JP2518251B2

JP2518251B2 - 発泡ゴムソ−ル材

Info

Publication number: JP2518251B2
Application number: JP62033949A
Authority: JP
Inventors: 信幸片岡; 徳行渋田
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1987-02-17
Filing date: 1987-02-17
Publication date: 1996-07-24
Anticipated expiration: 2011-07-24
Also published as: JPS63200702A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は発泡ゴムソール材に係り、特に耐摩耗性に優
れ、軽く滑り難い靴底を提供することができる発泡ゴム
ソール材に関する。

［従来の技術］靴底の構成素材には、耐摩耗性に優れ、軽く、滑り難
いことが要求される。従来、靴底の構成素材としては、
一般に、発泡ゴムソール材が用いられている。

［発明が解決しようとする問題点］従来の発泡ゴムソール材において、一般に耐摩耗性の
良いゴム配合糸では、寸法安定性等の発泡加工性が悪
い。

一方、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン（以
下、「1,2−PBD」と略記することがある。）が発泡加工
性の良好なゴム素材として提案されているが、このもの
は発泡加工性に優れる反面、耐摩耗性が悪いという欠点
がある。即ち、1,2−PBDを用いた発泡ゴム配合系として
は、従来、JIS（Ａ）硬度91度、融点80℃のグレードの
ものをポリマー成分中に50〜90重量％配合したものが一
般的であるが、耐摩耗性が悪く実用性に乏しかった。

［問題点を解決するための手段］本発明は上記従来の問題点を解決し、耐摩耗性に優れ
ると共に、発泡加工性も良好な発泡ゴムソール材を提供
するべくなされたものであって、 JIS（Ａ）硬度93度以上、融点85℃以上のシンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンを30〜40重量％含有する
ポリマー成分を、加硫剤を用いて加熱発泡硬化して得ら
れる発泡ゴムソール材であって、比重が0.6〜0.9である
ことを特徴とする発泡ゴムソール材、を要旨とするものである。

即ち、本発明者らは、1,2−PBDの各種グレードと耐摩
耗性との関係について調べた結果、JIS（Ａ）硬度93度
以上、融点85℃以上のグレードの1,2−PBDが、1,2−PBD
の中で比較的優れた耐摩耗性を示すことを見出した。そ
こで、このような耐摩耗性に優れる特定グレードの1,2
−PBDを用いて発泡ゴムソール材の発泡加工性を改善す
べく更に検討を重ねた結果、上記特定硬度及び融点の1,
2−PBDをポリマー成分中に特定量配合することにより、
耐摩耗性を損なうことなく、良好な発泡加工性を得るこ
とができることを見出し、本発明を完成させた。

以下に本発明を詳細に説明する。なお、本明細書にお
いて「％」は特記しない限り「重量％」を表わすものと
する。

本発明の発泡ゴムソール材に配合される1,2−PBDは、
JIS（Ａ）硬度が93度以上、融点85℃以上のものであ
る。JIS（Ａ）硬度が93度未満であっても、融点が85℃
未満であっても高い耐摩耗性が得られない。本発明にお
いては、1,2−PBDは、好ましくはJIS（Ａ）硬度95度以
上、融点85℃以上、特に好ましくはJIS（Ａ）硬度95〜9
8度、融点90〜110℃であることが好ましい。

本発明の発泡ゴムソール材は、ポリマー成分として、
上記1,2−PBDを全ポリマー成分中に30〜40％の割合で含
むものである。1,2−PBDが30％未満では発泡加工性が悪
く、40％を超えると耐摩耗性が悪くなる。

本発明において1,2−PBD以外のポリマー成分として
は、天然ゴム、イソプレンゴム（IR）、スチレン−ブタ
ジエンゴム（SBR）、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴム等、通常用いられるゴム材料を配合す
ることができる。

本発明の発泡ゴムソール材は、これらのポリマー成分
に、イオウ等の加硫剤と、更に、必要に応じて、ホワイ
トカーボン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリ
カ、その他の無機充填材等の充填材、可塑剤、オイル、
発泡剤、加硫促進剤、老化防止剤、染料、顔料等の一般
的なゴム用添加剤を加え、常法に従って加熱発泡硬化し
て得られ、その比重は0.6〜0.9である。

本発明の発泡ゴムソール材の比重が0.9を超えると軽
量性が損なわれ、また0.6未満では十分な強度や耐摩耗
性が得られない。

なお、本発明の発泡ゴムソール材を製造する際の好ま
しい配合割合は次の通りである。

ポリマー成分 100重量部充填材 30 〃発泡剤２〃加硫剤（イオウ） 1.5 〃促進剤 1.5 〃また、発泡処理条件は155〜165℃で10〜15分間程度と
するのが好ましい。

本発明の発泡ゴムソール材は、耐摩耗性、発泡加工性
に優れ、軽量で滑り難く、耐久性に優れるため、ジョギ
ング、テニス、バスケットボール等のスポーツシューズ
及び各種作業靴、一般靴等のシューズソール材として有
効に適用することができる。

［作用］ 1,2−PBDは、柔軟性に優れる。

密度が小さく、製品の軽量化が可能である。

低コストである。

耐熱性、帯候性、耐オゾン性に優れる。

反応性が高く、発泡加工性に優れる。

等の特長を有する。しかして、1,2−PBDのうちJIS
（Ａ）硬度が93度以上、融点が85℃以上の1,2−PBDは、
１、２−PBDのなかでも極めて耐摩耗性に優れるという
利点がある。

しかしてこのような特定硬度及び融点の1,2−PBDをポ
リマー成分中に30〜40重量％配合することにより、加硫
材を用いた加熱発泡硬化反応により、優れた発泡加工性
及び耐摩耗性を得ることができる。

また、本発明の発泡ゴムソール材は比重が0.6〜0.9で
あるので、軽量でしかも強度も高く、耐久性にも優れ
る。

［実施例］以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。

実施例1,2、比較例１〜４第１表に示す配合でポリマー成分及びその他の添加剤
を混合し、160℃で10分間加硫させて、第１表に示す比
重の発泡ゴム材を得た。

得られた発泡ゴム材について耐摩耗性を調べ、その結
果を第１表に記した。

第１表より、本発明の発泡ゴムソール剤は、軽量で耐
摩耗性に優れることが明らかである。

［発明の効果］以上詳述した通り、本発明の発泡ゴムソール材は特定
グレードの1,2−PBDを特定割合で配合して発泡させてな
る特定比重の発泡ゴム材であって、低コストかつ軽量
で、滑り難く、極めて優れた耐摩耗性及び発泡加工性を
有する。

このため、本発明の発泡ゴムソール材は、高性能かつ
長寿命であり、各種シューズソール材として極めて有効
である。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】JIS（Ａ）硬度93度以上、融点85℃以上の
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを30〜40重量
％含有するポリマー成分を、加硫剤を用いて加熱発泡硬
化して得られる発泡ゴムソール材であって、比重が0.6
〜0.9であることを特徴とする発泡ゴムソール材。