殆ど発するこ
とがなく、しかも衝撃吸収性及び耐摩耗性優れるので
あり、故に、この特定の硫黄加硫ゴム体は底体の中間層
に用いても意味がないのである。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】図1は本発明に係る運動靴の底体の底面
図、図2はその底体の縦断面図である。
【0042】図1及び図2において、本発明に係る運動
靴の底体1にはその本底1aの路面との接当部が、ポリ
ノルボーネンゴムを主成分とする発泡されていない硫黄
加硫ゴム体10で形成されており、且つこの発泡されて
いない硫黄加硫ゴム体10のスプリング式硬さが25〜
40になるように調整されている。
【0043】そして、この底体1における本体1aを構
成する発泡されていない硫黄加硫ゴム体10は、この場
合、以下に述べるゴム系組成物を加硫して得られたもの
である。
【0044】配合例 ポリノルボーネンゴム 100重量部 硫酸バリウム 350重量部 ロジン系樹脂 70重量部 亜鉛華 5重量部 ステアリン酸 1重量部 アロマチィックオイル 150重量部 加硫促進剤(下記(*1)〜(*4)) (*1)TMTD 2重量部 (*2)TBTD 2重量部 (*3)TeEDC 0.75重量部 (*4)MBT 1重量部 硫黄 1.5重量部
【0045】上記配合比からなる未加硫ゴム系組成物を
以下の方法で得た。即ち、ポリノルボーネンゴムとアロ
マチィックオイルをバンバリーミキサーで十分に混練
し、次いで、この混合物に、硫酸バリウム、ロジン系樹
脂、亜鉛華及びステアリン酸を配合してニーダーで均一
になるように混合し、得られたポリノルボーネンゴム系
組成物に、更に加硫促進剤であるTMTD、TBTD、
TeEDC、MBT及び硫黄を配合してオープンロール
で充分に混練した後シート状に押し出し成形し、これを
上記運動靴の底形状になるように裁断機で打ち抜いた。
【0046】この未加硫ゴム体の特性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、t10とは温度150℃及び
温度160℃での架橋の始まる時間をキュラストメータ
ー加硫度試験機(日合商事(株)製)で測定した値であ
る。
【0049】表1において、t90とは温度150℃及び
温度160℃での最適加硫時間の近似値をキュラストメ
ーター加硫度試験機(日合商事(株)製)で測定した値
である。
【0050】表1において、トルク(min)とは温度
150℃及び温度160℃での未加硫状態における粘度
をキュラストメータ加硫度試験機(日合商事(株)製)
で測定したときの最小値である。
【0051】表1において、トルク(max)とは温度
150℃及び温度160℃での未加硫状態における粘度
をキュラストメータ加硫度試験機(日合商事(株)製)
で測定したたときの最大値である。
【0052】次に、この未加硫ゴム体のムーニースコー
チ特性(測定温度121℃)を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2において、t5とはゴムのスコーチ時
間(未加硫状態から加硫が始まるまでの時間)をムーニ
ー粘度計(島津製作所製)で測定した値である。
【0055】表2において、t35とは35ポイント(目
盛)上昇するまでの時間をムーニー粘度計(島津製作所
製)で測定したが測定できなかった。
【0056】表2において、V(min)とはムーニー
粘度の値をムーニー粘度計(島津製作所製)で測定した
ときの最小値である。
【0057】表2において、V(peak)とはムーニ
ー粘度の値をムーニー粘度計(島津製作所製)で測定し
たときの最大値である。
【0058】上記の未加硫ゴム体を所定のプレス金型
で、加圧温度150℃、加圧時間7分の条件下、硫黄で
加硫し、発泡されていない硫黄加硫ゴム体を得た。この
発泡されていない硫黄加硫ゴム体(本底)の特性を表3
に示す。
【0059】
【表3】
【0060】表3において、引張強度は温度25℃でJ
IS K 6301に準拠して測定した。
【0061】表3において、硬度は温度25℃でJIS
K 6301(A形)に準拠して測定した。
【0062】表3において、アクロン摩耗量は温度25
℃でアクロン摩耗試験(BSー903)、傾斜角15
度、6ポンド、予備ズリ1000回、本試験1000回
での摩耗量である。
【0063】表3において、反発弾性は温度25℃でJ
IS K 6301(A形)に準拠して測定した。
【0064】この加硫ゴム体を用い、図1及び図2に示
す運動靴を、常法で得た。この運動靴を用い、試験履き
を行ったところ、以下に述べる結果を得た。尚、比較品
として、底体だけが異なる通常の運動靴(靴底の硬度5
5(A形)、反発弾性50%、引張強度12MPaであ
る。)を製造し(重量は同一にした。)、両者を比較検
討した。尚、表3に比較品の本底の特性を示す。
【0065】 滑り抵抗では、リノリウム床材、タイ
ル床材での歩行では、比較品と比べて、滑りに難く、特
に、水濡れした床面でも滑りにくく、床面をグリップ
し、楽な歩行が出来ることが認められた。又、室内の塩
化ビニルタイルで、ワックス掛けした床面でも、比較品
と比べて、滑りに難く床面をグリップし、楽な歩行が出
来ることが認められた。
【0066】 硬度が著しく低く、しかも低反発弾性
のゴムが路面に接当するため、比較品と比べて、ソフト
な歩行感があり、更に足にかかる重量を路面に直接伝え
るのではなく衝撃を吸収するので、比較品と比べて、長
時間歩行或いは、トレーニングしても、疲れ難いことが
認められた。
【0067】 歩行音では、リノリウム床材、磁器タ
イル、木質床材、コンクリート路面でも、ゴム特有のキ
ュキュ音等の不快音がなく、又、グリップさせても音が
しないことが認められた。一方、比較品について同様の
試験を行ったところ、ゴム特有のキュキュ音等の不快音
が発生する上、グリップさせると摩擦音が発生すること
が認められた。
【0068】 一方、耐摩耗性では、驚くべきこと
に、硬度が著しく低く、非常にやわらかい本底であるに
も拘わらず、外履きを1ケ月行っても、摩耗はなく、比
較品より耐摩耗性が優れていることが認められる。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る履物も底体は、その本底の
少なくとも路面との接当部が、ポリノルボーネンゴムを
主成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成さ
れており、且つこの発泡されていない硫黄加硫ゴム体の
スプリング式硬さが25〜40であるので、非常に柔ら
かく、しかも強度が高いために、床面をグリップさせ、
摩耗しにくい状態になっており、このため歩行する際、
履物の底と床等の接地面との摩擦が防止されたり、履物
の底と床等の接地面との衝突音が吸収されるので、この
摩擦音や衝突音である「キュキュ音」や「ペタペタ音」
等の不快音が発生しないか、或いは殆ど発生しない効果
を有するのである。
【0070】又、このようにポリノルボーネンゴムを主
成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体を形成する
と、このものは摩耗し難く耐久性が良好であり、しかも
反発弾性が低く且つ滑り難い結果、歩行しやすく、疲れ
難いので、至極安全である。
【0071】本発明の底体を備える履物は、防滑性で、
歩行中に足音を発しないか或いは殆ど発することがな
く、しかも疲れ難く、衝撃吸収性及び耐摩耗性が優れる
結果、安価で、且つ耐久性が良好で品質が著しく優れる
効果を有するのである。
【0072】従って、本発明の履物は、特に以下の用途
に最適である。即ち、 ヨットシューズ及びウィンド
サーフィンシューズでは、水濡れボード面でも滑りにく
くグリップしやすく、ヨット及びサーフィンを操作しや
すくなり、操作ミスが一層なくなる効果を有するのであ
る。
【0073】 ドライバーシューズでは、ペタルに吸
いつく感触感と滑りにくいので、安全運転が一層可能に
なり、しかもペタルに踏みこんでも衝撃吸収性と柔らか
い本底であるため、長距離ドライブでも疲れに難く、こ
の面からも安全性が向上する効果を有するのである。
【0074】 ナースシューズ及びドクターシューズ
では、タイル面を歩行するとき足音がしないため、夜
間、患者に迷惑をかけず、歩行したり、走っても滑らず
安全であり、しかも疲れにくいので、至極有益である。
【0075】以上のことより、ビジネスシューズ、運動
靴、通勤・通学用の靴、レジャーシューズ更にその他の
履物として多用途で安全に、且つ有効に使用し得る効果
を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る履物(運動靴)
の底体の底面図である。
【図2】図2はその底体の縦断面図である。
【符号の説明】
1 底体 1a 本底 10 加硫ゴム体
フロントページの続き (72)発明者 藤井 照人 新南陽市室尾2丁目10−1 徳山世界長 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−95213(JP,A) 特開 平2−203802(JP,A) 特開 昭63−294803(JP,A) 特開 平3−143935(JP,A) 実開 平3−82007(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43B 1/00 - 23/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履物の底体における本底において、この
    本底の少なくとも路面との接当部が、ポリノルボーネン
    ゴムを主成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体で
    形成されており、且つこの発泡されていない硫黄加硫ゴ
    ム体のスプリング式硬さが25〜40であることを特徴
    とする履物の底体。
  2. 【請求項2】 履物が閉鎖性履物又は解放性履物である
    請求項1に記載の履物の底体。
  3. 【請求項3】 閉鎖性履物が革靴、ゴム靴、布靴、ズッ
    ク靴、カジュアルシューズ、スニーカー、スポーツシュ
    ーズ、地下足袋、長靴、ビジネスシューズ又はケミカル
    ・シューズである請求項2に記載の履物の底体。
  4. 【請求項4】 解放性履物が草履又はサンダル(つっか
    けを含む。)である請求項2に記載の履物の底体。
  5. 【請求項5】 本底の全体がポリノルボーネンゴムを主
    成分とする発泡されていない硫黄加硫ゴム体で形成され
    ている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の履物の
    底体。
  6. 【請求項6】 発泡されていない硫黄加硫ゴム体が引張
    強度8〜13MPaで、且つ反発弾性10%以下である
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の履物の底体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の履物の底体を備える履物。
JP13007092A 1992-04-22 1992-04-22 履物の底体及びこの底体を備える履物 Expired - Fee Related JP3171656B2 (ja)

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