JP2005279237A - アウトソール及び靴 - Google Patents

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育子 梅澤
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Abstract

【課題】軽量で、強度、耐摩耗性及びウェット地面でのグリップ性能に優れたアウトソール10の提供。
【解決手段】アウトソール10は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このアウトソール10は、気泡を実質的に含んでいない。このアウトソール10の比重は、0.95以上1.10以下である。アウトソール10のゴム組成物は、30質量部以上70質量部以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含む100質量部の基材ゴムと、5質量部以上20質量部以下の不飽和カルボン酸の金属塩と、0.5質量部以上1.5質量部以下の有機過酸化物と、10質量部以上35質量部以下のシリカと、1.0質量部以上5.0質量部以下のシランカップリング剤と、0質量部以上3.0質量部以下の軟化剤とを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフシューズ、テニスシューズ、ジョギングシューズ、トレッキングシューズ、紳士靴等のアウトソールに関する。
靴は、アウトソール、アッパー、インソール等から構成されている。通常アウトソールは、ゴムを基材とする組成物から形成されている。このアウトソールには、着用者の運動に伴って荷重がかかる。アウトソールはまた、地面と摺動する。アウトソールには、強度及び耐摩耗性が必要である。強度及び耐摩耗性向上の目的で、充填剤としてシリカ又はカーボンブラックが配合される。特開2002−34601公報には、シリカが配合されたアウトソールが開示されている。
シリカの比重は1.95から2.05であり、カーボンブラックの比重は1.8程度である。一方、基材ゴムの比重は通常は0.9から1.4程度である。シリカ又はカーボンブラックが配合されたアウトソールの質量は、大きい。重いアウトソールを備えた靴は、着用者にとって履き心地が悪い。しかも、靴の質量が大きいと、着用者の脚が疲れやすくい。
特開平2−149206号公報には、気泡を含み軽量であるアウトソールが提案されている。気泡は、発泡剤や微小中空球(「マイクロバルーン」とも称される)によって得られる。気泡を含むアウトソールは、耐摩耗性に劣る。
加工性向上、柔軟性向上等の目的で、アウトソールのゴム組成物に軟化剤が配合されることがある。この軟化剤の配合により、強度及び耐摩耗性の低下が助長されることがある。
アウトソールにとって、アスファルト製地面、コンクリート製地面、芝生面等でのグリップ性能も重要である。ウェット地面では、スリップが生じやすい。ウェット地面でのグリップ性能は、アウトソールにとって特に重要である。
特開2002−34601号公報 特開平2−149206号公報
このように、アウトソールには、軽量であること、強度及び耐摩耗性に優れること、そしてウェット地面でのグリップ性能に優れることが要求される。本発明の目的は、これらの要求に合致するアウトソールの提供にある。
本発明に係るアウトソールは、ゴム組成物が架橋されることによって成形された主要部を備える。この主要部は、気泡を実質的に含んでいない。この主要部の比重は、0.95以上1.10以下である。この主要部のゴム組成物は、100質量部の基材ゴムと、5質量部以上20質量部以下の不飽和カルボン酸の金属塩と、0.5質量部以上2.5質量部以下の有機過酸化物と、10質量部以上35質量部以下のシリカと、1.0質量部以上5.0質量部以下のシランカップリング剤と、0質量部以上3.0質量部以下の軟化剤とを含んでいる。基材ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムと他のゴムとを含む。アクリロニトリル−ブタジエンゴムの量は、30質量部以上70質量部以下である。
好ましくは、主要部がアウトソールの底面に占める比率は、60%以上100%以下である。
好ましくは、ゴム組成物は、アクリロニトリル−ブタジエンゴムと共に、比重が0.97以下である他のゴムを含む。他のゴムの量は、30質量部以上70質量部以下である。
好ましくは、ゴム組成物は、5質量部以上30質量部以下の超高分子ポリエチレンパウダーを含む。
このアウトソールの主要部は、充填剤が少量であっても、強度及び耐摩耗性に優れる。その理由は、ゴムが不飽和カルボン酸の金属塩及び有機過酸化物によって架橋されていること、及び充填剤としてシリカが用いられてシランカップリング剤が併用されていることにある。充填剤が少量なので、この主要部を備えた靴は軽量である。主要部に用いられるアクリロニトリル−ブタジエンゴムは、ウェット地面でのグリップ性能に寄与する。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態にかかる靴2が示された正面図である。この靴2は、アッパー4及びソール6を備えている。図示されていないが、この靴2はインソールも備えている。
図2は図1のソール6が示された底面図であり、図3は図2のIII−III線に沿った断面図である。図3に示されているように、ソール6はミッドソール8及びアウトソール10を備えてる。アウトソール10は、多数の突起12を備えている。アウトソール10に、金属、合成樹脂等の硬質材料からなる鋲が装着されてもよい。
アウトソール10は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このアウトソール10は気泡を含んでいない。換言すれば、このアウトソール10は、いわゆるソリッドゴムからなる。ソリッドゴムからなるアウトソール10は、耐摩耗性に優れる。ここで気泡とは、例えば化学発泡剤の発泡や微小中空球の配合によって積極的に設けられたものを意味する。本明細書において「ソリッドゴム」には、ゴム組成物の混練工程、成形工程等で意図せず混入したり発生したガスによる、欠陥としての微量の気泡(いわゆる鬆)が存在するものも含まれる。
ゴム組成物の基材ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含んでいる。アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、ウェット地面でのグリップ性能に寄与する。この靴2は、ウェット地面でもスリップしにくい。グリップ性能の観点から、結合アクリロニトリル量が25質量%以上、さらには31質量%以上であるアクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましい。グリップ性能の観点から、結合アクリロニトリル量が43質量%以下、さらには36質量%以下であるアクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましい。本発明において、「アクリロニトリル−ブタジエンゴム」には、水添アクリロニトリル−ブタジエンゴムは含まれない。水添アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、混練加工性に劣る。
好ましいアクリロニトリル−ブタジエンゴムの具体例としては、結合アクリロニトリル量が33.5質量%である日本ゼオン社の商品名「Nipol DN200」、日本ゼオン社の商品名「Nipol 1032」及び南帝社の商品名「NANCAR 1052」並びに結合アクリロニトリル量が33.0質量%である日本ゼオン社の商品名「Nipol DN3350」が挙げられる。
グリップ性能の観点から、100質量部の基材ゴムにおけるアクリロニトリル−ブタジエンゴムの量は、30質量部以上に設定される。アクリロニトリル−ブタジエンゴムの量は、40質量部以上が好ましく、45質量部以上がより好ましい。一般的なアクリロニトリル−ブタジエンゴムの比重は、0.97から1.00である。アクリロニトリル−ブタジエンゴムの比重は大きい。アクリロニトリル−ブタジエンゴムの量が過大であると、靴2の質量が過大となる。軽量化の観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの量は70質量部以下に設定される。アクリロニトリル−ブタジエンゴムの量は、65質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。
このゴム組成物には、基材ゴムとして、アクリロニトリル−ブタジエンゴムと共に他のゴムが用いられている。100質量部の基材ゴムにおける他のゴムの量は、30質量部以上70質量部以下である。好ましくは、比重が0.97以下、さらには0.95以下、さらには0.94以下のゴムが用いられる。ゴムの比重は、通常は0.85以上である。好ましいゴムとしては、VCR、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ニトリル−イソプレンゴム及び天然ゴムが例示される。一般的なVCRの比重は、0.91である。一般的なイソプレンゴムの比重は、0.91以上0.93以下である。一般的なスチレン−ブタジエンゴムの比重は、0.92以上0.97以下である。一般的なブタジエンゴムの比重は、0.90以上0.94以下である。一般的なブチルゴムの比重は、0.91以上0.93以下である。一般的なエチレン−プロピレンゴムの比重は、0.86以上0.87以下である。一般的なエチレン−プロピレン−ジエンゴムの比重は、0.86以上0.87以下である。一般的なエチレン−酢酸ビニル共重合体の比重は、0.98以上0.99以下である。一般的なニトリル−イソプレンゴムの比重は、0.93以上0.96以下である。一般的な天然ゴムの比重は、0.91以上0.93以下である。
アクリロニトリル−ブタジエンゴムと共に、VCRが用いられることが、特に好ましい。VCRは、高シスポリブタジエンと高結晶性シンジオタクチックポリブタジエンとが複合化されてなる。VCRは、アウトソール10の強度及び耐摩耗性に寄与する。VCRは、後に詳説されるように、充填剤の量の低減に寄与する。強度の観点から、シンジオタクチックポリブタジエン量が10質量%以上、さらには15質量%以上であるVCRが好ましい。耐摩耗性の観点から、シンジオタクチックポリブタジエン量が20質量%以下、さらには18質量%以下であるVCRが好ましい。
好ましいVCRの具体例としては、宇部興産社の商品名「UBEPOL−VCR412」、「UBEPOL−VCR617」、「UBEPOL−VCR450」及び「UBEPOL−VCR800」が挙げられる。シンジオタクチックポリブタジエン量が17.0質量%である「UBEPOL−VCR617」が、特に好ましい。
ゴム組成物には、共架橋剤として、不飽和カルボン酸の金属塩が配合されている。モノカルボン酸の金属塩及びジカルボン酸の金属塩のいずれもが、用いられうる。共架橋剤の具体例としては、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸亜鉛及びアクリル酸カルシウムが挙げられる。モールドからの離型性及び強度の観点から、メタクリル酸マグネシウム及びメタクリル酸亜鉛が好ましい。
不飽和カルボン酸の金属塩の配合量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以上20質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、アウトソール10の硬度が不十分となることがある。この観点から、配合量は7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。配合量が上記範囲を越えると、アウトソール10の屈曲性が不十分となり、しかも成形型からの離型性が不十分となることがある。この観点から、配合量は15質量部以下がより好ましく、13質量部以下が特に好ましい。
ゴム組成物には、ラジカル発生剤として、有機過酸化物が配合されている。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル過安息香酸及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイド及び1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンである。
有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上2.5質量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、アウトソール10の硬度が不十分となることがある。この観点から、配合量は0.7質量部以上がより好ましい。配合量が上記範囲を越えると、アウトソール10の屈曲性が不十分となることがある。この観点から、配合量は2.0質量部以下、さらには1.5質量部以下、さらには1.3質量部以下が好ましい。
ゴムが共架橋剤及び有機過酸化物によって架橋されてなるアウトソール10は、硫黄架橋によって得られたアウトソール10に比べて高硬度であり、強度及び耐摩耗性に優れる。共架橋剤及び有機過酸化物は、後に詳説されるように、充填剤の量の低減に寄与する。
ゴム組成物には、シリカが配合されている。シリカは充填剤の中では比重が比較的小さいので、靴2の軽量化に寄与する。シリカは補強効果に優れるので、アウトソール10の強度向上にも寄与する。シリカは白色でありアウトソール10の色目に悪影響を与えない。補強効果の観点から、一次粒子直径が30nm以下、さらには28nm以下、特には20nm以下のシリカが特に好ましい。一次粒子直径は小さいほど好ましいが、通常得られるシリカの一次粒子直径は、5nm以上である。一次粒子直径とは、凝集を起こしていない状態におけるシリカの直径を意味する。
シリカの配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上35質量部以下である。配合量が上記範囲未満であると、アウトソール10が低硬度となってその強度が不十分となることがある。この観点から、配合量は15質量部以上がより好ましく、20質量部以上が特に好ましい。配合量が上記範囲を超えると、アウトソール10が重くなる。この観点から、配合量は30質量部以下がより好ましく、25質量部以下が特に好ましい。
シリカと共に、他の無機充填剤が配合されてもよい。他の無機充填剤としては、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム及びタルクが例示される。シリカと他の無機充填剤とが併用される場合、これらの合計配合量は35質量部以下が好ましい。
このアウトソール10における無機充填剤の量は少ないので、このアウトソール10は軽量である。このアウトソール10では、ゴムが不飽和カルボン酸の金属塩及び有機過酸化物によって架橋されているので、無機充填剤が少量であるにもかかわらず、強度及び耐摩耗性に優れる。このアウトソール10は、ウェット地面でのグリップ性能、強度、耐摩耗性及び軽量の全てにおいて優れる。
このアウトソール10の比重は、0.95以上1.10以下である。比重が上記範囲未満であると、アウトソール10の強度及び耐摩耗性が不十分となることがある。比重が上記範囲を超えると、靴2の質量が大きくなる。軽量化の観点から、比重は1.08以下がより好ましく、1.06以下が特に好ましい。
ゴム組成物には、シランカップリング剤が配合されている。シランカップリング剤は、架橋ゴムにおける堅固な結合に寄与する。このアウトソール10では、不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化物及びシランカップリング剤の相乗効果により、耐摩耗性が飛躍的に高められている。シランカップリング剤は、無機充填剤の配合量の低減に寄与する。シランカップリング剤は疎水性基を備えているので、ウェット地面でのグリップ性能にも寄与する。
好適なシランカップリング剤としては、下記化学式(I)及び(II)に示されるものが挙げられる。
Figure 2005279237
Figure 2005279237
シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフェン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。2種以上のシランカップリング剤が併用されてもよい。
シランカップリング剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して1.0質量部以上5.0質量部以下である。配合量が上記範囲未満であると、アウトソール10の強度及び耐摩耗性が不十分となることがある。この観点から、配合量は1.5質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上が特に好ましい。
このアウトソール10には、軟化剤は全く配合されないか、配合される場合でもその配合量は少量とされる。具体的には、軟化剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3.0質量部以下、さらには2.0質量部以下、特にはゼロとされる。軟化剤の配合量が少量(またはゼロ)なので、無機充填剤の配合量が少なくても、アウトソール10の強度は高い。軟化剤は柔軟性付与、加工性向上等の目的で配合されるが、このアウトソール10では無機充填剤の量が少ないので、軟化剤の量が抑えられても柔軟性が維持され、且つ加工性も良好である。軟化剤としては、パラフィンオイル、ナフテンオイル、アロマチックオイルのようなオイル及びジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアジペートのような可塑剤が挙げられる。
ゴム組成物に、超高分子ポリエチレンパウダーが配合されることが好ましい。このパウダーは、アウトソール10の強度に寄与する。このパウダーが配合されることにより、無機充填剤が少量とされうる。このパウダーは、靴2の軽量化に寄与する。強度の観点から、基材ゴム100質量部に対するパウダーの配合量は5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。屈曲性及び低コストの観点から、配合量は30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましい。
アウトソール10の強度及び耐摩耗性の観点から、このパウダーの粘度平均分子量は150万以上が好ましく、180万以上がより好ましい。ゴム組成物の混練性の観点から、このパウダーの粘度平均分子量は300万以下が好ましく、250万以下がより好ましく、220万以下が特に好ましい。このパウダーの粘度平均分子量は、固有粘度法によって測定される。測定では、まずパウダーが135℃のデカリンに溶解させられる。この溶液は、粘度管を流下させられる。この流下に要する時間とブランク溶液の流下に要する時間との差に基づき、パウダーの固有粘度(η)が算出される。分子量Mは、「ASTM D4020」の規定に準拠して、下記換算式により算出される。
M = 5.37 ・ 10 ・ η1.37
アウトソール10の強度及び耐摩耗性の観点から、このパウダーの平均粒子直径は40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。パウダーの取り扱い性の観点から、平均粒子直径は10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、25μm以上が特に好ましい。平均粒子直径は、コールターカウンター法によって測定される。
アウトソールの軽量化の観点から、このパウダーの比重は0.97以下が好ましく、0.96以下がより好ましく、0.95以下が特に好ましい。通常得られるパウダーの比重は、0.90以上である。
好ましいパウダーの具体例としては、三井化学社の商品名「ミペロンXM220」及び「ミペロンXM221U」が挙げられる。これらのパウダーのスペックが、以下に示される。
ミペロンXM220
粘度平均分子量:200万
平均粒子直径:30μm
比重:0.94
ミペロンXM221U
粘度平均分子量:200万
平均粒子直径:25μm
比重:0.94
ゴム組成物に、ハイスチレン樹脂が配合されてもよい。ハイスチレン樹脂は、アウトソール10の強度に寄与する。ゴム組成物に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンが配合されてもよい。シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンは、アウトソール10の強度に寄与する。強度の観点から、ハイスチレン樹脂及びシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの合計配合量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上が特に好ましい。ゴム組成物の混練性の観点から、ハイスチレン樹脂及びシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの合計配合量は、基材ゴム100質量部に対して40質量部以下が好ましい。
ゴム組成物には、必要に応じ、老化防止剤、着色剤等の添加剤が適量配合される。
アウトソール10の硬度は、75以上90以下が好ましい。硬度が上記範囲未満であると、歩行時の安定性が損なわれることがある。この観点から、硬度は76以上、さらには77以上、さらには78以上、さらには80以上が好ましい。硬度が上記範囲を越えると、屈曲性が損なわれることがある。この観点から、硬度は87以下がより好ましく、85以下が特に好ましい。硬度の測定では、靴2の底面の、アウトソール10の厚みが5mm以上である箇所に、JIS−K−6253に規定されたタイプAデュロメータが押しつけられる。靴2での測定が困難な場合は、アウトソール10に用いられたものと同一のゴム組成物が金型に投入され、160℃で15分間加圧・加熱されて得られた、厚みが12mmの板状試験片が用いられる。
このアウトソール10では、その全体が、単一のゴム組成物から一体的に成形されている。換言すれば、このアウトソール10では、全てが主要部である。主要部と他の部分とが、アウトソールに混在してもよい。他の部分には、主要部よりも高硬度な架橋ゴム、発泡ゴム、着色ゴム等が用いられうる。アウトソールの底面の面積に占める主要部の面積の比率は、60%以上が好ましく、80%以上が好ましく、理想的には100%である。アウトソールが地面に置かれ、地面に垂直な光線によってアウトソール及び主要部が地面に投影されたときの面積に基づき、上記比率が算出される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
50.0質量部のアクリロニトリル−ブタジエンゴム、50.0質量部のVCR、20.0質量部の超高分子ポリエチレンパウダー、2.5質量部のシランカップリング剤、25質量部のシリカ、1.0質量部の老化防止剤、10.0質量部のメタクリル酸マグネシウム及び1.0質量部のジクミルパーオキサイドを密閉式混練機及びオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を金型に投入し、160℃で15分間、加圧、加熱して、アウトソールを得た。このアウトソールにミッドソール、インソール及びアッパーを取り付けて、実施例1の靴を得た。
[実施例2から12及び比較例1から10]
ゴム組成物の配合を下記の表1、表2及び表3に示されるとおりとした他は実施例1と同様にして、実施例2から12及び比較例1から10の靴を得た。
表1、表2及び表3に示された各物質の詳細は、以下の通りである。
アクリロニトリル−ブタジエンゴム
日本ゼオン社の商品名「Nipol DN200」
結合アクリロニトリル量:33.5質量%、比重:0.98
VCR
宇部興産社の商品名「VCR617」
シンジオタクチックポリブタジエン量:17.0質量%、比重:0.91
スチレン−ブタジエンゴム
ジェイエスアール社の商品名「SBR1502」
比重:0.94
水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム
日本ゼオン社の商品名「Zetpol 2000」
結合アクリロニトリル量:36.2質量%、比重:0.98
超高分子ポリエチレンパウダー
三井化学社の商品名「ミペロンXM220」
比重:0.94
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン
ジェイエスアール社の商品名「RB830」
比重:0.909
SAFカーボンブラック
三菱化成社の商品名「ダイアブラックA」
比重:1.8
シランカップリング剤
デグサ社の商品名「Si69」
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフェン
比重:1.097
シリカ
デグサ社の商品名「ウルトラジルVN3」
比重:2.05
ジオクチルフタレート
三建化工社の商品名「DOP」
比重:0.986
老化防止剤(サンノック)
大内新興化学工業社の商品名「サンノックN」
比重:0.93
老化防止剤(ノクラック)
大内新興化学工業社の商品名「ノクラック200」
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
比重:1.02
メタクリル酸マグネシウム
三新化学工業社の商品名「サンエステルSK−13」
比重:1.102
ジクミルパーオキサイド
日本油脂社の商品名「パークミルD」
比重:1.018
硫黄
鶴見化学工業社の粉末硫黄
比重:2.1
加硫促進剤NS
大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーNS」
N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
比重:1.26
加硫促進剤EZ
大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーEZ」
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛
比重:1.47
加硫促進剤DT
大内新興化学工業社の商品名「ノクセラーDT」
ジ−o−トリルグアニジン
比重:1.18
[比重の測定]
アウトソールからブロック状の試験片を切り出し、その比重を測定した。この結果が、下記の表1、表2及び表3に示されている。
[ウェット地面でのグリップ性能]
テスターに靴を着用させ、水で濡れたアスファルト製地面の上を歩行させた。そして、滑りにくさを「1」から「5」の5段階で評価させた。10名のテスターの評価の平均値が、下記の表1、表2及び表3に示されている。
[硬度の測定]
アウトソールに用いられたゴム組成物を金型に投入し、160℃で15分間加圧・加熱して、厚みが12mmの板状試験片を得た。この試験片を用い、デュロメーターハードネスタイプAにて、JIS−K−6253に準拠して硬度を測定した。この結果が下記の表1、表2及び表3に示されている。
[引張強度及び伸びの測定]
アウトソールに用いられたゴム組成物を金型に投入し、160℃で10分間加圧・加熱して、厚みが2mmの板状成形体を得た。この成形体をJIS−ダンベル3号形状に打ち抜いて、試験片を得た。この試験片を、JIS−K−6251に準拠した引張試験に供し、切断時伸びを測定した。この結果が下記の表1、表2及び表3に示されている。
[摩耗容量の測定]
アウトソールに用いられたゴム組成物を金型に投入し、160℃で15分間加圧・加熱して、厚みが12.7mmの円盤状試験片を得た。この試験片を用い、JIS−K−6264に規定されたアクロン摩耗試験の「A−2法」に準拠して、摩耗容量を測定した。試験片と摩耗輪との傾き角度を15°とし、摩耗輪に掛かる荷重を44.1Nとし、試験片の回転速度を250rpmとした。なお、JIS−K−6264に規定された回転数は1000回であるが、今回は回転数2000回で摩耗容量を測定した。この結果が下記の表1、表2及び表3に示されている。
[混練時の加工性]
混練時のロール加工性を、作業者が判定した。この結果が下記の表1、表2及び表3に示されている。
Figure 2005279237
Figure 2005279237
Figure 2005279237
表1、表2及び表3から明らかなように、実施例の靴は軽量であり、しかもウェット地面でのグリップ性能及び耐摩耗性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るアウトソールは、種々の靴に適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る靴が示された正面図である。 図2は、図1のソールが示された底面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
符号の説明
2・・・靴
4・・・アッパー
6・・・ソール
8・・・ミッドソール
10・・・アウトソール
12・・・突起

Claims (5)

  1. ゴム組成物が架橋されることによって成形された主要部を備えており、この主要部は気泡を実質的に含んでおらず、この主要部の比重が0.95以上1.10以下であるアウトソールであって、
    このゴム組成物が、30質量部以上70質量部以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含む100質量部の基材ゴムと、5質量部以上20質量部以下の不飽和カルボン酸の金属塩と、0.5質量部以上2.5質量部以下の有機過酸化物と、10質量部以上35質量部以下のシリカと、1.0質量部以上5.0質量部以下のシランカップリング剤と、0質量部以上3.0質量部以下の軟化剤とを含んでいるアウトソール。
  2. 上記主要部がアウトソールの底面に占める比率が60%以上100%以下である請求項1に記載のアウトソール。
  3. 上記ゴム組成物が、30質量部以上70質量部以下の、比重が0.97以下であるゴムを含む請求項1又は2に記載のアウトソール。
  4. 上記ゴム組成物が、5質量部以上30質量部以下の超高分子ポリエチレンパウダーを含む請求項1から3のいずれかに記載のアウトソール。
  5. アウトソールを備えており、
    このアウトソールがゴム組成物が架橋されることによって成形された主要部を備えており、
    この主要部は気泡を実質的に含んでおらず、
    この主要部の比重が0.95以上1.10以下であり、
    このゴム組成物が、30質量部以上70質量部以下のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含む100質量部の基材ゴムと、5質量部以上20質量部以下の不飽和カルボン酸の金属塩と、0.5質量部以上2.5質量部以下の有機過酸化物と、10質量部以上35質量部以下のシリカと、1.0質量部以上5.0質量部以下のシランカップリング剤と、0質量部以上3.0質量部以下の軟化剤とを含んでいる靴。
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