JP2005302876A - トンネル磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに製造装置 - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果素子およびその製造方法ならびに製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板上に、下部電極層、ピンド層、トンネルバリア層、フリー層、上部電極層を順次成膜してなるトンネル磁気抵抗効果素子において、極力小さい膜厚で良好な被覆性を確保できるトンネルバリア層を実現する。
【解決手段】 基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子1において、トンネルバリア層40は、原子層成長法により成膜されたアルミナなどからなり、膜厚を薄いものとしても、下地のピンド層30の表面に存在する凹凸の被覆性を高め、トンネルバリア層40の膜厚ばらつきを小さくできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ピンド層、トンネルバリア層、フリー層が順次積層されてなる多層膜を有するトンネル磁気抵抗効果素子、そのようなトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法、およびそのようなトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置に関する。
近年、磁気抵抗効果を用いた電子デバイスが注目されている。特に、MRAM(磁気抵抗効果ランダムアクセスメモリ)、磁気ヘッド、磁気センサなどはそのアプリケーションの筆頭である。
磁性薄膜を積層し、磁性の交換結合によってえられる巨大磁気抵抗効果(GMR)を用いた電子デバイスは量産レベルにまで達している。一方で、絶縁薄膜のトンネル効果を用いたトンネル磁気抵抗効果(TMR)素子は、GMRに比べ磁気スピンに感応する場合とそうでない場合の抵抗比率(MR比)が大きく、高感度、高精度な電子デバイスを成立させる期待を持っている。
このようなトンネル磁気抵抗効果素子は、基板上に形成された下部電極層と、その下部電極層上に1種または2種以上の磁性材料を積層してなるピンド層と、そのピンド層上部に形成された非磁性材料のトンネルバリア層と、そのトンネルバリア層上部に形成された磁性材料のフリー層と、そのフリー層上部に形成された金属材料である上部電極とを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
このようなトンネル磁気抵抗効果素子においては、ピンド層は磁気スピンの向きが固定された磁性層(磁界固定層)であり、フリー層は外部磁界によって容易に磁気スピンの向きが変化する磁性層である。そして、これらピンド層とフリー層との間に絶縁薄膜であるトンネルバリア層が形成されている。
その検出原理は、フリー層の磁気スピンの変化によって、2つの磁性層の間すなわちピンド層とフリー層との間にあるエネルギーポテンシャルが変化し、トンネルバリア層に流れる直接トンネル電流が大きく変化する、というものである。
それゆえ、直接トンネル電流は、トンネルバリア層の膜質のみならず、膜厚によっても大きく変化する。それは、トンネル電流は、膜厚と膜質からなるトンネルバリア障壁高さからその電流値や、電界強度が決定されるからである。このことについて、数式1を参照して具体的に述べる。
(数1)
Rσ=Cσ・exp(2κd)
ここで、数式1中のκは、次の数式2で表されるものである。
(数2)
κ=(2mφ/h21/2
上記数式1は、磁気抵抗効果素子のトンネル接合の抵抗Rσを表したもので、Cσは磁性層とトンネルバリア層の電子状態で決まる値、dはトンネルバリア層のバリア障壁の厚さ、φはフェルミ準位から測った障壁ポテンシャルの高さである。
バリア障壁の厚さすなわちトンネルバリア層の膜厚を小さくすることにより、トンネル抵抗は指数関数的に小さくなり、トンネル磁気抵抗素子の効率向上につながる。
一方、フリー層とピンド層と間でスピンの向きが互いに反平行にある場合のトンネル抵抗値の比率を、MR比という。トンネル抵抗の値が小さいほど、MR比を大きくすることができる。
トンネル磁気抵抗効果の向上、つまりMR比を向上させるためには、トンネル抵抗値を低下させ、安定した電流を確保することが望ましい。そのために、トンネルバリア層の膜厚は少なくとも5nm以下、可能であれば1nm以下とすることが望ましい。
従来、TMRにおけるトンネルバリア層は、金属薄膜をスパッタもしくは蒸着などの物理的気相成長法(PVD)にて形成し、形成後に行う酸化雰囲気中での熱処理やプラズマ処理、大気暴露などの手段によって、当該金属薄膜を酸化処理し、金属酸化物であるトンネルバリア層を形成しているものがほとんどであった。
この場合、金属薄膜としては1nm程度の非常に膜厚の薄い薄膜を形成し、それを酸化し1nm程度のトンネルバリア層を得る必要がある。しかしながら、従来のTMRにおけるトンネルバリア層形成方法すなわちPVD法では、均一な膜厚、膜質をもつトンネルバリア層を形成することが困難であった。
それは、金属薄膜を形成する場合において、特に1nm程度の金属薄膜形成工程では、分子層で数層〜数十層に相当し、この場合、アイランド成長と呼ばれるような金属クラスタが島状に点在する現象が発生する可能性が高いからである。
よって、これを酸化処理しても、トンネルバリア層の膜厚が安定せず、電解集中やリーク電流、トンネル電流ばらつきの原因となってしまうばかりか、ピンホールも発生しやすく、リーク電流によってトンネル磁気抵抗素子の特性を大きく劣化させる原因になってしまっていた。
また、従来の方法でたとえピンド層がトンネルバリア層によって完全に被覆できたとしても、その膜厚分布の存在は避けられず、面内で膜の薄い部分と厚い部分とが存在し、薄い膜の部分では、トンネルバリア層の下地であるピンド層の表面粗さに大きく影響されることは必至である。
一方、ピンド層においては、磁性効果によって磁界スピンが固定されていることが重要である。特に保磁力を向上するためには、反強磁性体薄膜と強磁性体薄膜の交換結合による効果を利用するとよいとされている。
つまり、ピンド層の構成としては金属薄膜を積層した構成とすることが特性上好ましいが、金属薄膜を積層する工程であるがゆえ、さらにピンド層表面のラフネスを制御することは困難で、ますますトンネルバリア層の被覆性を低下させる原因となっている。
これまでピンド層を平滑化する手法としては、ピンド層をエピタキシャル成長、もしくはヘテロエピタキシャル成長させて単結晶に近い状態にさせる方法、電子ビームなどの研磨を施すことによってピンド層の表面を平滑化する方法などが提案されている。しかしながら、ピンド層において、このような表面粗さの制御を行うことは経済的および技術的に困難である。
さらにいえば、従来法ではピンド層上にトンネルバリア層となる金属薄膜を形成する場合において、金属間拡散などによってピンド層と当該金属薄膜との界面に界面層が形成される可能性があり、これにより完全なバリア層界面が形成されず、界面層に影響されて膜厚が狙どおりに形成されない可能性があった。
また、近年の微細化により、トンネル磁気抵抗素子はより小さい面積が望まれている。しかし、素子を小さくすることによって、電流値そのものが小さくなり、感度が低下するという問題があった。
(数3)
It=J・S
ここで、上記数式3は電流と素子面積との関係を表している。数式3中、Itはトンネル電流、Jはトンネル電流の電流密度、Sは素子の有効表面積である。
つまり素子の面積を小さくしてしまうと、トンネル電流値は全体に小さくなり、回路構成上不利である。
そこで、簡単には、素子面積を維持したまま電流値向上する手段として、磁気抵抗素子のピンド層の凹凸をあえて大きくし実効表面積を大きくすることによって、素子の単位面積あたりの電流値を大きくする方法がある。
しかし、上述したとおり、従来のトンネルバリア層の形成方法では、凹凸が大きいとトンネルバリア層の被覆性が確保できず、ピンホールや電界集中によるリーク電流によって、トンネル磁気抵抗素子の特性が劣化するのは疑いない事実であった。
特許第3331397号公報
以上述べたように、トンネル磁気抵抗効果素子において、従来のトンネルバリア層の成膜方法すなわちPVD法では被覆性にとぼしく、均一な膜厚をもつトンネルバリア層を形成することが困難であった。
また、ピンド層上にトンネルバリア層となる金属膜を形成する場合において、金属間拡散などによる界面層形成される可能性があり、これにより完全なバリア層界面が形成されず、界面層に影響されて膜厚が狙どおりに形成されない可能性があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ピンド層、トンネルバリア層、フリー層を順次成膜してなるトンネル磁気抵抗効果素子において、極力小さい膜厚で良好な被覆性を確保できるトンネルバリア層を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層(40)は、実質的に化学量論組成となる薄膜が膜形成時に堆積されてなるものであることを特徴としている。
それによれば、トンネルバリア層(40)を、実質的に化学量論組成となる薄膜が膜形成時に堆積されてなるものとしているため、従来のPVD法により形成されたトンネルバリア層に比べて、膜厚を薄いものとしても、ピンド層(30)の表面に存在する凹凸の被覆性を高め、トンネルバリア層(40)の膜厚ばらつきを小さくできる。
そのため、上記した被覆性にとぼしく膜厚ばらつきが大きいことに起因する電界集中やリーク電流を抑え、安定したトンネル電流を得て、MR比のばらつきを小さくすることができる。
さらに、トンネルバリア層(40)の下地であるピンド層(30)に存在する凹凸を利用し、従来のトンネル磁気抵抗効果素子よりも小さい素子面積で効率よくトンネル電流が流れるようにすることができる。
このように、本発明によれば、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)を順次成膜してなるトンネル磁気抵抗効果素子において、極力小さい膜厚で良好な被覆性を確保できるトンネルバリア層(40)を実現することができる。
請求項2に記載の発明では、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層(40)は、化学的気相成長法により成膜されたものであることを特徴としている。
それによれば、トンネルバリア層(40)を、化学的気相成長法により成膜されたものとしているため、従来のPVD法により形成されたトンネルバリア層に比べて、膜厚を薄いものとしても、ピンド層(30)の表面に存在する凹凸の被覆性を高め、トンネルバリア層(40)の膜厚ばらつきを小さくできる。
そのため、本発明によれば、上記請求項1に記載のトンネル磁気抵抗効果素子と同様に、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)を順次成膜してなるトンネル磁気抵抗効果素子において、極力小さい膜厚で良好な被覆性を確保できるトンネルバリア層(40)を実現することができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層(40)は、原子層成長法により成膜されたものであることを特徴としている。
このように、トンネルバリア層(40)を、原子層成長法により成膜されたものとすることにより、上記した請求項1および請求項2に記載の発明の効果を適切に実現することができる。
ここで、請求項4に記載の発明のように、請求項1〜請求項3に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)は、金属または半導体の酸化物、窒化物、酸窒化物、またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜にて形成されているものにできる。
さらに、請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)は、Al、Y、Si、Mg、Ti、Ta、W、Hf、Nbの酸化物またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜にて形成されているものにできる。
また、請求項6に記載の発明のように、請求項4に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)は、Siの窒化物の薄膜にて形成されているものにできる。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項4に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)は、Al、Si、Ti、Taの酸窒化物またはそれらの2種を組み合わせてなる薄膜にて形成されているものにできる。
また、請求項8に記載の発明のように、請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)は、Alの酸化物からなる薄膜にて形成されているものにできる。
また、請求項9に記載の発明のように、請求項8に記載のトンネル磁気抵抗効果素子におけるAlの酸化物からなる薄膜において、Alと酸素の組成比を表すAl/O原子比率が0.52以上0.68以下であるものにできる。
また、請求項10に記載の発明では、請求項1〜請求項9に記載のトンネル磁気抵抗効果素子において、トンネルバリア層(40)の炭素残留量が1at%以下であることを特徴としている。
トンネルバリア層(40)を化学的気相成長法により形成する場合、原料として有機金属を用いるため、成膜されたトンネルバリア層(40)には、炭素が含有される。ここで、トンネルバリア層中の炭素残留量が多すぎると、リーク電流が生じやすくなり、トンネル磁気抵抗効果素子の特性が劣化しやすくなる。
その点、本発明のように、トンネルバリア層(40)の炭素残留量を1at%(atomic%、原子百分率)以下とすれば、トンネルバリア層(40)のリーク電流の発生を極力防止することができ、好ましい。
また、請求項11に記載の発明のように、請求項1〜請求項10に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)がピンド層(30)とフリー層(50)とに挟まれている領域において、ピンド層(30)における最大高さRmaxが、10nm以上であるものにできる。
また、請求項12に記載の発明のように、請求項1〜請求項11に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、トンネルバリア層(40)の膜厚は、0.5nm以上5nm以下にできる。
ここで、請求項13に記載の発明のように、請求項1〜請求項12に記載のトンネル磁気抵抗効果素子においては、基板(10)上に、下部電極層(20)、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)、上部電極層(60)が順次積層されているものにできる。
また、請求項14に記載の発明のように、請求項1〜請求項13に記載のトンネル磁気抵抗効果素子は、磁気センサに用いてもよい。
請求項15に記載の発明では、基板(10)上に、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、ピンド層(30)を形成した後、酸化雰囲気に暴露させることなく、トンネルバリア層(40)を化学的気相成長法により形成することを特徴としている。
それによれば、上記した各手段におけるトンネル磁気抵抗効果素子を適切に製造することができる。また、形成されたピンド層(30)の表面が酸化されることがなくなるため、磁性効果の変化や電気障壁の発生などによるトンネル磁気抵抗効果素子の特性の劣化を防止することができる。
ここで、請求項16に記載の発明のように、請求項15に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法においては、ピンド層(30)をスパッタ法により形成し、トンネルバリア層(40)を原子層成長法により形成するようにできる。
また、請求項17に記載の発明では、請求項15または請求項16に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、トンネルバリア層(40)を形成した後、トンネルバリア層(40)を酸化処理することを特徴としている。
それによれば、形成されたトンネルバリア層(40)をさらに酸化処理するため、トンネルバリア層(40)を酸化物によって形成する場合において、酸化の促進を図ることができる。
ここで、請求項18に記載の発明のように、請求項15〜請求項17に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法においては、基板(10)上に、下部電極層(20)、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)、上部電極層(60)を順次積層することができる。
請求項19に記載の発明では、基板(10)上に、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法に用いる製造装置において、ピンド層(30)を形成するためのピンド層用チャンバ(110、120)と、トンネルバリア層(40)を化学的気相成長法により形成するためのトンネルバリア層用チャンバ(130)とを備え、ピンド層用チャンバ(110、120)とトンネルバリア層用チャンバ(130)との間は、ロードロックチャンバ(150)により接続されており、基板(10)は、酸化雰囲気にさらされることなくロードロックチャンバ(150)内をピンド層用チャンバ(110、120)からトンネルバリア層用チャンバ(130)へ搬送できるようになっていることを特徴としている。
それによれば、ピンド層(30)を形成した後、酸化雰囲気に暴露させることなく、トンネルバリア層(40)を化学的気相成長法により形成することができるため、上記請求項15に記載の製造方法を適切に実現できる製造装置を提供することができる。
また、請求項20に記載の発明では、請求項19に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置において、ピンド層用チャンバ(110、120)は、スパッタ成膜用のチャンバであり、トンネルバリア層用チャンバ(130)は、原子層成長用のチャンバであることを特徴としている。
それによれば、上記請求項16に記載の製造方法を適切に実現できる製造装置を提供することができる。
また、請求項21に記載の発明では、請求項17または請求項18に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置において、トンネルバリア層(40)を酸化処理するための酸化処理用チャンバ(140)を備えており、トンネルバリア層用チャンバ(130)と酸化処理用チャンバ(140)との間は、ロードロックチャンバ(150)により接続されており、基板(10)は、酸化雰囲気にさらされることなくロードロックチャンバ(150)内をトンネルバリア層用チャンバ(130)から酸化処理用チャンバ(140)へ搬送できるようになっていることを特徴としている。
それによれば、上記請求項17に記載の製造方法を適切に実現できる製造装置を提供することができる。
また、請求項22に記載の発明では、請求項19〜請求項21に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置において、トンネル磁気抵抗効果素子は、基板(10)上に、下部電極層(20)、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)、上部電極層(60)を順次積層してなるものであることを特徴としている。
それによれば、上記請求項18に記載の製造方法を適切に実現できる製造装置を提供することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るトンネル磁気抵抗効果素子1の概略断面構成を示す図である。
[素子構成等]
図1に示されるように、本実施形態のトンネル磁気抵抗効果素子1は、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次成膜され積層されてなるものである。
ここで、基板10は、特に限定するものではないが、本例では、シリコン基板からなる。この基板10の上には、絶縁層11が形成されている。この絶縁層11は、導電性のシリコン基板10と下部電極層20を電気的に分離する機能を有するものである。
本例では、絶縁層11は、基板10上にスパッタリングにてたとえば厚さ300nmで形成されたSiO2薄膜からなる。もちろん絶縁層11は上記した機能を満たせばよく、形成方法や材質などは限定されない。たとえば、シリコンの熱酸化によってSiO2薄膜を形成してもよいし、CVDで形成してもよい。また材料としてもSiO2でなくともよい。
絶縁層11の上部には、導電性材料からなる下部電極層20が形成されている。本例では、下部電極層20は、スパッタリングにて厚さ30nmで成膜されたCr膜としている。もちろん、下部電極層20については、それ以外にも電極材料や成膜手法は適宜変更可能である。
下部電極層20の上部にはピンド層30が形成されている。ここでは、限定するものではないが、ピンド層30は、下部側の下部ピンド層31として反強磁性体であるPtMn膜を形成し、その上部側の上部ピンド層32としてに強磁性体であるNiFe膜をたとえば10nm形成したものとして構成されている。
つまり、本例のピンド層30は、保磁力を向上するために反強磁性体薄膜と強磁性体薄膜の交換結合による効果を利用するものとしている。
なお、ピンド層30の組成や組み合わせは問わない。しかし、反強磁性体層と、強磁性体層とを組み合わせ、膜厚や結晶構造を最適化し、交換結合を用いて磁気スピンの固定を促すことが理想である。それは、保磁率が高くなるためである。
ピンド層30の上部つまり上部ピンド層32のには、トンネルバリア層40が形成されている。このトンネルバリア層40は、実質的に化学量論組成となる薄膜が膜形成時に堆積されてなるものである。具体的に、そのようなトンネルバリア層40は、化学的気相成長法により成膜されたものにできる。
化学的気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)は、反応チャンバー中で、熱やプラズマなどのエネルギーにより、異なる2種以上の原料ガスを気相、または基板界面近傍で反応させて、薄膜を形成する手法である。
熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどが主な化学気相成長法である。この方法によれば、従来のPVDに比べ、表面被覆性が高く、より膜厚の安定したトンネルバリア層40が得られる。
また、本実施形態に用いられるCVD法として、特筆するのはALD法(Atomic Layer Deposition、原子層成長法)である。ALD法は、ALE(Atomic Layer Epitaxy)、ALCVD(Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)などともよばれる化学的気相成長法の一つである。
ここで、ALD法の成膜原理を簡単に説明する。
ALD法は、2種以上の原料(元素または化合物)を交互に供給して、基板表面の吸着反応、原料と目的生成物との蒸気圧の差を利用することにより1原子層または1分子層ずつ結晶成長する方法である。CVD法との違いは、基板が設置してある反応チャンバー内において複数の原料ガスが気相中に同時に存在しない点である。
反応チャンバーを真空に保ち、ArやN2などのキャリアガスとともに原料Aを供給する。基板を一定温度以上に保てば、以下に示すような吸着の自己制御により基板表面に分子層が形成する。
気相中に残留した原料Aを不活性ガスでパージした後、同様に原料Bを供給する。基板表面で反応が起こり、所望の薄膜の分子層が形成される。気相中に残留した原料Bをパージし、このサイクルを複数回繰り返すことによって薄膜が形成される。
ALD法には構成元素を原料とし超高真空下で結晶させる方法と、化合物原料を用いる方法があるが、いずれの場合もALE成長においては、原料ガス分子の吸着機構はLangmuir(ラングミュア)型であらわせるような自己制御型の吸着機構が支配的な場合に限られる。
Langmuir型吸着機構では、原料iの分圧Piのもとで、原料の表面被覆率θiを式で表すと、次の数式4のようになる。吸着速度定数をKa、脱離速度定数をKdとし、吸着速度KaPi(1−θ)と脱離速度Kdθiは等しいので、K=(Ka/Kd)とする。
(数4)
θi=KaPi/(Kd+KaPi)=KPi/(1+KPi)
ここで、KPiが1より十分大きい、すなわち、気相に存在する原子または分子量が吸着量に対し過飽和状態になっていれば単原子層または単分子層形成が可能となる。
したがって、理想的にいえば、ALD法によれば表面被覆性は100%となり、ALD法は、トンネルバリア層40を均一に成膜するのに適しているといえる。
さらに、これらの方法によれば、従来のようにトンネルバリア層となる金属そのものをピンド層の上に形成することなく安定した材料の状態で薄膜を形成するため、金属拡散などによる膜厚ばらつきも発生しにくく、安定したトンネルバリア層40を形成することが可能である。
このようなトンネルバリア層40は、金属または半導体の酸化物、窒化物、酸窒化物、またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜にて形成されているものにできる。具体的には、トンネルバリア層40は、Al、Y、Si、Mg、Ti、Ta、W、Hf、Nbの酸化物またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜にて形成されているものにできる。
また、トンネルバリア層40は、Siの窒化物の薄膜にて形成されているものや、Al、Si、Ti、Taの酸窒化物またはそれらの2種を組み合わせてなる薄膜にて形成されているものにできる。
このトンネルバリア層40の組成は、絶縁物質であればよい。上記した具体的なトンネルバリア層40の一例としては、特にAl23、SiO2、Si34、SiON、TaON、AlON、Y23などがよい。さらにいえば、WO、Ta25、TiO2、TiON、MgO、Nb25などであってもよい。
また、トンネルバリア層40の膜厚は薄い方がトンネル抵抗が小さくなり好ましいが、被覆性や分子層の観点から考えば、0.5nmから1nmであることが望ましい。また、素子や使用条件によっては5nm程度であってもかまわない。
また、トンネルバリア層40をAlの酸化物からなる薄膜にて形成した場合、Alの酸化物からなる薄膜において、Alと酸素の組成比を表すAl/O原子比率が0.52以上0.68以下であるものにできる。
さらに、トンネルバリア層40の炭素残留量が1at%以下であることが好ましい。また、トンネルバリア層40がピンド層30とフリー層50とに挟まれている領域においては、ピンド層30における最大高さRmaxは、10nm以上まで大きくすることができる。
本例では、トンネルバリア層40は、Al23をALD法にて1nmの膜厚で形成したものとしている。
トンネルバリア層40の上部には、フリー層50が形成されている。本例では、フリー層50としては、NiFe薄膜をスパッタにて100nmの膜厚で形成したものとしている。なお、このフリー層50も組成、膜厚、形成方法は問わず、トンネル磁気特性に見合ったものを選択すればよい。
フリー層50の上部には、導電性材料からなる上部電極層60が形成されている。本例では、上部電極層60としては、Al薄膜をスパッタ法にて300nmの膜厚で形成したものとしている。
なお、この上部電極層60も組成、膜厚、形成方法は問わず、トンネル磁気特性に見合ったものを選択すればよい。さらに、上部電極層60とフリー層50との間にバリアメタルなどを挿入したりしてもかまわない。
このようなトンネル磁気抵抗効果素子1の検出原理は、上述したように、フリー層50の磁気スピンの変化によって2つの磁性層30、50の間にあるエネルギーポテンシャルが変化し、トンネルバリア層40に流れる直接トンネル電流が大きく変化する、というものである。
図2は、このフリー層50の磁気スピンの変化の状態を模式的に示す図である。図2では、磁性スピンの向きを矢印にて示しており、(a)は、トンネル磁気抵抗効果素子1において、ピンド層30とフリー層50とで磁気スピンの向きが同じである磁性正平行の場合、(b)は、ピンド層30とフリー層50とで磁気スピンの向きが逆である磁性反平行の場合を示している。
[素子の製法等]
次に、上記した本例のトンネル磁気抵抗効果素子1の製造方法について述べる。
シリコン基板からなる基板10上にスパッタリングにて絶縁層11であるSiO2薄膜を300nm形成する。その上部に下部電極層20であるCrをスパッタリングにて30nm成膜する。
その上部にピンド層30をスパッタリングにより形成する。下部側から下部ピンド層31として反強磁性体であるPtMn膜を形成し、その上に上部ピンド層32として強磁性体であるNiFe膜を10nm形成する。
続いて、ピンド層30の上にトンネルバリア層40であるAl23をALD法にて1nm形成する。このAl23からなるトンネルバリア層40をALD法にて成膜した場合のプロセスの一例を図3を参照して述べる。
原料としてたとえばTMA((CH33Al、トリメチルアルミニウム)とH2Oの気体を使用する。Al23の薄膜の成膜条件は次の通りである。
反応炉内で基板を加熱して350℃とする。TMA、およびH2Oはボトル内にて室温で気化されたものをキャリアガスであるN2とともに、それぞれ交互に400sccmで反応炉に導入する。
またパージガスとしてN2を使用する。このとき、導入時間は気化TMAが0.2sec、TMAのパージが7sec、気化H2Oが0.2sec、H2Oのパージが7.0secにて成膜し、このサイクルを15回繰り返し約1nmのAl23膜を形成する。
成膜温度は350℃に固定する。この温度は、TMAを用いたALD成膜温度として最も典型的な例である。成膜が終了した後は、放置冷却を行い、基板温度が150℃になった時点で反応炉から基板を取り出す。
こうしてトンネルバリア層40を形成した後、その上にフリー層50であるNiFe薄膜をスパッタリングにて100nm形成する。次に、フリー層50の上部に、上部電極層60であるAl薄膜をスパッタリングにて300nm形成する。こうして、本例のトンネル磁気抵抗効果素子ができあがる。
なお、上記したALD法の例では、トンネルバリア層40としてAlの酸化物を成膜する例を示したが、酸化原料の特性や、供給時間、温度などによってその化学量論組成(ストイキメトリ)を制御することが可能である。
たとえば、通常のTMAとH2Oの反応系で得られるAl23としては、Alと酸素の組成比を表すAl/O原子比率が0.52から0.6程度以上のものを得ることができる。これは主に温度によって制御が可能である。温度が低い場合は基本的に金属リッチとなる。TMAの分解温度以下の範囲であれば、温度を上げた方が一般的に理論化学量論比に近づく。
さらに、TMAとオゾンによる反応系では、Al/O原子比率が0.6以上のアルミニウム酸化物からなるトンネルバリア層40が得られる。
さらに、成膜後のトンネルバリア層40に対して、熱酸化、プラズマ酸化、オゾン酸化などの酸化処理を行えば、トンネルバリア層40の酸化の促進が図られ、Al/O原子比率が0.68程度の酸素リッチな状態も可能である。これらのAlの酸化物におけるストイキメトリは、トンネル電流特性をもって決定すればよい。
なお、トンネルバリア層40として、Alの窒化物を形成する場合は、窒化ガスとしてNH3ガスを原料として用いることが一般的である。また、Alの酸窒化物を形成する場合は、H2Oやオゾンガスなどの酸化用原料ガスと、NH3などの窒化用ガスとを交互に供給するようにすればよい。
[効果等]
ところで、本実施形態によれば、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子1において、トンネルバリア層40は、実質的に化学量論組成となる薄膜が膜形成時に堆積されてなるものであることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子1が提供される。
また、本実施形態によれば、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子1において、トンネルバリア層40は、化学的気相成長法により成膜されたものであることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子1が提供される。
従来では、トンネルバリア層は物理的気相成長法(PVD)によって形成されたものであり、化学量論組成から外れたものとなっていた。本実施形態のように、トンネルバリア相40を化学的気相成長法により形成すれば、トンネルバリア層40は、実質的に化学量論組成となる薄膜となる。
具体的には、上記例に示されるように、トンネルバリア層40をAlの酸化物(Al23)からなるものとし、これをALD法によって成膜し形成することで、ほぼ化学量論組成を実現している。
このような実質的に化学量論組成となる薄膜からなるトンネルバリア層40は従来には存在しなかったものであり、本実施形態における独自の特徴点となっている。
このような特徴点を有する本実施形態のトンネル磁気抵抗効果素子1によれば、トンネルバリア層40を、化学的気相成長法により成膜され実質的に化学量論組成となる薄膜が膜形成時に堆積されてなるものとしているため、従来のPVD法により形成されたトンネルバリア層に比べて、膜厚を薄いものとしても、ピンド層30の表面に存在する凹凸の被覆性を高め、トンネルバリア層40の膜厚ばらつきを小さくできる。
そのため、上記した被覆性にとぼしく膜厚ばらつきが大きいことに起因する電界集中やリーク電流を抑え、安定したトンネル電流を得て、MR比のばらつきを小さくすることができる。
さらに、トンネルバリア層40の下地であるピンド層30に存在する凹凸を利用し、従来のトンネル磁気抵抗効果素子よりも小さい素子面積で効率よくトンネル電流が流れるようにすることができる。そして、これによって高効率かつ安定したMR比を得ることができる。
つまり、ピンド層30の表面粗さ(ラフネス)が大きくなれば、実効的な表面積は、完全平滑面に比べ増大することになる。単純計算では、同一面積の素子でトンネル電流値の向上が考えられる。
このように、本実施形態によれば、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60を順次成膜してなるトンネル磁気抵抗効果素子1において、極力小さい膜厚で良好な被覆性を確保できるトンネルバリア層40を実現することができる。
ここで、上述した通り、ピンド層30は凹凸を利用すれば、有効表面積が大きくなる。通常、エピタキシャル成長やヘテロエピタキシャル成長などの結晶制御などの措置を取らずにピンド層を平滑化して形成しない場合、ピンド層の表面粗さ(ラフネス)は最大高さRmax5nm以上となる。
ここで、あえて下部電極層20や下部ピンド層32である反強磁性体の膜厚を厚くするとRmaxが10nm程度あるいはそれ以上となる。このような表面粗さの大きいピンド層30の上に、本実施形態のような化学的気相成長法を用いてトンネルバリア層40を形成したとしても、その高い被覆性のため、膜厚ばらつきやピンホールを発生させることはない。
さらに下部電極層20、ピンド層30に対してホトリソグラフやドライエッチングなどの加工を施し、それにより表面の凹凸をあえて大きくするのも効果的である。
たとえば、トンネルバリア層40を形成する前にピンド層30の表面をArなどでスパッタエッチングして粗さ加工したり、ウェット処理などにより粗くしても良い。また、ブラスト法やホトリソグラフィーによるトレンチ加工などによって、その表面積を増加させたりしてもよい。
また、ピンド層30の表面粗さを大きくすることは、直接ピンド層30自身の加工によって行うだけではない。たとえば、その上にピンド層30が形成される下部電極層20や、基板10、またはその間に成膜する絶縁層11に凹凸加工を施し、その凹凸の影響をピンド層30に承継させて、結果的にピンド層30の凹凸が大きくなればよい。
図4には、ピンド層の表面粗さを大きくすることについての他の例として絶縁層11に凹凸を形成した例が断面図として示されている。このように、素子の有効面積を向上するためのピンド層30の表面形状制御の方法は問わない。
また、本実施形態では、上述したように、トンネル磁気抵抗効果素子1において、トンネルバリア層40の炭素残留量が1at%以下であることが好ましいとしている。
トンネルバリア層40を化学的気相成長法により形成する場合、原料として有機金属を用いるため、成膜されたトンネルバリア層40には、炭素が含有される。たとえば、上記したALD法によるAl23薄膜の例の場合、有機金属とはTMAである。ここで、トンネルバリア層中の炭素残留量が多すぎると、リーク電流が生じやすくなり、トンネル磁気抵抗効果素子の特性が劣化しやすくなる。
その点、トンネルバリア層40の炭素残留量を1at%(atomic%、原子百分率)以下とすれば、トンネルバリア層40のリーク電流の発生を極力防止することができ、好ましい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、好ましいトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法を示すものである。上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
図5は、本実施形態に係る製造方法に用いられるトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置100の模式的な構成を示す図である。
この製造装置100は、スパッタチャンバ110、120と、ALDチャンバ130と、酸化処理用チャンバ140とを備えており、これら各チャンバ110〜140はロードロックチャンバ150により互いに接続されている。
ここで、スパッタチャンバ110、120は、ピンド層30を形成するためのピンド層用チャンバとして構成されるもので、スパッタ成膜用のチャンバである。たとえば、図5中の上側のスパッタチャンバ110が下部ピンド層31であるPtMn薄膜を形成するためのチャンバであり、下側のスパッタチャンバ120が上部ピンド層32であるNiFe薄膜を形成するためのチャンバである。
また、ALDチャンバ130は、トンネルバリア層40を化学的気相成長法により形成するためのトンネルバリア層用チャンバであり、ここでは、原子層成長用のチャンバである。また、酸化処理用チャンバ140は、トンネルバリア層40を酸化処理するためのチャンバである。
また、ロードロックチャンバ150は、内部に基板10を搬送可能な機構を有したものであり、その内部が真空もしくは不活性ガス雰囲気となるように管理されたものである。る。ここで、酸化処理用チャンバ140を除く他のチャンバ110〜130、150には、チャンバ内を真空脱気するためのポンプPが備えられている。
それによって、製造工程に供される基板10は、酸化雰囲気にさらされることなくロードロックチャンバ150内をスパッタチャンバ110からスパッタチャンバ120へ搬送され、そこからALDチャンバ130へ搬送され、さらにそこから酸化処理用チャンバ140へ搬送できるようになっている。
このような製造装置100によれば、基板10上に下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置として、次のような点を特徴とした製造装置が提供される。
すなわち、ピンド層30を形成するためのピンド層用チャンバとしてのスパッタチャンバ110、120と、トンネルバリア層40を化学的気相成長法により形成するためのトンネルバリア層用チャンバとしてのALDチャンバ130とを備え、スパッタチャンバ110、120とALDチャンバ130との間は、ロードロックチャンバ150により接続されており、基板10は、酸化雰囲気にさらされることなくロードロックチャンバ150内をスパッタチャンバ110、120からALDチャンバ130へ搬送できるようになっていることを特徴としている。
また、本実施形態の製造装置100においては、トンネルバリア層40を酸化処理するための酸化処理用チャンバ140が備えられており、ALDチャンバ130と酸化処理用チャンバ140との間は、ロードロックチャンバ150により接続されており、基板10は、酸化雰囲気にさらされることなくロードロックチャンバ150内をALDチャンバ130から酸化処理用チャンバ140へ搬送できるようになっていることも特徴点に挙げられる。
この製造装置100を用いて、上記実施形態と同様にトンネル磁気抵抗効果素子を製造することができる。
特に、本実施形態では、製造装置100においてスパッタチャンバ110、120とALDチャンバ130との間がロードロックチャンバ150により接続されているため、ピンド層30を形成した後、酸化雰囲気に暴露させることなく、トンネルバリア層40を化学的気相成長法であるALD法により形成することができる。
つまり、本実施形態によれば、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、ピンド層30を形成した後、酸化雰囲気に暴露させることなく、トンネルバリア層40を化学的気相成長法により形成することを特徴とする製造方法が提供される。
本実施形態の製造方法によれば、上記実施形態と同様のトンネル磁気抵抗効果素子1を適切に製造することができる。
それとともに、基板10を真空や不活性ガス雰囲気に保ったまま、ピンド層形成工程からトンネルバリア層形成工程に移すことができるため、界面などを安定させたり下地の清浄度を維持したりすることが可能となる。
そのため、形成されたピンド層30の表面が酸化されることがなくなり、磁性効果の変化や電気障壁の発生などによるトンネル磁気抵抗効果素子の特性の劣化を防止することができる。
また、本実施形態では、製造装置100においてALDチャンバ130と酸化処理用チャンバ140との間が、ロードロックチャンバ150により接続されている。
そのため、基板10は、酸化雰囲気にさらされることなくロードロックチャンバ150内をALDチャンバ130から酸化処理用チャンバ140へ搬送され、そこでトンネルバリア層40の酸化処理を行うことができる。
つまり、本実施形態によれば、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、トンネルバリア層40を形成した後、トンネルバリア層40を酸化処理することを特徴とする製造方法が提供される。
この製造方法によれば、形成されたトンネルバリア層40をさらに酸化処理するため、トンネルバリア層40を酸化物によって形成する場合において、酸化の促進を図ることができる。なお、この酸化促進のことは、上記第1実施形態でも述べたが、本実施形態の製造装置100を用いることにより、適切に酸化処理を行うことができる。
また、トンネルバリア層40を金属の酸化物、酸窒化物などによって構成する場合、この酸化促進のため、後に熱酸化工程やプラズマ、オゾン暴露などによる酸化処理を施しても膜厚には影響しないので、非常に効果的である。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態の製造方法では、トンネルバリア層40の成膜方法である化学的気相成長法として主にALD法について述べたが、このALD法に代えて、上述したような熱CVD、プラズマCVD、光CVDを採用しても、同様の効果が得られることはもちろんである。
また、本発明の他の実施形態として以下に、種々の製造方法を示しておく。以下の各製造方法は上記実施形態から容易に導き出されるものである。
(1):基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、実質的に化学量論組成となる薄膜を堆積することによりトンネルバリア層40を形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(2):基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、トンネルバリア層40を化学的気相成長法により成膜することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(3):上記(1)または(2)の製造方法において、トンネルバリア層40を原子層成長法(ALD法)により成膜することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(4):上記(1)から(3)の製造方法において、トンネルバリア層40を、金属または半導体の酸化物、窒化物、酸窒化物、またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜として形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(5):上記(4)の製造方法において、トンネルバリア層40を、Al、Y、Si、Mg、Ti、Ta、W、Hf、Nbの酸化物またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜として形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(6):上記(4)の製造方法において、トンネルバリア層40を、Siの窒化物の薄膜として形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(7):上記(4)の製造方法において、トンネルバリア層40を、Al、Si、Ti、Taの酸窒化物またはそれらの2種を組み合わせてなる薄膜として形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(8):上記(5)の製造方法において、トンネルバリア層40を、Alの酸化物からなる薄膜として形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(9):上記(8)の製造方法において、Alの酸化物からなる薄膜を、Alと酸素の組成比を表すAl/O原子比率が0.52以上0.68以下となるように形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(10):上記(1)〜(9)の製造方法において、トンネルバリア層40を、その炭素残留量が1at%以下となるように形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(11):上記(1)〜(10)の製造方法において、トンネルバリア層40がピンド層30とフリー層50とに挟まれている領域において、ピンド層30における最大高さRmaxが、10nm以上となるように、ピンド層30を形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
(12):上記(1)〜(11)の製造方法において、膜厚が0.5nm以上5nm以下となるように、トンネルバリア層40を形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
なお、上記(1)〜(12)の製造方法、および、上記実施形態においては、トンネル磁気抵抗効果素子は、基板10上に、下部電極層20、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50、上部電極層60が順次積層されてなるものであったが、トンネル磁気抵抗効果素子としては、少なくとも、ピンド層30、トンネルバリア層40、フリー層50が積層された構成を有するものであればよい。
要するに、本発明は、ピンド層、トンネルバリア層、フリー層が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子であって原理的にトンネル磁気抵抗効果を用いる素子であれば、適用可能である。また、その用途も磁気センサに限定されるものではない。磁気センサ以外にも、たとえば、MRAM(磁気抵抗効果メモリ)、磁気ヘッドなどに用いることができる。
本発明の第1実施形態に係るトンネル磁気抵抗効果素子の概略断面構成を示す図である。 フリー層の磁気スピンの変化の状態を模式的に示す図である。 Al23からなるトンネルバリア層をALD法にて成膜した場合のプロセスの一例を示す図である。 ピンド層の表面粗さを大きくすることについての他の例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る製造方法に用いられる製造装置の模式的な構成を示す図である。
符号の説明
10…基板、20…下部電極層、30…ピンド層、40…トンネルバリア層、
50…フリー層、60…上部電極層、
110、120…ピンド層用チャンバとしてのスパッタチャンバ、
130…トンネルバリア層用チャンバとしてのALDチャンバ、
140…酸化処理用チャンバ、150…ロードロックチャンバ。

Claims (22)

  1. ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子において、
    前記トンネルバリア層(40)は、実質的に化学量論組成となる薄膜が膜形成時に堆積されてなるものであることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  2. ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)が順次積層されてなるトンネル磁気抵抗効果素子において、
    前記トンネルバリア層(40)は、化学的気相成長法により成膜されたものであることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子。
  3. 前記トンネルバリア層(40)は、原子層成長法により成膜されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  4. 前記トンネルバリア層(40)は、金属または半導体の酸化物、窒化物、酸窒化物、またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜にて形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  5. 前記トンネルバリア層(40)は、Al、Y、Si、Mg、Ti、Ta、W、Hf、Nbの酸化物またはそれらの2種以上を組み合わせてなる薄膜にて形成されていることを特徴とする請求項4に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  6. 前記トンネルバリア層(40)は、Siの窒化物の薄膜にて形成されていることを特徴とする請求項4に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  7. 前記トンネルバリア層(40)は、Al、Si、Ti、Taの酸窒化物またはそれらの2種を組み合わせてなる薄膜にて形成されていることを特徴とする請求項4に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  8. 前記トンネルバリア層(40)は、Alの酸化物からなる薄膜にて形成されていることを特徴とする請求項5に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  9. 前記Alの酸化物からなる薄膜において、Alと酸素の組成比を表すAl/O原子比率が0.52以上0.68以下であることを特徴とする請求項8に記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  10. 前記トンネルバリア層(40)の炭素残留量が1at%以下であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  11. 前記トンネルバリア層(40)が前記ピンド層(30)と前記フリー層(50)とに挟まれている領域において、前記ピンド層(30)における最大高さRmaxが、10nm以上であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  12. 前記トンネルバリア層(40)の膜厚が、0.5nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  13. 基板(10)上に、下部電極層(20)、前記ピンド層(30)、前記トンネルバリア層(40)、前記フリー層(50)、上部電極層(60)が順次積層されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子。
  14. 請求項1ないし13に記載のトンネル磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサ。
  15. 基板(10)上に、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法において、
    前記ピンド層(30)を形成した後、酸化雰囲気に暴露させることなく、前記トンネルバリア層(40)を化学的気相成長法により形成することを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
  16. 前記ピンド層(30)をスパッタ法により形成し、前記トンネルバリア層(40)を原子層成長法により形成することを特徴とする請求項15に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
  17. 前記トンネルバリア層(40)を形成した後、前記トンネルバリア層(40)を酸化処理することを特徴とする請求項15または16に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
  18. 前記基板(10)上に、下部電極層(20)、前記ピンド層(30)、前記トンネルバリア層(40)、前記フリー層(50)、上部電極層(60)を順次積層することを特徴とする請求項15ないし17のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法。
  19. 基板(10)上に、ピンド層(30)、トンネルバリア層(40)、フリー層(50)を順次積層するトンネル磁気抵抗効果素子の製造方法に用いる製造装置において、
    前記ピンド層(30)を形成するためのピンド層用チャンバ(110、120)と、前記トンネルバリア層(40)を化学的気相成長法により形成するためのトンネルバリア層用チャンバ(130)とを備え、
    前記ピンド層用チャンバ(110、120)と前記トンネルバリア層用チャンバ(130)との間は、ロードロックチャンバ(150)により接続されており、
    前記基板(10)は、酸化雰囲気にさらされることなく前記ロードロックチャンバ(150)内を前記ピンド層用チャンバ(110、120)から前記トンネルバリア層用チャンバ(130)へ搬送できるようになっていることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置。
  20. 前記ピンド層用チャンバ(110、120)は、スパッタ成膜用のチャンバであり、前記トンネルバリア層用チャンバ(130)は、原子層成長用のチャンバであることを特徴とする請求項19に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置。
  21. 前記トンネルバリア層(40)を酸化処理するための酸化処理用チャンバ(140)を備えており、
    前記トンネルバリア層用チャンバ(130)と前記酸化処理用チャンバ(140)との間は、前記ロードロックチャンバ(150)により接続されており、
    前記基板(10)は、酸化雰囲気にさらされることなく前記ロードロックチャンバ(150)内を前記トンネルバリア層用チャンバ(130)から前記酸化処理用チャンバ(140)へ搬送できるようになっていることを特徴とする請求項19または20に記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置。
  22. 前記トンネル磁気抵抗効果素子は、前記基板(10)上に、下部電極層(20)、前記ピンド層(30)、前記トンネルバリア層(40)、前記フリー層(50)、上部電極層(60)を順次積層してなるものであることを特徴とする請求項19ないし21のいずれか1つに記載のトンネル磁気抵抗効果素子の製造装置。
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