JP2006253562A - 磁気抵抗効果素子、これを用いた磁界検出器、および磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、これを用いた磁界検出器、および磁気抵抗効果素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 トンネル磁気抵抗効果素子における固着層とトンネル絶縁層との界面の粗さのばらつきに起因する外部磁界に対する応答特性への影響を抑制する。
【解決手段】 磁気抵抗効果素子(1)は、固着層(9)と、トンネル絶縁層(10)と、トンネル絶縁層上に形成される自由層(11)を含む。自由層(11)と固着層との無磁界時の磁化方向は、好ましくは、実質的に相対角が90度をなしており、また、トンネル絶縁層は膜厚1.8nmから5nmの範囲の膜厚を有する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、磁気抵抗効果素子、特にトンネル磁気抵抗効果を利用する素子と、このトンネル磁気抵抗効果素子を用いた磁界検出器およびこの磁気抵抗効果素子の製造方法に関する。
近年、従来の巨大磁気抵抗(GMR:ジャイアント・マグネト・レジスタンス:Giant-Magneto-Resistance)効果に較べてより大きな抵抗変化率が得られるトンネル磁気抵抗(TMR:トンネリング・マグネト・レジスタンス:Tunneling-Magnet-Resistance)効果を有するTMR素子のメモリ装置および磁気ヘッド等への応用が検討されている。
TMR素子においては、2つの強磁性層の間に絶縁層を挟む強磁性/絶縁層/強磁性で構成される3層膜構造が用いられる。外部磁界により、この2つの強磁性層のスピンを互いに平行または反平行に設定することにより、この絶縁層を介して膜面垂直方向に流れるトンネル電流の大きさが変化することを利用する。
TMR素子のトンネル絶縁膜として作用する絶縁層は、2つの強磁性層間を電子がトンネリングすることのできる膜厚さであり、このTMR効果を発現することができる膜厚は、概ね5nm(ナノメータ)以下である。一般に、TMR素子のトンネル絶縁膜の製造方法としては、たとえば非特許文献1(S. Tehrani et al., "Recent Developments in Magnetic Tunnel Junction MRAM", IEEE Transaction on Magnetics, vol. 36, No. 5, September 2000, pp. 2752-2757) に示されるように、金属アルミニウム膜を高周波誘起酸素プラズマで酸化して酸化アルミニウム膜(Al23)膜を形成する方法が用いられる。したがって、膜が厚くなるほど均質に形成するのが困難である。この膜厚の不均質のため、一般に1.5nm以上の膜厚のAl23膜においては、TMR素子の抵抗変化率が減少する。上述の非特許文献1においては、膜厚11オングストローム(1.1nm)以下のアルミニュウムAlを用いてプラズマ酸化している。
この非特許文献1においては、過剰酸化状態では、トンネル絶縁膜下部の磁性体層の酸化が生じ、また過小酸化状態では、トンネル絶縁膜底部に金属状態のアルミニウムが残存することを示しており、アルミニュウムの膜厚および酸化時間を最適化する必要があることを示している。
しかしながら、トンネル絶縁膜が薄い場合には、一方で、ピンホールが形成されやすくなり、これに伴いトンネル現象と無関係なリーク電流が増大する。これらの理由により、TMR素子の製品応用においては、一般的に、上述の非特許文献1に示されるような1nm前後の膜厚のトンネル絶縁膜が用いられる。
また、TMR素子においては、2つの強磁性層のうち一方の強磁性層を反強磁性層と交換結合させて、この強磁性層の磁化を固定していわゆる固着層とし、他方の強磁性層の磁化を外部磁界で容易に反転することのできる自由層とするいわゆるスピンバルブ型構造が検討されている。
スピンバルブ型構造は、高感度な磁界検出器として用いることが可能である。すなわち、スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に外部から磁界が印加されると、固着層の磁化は固定されているため、自由層の磁化のみが外部印加磁界に応じて回転する。これに応じて、2つの強磁性層の磁化の相対角が変化し、磁気抵抗効果により素子抵抗が変化する。この抵抗値の変化を、たとえば定電流を素子に供給した状態で電圧の変化として検出する。この電圧変化が、印加磁界に応じて変化する信号として読出され、高感度の磁界検出を行なうことができる。スピンバルブ型磁気抵抗効果素子を用いた磁界検出器により外部磁界の大きさを高精度で検出するために、たとえば特許文献1(特公平8−21166号公報)において示されているように、無磁界(外部印加磁界が0の状態)において、固着層と自由層の磁化方向を直交化させる構成が知られている。
この特許文献1は、膜面内方向に電流を流すスピンバルブ型GMR素子を用いた技術を開示している。GMR素子は、一般的に、低抵抗であるため、大きな出力信号を得るためには、供給電流量を大きくする必要があり、応じて消費電力が大きくなるという問題がある。一方、TMR素子は、高抵抗かつ高抵抗変化率を実現することが可能であり、大出力かつ低消費電力の磁界検出器を実現することが可能である。
スピンバルブ型TMR素子においては、反強磁性膜の結晶配向性を向上させるために、一般に、基板側(下部電極側)に反強磁性膜を形成し、その膜厚は10nm以上とされている。このように反強磁性膜を厚くした場合、反強磁性膜表面の粗さ(凹凸)が増大し、平坦度が低下する。応じて、その上に形成されるトンネル絶縁層と固着層との界面の粗さが増大し、トンネル絶縁膜の膜厚の均一性が低下する。これにより、局所的に、自由層と固着層との磁気的な結合(静磁結合)が生じる。また、この固着層表面の粗さは、トンネル絶縁膜の不均質性を引き起こすため、素子抵抗および抵抗変化率を減少させる。
この固着層とトンネル絶縁層との界面の粗さを低減することを意図する構成が、例えば特許文献2(特開2002−204002号公報)に示されている。この特許文献2おいては、下部電極層上に下地層を形成し、その下地層の表面の凹凸を.01から.5nmに設定することにより、下地層上に形成される反強磁性層の表面の粗さを低減する。これにより、トンネル絶縁層と固着層との界面を明確にして固着層と自由層との間の静磁結合を低減して、磁気抵抗変化率を増大することを図る。
このような固着層とトンネル絶縁層との界面の粗さに起因して、自由層と固着層との磁気的結合が生じた素子においては、自由層の外部磁界に対する磁気応答特性が変化する。無磁界時において概ね固着層と自由層との磁化方向が直交する磁界検出用のTMR素子においては、固着層との磁気結合により自由層の磁気特性が変化した場合、磁界検出器の応答出力に、この自由層の磁気特性変化が反映される。したがって、この磁気特性変化が予め較正できていない場合には、この磁気特性変化による検出磁界誤差が生じる。
このような磁気応答特性の変化を補正する方法として、特許文献3(特開平7−169026号公報)において示されるように、固着層の磁化を制御することにより、固着層と自由層の静磁結合を低減する方法がある。この特許文献3に開示される方法では、固着層を強磁性層/非磁性層/強磁性層からなる3層構造として、これらの強磁性層を互いに反平行方向に磁化して反強磁性結合を実現する。この場合、固着層において2つの強磁性層の磁化方向が反平行方向であり、それぞれの発生する磁界が相殺され、自由層に対する静磁結合の影響が低減することが図られている。
また、非特許文献2(“Read Performance of Tunneling Magnetoresistive Heads”, K.Ishihara et al., IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, Vol.37, No.4, July 2001, pp.1687-1690)においては、磁気ヘッドとして利用されるTMR素子として、トンネル絶縁膜として膜厚0.7から0.85nmのアルミニウム酸化膜を利用する素子が示されている。このアルミニウム酸化膜は、金属アルミニウム膜の成膜後、導入された酸素により自然酸化して製造される。この非特許文献2においては、トンネル絶縁膜を薄くすることにより、低抵抗でかつMHz領域での1/fノイズを低減することのできる磁気ヘッドを実現することを図る。
特公平8−21166号公報 特開2002−204002号公報 特開平7−169026号公報(日本国特許第2786601号公報) "Recent Developments in Magnetic Tunnel Junction MRAM", S.Tehrani et al., IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, Vol.36, No.5, September 2000, pp.2752-2757. "Read Performance of Tunneling Magnetoresistive Heads", K.Ishihara et al., IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, Vol.37, No.4, July 2001, pp.1687-1690.
トンネル磁気抵抗効果素子を用いる磁界検出器においては、外部磁界に対する応答出力の変化は、先の特許文献2および3に示されるように、設計的には抑制することが可能である。しかしながら、製造工程のパラメータ変動に起因して個々の素子間で固着層/トンネル絶縁層界面の粗さにばらつきが生じた場合、個々の素子毎に応答出力の変化を調整することは不可能である。
上述の特許文献1から3ならびに非特許文献1および2においては、トンネル絶縁層の膜厚を薄くすることおよび固着層/トンネル絶縁層界面の平坦度を改善することを図る技術が示されているものの、実際の製造工程時において発生する個々の素子の膜厚、および膜質等のトンネル絶縁膜の結晶性に関するパラメータの変動に起因する応答特性の変動自体を抑制する技術は開示されていない。
それゆえ、この発明の目的は、トンネル絶縁膜膜厚等の素子パラメータが変動しても、トンネル抵抗効果素子における固着層/トンネル絶縁層界面の粗さに起因する固着層と自由層との磁気的結合の影響を抑制することのできる磁気抵抗効果素子、それを用いた磁界検出器およびこのような磁気抵抗効果素子を実現するための製造方法を提供することである。
この発明の他の目的は、外部磁界に対して安定な応答出力を生成することのできるトンネル磁気抵抗効果素子、これを用いた磁界検出器およびこの磁気抵抗効果素子の製造方法を提供することである。
この発明に係る磁気抵抗効果素子は、反強磁性層とこの反強磁性層により磁化方向が固定される磁性体層とを含む固着層と、外部印加磁界により磁化方向が変化しかつ外部無印加磁界の無磁界時においてはその磁化方向が固着層の磁化方向に対して平行および反平行以外の角度をなす磁性体層で構成される自由層と、これらの固着層および自由層の間に配置されかつ1.8nmから5nmの範囲の膜厚を有するトンネル絶縁層とを備える。
この発明に係る磁気抵抗効果素子の製造方法は、この発明に係る磁気抵抗素子の製造方法においてトンネル絶縁層を、金属膜を生成する第1のステップと、この金属膜に対してラジカルを用いて絶縁化処理を行なう第2のステップとを複数回繰返すステップを備える。
この発明に係る磁界検出器は、この発明に係る磁気抵抗効果素子またはこの発明したがって製造される磁気抵抗効果素子を複数個用いて構成されるブリッジ回路を備える。このブリッジ回路から検出磁界に応じた信号が出力される。
トンネル絶縁膜が1.8nmから5nmの膜厚を有しており、固着層とトンネル絶縁膜界面の粗さに起因する固着層と自由層との磁気的結合を抑制でき、この自由層と固着層との磁気的結合に起因する応答出力のばらつきの範囲を、地磁気磁界強度以下に抑制することができ、素子間でばらつきの小さな、安定な応答出力を生成することのできる磁気抵抗効果素子を実現することができる。
また、トンネル絶縁層を、金属膜形成および金属膜に対するラジカルを用いた絶縁化処理を複数回繰返して形成することにより、良質で厚いトンネル絶縁層を形成することができる。
また、この磁気抵抗効果素子を用いてブリッジ回路を構成することにより、安定で大きな信号変化率の磁界検出器を実現することができる。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う磁界検出器の全体の構成を概略的に示す図である。図1において、磁界検出器は、TMR効果を利用する磁気抵抗効果素子1と、この磁気抵抗効果素子1に所定の大きさの定電流を供給する直流電源2と、磁気抵抗効果素子1の両電極間の電圧を検出する電圧計3を含む。
磁気抵抗効果素子1は、その上部電極が配線4により直流電源2および電圧計3に接続され、また、下部電極が、配線5を介して直流電源2および電圧計3の接地ノードと結合される。
磁気抵抗効果素子1は、その詳細構成は後に説明するが、固着層FXと、自由層FRと、これらの自由層FRおよび固着層FXの間に配設されるトンネル絶縁層TNを含む。この磁気抵抗効果素子は、ほぼ平面形状が長方形に形成され、長手方向および短手方向を有する。固着層FXは、短手方向に磁化され、その磁化方向は固定される。自由層FRは、外部磁界Hexの強度が0の無磁界時においては、長手方向の磁化21aを有する。外部磁界Hexの磁化方向に応じて、自由層FRの磁化方向21bが回転する。図1に示すように、磁気抵抗効果素子1においては、固着層FXの磁化方向22と自由層FRの磁化方向は、無磁界時においては、直交方向に設定され、無磁界状態の抵抗値を素子抵抗中心値として、外部磁界の方向に応じて高抵抗状態および低抵抗状態に素子抵抗が変化し、高感度で外部磁界を検出する。
図2は、図1に示す磁界検出器の電気的等価回路を示す図である。磁気抵抗効果素子1は、外部磁界により抵抗値が変化する可変抵抗素子であり、磁気抵抗効果素子1と並列に電圧計3が接続され、磁気抵抗効果素子1と直列に直流電源2が接続される。図2においては、直流電源2が接地ノードと磁気抵抗効果素子1との間に接続されるように示すが、直流電源1は、電源ノードと接地ノードとの間に接続されて一定の電流を磁気抵抗効果素子1に供給する。
磁気抵抗効果素子1の抵抗値の変化により、磁気抵抗効果素子1の両電極間の電極間の電圧が変化し、この電圧変化を電圧計3で検出して、外部磁界Hexを検出する。
図3は、図1に示す磁気抵抗効果素子の断面構造をより具体的に示す図である。図3において、磁気抵抗効果素子1は、基板13表面上に形成される下部電極層6と、下部電極層6表面に形成される下地層7と、下地層7表面上に形成される反強磁性層8と、この反強磁性層8上に形成されかつその磁化方向が反強磁性層8により固定される固着層9と、固着層9上に形成されるトンネル絶縁層10と、トンネル絶縁層10上に形成され、外部磁界によりその磁化方向21aが変化する自由層11と、自由層11表面上に形成される上部電極層12を含む。
下部電極層6および上部電極層12は、各々、膜厚10nmのタンタルTa膜で構成される。下部電極層6が図1に示す配線5に接続され、上部電極層12が、図1に示す配線4に接続される。下地層7は、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)膜であり、その膜厚は2nmである。下地層7は、その上層に形成される反強磁性層8の結晶配向性を制御するために形成され、下部電極層6と反強磁性膜8との間の格子不整合に対する緩衝層として機能する。
反強磁性層8は、白金(Pt)−マンガン(Mn)膜で構成され、その膜厚は15nmである。
固着層9は、図1に示す固着層FXに対応し、コバルト(Co)−鉄(Fe)膜で構成される。この固着層9は、強磁性体層であり、反強磁性層8と接触して積層されることにより、その磁化方向22が固定される。すなわち、反強磁性層8が、固着層9のスピンの向きを固定することにより、固着層9の磁化方向が、表面から裏側に向かう磁化方向22に設定される。固着層9は、膜厚3nmである。
トンネル絶縁層10は、酸化アルミニウム膜で構成され、その膜厚は、2.2nmである。トンネル絶縁層10は、図1に示すトンネル絶縁層TNに対応する。自由層11は、図1に示す自由層FRに対応し、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)膜で形成され、その膜厚は、たとえば5nmである。自由層11は、外部磁界に対して敏感に磁化方向を変化することが要求されるため、軟磁性体であるのが望ましい。次に、この図3に示す磁気抵抗効果素子1の製造方法について説明する。なお、以下の工程説明図において、同一または相当部分には同一参照番号を付し、同一構成要素に対しては適宜説明を省略する。
まず、図4に示すように、絶縁性の基板13上に、たとえばD(直流)Cマグネトロンスパッタリング法を用いて膜厚10nmのタンタル膜(Ta膜)を下部電極層6として形成する。次いで、このタンタル膜(下地電極層)6を形成した後、膜厚2nmのニッケル−鉄(Ni−Fe)膜を形成し、上層に形成される強磁性膜の結晶配向性を制御する下地層7を形成する。
続いて、図5に示すように、下地層7上に、白金−マンガン膜(Pt−Mn膜)を形成し、反強磁性層8を形成する。
次いで、この反強磁性層8表面上に、コバルト−鉄膜(Co−Fe膜)を膜厚3nmに形成し、固着層9を形成する。固着層9の形成後、真空チャンバ内で、この固着層9の表面を大気にさらすことなくプラズマ暴露による平坦化処理を実施する。すなわち、100eV以下の低エネルギのアルゴン(Ar)イオンを固着層9表面に入射するように基板バイアス電力を制御した条件下で、固着層9表面にアルゴン(Ar)プラズマを暴露する。このプラズマ暴露により、Co−Fe膜表面の突起部分の選択的な除去が行なわれ、膜表面の平坦化が行なわれる。これにより、次工程で形成されるトンネル絶縁層の膜質を均質とし、また、その表面を平坦化して膜厚の不均一が生じるのを防止する。
次いで、図6に示すように、固着層9の形成後、金属膜(アルミニウム膜)10aを例えばDCマグネトロンスパッタリング法を用いて形成する。金属膜(アルミニウム膜)10aを膜厚0.8nmに形成した後、酸素ラジカル(O・)を照射する。この酸素ラジカルは、別室(別チャンバ)で酸素プラズマを生成し、その荷電粒子の中性化を行なった後に、差動排気によりこの金属膜形成用のチャンバ内に導入されて、金属膜(アルミニウム膜)10a上に照射される。
このアルミニウム膜形成および酸素ラジカルの照射のプロセスを複数回繰返す。膜厚0.8nmのアルミニウム膜を形成後、酸素ラジカルで暴露する。これにより、アルミニウム膜が酸化し、酸化アルミニウム膜(Al23膜)を形成する。この後、再び、アルミニウム膜を0.8nmの膜厚で形成した後酸素ラジカル暴露する。アルミニウム膜を酸化した場合、その体積は、1.3倍から1.5倍となる。それにより、膜厚2.2nmの厚さを有する酸化アルミニウム膜(Al23膜)10が図7に示すように形成される。膜厚2.2nの酸化アルミニウム膜で構成されるトンネル絶縁層10が得られる。このトンネル絶縁層10の膜厚は、本実施の形態1においては2.2nmであるものの、1.8nmから5nmの範囲であればよい。
図6に示す金属膜(アルミニウム膜)10aの酸化工程において、たとえば酸素プラズマを用いた酸化処理を行なった場合、主に酸素イオン(O−)がアルミニウム膜の酸化を担うため、自然酸化またはラジカル酸化よりも、強い酸化力を有する。しかしながら、このプラズマ照射時電界で加速された酸素イオンがアルミニウム膜表面に入射するため、このトンネル絶縁層10に欠陥が生じ、膜質が劣化する。一方、ラジカルを用いた酸化処理では、プラズマ酸化に比べて酸化力が劣るものの、酸素イオンを始めとする荷電粒子の影響を受けることがなく、膜の損傷は抑制され、良質なトンネル絶縁膜を形成することができる。
図8は、膜厚2nmの金属アルミニウム膜を酸素ラジカルに暴露した場合の酸化アルミニウム膜膜厚の暴露時間依存性を示す図である。図8において、横軸に暴露時間(単位分)を示し、縦軸にアルミニウム酸化膜膜厚を示す(単位nm)。
金属アルミニウム膜は、DCマグネトロンスパッタリング法により形成し、アルミニウム膜を大気に曝すことなく酸素ラジカル暴露を実施する。この酸素ラジカル生成前に、0.2Pa(パスカル)以下の圧力の酸素ガスが導入され、アルミニウム膜表面が酸素ガスに曝されている。この酸素ガスにより、酸素ラジカル暴露前に、アルミニウム膜の自然酸化により、膜厚1.3nmのアルミニウム酸化膜が形成される。
酸素ラジカルの暴露とともに、酸化が進行し、膜厚1.4nmで、アルミニウム酸化膜の膜厚が飽和する。金属アルミニウム膜を酸化した場合、その体積が、1.3倍から1.5倍程度増大するため、自然酸化により酸化された金属アルミニウム膜は、膜厚0.7nmから1nmである。一方、酸素ラジカルにより酸化された金属アルミニウム膜は、酸化アルミニウム膜の膜厚が1.4nmであるため、1.0nmから1.2nmの膜厚を有する。したがって、酸素ラジカルに金属アルミニウム膜を曝すことにより、膜厚0.7nmから1.2nmの金属アルミニウム膜を良質に酸化することが可能となる。この膜厚の範囲内において、酸化される金属アルミニウム膜の厚さに応じて、酸素ラジカルに対する暴露時間を制御することにより、最適な酸化処理を行なうことができる。
膜厚1.2nmよりも厚い金属アルミニウム膜を酸化する場合には、金属アルミニウム膜の成膜および酸素ラジカルへの暴露を複数回繰返すことにより厚いアルミニウム酸化膜を形成することができる。金属アルミニウム膜を複数回に分けて形成することにより、金属アルミニウム膜を形成する各工程の処理時間を短縮でき、応じて結晶粒径の増大を抑制することができ、局所的な膜質のばらつきを抑制することができる。本実施の形態1においては、膜厚0.8nmの金属アルミニウムを酸化する工程を2回繰返し、膜厚2.2nmの酸化アルミニウム膜を形成する。
この後、図3に示すようにニッケル−鉄膜(Ni−Fe膜)を膜厚5nmに形成し、自由層11を形成する。
次いで、タンタル膜(Ta)をDCマグネトロンスパッタリング法を用いて形成して、図9に示すように、上部電極層12を形成する。この後、DCマグネトロンスパッタリング法を用いてアルミニウム膜を形成し、配線4および5をそれぞれ形成する。これらの配線4および5の形成後、フォトリソグラフィ法を用いて所望のパターンを形成する。このフォトレジストパターンをマスクとしてイオンミリング法を行なって、磁気抵抗効果素子1の形状を得る。磁気抵抗効果素子1は、一例として、短辺×長辺が4μm×64μmの長方形形状に形成される。
固着層9の磁化方向22は、以下の方法で設定する。反強磁性層(Pt−Mn膜)の結晶構造を規則化工程時に、この固着層9の飽和磁化を発生するための外部磁界を所望の方向に印加する。具体的には、磁気抵抗効果素子1を形成した後、真空チャンバ内において磁気抵抗効果素子1の短辺方向に5kOeの磁界を印加し、300℃で3時間保持する。これにより、固着層9が短辺方向に沿って磁化され、その磁化方向が、反強磁性層8との反強磁性結合により保持される。
図1に示す磁界検出器の動作時においては、この磁気抵抗効果素子1に対し、図1に示す直流電源2から一定の大きさの電流Iが供給される。磁気抵抗効果素子1において、固着層FX(9)と自由層FR(11)との間には磁気的な相互作用がないと仮定する。外部磁界Hexが固着層FXの磁化方向22と同じ方向に印加された場合、外部磁界Hex印加時における磁気抵抗効果素子1の素子抵抗Rは、次式(1)で表わされる。
R=Rm+(ΔR/2)・(Hex/|Hk|) …(1)
ここで、Rmは、外部磁界Hexが0の状態、すなわち無磁界時における磁気抵抗効果素子1の抵抗(素子抵抗中心値)を示し、ΔRは、磁気抵抗効果素子1の磁気抵抗変化率を示す。Hkは、自由層FR(11)の飽和磁界を示し、Hexは、外部磁界Hexの強度を示す。
この磁気抵抗効果素子1に一定の大きさの電流Iが供給され、抵抗値がRであるため、磁気抵抗効果素子1の両電極間、すなわち配線4および5の間には、次式(2)で表わされる電圧Vが発生する。
V=I・(Rm+(ΔR/2)・(Hex/|Hk|) …(2)
配線4および5の抵抗は、磁気抵抗効果素子1の抵抗Rと比較して、二桁小さく、無視することができる。
上式(1)および(2)で表わされる関係から、電圧計3により、磁気抵抗効果素子1に印加される電圧Vを測定することにより、外部磁界Hexの強度を検出することができる。
図10は、図1に示す磁界検出器の電圧計3より測定される電圧Vの外部磁界依存性を示す図である。図10において横軸に、外部磁界強度を示し(単位Oe)、縦軸に出力電圧(単位mV)を示す。磁気抵抗効果素子に対して供給される電流Iは、0.3mAである。この図10に示すように、出力電圧特性は、無磁界状態を中心値とする対称的な曲線とならず、中心値Vmが−8Oeシフトしている。電圧Vmは、外部磁界Hexが0のとき、すなわち無磁界時の出力電圧であり、上式(1)および(2)から、I・Rmで表わされる。
この特性曲線のシフトは、固着層と自由層とが静磁結合したことにより発生する。この特性曲線のシフトが、磁気抵抗効果素子間でばらつきなく、同じ大きさで発生すれば、そのシフト量を較正することにより、全素子において、同じ磁界検出特性を得ることができる。従来、素子特性のシフト量は、トンネル絶縁層の膜厚および膜質のばらつきにより素子間でばらついており、この素子間でのばらつきを較正することは行なわれていない。
図11は、検出磁界とトンネル絶縁層の膜厚との関係を示す図である。図11において、横軸にトンネル絶縁層の膜厚(単位nm)を示し、縦軸に検出磁界Hmのばらつき(単位Oe)を示す。トンネル絶縁層の膜厚の異なる複数の磁気抵抗効果素子群を用いて、抵抗値がRmとなる磁界Hmを求め、検出磁界のばらつきを表わす指標として標準偏差の3倍の値を示す。
実施の形態1において用いられる膜厚2.2nmの酸化アルミニウム膜をトンネル絶縁層として利用する場合、無磁界条件下での抵抗値Rmが得られる磁界Hmのばらつきが、0.2Oe以下である。このばらつきの大きさは、地磁気の磁界強度以下であり、各素子間において実質的に同じ磁界/出力電圧特性を得ることができる。
図11に示すように、膜厚1.8nmにおける検出磁界のばらつきは、0.3Oeであり、地磁気の磁界強度と同程度のばらつきの範囲である。酸化アルミニウム膜が、したがって膜厚1.8nm以上の膜厚であれば、検出磁界のばらつき範囲を、地磁気の磁界強度以下のばらつき範囲内に抑制することができ、固着層/トンネル絶縁層界面の粗さに起因する自由層と固着層との静磁結合による磁界検出器の出力特性のばらつきを抑制することができる。上限値としては、図11においては3nmまでのトンネル絶縁膜の膜厚を示していないが、膜厚5nmまでであればトンネル現象を発現することができるため、上述の製造方法を行って膜厚5nmの良質のトンネル絶縁膜を形成することができ、膜厚範囲として、1.8nmから5nmのトンネル絶縁膜を利用することができる。
したがって、トンネル絶縁層の厚さを1.8nm以上に制御することにより、出力信号の素子間でのばらつきを抑制することができ、安定した出力の磁界検出器を実現することができ、高精度な磁界検出を行なうことができる。
[代替例]
上述の実施の形態において具体的に説明する材料および製造方法は、一例であり、特に前述の実施例に限定されない。たとえば、図3に示す素子構造として、下部電極層6および上部電極層12は、金属膜であればよく、タンタル(Ta膜)以外に、銅Cu、ルテニウムRu、アルミニウムAl、白金Ptの膜が用いられてもよく、またこれらの金属膜の積層された構造であってもよい。
また、下地層7は、ニッケル−鉄合金膜(Ni−Fe膜)に限定されず、下部電極層6および上部電極層12と同様、タンタル膜(Ta膜)であってもよく、また、金属膜であれば、他の金属材料を利用することができる。
また、図3に示される反強磁性層8としては、イリジウム−マンガン合金膜(Ir−Mn膜)、ニッケル−マンガン合金膜(Ni−Mn膜)、ニッケル酸化膜(Ni−O膜)、鉄−マンガン合金膜(Fe−Mn合金膜)が用いられてもよい。
固着層9および自由層11の強磁性体層は、強磁性体材料であればよく、コバルト−ニッケル合金膜(Co−Ni合金膜)、コバルト−鉄−ニッケル合金膜(Co−Fe−Ni合金膜)、鉄−ニッケル合金膜(Fe−Ni合金膜)などの、コバルトCo、ニッケルNi、鉄Feのいずれかを主成分として含む金属膜および、ニッケルマンガンアンチモン合金膜(NiMnFb合金膜)、およびコバルト・マンガン・ゲルマニウム合金膜(Co2MnGe合金膜)などが用いられてもよく、またこれらの強磁性金属膜および強磁性合金膜が積層される構造が強磁性体層として利用されてもよい。
また、図5に示す製造工程において、強磁性体層9表面のプラズマを用いた平坦化処理は、反強磁性層(白金−マンガン膜(Pt−Mn膜))8の形成後に、すなわち固着層の強磁性体層形成前に行なわれてもよい。また、プラズマガスも、アルゴンArに代えて、キセノンXe、クリプトンKr、ネオンNeなどの他の不活性ガスが用いられてもよく、反応性の乏しいガスが用いられればよい。
また、図3に示すトンネル絶縁層10は、酸化アルミニウム膜AlO3膜以外の酸化タンタルTa25、二酸化シリコンSiO2、酸化マグネシウムMgOなどの酸化物が用いられてもよく、またこれらの窒化物またはフッ化物が用いられてもよい。
また、トンネル絶縁層の絶縁化処理としては、最も良好な結果が得られるラジカル反応を用いているものの、プラズマ酸化、自然酸化およびオゾンによる酸化が用いられてもよい。また、トンネル絶縁層の形成方法としては、金属膜の酸化に限定されず、金属膜の窒化処理またはフッ化処理が用いられてもよい。これらの窒化処理およびフッ化処理においても、酸化処理と同様、ラジカル、プラズマおよび反応性ガスを用いることにより、窒化処理、およびフッ化処理を行なうことができる。
また、トンネル絶縁層の形成方法としても、DCマグネトロンスパッタリング法に代えて、高周波(RF)マグネトロンスパッタリング法、化学気相成長法(CVD法)などの他の製造方法を用いて、直接トンネル絶縁層が形成されてもよく、膜厚が1.8nmからトンネル現象を生じさせる5nmの範囲内であれば、素子間での磁界検出特性のばらつきを低減することができる。また、磁気抵抗効果素子の上部電極層および下部電極層にそれぞれ接続される配線(4,5;図1参照)は、アルミニウム膜に限定されず、銅(Cu)膜が用いられてもよい。
また、各金属膜の成長には、DCマグネトロンスパッタリング法に代えて、分子線エピタキシ(MBE)法、また各種スパッタ法、化学気相成長(CVD)法または蒸着法などの方法が用いられてもよい。
また、素子形状形成は、イオンミリングに代えて、フォトリソグラフィおよび反応性イオンエッチング(RIE)法によって行なわれてもよく、また、電子線リソグラフィまたは収束イオンビームによりパターンが形成されてもよい。
また、固着層9の磁化方向22(図3参照)の設定は、以下の方法で行なわれてもよい。すなわち、反強磁性層と固着層との見かけ上の交換相互作用がなくなるブロッキング温度以上に磁気抵抗効果素子全体を加熱し、固着層の飽和磁化を発生するための外部磁界を所望の方向に印加する。この外部磁界印加状態で、磁気抵抗効果素子をブロッキング温度以下に冷却する。
また、磁気抵抗効果素子1の形状は、長方形でなくてもよく、結晶磁気異方性または誘導磁気異方性を付与することにより、任意の形状を用いることができる。
また、自由層11の無磁界時の磁化方向21は、固着層9の磁化方向と直交する方向ではなく、平行(相対角が0度)および反平行(相対角が180度)以外の角度をなす方向であっても、外部印加磁界に応じて自由層の磁化方向が変化し、応じて、抵抗効果素子の抵抗値が変化するため、同様、正確な磁界検出を行うことができる。
これらの代替例は、以下の実施の形態各々においても同様、適用することができる。
[変更例]
図12は、この発明の実施の形態1の変更例の磁界検出器の構成を概略的に示す図である。図12において、磁界検出器は、直流電源2からの電流が供給されるブリッジ回路30と、ブリッジ回路30の出力ノードN2およびN4の電圧を差動増幅する差動増幅器32と、この差動増幅器32の出力信号の電圧レベルを検出する電圧計3を含む。
ブリッジ回路30は、ノードN1およびN2の間に接続される磁気抵抗効果素子1aと、ノードN2と接地ノードN3の間に接続される定抵抗素子31aと、ノードN1およびN4の間に接続される定抵抗素子31bと、ノードN4と接地ノードN3の間に接続される磁気抵抗効果素子1bを含む。ノードN2およびN4が、差動増幅器32の相補入力にそれぞれ接続される。
磁気抵抗効果素子1aおよび1bは、その固着層の磁化方向が同じであり、また、外部磁界のこれらの磁気抵抗効果素子1aおよび1bへの影響は同じである。定抵抗素子31aおよび31bも、抵抗値が同じである。直流電源2から、ノードN1へ一定の大きさの電流が供給される。磁気抵抗効果素子1aおよび1bが、その抵抗値が、ほぼ同じ特性で変化し、ブリッジ回路30において2つの電流経路、すなわちノードN1、ノードN2および接地ノードN3の経路を流れる電流と、ノードN1、N4およびN3を流れる電流の大きさは同じとなる。外部磁界の影響により、磁気抵抗効果素子1aおよび1bの抵抗値が大きくなった場合、ノードN2の電圧が低下し、一方、ノードN4の電圧レベルが上昇する。逆に、外部磁界により、磁気抵抗効果素子1aおよび1bの抵抗値が小さくなった場合、ノードN2の電圧レベルが上昇し、ノードN4の電圧レベルが低下する。
したがって、ノードN2およびN4の電圧レベルは、磁気抵抗効果素子1aおよび1bの抵抗値変化に対して相補的に変化し、この差分値を、差動増幅器32で増幅する。これにより、1つの磁気抵抗効果素子による電圧変化に較べて、ノードN2およびN4の差分信号変化量が大きくなり、電圧計3で、高精度で、外部磁界により生じる電圧変化を検出することができる。
図13は、図12に示す磁界検出器の外部磁界/出力電圧特性を示す図である。図13において、横軸に磁界を示し、縦軸に出力電圧を示す。この図13に示す出力電圧/外部磁界特性曲線においては、直流電源2から、1mAの定電流が供給される。
図13に示すように、図12に示す磁界検出器においても、特性曲線は、図10に示す特性曲線と同様、点対称な曲線の中心点、すなわち、無磁界時の電圧を与える中心抵抗Rmが、マイナスの磁界強度方向へシフトしている。しかしながら、直流電源2からの供給電流は、1mAであり、先の図10に示す特性曲線における3mAの定電流供給に比べてより低消費電流で、出力電圧振幅としては、図1に示す構成のように1つの磁気抵抗効果素子を用いる場合と同様、50mVの振幅が得られる。したがって、直流電源2の供給電流を大きくするまたは差動増幅器32の利得を調整することにより、出力電圧の変化率をさらに大きくすることができる。また、差動増幅器32の出力信号自体を次段回路へ与えて検出磁界強度に応じた制御を行うことにより、電圧計3を利用することなく、検出磁界強度に応じて必要とされる動作を行う制御を行うことができる。
また、磁気抵抗効果素子1aおよび1bの無磁界時の素子抵抗値が異なる場合においても、ノードN2およびN4の電圧レベルのオフセットを、差動増幅器32で補償することができ、ブリッジ回路30の検出磁界特性曲線を補償して、正確に、無磁界印加時の中心抵抗値Rm(1つの磁気抵抗効果素子について)を中心とする対称的な磁界検出特性曲線を得ることができる。
なお、磁界検出器は、通常の磁気センサと同様、磁界検出により電流検出、位置検出および回転の検出を行なう用途に適用することが可能であり、種々の用途の磁界センサとして利用することができる。
また、磁界検出器においても、直流電源2から一定の直流電流を供給して電圧計3で電圧変化を読出す構成に代えて、交流電源が用いられてもよく、また、1個の磁気抵抗効果素子を利用する場合、磁気抵抗効果素子に一定の電圧を供給して、磁気抵抗効果素子を流れる電流を検出する構成が用いられてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、トンネル絶縁層の膜厚を1.8nmから5nm、好ましくは1.8nmから2.2nmの間に設定しており、トンネルバリア層の固着層との間の界面の粗さのばらつきに起因する静磁結合のばらつきを低減でき、素子間での出力特性のばらつきの少ない磁気抵抗効果素子を実現することができる。また、ラジカルを用いて金属膜を絶縁処理して金属絶縁膜を形成する処理を複数回繰返すことにより、所望の膜厚の高品質の金属絶縁膜を形成することができる。
[実施の形態2]
図14は、この発明の実施の形態2に従う磁気抵抗効果素子の構成を概略的に示す図である。この図14に示す磁気抵抗効果素子は、以下の点が、先の図3に示す実施の形態1の磁気抵抗効果素子1とその構成が異なる。すなわち、固着層9を、強磁性層/非磁性層/強磁性層との3層構造で構成する。すなわち、図14において、固着層9は、反強磁性層8上に形成されるCo−Fe膜で構成される第1の強磁性層9aと、第1の強磁性層9a上に形成されるルテニウム膜(Ru膜)で構成される非磁性層14と、非磁性層14上に形成されるCo−Fe膜で構成される第2の強磁性層9bを含む。
強磁性層9aおよび9bは、互いに反平行に磁化され、ルテニウム膜で構成される非磁性層14を介して反強磁性結合される。非磁性層14の膜厚は0.8nmであり、強磁性層9aおよび9bの膜厚は、共に3nmである。したがって、反平行に結合される2つの強磁性層9aおよび9bの厚さが等しく、共に磁界強度は同じであり、強磁性層9aおよび9bの漏洩磁界は、方向が互いに反対であり、実質的に相殺される。
非磁性層14は、これらの強磁性層9aおよび9bの間で強固な反平行結合を実現するために、3d遷移金属膜であることが好ましいので、ルテニウム膜に限定されない。また、この非磁性層14の膜厚についても、強磁性層9aおよび9bの反平行結合を維持することのできる膜厚であればよく、0.8nmに限定されない。
この図14に示す磁気抵抗効果素子の他の構成は、図3に示す実施の形態1の磁気抵抗効果素子の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
固着層9を構成する強磁性層9aおよび9bの磁化方向22aおよび22bを互いに反平行方向とする場合、一例として以下のような手順が用いられる。反強磁性層(Pt−Mn膜)8を形成した後、強磁性層9aおよび9bを堆積するときに、それぞれ反対方向に印加される磁界存在下で堆積する。反強磁性層8により、強磁性層9aが、反強磁性層8と交換結合し、強磁性体層9b堆積時に反対方向の磁界が印加されてもその磁界方向は変化せず、強磁性体層9bの磁界と反対の方向(磁化方向22a)を維持する。これにより、強磁性層9aと反強磁性層8とが交換結合され、強磁性層9aおよび9bが非磁性体層14を介して反強磁性結合され、これら強磁性層9aおよび9bの磁化方向が反対方向で維持される。これらの固着層9を構成する強磁性層9aおよび9bの磁化は、自由層11の磁化と90度の角度をなしている。
図14に示す磁気抵抗効果素子1の他の構成は、図3に示す磁気抵抗効果素子1の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、それらの詳細説明は省略する。
図14に示す磁気抵抗効果素子の場合、固着層9における漏洩磁界は、強磁性層9aおよび9bにより相殺され、固着層9と自由層11の間の静磁結合を抑制でき、図15に示すように、無磁界時において、素子抵抗値として、素子抵抗Rの中心値Rmを得ることができる。したがって、単一層で構成される固着層の場合に問題となる強磁性層の膜厚さに起因する固着層の漏洩磁界を抑制することができ、素子間でばらつきなく、無磁界時における素子抵抗Rの中心値Rmを得ることができる。なお、図15においては、実施の形態2の磁気抵抗効果素子を利用する磁界検出器として、図1に示す構成を利用する場合の磁界/出力電圧の特性曲線が示される。
この図14に示す磁気抵抗効果素子を利用する磁界検出器の構成は、先の実施の形態1において用いられる図1の構成および図12のブリッジ回路の構成いずれが用いられてもよい。しかしながら、ここでは、磁気抵抗効果素子の無磁界時の素子抵抗中心値Rmの素子間ばらつきがないため、以下に示すブリッジ回路を利用する。
図16は、この発明の実施の形態2に従う磁気抵抗効果素子を利用する磁界検出器の構成を概略的に示す図である。この図16に示す磁界検出器の構成は、ブリッジ回路30の構成が、先の図12に示す実施の形態1の変更例における磁界検出器の構成と異なる。すなわち、図16に示すブリッジ回路30は、ノードN1およびN3の間に直列に接続される磁気抵抗効果素子1aおよび1dと、これらの磁気抵抗効果素子1aおよび1bと並列に、ノードN1およびN3の間に互いに直列に接続される磁気抵抗効果素子1cおよび1bを含む。
磁気抵抗効果素子1aおよび1bは、固着層の無磁界時の磁化方向が同じであり、磁気抵抗効果素子1cおよび1dは、無磁界時の固着層の磁化方向が同じである。磁気抵抗効果素子1aおよび1bの無磁界時の固着層の磁化方向は、磁気抵抗効果素子1cおよび1dの無磁界時の固着層の磁化方向と反平行方向である。これらの磁気抵抗効果素子1a−1dは、無磁界時の固着層の磁化方向を除いて、その構成は実質的に同じである。
図16に示す磁界検出器の他の構成は、図12に示す磁界検出器の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図16に示すブリッジ回路30においては、外部磁界印加時、磁気抵抗効果素子1aおよび1bの抵抗値変化方向と磁気抵抗効果素子1cおよび1dの抵抗値変化方向は反対である。磁気抵抗効果素子1aおよび1bの抵抗値が外部磁界により増大したときには、磁気抵抗効果素子1cおよび1dの抵抗値が低減される。したがって、ノードN2およびN4における外部磁界による電圧変化が、先の低抵抗素子を利用する場合に比べてさらに増大し、出力電圧変化率を大きくすることができる。
図17は、図16に示す磁界検出器の外部印加磁界と出力電圧との関係を示す図である。直流電源2から1mAの一定電流が供給される。差動増幅器32は、正および負電源を利用しており、その出力電圧は、抵抗中心値Rmを中心として、対称的に正および負の領域に外部印加磁界強度に応じて変化する。出力電圧振幅は、先の図15に示す磁界/出力電圧特性に比べてほぼ2倍程度にまで増大されている。
この実施の形態2における磁気抵抗効果素子は、無磁界時において、素子間でのばらつきもなく、その抵抗値が素子抵抗中心値Rmを示す。したがって、外部磁界に対して直線的に出力電圧が変化する領域を広く確保することができ、高精度の磁界検出を実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、固着層を強磁性層/非磁性層/強磁性層の積層構造としており、各強磁性層の膜厚を同一としており、この固着層の漏洩磁界を相殺することができ、固着層と自由層との静磁結合を低減でき、無磁界時の磁気抵抗効果素子の抵抗値を中心値に設定することができる。これにより、磁気抵抗効果素子を利用する磁界検出器の磁界応答特性の素子間ばらつきを抑制して、高精度の磁界検出を実現することができる。
また、磁界検出器においてブリッジ回路を無磁界時の固着層の磁化方向が反平行方向の素子を直列に接続することにより、ブリッジ回路出力ノードの電圧変化を大きくすることができ、また直線領域も広くとることができ、検出磁界範囲を広くすることができ、広範囲に亘って正確に印加磁界を検出することができる。
[実施の形態3]
図18は、この発明の実施の形態3に従う磁気抵抗効果素子1の断面構造を概略的に示す図である。この図18に示す磁気抵抗効果素子1の構成は、以下の点で、先の図14に示す実施の形態2の磁気抵抗効果素子とその構成が異なる。すなわち、固着層9を構成する強磁性層9aおよび9cの膜厚を異ならせる。また、強磁性層9aは、膜厚3nmであり、強磁性層9cが、膜厚8nmである。スペーサ層の非磁性層14は、膜厚0.8nmである。この固着層9においても、強磁性層9aおよび9cは、非磁性層(たとえばルテニウム(Ru)膜)14を介して反強磁性結合により反平行にそれらの磁界が維持される。この図18に示す抵抗効果素子1の他の構成は、図14に示す磁気抵抗効果素子1の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
自由層11と固着層9の静磁結合の度合いを調整することにより、検出磁界/出力電圧特性曲線をシフトさせることができ、検出対象磁界領域を所望の領域に設定することができる。固着層9と自由層11の静磁結合を大きくするためには、固着層9の漏洩磁界を大きくすることが要求される。通常、強磁性層に対する反強磁性層の固着力は、強磁性層の磁化強度と厚さとに反比例する。したがって、固着層の漏洩磁界を大きくする場合、固着層の膜厚を大きくする必要があり、反強磁性層により固着力が減少する。この固着層9に対する反強磁性層8の固着力低下を回避するため、反強磁性層8に接する強磁性層9aは、膜厚が3nmに設定され、非磁性層14を介して形成される強磁性層9cは、膜厚が8nmと厚くされる。この場合、非磁性層14を介した強磁性層9aおよび9c間の反強磁性結合の方が、反強磁性層8と強磁性層9aとの同一磁化方向による反強磁性結合よりも強く、外部印加磁界による固着層9の強磁性層9cの磁化方向変動は生じず、素子特性の劣化は生じない。
一方、強磁性層9aおよび9bの膜厚が異なるため、強磁性層9cの漏洩磁界は、強磁性層9aの漏洩磁界で相殺されず、強磁性層9cの漏洩磁界により、固着層9と自由層11の間で静磁結合が生じる。したがって、強磁性層9aおよび9cに膜厚の差を設けることにより、固着層9からの自由層11に対する漏洩磁界を制御することができ、応じて固着層9と自由層11との間の静磁結合強度を制御することができる。これにより、磁界検出器の動作磁界領域を任意の領域にシフトさせることができ、素子間でばらつきなく、所望の動作磁界領域を有する磁界検出器を実現することができる。
図19は、この図18に示す磁気抵抗効果素子1を、図1に示す磁界検出器に適用した際の外部磁界と出力電圧との関係を示す図である。図19においても横軸に磁界強度を示し、縦軸に磁気抵抗効果素子の出力電圧を示す。
図19に示すように、無磁界時の素子抵抗の中心値Rmが、−14Oeシフトしており、このシフト量を、固着層9と自由層11の静磁結合の度合い、すなわち固着層9の強磁性層9aおよび9bの膜厚の差に応じて調整することができる。
また、図19に示されるように、検出磁界/出力電圧特性曲線は、実質的に図10に示す特性曲線をマイナス方向にシフトさせた曲線と同じであり、同様の磁界検出特性を実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、固着層を強磁性層/非磁性層/強磁性層の積層構造とする構成において、強磁性層の膜厚を異ならせることにより、固着層の漏洩磁界強度を制御することができ、応じて固着層と自由層との静磁結合の度合いを制御でき、所望の磁界領域を対象として磁界検出を行なうことのできる磁気抵抗効果素子を実現することができる。
なお、この実施の形態3においても、磁界検出器の構成としては、実施の形態1の変更例および実施の形態2においてそれぞれ示されるブリッジ回路が用いられてもよい。
この発明に係る磁気抵抗効果素子は、磁界を検出するセンサとして利用することができ、通常の磁気センサとして電流検出、位置検出および回転検出の用途に適用することができる。また、この磁気センサが、他の電子回路とともに用いられてもよい。
また、磁気抵抗効果素子は、自由層の磁化が固着層の磁化と90度をなすという限定がなければ、マグネティック・ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)のメモリ素子としても利用することが可能である。メモリ素子の場合、上部電極層をビット線に接続し、下部電極層をスイッチングトランジスタを介してソース線に接続する。データ読出は、ビット線からソース線に流れる電流を検知することにより行なう。データ書込は、ビット線を流れる電流の誘起磁界により自由層の磁化方向を固着層の磁化と平行または反平行に設定することにより、磁抵抗効果素子の抵抗値を最大値および最小値の間でいずれかに設定する。
この発明の実施の形態1に従う磁界検出器の構成を概略的に示す図である。 図1に示す磁界検出器の電気的等価回路を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う磁気抵抗効果素子の断面構造を概略的に示す図である。 図3に示す磁気抵抗効果素子の製造工程を示す図である。 図3に示す磁気抵抗効果素子の平坦化処理工程を示す図である。 図3に示す磁気抵抗効果素子のトンネル絶縁層の製造工程を示す図である。 図6に示す製造工程完了時の素子構造を概略的に示す図である。 アルミニウム酸化膜膜厚と酸素ラジカル暴露時間との関係を示す図である。 図3に示す磁気抵抗効果素子の製造工程を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う磁気抵抗効果素子の外部磁界と出力電圧との関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う磁気抵抗効果素子のトンネル絶縁層膜厚と検出磁界強度ばらつきとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う磁界検出器の変更例の構成を示す図である。 図12に示す磁界検出器の外部磁界と出力電圧との関係を示す図である。 この発明の実施の形態2に従う磁気抵抗効果素子の断面構造を概略的に示す図である。 図14に示す磁気抵抗効果素子を用いる磁界検出器の外部磁界と出力電圧との関係を示す図である。 この発明の実施の形態2の磁界検出器の構成を示す図である。 図16に示す磁界検出器の外部磁界と出力電圧との関係を示す図である。 この発明の実施の形態3に従う磁気抵抗効果素子の断面構造を概略的に示す図である。 図18に示す磁気抵抗効果素子の外部磁界と出力電圧との関係を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c 磁気抵抗効果素子、2 直流電源、3 電圧計、4,5 配線、6 下部電極層、7 主体層、8 反強磁性層、9 固着層、10 トンネル絶縁層、11 自由層、12 上部電極層、9a,9b,9c 強磁性体層、21a 切換時の自由層の磁化方向、21b 外部磁界印加時の自由層の磁化方向、22 固着層の磁化方向、31a,31b 定抵抗素子、32 差動増幅器。

Claims (8)

  1. 反強磁性層および前記反強磁性層により磁化方向が固定される磁性体層を含む固着層、
    外部印加磁界により磁化方向が変化しかつ外部無磁界時においては前記磁化方向が前記固着層の磁化方向に対して平行および反平行以外の角度をなす磁性体層で構成される自由層、および
    前記固着層と前記自由層との間に配置されかつ膜厚が1.8nmから5nmの範囲であるトンネル絶縁層を備える、磁気抵抗効果素子。
  2. 前記磁化方向が固定される磁性体層は、
    前記反強磁性体層上に形成される第1の強磁性体層と、
    前記第1の強磁性体層上に形成される非磁性体層と、
    前記非磁性体層上に形成される第2の強磁性体層とを備える、請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 請求項1または2に記載される磁気抵抗効果素子を複数個用いて構成されるブリッジ回路を備え、前記ブリッジ回路から検出磁界に応じた信号が出力される、磁界検出器。
  4. 前記ブリッジ回路の複数の磁気抵抗効果素子は、互いに直列に接続されかつ前記固着層の無磁界時における磁化方向が互いに異なる磁気抵抗効果素子を含む、請求項3記載の磁界検出器。
  5. 請求項1または2に記載される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    前記トンネル絶縁層を製造するステップが、
    金属膜を作成する第1のステップと前記金属膜に対してラジカルを用いて絶縁化処理を行なう第2のステップとを複数回繰返すステップを備える、磁気抵抗効果素子の製造方法。
  6. 前記第1のステップで形成される金属膜は、膜厚が0.7nmから1.2nmの範囲のアルミニウム膜であり、
    前記第2のステップの絶縁化処理は、酸素ラジカルを用いて行なわれる、請求項5記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  7. 請求項1または2に記載される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    前記磁化方向が固定される磁性体層を製造するステップは、成膜後イオン暴露処理を施して平坦化処理を行なうステップを備える、磁気抵抗効果素子の製造方法。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の方法で製造された磁気抵抗効果素子を複数個用いて構成されるブリッジ回路を備える、磁界検出器。
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