JP5832363B2 - 磁気抵抗効果素子、磁界検出器、電流検出器、磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁界検出器、電流検出器、磁気抵抗効果素子の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、磁界検出器および電流検出器に関し、特に、トンネル磁気抵抗効果を利用する磁気抵抗効果素子とそれを用いた磁界検出器および電流検出器等に関するものである。
近年、磁気抵抗効果素子として、従来の巨大磁気抵抗(GMR:giant-magnetoresistance)効果に対してより大きな抵抗変化率が得られるトンネル磁気抵抗(TMR:tunneling magnetoresistance)効果を有するTMR素子のメモリおよび磁気ヘッドなどへの応用が進められている。
TMR素子においては、最も単純には、強磁性層/絶縁層/強磁性層からなる3層膜構造が用いられる。外部磁界やスピンが偏極した電子が注入されることによって、2つの強磁性層のスピンを互いに平行あるいは反平行に設定することにより、膜面垂直方向の絶縁層を流れるトンネル電流の大きさが変化する現象が利用されている。TMR素子では、トンネル電流の大きさを検出することによって、2層の強磁性層の相対的な磁化方向を検出することが可能である。
GMR素子やTMR素子においては、一方の強磁性層を反強磁性層と交換結合させて、その強磁性層の磁化を固定していわゆる固着層とし、他方の強磁性層の磁化を外部磁界やスピン偏極電子で容易に反転することのできる自由層とする、いわゆるスピンバルブ型構造が用いられる。
スピンバルブ型構造のTMR素子は、高感度な磁界検出器として用いることが可能である。スピンバルブ型磁気抵抗効果素子に外部から磁界が印加されると、固着層の磁化は理想的には完全に固定されているために、自由層の磁化のみが外部印加磁界に応じて回転する。これにより、2つの強磁性層の磁化の相対角が変化し、磁気抵抗効果により素子抵抗が変化する。この抵抗値の変化を、たとえば素子に定電流を流した状態で電圧の変化として検出する。この電圧変化が印加された磁界に応じて変化する信号として読出される。スピンバルブ構造のTMR素子では、他の磁気抵抗効果素子に対して抵抗変化率が大きく、自由層と固着層の磁気的な相互作用も小さいことから、高感度の磁界検出が可能となる。
スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子を用いた磁界検出器により外部磁界の大きさを高精度で検出するために、たとえば下記特許文献1に示されるように、無磁界(外部印加磁界がゼロの状態)において固着層と自由層の磁化方向を膜面方向において直交化させる構成が知られている。特許文献1の技術は、固着層の磁化方向に印加された磁界の大きさを、自由層の磁化の向きにより検出するものである。これにより、自由層を構成する強磁性体のヒステリシスの発生を抑制する技術が示されている。その動作領域は自由層の磁化が困難な軸方向に飽和する磁界、いわゆる異方性磁界以下である。ここでは、固着層と自由層の磁化を無磁界で直交化するための技術も開示されており、例えば、自由層の磁気異方性を制御するために、追加的に硬質の強磁性体層を設け自由層と接触させる技術が示されている。
特許文献1は、膜面内方向に電流を流すスピンバルブ型GMR素子を用いた技術を開示している。GMR素子は、一般的に、低抵抗であるため、大きな出力信号を得るためには、供給電流量を大きくする必要があり、応じて消費電力が大きくなるという問題がある。一方、TMR素子では、高抵抗かつ高抵抗変化率を実現することが可能であり、大出力かつ低消費電力の磁界検出器を実現することが可能である。
なお、これらの構成からなる磁気抵抗効果素子は、磁界の方向に依存して自由層の見掛け上の磁気異方性が変化することから、感度も変化する。このため、配線と磁気抵抗効果素子の位置が固定された電流検出器など、磁界方向が固定された測定に適する。
特公平8−21166号公報
従来の構造においては、自由層の磁気異方性の不足に起因し、自由層内で磁壁が存在する場合や磁化の回転中に安定的な状態が発生する場合があり、結果的にヒステリシスが発生する問題があった。これによって、自由層磁化の履歴に依存して磁界検出器としての出力信号に誤差が発生し、磁界検出誤差が発生していた。対策として、自由層の磁気異方性を付与するための磁気的に硬質な強磁性体層の設置や磁界の印加機構などが考えられるが、この場合は、製造工程が複雑となり、例えば複数の素子を集積回路に搭載する場合などに、集積化が困難となる課題があった。
この発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ヒシテリシスを抑制した高精度でかつ高感度な特性と、製造と集積化の容易さを両立した磁気抵抗効果素子等を提供することを目的とする。
この発明は、膜面に対して垂直方向を磁化容易軸とする強磁性層からなる自由層と、
トンネル絶縁層と、前記トンネル絶縁層を介して前記自由層と対向する膜面方向に磁化した強磁性層からなる固着層と、が積層され、外部から磁界を印加しない状態において前記自由層と前記固着層の磁化の膜面への投影成分が互いに直交する、長手方向とこれに直交する短手方向とを有する形状を有し、前記固着層の磁化が短手方向である、ことを特徴とする磁気抵抗効果素子等にある。
この発明の磁気抵抗効果素子によれば、ヒシテリシスを抑制した高精度でかつ高感度な特性と、装置として素子の製造と集積化の容易さを両立する磁界および電流の検出が可能となる。
この発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の磁化方向を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における磁界検出器の概略構成図である。 この発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の断面構造を示す概略図である。 この発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の磁化方向を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における磁界検出器の等価回路図である。 この発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の磁化方向を説明するための図である。 この発明の実施の形態1と従来の磁気抵抗効果素子の特性を比較するための図である。 この発明の実施の形態1の変形例1の一例における磁気抵抗効果素子の直列接続を説明するための図である。 この発明の実施の形態1の変形例1の別の例における磁気抵抗効果素子の直列接続を説明するための図である。 この発明の実施の形態1の変形例1のさらに別の例における磁気抵抗効果素子の並列接続を説明するための図である。 この発明の実施の形態1の変形例1のさらに別の例における磁気抵抗効果素子の並列接続を説明するための図である。 この発明の実施の形態1の変形例2における磁界検出器の等価回路である。 この発明の実施の形態1の変形例3における磁気抵抗効果素子の磁気特性の形状依存性を説明するための図である。 この発明の実施の形態2における電流検出器を示す概略図である。 この発明の実施の形態2における電流検出器の磁気抵抗効果素子の接続を示す概略図である。 この発明の実施の形態3における電流検出器を有する半導体集積回路の一部を示す概略断面図である。 この発明の実施の形態3における電流検出器を有する別の半導体集積回路の一部を示す概略断面図である。 この発明の実施の形態3における電流検出器を有するさらに別の半導体集積回路の一部を示す概略断面図である。
以下、この発明による磁気抵抗効果素子等を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図2はこの発明の実施の形態1における磁界検出器の概略構成図である。図1は図2の磁界検出器で使用されるこの発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の磁化方向を説明するための図、図3はその磁気抵抗効果素子の短手方向に沿った断面構造を示す概略図である。図1の(a)は図2の磁気抵抗効果素子1の上面図、(b)(c)は(a)のそれぞれ二重矢印(b)(c)の方向から見た断面図である。
最初に、この発明の実施の形態1の磁界検出器の構成について説明する。図2を参照して、磁界検出器100は、TMR効果を利用する磁気抵抗効果素子1と、この磁気抵抗効果素子1に所定の大きさの定電流を供給する直流電源2と、磁気抵抗効果素子1の下部電極層6と上部電極層7との間の電圧を検出する電圧計3とを主に有している。
磁気抵抗効果素子1は、その上部電極層7が配線4により直流電源2および電圧計3に接続され、また、下部電極層6が配線5により直流電源2および電圧計3の接地ノードと結合されている。なお、図1においては外部からの磁界(図3の磁界Hex参照)を印加する機構は、図示されていないが、たとえば配線に電流を流すことにより磁界Hexを印加するように構成されていてもよい。
磁界検出器100は、図3を参照して後述する磁気抵抗効果素子1の自由層となる強磁性層(自由層)8と、トンネル絶縁層9と、固着層10の積層方向に電流が流されることで磁界を検出するよう構成されている。
磁気抵抗効果素子1は、その詳細構成は後述するが、自由層8と、トンネル絶縁層9と、強磁性層10a、非磁性層10c、強磁性層10bおよび反強磁性層10dからなる固着層10と、を有している。トンネル絶縁層9を介して自由層8と強磁性層10aが対向しており、非磁性層10cを介して、強磁性層10a,10bが対向している。強磁性層10bは反強磁性層10dと接している。
磁気抵抗効果素子1は、図1の(a)に上面図を示すが、平面形状がほぼ長方形に形成され、長手方向および短手方向(長手方向に交差する方向)を有している。固着層10の磁気異方性を磁気抵抗効果素子1の短手方向に付与するため、固着層10の形成時および熱処理時に短手方向に磁界が印加されている。これによって、固着層10の強磁性層10a,10bは、外部からの磁界Hexの強度が0の無磁界時においては、膜面(層面)内にある短手方向の磁化101a,101b(図3参照)を有している。この固着層10において、2層の強磁性層10a,10bは、非磁性層10cを介して磁気的に結合しているため、それぞれの磁化方向101aと101bは互いに反対(180°)方向である。これによって、互いの磁化を打消し合っており、自由層への影響を抑制するとともに、外部からの磁界Hexによる影響を受けずに、磁化の固着を安定化する役割を担っている。
図1を参照して、自由層(強磁性層)8の磁化方向81は、膜面の垂直方向と素子形状による反磁界の影響により、素子上面からの投影面でみた場合には、素子1の長手方向に磁化している。しかしながら、この発明における強磁性層である自由層8では、材料の磁気異方性エネルギーが(膜面内を正とした場合に)負である。これよって、膜の垂直方向の磁化の成分も有している。すなわち、磁化方向81は自由層8の膜面方向からの傾きを有している。自由層8は磁化容易軸を膜面に対して垂直方向とする強磁性層(膜)である。
図4はこの発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の磁化方向を説明するための図である。(a)は図2の磁気抵抗効果素子1の上面図、(b)は(a)の二重矢印(b)の方向から見た断面図である。ここでは、説明を簡単にするために全体の磁化方向81が傾いた場合で説明するが、図4に示すように、自由層(強磁性層)8の内部で磁化が局所的な分布を示し、局所的には磁化が傾きを有しているが、全体で観た場合は膜の垂直方向の磁化成分が0となってもよい。
つまり、外部からの磁界Hexを印加しない状態において、トンネル絶縁層9を挟んで対向する自由層(強磁性層)8と強磁性層10aのそれぞれの磁化である81と101aは、素子1上面からの投影面でみた場合は互いに直交している。
図1に戻り、自由層(強磁性層)8の磁化方向81と強磁性層10aの磁化方向101aが互いに直交するということは、磁化方向の相対角が90°から製造誤差により±10°の範囲でずれている場合を含んでいる。なお、図1では、説明を容易にするために自由層(強磁性層)の磁化81は無磁界における方向を示している。
図5はこの発明の実施の形態1における磁界検出器の等価回路図である。図5では、磁気抵抗効果素子1は、外部磁界により抵抗値が変化するため、可変抵抗素子の記号で示されている。磁気抵抗効果素子1と並列に電圧計3が接続され、磁気抵抗効果素子1と直列に直流電源2が接続されている。図5においては、直流電源2は接地ノードと磁気抵抗効果素子1(の高電位側)との間に接続されているが、直流電源2は、電源ノードと接地ノードとの間に接続されて一定の電流を磁気抵抗効果素子1に供給するものであればよい。
図3を参照して、磁気抵抗効果素子1は、下部電極層6と、上部電極層7と、自由層(強磁性層)8と、トンネル絶縁層9と、固着層10を有している。基板11上に下部電極層6は形成されている。下部電極層6上に反強磁性膜10dが形成され、反強磁性膜10dに接する位置に強磁性層10bが形成されている。この強磁性層10bと強磁性層10aで挟まれるように非磁性層10cが形成され、更に強磁性層10aと自由層(強磁性層)8で挟まれるようにトンネル絶縁層9が形成されている。なお、図3では、自由層(強磁性層)8の磁化81は、固着層10における強磁性層10aの磁化101aに沿った方向の磁界が印加された場合の例を示している。
自由層(強磁性層)8は、Co−Fe−B(コバルト−鉄−ホウ素)合金膜からなっている。Co−Fe−B合金膜はトンネル絶縁層がMgO膜である場合、界面近傍において垂直の磁気異方性(膜面内の異方性エネルギーを正と定義した場合、負)を示す。なお、自由層8はCo−Fe−B合金膜に限定されず、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、およびTb(テルビウム)等のライタノイド元素、の少なくともいずれかを主成分とする強磁性膜、若しくはPt(白金)およびPd(パラジウム)を含有またはこれらとの界面を有する強磁性膜で、且つ膜面の垂直方向に磁気異方性を有する材料であればよく、これらを積層した強磁性膜であっても同様な効果を得ることが可能である。Co−Fe−B合金膜からなる自由層8の厚さは、1.2nmである。なお、自由層8の厚さはこれに限定されず、素子の抵抗や磁界応答性に応じて変更されうるものである。また、Co−Fe−B合金膜は不可避不純物を含んでいる。
トンネル絶縁層9は、MgO(酸化マグネシウム)膜からなっている。なお、トンネル絶縁層9はこれに限定されず、他の金属の酸化膜であるAl(酸化アルミニウム)やHfO(酸化ハフニウム)、Ta(酸化タンタル)、MgAl(スピネル)等であってもよい。MgO膜からなるトンネル絶縁(膜)層9の厚さは、1.0nmである。なお、トンネル絶縁層9の厚さはこれに限定されず、素子の抵抗や磁界応答性に応じて変更されうるものである。また、MgO膜は不可避不純物を含んでいる。
強磁性層10aは、Co−Fe−B合金膜からなっている。なお、自由層8はCo−Fe−B合金膜に限定されず、Fe(鉄)、Co(コバルト)等のCo(コバルト)、Ni(ニッケル)およびFe(鉄)の少なくともいずれかを主成分とする強磁性膜であればよく、これらを積層した強磁性膜であっても同様な効果を得ることが可能である。Co−Fe−B合金膜からなる自由層8の厚さは、1.5nmである。なお、強磁性層10bの厚さはこれに限定されず、素子の抵抗や磁界応答性に応じて変更されうるものである。また、Co−Fe−B合金膜は不可避不純物を含んでいる。
非磁性層10cは、Ru(ルテニウム)膜からなっている。なお、非磁性層10cはRu膜に限定されず、Rt、Rb等の主に白金族からなる遷移金属の非磁性膜であればよく、同様な効果を得ることが可能である。Ru膜からなる非磁性層10cの厚さは、0.8nmである。なお、非磁性層10cの厚さはこれに限定されず、素子の抵抗や磁界応答性に応じて変更されうるものである。また、Ru膜は不可避不純物を含んでいる。
強磁性層10bは、Co−Fe合金膜からなっている。なお、強磁性層8はCo−Fe合金膜に限定されず、Fe(鉄)、Co(コバルト)等のCo(コバルト)、Ni(ニッケル)およびFe(鉄)の少なくともいずれかを主成分とする強磁性膜であればよく、これらを積層した強磁性膜であっても同様な効果を得ることが可能である。Co−Fe合金膜からなる強磁性層10aの厚さは、1.5nmである。なお、強磁性層10aの厚さはこれに限定されず、素子の抵抗や磁界応答性に応じて変更されうるものである。また、Co−Fe合金膜は不可避不純物を含んでいる。
反強磁性層10dは、Ir−Mn(イリジウム−マンガン)合金膜からなっている。なお、反強磁性層10dはIr−Mn合金膜に限定されず、Pt−Mn(白金−マンガン)合金、Fe−Mn(鉄−マンガン)合金、Ni−Mn(ニッケル−マンガン)合金等の反強磁性膜であればよく、同様な効果を得ることが可能である。Ir−Mn膜からなる反強磁性層10dの厚さは、20nmである。なお、反強磁性層10dの厚さはこれに限定されず、素子の抵抗や磁界応答性に応じて変更されうるものである。また、Ir−Mn合金膜は不可避不純物を含んでいる。
下部電極層6および上部電極層7は、各々、Ta(タンタル)膜からなっている。なお、下部電極層6および上部電極層7は、各々、例えばRu膜等の他の金属であってもよく、これに限定されない。下部電極層6が図2に示す配線5に接続され、上部電極層7が図2に示す配線4に接続されている。配線4,5には、各々、Cu(銅)が用いられている。なお、配線4,5は、例えばAl(アルミニウム)の他の金属であっても良く、各々、これに限定されない。
以上のこの実施の形態の磁気抵抗効果素子1では、自由層となる強磁性層8の磁化81は、膜面の垂直方向の成分も有している。これにより、外部磁界Hexが印加された場合は、膜の垂直方向の磁化成分も有した状態で磁化の回転が発生する。ここでは、固着層10の磁化は膜の面内方向であるが、垂直成分を含んでいてもよい。
この実施の形態の磁気抵抗効果素子1の強磁性層8の磁化81の配置によれば図3に示すように外部から磁界Hexが印加された場合、磁化81が回転することにより、トンネル絶縁層9を介した電子のトンネル確率が変化する。この結果、外部磁界Hexに依存して抵抗が変化する。
次に、この実施の形態の磁気抵抗効果素子および磁界検出器の製造方法について説明する。図3を参照して、磁気抵抗効果素子1を構成するそれぞれの金属膜は、基板11上にDC(直流)マグネトロンスパッタリングにより形成される。基板11はSi(ケイ素)、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)、ガラスなどが用いられる。なお、基板11はこれに限定されず、その他の材料であってもよく、磁気抵抗効果素子1の下に、配線やトランジスタ、ダイオード等の電子回路が形成されていてもよい。
DCマグネトロンスパッタリングを用いてTa膜が下部電極層6として形成される。下部電極層6としてのTa膜が形成された後、大気に曝されることなく同一装置内で膜厚20nmのIr−Mn合金膜が反強磁性層10dとして形成される。引続き、大気に曝すことなく強磁性層10bとしての膜厚1.5nmのCo−Fe合金膜、非磁性層10cとしての膜厚0.8nmのRu膜、強磁性層10aとしての膜厚1.5nmのCo−Fe−B合金膜が形成される。引続き、大気に曝すことなくRF(高周波)マグネトロンスパッタリングを用いて膜厚1.0nmのMgO膜がトンネル絶縁層9として形成された後に、DCマグネトロンスパッタリングを用いて自由層(強磁性膜)8としての膜厚1.2nmのCo−Fe−B合金膜が形成される。その後に、Ta膜が上部電極層7として形成される。
なお、これらの膜を形成する際は、膜面方向に100Oeの磁界が印加される。これによって固着層10を構成するIr−Mn膜とCo−Fe膜、およびCo−Fe−B膜に磁気異方性が付与される。磁気抵抗効果素子1を構成する下部電極層6から上部電極層7までの膜は、全て同一装置内で形成される。トンネル絶縁層9であるMgO膜については、DCマグネトロンスパッタリングによりMg(マグネシウム)膜を形成した後に、酸素を含む酸化雰囲気に曝すことで形成してもよい。
その後に熱処理が実施される。目的は、MgO膜とそれを挟む2層のCo−Fe−B膜の結晶化を促進するとともに、固着層10の膜に磁気異方性を付与するためである。ここでは、固着層10のCo−Fe−B膜とCo−Fe膜の磁化を飽和するための磁界である10kOeが印加される。磁界印加方向は、磁気抵抗効果素子1の成膜時と同様であり、後述する磁気抵抗効果素子1の短手方向である。熱処理温度は、磁気抵抗効果素子1はCo−Fe−B膜を結晶化が可能であり、且つ固着層のIr−Mn膜とCo−Fe膜の間の交換結合が実質的に無くなる、350℃としている。この温度で1時間保持された。
上記の熱処理を経た後、固着層の強磁性膜10aと10bの磁化は、それぞれ180°の方向を向く。つまり、非磁性層10cであるRu膜を挟んで対向するCo−Fe合金膜の磁化101bとCo−Fe−B合金膜の磁化101aは互いに反対方向を向く。なお、強磁性層(自由層)8の磁化81は、材料の結晶構造に依存した膜の垂直方向の磁気異方性が支配的となることで、熱処理時の磁界印加による磁化方向81への影響は小さい。
この後、フォトリソグラフィにより所望のパターンが形成される。積層化された磁気抵抗効果素子1を構成する膜が形成された後、フォトレジストにより所望のパターンが形成される。その後、フォトレジストにより形成された所望のパターンをマスクとして、反応性イオンエッチングにより磁気抵抗効果素子1を電気的および磁気的に分離することで、磁気抵抗効果素子1の形状が得られる。ここでの磁気抵抗効果素子1は前述のように長方形であり、たとえば短辺×長辺が200nm×300nmの長方形状に形成される。磁気抵抗効果素子1の長手方向は、積層膜における固着層10の形成時の磁界印加方向と直交する方向である。
上記のパターン形成により、自由層となる強磁性層8であるCo−Fe−B膜の磁化81は、形状による反磁界の影響を受け、その磁化81は、形状の長手方向の成分を有することとなる。すなわち、強磁性層8の磁化81は、結晶構造に依存した磁気異方性による膜面の垂直成分と、形状磁気異方性による形状の長手方向の成分とを有している。
なお、図2に示すように配線4,5を、それぞれ下部電極層6および上部電極層7に接続することで磁気抵抗効果素子1と直流電源2および電圧計3とは電気的に接続される。ここでは詳細な説明は省略するが、これにより、この実施の形態の磁気抵抗効果素子1を用いた磁界検出器100が形成される。
次に、この実施の形態の磁界検出器の磁界検出動作について説明する。図2を参照して、磁界検出時に磁気抵抗効果素子1に配線4,5を通じて直流電源2から一定電流Iが供給される。磁気抵抗効果素子1に対して外部から磁界Hexが印加されると、外部からの磁界Hexの印加方向に応じて磁気抵抗効果素子1の抵抗値が変化する。この外部からの磁界Hexの印加方向に応じた磁気抵抗効果素子1の抵抗値の変化により、直流(電流)電源2から供給される一定電流Iに対して、磁気抵抗効果素子1の下部電極層6と上部電極層7との間の電圧が変化する。この電圧変化が電圧計3で検出されて、外部からの磁界Hexが検出される。
なお、ここでは図示しないが、磁気抵抗効果素子1の抵抗変化を検出することで外部磁界Hexを検出していることから、直流(電圧)電源により一定電圧を磁気抵抗効果素子1に印加し、その際の電流値を電流計で検出することでも検出が可能である。
また、磁気検出器に上述の電圧計3で検出された電圧値または上記電流計で検出された電流値をそれぞれ予め設定された換算式に基づいて磁界強度に変換する演算部(図示省略)を設けてもよい(以下同様)。
続いて、図3に示すように磁気抵抗効果素子1の短手方向(長手方向に交差する方向)に磁気抵抗効果素子1に対して外部から磁界Hexが印加された場合の磁気抵抗効果素子1の動作について説明する。
図6はこの発明の実施の形態1における磁気抵抗効果素子の磁化方向を説明するための図である。図6の(a)は図2の磁気抵抗効果素子1の上面図、(b)(c)は(a)のそれぞれ二重矢印(b)(c)の方向から見た断面図である。図6を参照して、図中矢印方向に外部から磁界Hexが印加されると、強磁性層8の無磁界における磁化81は、磁界Hex方向に回転する。この結果、固着層の強磁性層10aの磁化101aとの相対角が変化する。
ここで、図3を参照して、TMR素子を用いた磁界方向の検出方法について説明する。TMR素子を構成するトンネル絶縁層9を介して対向する2層の強磁性層の磁化81,101aの向きをそれぞれ、θ1、θ2とすると、素子抵抗Rは近似的に以下で表される。
R=R0−ΔR/2・cos(θ2−θ1) (1)
上記式(1)においてR0は素子抵抗の中心値であり、ΔRは素子の抵抗変化量である。TMR素子の自由層の強磁性層の磁化は、外部磁界の大きさと向きに依存して方向が変化する。この結果、上記式(1)においてθ1−θ2は外部磁界に依存して変化する。これによって、素子抵抗Rを測定することにより、磁界が検出される。
再び図6を参照して、この実施の形態の磁気抵抗効果素子1では、図中矢印方向に外部から磁界Hexが印加されることにより、強磁性層(自由層)8の磁化81は外部からの磁界Hexの方向へ回転する。すなわち、強磁性層8の磁化81は磁界Hexの方向へ回転して、磁化82に変化する。したがって、強磁性層8、強磁性層10aの相対的な磁化方向が変化する。そのため、図3に示すトンネル絶縁層9を通じた電子のトンネル確率も変化する。これによって、外部からの磁界Hexに依存した素子抵抗Rの変化が得られる。
なお、さらに外部からの磁界Hexを大きくすると磁化82が外部からの磁界Hexの印加方向へと飽和するため、素子抵抗Rは最小値で飽和する。外部からの磁界Hexと素子抵抗Rとの関係を用いて、磁気抵抗効果素子1の積層方向(膜面に垂直方向)に一定の電流Iを流し、図2に示す電圧計3により磁気抵抗効果素子1にかかる電圧Vを測定することで、外部からの磁界Hexの強度が検出される。
次に、この実施の形態の作用効果について説明する。従来のスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子の構造においては、自由層として膜面方向に磁化する自由層が用いられている。特に、磁気抵抗効果素子に積層膜の形成後の熱処理の際に、固着層と自由層の強磁性膜の磁気異方性が同方向になることから、自由層の磁気異方性の不足に起因し、自由層内で磁壁が存在する場合や磁化の回転中に安定的な状態が発生する場合があり、結果的にヒステリシスが発生する問題があった。これによって、自由層磁化の履歴に依存して磁界検出器としての出力信号に誤差が発生し、磁界検出誤差が発生していた。対策として、自由層の磁気異方性を付与するための硬質の強磁性体層の設置や磁界の印加機構などが考えられるが、この場合は、製造工程が複雑となり、例えば複数の素子を集積回路に搭載する場合などに、集積化が困難となる課題があった。
これに対してこの実施の形態の磁気抵抗効果素子1では、強磁性層の膜の磁気異方性は材料によって、膜の垂直方向に制御されるため、前述したヒステリシスの発生を素子単体で抑制することが可能であり、高精度化が可能である。素子の形状は同一である場合の比較例を、図7に示す。図7はこの発明の実施の形態1と従来の磁気抵抗効果素子の特性を比較するための図である。印加外部磁界に対する磁気抵抗効果素子の抵抗値の変化が示されており、(a)のヒステリシスが発生している従来の素子の抵抗特性に対し、(b)のこの発明の素子ではヒステリシスが発生していない。なお、この発明の素子を製造する場合に、追加の製造工程も必要なく、素子を高集積化することも可能である。
この実施の形態の磁気抵抗効果素子1によれば、自由層となる強磁性層8は、膜の材料としての磁気異方性が膜の垂直方向であり、且つ膜面の垂直方向と素子形状による反磁界の影響により、素子上面からの投影面でみた場合には、素子の長手方向に磁化している。通常の膜面内に磁化した自由層では、長手方向の端部において磁化を緩和するために、局所的な磁化配置をとり、ヒステリシスが発生する要因となっていた。これに対して、この発明での自由層は、垂直方向に磁化が向きやすく、長手方向の端部での磁化の緩和が可能となる。結果として外部磁界が印加された際に、特に低磁界において磁界磁化が回転する際のヒステリシスの発生を抑制可能であり、追加の構造を増やすことなく高精度で高集積化が可能な磁界検出器を実現することができる。
次に、この実施の形態の変形例1について説明する。この実施の形態の変形例1として、図8から11に示すように、複数個の磁気抵抗効果素子1を配線4,5で直列若しくは並列に接続した構成としてもよい。動作原理は前述と同様である。この構成を用いた場合は、出力信号が複数の素子で平均化されるために、個別の素子における抵抗や磁界応答性等の特性ばらつきを平均化することが可能である。接続する磁気抵抗効果素子1の数は、抵抗やばらつきの平均化により調整することが可能であるが、直列接続の場合は、各素子抵抗の電圧依存性の対称性、および後述する読み出し電流による磁界発生の対称性を考慮し、偶数個であることが好ましい。
図8においては、磁気抵抗効果素子1の長手方向に沿った配置(複数の磁気抵抗効果素子1がそれぞれ隣り合う磁気抵抗効果素子の長手方向端部同士が向き合う方向に向けられて配置されて並べられている)で、複数の磁気抵抗効果素子が直列接続されている。この場合は後述する電流検出器など、配線に沿った配置が容易である。図9の配置は磁気抵抗効果素子1の短手方向に沿った配置(複数の磁気抵抗効果素子1がそれぞれ隣り合う磁気抵抗効果素子の短手方向端部同士が向き合う方向に向けられて配置されて並べられている)で、複数の磁気抵抗効果素子が直列接続されている。この配置では、配線4および5を流れる読出し電流によって磁界が発生した場合、磁気抵抗効果素子1の長手方向の磁界が印加されることから、読出し電流に起因した検出誤差を抑制することが可能となる。なお、図8と図9の配置は、ともに配線4が磁気抵抗効果素子1の上部に位置し、配線5が下部に位置しているため、磁気抵抗効果素子1の位置で、電流によって発生する磁界は互いに逆向きである。これによって、読出し電流に起因した検出誤差を抑制することが可能である。
図10および11の接続は、それぞれ、磁気抵抗効果素子1の長手方向と短手方向に沿った配置で、並列接続されている。この場合の効果も、直列接続での配置と同様である。なお、直列接続にした場合は、一つの磁気抵抗効果素子1に加わる電圧を抑制することが可能であり、この結果、電圧に依存した抵抗変化率の減少を抑制することが可能であり、電圧に起因したトンネル絶縁層の破壊も防ぐことが可能である。並列接続した場合は、磁気抵抗効果素子1の数に反比例した低抵抗化が可能であり、前記の直列接続と組み合わせる場合など、用途や周辺回路に応じた抵抗の調整も可能である。
次に、この実施の形態の別の変形例2について説明する。この実施の形態の別の変形例2として、磁気抵抗効果素子1を複数個用いてブリッジ回路を構成してもよい。図12はこの発明の実施の形態1の変形例2における磁界検出器の等価回路である。図12を参照して、磁界検出器100は、直流電源2からの電流が供給されるブリッジ回路30と、ブリッジ回路30のノードN2およびN4の電圧を差動増幅する差動増幅器32と、この差動増幅器32の出力信号の電圧レベルを検出する電圧計3とを有している。磁界検出器100では、ブリッジ回路30から検出磁界に応じた信号が出力される。
ブリッジ回路30は、ノードN1とN2の間に接続される磁気抵抗効果素子1aと、ノードN2と接地ノードN3の間に接続される定抵抗素子31bと、ノードN1とN4の間に接続される定抵抗素子31aと、ノードN4と接地ノードN3の間に接続される磁気抵抗効果素子1bとを有している。ノードN1が直流電源2に接続されている。ノードN2とN4が差動増幅器32の相補入力にそれぞれ接続されている。接地ノードN3がグランドに接続されている。
磁気抵抗効果素子1a,1bは、図3に示す構成を有している。また、外部磁界の磁気抵抗効果素子1a,1bへの影響は同じである。定抵抗素子31aおよび31bも、抵抗値が同じである。直流電源2から、ノードN1へ一定の大きさの電流が供給される。磁気抵抗効果素子1aおよび1bでは、その抵抗値が、ほぼ同じ特性で変化し、ブリッジ回路30において2つの電流経路、すなわちノードN1→N2→N3の経路を流れる電流と、ノードN1→N4→N3を流れる電流の大きさは同じとなる。
外部磁界の影響により、磁気抵抗効果素子1a,1bの抵抗値が大きくなった場合、ノードN2の電圧が低下し、一方、ノードN4の電圧レベルが上昇する。逆に、外部磁界により磁気抵抗効果素子1a,1bの抵抗値が小さくなった場合、ノードN2の電圧レベルが上昇し、ノードN4の電圧レベルが低下する。
したがって、ノードN2およびN4の電圧レベルは、磁気抵抗効果素子1a,1bの抵抗値変化に対して相補的に変化し、この差分値を、差動増幅器32で増幅する。これにより、1つの磁気抵抗効果素子による電圧変化に較べて、ノードN2およびN4の差分信号変化量が大きくなり、電圧計3で、高精度で、外部磁界により生じる電圧変化を検出することができる。そのため、大きな出力信号が得られる。また、無磁界において出力が0となる。更に、磁気抵抗効果素子1a,1bの温度依存性を相殺することができるので、温度に依存した磁気抵抗効果素子1a,1bの抵抗変化を緩和することが可能である。
この実施の形態の磁界検出器は、3つ目の変形例3は、形状の異なる複数の磁気抵抗効果素子が同一基板上に形成されている。図13はこの発明の実施の形態1の変形例3における磁気抵抗効果素子の磁気特性の形状依存性を説明するための図である。図13を参照して、この実施の形態における磁気抵抗効果素子1の積層構造を用いて、素子形状を変化させた場合の磁気特性を説明する。図3の(a)は、自由層である強磁性膜8の磁化が概ね飽和する異方性磁界について、短手方向の長さを一定とした場合の長手方向の長さ依存性、(b)は短手方向の長さに対する長手方向の長さの比(形状アスペクト比)の依存性を示している。
抵抗変化率が一定である場合、異方性磁界は、磁気抵抗効果素子の磁界に対する感度に反比例する。この結果からも明らかなように、これらの形状に依存して磁気抵抗効果素子の感度が変化する。これを利用することで、膜構造は同一で、感度の異なる素子を同一平面に形成することが可能である。全ての素子を一括して形成することが可能であり、製造工程の増加もない。
なお、素子面積に依存する抵抗については、この実施の形態の変形例1と組み合わせることで調整することが可能である。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2の電流検出器は、実施の形態1と同様な磁気抵抗効果素子を有している。実施の形態1で示した磁気抵抗効果素子は、方向が決まった磁界(固着層の強磁性層10aにおける磁化101aに沿った方向)の検出に適しており、配線に対して位置を固定して用いる電流検出器に適する。まず、この実施の形態の電流検出器の構成について説明する。
図14はこの発明の実施の形態2における電流検出器を示す概略図である。図14を参照して、電流検出器102は、実施の形態1の磁界検出器100(図3)が用いられている。電流検出器102は、被測定物40である配線から一定の距離が保たれて配置されている。被測定物である配線40には被測定用の電流iが流れている。
なお、磁気抵抗効果素子1のみ図示されているが、電流検出器102は実施の形態1に示された構成を全て備えている。また電流検出器102は、図示しない出力信号検出回路も備えている。
磁気抵抗効果素子1は、被測定用の電流iが流れる配線から発生する外部磁界Hexの方向と検出方向が一致するように配置されている。
次に、この実施の形態の電流検出器における電流検出動作について説明する。被測定用の電流iが配線に流れると、電流iの作用により、配線と垂直な方向に環状磁界が発生する。この磁界Hexの大きさは次式で表される。
Hex=k・i/r (2)
上記式(2)においてkは比例定数であり、rは配線から磁気抵抗効果素子1の距離である。磁気抵抗効果素子1と配線との距離rを測定しておけば、比例定数kは既知であるので、磁界Hexを測定することにより電流iを測定することが可能である。
なお、被測定物40である配線は電流検出器102と同一基板上に配置されていてもよい。
この実施の形態の電流検出器102は、上記の磁気抵抗効果素子1で磁界を帯びた被測定物40の磁界Hexを測定することで被測定物40を流れる電流iを測定する。
上記出力信号検出回路すなわち演算部は、上記実施の形態1で記載した磁気検出器で検出された電流値または電圧値、またはさらにこれらを換算式で換算した磁界強度から、予め設定された換算式に基づいて被測定物40の電流値iを求める機能を含む(以下同様)。
上記の磁気抵抗効果素子1により、磁界Hexを帯びた被測定物40の磁界Hexを測定することで被測定物40を流れる電流iを測定するため、電流検出において誤差が少なく安定した出力信号が得られ、高精度な電流検出を行うことができる。また、電流検出器102の形成も容易である。
また、上記においては1個の磁気抵抗効果素子1からなる電流検出器102について説明したが、実施の形態1での変形例を適用することが可能である。図15には図8で説明した、磁気抵抗効果素子を長手方向に沿って直列接続した例を示す。配線40を流れる電流によって発生する磁界は、配線断面方向で観た場合、同心円の分布で説明される。このため、特に配線40と磁気抵抗効果素子1の距離が近い場合は、磁気抵抗効果素子1に不均一な磁界が印加されることとなる。これを抑制するためには、配線断面方向の磁気抵抗効果素子1の占有する長さを小さくすることが好ましく、図15のように磁気抵抗効果素子1の長手方向に沿って接続する配置が好ましい。
電流検出器102にはそれ以外の数の磁気抵抗効果素子1が含まれていてもよく、これらの磁気抵抗効果素子1がたとえば図12に示したブリッジ回路30を形成していてもよい。感度の異なる磁気抵抗効果素子を同一面上に同時に形成することも可能である。上記の各実施の形態は、適時組み合わせることができるものである。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3で説明する半導体集積回路は、実施の形態1の磁気抵抗効果素子を有しており、実施の形態2と同様な動作をする電流検出器を有している。動作の原理も実施の形態2と同様である。
図16はこの発明の実施の形態3における電流検出器を有する半導体集積回路の一部を示す概略断面図である。図16を参照して、電流検出器102は、実施の形態1の磁気抵抗効果素子1(図3)が用いられている。電流検出器102は、被測定物40であるCu配線の直上に設置されている。この際の配線(40)と磁気抵抗効果素子1は、層間絶縁膜53によって絶縁されており、その距離は層間絶縁膜53と磁気抵抗効果素子1の下に設置された下部電極50の厚さよって決定される。被測定物40である配線には被測定用の電流iが流れている。
なお、磁気抵抗効果素子1のみ図示されているが、電流検出器102は実施の形態2に示された構成を全て備えている。また電流検出器102は、図示しない出力信号検出回路も備えており、半導体集積回路に事前に形成さている。
なお、図16において、4,5は複数の磁気抵抗効果素子1(図8等参照)、直流(電流、電圧)電源2(図2等参照)、電圧計3(図2等参照)、電流計(図示省略)、定抵抗素子31a,31b(図12等参照)、差分増幅器32(図12等参照)間を接続する配線、51はプラグ、52,53,54,55,56は層間絶縁膜を示す。
動作方法については、実施の形態2と同様であるのでここでの説明は省略する。
上記の磁気抵抗効果素子1で磁界Hexを帯びた被測定物40(磁界Hexを発生する被測定物)の上記磁界Hexを測定することで被測定物40を流れる電流iを測定するため、電流検出において誤差が少なく安定した出力信号が得られ、高精度な電流検出を行うことができる。また、電流検出器102の形成も容易である。
ここで、図12で説明したブリッジ回路を形成し、定抵抗素子31a,31bにも磁気抵抗効果素子1a,1bと同一の素子を配置してもよい。図17はこの発明の実施の形態3における電流検出器を有する別の半導体集積回路の一部を示す概略断面図である。図17を参照して、磁気抵抗効果素子1a,1bのみ配線40の直上に設置し、定抵抗素子31a,31bに代わる磁気抵抗効果素子1c,1dを配線40の直上以外に設置している。これにより、それぞれの出力信号の差分を得ることで、温度や周辺環境の磁界によるバックグラウンドの信号を差し引くことが可能である。なお、磁気抵抗効果素子1c,1dは定抵抗素子31a,31bのままとしてもよい。
これにより、例えば、周辺機器が発する磁界の影響を差し引くことが可能であり、周辺環境の磁界の影響を抑制するための磁気シールドが不要となる。
この実施の形態によれば、実施の形態1で説明した効果を利用し、半導体集積回路の配線における電流の検出が可能となる。半導体集積回路に適用した場合、磁気抵抗効果素子と被測定物との距離は、層間絶縁膜によって決定されるため、磁気抵抗効果素子1a,1bと被測定物40との距離を小さくすることが可能であり、結果として高感度な検出が可能である。
図18はこの発明の実施の形態3における電流検出器を有するさらに別の半導体集積回路の一部を示す概略断面図である。図18はこれを適用した集積回路の例を示す。ここでは、メモリMと演算回路OPの電源供給部PSからの電源線PLの電流を磁気抵抗効果素子で構成される電流検出器102により常時検出している。この検出した電流値を電源供給部PSのための電源制御部PSCへとフィードバックする。
なお、上述の演算部(出力信号検出回路等)での、磁気検出器で検出された電流値または電圧値、またはさらにこれらを換算式で換算した磁界強度から、予め設定された換算式に基づいて被測定物の電流値を求める機能は上記電源制御部PSCに設けてもよい。
本構成によれば、集積回路に影響を与えず、高精度且つ高感度な電流の検出を実現することが可能となる。この結果、環境に依存した集積回路の動作状況をモニタリングおよびフィードバックを実施することで、集積回路の低消費電力化が可能となる。
ここでの動作は磁界により電流を検出していることから、実施の形態1で説明した変形例も適用が可能である。
また、上記においては、実施の形態1での3つの変形例1〜3を適用することが可能であり、感度の異なる素子を同時に形成することも可能である。
この発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
1,2a−2d 磁気抵抗効果素子、2 直流(電流、電圧)電源、3 電圧計、4,5 配線、6 下部電極層、7 上部電極層、8 自由層(強磁性層)、9 トンネル絶縁(膜)層、10 固着層、10a,10b 強磁性層、10c 非磁性層、10d 反強磁性層、30 ブリッジ回路、31a,31b 定抵抗素子、32 差動増幅器、40 配線(被測定物)、50 下部電極、51 プラグ、52−56 層間絶縁膜、100 磁界検出器、102 電流検出器、OP 演算回路、PL 電源線、PS 電源供給部、PSC 電源制御部。

Claims (15)

  1. 膜面に対して垂直方向を磁化容易軸とする強磁性層からなる自由層と、
    トンネル絶縁層と、
    前記トンネル絶縁層を介して前記自由層と対向する膜面方向に磁化した強磁性層からなる固着層と、
    が積層され、
    外部から磁界を印加しない状態において前記自由層と前記固着層の磁化の膜面への投影成分が互いに直交する、
    長手方向とこれに直交する短手方向とを有する形状を有し、前記固着層の磁化が短手方向である、
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記自由層が、Co−Fe−B合金膜からなり、前記トンネル絶縁層がMgO(酸化マグネシウム)膜、Al(酸化アルミニウム)、HfO(酸化ハフニウム)、Ta(酸化タンタル)、MgAl(スピネル)のいずれかの金属の酸化膜からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記自由層が、ライタノイド元素の少なくとも1つを主成分とする強磁性膜、Pt(白金)およびPd(パラジウム)を含有するまたはPt(白金)およびPd(パラジウム)との界面を有する強磁性膜のいずれかからなり、
    前記トンネル絶縁層が、MgO(酸化マグネシウム)膜、Al(酸化アルミニウム)、HfO(酸化ハフニウム)、Ta(酸化タンタル)、MgAl(スピネル)のいずれかの金属の酸化膜からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を複数、同一平面上で電気的に接続して設けたことを特徴とする磁界検出器。
  5. 前記複数の磁気抵抗効果素子でブリッジ回路を構成し、前記ブリッジ回路から検出磁界に応じた信号が出力されることを特徴とする請求項4に記載の磁界検出器。
  6. 前記複数の磁気抵抗効果素子の形状がそれぞれ異なることを特徴とする請求項4または5に記載の磁界検出器。
  7. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子に一定電流を供給する直流電源と、一定電流が供給された前記複数磁気抵抗効果素子の電圧を測定する電圧計と、を備えたことを特徴とする磁界検出器。
  8. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子に一定電圧を供給する直流電源と、一定電圧が供給された前記複数磁気抵抗効果素子の電流を測定する電流計と、を備えたことを特徴とする磁界検出器。
  9. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子で磁界を帯びた被測定物の前記磁界を測定し、測定された磁界と前記磁気抵抗効果素子と被測定物との距離と前記被測定物を流れる電流との関係式から前記被測定物を流れる電流を測定する電流検出器。
  10. 前記磁気抵抗効果素子を複数、同一平面上で電気的に接続して設けたことを特徴とする請求項9に記載の電流検出器。
  11. 前記磁気抵抗効果素子を複数設けてブリッジ回路を構成し、前記ブリッジ回路から検出電流に応じた信号が出力されることを特徴とする請求項9または10に記載の電流検出器。
  12. 前記複数の磁気抵抗効果素子の前記被測定物との距離が異なることを特徴とする請求項10または11に記載の電流検出器。
  13. 前記複数の磁気抵抗効果素子の形状がそれぞれ異なることを特徴とする請求項10から12までのいずれか1項に記載の電流検出器。
  14. 少なくとも前記被測定物と前記磁気抵抗効果素子と前記磁気抵抗効果素子の配線の部分が半導体集積回路で一体に形成されたことを特徴とする請求項9から13までのいずれか1項に記載の電流検出器。
  15. 膜面に対し垂直方向を磁化容易軸とする強磁性層からなる自由層、トンネル絶縁層、前記トンネル絶縁層を介して前記自由層と対向する膜面方向に磁化した強磁性層からなる固着層が積層された、長手方向とこれに直交する短手方向とを有する形状を有する磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    同一装置内で、
    基板にDCマグネトロンスパッタリングを用いてTa膜を下部電極層として形成する工程と、
    前記Ta膜上にIr−Mn合金膜を前記固着層を構成する反強磁性層として形成する工程と、
    前記Ir−Mn合金膜上にCo−Fe合金膜を前記固着層を構成する強磁性層として形成する工程と、
    前記Co−Fe合金膜上にRu膜を前記固着層を構成する非磁性層として形成する工程と、
    前記Ru膜上に第1のCo−Fe−B合金膜を前記固着層を構成する強磁性層として形成する工程と、
    前記第1のCo−Fe−B合金膜上にRFマグネトロンスパッタリングを用いてMgO膜を前記トンネル絶縁層として形成する工程と、
    前記MgO膜上にDCマグネトロンスパッタリングを用いて第2のCo−Fe−B合金膜を前記自由層として形成する工程と、
    前記第2のCo−Fe−B合金膜上にTa膜を上部電極層として形成する工程と、
    備え、
    前記磁気抵抗効果素子の短手方向の膜面方向への磁界の印加およびその後の熱処理により、前記固着層を構成する膜に磁気異方性を付与すると共に前記自由層を構成する膜の膜面の前記磁気抵抗効果素子の長手方向に磁化を持たせる工程をさらに含む、
    ことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
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