JP2000041704A - 履き物用アウトソール - Google Patents

履き物用アウトソール

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JP2000041704A
JP2000041704A JP21118898A JP21118898A JP2000041704A JP 2000041704 A JP2000041704 A JP 2000041704A JP 21118898 A JP21118898 A JP 21118898A JP 21118898 A JP21118898 A JP 21118898A JP 2000041704 A JP2000041704 A JP 2000041704A
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JP
Japan
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outsole
scaffold
rubber composition
footwear
crosslinked rubber
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JP21118898A
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Inventor
Ikuko Umezawa
育子 梅澤
Akihiro Nakahara
章裕 中原
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濡れた足場でも良好な防滑性が得られると共
に、歩行(運動)時の履物の履き心地が良好となる履物
用アウトソールを提供する。 【解決手段】 架橋ゴム組成物を成形し、底面に溝1を
形成してその先端面が足場と接触する複数の突出したブ
ロック部2を区画形成した履き物用アウトソール100
であって、周波数10Hzでの動的粘弾性の歪分散にお
いて、動歪2.0%における温度−10℃の複素弾性率
(E )が150kgf/cm 以上で、損失係数
(tanδ)が0.2以上である架橋ゴム組成物を用い
ると共に、溝深さを4〜7mm、底面全体の面積(A)
に対する複数の突出したブロック部の2先端面の合計の
面積(B)との比率(B/A)を0.5〜0.7の範囲
に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は履き物用アウトソー
ルに関し、詳しくは、濡れた足場でも優れた防滑性(グ
リップ性)が得られ、しかも、良好な履き心地を兼ね備
えた履き物用アウトソールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】靴やサンダル等の履き物では、安全性を
得るためには、履き物の底部であるアウトソールが足場
に対して優れた防滑性(グリップ性)を有していること
が重要である。そこで、一般に、ゴム組成物でアウトソ
ールを形成して、ゴム特有の粘着摩擦力によって、優れ
た防滑性(グリップ性)が得られるようにしている。
【0003】しかしながら、ゴム組成物からなるアウト
ソールは足場が乾燥状態の場合概ね優れた防滑性(グリ
ップ性)が得られるものの、雨の日や、水辺等の濡れた
状態の足場では、防滑性が低下してしまい、運動範囲を
制限する必要が生じたり、最悪の場合には転倒して怪我
を負う危険性がある。これは、足場が濡れると、ソール
表面と足場との間に水膜が介在し、この水膜によって、
両者間の粘着摩擦力が低下してしまうためである。
【0004】そこで、濡れた足場での防滑性を高めるた
め、従来、アウトソール(ゴム組成物)に吸水性に優れ
た材料を用いて水膜を吸い取ったり、また、アウトソー
ルに水はけ用の深い溝を形成することが提案されてい
る。しかしながら、前者では、吸い込む水の量に限界が
ある上、水を吸い込むことによって靴が重くなり、歩行
(運動)しずらくなるという問題がある。また、後者で
は水はけの効果が得られるようにするためには溝をかな
り深く形成しなけれならず、このため、溝の形成により
区画された接地部となる突起部が大きく変形して、乾い
た足場での粘着摩擦力が大きくなり過ぎて、歩行(運
動)しずらくなったり、アウトソールの摩耗が激しくな
る問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アウトソールは良好な
防滑性を有することが重要であることはもちろんである
が、本来、歩行(運動)しやすく、かつ、歩行(運動)
した時に足にかかる負担を軽減するもの、すなわち、履
物を履いて歩行(運動)した時の履き心地が良いもので
なくてはならない。しかるに、上記のように、従来の濡
れた足場でも良好な防滑性が得られるよう提案されたア
ウトソールでは履き心地が悪くなってしまっていた。
【0006】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たもので、濡れた足場でも良好な防滑性が得られると共
に、歩行(運動)時における履物の履き心地も良好とな
る履物用アウトソールを提供することを課題としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、架橋ゴム組成物を成形し、底面に溝を形
成してその先端面が足場と接触する複数の突出したブロ
ック部を区画形成した履き物用アウトソールであって、
上記架橋ゴム組成物は、周波数10Hzでの動的粘弾性
の歪分散において、動歪2.0%における温度−10℃
の複素弾性率(E )が150kgf/cm 以上
で、損失係数(tanδ)が0.2以上の架橋ゴム組成
物からなり、上記溝深さを4〜7mmにすると共に、上
記底面全体の面積(A)に対する上記複数の突出したブ
ロック部の先端面の合計の面積(B)との比率(B/
A)を0.5〜0.7の範囲に設定したことを特徴とす
る履き物用アウトソールを提供している。なお、一般的
なアウトソールでは底面の土踏まずに対応する部分は大
きな凹部として足場に接触しないようにしており、上記
溝及び複数の突出したブロック部は、底面の爪先から甲
裏までの領域を支える部分及び踵を支える部分に形成し
ている。
【0008】上記において、架橋ゴム組成物の粘弾性特
性である複素弾性率(E )と損失係数(tanδ)
を上記の測定条件で測定しているのは、上記測定条件で
測定した複素弾性率(E )及び損失係数(tan
δ)は上記測定条件以外で測定した場合にくらべて、ア
ウトソールのグリップ力(防滑力)との関係に良い相関
性が認められたためである。本発明は、特に、トレッキ
ングシューズ等の岩場等の固くて凸凹のある足場で使用
する履物に好適な履物用アウトソールについて検討し
た。そこで、アウトソールのグリップ力(防滑力)とア
ウトソールの接地面となる底面の形状との関係について
更に検討したところ、上記特定の測定条件にて測定した
特定の粘弾性数値(複素弾性率(E* )と損失係数(t
anδ))を示す架橋ゴム組成物を用いて、底面におけ
る足場への接触部(突出したブロック部)を区画する溝
深さとランド比(底面全体の面積に対する足場との接触
部の総面積の比率)を上記の特定範囲に設定したアウト
ソールとすると、特に、岩場等の固くて凸凹のある足場
で使用する場合でも、足場が濡れていても優れた防滑性
(グリップ性)と良好な履き心地が得られることを見出
したものである。
【0009】すなわち、加硫ゴム組成物を、周波数10
Hzでの動的粘弾性の歪分散において、動歪2.0%に
おける温度−10℃の複素弾性率(E )が150k
gf/cm 以上で、損失係数(tanδ)が0.2
以上の、適度な変形性を有し、かつ、弾性ヒステリシス
の大きいものとすると共に、底面に溝を形成して区画し
た足場への接触部となる複数の突出したブロック部の高
さ(溝深さ)を4〜7mmとし、底面全体の面積(A)
と複数の突出したブロック部の先端面を合計した接地面
積(B)との比率(B/A)、すなわち、ランド比を
0.5〜0.7にすることで、複数の突出したブロック
部が高いグリップ力で足場に接触して良好な防滑性が得
られ、更に複数の突出したブロック部が足場から加わる
衝撃を吸収すると共に、歩行(運動)による足の動きに
追従して変形して、良好な履き心地が得られるようにし
ている。
【0010】上記複数の突出したブロック部の各形状
は、概ね側面が溝底面より垂直或いは傾斜して切り立っ
た角柱形状、角錐台形状、円柱形状、円錐台形状、複数
の角柱或いは/及び円柱を複合した形状等の種々の形状
とすることができる。
【0011】加硫ゴム組成物の複素弾性率(E )が
150kgf/cm 以上であることで複数の突出し
たブロック部が高グリップ力で足場に密着するが、複素
弾性率(E )が大きくなり過ぎると、ランド比を大
きくしたり、複数の突出したブロック部を区画する溝深
さを小さく(突出したブロック部の高さを小さく)した
場合に、足場から加わる衝撃の吸収性が低下する傾向を
示す。よって、複素弾性率(E )は150〜700
kgf/cm の範囲とするのが好ましく、280〜
600kgf/cm の範囲とするのがより好まし
い。
【0012】また、加硫ゴム組成物の損失係数(tan
δ)が0.2以上であることで複数の突出したブロック
部の足場への滑り抵抗が大きくなるが、損失係数(ta
nδ)が大きくなり過ぎると、ランド比を小さくした
り、複数の突出したブロック部を区画する溝深さを大き
く(突出したブロック部の高さを大きく)した場合に、
突出したブロック部の運動追従性が低下する傾向を示
す。よって、損失係数(tanδ)は、0.2〜1.2
の範囲とするのが好ましく、0.4〜1.0の範囲とす
るのがより好ましい。
【0013】上記ランド比である底面全体の面積(A)
と複数の突出したブロック部の先端面を合計した接地面
積(B)との比率(B/A)が上記0.5〜0.7の範
囲を外れて小さくなった場合、接地面積(足場への接触
面積)の不足により安定感が損なわれ、かつ、溝深さ
(突出したブロック部の高さ)によって程度の差はある
が突出したブロック部が敏捷な足の動きに追従しなくな
り、運動時に十分な反発力が得られず、履き心地が悪く
なる。また、上記0.5〜0.7の範囲を外れて大きく
なった場合、各突出したブロック部の足場への接触圧が
小さくなり過ぎて、グリップ性が低下したり、また、溝
深さ(突出したブロック部の高さ)によって程度の差は
あるが、足場から加わる衝撃の吸収性が低下して履き心
地が悪くなる。
【0014】複数の突出したブロック部を区画する溝の
溝深さ(突出したブロック部の高さ)が上記4〜7mm
の範囲を離れて大きくなった場合、ランド比によって程
度の差はあるが、突出したブロック部が敏捷な足の動き
に追従しなくなり、運動時に十分な反発力が得られず、
履き心地が悪くなったり、また、ブロックの剛性が低く
なりすぎて、ブロックの先端面の一部が足場から離れて
しまってグリップ力が低下したりする。また、4〜7m
mの範囲を離れて小さくなった場合、ランド比によって
程度の差はあるが、足場から加わる衝撃の吸収性が低下
して、履き心地が悪くなる。
【0015】複数の突出したブロック部の足場と接触す
る先端面の面積(ブロック部一個当たりの接触面積)は
突出したブロック部の形成位置によっても異なるが、通
常20〜400mm 、好ましくは50〜200mm
の範囲とするのがよい。これは、上記範囲を離れて
面積が小さくなると、ブロック部の剛性が小さくなり過
ぎて安定性が悪くなり、面積が大きくなると、接地面と
の間に水膜ができてグリップ力が低下したり、衝撃吸収
性が低下する傾向を示すためである。
【0016】架橋ゴム組成物の硬度はJIS−A硬度で
40〜90の範囲にあることが好ましい。これは、架橋
ゴム組成物のJIS−A硬度が40より小さくなると、
アウトソール全体が柔らかくなり過ぎて不安定感を感じ
る傾向を示し、90より大きくなるとアウトソール全体
が硬くり過ぎて、履き心地が悪化する傾向を示すためで
ある。
【0017】架橋ゴム組成物のゴム成分(ポリマー成
分)としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−
ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジ
エンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、アクリルゴム、ウレタンゴム等を挙げることができ
る。これらは1種又は2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0018】上記ゴム成分を架橋する架橋剤としては、
例えば、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、キノ
ンジオキシム類を等を使用する。硫黄や有機含硫黄化合
物の架橋剤(加硫剤)を用いる場合、加硫促進剤や加硫
促進助剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、例え
ば、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(Pb
O)等の無機促進剤や、チアゾール系加硫促進剤、スル
フェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジ
チオカルバミン酸塩系加硫促進剤等の有機促進剤を使用
することができる。また、加硫促進助剤を配合すること
もでき、例えば、亜鉛華などの金属化合物やステアリン
酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸を使用すること
ができる。更に老化防止剤、軟化剤(可塑剤)を配合し
てもよい。
【0019】また、架橋ゴム組成物の粘弾性の調整、耐
摩耗性の付与、硬度調整等のために、シリカ、カーボン
等の充填剤を配合したり、撥水性の付与、粘弾性等の調
整のためにシランカップリング剤やシリル化剤を配合し
てもよい。
【0020】本発明では架橋ゴム組成物(アウトソー
ル)のトルエン膨潤率が300%以下であるのが好まし
い。これは、架橋ゴム組成物のトルエン膨潤率が300
%以下であると、架橋ゴム組成物中の架橋用の配合剤の
みならず、シリカ等の充填剤やその他の配合剤のブルー
ミングを防止できるためである。シリカ等のブルーミン
グが起こると、製造直後に上記本発明の特定の粘弾性
(複素弾性率(E* )、損失係数(tanδ))を示す
ものであっても、ブルーミングしたシリカの存在によっ
てグリップ力が低下したり、外観不良を起こす場合があ
るためである。トルエン膨潤率が260%以下であると
より確実にブルーミングを防止できる。
【0021】本発明では架橋ゴム組成物を成形してアウ
トソールとするが、ゴム、架橋剤及び必要に応じて配合
する各種配合剤を混練し、該混練物をアウトソール用金
型に入れて加硫成形してアウトソールを作成する。ま
た、ゴム、架橋剤及び必要に応じて配合する各種配合剤
を混練する段階で架橋し、得られた架橋ゴム組成物をア
ウトソール用金型に入れて成形してもよい。なお、成形
は射出成形、プレス成形等の任意の成形方法を用いるこ
ができる。
【0022】本発明の履物用アウトソールは岩場等で使
用するトレッキングシューズに最適であるが、釣り用の
長靴、ビーチサンダル、ダイビング用シューズ、バイク
用シューズ、お風呂靴、レインシューズ等の比較的固
く、かつ、頻繁に水で濡れた状態となる足場で使用する
履き物のアウトソールにも好適である。もちろん、これ
ら以外の履物にも使用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
により更に詳しく説明する。下記表1の上段に示す処方
の混練物を調整し、各混練物をアウトソール用金型に入
れて160℃、10分の条件にて加硫成形して実施例1
〜9及び比較例1〜6のアウトソールを作成した。な
お、これらのアウトソールの底面の基本形状は図1に示
す形状とした。すなわち、アウトソール100は足の爪
先から甲裏部を支える第1ソール部51、足の踵部を支
える第2ソール部52、及び、これら第1ソール部51
と第2ソール部52を繋ぐ土踏まず部53とからなる。
そして、第1ソール部51及び第2ソール部52には幅
1〜20mmの範囲にある複数の溝1を縦、横、斜め方
向に形成し、種々形状の複数の突出したブロック部(接
地部)2を区画形成している。複数の突出したブロック
部2の夫々の先端面の面積は20〜500mm の範
囲内としている。アウトソールの底面全体の面積は23
000mm である。なお、土踏まず部53は全体が
接地しない凹部となっている。
【0024】下記表1の中断に示すように、溝の深さ
は、実施例1〜実施例7,比較例1〜比較例4は5m
m、実施例8は4mm、実施例9は7mm、比較例5は
2mm、比較例6は10mmとした。また、ランド比は
各実施例及び比較例毎に溝幅を変更して各突出したブロ
ック部の大きさを調整することにより、実施例1〜実施
例6,実施例8,実施例9,比較例1,比較例2,比較
例5,比較例6は0.6、実施例6は0.5、実施例7
は0.7、比較例3は0.4、比較例4は0.8とし
た。
【0025】上記各々作製した実施例及び比較例のアウ
トソールについて、ブルーミングの有無を目視で判断
し、複素弾性率(E )と損失係数(tanδ)を測
定すると共に防滑性の指標となるグリップ指数を測定し
た。また、JIS−A硬度、トルエン膨潤率を測定し
た。更に、アウトソールを靴本体に取り付けてトレッキ
ングシューズを作製し、モニターテストを行った。
【0026】トルエン膨潤率はサンプルをトルエンに室
温の状態で24時間漬け、漬ける前の体積Vo と漬けた
後の体積V1 を(V1 −Vo )/Vo ×100(%)で
計算してトルエン膨潤率とした。
【0027】複素弾性率(E )と損失係数(tan
δ)は島津製作所社製の粘弾性スペクトロメータ(VA
−200改造型)を用いて、周波数10Hzでの動的粘
弾性の歪分散において、動歪2.0%における温度−1
0℃での複素弾性率(E)と損失係数(tanδ)を
測定した。
【0028】グリップ指数は、アウトソールを所定の形
状(76mm×25mm×6mm)にカットし、図2に
示すポータブルスキッドレジスタンステスターを用い
て、濡れた岩場上でのアウトソールの摩擦抵抗を測定し
た。これは、ゴムの付いた振り子を所定の高さから振り
降ろし、振り子が路面を擦って振り上る高さを読み取る
ことで相対的な摩擦抵抗を読み取るものである。なお、
図3に示すように濡れた岩場への接地領域は12.7c
mとした。評価は比較例1のアウトソールの摩擦抵抗を
100とした時の指数で評価した。
【0029】モニターテストは10人のテスターが実際
に各実施例及び比較例のトレッキングシューズを履いて
濡れた岩場をトレッキングし、使用感をグリップ性、衝
撃吸収性、敏捷性の各項目についてそれぞれ(○:良
い、△:普通、×:悪い)の3段階で評価し、各項目に
ついて人数が最も多い評価結果を、各例の評価結果とし
て採用した。以上の評価結果を下記表1の下段に示し
た。
【0030】
【表1】
【0031】*1 溶液重合スチレン−ブタジエンゴム (スチレン含量:21%、ビニル含量:63%、ガラス
転移温度:−25℃) *2 乳化重合スチレン−ブタジエンゴム (スチレン含量:23.5%、ビニル含量:39%、ガ
ラス転移温度:−55℃) *3 天然ゴムRSS3号 *4 ブタジエンゴム (ガラス転移温度:−95℃) *5 Si69(デクサ社製) *6 プロセスオイル(出光興産製 ダイナプロセスオ
イルPW380) *7 ノクラック200(大内新興化学工業製) *8 ノクセラーNS(大内新興化学工業製)
【0032】実施例1〜9のアウトソールは全てグリッ
プ指数が120以上で、使用感の評価点も4.0以上
で、優れた防滑性を有し、かつ、良好な履き心地が得ら
れるものであった。
【0033】これに対し、複素弾性率(E )が15
0kgf/cm より小さく、損失係数(tanδ)
も0.2よりも小さい比較例1及び比較例2のアウトソ
ールは防滑性が悪く、また、使用感も良くなかった。
【0034】また、比較例3のアウトソールは複素弾性
率(E )が150kgf/cm 以上で、損失係数
(tanδ)も0.2以上であるが、ランド比が0.4
で小さすぎるために、ある程度の防滑性は得られるもの
の、履き心地は余り良くなかった。特に、速足で歩いた
時や運動時の履き心地が良くなかった。
【0035】また、比較例4のアウトソールは複素弾性
率(E )が150kgf/cm 以上で、損失係数
(tanδ)も0.2以上であるが、ランド比が0.8
で大きすぎるために、ある程度の防滑性は得られるもの
の、足場から加わる衝撃の吸収性が悪く、履き心地は良
くなかった。
【0036】また、比較例5のアウトソールは複素弾性
率(E )が150kgf/cm 以上で、損失係数
(tanδ)も0.2以上であるが、溝深さが2mmで
小さ過ぎるために、ある程度の防滑性は得られるもの
の、足場から加わる衝撃の吸収性が悪く、履き心地は良
くなかった。
【0037】また、比較例6のアウトソールは複素弾性
率(E )が150kgf/cm 以上で、損失係数
(tanδ)も0.2以上であるが、溝深さが10mm
で大き過ぎるために、ある程度の防滑性は得られるもの
の、運動時の足の動きに対する追従性が悪いためんか、
履き心地は良くなかった。
【0038】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の履き物用アウトソールによれば、適度な変形性を有
し、かつ、弾性ヒステリスの大きい加硫ゴム組成物を用
いて、足場への接触部となる複数の突出したブロック部
の高さ及び該複数の突出したブロック部による接地面積
を好ましい範囲に設定したことにより、例えば、トレッ
キングシューズのような固くて細かな凹凸が激しい岩場
で使用する履物のアウトソールに適用した場合に、足場
が濡れた状態にあっても良好な防滑性を得ることがで
き、しかも、足場からの衝撃を程よく吸収すると共に、
歩行(運動)による足の動きに追従して変形し、良好な
履き心地を得ることができきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例及び比較例で作製したアウト
ソールの底面の基本形状を示す平面図である。
【図2】 ポータブルスキッドレジスタンステスターの
斜視図である。
【図3】 図2のポータブルスキッドレジスタンステス
ターによる摩擦抵抗測定時の測定条件を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 溝 2 突出したブロック部 51 第1ソール部 52 第2ソール部 53 土踏まず部 100 アウトソール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ゴム組成物を成形し、底面に溝を形
    成してその先端面が足場と接触する複数の突出したブロ
    ック部を区画形成した履き物用アウトソールであって、 上記架橋ゴム組成物は、周波数10Hzでの動的粘弾性
    の歪分散において、動歪2.0%における温度−10℃
    の複素弾性率(E )が150kgf/cm 以上
    で、損失係数(tanδ)が0.2以上の架橋ゴム組成
    物であり、 上記溝深さを4〜7mmにすると共に、上記底面全体の
    面積(A)に対する上記複数の突出したブロック部の先
    端面の合計の面積(B)との比率(B/A)を0.5〜
    0.7の範囲に設定したことを特徴とする履き物用アウ
    トソール。
  2. 【請求項2】 トルエン膨潤率が体積基準で300%以
    下である請求項1に記載の履物用アウトソール。
  3. 【請求項3】 JIS−A硬度が40〜90°の範囲に
    ある請求項1又は請求項2に記載の履物用アウトソー
    ル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101168704B1 (ko) 2010-05-14 2012-07-30 (주)알와이엔코리아 아동용 신발 아웃솔

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101168704B1 (ko) 2010-05-14 2012-07-30 (주)알와이엔코리아 아동용 신발 아웃솔

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