JP4595541B2 - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

Info

Publication number
JP4595541B2
JP4595541B2 JP2004519245A JP2004519245A JP4595541B2 JP 4595541 B2 JP4595541 B2 JP 4595541B2 JP 2004519245 A JP2004519245 A JP 2004519245A JP 2004519245 A JP2004519245 A JP 2004519245A JP 4595541 B2 JP4595541 B2 JP 4595541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
pinned layer
fixed
pinned
free
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004519245A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2004006335A1 (ja
Inventor
久雄 松寺
秀昭 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Publication of JPWO2004006335A1 publication Critical patent/JPWO2004006335A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4595541B2 publication Critical patent/JP4595541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn
    • H01F10/3272Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn by use of anti-parallel coupled [APC] ferromagnetic layers, e.g. artificial ferrimagnets [AFI], artificial [AAF] or synthetic [SAF] anti-ferromagnets
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10BELECTRONIC MEMORY DEVICES
    • H10B61/00Magnetic memory devices, e.g. magnetoresistive RAM [MRAM] devices

Description

本発明は,磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に関する。本発明は,特に,MRAMのメモリセルに発生し得るオフセット磁場を解消するための技術に関する
磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory:以下,「MRAM」という。)は,高速書き込みが可能であり,且つ,大きな書き換え回数を有する不揮発性メモリとして注目を集めている。
典型的なMRAMのメモリセルは,図1に示されているように,固定された自発磁化を有するピン層101と,反転可能な自発磁化を有するフリー層102と,ピン層101とフリー層102との間に介設された非磁性のスペーサ層103とにより構成される磁気抵抗素子104を含む。フリー層102は,その自発磁化の向きが,ピン層101の自発磁化の向きと平行,又は反平行に向くことが許されるように,反転可能に形成される。
メモリセルは,1ビットのデータを,フリー層102の自発磁化の方向として記憶する。メモリセルは,フリー層102の自発磁化とピン層101の自発磁化とが平行である”平行”状態と,フリー層102の自発磁化とピン層101の自発磁化とが反平行である”反平行”状態の2つの状態を取り得る。メモリセルは,”平行”状態と,”反平行”状態とのうちの一方を”0”に,他方を”1”に対応付けることにより,1ビットのデータを記憶する。
メモリセルからのデータの読み出しは,磁気抵抗効果によるメモリセルの抵抗の変化を検知することによって行われる。ピン層101及びフリー層102の自発磁化の方向は,メモリセルの抵抗に影響を及ぼす。ピン層101とフリー層102との自発磁化の向きが平行である場合には,メモリセルの抵抗は,第1値Rとなり,反平行である場合には,メモリセルの抵抗は,第2値R+ΔRになる。ピン層101及びフリー層102の自発磁化の方向,即ち,メモリセルに記憶されているデータは,メモリセルの抵抗を検知することにより判別することができる。
メモリセルへのデータの書き込みは,メモリセルアレイに配設される信号線(典型的には,ワード線及びビット線)に電流を流し,該電流により生じる磁場によってフリー層102の自発磁化の方向を反転させることによって行われる。
フリー層102を構成する強磁性体は,本質的には(即ち,該強磁性体のバルクの性質としては),印加磁場に対して対称な磁場−磁化特性(H−M特性)を有するから,メモリセルの抵抗値は,理想的には,図2Aに示されているように,データの書き込みのために該メモリセルに印加される書き込み磁場に対して,対称的な特性を示す。
しかし,現実のメモリセルの抵抗値は,図2Bに示されているように,書き込み磁場に対して非対称な特性を示す,即ち,メモリがオフセット磁場HOffを有することがある。オフセット磁場HOffの存在は,データを書き込むために必要な磁場が,”1”と”0”とで異なることを意味している。オフセット磁場HOffは,メモリ動作余裕を小さくし,更に,データ書き込みに必要な電流を増加させるため好ましくない。
このオフセット磁場の発生の原因として,オレンジピール効果(Orange Peel Coupling,又はNeel’s coupling)が知られている。Kools等は,オレンジピール効果によるオフセット磁場の発生を,論文「J.C.S.Kools et al.”Effect of finite magnetic film thickness on N▲e▼el coupling in spin valves”,J.Appl.Phys.,85,4466(1999)」に開示している。
図3に示されているように,オレンジピール効果は,ピン層101とフリー層102との表面の非平坦性に起因している。MRAMのメモリセルの製造工程において,ピン層101とフリー層102との表面は,実際上,完全に平坦化することは困難であり,ピン層101とフリー層102との表面は,現実には波打っている。ピン層101とフリー層102との波打ちは,ピン層101とフリー層102との自発磁化の間に層間結合磁場(Interlayer coupling field)を生じさせる。この層間結合磁場は,メモリセルがオフセット磁場を有する原因となる。
オフセット磁場の発生の他の原因として,静磁カップリング効果(Magneto−Static coupling)が知られている。静磁カップリング効果は,フリンジ効果と呼ばれることがある。図4に示されているように,静磁カップリング効果は,ピン層101の端に磁極が生成されることに起因している。該磁極が発生する磁場HMSは,フリー層102に印加され,従って,フリー層102の自発磁化が反転される反転磁場に非対称性が生じる。この反転磁場の非対称性は,メモリセルがオフセット磁場を有する原因となる。
米国特許No.6,233,172は,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とが,互いに逆の方向の磁場を発生させることを利用して,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とを相殺させることによってメモリセルのオフセット磁場をなくす技術を開示している。
図5は,上記の米国特許に開示されているMRAMのメモリセルの構造を示す。当該構造は,基板112と,下部電極積層膜114と,スペーサ層116と,上部電極積層膜118とを備えている。下部電極積層膜114は,ボトム層120と,反強磁性体層122と,ピン強磁性体層124と,ルテニウム層126と,固定強磁性体層128とにより構成されている。上部電極積層膜118は,フリー強磁性層130と保護層132とにより構成されている。ピン強磁性体層124と固定強磁性体層128とは,固定された自発磁化を有し,フリー強磁性層130は,反転可能な自発磁化を有している。
当該米国特許は,オレンジピール効果と静磁カップリング効果との相殺は,下記式:
<M
を満足させることによって達成可能であることを開示している。ここで,Tは,ピン強磁性体層124の膜厚であり,Mは,ピン強磁性体層124の磁化である。更に,Tは,固定強磁性体層128の膜厚であり,Mは,固定強磁性体層128の磁化である。当該式は,
<T,且つ,M=M
=T,且つ,M<M,又は,
<T,且つ,M<M
とすることによって成立され得る。
しかし,図6A及び図6Bに示されているように,静磁カップリング効果は,フリー層102の内部において,均一な効果ではない。図6Bは,図6Aに示されている形状を有する矩形のメモリセルについて,静磁カップリング効果によってフリー層102に印加される磁場の大きさを計算した結果を示している。フリー層102が受ける磁場は,ピン層101の端に近い位置で大きく,ピン層101の端から離れた位置で小さい。このように,フリー層102が受ける磁場は,均一でなく,メモリセルの内部の全体について,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とを相殺することは困難である。
更に,近年のMRAMの微細化の進展は,MRAMに含まれる多数のメモリセルのそれぞれについてオレンジピール効果と静磁カップリング効果とを相殺することを困難にしている。MRAMの微細化に伴ってフリー層は薄くなり,従って,オレンジピール効果は増大する。更に,ピン層の大きさは小さくなり,静磁カップリング効果は増大する。オレンジピール効果と静磁カップリング効果との増大は,それぞれ,オレンジピール効果と静磁カップリング効果との大きさの製造バラツキを増大させ,従って,これらの効果のメモリセル毎のバラツキを増大させる。このバラツキの増大は,メモリセルのそれぞれについてオレンジピール効果と静磁カップリング効果とを相殺することを困難にし,MRAMのメモリセルアレイに含まれるメモリセルの全てについて,オフセット磁場を解消させることを妨げる。
公開特許公報(特開2000−332318及び特開平10−188235)は,フリー層に印加される外部磁場を制御することにより,感度が高く,且つ信頼性が高い磁気ヘッドを提供するための磁気抵抗素子の構造を開示している。しかし,これらの文献は,磁気抵抗素子のフリー層のオフセット磁場をなくすことについて何ら言及していない。磁気ヘッドは,フリー層が適正なバイアスポイントにあることを要求するが,フリー層のオフセット磁場をなくす必要はない。
このような背景から,メモリセルのオフセット磁場をより効果的に減少させる技術の提供が望まれている。特に,メモリセルの内部の全体について,オフセット磁場を均一に減少する技術や,製造バラツキに影響されずに,メモリセルのそれぞれについてオフセット磁場を解消することを可能にする技術の提供が望まれている。
本発明の目的は,MRAMのメモリセルのオフセット磁場をより効果的に減少させる技術を提供することにある。
本発明の他の目的は,MRAMのメモリセルの内部の全体について,オフセット磁場を均一に減少する技術を提供することにある。
本発明の更に他の目的は,MRAMの製造バラツキが,該MRAMのメモリセルのオフセット磁場の解消に与える悪影響を抑制する技術を提供することにある。
本発明の一の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,固定自発磁化を有する固定層と,非磁性体で形成され,前記フリー層と前記固定層との間に介設されたスペーサ層とを備えている。固定層は,実質的に,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とをフリー層に及ぼさないように形成されている。当該MRAMは,そもそもオレンジピール効果と静磁カップリング効果とをフリー層に及ぼさないため,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とのバラツキや,メモリセル内の静磁カップリング効果の不均一性の問題が発生しない。
固定層は,前記固定自発磁化の方向である第1方向とは反対の第2方向に向けて磁化方向が固定された他の固定自発磁化を有する第1ピン層と,第1ピン層と前記フリー層との間に設けられ,且つ,前記固定自発磁化を有する第2ピン層とを含む場合がある。この場合,第1ピン層と第2ピン層の構造の最適化により,前記固定層が,実質的に,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とを前記フリー層に及ぼさないように形成されていることが好適である。
固定層がフリー層に及ぼすオレンジピール効果の抑制は,第1ピン層がオレンジピール効果によって前記フリー層に加える第1磁場と,前記第2ピン層がオレンジピール効果によって前記フリー層に加える第2磁場との和が実質的に0であることにより効果的に達成され得る。
固定層が,更に,前記第1ピン層と前記第2ピン層との間に介設された非磁性の他のスペーサ層を含む場合,該他のスペーサ層は,前記固定自発磁化と前記他の固定自発磁化とが反強磁性的に結合するような膜厚を有することが好ましい。該他のスペーサ層は,前記固定自発磁化と前記他の固定自発磁化との方向を安定化し,当該MRAMの動作を安定化する。
また,固定層が,前記第1方向に延伸するように配設される場合,固定層の端とフリー層との距離は,端における磁極により生成される磁場が,フリー層に実質的に鎖交しない程度に大きいことが好ましい。静磁カップリング効果は,固定層の端において生成される磁極に起因するから,端とフリー層との距離が充分に大きくとられることは,固定層がフリー層に及ぼす静磁カップリング効果を効果的に抑制する。
本発明の他の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,積層フェリ固定層と,非磁性体で形成され,フリー層と積層フェリ固定層との間に介設されたスペーサ層とを備えている。積層フェリ固定層は,第1方向に向けて固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,前記第1方向とは反対の第2方向に向けて固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層とを含む。第1ピン層は,前記第1方向に延伸するように配設された第1部分と,前記第1部分の上に,当該磁気ランダムアクセスメモリが形成される基板の表面に垂直な方向において,第2ピン層と位置整合(aligned)するように形成された第2部分とを備えている。第1ピン層と第2ピン層とは,積層フェリ固定層が,実質的に,オレンジピール効果をフリー層に及ぼさないように形成されている。更に,第1固定自発磁化の大きさをMとし,前記第2固定自発磁化の大きさをMとし,第2ピン層の厚さをtとしたとき,第2部分が実質的に(M/M)・tの厚さを有するように形成されている。このような厚さを有する第2部分は,第2ピン層の端における磁極が生成する磁場をキャンセルし,固定層が,フリー層に及ぼす静磁カップリング効果を効果的に抑制する。
本発明の更に他の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,積層フェリ固定層と,前記フリー層と前記積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層とを備えている。積層フェリ固定層は,第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,前記フリー層と前記第1ピン層との間に挿入され,前記第1方向と反対の前記第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層とを含む。第1ピン層と第2ピン層とは,第1ピン層がオレンジピール効果によって前記フリー層に与える第1磁場と,第2ピン層がオレンジピール効果によって前記フリー層に与える第2磁場との和が実質的に0になるように形成されている。当該MRAMでは,第2ピン層がフリー層に与えるオレンジピール効果が,第1ピン層がフリー層に与えるオレンジピール効果によって相殺され,積層フェリ固定層は,実質的にオレンジピール効果をフリー層に与えない。オレンジピール効果の抑制により,当該MRAMは,メモリセルのオフセット磁場を効果的に抑制することができる。
積層フェリ固定層が,更に,前記第1ピン層と前記第2ピン層との間に介設された,非磁性の他のスペーサ層を含む場合,他のスペーサ層は,前記第1固定自発磁化と前記第2固定自発磁化とが反強磁性的に結合するような膜厚を有することが好ましい。
本発明の更に他の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,第1方向に固定された固定自発磁化を有する固定層と,非磁性体で形成され,前記フリー層と前記固定層との間に介設されたスペーサ層とを備えている。前記固定層は,前記第1方向に延伸するように配設され,前記固定層の端と前記フリー層との距離は,前記端における磁極により生成される磁場が,前記フリー層に実質的に鎖交しない程度に大きい。静磁カップリング効果は,固定層の端における磁極により生成される磁場に起因するから,前記固定層の端と前記フリー層との距離とを充分に大きくとることは,静磁カップリング効果を効果的に抑制する。
本発明の更に他の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,積層フェリ固定層と,フリー層と積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層とを備えている。積層フェリ固定層は,第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,フリー層と第1ピン層との間に挿入され,前記第1方向と反対の前記第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層とを含む。第1ピン層は,前記第1方向及び前記第2方向に延伸するように配設された第1部分と,第1部分の上に,当該磁気ランダムアクセスメモリが形成される基板の表面に垂直な方向において前記第2ピン層と位置整合するように形成された第2部分とを含む。前記第1固定自発磁化の大きさをMとし,前記第2固定自発磁化の大きさをMとし,第2ピン層の厚さをtとしたとき,第2部分は,実質的に(M/M)・tの厚さを有するように形成される。(M/M)・tの厚さを有する第2部分は,第2ピン層が静磁カップリング効果によってフリー層に与える磁場と,ほぼ同じ大きさで,且つ,反対向きの磁場を静磁カップリング効果によって発生する。(M/M)・tの厚さを有する第2部分は,第2ピン層がフリー層に与える静磁カップリング効果をキャンセルし,積層フェリ固定層がフリー層に及ぼす静磁カップリング効果を効果的に抑制する。
本発明の更に他の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,積層フェリ固定層と,フリー層と積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層とを備えている。積層フェリ固定層は,第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,スペーサ層と第1ピン層との間に設けられ,前記第1方向と反対の第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層とを含む。前記第1固定自発磁化の大きさと,前記第2固定自発磁化の大きさと,前記第1ピン層の膜厚と,前記第2ピン層の膜厚とは,前記積層フェリ固定層がオレンジピール効果によって前記フリー層に与える磁場の大きさと,前記積層フェリ固定層が静磁カップリング効果によって前記フリー層に与える磁場との大きさが,いずれも,10(Oe)以下であるように定められている。当該MRAMは,第1ピン層及び第2ピン層の最適化により,そもそもオレンジピール効果と静磁カップリング効果とをフリー層に及ぼさないように設計されている。ゆえに,当該MRAMには,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とのバラツキや,メモリセル内の静磁カップリング効果の不均一性の問題が発生しない。
本発明の更に他の観点において,MRAMは,反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,積層フェリ固定層と,フリー層と積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層とを備えている。積層フェリ固定層は,第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,前記スペーサ層と前記第1ピン層との間に設けられ,前記第1方向と反対の第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層とを含む。第1固定自発磁化の大きさMと,前記第2固定自発磁化の大きさMと,前記第1ピン層の膜厚tと,前記第2ピン層の膜厚tとは,下記式:
Figure 0004595541
が成立するように定められている。このように,第1固定自発磁化の大きさMと,前記第2固定自発磁化の大きさMと,前記第1ピン層の膜厚tと,前記第2ピン層の膜厚tとを定めることは,オレンジピール効果を効果的に抑制する。
当該MRAMの製造工程を簡素化するためには,第1ピン層と第2ピン層とは,同一の材料で形成され,前記Mと前記Mとは,実質的に等しいことが好ましい。
また,下記式:
>M
が成立することは,オレンジピール効果を実質的に0にすることを可能にする点で好適である。
以上の構成は,スペーサ層が,非磁性体,且つ,絶縁体である材料で形成され,スペーサ層の厚さは,厚さ方向にトンネル電流が流れる程度に薄い場合に,即ち,MTJがメモリセルに使用される場合に特に好適である。なぜなら,MTJがメモリセルに使用される場合,スペーサ層の膜厚が薄く,オレンジピール効果の影響が大きい。上記のMRAMの構成は,MTJが使用され,従って,オレンジピール効果が大きいメモリセルのオフセット磁場を効果的に抑制可能である。
以上に説明されているように,本発明は,MRAMのメモリセルのオフセット磁場をより効果的に減少させる。
また,本発明は,MRAMのメモリセルの内部の全体について,オフセット磁場を均一に減少する。
また,本発明は,MRAMの製造バラツキが,該MRAMのメモリセルのオフセット磁場の解消に与える悪影響を抑制する。
図1は,従来のMRAMを示す断面図である;
図2Aは,理想的なメモリセルの抵抗の特性を示す;
図2Bは,現実のメモリセルの抵抗の特性を示す;
図3は,オレンジピール効果によるオフセット磁場を示す;
図4は,静磁カップリング効果によるオフセット磁場を示す;
図5は,従来のMRAMを示す断面図である;
図6A及び6Bは,静磁カップリング効果によるオフセット磁場のメモリセル内での不均一性を説明する図である;
図7は,本発明によるMRAMの実施の第1形態を示す断面図である;
図8は,本発明によるMRAMの実施の第1形態を示す平面図である;
図9は,オレンジピール効果によるオフセット磁場を示すグラフである;
図10は,第1ピン層7がフリー層11に及ぼすオレンジピール効果を説明する図である;
図11は,本発明によるMRAMの実施の第2形態を示す断面図である;
図12は,本発明によるMRAMの実施の第2形態を示す平面図である;そして
図13は,本発明によるMRAMの実施の第2形態を示す拡大断面図である。
以下,添付図面を参照しながら,本発明によるMRAMの実施の形態を説明する。
(実施の第1形態)
図7は,本発明の実施の第1形態のMRAMの構造を示している。当該構造の理解を助けるために,図7に示されているMRAMの構造の縦横の比率は,実際のMRAMの比率と異なっていることに留意されたい。
実施の第1形態のMRAMは,基板1と下部電極2とを備えている。下部電極2は,基板1の上に形成されている。下部電極2は,メタルリード層3,シード層4,及び反強磁性層5を含む。メタルリード層3は,典型的には,Al,又はCuで形成される。シード層4は,典型的には,Ta膜,又は,Ta膜とRu膜の積層膜で形成される。反強磁性層5は,反強磁性体,典型的には,FeMn,IrMn,又はPtMnで形成される。
下部電極2の上に,積層フェリ固定層6が形成されている。積層フェリ固定層6は,第1ピン層7と,第2ピン層9と,これらの間に介設されている非磁性体スペーサ層8とを含む。第1ピン層7と,第2ピン層9とは,強磁性体で形成され,従って,それぞれに自発磁化を有している。第1ピン層7と,第2ピン層9とは,典型的には,CoFe,NiFe,又はNiFeCoで形成される。非磁性体スペーサ層8は,導電性の非磁性体,典型的には,Ruで形成される。
第1ピン層7は,反強磁性層5の上に形成され,第1ピン層7が有する自発磁化は,第1ピン層7と反強磁性層5との間の交換結合により,−x方向に向けて固定される。既述のシード層4は,反強磁性層5と第1ピン層7との間の交換結合特性を改善する作用を有している。良好な交換結合特性を得るためには,反強磁性層5と第1ピン層7との形成後に,数百エルステッド以上の磁場の中で,交換結合が消失するブロッキング温度以上の温度で熱処理が行われることが好ましい。反強磁性膜5としてIrMnが用いられる場合,250〜300℃で,1時間の熱処理が行われることが好ましい。
第2ピン層9が有する自発磁化は,第1ピン層7と第2ピン層9との間の反強磁性的な交換結合により,+x方向に向けられて固定される。第1ピン層7と第2ピン層9とが有する自発磁化の向きは逆である。第1ピン層7と第2ピン層9との間の反強磁性的な交換結合を強くするために,非磁性体スペーサ層8の膜厚は,10Å以下に抑えられる。
このような構成を有する積層フェリ固定層6の特性を良好にするためには,積層フェリ固定層6の形成の後,10000エルステッド以上の磁場中で,250〜300℃の温度で熱処理が行われることが好ましい。
積層フェリ固定層6の第2ピン層9の上には,絶縁バリア層10が形成される。絶縁バリア層10は,典型的には,酸化アルミニウム(Al)で形成される。絶縁バリア層10は,膜厚方向に(即ち,基板1に垂直な方向に)トンネル電流が流れるように薄く形成される。絶縁バリア層10の膜厚は,典型的には,1〜5nmである。
図8に示されているように,下部電極2,積層フェリ固定層6,及び絶縁バリア層10は,x軸方向に延伸するように配設される。
図7に示されているように,絶縁バリア層10の上には,複数のフリー層11が形成される。フリー層11は,強磁性体で形成され,従って,自発磁化を有している。フリー層11の自発磁化は,反転可能である。フリー層11は,x軸方向に細長くなるように形成され,フリー層11の自発磁化は,+x方向,及び−x方向に向くことが許されている。フリー層11は,積層フェリ固定層6の端に生成される磁極6a,6bが発生する磁場が,フリー層11を実質的に鎖交しないように,積層フェリ固定層6の端6a,6bから充分に離される。
一のフリー層11と,絶縁バリア層10と,積層フェリ固定層6の第2ピン層9とは,それぞれにMTJ(Magnetic Tunnel Junction)を形成し,一のMTJは,一のメモリセルとして使用される。メモリセルに書き込まれるデータは,フリー層11の自発磁化の向きとして記憶される。TMR効果(Tunnel Magneto−Resistance効果)により,フリー層11の自発磁化の向き,即ち,メモリセルに書き込まれるデータは,MTJの抵抗(即ち,メモリセルの抵抗)に影響を及ぼす。MTJの抵抗の変化を利用して,メモリセルに記憶されているデータが判別される。
複数のフリー層11の上には,上部電極12がそれぞれに形成される。上部電極12は,キャップ層13とメタルリード層14とを含む。キャップ層13は,典型的には,Taで形成され,メタルリード層14は,典型的には,Al,Cuで形成される。
本実施の形態のMRAMは,オレンジピール効果と静磁カップリング効果とを互いに相殺するのではなく,積層フェリ固定層6がフリー層11に及ぼすオレンジピール効果と静磁カップリング効果との両方を積極的に小さくし,実質的に0にすることによって,メモリセルのオフセット磁場を解消する。オレンジピール効果と静磁カップリング効果とによってフリー層11に印加される磁場が小さい,又は,実質的に0であることは,オレンジピール効果と静磁カップリング効果のバラツキに起因するメモリセルのオフセット磁場の発生の問題を効果的に解消する。
積層フェリ固定層6がフリー層11に与えるオレンジピール効果を実質的に0にすることは,第2ピン層9がフリー層11に与えるオレンジピール効果を,第1ピン層7がフリー層11に与えるオレンジピール効果で相殺することによって達成されている。それぞれの非平坦性に起因して,第1ピン層7と第2ピン層9とは,それぞれに,オレンジピール効果をフリー層11に与える。第1ピン層7と第2ピン層9とが有する自発磁化は逆方向を向いているから,第1ピン層7と第2ピン層9とがオレンジピール効果によって与える磁場は,逆向きである。従って,第1ピン層7と第2ピン層9とがオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場の大きさを実質的に一致させることにより,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を実質的に0にすることが可能である。
第2ピン層9がフリー層11に与えるオレンジピール効果の,第1ピン層7がフリー層11に与えるオレンジピール効果による相殺は,第1ピン層7の磁化M,第1ピン層7の膜厚t,第2ピン層9の磁化M,及び第2ピン層9の膜厚tとの間の関係の最適化によって達成される。好適な磁化M,M,及び膜厚t,tの関係が以下で導かれる。
一の強磁性体膜が受けるオレンジピール効果は,該一の強磁性体膜と該オレンジピール効果を及ぼす他の強磁性体膜との距離が近い程大きく,且つ,該他の強磁性体膜の磁化が大きいほど大きい。従って,第2ピン層9よりもフリー層11から離れている第1ピン層7の磁化Mを,第2ピン層9の磁化Mよりも大きくすることによって,第1ピン層7と第2ピン層9とがオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場の大きさを一致させ,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を実質的に0にすることができる。
第1ピン層7の磁化Mを,第2ピン層9の磁化Mよりも大きくすることは,オレンジピール効果の抑制の観点では好ましいが,MRAMの製造プロセスを簡素化する観点からは好ましくない。MRAMの製造プロセスを簡素化するためには,第1ピン層7と第2ピン層9とを同一の材料で形成することが好適であり,この場合,第1ピン層7の磁化Mと第2ピン層9の磁化Mとは,実質的に一致することになる。
しかし,第1ピン層7の磁化Mと第2ピン層9の磁化Mとが実質的に一致する場合でも,第1ピン層7の膜厚tと,第2ピン層9の膜厚tとを最適化することにより,積層フェリ固定層6がフリー層11に与えるオレンジピール効果を抑制し,実質的に0にすることが可能である。以下では,その理論的考察が行われる。
J.C.S.Kools等は,上述の従来技術で言及した論文において,2つの強磁性体膜が周期的に波打っている系においてオレンジピール効果によって発生するオフセット磁場HOffを算出し,開示している。Kools等のモデルによると,該オフセット磁場HOffは,近似的に,下記式:
Figure 0004595541
によって算出される。ここで,hは,強磁性体膜が波打つ振幅,λは,強磁性体膜が波打つ周期,tは,オレンジピール効果を受ける強磁性体膜の膜厚,tAlOは,強磁性体膜の間に介設される非磁性膜の膜厚,tは,オレンジピール効果を与える強磁性体膜の膜厚,Mは,オレンジピール効果を与える強磁性体膜の磁化である。Kools等のモデルを積層フェリ固定層6に適用できるように拡張すると,フリー層11が積層フェリ固定層6からオレンジピール効果によって受けるオフセット磁場の大きさHOFFは,下記式:
Figure 0004595541
で表される。ここで,hは,第1ピン層7,第2ピン層9,及びフリー層11が波打つ振幅,λは,これらの層が波打つ周期,tは,非磁性体スペーサ層8の膜厚,tは,フリー層11の膜厚,tAlOは,絶縁バリア層10の膜厚,tは,第1ピン層7の膜厚,tは,第2ピン層9の膜厚,Mは,第1ピン層7及び第2ピン層9の磁化の大きさであり,M及びMに等しい。
図9は,第2ピン層9の厚さtをパラメータとして,t/tとオフセット磁場の大きさHOFFとの関係を示すグラフである。但し,該グラフは,hは,7Å,λは180Å,tAlOは,15Åとして作成されている。図9に示されているように,tが10Å以下とし,t/tを約4.5にすることにより,フリー層11が積層フェリ固定層6からオレンジピール効果によって受けるオフセット磁場の大きさHOFFを実質的に0にすることが可能である。他の条件においても,第1ピン層7の膜厚tと,第2ピン層9の膜厚tとを最適化することにより,オレンジピール効果によるオフセット磁場の大きさHOFFを実質的に0にすることが可能である。
但し,MRAMの設計上の他の要因により,積層フェリ固定層6がフリー層11に及ぼすオレンジピール効果を実質的に0にすることが好適でない場合が有り得る。この場合でも,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,積極的に減少されることが好ましい。積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,10(Oe)以下に抑制されることが好適である。積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を,10(Oe)以下にすることは,第1ピン層7の磁化M,第1ピン層7の膜厚t,第2ピン層9の磁化M,及び第2ピン層9の膜厚tとの間の関係を最適化することによって達成することが可能である。
より詳細には,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,M/Mを大きくすることによって減少することが可能である。既述の通り,第1ピン層7と第2ピン層9とがそれぞれ有する自発磁化の向きは逆であり,且つ,第1ピン層7は,フリー層11からの距離が第2ピン層9よりも遠い。オレンジピール効果によってフリー層11に与えられる磁場の大きさは,オレンジピール効果を作用させる強磁性体膜とフリー層11との距離が大きいほど小さから,MをMよりも大きくすることにより,即ち,M/Mを大きくすることによって積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を小さくすることができる。
更に,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,t/tを増加することによって減少させることも可能である。図10は,その理由を説明する図である。第2ピン層9の膜厚tが小さいほど,第1ピン層7と第2ピン層9とがオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場の大きさは近い値になる。既述の通り,第1ピン層7と第2ピン層9とがオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場の向きは反対であるから,第2ピン層9の膜厚tが小さいほど,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,小さくなる。
一方,第1ピン層7の膜厚tが大きいほど,第2ピン層9がオレンジピール効果によってフリー層11に加える磁場を,第1ピン層7がオレンジピール効果によってフリー層11に加える磁場によって打ち消す効果は大きくなる。その理由は以下の通りである。第2ピン層9がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場Hは,第2ピン層9が非磁性スペーサ層8に接合する界面に発生する磁極が生成する磁場と,第2ピン層9が絶縁バリア層10に接合する界面に発生する磁極が生成する磁場との合成磁場である。後者の磁場の方が強いため,合成磁場Hの向きは,第2ピン層9が有する自発磁化の向きに一致する。
一方,第1ピン層7がオレンジピール効果によってフリー層11に加える磁場は,
(1)第1ピン層7が反強磁性層5に接合する界面7aに発生する磁極m1b
(2)第1ピン層7が非磁性スペーサ層8に接合する界面7bに発生する磁極m1t
によって発生される。磁極m1tが発生する磁場H1tは,第2ピン層9がフリー層11にオレンジピール効果によって与える磁場Hを打ち消す作用を有する一方,磁極m1bが発生する磁場H1bは,磁場Hと同一の方向であり,フリー層11のオフセット磁場を増加する作用を有する。従って,磁極m1bが発生する磁場H1bは,フリー層11に印加されないことが望ましい。第1ピン層7の膜厚t1が大きいほど,磁極m1bがフリー層11に印加する磁場H1bは小さくなり,ゆえに,第2ピン層9がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を打ち消す磁極m1tの作用が強くなる。従って,第2ピン層9がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を,第1ピン層7がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場によって打ち消す効果は,第1ピン層7の膜厚tが大きいほど大きくなる。
このように,第1ピン層7の膜厚tが大きく,第2ピン層9の膜厚tが小さい程,即ち,t/tが大きいほど,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,小さくなる。
/Mとt/tとが,それぞれに大きいほど,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を小さくすることができるが,M/Mとt/tとは,下記式:
Figure 0004595541
が成立する程度に大きくされることが好適である。式(3)が成立する程度にM/Mとt/tとが大きくされることにより,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場を効果的に小さくすることができる。
このとき,上述と同様に,MRAMの製造プロセスを簡素化するためには,第1ピン層7と第2ピン層9とを同一の材料で形成することが好適である。この場合,第1ピン層7の磁化Mと第2ピン層9の磁化Mとは,実質的に一致することになる。MとMとが実質的に一致される場合,第1ピン層7の膜厚tを第2ピン層9の膜厚tよりも大きくすることによって,即ち,t>tとすることによって,式(3)を成立させることが可能である。
一方,積層フェリ固定層6が,静磁カップリング効果によってフリー層11に加える磁場の抑制は,図8に示されているように,積層フェリ固定層6を,充分にx軸方向に充分に長く延設し,フリー層11を積層フェリ固定層6の端6a,6bから充分に離れるようにすることによって達成されている。フリー層11は,積層フェリ固定層6の端6a,6bに生成される磁極が発生する磁場がフリー層11を実質的に鎖交しない程度に,積層フェリ固定層6の端6a,6bから離される。静磁カップリング効果は,端6a,6bに生成される磁極によって引き起こされるから,積層フェリ固定層6の端6a,6bをフリー層11から充分に離すことにより,積層フェリ固定層6がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果を実質的に0にすることができる。
但し,MRAMの設計上の他の要因により,積層フェリ固定層6がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果を実質的に0にすることが好適でない場合が有り得る。この場合でも,積層フェリ固定層6が,静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場が積極的に小さくされ,好適には,10(Oe)以下にされることが好ましい。積層フェリ固定層6の端6a,6bとフリー層11との距離を適切に大きくすることにより,積層フェリ固定層6が,静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場を10(Oe)以下にすることは容易に実現可能である。
以上に説明されているように,本実施の形態のMRAMでは,積層フェリ固定層6に含まれる第1ピン層7の磁化M,及び膜厚t,並びに第2ピン層9の磁化M,及び膜厚tの最適化により,積層フェリ固定層6がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場の大きさが実質的に0にされ,又は,10(Oe)以下にされる。更に,積層フェリ固定層6の端6a,6bをフリー層11から充分に離すことにより,積層フェリ固定層6が静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場の大きさが実質的に0にされ,又は,10(Oe)以下にされる。これらにより,メモリセルのオフセット磁場が,効果的に減少されている。積層フェリ固定層6がオレンジピール効果と静磁カップリング効果とによってフリー層11に及ぼす磁場がそれぞれに小さくされているから,製造バラツキによる影響は少なく,更に,メモリセルの内部における不均一性も抑制される。
(実施の第2形態)
図11は,本発明によるMRAMの実施の第2形態を示す。理解を容易にするために,図11に示されているMRAMの構造の縦横の比率は,実際のMRAMと異なっていることに留意されたい。
実施の第2形態のMRAMでは,実施の第1形態の積層フェリ固定層6と異なる構造を有する積層フェリ固定層6’により,オレンジピール効果と静磁カップリング効果との抑制が行われている。
実施の第2形態のMRAMに採用される積層フェリ固定層6’は,一の第1ピン層7’と,複数の非磁性体スペーサ層8’と,非磁性体スペーサ層8’の上にそれぞれに形成されている第2ピン層9’とを含む。第1ピン層7’と第2ピン層8’とは,強磁性体で形成され,従って,それぞれに自発磁化を有している。第1ピン層7’と,第2ピン層9’とは,典型的には,CoFe,NiFe,又はNiFeCoで形成される。非磁性体スペーサ層8’は,導電性の非磁性体,典型的には,Ruで形成される。
第1ピン層7’は,反強磁性層5の上に形成され,第1ピン層7’が有する自発磁化は,第1ピン層7と反強磁性層5との間の交換結合により,−x方向に向けて固定される。第2ピン層9’が有する自発磁化は,第1ピン層7’と第2ピン層9’との間の反強磁性的な交換結合により,+x方向に向けられて固定される。第1ピン層7’と第2ピン層9’とが有する自発磁化の向きは逆である。
第1ピン層7’は,反強磁性層5の上に形成されている第1部分7a’と,第2部分7b’とから構成されている。第1部分7a’は,x軸方向に延伸するように配設され,第1部分7a’の端は,フリー層11から充分に離されて形成されている。
第1部分7a’の上には,複数の第2部分7b’が設けられる。第2ピン層9’のそれぞれに対して一の第2部分7b’が設けられる。第2部分7b’の上には,非磁性体スペーサ層8’が形成され,非磁性体スペーサ層8’の上には,第2ピン層9’が形成される。第2ピン層9’の上には,絶縁バリア層10,フリー層11,及び上部電極12が順次に形成される。
第2部分7b’,非磁性体スペーサ層8’,第2ピン層9’,絶縁バリア層10,フリー層11,及び上部電極12は,自己整合的にエッチングされて形成されている。従って,基板1の表面に垂直な方向からみて,第2ピン層9’と第2部分7b’とは,同一の形状を有し,且つ,位置整合している。
実施の第2形態でも,実施の第1形態のMRAMと同様に,積層フェリ固定層6’がフリー層11に及ぼすオレンジピール効果と静磁カップリング効果とを積極的に小さくし,実質的に0にすることによって,メモリセルのオフセット磁場が抑制され,解消されている。
積層フェリ固定層6’がフリー層11に及ぼすオレンジピール効果の抑制は,実施の第1形態と同様に,第1ピン層7’の膜厚t及び磁化M,並びに,第2ピン層9’の膜厚t及び磁化Mの最適化により達成されている。ここで,実施の第2形態の第1ピン層7’の膜厚tとは,第1部分7a’の膜厚t1bと,第2部分7b’の膜厚t1tとの和を意味する。積層フェリ固定層6’がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,積極的に減少され,好適には10(Oe)以下に,最も好適には,実質的に0に抑制される。
既述のように,M>Mとすることにより,又は,M=Mとする場合でも,膜厚t,tを最適化することにより,積層フェリ固定層6’がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場は,実質的に0にすることが可能である。
更に,積層フェリ固定層6’がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場が実質的に0にされない場合には,式(3)が成立するように,第1ピン層7’の膜厚t及び磁化M,並びに,第2ピン層9’の膜厚t及び磁化Mが定められることにより,積層フェリ固定層6’がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場が抑制される。製造工程の簡便化の観点から第1ピン層7’と第2ピン層9’とに同一の材料が採用され,磁化M,Mが実質的に同一にされる場合には,t>tが成立するように,第1ピン層7’の膜厚tと第2ピン層9’の膜厚tとが定められる。
一方,静磁カップリング効果の抑制は,第1ピン層7’の第1部分7a’と第2部分7b’との構造の最適化によって行われる。図12に示されているように,第1部分7a’は,第1部分7a’の端7c’,7d’がフリー層11から充分に離れるように,x軸方向に長く延設される。より詳細には,第1部分7a’の端7c’,7d’は,端7c’,7d’に生成される磁極が発生する磁場が,フリー層11を実質的に鎖交しないように,フリー層11から充分に離される。
第2部分7b’は,図13に示されているように,第2ピン層9’がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果を,第2部分7b’がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果によって相殺するように形成される。より具体的には,第2部分7b’の膜厚t1tは,実質的に(M/M)・tに一致するように形成される。このように膜厚t1tが定められた第2部分7b’は,第2ピン層9’がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果を相殺し,これにより,積層フェリ固定層6’が静磁カップリング効果によってフリー層11に及ぼす磁場を実質的に0にすることを可能にする。第2部分7b’の端7e’,7f’に生成される磁極が発生する磁場H1tcの大きさは,M・t1tに比例する。一方,第2ピン層9’の端9a’,9b’に生成される磁極が発生する磁場H2cの大きさは,M・tに比例する。既述のように,磁化Mと磁化Mとの向きは逆であるから,磁場H1tcと磁場H2cとの向きも逆である。従って,第2部分7b’の膜厚t1tを(M/M)・tに実質的に一致させることにより,磁場H1tcと磁場H2cとの大きさを実質的に一致させ,これにより,第2ピン層9’がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果を,第2部分7b’がフリー層11に及ぼす静磁カップリング効果によって相殺することが可能である。
上記のように第1部分7a’と第2部分7b’との構造を最適化することにより,積層フェリ固定層6’が静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場を実質的に0にすることができる。積層フェリ固定層6’が静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場が実質的に0にされない場合でも,第2部分7b’の膜厚t1tを(M/M)・tの近傍に定めることにより,積層フェリ固定層6’が静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場を容易に10(Oe)以下にすることができる。
以上に説明されているように,実施の第2形態のMRAMでは,積層フェリ固定層6’に含まれる第1ピン層7’の磁化M,及び膜厚t,並びに第2ピン層9’の磁化M,及び膜厚tの最適化により,積層フェリ固定層6’がオレンジピール効果によってフリー層11に与える磁場の大きさが実質的に0にされ,又は,10(Oe)以下にされる。更に,第1ピン層7’の第1部分7a’と第2部分7b’との構造の最適化により,積層フェリ固定層6’が静磁カップリング効果によってフリー層11に与える磁場の大きさが実質的に0にされ,又は,10(Oe)以下にされる。これらにより,メモリセルのオフセット磁場が,効果的に減少されている。積層フェリ固定層6’がオレンジピール効果と静磁カップリング効果とによってフリー層11に及ぼす磁場がそれぞれに小さくされているから,製造バラツキによる影響は少なく,更に,メモリセルの内部における不均一性も抑制される。

Claims (8)

  1. 反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,
    積層フェリ固定層と,
    非磁性体で形成され,前記フリー層と前記積層フェリ固定層との間に介設されたスペーサ層
    とを備え,
    前記積層フェリ固定層は,
    第1方向に向けて固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,
    前記第1方向とは反対の第2方向に向けて固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層
    とを含み,
    前記第1ピン層は,
    前記第1方向に延伸するように配設された第1部分と,
    前記第1部分の上に,当該磁気ランダムアクセスメモリが形成される基板の表面に垂直な方向において,前記第2ピン層と位置整合するように形成された第2部分
    とを備え
    記第1固定自発磁化の大きさをMとし,前記第2固定自発磁化の大きさをMとし,前記第2ピン層の厚さをtとしたとき,前記第2部分が(/M)・tの厚さを有す
    気ランダムアクセスメモリ。
  2. 反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,
    積層フェリ固定層と,
    前記フリー層と前記積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層
    とを備え,
    前記積層フェリ固定層は,
    第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,
    前記フリー層と前記第1ピン層との間に設けられ,前記第1方向と反対の第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層
    とを含み,
    前記第1ピン層は,
    前記第1方向及び前記第2方向に延伸するように配設された第1部分と,
    前記第1部分の上に,当該磁気ランダムアクセスメモリが形成される基板の表面に垂直な方向において前記第2ピン層と位置整合するように形成された第2部分
    とを含み,
    前記第1固定自発磁化の大きさをMとし,前記第2固定自発磁化の大きさをMとし,前記第2ピン層の厚さをtとしたとき,
    前記第2部分は,(/M)・tの厚さを有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,
    積層フェリ固定層と,
    前記フリー層と前記積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層
    とを備え,
    前記積層フェリ固定層は,
    第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,
    前記スペーサ層と前記第1ピン層との間に設けられ,前記第1方向と反対の第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層
    とを含み,
    前記第1固定自発磁化の大きさと,前記第2固定自発磁化の大きさと,前記第1ピン層の膜厚と,前記第2ピン層の膜厚とは,前記積層フェリ固定層がオレンジピール効果によって前記フリー層に与える磁場の大きさと,前記積層フェリ固定層が静磁カップリング効果によって前記フリー層に与える磁場との大きさが,いずれも,10(Oe)以下であるように定められた
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 反転可能な自由自発磁化を有するフリー層と,
    積層フェリ固定層と,
    前記フリー層と前記積層フェリ固定層との間に介設される非磁性のスペーサ層
    とを備え,
    前記積層フェリ固定層は,
    第1方向に固定された第1固定自発磁化を有する第1ピン層と,
    前記スペーサ層と前記第1ピン層との間に設けられ,前記第1方向と反対の第2方向に固定された第2固定自発磁化を有する第2ピン層
    とを含み,
    前記第1固定自発磁化の大きさMと,前記第2固定自発磁化の大きさMと,前記第1ピン層の膜厚tと,前記第2ピン層の膜厚tとは,下記式:
    Figure 0004595541
    が成立するように定められた
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 請求の範囲第項に記載の磁気ランダムアクセスメモリにおいて,
    前記Mと前記M 等しい
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 請求の範囲第項に記載の磁気ランダムアクセスメモリにおいて,
    前記第1ピン層と前記第2ピン層とは,同一の材料で形成されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 請求の範囲第項に記載の磁気ランダムアクセスメモリにおいて,
    下記式:
    >M
    が成立する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 請求の範囲第1項から第項までのいずれか一に記載の磁気ランダムアクセスメモリにおいて,
    前記スペーサ層は,非磁性体,且つ,絶縁体である材料で形成され,
    前記スペーサ層の厚さは,厚さ方向にトンネル電流が流れる程度に薄い
    磁気ランダムアクセスメモリ。
JP2004519245A 2002-07-09 2003-07-03 磁気ランダムアクセスメモリ Expired - Lifetime JP4595541B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002200562 2002-07-09
JP2002200562 2002-07-09
PCT/JP2003/008460 WO2004006335A1 (ja) 2002-07-09 2003-07-03 磁気ランダムアクセスメモリ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2004006335A1 JPWO2004006335A1 (ja) 2005-11-10
JP4595541B2 true JP4595541B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=30112517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004519245A Expired - Lifetime JP4595541B2 (ja) 2002-07-09 2003-07-03 磁気ランダムアクセスメモリ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7126201B2 (ja)
JP (1) JP4595541B2 (ja)
CN (1) CN100461419C (ja)
AU (1) AU2003246251A1 (ja)
WO (1) WO2004006335A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11264565B2 (en) 2019-04-11 2022-03-01 Tohoku University Magnetoresistance effect element and magnetic memory

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004128237A (ja) * 2002-10-03 2004-04-22 Sony Corp 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
KR100719345B1 (ko) * 2005-04-18 2007-05-17 삼성전자주식회사 자기 기억 장치의 형성 방법
US7777261B2 (en) * 2005-09-20 2010-08-17 Grandis Inc. Magnetic device having stabilized free ferromagnetic layer
US7973349B2 (en) 2005-09-20 2011-07-05 Grandis Inc. Magnetic device having multilayered free ferromagnetic layer
US8063459B2 (en) * 2007-02-12 2011-11-22 Avalanche Technologies, Inc. Non-volatile magnetic memory element with graded layer
US8535952B2 (en) * 2006-02-25 2013-09-17 Avalanche Technology, Inc. Method for manufacturing non-volatile magnetic memory
US8084835B2 (en) * 2006-10-20 2011-12-27 Avalanche Technology, Inc. Non-uniform switching based non-volatile magnetic based memory
US8058696B2 (en) * 2006-02-25 2011-11-15 Avalanche Technology, Inc. High capacity low cost multi-state magnetic memory
US20070253245A1 (en) * 2006-04-27 2007-11-01 Yadav Technology High Capacity Low Cost Multi-Stacked Cross-Line Magnetic Memory
US8183652B2 (en) * 2007-02-12 2012-05-22 Avalanche Technology, Inc. Non-volatile magnetic memory with low switching current and high thermal stability
US8018011B2 (en) * 2007-02-12 2011-09-13 Avalanche Technology, Inc. Low cost multi-state magnetic memory
US8508984B2 (en) * 2006-02-25 2013-08-13 Avalanche Technology, Inc. Low resistance high-TMR magnetic tunnel junction and process for fabrication thereof
US7732881B2 (en) * 2006-11-01 2010-06-08 Avalanche Technology, Inc. Current-confined effect of magnetic nano-current-channel (NCC) for magnetic random access memory (MRAM)
US20080246104A1 (en) * 2007-02-12 2008-10-09 Yadav Technology High Capacity Low Cost Multi-State Magnetic Memory
JP4952053B2 (ja) * 2006-05-19 2012-06-13 Tdk株式会社 磁気記憶装置
US7957179B2 (en) 2007-06-27 2011-06-07 Grandis Inc. Magnetic shielding in magnetic multilayer structures
US7982275B2 (en) * 2007-08-22 2011-07-19 Grandis Inc. Magnetic element having low saturation magnetization
US8802451B2 (en) 2008-02-29 2014-08-12 Avalanche Technology Inc. Method for manufacturing high density non-volatile magnetic memory
US7894248B2 (en) 2008-09-12 2011-02-22 Grandis Inc. Programmable and redundant circuitry based on magnetic tunnel junction (MTJ)
US8711612B1 (en) * 2010-12-03 2014-04-29 Magsil Corporation Memory circuit and method of forming the same using reduced mask steps
US8705212B2 (en) * 2011-04-25 2014-04-22 Seagate Technology Llc Magnetic element with enhanced coupling portion
US8755154B2 (en) 2011-09-13 2014-06-17 Seagate Technology Llc Tuned angled uniaxial anisotropy in trilayer magnetic sensors
US8804413B2 (en) 2012-02-07 2014-08-12 Qualcomm Incorporated Multi-free layer MTJ and multi-terminal read circuit with concurrent and differential sensing
US8809827B1 (en) * 2013-03-13 2014-08-19 International Business Machines Corporation Thermally assisted MRAM with multilayer strap and top contact for low thermal conductivity
KR101470913B1 (ko) * 2013-05-20 2014-12-09 한국과학기술원 공유층을 구비한 mtj소자 어레이 및 이의 제조방법
US9515251B2 (en) 2014-04-09 2016-12-06 International Business Machines Corporation Structure for thermally assisted MRAM
KR102601744B1 (ko) * 2022-07-05 2023-11-10 한양대학교 에리카산학협력단 고속 고에너지효율 자기터널접합 소자

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000332318A (ja) * 1998-06-30 2000-11-30 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気記録装置
JP2001068761A (ja) * 1999-07-19 2001-03-16 Motorola Inc 改善された磁場応答特性を有する磁性素子およびその製造方法
US6205052B1 (en) * 1999-10-21 2001-03-20 Motorola, Inc. Magnetic element with improved field response and fabricating method thereof
JP2001119082A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Canon Inc 磁気抵抗素子
JP2001250999A (ja) * 1999-12-17 2001-09-14 Motorola Inc 二重磁気状態を有する磁気エレメントおよびその製造方法
US6418048B1 (en) * 2001-08-15 2002-07-09 Read-Rite Corporation Spin-dependent tunneling sensor suitable for a magnetic memory
JP2003078185A (ja) * 2001-09-03 2003-03-14 Nec Corp 強磁性トンネル接合構造及びその製造方法並びに該強磁性トンネル接合を用いた磁気メモリ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10188235A (ja) 1996-12-26 1998-07-21 Nec Corp 磁気抵抗効果膜及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000332318A (ja) * 1998-06-30 2000-11-30 Toshiba Corp 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気記録装置
JP2001068761A (ja) * 1999-07-19 2001-03-16 Motorola Inc 改善された磁場応答特性を有する磁性素子およびその製造方法
JP2001119082A (ja) * 1999-10-20 2001-04-27 Canon Inc 磁気抵抗素子
US6205052B1 (en) * 1999-10-21 2001-03-20 Motorola, Inc. Magnetic element with improved field response and fabricating method thereof
JP2001250999A (ja) * 1999-12-17 2001-09-14 Motorola Inc 二重磁気状態を有する磁気エレメントおよびその製造方法
US6418048B1 (en) * 2001-08-15 2002-07-09 Read-Rite Corporation Spin-dependent tunneling sensor suitable for a magnetic memory
JP2003078185A (ja) * 2001-09-03 2003-03-14 Nec Corp 強磁性トンネル接合構造及びその製造方法並びに該強磁性トンネル接合を用いた磁気メモリ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11264565B2 (en) 2019-04-11 2022-03-01 Tohoku University Magnetoresistance effect element and magnetic memory

Also Published As

Publication number Publication date
CN1669147A (zh) 2005-09-14
WO2004006335A1 (ja) 2004-01-15
US7126201B2 (en) 2006-10-24
JPWO2004006335A1 (ja) 2005-11-10
US20050242407A1 (en) 2005-11-03
AU2003246251A1 (en) 2004-01-23
CN100461419C (zh) 2009-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4595541B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ
JP4400037B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ,及びその製造方法
US6404674B1 (en) Cladded read-write conductor for a pinned-on-the-fly soft reference layer
JP5143444B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、それを用いた磁気メモリセル及び磁気ランダムアクセスメモリ
JP3863536B2 (ja) 磁気ランダムアクセスメモリ及びその磁気ランダムアクセスメモリのデータ書き込み方法
US7848137B2 (en) MRAM and data read/write method for MRAM
US8362581B2 (en) Magnetic memory element and magnetic memory device
US20120155156A1 (en) Method and system for providing magnetic tunneling junction elements having improved performance through capping layer induced perpendicular anisotropy and memories using such magnetic elements
US7616475B2 (en) Memory element and memory
JP3699954B2 (ja) 磁気メモリ
JP2009509357A (ja) 安定化させた強磁性自由層または強磁性自由層積層構造を有する磁性素子
JP2002520873A (ja) 低切替磁界磁性トンネル接合
JP2010522978A (ja) 磁気トンネル接合を備えた磁気メモリ
WO2007047311A2 (en) Spin transfer based magnetic storage cells utilizing granular free layers and magnetic memories using such cells
JP2009252878A (ja) 磁気記憶装置
JP2008211008A (ja) 磁気抵抗効果素子及び磁気メモリ装置
JP2018093059A (ja) スピン流磁化反転素子、磁気抵抗効果素子および磁気メモリ
JP6427396B2 (ja) 磁気抵抗素子及び磁気メモリ
US8427866B2 (en) Magnetic storage element and magnetic storage device
JP2008171862A (ja) 磁気抵抗効果素子及びmram
JP2002353417A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置
JP2001217479A (ja) 磁気トンネル接合素子及びそれを用いた磁気メモリ
JP2011253884A (ja) 磁気記憶装置
JP2001230468A (ja) 磁気トンネル接合素子及びそれを用いた磁気メモリ
JP2002353418A (ja) 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100802

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4595541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term