JP3331397B2 - トンネル磁気抵抗効果素子 - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果素子

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JP3331397B2 JP20844199A JP20844199A JP3331397B2 JP 3331397 B2 JP3331397 B2 JP 3331397B2 JP 20844199 A JP20844199 A JP 20844199A JP 20844199 A JP20844199 A JP 20844199A JP 3331397 B2 JP3331397 B2 JP 3331397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、トンネル磁気抵抗効果素子に関
する。強磁性トンネル磁気抵抗効果素子は、磁気記録媒
体等の磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効
果膜のうち、特に小さな磁場変化を大きな電気抵抗変化
信号として読み取ることができる素子であり、このもの
は主として、ハードディスクドライブ装置に組み込まれ
て使用される。
【0003】
【従来の技術】ハードディスク(HDD)の高密度化に
伴い、高感度、高出力の磁気ヘッドが要求されてきてい
る。このような要求に対して、強磁性層/トンネルバリ
ア層/強磁性層という多層構造からなる強磁性トンネル
磁気抵抗効果を利用したトンネル磁気抵抗効果素子が注
目されている。
【0004】強磁性トンネル磁気抵抗効果とは、トンネ
ルバリア層を挟む一対の強磁性層間の積層方向に電流を
流す場合に、両方の強磁性層間における互いの磁化の相
対角度に依存してトンネルバリア層を流れるトンネル電
流が変化する現象をいう。
【0005】この場合のトンネルバリア層は、薄い絶縁
膜であって、トンネル磁気抵抗効果によりスピンを保存
しながら電子が通過できるものである。トンネルバリア
層は、一般には10Å前後の薄いAl等の金属を酸化さ
せることにより形成される。
【0006】トンネルバリア層を介して形成される両強
磁性層間における互いの磁化の相対角度が小さければト
ンネル確率は高くなるので、両者間に流れる電流の抵抗
は小さくなる。これとは逆に、両強磁性層間における互
いの磁化の相対角度が大きければトンネル確率は低くな
るので、両者間に流れる電流の抵抗は大きくなる。
【0007】ところで、TMR素子のHDD用ヘッドへ
の応用を考えた場合、素子の低抵抗化(抵抗を下げるこ
と)は必須である。その理由は以下の通り。つまり、T
MR素子の抵抗は基本的には、下記式(1)で表され
る。
【0008】 Rσ=Cσ exp(2 κ d) 式(1)
【0009】κ=(2 m φ/h2)1/2
【0010】ここで、dは障壁(バリア層)の厚さ、φ
はフェルミ準位から測った障壁ポテンシャルの高さであ
る。Cσは磁性層と絶縁層の電子状態で決まる量であ
り、近似的に二つの磁性層のフェルミ準位の積に比例す
ると考えて良い。
【0011】上記式(1)に従うと、素子の低抵抗化を
図るためには障壁(バリア層)の厚さdを小さくすれば
良いことが分かる。素子抵抗を小さくすることにより、
大きな電流を流すことが可能となり、その結果、大きな
出力電圧を取り出すことが可能となるからである。ま
た、静電破壊(Electro-Static Discharges)防止の観
点からも、素子が低抵抗であることは望ましい。
【0012】しかしながら、障壁(バリア層)の厚さd
を小さくしようとすればするほど、バリア層表面状態は
極めてよい平滑性が要求されるものと考えられる。膜厚
が薄いにもかかわらず平滑性が乏しい場合には、障壁
(バリア層)の一部にピンホールが発生し易くなり、ピ
ンホール個所から電流リークが生じるおそれがある。電
流リークが生じた場合には、高出力が得られなくなって
しまう。さらに、電流リークの程度が大きい場合には出
力が全く得られなくなる場合もある。
【0013】このような背景のもと、ヘッド形態をも含
むトンネル磁気抵抗効果素子の実現化への具体的提案
は、まだ初期段階と言え、特に、ヘッド出力の大幅な向
上が得られるような、トンネルバリア層の表面粗さ仕様
に係る提案はなされていないのが実状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状のものに創案されたものであって、その目的は、トン
ネル磁気抵抗効果素子の良好な特性、特に、大きなヘッ
ド出力が得られるようなトンネルバリア層の仕様を提案
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、トンネルバリア層と、トンネルバリア層
を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
気抵抗効果素子であって、前記トンネルバリア層表面の
表面粗さの状態を示す3つの指標である、中心線平均粗
さRaが1nm以下、最大高さRmaxが10nm以下、
標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下となるように構成
される。
【0016】また、本発明の好ましい態様として、前記
トンネルバリア層表面の表面粗さの状態を示す3つの指
標である、中心線平均粗さRaが0.001〜1nm、
最大高さRmaxが0.01〜10nm、標準偏差粗さRr
msが0.001〜1.2nmとなるように構成される。
【0017】また、本発明の好ましい態様として、前記
トンネル磁気抵抗効果素子は、基体のうえに形成された
下地層の上に、強磁性フリー層、トンネルバリア層、強
磁性ピンド層、強磁性ピンド層の磁化をピン止めするた
めのピン止め層を順次備えてなる形態を有するように構
成される。
【0018】また、本発明の好ましい態様として、前記
トンネル磁気抵抗効果素子は、基体のうえに形成された
下地層の上に、強磁性ピンド層の磁化をピン止めするた
めのピン止め層、強磁性ピンド層、トンネルバリア層、
強磁性フリー層を順次備えてなる形態を有するように構
成される。
【0019】また、本発明の好ましい態様として、トン
ネルバリア層が形成されるに至るまでに予め形成されて
いたいずれかの層の表面が、ガスクラスターイオンビー
ム法によって平滑化処理されてなるように構成される。
【0020】また、本発明の好ましい態様として、トン
ネル多層膜が形成される前の下地層表面がガスクラスタ
ーイオンビーム法によって平滑化処理されてなるように
構成される。
【0021】また、本発明の好ましい態様として、前記
強磁性フリー層は、その長手方向両端部にそれぞれ配置
されたバイアス付与手段によって、強磁性フリー層の長
手方向にバイアス磁界が印加されるように構成される。
【0022】また、本発明の好ましい態様として、前記
強磁性フリー層は、合成フェリ磁石(synthetic ferrima
gnet)であるように構成される。
【0023】また、本発明の好ましい態様として、前記
強磁性ピンド層は、合成フェリ磁石(synthetic ferrima
gnet)であるように構成される。
【0024】また、本発明の好ましい態様として、前記
トンネル多層膜は、当該トンネル多層膜を挟むように対
向配置された一対の電極と電気的に接合されてなるよう
に構成される。
【0025】また、本発明の好ましい態様として、前記
一対の電極を挟むように対向配置された一対のシールド
層を備えてなるように構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトンネル磁気抵抗
効果素子1(以下、単に「TMR素子」と称す)につい
て詳細に説明する。
【0027】図1は、本発明のTMR素子1の好適な一
例を示す断面図である。この実施の形態において、TM
R素子1は、スピントンネル磁気抵抗効果を示すトンネ
ル多層膜3を備えている。すなわち、トンネル多層膜3
は、トンネルバリア層30と、トンネルバリア層30を
挟むようにして形成された強磁性層フリー層20と強磁
性層ピンド層40が積層された多層膜構造を有してい
る。
【0028】このようなトンネル多層膜3の構造におい
て、さらに前記強磁性フリー層20と強磁性ピンド層4
0の外部方向にはそれぞれ、トンネル多層膜3の厚さ方
向((α)方向)に電流を流すための一対の電極71お
よび電極75が直接または間接に積層され、トンネル多
層膜3と一対の電極71,電極75は電気的に接続され
る。
【0029】前記強磁性フリー層20は、磁気情報であ
る外部磁場に応答して自由に磁化の向きが変えられるよ
うないわゆるフリー層として機能する。また、前記強磁
性ピンド層40は、当該強磁性層40の磁化の向きが一
定方向に固定された磁化固定層として機能する。強磁性
層40の磁化を固定する(交換結合する)ためのピン止
め層50が強磁性層40に接した状態で形成される。
【0030】さらに、図1の実施の形態では、図面の下
側に位置する電極71と強磁性フリー層20との間に
は、下地層8が介在されている。つまり、図1に示され
る実施の形態では、基板5の上に、電極71、下地層
8、強磁性フリー層20、トンネルバリア層30、強磁
性ピンド層40、ピン止め層50、電極75が順次形成
された形態をとっている。
【0031】強磁性フリー層20および強磁性ピンド層
40を構成する材質は、高いTMR変化量が得られるよ
うに高スピン分極材料が好ましく、例えば、Fe,C
o,Ni,FeCo,NiFe,CoZrNb,FeC
oNi等が用いられる。また、いわゆるフリー層として
機能する強磁性フリー層20の膜厚は、20〜200
Å、好ましくは40〜100Åとされる。膜厚が厚くな
りすぎると、ヘッド動作時の出力が低下する傾向があ
り、また、膜厚が薄くなりすぎると、磁気特性が不安定
となりヘッド動作時のノイズが増大するという不都合が
生じる。また、いわゆる磁化固定層(強磁性ピンド層)
として機能する強磁性ピンド層40の膜厚は、10〜5
0Å、好ましくは20〜30Åとされる。膜厚が厚くな
りすぎると、後述するような反強磁性体による磁化のピ
ンニングが弱まり、また、膜厚が薄くなりすぎると、T
MR変化率が減少する傾向が生じる。
【0032】このような強磁性フリー層20および強磁
性ピンド層40は、単層に限定されることはなく、反強
磁性型磁気結合をしている一対の磁性層と、その間に挟
まれた非磁性金属層の組み合わせからなる積層体も、特
に好ましい態様の一つである。このような積層体として
は、例えば、CoFe(厚さ30Å)/Ru(厚さ7
Å)/CoFe(厚さ20Å)の3層積層体からなる強
磁性層が挙げられる。さらに強磁性フリー層は、NiF
e/CoFe等の多層構造をとってもよい。
【0033】2つの強磁性層20,40によって挟まれ
るトンネルバリア層30は、Al23,NiO,Gd
O,MgO,Ta25,MoO2,TiO2,WO2等か
ら構成される。トンネルバリア層30の厚さは、素子の
低抵抗化のためできるだけ薄いことが望ましいが、あま
り薄すぎてピンホールが生じるとリーク電流がながれて
しまい好ましくない。一般には、5〜20Å程度とされ
る。
【0034】本発明における第1の特徴は、このトンネ
ルバリア層30の表裏2つの表面31,32の表面状態
にある。すなわち、本発明におけるトンネルバリア層3
0表面31,32は、その表面粗さの状態を示す3つの
指標である、(1)中心線平均粗さRa、(2)最大高
さRmax、および(3)標準偏差粗さRrmsがそれぞれ、
下記条件を満たすように設定される。すなわち、(1)
中心線平均粗さRaに関して言えば、Ra値が1nm以
下、特に0.001〜1nm、より好ましくは0.00
1〜0.8nm、さらに好ましくは0.001〜0.6
nmとされる。このRa値の下限値は、できるだけゼロ
に近づけることが望ましいが、現在の平滑化の技術レベ
ルや平滑化に要する経済性を考慮すると下限値は0.0
01nm程度とされる。中心線平均粗さRaは、JIS
B 0601で定義される。より詳細には、表面の粗
さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き
取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向
をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、下
記式(1)によって求められる値である。
【0035】
【式1】
【0036】(2)最大高さRmaxに関して言えば、Rm
ax値が10nm以下、特に0.01〜10nm、より好
ましくは0.01〜7nm、さらに好ましくは0.01
〜4nmとされる。このRmax値の下限値は、できるだ
けゼロに近づけることが望ましいが、現在の平滑化の技
術レベルや平滑化に要する経済性を考慮すると下限値は
0.01nm程度とされる。最大高さRmaxは、JIS
B 0601で定義される。より詳細には、断面形状
の中心線に対しての最高値と最低値の差で表される。
【0037】(3)標準偏差粗さRrmsに関して言え
ば、Rrms値が1.2nm以下、特に、0.001〜
1.2μm、より好ましくは0.001〜0.8nm、
さらに好ましくは0.001〜0.6nmとされる。こ
のRrms値の下限値は、できるだけゼロに近づけること
が望ましいが、現在の平滑化の技術レベルや平滑化に要
する経済性を考慮すると下限値は0.001nm程度と
される。標準偏差粗さRrmsは、より詳細には、全デー
タのZ値の標準偏差であり、下記式(2)で表される。
Z値は中心線に対しての最高値と最低値の差を表す。
【0038】
【式2】
【0039】式(2)中、Nはデータのポイント数、Z
iは各データポイントのZ値(Z値は中心線に対しての
最高値と最低値の差)、Zaveは、全Z値の平均値を表
す。
【0040】本発明において、上記のRa値が1nmを
超えたり、Rmax値が10nmを超えたり、Rrms値が
1.2nmを超えたりすると、トンネルバリア層の接合
部におて電気的なリーク電流が生じ易くなり、その結
果、実質的なTMR変化率が大きく減少するとともに、
ヘッド出力が大きく減少してしまう。3つのパラメータ
の中では特にRmax値が重要である。実際の素子の大き
さは非常に小さく、測定長さが十分に取れないケースも
あり、このような場合であってもRmax値は、直接、特
性に影響を及ぼす表面の凹凸の差を最も適切に表現して
いる値であるからである。
【0041】トンネルバリア層30の両側の表面31,
32の表面粗さの状態を本発明の範囲内に設定する手法
としては、以下の(i)〜(V)の手法が好適に用いら
れる。これらの手法は単独で用いてもよいし、また、複
数の手法を適宜、組み合わせてもよい。
【0042】(i)トンネル多層膜3が形成される前の
下地層8の表面を平滑化処理する。その平滑化処理方法
としてはガスクラスターイオンビーム法を用いるのがよ
い。ガスクラスターイオンビーム法とは、1〜5kg程
度に加圧したガスを10-4〜10-1Torr程度に減圧した
チャンバに吹き出すことにより断熱膨張によって生じる
103〜106個のガスクラスターをイオン化し、加速電
極によって所定の電圧にて加速し、所定のガスクラスタ
ーの数量((ドース量)105〜108)を処理すべきウ
エーハ上に入射させる方法である。このとき、クラスタ
ーと基板上の凹凸との衝突によって、出っ張っている凸
部分のみ削られるという状況が生じ、結果的に平坦化処
理の効果が得られる。
【0043】ガスクラスターイオンビーム法で用いられ
るガスとしては、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネ
オン、水素、ヘリウムや、これらの混合ガス等が挙げら
れる。
【0044】なお、従来公知の平坦化技術である、アル
ミナ砥粒やコロイダルシリカを砥粒として含ませた研磨
液を用いての研磨方法では、本発明の範囲内の表面状態
を形成することは極めて困難であり、実現性に乏しい。
さらには、電極やピン止め層(反強磁性層)の腐食の問
題もあり好ましくない。
【0045】(ii)トンネルバリア層30を成膜する直
前の層である、例えば強磁性フリー層20の表面をガス
クラスターイオンビーム法で平滑化処理する。なお、図
1の変形例としてトンネル多層膜3の積層順を逆にした
場合には、強磁性ピンド層40の表面をガスクラスター
イオンビーム法で平滑化処理する。
【0046】(iii)トンネルバリア層30の成膜条件
の選定
【0047】トンネルバリア層は、Al単金属の層を予
め形成した後、所定の酸化方法を用いて所定の厚みのバ
リア層として形成される。ここで、Alの成膜条件を最
も小さな比抵抗値が得られるようかつ、最も表面粗度の
小さな平滑表面が得られるようにトンネルバリア層30
の成膜条件を最適化する。
【0048】(iv)電極71を形成した後、その表面を
ガスクラスターイオンビーム法で平滑化処理し、その
後、トンネル多層膜3を形成する。
【0049】(V)シールド層を形成後、その表面をガ
スクラスターイオンビーム法で平滑化処理し、その後、
電極71およびトンネル多層膜3を形成する。
【0050】本発明における下地層8は、W,Ta,R
h,Ti,Cr,Mo,Zr,Hf,Pt,Pd,A
u,Ag,Cu等の材料から薄膜形成され、その厚さ
は、20〜100Å程度に設定される。
【0051】また、本発明において、前記強磁性ピンド
層40の磁化をピン止めするピン止め層50は、そのピ
ン止め機能を果たすものであれば、特に限定されない
が、通常、反強磁性材料が用いられる。厚さは、通常、
60〜300Å程度とされる。
【0052】電極71,75としては、W,Ta,R
h,Ti,Cr,Mo,Zr,Hf,Pt,Pd,A
u,Ag,Cu等の導電体材料が用いられる。電極7
1,75の外側両端にはそれぞれパーマロイ等からなる
(磁気)シールド層を設けてもよい。また、図1に示さ
れる実施形態はピン止め層50がトップに位置するタイ
プを例示しているが、もちろんピン止め層50がボトム
に位置するタイプであってもよい。このボトムタイプの
積層状態は図示していないが、基板5の上に、電極7
1、下地層8、ピン止め層50、強磁性ピンド層40、
トンネルバリア層30、強磁性フリー層20、電極75
を順次有する形態をとることになる。
【0053】図2には図1の変形例が示される。図2に
おいて、下地層8の下と、ピン止め層50の上には、そ
れぞれギャップ層101とギャップ層105が形成さ
れ、これらの外方両端には電極−シールド兼用層(comm
on lead and shield layer)91,95が形成されてい
る。電極−シールド兼用層(common lead and shield l
ayer)91,95は、NiFe(パーマロイ)、センダ
スト、CoFe、CoFeNi等から構成される。ギャ
ップ層101,105は、Cu,Al,Au,Ta,R
h,Cr,In,Ir,Mg,Ru,W,Znあるいは
これらとの合金から構成される。ギャップ層は、特に、
シールド−シールド間距離の調整およびTMR多層膜位
置の調整という機能を果たす。
【0054】このような本発明のトンネル磁気抵抗効果
素子をトンネル磁気抵抗効果型ヘッド2(以下、単に
「TMRヘッド2」と称す)の好適な一例として発展さ
せた実施形態が図3に示される。TMRヘッド2も本発
明でいうトンネル磁気抵抗効果素子の概念に含まれ、本
発明のクレームの技術的範囲に含まれる。
【0055】図3は、本発明のTMRヘッド2の好適な
一例を示す断面図である。この断面図は磁気情報である
外部磁場を発する磁気記録媒体と実質的に対向するよう
に配置される面に相当する。この面は、いわゆるABS
(Air Bearing Surface)と呼ばれる。
【0056】この実施の形態において、TMRヘッド2
は、スピントンネル磁気抵抗効果を示すトンネル多層膜
3を備えている。すなわち、トンネル多層膜3は、トン
ネルバリア層30と、トンネルバリア層30を挟むよう
にして形成された強磁性フリー層20と強磁性ピンド層
40が積層された多層膜構造を有している。前述したよ
うに強磁性フリー層20は、基本的に磁気情報である外
部磁場に応答して自由(フリー)に磁化の向きが変えられ
るように作用する。また、強磁性ピンド層40は、その
磁化方向が、すべて一定方向を向くようにピン止めされ
ている(図3の場合ピン止めされる磁化の方向は紙面の
奥行き方向)。そのため、通常、図3に示されるように
強磁性ピンド層40の磁化をピンニングするためのピン
止め層50が、前記強磁性ピンド層40のトンネルバリ
ア層30と接する側と反対の面に積層される。
【0057】図3に示される実施形態において、前記ト
ンネル多層膜3の積層方向の両側には、トンネル多層膜
3にセンス電流をながすための電極と磁気シールドの両
方の機能を果たす、電極−シールド兼用層(common lea
d and shield layer)91,95が、それぞれ、電気的
に接合(electrical contact)されている。前述したよ
うに電極−シールド兼用層(common lead and shield l
ayer)91,95を用いることにより、リードギャップ
は大幅に縮小でき、さらに、トンネル多層膜中の不均一
な電流の流れを防止することができる。
【0058】このような電極−シールド兼用層(common
lead and shield layer)91,95にセンス用の電流
が流され、これらの層91,95に電気的に接合されて
いるトンネル多層膜3の積層方向にセンス電流が流れる
ようになっている。
【0059】このような電極−シールド兼用層91,9
5は、直接、トンネル多層膜3と接触するように形成さ
れてもよいし、あるいは図3の実施の形態に示されるよ
うに、非磁性かつ導電性のあるギャップ層101,10
5を、それぞれ介して電極−シールド兼用層91,95
とトンネル多層膜3とを電気的に接合するようにしても
よい。
【0060】前記ギャップ層101,105は、前述し
たように、特に、シールド−シールド間距離の調整およ
びTMR多層膜位置の調整という機能や、トンネル電流
が不均一になるのを防止するという機能を果たす。これ
らは通常、図示のごとく一層から形成されることが好ま
しいが、上記の材質の中から選定された複数の材質の積
層体とすることもできる。このようなギャップ層10
1,105の膜厚は、50〜700Å程度とされる。
【0061】本発明におけるトンネル多層膜3は、下地
層8を介して形成されるとともに図3に示されるような
仕様に基づいて構成されることが好ましい。すなわち、
トンネル多層膜3の一部を構成する強磁性フリー層20
は、図3に示されるようにその長手方向(紙面の左右方
向)両端部にそれぞれ積層され接続配置されたバイアス
付与手段61,61によって、強磁性フリー層の長手方
向にバイアス磁界(例えば矢印(α1)方向)が印加さ
れるようになっている。
【0062】当該強磁性フリー層20の長手方向(バイ
アス磁界印加方向と実質的に同じ)の長さLfは、前記
強磁性ピンド層40の長手方向長さLpよりも大きく設
定される。強磁性フリー層20は、その長さLfが強磁
性ピンド層40の長さLpよりも長い分だけ、その両端
部に、強磁性ピンド層40の長手方向両端部位置(ライ
ンhの引き出し線で表示される)よりもさらに延長され
た拡張部位20aをそれぞれ備えなるように配置され
る。この拡張部位20aは、その長さがLfeで表示さ
れ、強磁性フリー層20の一部分を占めている。つま
り、拡張部位20aは強磁性ピンド層40端部からのは
み出し長さ部分と同義である。
【0063】強磁性フリー層20の長手方向の長さLf
は、0.5〜20μm程度とされる。また、強磁性ピン
ド層40の長手方向長さLpとの関係で規定される強磁
性ピンド層40の拡張部位20aの長さLfeは、0.1
〜5μm程度とされる。
【0064】このような強磁性フリー層20の両端の拡
張部位21に、バイアス付与手段61,61が積層状態
で接続される。バイアス付与手段61,61が積層され
た部分は、拡張部位20aと交換結合され、磁化方向は
矢印(α1)方向に固着される。バイアス付与手段6
1,61は、それぞれ、図3に示されるように前記強磁
性ピンド層40の長手方向両端部からそれぞれ一定のス
ペースDを確保して形成されている。
【0065】このような一定のスペースDは、ヘッドの
設計仕様を決定する際に、TMR変化率特性を実質的に
低下させないようにするために所定範囲に定めることが
望ましい。具体的数値は、ヘッド仕様、例えば、用いる
構成部材の材質や、寸法設定等により適宜設定すること
が望ましい。特に、より好ましい態様として実験的に見
出された数値を挙げるならば、前記一定のスペースD
は、0.02μm以上、特に、0.02μm以上0.3
μm以下の範囲、さらには0.02μm以上0.15μ
m未満の範囲とすることが好ましい。このDの値が、
0.02μm未満となると、TMR変化率が低下する傾
向にある。この一方で、このD値が大きくなり過ぎて、
0.3μmを超えると、有効トラック幅が広がってしま
い高記録密度化への将来の要求に合致しなくなる傾向が
生じる。有効トラック幅を特に重点的に考慮すると、D
値は0.02μm以上0.15μm未満の範囲(0.1
5μmを含まない)とすることが好ましい。
【0066】図3に例示されたTMRヘッド1全体の構
成、特に上述していない部材を中心にして簡単に説明し
ておくと、本実施の形態においては、TMR多層膜の両
端部外方には、図示のごとく例えばアルミナからなる絶
縁層111,111および絶縁層112,112が形成
される。これにより、バイアス付与手段61,61とト
ンネルバリア層30の絶縁などが確実に行なわれるよう
になっている。
【0067】強磁性トンネル磁気抵抗効果について簡単
に説明しておく。強磁性トンネル磁気抵抗効果とは、ト
ンネルバリア層30を挟む一対の強磁性層20,40間
の積層方向に電流を流す場合に、両方の強磁性層20,
40間における互いの磁化の相対角度に依存してトンネ
ルバリア層を流れるトンネル電流が変化する現象をい
う。この場合のトンネルバリア層30は、薄い絶縁膜で
あって、トンネル磁気抵抗効果によりスピンを保存しな
がら電子が通過できるものである。両強磁性層20,4
0間における互いの磁化が平行である場合(あるいは互
いの磁化の相対角度が小さい場合)、電子のトンネル確
率は高くなるので、両者間に流れる電流の抵抗は小さく
なる。これとは逆に、両強磁性層20,40間における
互いの磁化が反平行である場合(あるいは互いの磁化の
相対角度が大きい場合)、電子のトンネル確率は低くな
るので、両者間に流れる電流の抵抗は大きくなる。この
ような磁化の相対角度の変化に基づく抵抗変化を利用し
て、例えば外部磁場の検出動作が行われる。
【0068】
【実施例】上述してきたトンネル磁気抵抗効果素子(T
MR素子)に関する発明を、以下に示す具体的実施例に
よりさらに詳細に説明する。
【0069】(実験例I)
【0070】下記に示すようなトンネル磁気抵抗効果素
子サンプルを作製した。すなわち、基板5(Al
付きのAlTiC)の上に、電極層71(Cu;厚さ7
00Å)、下地層(Ta;厚さ100Å)、いわゆるフ
リー層として機能する強磁性層20(NiFe層(厚さ
100Å)とCoFe(厚さ20Å)の積層体)、トン
ネルバリア層30(酸化アルミニウム;厚さ10Å)、
磁化方向が検出磁界方向に固定されたいわゆるピンニン
グされた強磁性層40(CoFe;厚さ30Å)、強磁
性層40の磁化をピンニングするためのピン止め層50
(RuRhMn;厚さ100Å)、電極層75(Ta;
厚さ50Å)を順次、薄膜積層してサンプルを作製し
た。完成した素子サイズは1μm×1μmの大きさとし
た。
【0071】このように膜設計されたTMR素子につい
て、必要に応じて上記(i)〜(V)の手法を用いてト
ンネルバリア層表面の表面粗さを下記表1に示すように
種々変えたサンプルを作製した。
【0072】なお、トンネルバリア層表面の表面粗さを
測定するに際しては、積層状態が分かるようにサンプル
を積層方向に切断し、具体的に、高分解能透過電子顕微
鏡(TEM)や走査型2次電子顕微鏡(S−TEM)を
用いて測定した。測定範囲は表面粗さ測定用の専用パタ
ーンを形成し、10μm×10μmとした。
【0073】なお、実際のTMR素子の大きさは、
(0.15μm×0.15μm)〜(1μm×1μm)
程度の大きさのものが一般的である。これらの素子にお
いても、Ra、Rmax、およびRrmsが本発明のクレーム
範囲内にあることが必須であるが、一般には測定範囲が
広くなると粗さの諸量は大きくなっていく傾向がある。
【0074】下記表1に示される種々の実験用TMR素
子サンプルを用いて、下記の要領でTMR変化率(%)
を求めた。
【0075】TMR変化率(%)
【0076】サンプルに印加される電圧がゼロ磁界で5
0mV程度となるように定電流を流し、±900(O
e)の磁界を印加した時の電圧の最小値から最小抵抗値
Rminを求め、また、電圧の最大値から最大抵抗値Rmax
を求め、以下の算出式(1)からTMR変化率(%)を
求めた。
【0077】 TMR変化率(%)=(Rmax−Rmin)/Rmin ×100 …式(1)
【0078】結果を下記表1に示した。
【0079】
【表1】
【0080】表1に示される結果より、TMR変化率を
向上させるためには、表面粗さの状態を示す3つのパラ
メータ全てが本発明の範囲を満たさなければならないこ
とがわかる。
【0081】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、トンネルバリア層と、トン
ネルバリア層を挟むようにして形成された強磁性フリー
層と強磁性ピンド層が積層されたトンネル多層膜を有す
るトンネル磁気抵抗効果素子であって、前記トンネルバ
リア層表面の表面粗さの状態を示す3つの指標である、
中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmaxが1
0nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下であ
るように構成されているので、TMR変化率が大きくな
り、大きなヘッド出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の強磁性トンネル磁気抵抗効果
素子の好適な一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の強磁性トンネル磁気抵抗効果
素子の他の好適な一例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の強磁性トンネル磁気抵抗効果
素子をトンネル磁気抵抗効果型ヘッドに発展させた場合
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…トンネル磁気抵抗効果素子 3…トンネル多層膜 5…基板 20…強磁性フリー層 30…トンネルバリア層 40…強磁性ピンド層 71,75…電極(層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−11333(JP,A) 特開 平8−120470(JP,A) 特開 平8−293483(JP,A) 特開2000−215415(JP,A) 特開 平10−105928(JP,A) 特開 平11−175920(JP,A) 特開 平11−134620(JP,A) 特開 平7−57261(JP,A) 特開2001−6130(JP,A) 特開2001−36165(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/08 G01R 33/09 G11B 5/39 H01F 10/26 JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、該トンネル磁気抵抗効果素子は、トンネルバリア層を成
    膜する直前の層がガスクラスターイオンビーム法で平滑
    化処理されており、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、該トンネル磁気抵抗効果素子は、前記トンネル多層膜が
    形成される前の下地層表面がガスクラスターイオンビー
    ム法によって平滑化処理されており、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、前記強磁性フリー層は、その長手方向両端部にそれぞれ
    配置されたバイアス付与手段によって、強磁性フリー層
    の長手方向にバイアス磁界が印加されるようになってお
    り、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  5. 【請求項5】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、前記強磁性フリー層は、合成フェリ磁石(synthetic fer
    rimagnet)であり、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、前記強磁性ピンド層は、合成フェリ磁石(synthetic fer
    rimagnet)であり、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  7. 【請求項7】 トンネルバリア層と、トンネルバリア層
    を挟むようにして形成された強磁性フリー層と強磁性ピ
    ンド層が積層されたトンネル多層膜を有するトンネル磁
    気抵抗効果素子であって、前記トンネル多層膜は、当該トンネル多層膜を挟むよう
    に対向配置された一対の電極と電気的に接合されてお
    り、 前記トンネルバリア層の表裏2つの表面における各々の
    表面状態は、その表面粗さの状態を示す3つの指標であ
    る、中心線平均粗さRaが1nm以下、最大高さRmax
    が10nm以下、標準偏差粗さRrmsが1.2nm以下
    であることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  8. 【請求項8】 前記トンネルバリア層表面の表面粗さ
    の状態を示す3つの指標である、中心線平均粗さRaが
    0.001〜1nm、最大高さRmaxが0.01〜10
    nm、標準偏差粗さRrmsが0.001〜1.2nmで
    ある請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のトンネ
    ル磁気抵抗効果素子。
  9. 【請求項9】 前記トンネル磁気抵抗効果素子は、基体
    のうえに形成された下地層の上に、強磁性フリー層、ト
    ンネルバリア層、強磁性ピンド層、強磁性ピンド層の磁
    化をピン止めするためのピン止め層を順次備えてなる形
    態を有する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の
    トンネル磁気抵抗効果素子。
  10. 【請求項10】 前記トンネル磁気抵抗効果素子は、基
    体のうえに形成された下地層の上に、強磁性ピンド層の
    磁化をピン止めするためのピン止め層、強磁性ピンド
    層、トンネルバリア層、強磁性フリー層を順次備えてな
    る形態を有する請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  11. 【請求項11】 前記一対の電極を挟むように対向配置
    された一対のシールド層を備えてなる請求項7に記載の
    トンネル磁気抵抗効果素子。
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