JP3338064B2 - 環状スルホン誘導体 - Google Patents

環状スルホン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、マトリックスメタロプロテイナーゼの阻害
剤または腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)(TN
F)生成の阻害剤である環状スルホン誘導体に関し、そ
れ自体、関節炎、癌、組織潰瘍、再狭窄、歯周病、表皮
水泡症、強膜炎およびマトリックスメタロプロテイナー
ゼ活性を特徴とするその他の疾病、AIDS、敗血症、敗血
症ショックおよびTNFの生成を含むその他の疾病、から
なる群より選択される状態の治療に有用である。さら
に、本発明の化合物は、標準非ステロイド抗炎症薬(st
andard non−steroidal anti−inflamatory drugs)
(以後NSAID'S)と関節炎治療の鎮痛薬との組み合わせ
治療に、ならびに、癌の治療では、アドリアマイシン、
ダウノマイシン、シス−プラチナ、エトポシド、タクソ
ール、タクソテーレおよびビンクリスチンのようなアル
カロイド、のような細胞毒性薬と組み合わせて、用いる
ことができる。
また、本発明は、哺乳動物、特にヒト、の上記疾病の
治療へのそのような化合物の使用方法、およびそれに有
用な医薬組成物、に関する。
構造タンパク質の破壊に効果があり、メタロプロテイ
ナーゼと構造的に関連する、数多くの酵素がある。ゲラ
チナーゼ、ストロメリシンおよびコラゲナーゼのような
マトリックス−分解性メタロプロテイナーゼは、組織マ
トリックス分解(例えばコラーゲン崩壊)に含まれ、関
節炎(例えば変形性関節症および慢性関節リューマ
チ)、組織の潰瘍化(例えば角膜、表皮および胃の潰
瘍)、異常な創傷治癒、歯周病、骨の疾患(例えばパジ
ェット病および骨粗鬆症)、腫瘍転移または浸潤、なら
びにHIV−感染(J.Leuk,Biol.,52(2),244−248、199
2)のような、結合組織および基礎膜マトリックス代謝
の異常を含む数多くの病的状況にかかわる。
腫瘍壊死因子は、多くの感染病および自己免疫病に含
まれることが認められている(W.Fiers,FEBS Lett,28
5,199、1991)。さらに、TNFは、敗血症および敗血症シ
ョックに認められる炎症性応答の主なメディエイタであ
ることが示された(C.E.Spoonerら、Clinical Immunol
ogy and Immunopathology,62,S11、1992)。
本発明の要約 本発明は、式 {式中、破線は二重結合を表しても良く; nは0、1または2であり; XおよびYは、それぞれ独立的にCR1[式中、R1は、
水素;(C1−C6)アルキルアミノ、(C1−C6)アルカリ
チオ、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、
(C6−C10)アリール、(C5−C9)ヘテロアリール、(C
6−C10)アリールアミノ、(C6−C10)アリールチオ、
(C6−C10)アリールオキシ、(C5−C9)ヘテロアリー
ルアミノ、(C5−C9)ヘテロアリールチオ、(C5−C9
ヘテロアリールオキシ、(C6−C10)アリール(C6
C10)アリール、(C3−C6)シクロアルキル、ヒドロキ
シ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキル(ヒドロキ
シメチレン)、ピペラジニル、(C6−C10)アリール(C
1−C6)アルコキシ、(C5−C9)ヘテロアリール(C1−C
6)アルコキシ、(C1−C6)アシルアミノ、(C1−C6
アシルチオ、(C1−C6)アシルオキシ、(C1-−C6)ア
ルキルスルフィニル、(C6−C10)アリールスルフィニ
ル、(C1−C6)アルキルスルホニル,(C6−C10)アリ
ールスルホニル、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノま
たは[(C1−C6)アルキル]アミノで置換されていて
も良い(C1−C6)アルキル;トリフルオロメチル;(C1
−C6)アルキル(ジフルオロメチレン);(C1−C3)ア
ルキル(ジフルオロメチレン)(C1−C3)アルキル;
(C6−C10)アリール;(C5−C6)ヘテロアリール;(C
3−C6)シクロアルキル;(C1−C6)アルキル−(ヒド
ロキシメチレン);R3(C1−C6)アルキル(式中、R
3は、(C1−C6)アシルピペラジノ、(C6−C10)アリー
ルピペラジノ、(C5−C9)ヘテロアリールピペラジノ、
(C1−C6)アルキルピペラジノ、(C6−C10)アリール
(C1−C6)アルキルピペラジノ、(C5−C9)ヘテロアリ
ール(C1−C6)アルキルピペラジノ、モルホリノ、チオ
モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピペリジル、
(C1−C6)アルキルピペリジル、(C6−C10)アリール
ピペリジル、(C5−C9)ヘテロアリールピペリジル、
(C1−C6)アルキルピペリジル(C1−C6)アルキル、
(C6−C10)アリールピペリジル(C1−C6)アルキル、
(C5−C9)アリールピペリジル(C1−C6)アルキル、
(C5−C9)ヘテロアリールピペリジル(C1−C6)アルキ
ルまたは(C1−C6)アシルピペリジルである)]、また
は、 式 [式中、rは0から6であり; Dは、ヒドロキシ、(C1−C6)アルコキシ、ピペリジ
ル、(C1−C6)アルキルピペリジル、(C6−C10)アリ
ールピペリジル、(C5−C9)ヘテロアリールピペリジ
ル、(C1−C6)アシルピペリジルまたはNR4R5であり、
前記NR4R5の式中、R4およびR5は、それぞれ独立的に、
水素;(C1−C6)アルキルピペリジル、(C6−C10)ア
リールピペリジル、(C5−C9)ヘテロアリールピペリジ
ル、(C6−C10)アリール、(C5−C9)ヘテロアリー
ル、(C6−C10)アリール(C6−C10)アリールあるいは
(C3−C6)シクロアルキルによって置換されていても良
い(C1−C6)アルキル;(C6−C10)アリール;(C5−C
9)ヘテロアリール;(C6−C10)アリール(C6−C10
アリール;(C3−C6)シクロアルキル;R6(C2−C6)ア
ルキル;(C1−C5)アルキル(CHR6)(C1−C6)アルキ
ル;R7(C1−C6)アルキル;(C1−C5)アルキル(CH
R7)(C1−C6)アルキル;および、CH(R8)COR9からな
る基より選択され:前記式中、R6は、ヒドロキシ、(C1
−C6)アシルオキシ、(C1−C6)アルコキシ、ピペラジ
ノ、(C1−C6)アシルアミノ、(C1−C6)アルキルチ
オ、(C6−C10)アリールチオ、(C1−C6)アルキルス
ルフィニル、(C6−C10)アリールスルフィニル、(C1
−C6)アルキルスルホキシル、(C6−C10)アリールス
ルホキシル、アミノ、(C1−C6)アルキルアミノ、
[(C1−C6)アルキル]アミノ、(C1−C6)アシルピ
ペラジノ、(C1−C6)アルキルピペラジノ、(C6
C10)アリール(C1−C6)アルキルピペラニノ、(C5−C
9)ヘテロアリール(C1−C6)アルキルピペラジノ、モ
ルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノまたはピロリジ
ノであり;R7は、ピペリジルまたは(C1−C6)アルキル
ピペリジルであり;R8は、水素、(C1−C6)アルキル,
(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキル、(C5−C9
ヘテロアリール(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキ
ルチオ(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリールチオ
(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルスルフィニル
(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリールスルフィニ
ル(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルスルホニル
(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリールスルホニル
(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ(C1−C6)アルキル、
アミノ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルアミノ
(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルキルアミノ]
(C1−C6)アルキル、R10R11NCO(C1−C6)アルキルま
たはR10OCO(C1−C6)アルキルであり、前記式中、R10
およびR11は、それぞれ独立的に、水素、(C1−C6)ア
ルキル、(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキルおよ
び(C5−C9)ヘテロアリール(C1−C6)アルキルからな
る基より選択され;そして、R9は、R12OまたはR12R13N
であり、前記式中、R12またはR13は、それぞれ独立的
に、水素、(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリール
(C1−C6)アルキルおよび(C5−C9)ヘテロアリール
(C1−C6)アルキルからなる基より選択される]の基で
ある、式IのXおよびYであり、;そして Arは、(C1−C6)アルキル、(C6−C10)アリール、
(C6−C10)アリールオキシ(C6−C10)アリール、(C6
−C10)アリール(C6−C10)アリール、(C6−C10)ア
リール(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキル、(C6
−C10)アリールオキシ(C5−C9)ヘテロアリール、(C
5−C9)ヘテロアリール、(C1−C6)アルキル(C6
C10)アリール、(C1−C6)アルコキシ(C6−C10)アリ
ール、(C6−C10)アリール(C1−C6)アルコキシ(C6
−C10)アリール、(C6−C10)アリール(C1−C6)アル
コキシ(C1−C6)アルキル、(C5−C9)ヘテロアリール
オキシ(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキル(C5
−C9)ヘテロアリール、(C1−C6)アルコキシ(C5
C9)ヘテロアリール、(C6−C10)アリール(C1−C6
アルコキシ(C5−C9)ヘテロアリール、(C5−C9)ヘテ
ロアリールオキシ(C5−C9)ヘテロアリール、(C6−C
10)アリールオキシ(C1−C6)アルキル、(C5−C9)ヘ
テロアリールオキシ(C1−C6)アルキル、(C1−C6)ア
ルキル(C6−C10)アリールオキシ(C6−C10)アリー
ル、(C1−C6)アルキル(C5−C9)ヘテロアリールオキ
シ(C6−C10)アリール、(C1−C6)アルキル(C6
C10)アリールオキシ(C5−C9)ヘテロアリール、(C1
−C6)アルコキシ(C6−C10)アリールオキシ(C6
C10)アリール、(C1−C6)アルコキシ(C5−C9)ヘテ
ロアリールオキシ(C6−C10)アリールまたは(C1
C6)アルコキシ(C6−C10)アリールオキシ(C5−C9
ヘテロアリールであり、式中それぞれのアリール基は、
フルオロ、クロロ、ブロモ、(C1−C6)アルキル、(C1
−C6)アルコキシ、またはペルフルオロ(C1−C3)アル
キルで置換されていても良い} の化合物またはその医薬として許容しうる塩、に関す
る。
ここに用いられる用語「アルキル」は、特に指示しな
い限り、直鎖、分枝鎖あるいは環状部分を持つ一価の飽
和炭化水素ラジカル、またはその組み合わせを含む。
ここに用いられる用語「アルコキシ」は、アルキル−
O基を含み、前記アルキルは上記の通りである。
ここに用いられる用語「アリール」は、特に指示しな
い限り、フルオロ、クロロ、シアノ、ニトロ、トリフル
オロメチル、(C1−C6)アルコキシ、(C6−C10)アリ
ールオキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキ
シおよび(C1−C6)アルキルからなる基より独立的に選
択される1−3の置換基で置換されていても良い、フェ
ニルまたはナフチルのように、一つの水素を除去するこ
とによって芳香族炭化水素から誘導された有機ラジカル
を含む。
ここに用いられる用語「ヘテロアリール」は、特に指
示しない限り、フルオロ、クロロ、トリフルオロ、(C1
−C6)アルコキシ、(C6−C10)アリールオキシ、トリ
フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよび(C1
C6)アルキルからなる基より独立的に選択された1−2
の置換基によって置換されていても良い、ピリジル、フ
リル、ピローイル、チエニル、イソチアゾリル、イミダ
ゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニ
ル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフリ
ル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ピラゾリル、
インドリル、イソインドリル、プリニル、カルバゾリ
ル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベン
ズチアゾリルまたはベンゾキサゾリルのような、一つの
水素を除去することにより芳香族複素環式化合物より誘
導された有機ラジカルを含む。
ここに用いられる用語「アシル」は、特に指示しない
限り、一般式RCO(式中、Rはアルキル、アルコキシ、
アリール、アリールアルキルまたはアリールアルキルオ
キシであり、用語「アルキル」または「アリール」は上
記の通りである)のラジカルを含む。
ここに用いられる用語「アシルオキシ」は、「アシ
ル」が上記の通りである、アシル−O基を含む。
好ましい式I化合物には、nが2であるそれらが含ま
れる。
その他の好ましい式I化合物は、XおよびYが両方と
もCR1であり、R1がハロゲンである、それら化合物を含
む。
その他の好ましい式I化合物は、Arが(C1−C6)アル
コキシ(C6−C10)アリール(C6−C10)アリール(C1
C6)アルコキシ(C6−C10)アリール、4−フルオロフ
ェノキシ(C6−C10)アリール、4−フルオロベンジル
オキシ(C6−C10)アリールまたは(C1−C6)アルキル
(C6−C10)アリールオキシ(C6−C10)アリールであ
る、それら化合物を含む。
より好ましい式I化合物は、nが2であり、Xおよび
Yが両方ともCR1(式中、R1は水素である)であり、そ
してArが(C1−C6)アルコキシ(C6−C10)アリール、
(C6−C10)アリール(C1−C6)アルコキシ(C6−C10
アリール、4−フルオロフェノキシ(C6−C10)アリー
ル、4−フルオロベンジルオキシ(C6−C10)アリー
ル、または(C1−C6)アルキル(C6−C10)アリールオ
キシ(C6−C10)アリールである、それら化合物であ
る。
また、本発明は、(a)関節炎、癌、細胞毒性抗ガン
剤の相乗作用、組織潰瘍化、黄斑変性、再狭窄、歯周
病、表皮水泡症、強膜炎、標準NSAID'Sと鎮痛薬を組み
合わせて、マトリックスメタロプロテイナーゼ活性を特
徴とするその他の疾病、AIDS、敗血症、敗血症ショック
および腫瘍壊死因子(TNF)の生成を含むその他の疾
病、からなる群より選択された状態を治療する:か、ま
たは(b)ヒトを含む哺乳動物内の、マトリックスメタ
ロプロテイナーゼまたは腫瘍壊死因子(TNF)の生成を
阻害する:ための医薬組成物であって、そのような治療
に有効な量の式I化合物またはその医薬として許容しう
る塩、および医薬として許容しうるキャリヤーを含む、
上記医薬組成物に関する。
また、本発明は、ヒトを含む哺乳動物内での(a)マ
トリックスメタロプロテイナーゼまたは(b)腫瘍壊死
因子(TNF)生成:の阻害方法であって、有効量の式I
化合物またはその医薬として許容しうる塩を、前記の哺
乳動物に投与することを含む、前記の阻害方法に関す
る。
また、本発明は、式I化合物は、標準NSAID'Sおよび
鎮痛薬と組み合わせて、そして細胞毒性抗ガン剤と組み
合わせて使用することができ、関節炎、癌、組織潰瘍
化、黄斑変性、再狭窄、歯周病、表皮水泡症、強膜炎、
およびマトリックスメタロプロテイナーゼ活性を特徴と
するその他の疾病、AIDS、敗血症、敗血症ショック、な
らびにヒトを含む哺乳動物内での腫瘍壊死因子(TNF)
の生成を含むその他の疾病、からなる群より選択された
状態を治療する方法であって、そのような状態の治療に
有効な量の式I化合物またはその医薬として許容しうる
塩を前記哺乳動物に投与することを含む、前記の治療方
法に関する。
本発明の詳細な説明 以下の反応スキームは、本発明の化合物の製造につい
て説明している。特に指示しない限り、反応スキーム中
のX、YおよびArおよびそれに続く検討は、上記の通り
である。
スキーム1の反応1では、式VIIのアリールスルホニ
ルクロリド化合物を、不活性大気下、アセトンのような
極性非プロトン性溶媒の存在中でヨウ化ナトリウムと反
応させることによって、式VII化合物を相当する式VIの
アリールスルホン酸ナトリウム化合物に転化する。反応
混合物を、室温で約12時間から約18時間の間、好ましく
は約15時間、攪拌する。
スキーム1の反応2では、式VI化合物を、塩化メチレ
ンのような極性非プロトン性溶媒の存在中でアクリル酸
およびヨウ素と反応させることによって、式VI化合物を
相当する式Vの2−ヨード−3−(アリール)スルホニ
ルプロピオン酸化合物に転化する。反応混合物を、不活
性大気下、室温で約12時間から約3.5日の間、好ましく
は約3日間、攪拌する。
スキーム1の反応3では、式V化合物を、不活性大気
下、塩化メチレンのような極性非プロトン性溶媒中、ト
リエチルアミンのような塩基で処理することによって、
式V化合物を相当する式IVの(E)−3−(アリール)
スルホニル−プロプ−2−エン酸化合物に転化する。反
応物を、室温で約10時間から約24時間の間、好ましくは
約12時間、攪拌する。
スキーム1の反応4では、式IV化合物を、過剰量の式 化合物と共に加熱して、トルエンのような極性非プロト
ン性溶媒存在中、約24時間から約56時間の間、好ましく
は約48時間、還流することによって、式IV化合物を相当
する式IIIのカルボン酸化合物に転化する。
スキーム1の反応5では、式IIIの化合物を、不活性
大気下、塩化メチレンのような極性非プロトン性溶媒存
在中、ジメチルアミノピリジン/ジシクロヘキシルカル
ボジイミドのような活性化剤、およびベンジルヒドロキ
シアミン塩酸塩またはO−トリメチル−シリルエチルヒ
ドロキシアミンのような0−置換ヒドロキシルアミンと
共に反応することによって、式III化合物を、相当する
式IIのN−(R14)−カルボキサミド化合物(式中、R14
はO−ベンジルヒドロキシまたはトリメチルシリルエチ
ルヒドロキシのような0−置換オキシである)に転化す
る。反応混合物を、室温で約15時間から約25時間の間、
好ましくは約20時間、攪拌する。
式1の反応6では、(1)式IIの化合物を、硫酸バリ
ウム上の5%パラジウムのような触媒、およびメタノー
ルのような極性非プロトン性溶媒の存在中、水素で処理
する、(2)IIを、塩化メチレンのような極性非プロト
ン性溶媒中で、トリフルオロ酢酸またはボロントリフル
オリドジエチルエテレートで処理する、または(3)II
を、テトラヒドロフランのような極性非プロトン性溶液
中で、フッ化テトラブチルアンモニウムで処理する、こ
とにより、式II化合物を、相当する式Iのヒドロキサム
酸化合物に転化する。反応混合物を、約2時間から約4
時間の間、好ましくは約3時間、攪拌する。
本発明の酸性化合物の医薬として許容しうる塩は、ナ
トリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウムのような、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
塩、ならびにアンモニウム、トリメチル−アンモニウ
ム、ジエチルアンモニウムおよびトリス(ヒドロキシメ
チル)−メチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩
ような、塩基で形成される塩であり、陽イオン塩と呼ば
れる。
また、鉱酸、有機カルボン酸および有機スルホン酸、
例えば塩酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、のような
類似の酸付加塩を、ピリジルのような塩基性基、構造の
構成部分に提供することも可能である。
マトリックスメタロプロテイナーゼまたは腫瘍壊死因
子(TNF)の生成を阻害し、そしてマトリックスメタロ
プロテイナーゼまたは腫瘍壊死因子の生成を特徴とする
疾病を治療するそれらの効果を示す、式I化合物または
それらの医薬として許容しうる塩(以後、本発明の化合
物を呼ぶ)の能力を、以下のインビトロでのアッセイ試
験で示す。
バイオアッセイ ヒトコラゲナーゼ(MMP−1)の阻害 ヒト組換えコラゲナーゼを、以下の割合:10μgトリ
プシン/100μgコラゲナーゼ:を用いて、トリプシンで
活性化する。トリプシンおよびコラゲナーゼを、室温で
10分間インキュベートし、次いで、5倍過剰量(50μg/
10μgトリプシン)の大豆のトリプシンインヒビターを
加える。
阻害剤の10mM保存溶液をジメチルスルホキシド中で作
成し、次いで、以下のスキームに従って希釈する: 10mM→120μM→12μM→1.2μM→0.12μM。
次いで、それぞれの濃度を25μl、96穴のミクロフル
オルプレートの適当な穴に、三重に加える。阻害剤の最
終濃度は、酵素および基質付加後、1:4希釈になるであ
ろう。正の対照(酵素+、阻害剤−)を穴D1−D6内に設
定し、ブランク(酵素−、阻害剤−)を穴D7−D12内に
設定する。
コラゲナーゼを400ng/mlに希釈し、次に、ミクロフル
オルプレートの適当な穴に、25μlを加える。アッセイ
中のコラゲナーゼの最終濃度は、100ng/mlである。
基質[(DNP−Pro−Cha−Gly−Cys(Me)−His−Ala
−Lys(NMA)−NH2]を、ジメチルスルホキシド中の5mM
保存溶液として作成し、次いで、アッセイバッファーで
20μMに希釈する。最終濃度が10μMになるようにミク
ロフルオルプレートの穴当たり50μlの基質を加えるこ
とによって、アッセイを開始する。
蛍光(360nm励起、460nm発光)を、0時間、次いで20
分間隔で、測定する。アッセイは、室温で、典型的なア
ッセイ時間3時間で行われる。
次いで、蛍光:時間を、ブランクおよびコラゲナーゼ
含有サンプルの両方に対してプロットする(3回測定し
たデータの平均値)。良好なシグナル(ブランク)を提
供する時間点および曲線の直線部分上にある時間点(通
常120分あたり)を選択して、IC50値を測定する。それ
ぞれの濃度でのそれぞれの化合物のブランクとして0時
間を用い、これらの値を120分のデータから差し引く。
阻害剤濃度:対照%(阻害剤蛍光をコラゲナーゼのみの
蛍光で割るx100)としてデータをプロットする。IC50
は、対照の50%であるシグナルを与える阻害剤濃度から
測定される。
IC50値が<0.03μMであると報告される場合、阻害剤
を0.3μM、0.03μM、0.03μMおよび0.003μMの濃度
でアッセイする。
ゲラチナーゼ(MMP−2)の阻害 ゲラチナーゼ活性の阻害を、ヒトコラゲナーゼ(MMP
−1)の阻害と同条件下で、Dnp−Pro−Cha−Gly−Cys
(Me)−His−Ala−Lys(NMA)−NH2基質(10μM)を
用いてアッセイする。
72kDのゲラチナーゼを、4℃で15時間、1mMのAPMA
(p−アミノフェニル酢酸第二水銀塩)(p−aminophe
nyl merucuric acetate)で活性化し、希釈してアッセ
イ中での最終濃度が100mg/mlになるようにする。阻害剤
を、ヒトコラゲナーゼ(MMP−1)の阻害の場合と同じ
ように希釈し、アッセイ中の最終濃度を、30μM、3μ
M、0.3μMおよび0.03Mとする。それぞれの濃度につ
き、3重にアッセイを行う。
蛍光(360nm励起、460nm発光)を、0時間、次いで20
分間隔で4時間、測定する。
IC50値を、ヒトのコラゲナーゼ(MMP−1)の阻害と
同様の方法で、測定する。IC50が0.03μMより低いと報
告される場合、次に、阻害剤を最終濃度0.3μM、0.03
μM、0.003μMおよび0.003μMでアッセイする。
ストロメリシン活性(MMP−3)の阻害 ストロメリシン活性の阻害は、WeingartenおよびFede
r(Weingarten,HおよびFeder,J.,Spectrophotometric
Assay for Vertebrate Collagenase,Anal.Viochem.,
147,437−440、1985)に記載の分光測光修飾アッセイを
基にしている。チオペプトリド基質[Ac−Pro−Leu−Gl
y−SCH{CH2CH(CH3}CO−Leu−Gly−OC2H5]の加
水分解から、エルマン試薬の存在中でモニターできるメ
ルカプタンフラグメントが得られる。
ヒト組換えプロストロメリシンを、トリプシンで、1
μlの10mg/mlトリプシン保存溶液/26μgのストロメリ
シンの比率を用いて、活性化する。トリプシンおよびス
トロメリシンを37℃で15分間、次いで、10μlの10mg/m
lの大豆トリプシン阻害剤を37℃で10分間、インキュベ
ートし、トリプシン活性を急冷する。
アッセイを、96穴のミクロリットルプレート内、全量
が250μlのアッセイバッファー(200mM塩化ナトリウ
ム、50mM MES、および10mM塩化カルシウム、pH6.0)中
で、行う。活性化ストロメリシンを、アッセイバッファ
ー中で25μg/mlに希釈する。エルマン試薬(3−カルボ
キシ−4−ニトロフェニルジスルフィド)をジメチルホ
ルムアミド中の1M保存溶液として作成し、アッセイバッ
ファーで5mMに希釈し、穴あたり50μlを用い、最終濃
度を1mMとする。
阻害剤の10mM保存溶液をジメチルスルホキシド中に作
成し、適当な穴に50μlを加え、最終濃度が3μM、0.
3μM、0.003μMおよび0.0003μMになるように、アッ
セイバッファーで一連希釈する。すべての条件で3重に
アッセイを行う。
ペプチド基質の300mMジメチルスルホキシド保存溶液
をアッセイバッファーで15mMに希釈し、基質の最終濃度
が3mMになるようにそれぞれの穴当たり50μlを加える
ことによってアッセイを開始する。ブランクは、ペプチ
ド基質およびエルマン試薬からなり、酵素を含まない。
生成物の形成を、Molecular Devices UVmaxプレート
リーダーを用いて405nmでモニターした。
IC50値は、コラゲナーゼと同様の様式で測定された。
MMP−13の阻害 ヒト組換えMMPを、2mMのAPMA(p−アミノフェニル酢
酸第二水銀)(p−aminophenyl mercuric acetate)
で、1.5時間、37℃で活性化し、アッセイバッファー(5
0mM Tris、pH7.5、200mM塩化ナトリウム、5mM塩化カル
シウム、20μM塩化亜鉛、0.02%ブリジ)中、400mg/ml
に希釈する。96穴ミクロフルオルプレートの穴当たり、
25μlの希釈酵素を加える。次いで、阻害剤および基質
を加えることによって、酵素を1:4比率に希釈し、アッ
セイ中の最終濃度を100mg/mlとする。
阻害剤の10mM保存溶液をジメチルスルホキシド中に作
成し、次いで、ヒトコラゲナーゼ(MMP−1)の阻害に
ついての阻害剤希釈スキームに従って、アッセイバッフ
ァー中で希釈する。それぞれの濃度から25μlづつを、
ミクロフルオロプレートの三つの穴に加える。アッセイ
中の最終濃度は、30μM、3μM、0.3μMおよび0.03
μMである。
基質[Dnp−Pro−Cha−Gly−Cys(Me)−His−Ala−L
ys(NMA)−NH2]を、ヒトコラゲナーゼ(MMP−1)の
阻害の場合と同様に調製し、それぞれの穴に50μlづつ
を加えて、最終アッセイ濃度を10μMとする。蛍光(36
0nm励起、450nm発光)を、0時間、そして5分毎に1時
間、測定する。
正の対照は、阻害剤を含まない酵素および基質からな
り、また、ブランクは、基質のみからなる。
IC50値を、ヒトコラゲナーゼ(MMP−1)の阻害と同
様の様式で、測定する。IC50値が0.03μmより少ないと
報告される場合、次に、阻害剤を、最終濃度0.3μM、
0.03μM、0.003μMおよび0.0003μMでアッセイす
る。
TNF生成の阻害 TNFの生成を阻害し、その結果、TNFの生成を含む疾病
の治療にそれらの有効性を示す、化合物またはその医薬
として許容しうる塩の能力を、以下のインビトロでのア
ッセイで示す; ヒト単核細胞を、一段階のフィコール−ハイパック分
離技術を用いて、ヒトの抗凝結化血液から単離した。
(2)単核細胞を、二価カチオンを含むハンクス液(Ha
nks balanced salt solution)(HBSS)中で3回洗浄
し、1%BSAを含むHBSS中、2x106/mlの密度に再縣濁し
た。Abbott Cell Dyn3500アナライザーを用いて測定
した計数の差から、単核細胞が、これらの調製物中の全
細胞の17−24%の範囲であることが、わかる。
180μlの細胞縣濁液を、平底96穴プレート(Costa
r)内にアリコートした。化合物およびLPS(最終濃度10
0ng/ml)を加えると、最終容量が200μlになった。す
べての条件につき、三重にアッセイを行った。保湿CO2
インキュベーター中、37℃で4時間のインキュベーショ
ン後、プレートを除去し、そして遠心分離(おおよそ25
0xgで10分間)し、上清を除去し、そしてR&D ELISA
キットを用いてTNFαについてアッセイした。
マトリックスメタロプロテイナーゼまたは腫瘍壊死因
子の生成を阻害するためのヒトへの投与では、経口、非
経口および局所を含む様々な慣用的経路を用いることが
できる。一般的に、活性化合物は、治療される患者の体
重当たり約0.1と25mg/kg/日の間、好ましくは約0.3−5m
g/kg、の投与量を、経口または非経口で投与されるであ
ろう。しかしながら、治療される患者の状態によって、
投与量をある程度の変化させる必要があるであろう。如
何なる場合にも、投与の責任者が、個々の患者について
の適当な投与量を決定するであろう。
本発明の化合物は、広範囲の異なる投与形で投与する
ことができ、一般的には、本発明の化合物は、約5.0%
から約70%(重量)の範囲の濃度レベルで、そのような
投与形内に存在する。
経口投与では、微小結晶セルロース、クエン酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリ
シンのような様々な補助剤を含む錠剤を、デンプン(お
よび好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモまたはタピ
オカのデンプン)、アルギン酸およびある種のケイ酸塩
複合体のような様々な崩壊剤と一緒に、ポリビニルピロ
リドン、スクロース、ゼラチンおよびアカシアのような
顆粒結合剤と共に、用いることができる。さらに、ステ
アリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよび
タルクのような潤滑剤は、時として、錠剤化目的に非常
に有用である。類似型の固体組成物もまた、ゼラチンカ
プセルの増量剤として用いることができる:また、この
結合内の好ましい物質には、ラクトースまたは乳糖なら
びに高分子量のポリエチレングリコールもまた、含まれ
る。水性縣濁液および/またはエリキシルを経口投与に
所望する場合、活性成分を、様々な甘味剤または香味
剤、着色物質または染料、および乳化剤および/または
縣濁剤と、ならびに水、エタノール、プロピレングリコ
ール、グリセリンおよびおよびその様々な組み合わせの
ようなそのような希釈剤と共に、組み合わせることもで
きる。動物の場合には、それらを、動物の食餌または飲
料水中に、5−5000ppm、好ましくは25−500ppmの濃度
で含むと都合がよい。
非経口投与(筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内使
用)では、通常、活性成分の無菌の注入可能溶液を調製
する。本発明の治療化合物溶液を、ゴマ油あるいは落下
生油中または水性プロピレングリコール中で、用いるこ
ともできる。必要であれば、水溶液を、好ましくは8よ
り大きいpHに適当に調製しバッファー化せねばならず、
最初に希釈液を等張にした。これらの水溶液は、静脈内
注射の目的に適当である。油性溶液は、関節内、筋肉内
および皮下への注射目的に適している。これらの溶液の
調製は、すべて、無菌状態下で、当業者らに周知の標準
的製薬技術によって、容易に成し遂げられる。動物の場
合、化合物を、約0.1−50mg/kg/日の投与量レベルで、
都合良くは一回の投与で0.2−10mg/kg/日または最大で
3回の分割投与で、筋肉内または皮下に、投与すること
ができる。
さらに、例えば皮膚の炎症状態を治療する場合、本発
明の化合物を局所に投与することもでき、標準的製薬法
に従って、クリーム、ゼリー、ゲル、パスタ、および軟
膏として、投与することができる。
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、その
詳細を制限するものではない。
実施例1 3−(4−メトキシフェニルスルホニル−7−オキサビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸ヒドロキシ
アミド (a) ヨウ化ナトリウム(21.76g、145.2mmol)およ
び4−メトキシベンゼンスルホニルクロリド(10.0g、4
8.39mmol)をドライアセトン(MgSO4上で乾燥させろ化
する)(200ml)中で合わせ、そして、室温で一晩、攪
拌した。吸引ろ過を通して、微小白色固体を集めた。高
真空で乾燥させ、9.11gの4−メトキシベンゼンスルフ
ィン酸ナトリウムを淡黄色の微小粉末(97%)として得
た。
(b) 水(0.85g、0.85ml)次いでアクリル酸(3.42
g、3.25ml)、次いでI2(12.04g、47.41mmol)を、4−
メトキシベンゼンスルフィン酸ナトリウム(9.11g、46.
94mmol)/塩化メチレン(150ml)のスラリーに加え
た。さらなる塩化メチレン(100ml)を加え、そうする
ことによって、スラリーを攪拌できた。室温で週末の
間、攪拌した。反応溶液を1N Na2S2O3(水溶液)(3x1
50ml)で、有機層が無色になるまで、洗浄した。有機層
を食塩水で洗浄した。乾燥(MgSO4)し、溶かし、そし
て真空下で濃縮すると、4.23g(25%)の粗2−ヨード
−3−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロピオン
酸が得られた。
(c) 2−ヨード−3−(4−メトキシフェニルスル
ホニル)プロピオン酸(4.23g、11.43mmol)およびEt3N
(3.22ml、2.34g、23.09mmol)を塩化メチレン(150m
l)中で合わせ、一晩室温で攪拌した。反応混合物を1N
塩酸(水溶液)(100ml)で希釈した。分離した水層をE
t2O(2x)で抽出した。次いで、乾燥(MgSO4)し合わせ
た有機物をろ過し、そして真空下で濃縮すると、2.58g
の粗生成物が得られた。これをろ過し、ろ液を濃縮し、
そして残さをメタノール中に取り、ろ過し、そしてろ液
を濃縮すると、1.87gの粗生成物が得られた。これを熱
塩化メチレン中に取り上げた。微小結晶が砕けた。ろ液
をデカントした。結晶を塩化メチレン(2x1ml)で洗浄
した(デカント洗浄)。結晶を高真空下で乾燥させる
と、0.396gの3−(4−メトキシフェニルスルホニル)
プロペン酸が淡黄色固体(m.p.123゜−128.5℃)として
得られた。ろ液を濃縮すると、1.42gの黄色固体が得ら
れ、これをフラッシュクロマトグラフ(60%EtOAc/ヘキ
サン/2%/HOAc/0.5%メタノール)にかけると、1.42gの
3−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロペン酸が
得られた。第二のクロマトグラフ(40%EtOAc/ヘキサン
/2%/HOAc/0.5%メタノール)から、0.568gの純粋な3
−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロペン酸が得
られた。
(d) 3−(4−メトキシフェニルスルホニル)プロ
ペン酸(200g)、過剰フラン(5.0ml)およびドライト
ルエン(5.0ml)を合わせ、一晩55℃に暖めた(その時
点で、出発物質は溶液内に入る)。冷却した反応液を、
真空下で、出発物質および生成物の混合物である黄褐色
の固体になるまで濃縮した。物質をトルエン(5ml)お
よびフラン(10ml)中に取り上げ、69℃に一晩加熱し
た。冷却した反応混合物を真空下で濃縮すると、251mg
の粗3−(4−メトキシフェニルスルホニル)−7−オ
キサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボ
ン酸が暗黄褐色固体として得られた。
(e) O−ベンジルヒドロキシアミン塩酸塩(0.387
g、2.43mmol)を3−(4−メトキシ−フェニルスルホ
ニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン
−2−カルボン酸/塩化メチレン(5ml)の攪拌溶液に
加えた。4−ジメチルアミノピリジン(0.306g、2.51mm
ol)を加え、おおよそ1時間半(固体が溶解するまで)
攪拌し、次に、1,3−ジクロロヘキシルカルボジイミド
(0.250g、1.21mmol)を加え、そして室温で一晩攪拌し
た。シーライトパッドを通して反応物をろ過し、ろ液を
真空下で濃縮すると、1.06gの3−(4−メトキシフェ
ニルスルホニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ
ン−2−カルボン酸ベンジルオキシアミドが得られた。
これをメタノール中に取り上げ、微小針状結晶からろ液
をデカントした。ろ液を濃縮すると、0.82gの3−(4
−メトキシフェニルスルホニル−7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸ベンジルオキシア
ミドが得られた。
(f) 5%のパラジウム/硫酸バリウム(0.80g)を
粗3−(4−メトキシフェニルスルホニル−7−オキサ
−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン
酸ベンジルオキシアミド(0.82g)/30mlのメタノールに
加え、45psi、Parr Shaker上、室温で4時間、水素添
加した。シーライトパッドを通して反応物をろ過し、そ
して真空下でろ液を濃縮した。残さの1H−NMRは、二重
結合が除去されたことのみを示している。残さをフラッ
シュクロマトグラフ(50%EtOAc/ヘキサン)にかける
と、0.126gの中間体が得られた。これに、5%パラジウ
ム/硫酸バリウム(0.126g)/メタノール(30ml)を加
え、水素添加を、Parr Shaker上、45psi、室温で1時
間45分、続行した。シーライトパッドを通して反応物を
ろ過し、ろ液を濃縮すると、0.101gの粗3−(4−メト
キシフェニルスルホニル−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−カルボン酸ヒドロキシアミドが得ら
れた。フラッシュクロマトグラフ(70/30/8/1)(EtOAc
/ヘキサン/メタノール/HOAc)すると、77.1mgの3−
(4−メトキシフェニルスルホニル−7−オキサビシク
ロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸ヒドロキシアミ
ンが得られた。1H−NMR(CD3OD)δ1.6(2H,m)、1.8
(2H,m)、3.11(1H,t)、3.82(1H,d)、3.88(3H,
s)、4.63(1H,t)、4.91(1H,d)、7.12(2H,d)、7.8
0(2H,d);HRMS M++H+、計算値328.0855、実測値328.
0872。
実施例2 3−(4−フェノキシフェニルスルホニル−7−オキサ
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸ヒドロキ
シアミド (a) 3−(4−フェノキシフェニルスルホニル)プ
ロペン酸を、実施例1の段階AおよびBに記載の方法に
従って、4−フェノキシフェニルスルホニルクロリドお
よびアクリル酸から製造し、フラッシュクロマトグラフ
(60/40/1.5/0.5−EtoAc/ヘキサン/HOAc/メタノール)
にかけると、1.12gの生成物がオフホワイトの固体とし
て得られた。これをEtOAc/ヘキサン(3:1)から結晶化
すると、0.61gの純粋生成物が微小白色結晶として得ら
れた。
(b) 3−(4−フェノキシフェニルスルホニル)プ
ロペン酸(250mg、0.82mmol)/トルエン(5.0ml)(出
発物質は室温ではトルエンに不溶性である)に、フラン
(10ml)を加え、混合物をおおよそ70℃に加熱して穏や
かに還流した。おおよそ1時間半後、反応混合物は溶液
になった。還流の18時間後、乳白色溶液のTLCは、出発
物質が消費されたことを示している。反応混合物を冷却
し、白色沈殿物を吸引ろ過を通して集め、そしてトルエ
ン(2x1ml)で洗浄した。固体を熱メタノール中に溶解
し、真空下で濃縮すると、0.267gの2−(4−フェノキ
シフェニルスルホニル−7−オキサビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2−カルボン酸が白色結晶固体とし
て得られた。
(c) 3−(4−フェノキシフェニルスルホニル−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カ
ルボン酸(0.243g、0.65mmol)を、Parr Shaker上、5
%パラジウム/硫酸バリウム(0.125g)/メタノール
(30ml)上、室温、45psiで3時間、水素添加した。反
応物をシーライトパッドを通してろ過し、ろ液を真空下
で濃縮すると、0.216gの3−(4−フェノキシフェニル
スルホニル)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−2−カルボン酸が得られた。
(d) o−ベンジルヒドロキシアミン塩酸塩(0.28
g、1.73mmol)を、CHCl3中に溶解した3−(4−フェノ
キシフェニルスルホニル)−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−2−カルボン酸(0.216g、0.58mmol)
に、加熱しながら加え、それを溶解した。次いで、4−
ジメチルアミノピリジン(0.22g、1.79mmol)を加え、
完全に溶解されるまで、おおよそ5分間、混合物を攪拌
した。次いで1.3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(0.18g、0.87mmol)を加えた。室温での攪拌の18時間
後、反応物を真空下で濃縮すると、1.05gの粗生成物が
得られた。フラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/
ヘキサン/2%/HOAc/0.5%メタノール)から、0.32gの不
純生成物が得られた。フラッシュクロマトグラフィー
(40%EtOAc/ヘキサン)から、0.212g(75%)の純粋な
3−(4−フェノキシフェニルスルホニル)−7−オキ
サビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸ベンジ
ルオキシアミドが、雪白色の発泡固体として得られた。
(e) 3−(4−フェノキシフェニルスルホニル)−
7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン
酸(0.21g、0.438mmol)、5%パラジウム/硫酸バリウ
ム(0.11g)/メタノール(20ml)を合わせ、Parr Sha
ker上、室温、45psiで、1時間45分、水素添加した。反
応混合物をろ過し、真空下で濃縮すると、0.175gの3−
(4−フェノキシフェニルスルホニル−7−オキサビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボン酸ヒドロキシア
ミドが、雪白色の発泡固体として得られた、m.p.88.9゜
−92.9℃、1H−NMR(CD3OD)δ2.5−2.7(2H,m)、2.7
−2.9(2H,m)、3.11(1H,t)、3.84(1H,d)、4.64(1
H,t)、4.94(1H,d)、7.10(4H,d)、7.23(1H,t)、
7.44(2H,t)、7.82(2H,d);マススペクトル M++NH
4 +407.HRMS M++H+、計算値、390.1011;実測値、390.1
022。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 31/18 A61P 31/18 35/00 35/00 (56)参考文献 特開 平9−249638(JP,A) 特開 平6−256293(JP,A) 特開 平4−211642(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 493/08 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 {式中、破線は二重結合を表しても良く; nは0、1または2であり; XおよびYは、それぞれCR1であり、R1は水素であり;
    そして Arは、(C6−C10)アリールオキシ(C6−C10)アリー
    ル、(C1−C6)アルコキシ(C6−C10)アリールであ
    る} の化合物またはその医薬として許容しうる塩。
  2. 【請求項2】nが2である、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】Arが(C1−C6)アルコキシ(C6−C10)ア
    リールである、請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】nが2であり、そしてArが(C1−C6)アル
    コキシ(C6−C10)アリールである、請求項1記載の化
    合物。
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