JP2003078185A - 強磁性トンネル接合構造及びその製造方法並びに該強磁性トンネル接合を用いた磁気メモリ - Google Patents

強磁性トンネル接合構造及びその製造方法並びに該強磁性トンネル接合を用いた磁気メモリ

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JP2003078185A
JP2003078185A JP2001265231A JP2001265231A JP2003078185A JP 2003078185 A JP2003078185 A JP 2003078185A JP 2001265231 A JP2001265231 A JP 2001265231A JP 2001265231 A JP2001265231 A JP 2001265231A JP 2003078185 A JP2003078185 A JP 2003078185A
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layer
ferromagnetic
etching
alloy
tunnel junction
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Takayuki Fukumoto
能之 福本
Atsushi Kamijo
敦 上條
Kenichi Shimura
健一 志村
Hisanao Tsuge
久尚 柘植
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/14Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
    • H01F41/30Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates for applying nanostructures, e.g. by molecular beam epitaxy [MBE]
    • H01F41/302Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates for applying nanostructures, e.g. by molecular beam epitaxy [MBE] for applying spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F41/308Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates for applying nanostructures, e.g. by molecular beam epitaxy [MBE] for applying spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices lift-off processes, e.g. ion milling, for trimming or patterning

Abstract

(57)【要約】 【課題】強磁性トンネル接合の接合部エッチング深さ制
御性の向上、接合面積の微小化に伴う磁気不安定性の抑
制、接合歩留まりの向上が可能な強磁性トンネル接合構
造及びその製造方法の提供。 【解決手段】下部電極にピン層を有する交換バイアス型
強磁性トンネル接合または下部電極が硬質磁性層からな
る保磁力差型強磁性トンネル接合の接合部エッチング工
程において、フリー層または軟質磁性層23の途中でエ
ッチングを停止し、エッチング終了後のエッチング面の
最表面にフリー層または軟質磁性層23を残し、残留部
のシート抵抗がトンネル抵抗に比べて、1/10以上、
好ましくは1000倍以上となるように残留部の膜厚を
設定し、または残留部に表面処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性トンネル接
合及びその製造方法、並びに強磁性トンネル接合素子を
記憶素子に用いた磁気メモリー及びこれを磁場読み出し
センサー部に用いた磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性トンネル接合は、薄い絶縁層を二
つの強磁性層で挟んだ構造のデバイスであり、強磁性層
間のトンネル電流は二つの強磁性層の磁化の相対角に依
存して変化する。具体的には、相対角をθとするとcos
θという依存性を持つ。二つの強磁性層の保磁力が異な
るような磁性体を用いて、保磁力が大きい硬質磁性層が
磁化回転を起こさず、保磁力が小さい軟磁性層が磁化回
転を起こすような磁場範囲で磁気抵抗素子として使用す
るような強磁性トンネル接合を保磁力差型と呼ぶ。強磁
性トンネル接合の研究初期の頃はこの型の接合であった
(例えば、宮崎らの1995年、ジャーナル・オブ・マグネ
ティズム・アンド・マグネティック・マテリアルズ第13
9巻、L231ページ(T.Miyazaki et al:J.Magn.Magn.Mat.,
139,L231(1995))に記載されているような強磁性トンネ
ル接合)。
【0003】しかしながら、保磁力差型強磁性トンネル
接合においては、硬質磁性層の磁化回転を完全に抑える
ことが難しく、硬質磁性層の磁化が回転すると、強磁性
トンネル接合におけるトンネル電流の変化は相対角θに
依存するため、抵抗の磁界感度が低下し、また両強磁性
層の完全な反平行状態が実現されないため、MR比も減
少する。
【0004】保磁力差型強磁性トンネル接合の磁気的な
安定性向上のため、一方の強磁性層(ピン層と呼ばれる)
に反強磁性層を隣接し交換結合させることでその磁化回
転を抑え、もう一方の磁性層(フリー層と呼ばれる)のみ
が自由に回転する交換バイアス型強磁性トンネル接合の
構造が考案されており(米国特許第 5,841,692号、特開
平10-162,327号公報)、フリー層の磁化のみを外部磁場
で回転させて情報を記録し、トンネル電流を測定するこ
とでフリー層の磁化方向の情報を読み出すメモリー記憶
素子として用いることができる。このメモリーは、磁気
ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetoresistive
Random Access Memory)と呼ばれる。
【0005】強磁性トンネル接合ベタ膜の接合への加工
法としては、フォトリソグラフィーとイオンミリングを
用いることが一般的である。米国特許第5,841,692号で
は、イオンミリングを用いて下部電極と接合部のパター
ンを形成する方法が記載されている。接合部形成時のミ
リングをどこまで行うかについて、フリー層を完全にミ
リングし終えてトンネルバリアの最上面でミリングを停
止した構造と、下部電極の磁性層、反強磁性層全てをミ
リングし、最下層のリード電極層でミリングを停止した
構造が記載されている。しかし、それぞれの構造で得ら
れる効果の差異については言及がない。
【0006】接合部のエッチングで下部磁性層全てをエ
ッチングした際に生じる問題として、ピン層とフリー層
の静磁結合が挙げられる。この静磁結合磁場は、フリー
層に対し磁気的なオフセット磁場を与える為、フリー層
のスイッチング磁場の方向非対称性を引き起こし問題と
なる。また、この静磁結合磁場は接合サイズが小さくな
るほど増大するため、MRAMの高密度化に際してこの
影響は大きくなる。この問題の一つの解決法として、米
国特許第5,966,012号ではピン層を強磁性層/非磁性層/
強磁性層膜で置き換えた構造を提案している。この膜の
二つの強磁性層は反強磁性的に結合しており、それぞれ
の膜厚や磁性膜の種類を変えることによって、フリー層
への静磁結合磁場の大きさや方向をコントロールするこ
とができる。
【0007】別の解決法として、ピン層とは別に静磁結
合磁場をフリー層にバイアスさせる専用の層(磁気バイ
アス層)をフリー層上方に設けた構造が米国特許第6,11
4,719号に記載されている。磁気バイアス層は硬質磁性
膜または強磁性層と反強磁性層を交換結合させた2層膜
から構成される。この方法では、ピン層を変えることな
く、磁気バイアス層の構成によりフリー層が受ける静磁
結合磁場を調整することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】接合部の加工におい
て、接合部のエッチングで下部磁性層全てをエッチング
した場合は、常に上記のピン層からフリー層へ静磁結合
磁場の問題が生じてしまう。これを解決するため、米国
特許第5,966,012号や米国特許第6,114,719号のような処
置を行う必要が生じる。しかしながら、MRAMの高密
度化に際して、素子を微小化するほどピン層からフリー
層に及ぼす静磁結合磁場は増大し、その調整は困難にな
る。また、ピン層自身も反磁界を持つので十分にピン層
が固定されにくくなる。これらの問題は、接合部形成時
においてピン層が全く加工されないような構造の強磁性
トンネル接合であれば解決される。
【0009】また、米国特許第5,841,692号の方法では
フリー層は完全に加工されており、フリー層側壁にはエ
ッチングで生じる再付着物が存在し、特にイオンミリン
グを用いて加工した場合には顕著となる。これらはフリ
ー層の磁化回転に悪影響を及ぼし、フリー層のスムーズ
な磁化回転を妨げる。また、フリー層側壁が外部に完全
に露出していることは、製造工程で用いる反応性ガスや
イオン衝撃による側面へのダメージを受けやすくなる。
ダメージによりフリー層の変質が生じると、フリー層の
スイッチング曲線の形が崩れ、良好な磁場スイッチング
特性が得られなくなり問題である。
【0010】また、別の観点として、ミリングを用いて
下部強磁性層までエッチングを行った場合に、接合側面
に存在するミリング再付着物は一部フリー層とピン層の
間の電流バイパス経路となり、このような経路が存在す
るとスピン偏極されていないリーク電流が本来のトンネ
ル電流に対し並列に存在するため、MR比が低下する。
このようなリークパスが存在する接合はランダムにある
一定の確率で作製され、接合ショートの要因となり、最
終的には素子歩留まりの低下という形で現れる。この接
合側面のミリング再付着物によるリーク電流を無くすに
は、接合部のミリングをトンネルバリア層の手前まで加
工したところで止めればよく、ミリング再付着物がフリ
ー層とピン層を短絡することもなくなる。
【0011】ところが、実際のイオンミリングを用いた
加工では、トンネルバリア層が7〜30Å(0.7〜3nm)と
非常に薄いこと、物理的な衝撃によってエッチングを行
うためトンネルバリア層と上部電極材料のエッチングの
選択性に大きな差がないこと、レイヤーバイレイヤーの
エッチングにはならず、部分的に深く削られるような状
態でエッチングが行われること、ミリング装置が持つミ
リングレートの基板面内分布により、米国特許第5,841,
692号に記載されているようなトンネルバリアを全くミ
リングせず、上部のフリー層のみを完全にミリングする
ような加工を基板上の全ての強磁性トンネル接合に対し
て行うことは困難であり、特に、MRAM等のデバイス
生産現場においては不可能に近い。
【0012】また、反応性イオンエッチングのような化
学的なエッチング法を用いる場合にも、フリー層材料で
ある3d強磁性金属とトンネルバリア材料であるAl2O3
たはAlNについて高い選択比を持つエッチング方法は未
だ存在せず、またトンネルバリア層も薄いため、トンネ
ルバリア層直上でエッチングを止めようとしてもトンネ
ルバリア層をエッチングすることは避けられない。
【0013】また、エッチングレートの基板面内分布は
必ず存在するものであり、この影響を極力小さくするた
めには、エッチング量を少なくすることによって基板面
内のエッチング深さの分布は小さくなり接合エッチング
工程の制御が容易となる。しかしながら、特に米国特許
第6,114,719号に記載されているような磁気バイアス層
を設けた強磁性トンネル接合などの接合部を加工する際
は、大きなエッチング量が必要となる。このとき、イオ
ンミリングを用いて接合部の加工を行い、トンネルバリ
ア層で加工を停止させようとしても基板上のエッチング
深さの面内分布が大きくなり、基板上全ての強磁性トン
ネル素子に対してトンネルバリア層でイオンミリングを
停止させることは困難であり、仮に可能であっても、そ
のエッチング許容誤差範囲は非常に狭くなり、歩留まり
は低下する。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、下部電極にピン層を有
する交換バイアス型強磁性トンネル接合、または、下部
電極が硬質磁性層からなる保磁力差型強磁性トンネル接
合において、エッチング再付着物や反応性ガスなどの製
造工程が引き起こすフリー層または軟質磁性層の磁化曲
線劣化を抑制し、同時にその磁化曲線の磁場印加方向の
非対称性を無くすことができる強磁性トンネル接合構造
及びその製造方法を提供することにある。
【0015】また、本発明の第2の目的は、基板面内全
体での接合エッチング深さのばらつきを抑制して制御性
を向上させ、トンネルバリア層とピン層のエッチングを
確実に防止することができる強磁性トンネル接合構造及
びその製造方法を提供することにある。
【0016】さらに、本発明の第3の目的は、接合エッ
チングによるエッチング再付着物を介した接合側面のリ
ーク電流を抑制し、エッチング面でのトンネルバリア層
やピン層に対するエッチングダメージが小さく、ピン層
自身の反磁場及びピン層からフリー層へ及ぼす静磁結合
を消失させた強磁性トンネル接合を歩留まり良く製造す
ることができる製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の強磁性トンネル接合は、少なくとも、下部
強磁性体層とトンネルバリア層と上部強磁性体層とが積
層され、その上層に形成される上部電極との接合領域以
外の前記上部強磁性体層がエッチングされて形成される
強磁性トンネル接合において、前記上部強磁性層のエッ
チング領域の少なくとも一部に、前記上部強磁性体層の
エッチング残留層が形成されているものである。
【0018】本発明においては、前記上部強磁性体層の
前記エッチング残留層が、前記トンネルバリア層上全体
を覆うように連続的に形成されている構成、又は、前記
上部強磁性体層の前記エッチング残留層が、前記トンネ
ルバリア層上で部分的に形成され、前記トンネルバリア
又は前記下部強磁性体層が一部において露出している構
成とすることができる。
【0019】また、本発明においては、前記エッチング
残留層のシート抵抗が、前記接合領域のトンネル抵抗に
対して所定の割合以上となるように、前記エッチング残
留層の膜厚が設定される構成とすることができ、前記上
部強磁性体層が、NiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCo
Ni合金のいずれか一からなる場合において、前記エッチ
ング残さの膜厚が、5nm以下に設定されることが好ま
しい。
【0020】また、本発明においては、前記エッチング
残留層のシート抵抗が、前記接合領域のトンネル抵抗に
対して所定の割合以上となるように、前記エッチング残
留層に表面処理層が形成されている構成とすることがで
き、前記表面処理層が、前記エッチング残留層を酸素プ
ラズマ雰囲気中で酸化した酸化膜、または、イオンミリ
ングによりイオン衝撃を加えた膜であることが好まし
い。
【0021】また、本発明においては、前記エッチング
残留層のシート抵抗が、前記接合領域のトンネル抵抗に
比べて、1/10以上に設定されることが好ましい。
【0022】また、本発明においては、前記上部強磁性
体層が、含有元素の少なくとも一の元素が異なる複数の
層により構成され、前記多層構造の上部強磁性体層の各
々が、NiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金の中
から選択される組み合わせで構成されるものとすること
ができる。
【0023】また、本発明においては、前記上部強磁性
層の上部に、ギャップ層を介して、強磁性体層と反強磁
性体層を積層した交換結合膜からなる磁気バイアス層が
配設されている構成とすることができ、前記磁気バイア
ス層の強磁性体層が、NiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、
FeCoNi合金のいずれか一であり、前記磁気バイアス層の
反強磁性体層が、FeMn合金、IrMn合金、PtMn合金、NiMn
合金、RhMn合金、NiO、α-Fe2O3のいずれか一であるこ
とが好ましい。
【0024】また、本発明においては、前記強磁性トン
ネル接合が、下部強磁性体層が反強磁性体層によって交
換バイアスされた構造を持つ交換バイアス型強磁性トン
ネル接合、または、下部強磁性体層が硬質磁性層からな
る保磁力差型強磁性トンネル接合であることが好まし
い。
【0025】本発明の磁気メモリは、上記強磁性トンネ
ル接合を用いたことを特徴とするものである。
【0026】本発明の製造方法は、少なくとも、下部強
磁性体層とトンネルバリア層と上部強磁性体層とを積層
した後、その上層に形成する上部電極との接合領域以外
の前記上部強磁性体層をエッチングして形成する強磁性
トンネル接合の製造方法において、前記上部強磁性層の
エッチングに際し、前記上部強磁性層の途中でエッチン
グを停止し、エッチング領域の少なくとも一部に前記上
部強磁性体層のエッチング残留層を形成するものであ
る。
【0027】本発明においては、前記上部強磁性層のエ
ッチングに際し、イオンミリングを用いて前記ギャップ
層の途中までイオンミリング法により加工した後、イオ
ンミリングで残された前記ギャップ層を反応性イオンエ
ッチング法により除去して前記上部強磁性体層を露出さ
せ、その後、前記上部強磁性体層をイオンミリング法に
より加工する構成とすることができる。
【0028】すなわち、本発明の構成によれば、エッチ
ング面に残留する上部強磁性体層は、全くの連続膜か、
部分的に削られ、一部でトンネルバリア層もしくは下部
強磁性体層がエッチング面の最表面に露出している。強
磁性トンネル接合を流れる電流は、エッチング面に残留
する上部強磁性体層に分流し、磁気抵抗変化率は減少し
てしまう。しかしながら、上部強磁性層のシート抵抗を
接合パターン部のトンネル抵抗に比べて1/10以上と
することにより、分流電流を減少させ、磁気抵抗変化率
を本来の値の2割以上確保することができる。さらに、
上部強磁性層のシート抵抗を接合パターン部のトンネル
抵抗に対して1000倍以上とすれば本来の磁気抵抗比
の9割以上を確保できるので望ましい。
【0029】エッチング面に残留する上部強磁性体層の
シート抵抗を接合部トンネル抵抗に対して十分高める手
段として、エッチング面に残留する上部強磁性体層の膜
厚を薄くする。MRAMや磁気ヘッド用に用いる強磁性
トンネル接合については、上部強磁性体層としてNiFe合
金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金を用いる場合、エ
ッチング面に残留する上部強磁性体層の膜厚を5nm以下
とすれば、そのシート抵抗は100Ω/□以上となり、少な
くとも接合部トンネル抵抗が1kΩ素子に対して1/10以上
とすることができる。さらに、そのエッチング残留膜厚
を2nm以下とすれば、そのシート抵抗は10Ω/□以上と
なり、トンネル抵抗が1kΩの素子に対してシート抵抗を
1000倍以上とすることができるので望ましい。また、接
合部トンネル抵抗が1kΩ以上の素子に対してもシート抵
抗を十分に大きくできる。
【0030】前記したように、エッチング面上に残留し
た上部磁性体層の膜厚を薄くすること以外に、残留した
上部磁性体層に対して酸化またはイオン衝撃の処理を施
すことも、そのシート抵抗を接合部トンネル抵抗に対し
て十分に高める為に有効な手段となる。
【0031】本発明では、接合部パターンのエッチング
時において厳密にエッチング深さを制御することが重要
となるが、そのために上部強磁性体層を複数層の構成
(例えば2層構成)とし、それぞれの強磁性体層を構成
する元素のうち少なくとも1つの元素が異なるようにす
る。厳密なエッチング制御を行う為に、通常エッチング
その場モニタリングは2次イオン質量分析(SIMS:
Secondary Ion Mass Spectroscopy)やプラズマ発光分
析を用いてエッチングにより試料から解離した元素信号
を分析することにより行うが、上部強磁性層をこのよう
な複数層構成にすることによってそれぞれの層からの解
離物を区別することが可能となり、ひいてはモニタリン
グ上で現在エッチングされている層をより明確にするこ
とができる。
【0032】その際、トンネルバリア側の強磁性層は、
エッチングの終点検出層としての役割を担う。具体的に
上部強磁性層としてNiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、Fe
CoNi合金のいずれかより選択される2つであって、トン
ネルバリア側の終点強磁性層の膜厚を5nm以下とすれ
ば、エッチング終点検出層でエッチングを停止した際、
エッチング残留部の強磁性層は膜厚5nm以下のNiFe合
金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金のいずれかで構成
され、前記のとおりそのシート抵抗は接合部トンネル抵
抗に対して十分高くなる。
【0033】また、本発明の強磁性トンネル接合は、上
部強磁性層がトンネルバリアの上に残留し、上部強磁性
層は完全に加工されていない。このような構造において
は、上部強磁性層の側壁は、米国特許第5,841,692号に
記載されている従来構造に比べて上部強磁性層の側壁面
積をより小さくすることができる。また、接合部形成の
ためのミリング量も少ないので上部強磁性層側壁への再
付着物量は少なくなる。その結果、上部強磁性層へのエ
ッチング再付着物の影響や製造工程によるダメージが低
減され、上部強磁性層の磁化曲線の形状悪化を抑制でき
る。また、エッチング面においても上部強磁性層が残っ
ている領域ではトンネルバリア以下の層を製造工程によ
るダメージから保護することができる。
【0034】本発明で作製される強磁性トンネル接合
は、下部強磁性層が加工されていない。このことは前記
の問題点を解決する効果を与えるが、反面、上部強磁性
層に下部強磁性層から意図的に静磁結合磁場を働かせて
磁気特性を改善させる手段を失っている。これは本発明
の構造では必ず生じる問題である。この問題を解決する
には、上部強磁性層の上部に非磁性のギャップ層を介し
て強磁性層と反強磁性層の交換結合膜からなる磁気バイ
アス層を設置させる構成とすればよい。その場合、接合
部の加工は、本発明である上部強磁性層の途中まで行う
ような方法にする。上部強磁性層の上部に設置された磁
気バイアス層は接合部形状に加工されており、上部強磁
性層と反強磁性的に結合する。これにより従来の下部強
磁性層からの静磁結合磁場と同様な効果を与えることが
できる。また、ギャップ層の厚さと磁気バイアス強磁性
層の厚さを変えることでその静磁結合磁場の大きさを設
定することができる。
【0035】磁気バイアス層の材料については、反強磁
性層に対してはFeMn合金、IrMn合金、PtMn合金、NiMn合
金、RhMn合金、NiO、α-Fe2O3が好ましく、強磁性層に
対してはNiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金が
好ましい。
【0036】この磁気バイアス層を設置させた強磁性ト
ンネル接合膜の接合部のエッチングを全てイオンミリン
グを用いて行おうとすると、通常よりもかなり厚い膜を
ミリングするため、ミリングレートの基板面内分布によ
り全ての素子のエッチング深さを均一にすることができ
ない。この解決法として、ギャップ層に導電性、非磁性
で、且つ反応性ガスを用いて上部強磁性層に対し選択的
にエッチングできるような材料を用いる。そして、接合
部エッチング工程を次のように行う。磁気バイアス層に
対しては、イオンミリングを用いて基板全体でギャップ
層までミリングした後にミリングを停止する。次に、ギ
ャップ層を反応性イオンエッチングでエッチングする。
この反応性イオンエッチングは、ギャップ層をエッチン
グし終えた後、上部強磁性層の最表面で停止するため、
先のイオンミリング工程で生じていたエッチング深さ分
布が均一となる。その後、再びイオンミリングを用いて
上部強磁性をミリングする。このときのエッチング量は
非常に少ないので最終的な接合部エッチング深さ分布は
基板全体で均一にすることができ、エッチングの制御性
も向上する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係る強磁性
トンネル接合構造及びその製造方法について、図1乃至
図13を用いて説明する。下部電極側にピン層を有する
交換バイアス型強磁性トンネル接合のベタ膜状態の断面
構造を図1に示す。交換バイアス型強磁性トンネル接合
は、基板1、下部リード電極シード層2、下部リード電
極層3、電極上シード層4、バッファー層5、反強磁性
層6、強磁性ピン層7、バリア層8、強磁性フリー層
9、保護層10から構成されている。
【0038】また、保磁力差型強磁性トンネル接合は、
図2に示すように、基板1、下部リード電極シード層
2、下部リード電極層3、電極上シード層4、硬質磁性
層(ハード磁性層)11、バリア層8、軟質磁性層(ソ
フト強磁性層)12、保護層10とからなり、下部電極
側にハード強磁性層11、上部電極側にソフト強磁性層
12を配置した構造で構成される。どちらを用いた場合
でも製造方法や素子構造は共通である。以後、下部電極
にピン層を有する交換バイアス型強磁性トンネル接合
(図1の構造)を用いた場合について説明するが、保磁
力差型強磁性トンネル接合においても同様の効果を有す
る。
【0039】図1で構成される強磁性トンネル接合膜形
成後の工程について説明する。まず、強磁性トンネル接
合膜上に、下部電極パターンのレジストを形成し、下部
電極形状に全層を基板までエッチングする。その後、図
4に示すように、接合部を形成するため、接合部レジス
ト15を形成しエッチングを行う。その際、エッチング
モニタリング装置が装備されたエッチング装置を用い、
エッチングの進行をその場でモニタリングしながら、上
部フリー層が残したい膜厚になるまでエッチングされた
時点でエッチングを止める。
【0040】なお、モニタリング装置としては、イオン
ミリングのような衝撃によるエッチングの際はSIMS
管を用いるのが有効であり、反応性イオンエッチング等
の化学反応によるエッチングを用いるときは、分光器に
よるプラズマ発光の波長分析により行うのが有効であ
る。接合部エッチング直後の試料の断面図を図4に示
す。
【0041】その後、図5(a)に示すように、上下電
極間の絶縁層16を形成し、接合部のレジスト15をリ
フトオフする。さらに上部リード電極パターンのレジス
トを形成し、上部リード電極層17を成膜し、レジスト
をリフトオフすることによって強磁性トンネル接合が作
製される。その断面図を図5(a)に示す。
【0042】ここで、接合部エッチングの終点検出を容
易にするためには、図3に示すように、フリー層を複数
層の構成(例えば、2層構成)とすることが有効であ
る。図3では、フリー層はトンネルバリア層8の直上の
終点検出フリー層13及び上部フリー層14の2層膜で
構成されている。フリー層を2層構成とするに当たっ
て、終点検出フリー層13は磁性体であること、上部フ
リー層14に対してモニタリング装置上で明確に区別す
ることができるように、その構成元素の中で少なくとも
一元素は上部フリー層14に含まれない事、または逆に
上部フリー層14に含まれている元素の内で少なくとも
一元素は終点検出フリー層13に含まれないことが必要
である。このような2層のフリー層を用いて最終的な接
合に加工したときの断面図を図5(b)に示す。
【0043】なお、本発明の加工工程で重要な事項とし
て、図9(a)に示す接合部エッチング工程後のエッチ
ング面26に残すフリー層膜厚28は、接合パターン部
のトンネル抵抗を考慮して決定しなければならない。す
なわち、パターン部のトンネル抵抗に対してエッチング
部で残されたフリー層のシート抵抗が小さすぎると、強
磁性トンネル接合の全電流は接合パターン部以外の部分
へ分流して流れる電流の寄与が大きくなり抵抗変化率が
減少するため、接合部のトンネル抵抗に対してエッチン
グで残されたフリー層のシート抵抗はある割合の範囲に
設定しなければならない。以下にその範囲の設定方法に
ついて考察する。
【0044】本発明の強磁性トンネル接合の模式図を図
6(a)、(b)に示す。なお、図6に記載した下部電
極21は、図1乃至図5では基板1上かつトンネルバリ
ア層8より下層の積層体全体(すなわち、図1及び図3
乃至図5では下部リード電極シード層2からピン層7ま
で、図2では下部リード電極シード層2から硬質磁性層
11まで)を指すものとする。また、図6のフリー層又
は軟質磁性層23は、図1ではフリー層9、図2では軟
質磁性層12、図3では上部フリー層14及び終点検出
フリー層13を指すものとする。また、この接合の等価
回路を図7に示す。Itが接合部のトンネル電流で、Is
接合部以外への分流電流である。接合部のトンネル抵抗
をR0t、フリー層エッチング残留部のシート抵抗をrs
フリー層残留部直下のトンネルバリア層の規格化トンネ
ル抵抗をrtとする。下部電極21の長さが無限大の場合
において、本発明で得られるMR比の元のMR比に対す
る割合の、接合部トンネル抵抗/シート抵抗比(=R0t/
rs)に対する依存性の計算結果を図8に示す。縦軸につ
いて100%の時が接合パターン部以外への電流分流効果が
存在しない場合である。
【0045】図8から、シート抵抗が接合部トンネル抵
抗に対して相対的に小さくなると、接合パターン部以外
に電流が分流し、得られるMR比が減少する。シート抵
抗が接合部トンネル抵抗に対して1/10以下になったとき
MR比としては本来のMR比の20%以下に減少する。こ
こで強磁性トンネル接合がその最大値の50%のMR比を示
す時、上述したように図8における縦軸の100%が接合パ
ターン部以外への電流分流効果が存在しない場合、すな
わちMR比が50%となる場合である。MRAMで必要なMR比1
0%以上を維持するには、本発明で得られるMR比の元の
MR比に対する割合を20%以上とすることが必要であ
る。従って、シート抵抗は接合部トンネル抵抗に対して
少なくとも1/10倍以上に設定する必要がある。
【0046】なお、シート抵抗は接合部トンネル抵抗に
対して1/10倍以上であっても、シート抵抗が接合部トン
ネル抵抗に比べ大きいほど接合パターン部以外への電流
分流効果が小さくなりMR比の減少を防ぐことができる
為、シート抵抗/接合部トンネル抵抗比は大きい方が望
ましい。例えば、本発明を用いて作製した強磁性トンネ
ル接合においては、シート抵抗/接合部トンネル抵抗比
を1000以上に設定した場合、得られるMR比は膜固有の
MR比の90%以上となるのでこの範囲にフリー層残留部
膜厚を設定することがより望ましい。なお、シート抵抗
/接合部トンネル抵抗比は、所望するMR比に応じて適
宜設定することができる。
【0047】このように、本発明においては、フリー層
23をエッチングで残す膜厚が重要である。その際に必
要なフリー層エッチング残留部膜厚について説明する。
図9(a)に接合部エッチング時のトンネルバリア層2
2付近の断面図を示す。エッチング面26においてはフ
リー層23の途中までエッチングが行われている。エッ
チング面のフリー層23の拡大図を図9(b)、(c)
に示す。それぞれ、エッチング後のフリー層エッチング
残留部27が完全にトンネルバリア層22を覆っている
図9(b)のような状態と、部分的にフリー層23が削
られて表面にトンネルバリア層22、またはピン層25
が露出している図9(c)のような構造が想定される。
エッチングの方法によってエッチング面26のフリー層
23の残り方はこれらのどちらかになる。特に、ミリン
グのような物理衝撃によるエッチングでは、図9(c)
のような状態になりやすい。
【0048】Ni81Fe19をフリー層23として用いた場合
について、図10(a)に熱酸化膜つきSi基板上に成膜
したNi81Fe19単層膜をミリングした後のミリング残留膜
厚とシート抵抗との関係を示す。また、図10(b)に
反応性イオンエッチングでのエッチング後のNi81Fe19
厚とシート抵抗の関係についても同様に示す。ミリング
後のNi81Fe19膜では局所的な凹凸が無数に存在すること
と、ミリングによる膜ダメージが存在するため、同一膜
厚でも反応性イオンエッチング後に比べてミリング後の
Ni81Fe19のシート抵抗は大きくなる。
【0049】図8より、Ni81Fe19をフリー層に用いた本
発明の強磁性トンネル接合で得られるMR比を膜本来の
MR比の20%以上にするためには次のように設定するべ
きである。例えば、MRAMに応用すべき強磁性トンネ
ル接合素子で使用すべき素子抵抗は通常1kΩ以上である
ので、エッチング後のフリー層Ni81Fe19のシート抵抗は
100Ω/□以上であればよい。この条件を達成するために
は、図10(a)、(b)より、ミリング後に残された
Ni81Fe19膜厚については5nm以下とすればよい。なお、
接合部トンネル抵抗がより高い素子を用いる場合は、フ
リー層の残留膜厚をより薄くする必要がある。また、他
の材料、例えば、NiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCo
Ni合金等を用いる場合は、極薄膜においてはそれぞれの
比抵抗に大きな差はないため、同様の値を用いればよ
い。
【0050】さらに、そのエッチング残留膜厚を2nm以
下とすれば、図10(a)、(b)より、そのシート抵
抗は10Ω/□以上となり、トンネル抵抗が1kΩの素子
に対してシート抵抗を1000倍以上とすることができるの
で望ましい。また、接合部トンネル抵抗が1kΩ以上の素
子に対してもシート抵抗を十分に大きくできるので好ま
しい。
【0051】また、磁気ヘッドに応用すべき強磁性トン
ネル接合素子について、使用すべき素子抵抗は50Ω程度
なので、エッチング後のフリー層Ni81Fe19のシート抵抗
は5Ω/□以上となり、少なくともフリー層のエッチング
残留膜厚をMRAM用強磁性トンネル接合素子と同様の
5nm以下とすれば十分である。フリー層として他の材料
であるNiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金を用
いる場合でも同様である。
【0052】このように、接合パターン部のエッチング
工程において残されたフリー層エッチング残留部27の
シート抵抗が接合パターン部トンネル抵抗に対して高く
なるほどMR比の低下を防ぐことができる。そのフリー
層エッチング残留部27のシート抵抗は前述のよう膜厚
を薄くすることによって高めることができるが、これ以
外の方法として接合部パターンエッチング終了直後に試
料に物理的衝撃や酸素などの反応性ガスと化学反応させ
ることによって、フリー層エッチング残留部27を変質
させることによっても可能である。
【0053】次に、オフセット磁場の問題について記載
する。強磁性トンネル接合においては、フリー層9がト
ンネルバリア層8を挟んだ界面でピン層7と強磁性的に
結合し、その結果フリー層9のMHカーブにオフセット
が加わる。これはオレンジ・ピール効果と呼ばれ、トン
ネルバリア界面でのラフネスによる両強磁性層の凹凸間
での磁気的結合がその起源である。このフリー層9のオ
フセット磁場問題は、従来技術においては図11(a)
に示すようにピン層7からの静磁結合磁場でうち消すこ
とにより解決できるが、本発明で得られる強磁性トンネ
ル接合ではピン層7からの静磁結合磁場は零であるので
従来の方法を用いることができない。このようなフリー
層9のオフセット磁場問題については、図11(b)に
示すように接合パターン直上に磁気バイアス層33を設
けることによって解決することができる。
【0054】図12(a)に磁気バイアス層33を設置
した強磁性トンネル接合膜の断面図を示す。基板1に、
下部リード電極シード層2、下部リード電極層3、シー
ド層4、バッファー層5、反強磁性層6、強磁性ピン層
7、トンネルバリア層8、強磁性フリー層9、ギャップ
層30、磁気バイアス強磁性層31、磁気バイアス反強
磁性層32、保護層10の順番に積層されている。
【0055】また、この磁気バイアス層33を有する強
磁性トンネル接合について、図12(b)に示すよう
に、基板1、下部リード電極シード層2、下部リード電
極層3、シード層4、バッファー層5、反強磁性層6、
強磁性ピン層7、トンネルバリア層8、強磁性フリー層
9、ギャップ層30、バッファー層34、磁気バイアス
反強磁性層32、磁気バイアス強磁性層31、保護層1
0で構成されるような、磁気バイアス強磁性層31を磁
気バイアス反強磁性層32の上部に設置した構造におい
ても同様な効果を得ることができる。
【0056】この磁気バイアス層33を有する強磁性ト
ンネル接合膜の接合への加工方法については前述の加工
方法と共通であるが、接合部パターンのエッチングにお
いて特にイオンミリングを用いる場合は、フリー層9ま
でのエッチングを全てミリングで行うとミリング量が多
くなる為、ミリング深さの分布が生じ、基板全体での残
留フリー層厚28の制御が困難になる。この問題に対し
ては、イオンミリングと反応性イオンエッチングを併用
することによって解決することができる。具体的に、そ
の接合部エッチング方法について説明する。
【0057】ギャップ層30として、非磁性で導電性が
あり、反応性イオンエッチングで容易にエッチングで
き、かつ、フリー層9の材料であるNiFe合金、CoFe合
金、NiCo合金、FeCoNi合金などの強磁性体に対してエッ
チング選択性のある材料を用いる。例えば、ギャップ層
30の材料としてTa、Al、Nb、Si、Ti、Hf、Ta、Ga、Ti
N、Mo、Sb、W等などが挙げられる。
【0058】このようなギャップ層30を形成した接合
膜に接合部パターンのレジスト15を形成し、まず、イ
オンミリングを用いてギャップ層30までミリングす
る。このとき、イオンミリングの性質により、基板全体
でミリング深さに分布が生じている。その後、反応性イ
オンエッチングを用いてギャップ層30をエッチングす
る。その際、ギャップ層30とフリー層9のエッチング
選択性が高いため、フリー層9は殆どエッチングされ
ず、ギャップ層30のみをエッチングすることができ、
ギャップ層30をエッチングし終えた段階で基板全体に
渡ってエッチング深さが均一になる。その後、再びミリ
ングを用いてフリー層9でミリングを停止する。この第
2のミリング量は少ないため、ミリング深さの分布は十
分に小さい。その後の加工工程は前述と共通である。
【0059】図13に、上記方法で加工された磁気バイ
アス層33を有する強磁性トンネル接合の断面図を示
す。接合パターンと磁気バイアス層パターンとは同一形
状である。磁気バイアス強磁性層31の磁化はピン層7
と同方向であり、ピン層7と強磁性的に結合しているフ
リー層9に対し反強磁性方向のバイアス磁場を与える。
このためオレンジ・ピール効果によるオフセット磁場を
うち消すことができる。なお、反強磁性方向のバイアス
磁場の大きさについては、磁気バイアス強磁性層31の
材料と膜厚、フリー層9と磁気バイアス強磁性層33と
の間に存在するギャップ層30の膜厚の設定により調整
することができる。
【0060】このように、本発明の強磁性トンネル接合
膜の構造及びその製造方法によれば、強磁性トンネル接
合膜の加工に際し、フリー層9を完全に除去せず、か
つ、そのフリー層エッチング残留部27のシート抵抗が
トンネル抵抗に対して所定の割合以上となるように膜厚
を調整してエッチングを行うことにより、ピン層7とフ
リー層9との静磁結合磁場を抑制することができる。そ
して、上記エッチングを確実に行うために、エッチン
グモニタリング装置が装備されたエッチング装置を用い
てその場でモニタリングしながらエッチングを行う、
フリー層9を少なくとも一の元素が異なる複数の層の積
層構造として終点検出を行う等の方法を用いる。また、
シート抵抗を増加させるための別の方法として、フリー
層エッチング残留部27に物理的な衝撃を加えたり、化
学反応により変質させる方法を用いることもできる。
【0061】なお、シート抵抗としては、トンネル抵抗
の1/10以上、好ましくは1000倍以上とすることにより所
望のMR比を達成することができ、そのシート抵抗を膜
厚に換算すると、本願発明者の実験によれば、5nm以
下、好ましくは2nm以下とすればよいことが分かった。
【0062】また、フリー層9のオフセット磁場の問題
に対して、フリー層9の上層に磁気バイアス層33を設
けることによって解決することができ、磁気バイアス層
33を設けることによるエッチングの困難性に対して、
フリー層9と磁気バイアス層33との間にギャップ層3
0を設け、ギャップ層30をフリー層9に対してエッチ
ングの選択性のある材料で形成し、イオンミリングと反
応性イオンエッチングとを組み合わせることにより、イ
オンミリングによるエッチング深さのばらつきを抑制す
ることができる。
【0063】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。
【0064】[実施例1]まず、イオンミリングを用い
て接合部エッチングを行った実施例について説明する。
本実施例の具体的内容を説明する前に、強磁性トンネル
接合膜の作製方法について説明する。強磁性トンネル接
合膜は、背圧が1×10-6Pa以下のマルチターゲット直
流スパッタ装置を用いて成膜した。膜構成は図1に示し
たとおり、基板1である熱酸化膜付きのSi基板上に、例
えば、下部リード電極シード層2としてTa層を5nm程度
成膜した上に、下部リード電極層3としてAlを50nm程度
成膜する。下部リード電極シード層2は、下部リード電
極層3の結晶配向を制御するためのもので、Ta以外にも
Ti、Cr、Pd、W、Hf、CoFeでも同じ結果が得られた。下
部リード電極3については、比抵抗が低くエレクトロマ
イグレーション耐性の高いものが望ましく、例えば、Al
以外にもCu、W、Au、Mo、AlCu合金でもよい。
【0065】その後、下部リード電極3の上にシード層
4としてTaを5nm程度、バッファー層5としてNi81Fe19
を3nm程度成膜した後、反強磁性層6としてFeMnを10nm
程度、強磁性ピン層7としてCo90Fe10を6nm程度成膜す
る。シード層4とバッファー層5は、その上に成膜する
反強磁性層6に対してγ-(111)配向を強めるためのもの
である。反強磁性層6のFeMnは、強磁性ピン層7に交換
バイアスを与える層であり、他の反強磁性層であるIrMn
合金、PtMn合金、NiMn合金、NiO合金、α-Fe2O 3合金、R
hMn合金でもよい。また、強磁性ピン層7のCo90Fe10
他の磁性体のNiFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金でも良
い。
【0066】次に、強磁性ピン層7の上にAlを1.5nm程
度成膜した後、チャンバー圧力が0.5Paになるように酸
素を導入し、高周波プラズマガンに100Wの電力を加える
ことで酸素プラズマを発生させる。この酸素プラズマに
5分間曝すことにより、Al2O3からなるトンネルバリア
8を形成する。トンネルバリア8形成後、1×10−5
a以下の真空度まで排気し、上部強磁性フリー層9とし
てNi81Fe19を10nm程度、さらに保護層10としてTaを5n
m程度成膜する。
【0067】上記の成膜工程について、少なくともシー
ド層4から保護層10まで成膜する工程中は真空を破ら
ずに行わなければならない。この成膜工程中に大気中に
曝してしまうと表面の酸化や有機物、水分の付着により
強磁性トンネル接合の抵抗、及びMR比の再現性の低
下、強磁性ピン層と反強磁性層の交換結合力の低下、強
磁性フリー層の軟磁性特性の低下などの問題が発生す
る。
【0068】成膜後のベタ膜については真空中で磁場中
アニールを行った。アニール条件は200℃、1時間、1000
エルステット(Oe)である。このアニールにより、ピン層
7及びフリー層9の磁化容易軸を決定する。この作製法
によって規格化接合抵抗10kΩμm、MR比30%の特性
が得られることを、従来技術によって接合に加工した試
料より確認した。
【0069】上記の方法で作製した強磁性トンネル接合
膜を、イオンミリングで接合に加工する方法について以
下に説明する。まず、下部電極用のレジストを形成し、
Arイオンミリング装置に試料をセット後、真空排気す
る。チャンバーの真空度が1×10−3Pa以下に達した
ら基板回転を開始し、Arビームを発生させて基板までミ
リングを行う。Arビーム条件は、例えば、ビーム電圧40
0V、ビーム電流30mA、Ar圧力0.08Paである。下部電極パ
ターンのエッチングについては、ミリングの他に反応性
イオンエッチングを用いてもよい。
【0070】ミリング後、1μm×1μmサイズの正方形の
接合部レジスト15を形成する。レジスト形成後、SI
MS分析管付きのArイオンミリング装置によりミリング
を行う。具体的な手順は次のとおりである。試料をミリ
ング装置の水冷ステージにセット後、真空排気を行う。
チャンバーの真空度が1×10−3Pa以下に達したら基
板回転を開始し、Arビームを発生させ、同時にSIMS
分析を開始する。Arビーム条件は、例えば、ビーム電圧
400V、ビーム電流30mA、Ar圧力0.08Paである。ビームが
安定したらシャッターを開けて試料のミリングを始め
る。Ta、Ni、Fe、Al、Coイオンをモニタリン
グしながら、Niの信号が現れ初めて約60秒でシャッタ
ーを閉じる。
【0071】このときエッチング面26では、Ni81Fe19
が3nm程度残されていることを断面TEM観察で確認し
ている。また、ミリング停止時でAlの信号がわずかに
しか出現しておらず、Al2O3トンネルバリア層22は、
図9(b)に示すとおりNi81Fe19が部分的に深く削られ
た部分のみで削られているだけである。また、Coの信
号については全く出現していないため、強磁性ピン層2
5であるCo90Fe10層は全くミリングされていない。
【0072】上記の条件で作製された接合の場合、接合
部トンネル抵抗が10kΩ、MR比が30%であり、ミリング
後フリー層残留膜厚28は3nmであるので、ミリング残
留Ni8 1Fe19層のシート抵抗は30MΩ/□となり、シート抵
抗/接合部トンネル抵抗≧3×10となり、MR比は元と
変わらない30%が得られる。
【0073】接合パターンのミリングが終了したら、電
子ビーム蒸着装置で絶縁層16のAl 2O3を200nm程度基板
全体に成膜する。絶縁層16としては、他にSiO2、Si3N
4でもよい。成膜後、試料をアセトン中の超音波洗浄に
より接合部のレジスト15をリフトオフし、接合部への
コンタクトホールを形成する。その後、上部電極パター
ンのレジストを形成し、上部電極17のAlを300nm程度
成膜した後、アセトン中の超音波洗浄によりリフトオフ
する。上部電極17は、下部リード電極3と同様に比抵
抗が低くエレクトロマイグレーション耐性の高いものが
望ましく、Al以外にもCu、W、Au、Mo、AlCu、Pt、Agで
もよい。
【0074】接合部パターンのミリングを上述の手順で
行うことによって、イオンミリングプロセスにおいてト
ンネルバリア層22が薄くても、基板全体に渡ってトン
ネルバリア層22の殆ど全てをエッチングすることな
く、接合パターンを形成することができる。
【0075】図14に、ピン層7までミリングしてしま
う従来技術で作製した強磁性トンネル接合(図14
(a))と、本実施例で作製した強磁性トンネル接合
(図14(b))のMR曲線を示す。図14(a)のピ
ン層7がパターニングされた従来構造の強磁性トンネル
接合は、ピン層7のヒステリシスループが大きくなり、
そのヒステリシスに階段状のバルクハウゼンノイズが現
れている。また、フリー層9のオフセット磁場Hは接
合面積の減少と共にピン層7の磁化方向に対して反強磁
性方向である負方向に増大している。
【0076】一方、図14(b)に示す本実施例の強磁
性トンネル接合のMRカーブにおいては、トンネルバリ
ア層8、ピン層7がミリングされない構造であるため、
ピン層7のヒステリシスループは小さくバルクハウゼン
ノイズも見られない。また、そのピン層7のヒステリシ
スループはベタ膜でのピン層MHヒステリシスループと
ほぼ同じ形状となっている。さらに、フリー層9のオフ
セット磁場Hは正であり、11 Oeと小さい。これはピン
層7がパターニングされないことにより、ピン層7自身
の反磁界およびピン層7からフリー層9への静磁結合磁
場が消失していることを示している。このように本発明
の構造によって、接合面積の微小化に伴うピン層7の反
磁界増大による磁気的不安定性の増大を本質的に解決す
ることができる。
【0077】また、フリー層9のヒステリシスループに
注目すると、図14(a)に示す従来構造のものは、ヒ
ステリシスループの角形性が悪く、負方向では高磁場側
まで飽和していない。ところが図14(b)に示す本実
施例のものは、ヒステリシスループの角形性が良く、正
負両方向に磁場を印加したときもすぐに飽和している。
これは、本発明の構造においてはフリー層7を完全に加
工していないため、フリー層7側壁面積が小さく、加工
工程のダメージやミリング再付着物の影響を低減された
為と考えられる。このように本発明の構造と製造方法に
よって、フリー層9の角形性を保つこともできる。
【0078】また、図15に、6インチウエハー全体に
おけるフリー層9のオフセット磁場Hと歩留まりの分
布について示す。(a)は接合部パターンミリングをフ
リー層9が完全に無くなるまで行った従来の強磁性トン
ネル接合、(b)は本発明の方法を用いて作製した強磁
性トンネル接合であり、各々上段はチップ内の歩留ま
り、下段は、オフセット磁場Hの平均値である。な
お、接合面積はいずれも1μm×1μmである。
【0079】従来の強磁性トンネル接合(図15
(a))では、Hが基板中心付近で大きく、基板周辺
付近では小さくなっており、ばらつきが大きい。これは
従来技術では、フリー層9を完全にミリングし終える間
に、接合のエッチングがピン層7まで達してしまってい
る為、Hの分布がミリングによってピン層7をミリン
グした深さ分布を反映しているためである。また、歩留
まりが全体的に48〜68%程度と低い理由は、一部の接合
でミリングによる再付着物が接合端部に存在し、上部電
極と下部電極を短絡している為である。
【0080】一方、本実施例の強磁性トンネル接合で
は、Hの分布が無くなり、10〜13 Oe程度である。また
歩留まりも92〜100%と大きい。これは、ミリングが上部
フリー層で停止しており、トンネルバリア層8とピン層
7はほぼ完全にミリングされていないことを反映してい
る。ピン層7がミリングされないことによりフリー層9
への静磁結合磁場が消失し、フリー層9のオフセット磁
場はオレンジ・ピール効果によるHのみとなるためで
ある。
【0081】このように、本発明の強磁性トンネル接合
は、接合パターンのエッチング深さを均一に制御し、ピ
ン層7やトンネルバリア層8をミリングしにくい構造を
とることから、フリー層9のオフセット磁場の均一性と
接合の高歩留まり化に対して有効である。
【0082】表1にNi81Fe19ミリング残留膜厚を変えた
時のMR比及び接合抵抗(接合部トンネル抵抗とシート
抵抗の合成抵抗)についての測定結果を示す。図10
(a)より求めたシート抵抗/接合部トンネル抵抗比も
併せて示す。表より分かるように、Ni81Fe19ミリング残
留膜厚が5nm以上となった時、MR比は4%以下、接合抵
抗は1.7kΩ以下と減少している。その時、シート抵抗/
接合部トンネル抵抗比は0.08以下であり、図8を考慮す
ると接合部以外への電流分流効果が顕著に現れていると
考えられる。従って、接合部トンネル抵抗が10kΩの本
実施例の場合、フリー層Ni81Fe19ミリング残留膜厚は少
なくとも5nmよりも小さくしなければならない。なお、
残留膜厚としては求められる素子の性能に応じて適宜設
定することができ、例えば、接合部トンネル抵抗が106
Ω以上の場合、前述したようにシート抵抗は接合部トン
ネル抵抗の1/10以上、すなわち105Ω以上とすることが
好ましく、図10より残留膜厚に換算すると2〜3nm以下
とすることが好ましい。
【0083】
【表1】
【0084】[実施例2]次に、フリー層として第1の
実施例のNi81Fe19(10nm)の他に、Ni40Fe60(10nm)、Ni70
Co30(10nm)、Co85Fe15(10nm)、Fe50Co30Ni20(10nm)を用
いて同様の実験を行った。表2に、上記材料を用いて、
第1の実施例と同様に接合部ミリングを残留フリー層膜
厚が3nmになるまで行って作製した接合について、それ
ぞれの接合のMR比、接合抵抗の平均値、歩留まり、H
の平均値を示す。比較として接合部ミリングをピン層
以下まで行う従来の加工法を用いた時の特性も示す。ま
た、各材料について、ミリング残留フリー層厚が3nmで
のシート抵抗も併せて示す。
【0085】表2より、いずれの材料を用いた場合にお
いても、MR比、接合抵抗ともに従来法で得られた接合
と本発明で得られた接合の特性はほとんど変わらない。
これは、各フリー層材料についての3nmでのシート抵抗
がNi81Fe19フリー層の場合と殆ど変わらず30〜100MΩで
あり、8〜20kΩの接合部抵抗に対して十分高いためであ
る。なお、フリー層としてNiFe合金、CoFe合金、NiCo合
金、FeCoNi合金を使用する場合は、バルク値の比抵抗は
80〜8μΩcmであり、比抵抗が15μΩcmであるNi81F
e19と大きな差はないため、接合部エッチング量はNi81F
e19の場合と同様に5nm以下とすればよい。
【0086】歩留まりについては、従来の接合では55〜
71%と低いが、本発明の接合は96〜100%と高い。またH
については、従来の接合は負であり、ピン層7がミリン
グされているためフリー層9は反強磁方向の静磁結合磁
場を受けていることを示している。一方、本発明の接合
では正であり、フリー層9に作用する磁気的結合は強磁
性方向のオレンジ・ピール効果のみであることを示して
いる。
【0087】
【表2】
【0088】[実施例3]次に、反応性イオンエッチン
グ法によって接合部エッチングを行った実施例について
説明する。まず、第1の実施例と同様な成膜方法を用い
て、基板上に交換バイアス型強磁性トンネル接合膜を作
製する。膜構成は、図3に示すようなフリー層に終点検
出フリー層13を設けた2層フリー層構造である。具体
的には、熱酸化膜付きのSi基板1上に、下部リード電極
層のシード層2としてTa層を5nm程度成膜した上に、下
部リード電極層3としてAlを50nm程度成膜し、下部リー
ド電極層3の上にシード層4としてTaを5nm程度、バッ
ファー層5としてNi81Fe19を3nm程度成膜した後、反強
磁性層6としてFeMnを10nm程度、強磁性ピン層7として
Co90Fe10を6nm程度成膜する。その上にAlを1.5nm程度成
膜し、酸素プラズマに曝すことによってAl2O3トンネル
バリア8を作製する。ここまでは第1の実施例と全く同
じ工程である。
【0089】その後、本実施例では、上部フリー層14
を成膜する前に、フリー層のエッチング終点検出層13
として2nm程度のCo90Fe10を成膜する。さらに、その上
に上部フリー層14として8nm程度のNi81Fe19を成膜す
る。エッチングモニタリングにおいて、CoとNiによって
Co90Fe10とNi81Fe19を明確に区別できること、スピン偏
極された電子を供給できる強磁性体であることなどの理
由により、このようなフリー層構成となっている。
【0090】このような2層フリー層構成では、終点検
出層13またはその上の上部フリー層14の中には、少
なくとも1元素はもう一方の層にはない元素が存在し、
その元素を終点検出のモニタリング元素とすればよい。
またその終点検出層は5nm以下であることが望まし
い。これは、終点検出層13でエッチングを停止するた
め、終点検出層13がフリー層エッチング残留部27と
なり、シート抵抗を十分に高くする必要がある為であ
る。
【0091】上部フリー層14を成膜後、保護層10と
してTaを5nm程度成膜した。保護層10は、導電性で且
つ反応性ガスで容易にエッチングすることができ、且つ
上部フリー層のNi81Fe19とのエッチング選択比を高くす
ることができるものであればよい。その他の保護層とし
てAl、Nb、Si、Ti、Hf、Ta、Ga、TiN、Mo、Sb、Wでも同
じ効果を持つことを確認した。成膜後、強磁性トンネル
接合膜は第1の実施例と同様な条件で真空中磁場中アニ
ールを行った。
【0092】次に、接合パターンのエッチング方法につ
いて述べる。下部電極を加工し接合パターンのレジスト
を形成するまでの工程は第1の実施例と同様である。接
合部レジストパターンを形成した試料を、分光器を用い
たエッチングモニタリング装置が装備されたエッチング
チャンバー内の水冷ステージにセットし、真空排気を行
う。真空度が1×10−3Pa以下になったらCFガスとAr
ガスを分圧比1:8の割合で0.5Pa導入する。CFガスは、
保護層TaとNi81Fe19の選択比が高く、Taエッチングガス
として選定した。
【0093】分光機によるモニタリングを開始し、Ta-
フッ素化合物ガスからの発光強度をモニターし、高周波
コイルに100Wの電力で13.54MHzの高周波を加えエッチン
グを開始する。分光器をモニタリングしながら、Ta化合
物ガスのプラズマ発光強度が最大強度の約10%以下に減
衰したとき、高周波コイルの電力とCFガスの供給を止
めてエッチングを終了する。このときエッチング面では
Ni81Fe19が表面に出ている状態である。
【0094】その後真空排気を行い、真空度が1×10
−3PaになったらNHガスとCOガスを1:2の分圧比で
全圧が0.3Paになるように導入する。その後、高周波コ
イルに100Wの電力を供給し、Ni81Fe19のエッチングを開
始する。エッチング開始から約40秒後にNi化合物ガスの
発光強度が減少し、Co化合物ガスの発光が検出されはじ
める。ここで高周波コイル電力をゼロにしてエッチング
を停止する。真空排気をし、十分に排気されたら試料を
取り出す。この時点でエッチング面の殆どにおいてフリ
ー層Co90Fe10を残してNi81Fe19のみがエッチングされて
いる。
【0095】このように、エッチング終点検出層13で
エッチングを停止することにより、トンネルバリア層8
及びピン層7をエッチングすることなく、確実に接合パ
ターンの加工を行うことができる。この後の工程は第1
の実施例と共通である。なお、フリー層がNi81Fe19単層
の場合も、第1の実施例と同様に、Ni81Fe19のモニター
強度を見てNi81Fe19残留膜厚が十分にシート抵抗が高く
なる2nm以下に残った状態でエッチングを停止すれば同
様な効果が得られる。
【0096】表3に6インチ基板の各場所において得ら
れたMR比とフリー層オフセット磁場Hの平均値及び
歩留まり示す。MR比は35〜38%と大きく、歩留まりは9
4〜100%と高い。また、Hについても13〜14 Oeと均一
であり、ピン層からの静磁結合磁場が存在せず、接合部
エッチングがフリー層までで停止していることがわか
る。
【0097】
【表3】
【0098】[実施例4]次に、第3の実施例におい
て、2層フリー層構成をNi70Co30(2nm)/Fe50Co30Ni 20(8
nm)とした構成で第3の実施例と同様に接合を加工した
例を示す。接合部のレジストを形成し、Taまでエッチン
グし、Fe50Co30Ni20が表面に露出している工程までは第
3の実施例と同様である。その後、真空排気を行い、真
空度が1×10 −3PaになったらNHガスとCOガスを1:2の
分圧比で全圧が0.3Paになるように導入する。その後、
高周波コイルに100Wの電力を供給し、Fe50Co30Ni20のエ
ッチングを開始する。この場合フリー層のエッチングに
おいて、Fe化合物ガスをモニターする。エッチング開始
から約35秒後にFe化合物ガスの発光強度が減衰する。こ
こで高周波コイル電力をゼロにしてエッチングを停止す
る。この時点でエッチング面においては終点検出フリー
層Ni70Co30(2nm)を残して上部フリー層Fe50Co30Ni20(8n
m)のみがほぼエッチングされている。その後は第3の実
施例と共通の工程で接合に加工する。
【0099】図16に上記工程で作製された接合のMR
カーブについて示す。第2の実施例のNi70Co30(10nm)フ
リー層接合とほぼ同じ接合抵抗、MR比であること、ま
た、ピン層のヒステリシスについてバルクハウゼンノイ
ズや反磁界によるヒステリシスの広がりが見られないこ
とから、この接合で終点検出フリー層Ni70Co30(2nm)中
でエッチングが停止していると考えられる。
【0100】[実施例5]次に、反応性イオンエッチン
グ法によって接合部エッチングを行った後に、イオンミ
リングによって接合部エッチングを行った実施例につい
て説明する。第3の実施例において、トンネルバリアAl
-oxide厚が2.0nmと厚くなり、素子抵抗が1.2MΩと高く
なったような強磁性トンネル接合膜を加工する場合、残
留フリー層Co90Fe10(2nm)のシート抵抗をさらに高める
必要がある。そのため、フリー層Ni81Fe19をすべてエッ
チングした後、残ったCo90Fe10に対して、例えば、イオ
ンミリングのArビームをビーム電圧300V、ビーム電流30
mA、Ar圧力0.08Paの条件で約15秒間程度照射する。
【0101】これは、反応性イオンエッチングで発生す
る膜表面の堆積物がフリー層のシート抵抗を下げてしま
うため、これらを取り去る効果や、残留フリー層Co90Fe
10に対しイオン衝撃を行うことによって表面に局所的な
穴を生成し、残留フリー層のシート抵抗を上げる効果を
与え、接合部以外への電流分流を防ぐ為に有効である。
その後の層間絶縁膜16の形成、上部電極17の形成工
程は第1の実施例と同様である。
【0102】図17(a)、図17(b)に上記の処理
を行った接合と行わなかった接合についてそれぞれMR
カーブを示す。図17(a)では1.2MΩの接合抵抗でM
R比が37%であるが、図17(b)では850kΩの接合抵
抗でMR比が23%と小さくなっている。これは接合パタ
ーン部トンネル抵抗に接合部以外の3MΩの並列抵抗の加
わっている為であり、本実施例の方法がシート抵抗増大
に効果があることを示している。
【0103】[実施例6]次に、反応性イオンエッチン
グ法によって接合部エッチングを行った後に、酸化処理
を行った実施例について説明する。第3の実施例におい
て、トンネルバリアAl-oxide厚が2nmと厚くなり、素子
抵抗が1.2MΩと高くなったような強磁性トンネル接合膜
を加工する場合、残留フリー層Co90Fe10(2nm)のシート
抵抗をさらに高める必要がある。そのためフリー層Ni81
Fe19をすべてエッチングした後、残ったCo90Fe10に対し
て、例えば、Oガスを1.0Pa導入し、高周波コイルに50
Wの電力を加えてOプラズマを照射する。3分後に高周
波電力のパワーを零にしてO ガスの供給を停止し、酸
化処理を停止する。
【0104】この工程によって、エッチング残留Co90Fe
10層の大部分がCo酸化物またはFe酸化物となる。これら
は半導体もしくは絶縁体であり、金属のCo90Fe10にくら
べて数桁以上シート抵抗を高くすることができる。その
後の層間絶縁膜16の形成、上部電極17の形成工程は
第1の実施例と同様である。
【0105】表4に上記の方法で作製した接合について
接合抵抗とMR比を示す。残留フリー層のシート抵抗も
併せて示す。比較として第5の実施例の接合、また上記
の処理を行わなかった接合についての結果も示す。第5
の実施例のイオン衝撃と本実施例の酸化処理は、どちら
も残留フリー層のシート抵抗を高めるのに有効であり、
同等な接合特性が得られている。一方、上記処理を行わ
なかった接合についてはMR比と接合抵抗が減少してお
り、接合パターン部以外への電流分流効果が現れている
ことがわかる。
【0106】
【表4】
【0107】[実施例7]次に、図12(a)に示すよ
うな磁気バイアス層33を設けた強磁性トンネル接合に
ついての実施例を示す。膜構成は、熱酸化膜付きSi基板
1上に、電極シード層2としてTa(5nm)、リード電極層
3としてAl(50nm)、シード層4としてTa(5nm)、バッフ
ァ層5としてNi81Fe19(3nm)、反強磁性層6としてFeMn
(10nm)、強磁性ピン層7としてCo90Fe10(6nm)、トンネ
ルバリア層8としてAl(1.5nm)-oxide、上部フリー層9
としてNi81Fe19(10nm)、ギャップ層30としてTa(30n
m)、磁気バイアス強磁性層31としてNi81Fe19(5nm)、
磁気バイアス反強磁性層32としてFeMn(30nm)、上部保
護層10としてTa(5nm)の順番に積層されている。接合
パターン形状は1μm×1μmである。成膜後強磁性トンネ
ル接合膜は第1の実施例と同様に磁場中アニールを行っ
た。
【0108】接合への加工法について説明する。下部電
極を加工し、接合部レジスト15を形成するまでの工程
は第1の実施例と同じである。レジスト形成後、試料を
SIMS分析管付きのArイオンミリング装置にセット
し、真空排気を行う。チャンバーの真空度が1×10−3P
a以下に達したら基板回転を開始し、Arビームを発生さ
せ、同時にSIMS分析を開始する。ビームが安定した
らシャッターを開け試料のミリングを始める。Ta、Ni
、Mnイオンをモニタリングしながら磁気バイアス強
磁性層31からのNiの信号が完全消失し、ギャップ層
30のTaのみになる約115秒後にシャッターを閉じて
ミリングを停止する。
【0109】その後、試料を反応性イオンエッチング装
置のチャンバーに移送し、真空排気をする。真空度が1
×10−3Pa以下になったらCFガスとArガスを分圧比1:
8の割合で0.5Pa導入する。分光機によるモニタリングを
開始し、高周波コイルに100Wの電力で13.54MHzの高周波
を加え、エッチングを開始する。分光器をモニタリング
しながらTa化合物ガスのプラズマ発光強度が最大強度の
10%以下に減衰する約80秒後に高周波コイルの電力とCF
ガス供給を止めてエッチングを停止する。この時点で
エッチング面の最表面には、Ni81Fe19層が露出してい
る。
【0110】そして再び試料をミリング装置に移送し、
真空排気をする。SIMSでミリング物をモニターしな
がら、フリー層Ni81Fe19が3nm以下の膜厚になる約60秒
後にミリングを停止する。その後の加工工程は第1の実
施例と同様である。
【0111】接合部エッチング工程を上記のような手段
を用いて行った場合と、上記の方法を用いずにイオンミ
リングのみで行った場合の、6インチ基板上のエッチン
グ残留フリー層膜厚の分布をそれぞれ図18(a)、図
18(b)に示す。図18(a)において、エッチング
残留フリー層膜厚28は基板中央部と周辺部で均一に約
3nmとなっているが、図18(b)ではエッチング残留
フリー層膜厚は基板中央部(サンプル位置:0mm)で3nmで
あるが、基板の端部(サンプル位置:±70mm)では9nmと
なっている。
【0112】これは接合部エッチングをイオンミリング
のみで行った場合、ミリングレートが基板中心ほど大き
く、このレートの基板面内分布が±5%ある為である。こ
のように接合部エッチングにおいて磁気バイアス層が存
在するようなエッチング深さが大きくなる場合、エッチ
ング深さを基板内で均一に制御するためにはエッチング
選択性の高い反応性エッチングとイオンミリングを組み
合わせることが有効である。
【0113】図19に磁気バイアス層33を有する接合
(実線)と有さない接合(破線)のMRカーブを示す。
磁気バイアス層を有さない接合のフリー層オフセット磁
場H は13 Oeであったが、この磁気バイアス層33はフ
リー層9に対しオフセット磁場とは逆方向に13 Oeの磁
場を印加してキャンセルしている。
【0114】また、磁気バイアス反強磁性層32は、Ir
Mn合金、PtMn合金、NiMn合金、NiO、α-Fe2O3、RhMn合
金のいずれも用いても前述のFeMnの磁気バイアス反強磁
性層を用いた接合と同様にフリー層オフセット磁場を殆
どゼロにするような結果が得られた。磁気バイアス強磁
性層33は、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金のいずれ
であっても前述のNi81Fe19の磁気バイアス強磁性層を用
いた場合と同様の結果が得られた。表5にこれらを用い
た磁気バイアス層とそれぞれについてフリー層のオフセ
ット磁場の大きさを示す。ここで、接合の加工方法は上
記Ni81Fe19(5nm)/FeMn(10nm)磁気バイアス層を有する強
磁性トンネル接合の加工工程と同様である。
【0115】
【表5】
【0116】[実施例8]次に、図12(b)に示すよ
うな磁気バイアス層33を設けた強磁性トンネル接合に
ついての実施例を示す。膜構成は、熱酸化膜付きSi基板
1上に、電極シード層2としてTa(5nm)、リード電極層
3としてAl(50nm)、シード層4としてTa(5nm)、バッフ
ァ層5としてNi81Fe19(3nm)、反強磁性層6としてFeMn
(10nm)、強磁性ピン層7としてCo90Fe10(6nm)、トンネ
ルバリア層8としてAl(1.5nm)-Oxide、上部フリー層9
としてNi81Fe19(10nm)、ギャップ層30としてTa(30n
m)、バッファー層33としてCu(3nm)を成膜する。こ
こで、バッファー層33は磁気バイアス反強磁性層32
のγ-(111)結晶配向性を向上させるような効果を与える
材料で、他にPd、Cu、Cr、Hf、CoFe合金、NiFe合金等で
も良い。その上に磁気バイアス反強磁性層32としてFe
Mn(10nm)、磁気バイアス強磁性層31としてNi81Fe19(7
nm)、上部保護層10としてTa(5nm)の順番に積層されて
いる。成膜後強磁性トンネル接合膜は第1の実施例と同
様に磁場中アニールを行った。その後の接合への加工工
程は第8の実施例と同様に行った。
【0117】図20にそのMRカーブについて示す。Ni
81Fe19フリー層に対しマイナスの反強磁性方向に11〜12
Oe程度の磁場を印加し、ちょうどフリー層のHを零に
するような第7の実施例と同様な効果が得られる。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
強磁性トンネル接合の上部強磁性層を完全に加工しない
ため、上部強磁性層側壁面積が低減され、上部強磁性層
に対して加工で生じるエッチング再付着物の影響や加工
工程で生じるダメージを低減することができる。その結
果、上部強磁性層の磁気抵抗曲線の形状悪化を防ぐこと
ができる。
【0119】また、強磁性トンネル接合の接合部エッチ
ング工程に於いて、トンネルバリア以下の層をエッチン
グから守り、トンネルバリアがエッチングされないよう
な構造の強磁性トンネル接合を歩留まりよく製造するこ
とができ、また、接合部エッチング深さの基板全体での
制御性も向上する。上記が実現される結果として下部強
磁性層の反磁界の消失及び下部強磁性層から上部強磁性
層への静磁結合磁場の消失、それらによる強磁性トンネ
ル接合における接合面積の微小化に伴う磁気特性の不安
定化を抑制することができ、さらに強磁性トンネル接合
における接合ショートが防止され素子歩留まりを向上さ
せることができる。またフリー層のオフセット磁場調整
を容易にし、スイッチング磁場の方向非対称性を無くす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】下部電極側にピン層を有する交換バイアス型強
磁性トンネル接合膜の構造を示す断面図である。
【図2】下部電極側に硬質磁性層を有する保磁力差型強
磁性トンネル接合膜の構造を示す断面図である。
【図3】下部電極側にピン層を有する交換バイアス型強
磁性トンネル接合膜においてフリー層が2層構成になっ
ている膜の構造を示す断面図である。
【図4】図1の構造の交換バイアス型強磁性トンネル接
合膜の接合パターン部を本発明の方法でエッチングした
直後の状態を示す断面図である。
【図5】交換バイアス型強磁性トンネル接合膜に層間絶
縁膜を介して上部電極層を形成した状態を示す図であ
り、(a)は図1の強磁性トンネル接合膜を加工した構
造、(b)図3の強磁性トンネル接合膜を加工した構造
を示す断面図である。
【図6】本発明の強磁性トンネル接合の構造を示す図で
あり、(a)は斜視図、(b)は下部電極方向に沿った
断面図である。
【図7】本発明の強磁性トンネル接合構造の等価回路を
示す図である。
【図8】本発明の強磁性トンネル接合構造における接合
パターン部以外への電流分流効果によるMR比減少割合
の、エッチング残留フリー層のシート抵抗/接合パター
ン部トンネル抵抗比に対する依存性を示す図である。
【図9】本発明の接合パターン部エッチング工程直後の
状態を示す図であり、(a)は接合パターン部近傍の断
面図、(b)及び(c)は、(a)の丸で囲んだ領域の
拡大断面図である。
【図10】残留フリー層膜厚とシート抵抗との相関を示
す図であり、(a)は、Ni81Fe19単層膜をミリングによ
りエッチングした場合、(b)は、Ni81Fe19単層膜を反
応性エッチングによりエッチングした場合を示してい
る。
【図11】強磁性トンネル接合におけるフリー層に作用
する結合磁場について説明する図であり、(a)は従来
技術の強磁性トンネル接合、(b)は本発明の磁気バイ
アス層を有する強磁性トンネル接合の構造を示す断面図
である。
【図12】本発明の磁気バイアス層を有する強磁性トン
ネル接合の構造を示す図であり、(a)は、フリー層側
に磁気バイアス強磁性層を設置した構造、(b)は、フ
リー層側に磁気バイアス反強磁性層を設置した構造を示
す断面図である。
【図13】本発明の方法で加工した磁気バイアス層を有
する強磁性トンネル接合膜の構造を示す断面図である。
【図14】磁気抵抗曲線を示す図であり、(a)は従来
方法でミリングした強磁性トンネル接合、(b)は本発
明の方法でミリングした強磁性トンネル接合の特性を示
している。
【図15】接合歩留まり(上段)とフリー層オフセット
磁場H(下段)の6インチ基板面内分布を示す図であ
り、(a)は従来方法でミリングしたサンプル、(b)
は本発明の方法でミリングしたサンプルを示している。
【図16】第4の実施例に記載された方法で製作した強
磁性トンネル接合の磁気抵抗曲線を示す図である。
【図17】第5の実施例に記載された方法で製作した強
磁性トンネル接合の磁気抵抗曲線を示す図であり、
(a)は、接合パターン部反応性エッチング後に残留し
たフリー層に対しミリングによるイオン衝撃処理を行っ
たサンプル、(b)は接合パターン部反応性エッチング
後に残留したフリー層に対し無処理のサンプルを示して
いる。
【図18】6インチ基板上のエッチング残留フリー層膜
厚の分布を示す図であり、(a)は、イオンミリング/
反応性イオンエッチング/イオンミリングで接合パター
ン部エッチングを行ったサンプル、(b)はイオンミリ
ングのみで接合パターン部エッチングを行ったサンプル
を示している。
【図19】実施例7における磁気抵抗曲線を示す図であ
り、実線は磁気バイアス層を有する構造、破線は磁気バ
イアス層のない構造を示している。
【図20】第8の実施例におけるトンネルバリア側に磁
気バイアス反強磁性層を設置した磁気バイアス層を有す
る構造の強磁性トンネル接合の磁気抵抗曲線を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 下部リード電極シード層 3 下部リード電極層 4 シード層 5 バッファー層 6 反強磁性層 7 ピン層 8 トンネルバリア層 9 フリー層 10 保護層 11 硬質磁性層 12 軟質磁性層 13 終点検出フリー層 14 上部フリー層 15 接合部レジスト 16 層間絶縁層 17 上部電極層 20 上部電極 21 下部電極 22 トンネルバリア層 23 フリー層または軟質磁性層 24 カバー層 25 ピン層または硬質磁性層 26 エッチング面 27 フリー層エッチング残留部 28 残留フリー層膜厚 30 ギャップ層 31 磁気バイアス強磁性層 32 磁気バイアス反強磁性層 33 磁気バイアス層 34 バッファー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/105 H01L 27/10 447 (72)発明者 志村 健一 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 柘植 久尚 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB07 AD54 AD65 5D034 BA03 BA05 BA08 BA12 BA15 CA04 CA08 DA07 5E049 AA04 AC05 BA06 DB12 5F083 FZ10 JA36 JA37 JA38 JA39 PR03 PR04

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、下部強磁性体層とトンネルバ
    リア層と上部強磁性体層とが積層され、その上層に形成
    される上部電極との接合領域以外の前記上部強磁性体層
    がエッチングされて形成される強磁性トンネル接合にお
    いて、 前記上部強磁性層のエッチング領域の少なくとも一部
    に、前記上部強磁性体層のエッチング残留層が形成され
    ていることを特徴とする強磁性トンネル接合。
  2. 【請求項2】前記上部強磁性体層の前記エッチング残留
    層が、前記トンネルバリア層上全体を覆うように連続的
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載の強磁
    性トンネル接合。
  3. 【請求項3】前記上部強磁性体層の前記エッチング残留
    層が、前記トンネルバリア層上で部分的に形成され、前
    記トンネルバリア又は前記下部強磁性体層が一部におい
    て露出していることを特徴とする請求項1記載の強磁性
    トンネル接合。
  4. 【請求項4】前記エッチング残留層のシート抵抗が、前
    記接合領域のトンネル抵抗に対して所定の割合以上とな
    るように、前記エッチング残留層の膜厚が設定されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の強
    磁性トンネル接合。
  5. 【請求項5】前記上部強磁性体層が、NiFe合金、CoFe合
    金、NiCo合金、FeCoNi合金のいずれか一からなる場合に
    おいて、前記エッチング残さの膜厚が、5nm以下に設
    定されることを特徴とする請求項4記載の強磁性トンネ
    ル接合。
  6. 【請求項6】前記エッチング残留層のシート抵抗が、前
    記接合領域のトンネル抵抗に対して所定の割合以上とな
    るように、前記エッチング残留層に表面処理層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一
    に記載の強磁性トンネル接合。
  7. 【請求項7】前記表面処理層が、前記エッチング残留層
    を酸素プラズマ雰囲気中で酸化した酸化膜、または、イ
    オンミリングによりイオン衝撃を加えた膜であることを
    特徴とする請求項6記載の強磁性トンネル接合。
  8. 【請求項8】前記エッチング残留層のシート抵抗が、前
    記接合領域のトンネル抵抗に比べて、1/10以上に設
    定されることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一
    に記載の強磁性トンネル接合。
  9. 【請求項9】前記上部強磁性体層が、含有元素の少なく
    とも一の元素が異なる複数の層により構成され、最下層
    の前記上部強磁性体層が前記エッチング残留層をなすこ
    とを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の強
    磁性トンネル接合。
  10. 【請求項10】前記多層構造の上部強磁性体層の各々
    が、NiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金の中か
    ら選択される組み合わせで構成されることを特徴とする
    請求項9記載の強磁性トンネル接合。
  11. 【請求項11】前記上部強磁性層の上部に、ギャップ層
    を介して、強磁性体層と反強磁性体層を積層した交換結
    合膜からなる磁気バイアス層が配設されていることを特
    徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の強磁性
    トンネル接合。
  12. 【請求項12】前記磁気バイアス層の強磁性体層が、Ni
    Fe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金のいずれか一
    であることを特徴とする請求項11記載の強磁性トンネ
    ル接合。
  13. 【請求項13】前記磁気バイアス層の反強磁性体層が、
    FeMn合金、IrMn合金、PtMn合金、NiMn合金、RhMn合金、
    NiO、α-Fe2O3のいずれか一であることを特徴とする請
    求項11又は12に記載の強磁性トンネル接合。
  14. 【請求項14】前記磁気バイアス層の強磁性体層が、前
    記反強磁性体層の下部あるいは上部のいずれか一方に設
    置されていることを特徴とする請求項11乃至13のい
    ずれか一に記載の強磁性トンネル接合。
  15. 【請求項15】前記強磁性トンネル接合が、下部強磁性
    体層が反強磁性体層によって交換バイアスされた構造を
    持つ交換バイアス型強磁性トンネル接合、または、下部
    強磁性体層が硬質磁性層からなる保磁力差型強磁性トン
    ネル接合であることを特徴とする請求項1乃至14のい
    ずれか一に記載の強磁性トンネル接合。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15のいずれか一に記載の
    強磁性トンネル接合を用いた磁気メモリ。
  17. 【請求項17】少なくとも、下部強磁性体層とトンネル
    バリア層と上部強磁性体層とを積層した後、その上層に
    形成する上部電極との接合領域以外の前記上部強磁性体
    層をエッチングして形成する強磁性トンネル接合の製造
    方法において、 前記上部強磁性層のエッチングに際し、前記上部強磁性
    層の途中でエッチングを停止し、エッチング領域の少な
    くとも一部に前記上部強磁性体層のエッチング残留層を
    形成することを特徴とする強磁性トンネル接合の製造方
    法。
  18. 【請求項18】前記上部強磁性体層を、含有元素の少な
    くとも一の元素が異なる複数の層により形成し、前記上
    部強磁性体層のエッチングに際して、モニタ手段で検出
    される元素を参照してエッチング量を調整することを特
    徴とする請求項17記載の強磁性トンネル接合の製造方
    法。
  19. 【請求項19】前記多層構造の上部強磁性体層の各々
    を、NiFe合金、CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金の中か
    ら選択される組み合わせで構成することを特徴とする請
    求項18記載の強磁性トンネル接合の製造方法。
  20. 【請求項20】前記エッチング残留層のシート抵抗が、
    前記接合領域部のトンネル抵抗に比べて所定の値以上と
    なるように、前記エッチング残留層の膜厚を調整するこ
    とを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一に記載
    の強磁性トンネル接合の製造方法。
  21. 【請求項21】前記上部強磁性体層として、NiFe合金、
    CoFe合金、NiCo合金、FeCoNi合金のいずれか一を用いた
    場合に、前記エッチング残留層の膜厚を、5nm以下に
    設定することを特徴とする請求項20記載の強磁性トン
    ネル接合の製造方法。
  22. 【請求項22】前記エッチング残留層のシート抵抗が、
    前記接合領域のトンネル抵抗に比べて所定の値以上とな
    るように、前記エッチング残留層に表面処理を施すこと
    を特徴とする請求項17乃至19のいずれか一に記載の
    強磁性トンネル接合の製造方法。
  23. 【請求項23】前記エッチング残留層の表面処理が、酸
    素プラズマ雰囲気中で行う酸化処理、または、イオンミ
    リング装置で行うイオンエッチング処理であることを特
    徴とする請求項22記載の強磁性トンネル接合の製造方
    法。
  24. 【請求項24】前記上部強磁性層の上部に、ギャップ層
    を介して、強磁性体層と反強磁性体層を積層した交換結
    合膜からなる磁気バイアス層を配設することを特徴とす
    る請求項17乃至23のいずれか一に記載の強磁性トン
    ネル接合の製造方法。
  25. 【請求項25】前記磁気バイアス層の強磁性体層を、Ni
    Fe合金、CoFe合金、NiCo合金、 FeCoNi合金のいずれか
    一で形成することを特徴とする請求項24記載の強磁性
    トンネル接合の製造方法。
  26. 【請求項26】前記磁気バイアス層の反強磁性体層を、
    FeMn合金、IrMn合金、PtMn合金、NiMn合金、RhMn合金、
    NiO、α-Fe2O3のいずれか一で形成することを特徴とす
    る請求項24又は25に記載の強磁性トンネル接合の製
    造方法。
  27. 【請求項27】前記上部強磁性層のエッチングに際し、
    イオンミリングを用いて前記ギャップ層の途中までイオ
    ンミリング法により加工した後、イオンミリングで残さ
    れた前記ギャップ層を反応性イオンエッチング法により
    除去して前記上部強磁性体層を露出させ、その後、前記
    上部強磁性体層をイオンミリング法により加工すること
    を特徴とする請求項24乃至26のいずれか一に記載の
    強磁性トンネル接合の製造方法。
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