JP3326891B2 - 草刈装置 - Google Patents

草刈装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モアデッキの外端部
に取り付けられたディスチャ−ジカバ−に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】従来、草刈用刈刃の回転部分外周を覆うモ
アデッキの左右方向一側には、草排出口が設けられ、こ
の草排出口部にディスチャ−ジカバ−が上下揺動自在に
取り付けられている。このカバ−は鉄板を逆U字状に折
り曲げて前後方向の軸心廻りに揺動自在に枢支連結され
ており、刈った草をそのまま放出するときには、これを
下向きに回動させて使用する。一方、機体後部に集草用
のコレクタを装着し、刈った草を回収する場合には前記
ディスチャ−ジカバ−を上方に回動退避させたうえ、草
排出口とコレクタとの間に筒状のシュ−タを介装し、排
出された草をこのシュ−タ内を通してコレクタに送るよ
うに構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記装置で
刈り放し作業を行なう場合、機体が左右方向に傾くと、
ディスチャ−ジカバ−と地面との間の距離が大きくなっ
たり小さくなったりすることがあり、草排出口側が塞が
れると性能面、能率面で悪影響を受けることがあった。
それだけでなく、草排出口側が広く開くと刈った草と共
に小石等が放てきされ、近くにいる作業者に当たって極
めて危険であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は前記問題点に
鑑みて提案するものであり、次のような技術的手段を講
じた。即ち、回転する刈刃を覆うモアデッキ18の左右
一側に草排出口48を設けると共に、この草排出口48
側にディスチャージカバー49を前後方向の軸心廻りに
揺動可能に設け、前記モアデッキ18を昇降リンク25
にて昇降自在に連結したものにおいて、前記草排出口4
8側がモアデッキ18の左右方向反対側よりも高くなる
とディスチャージカバー49を下げ、逆に草排出口48
側がモアデッキ18の左右方向反対側よりも低くなると
ディスチャージカバー49端部を上昇させる連動機構を
設けたことを特徴とする草刈装置の構成とする。
【0005】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、この発
明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1
は自走式の動力車両、2はステアリングハンドル、3は
前輪である。ステップ4の前側中央部にはステアリング
ポスト5が立設され、このステアリングポスト5を挾ん
で一側に油圧式無段変速装置(HST)の前進ペダル
6、後進ペダル7、マスタ−ブレ−キペダル8が設けら
れ、他側にクラッチペダル10が設けられている。
【0006】11は油圧昇降操作レバ−、12は副変速
操作レバ−、14は外部油圧操作レバ−である。機体を
構成するミッションケ−ス15の前部にはPTO軸17
が突出軸架され、このPTO軸17と、モアデッキ18
上面のギヤケ−ス20から後方へ向けて突設された入力
軸21との間には、自在継手22が介装連結されてい
る。25はモアデッキ18を吊り上げるべく機体に枢支
された昇降リンクで、この昇降リンク25は左右が繋が
り平面から見るとコ字状の第1リンク26と、この第1
リンク26の先端に着脱自在に差し込まれた第2リンク
27とからなり、第2リンク27、27はピン28、2
8にて枢支され、一定範囲内上下方向に揺動できるよう
に構成している。30、30はモアデッキ18と昇降リ
ンク25とを連結するピンである。
【0007】32は昇降リンク25を回動させる単動式
の油圧シリンダ−であり、これに圧力油を供給すると、
昇降リンク25は支点ピン33を中心として上方に回動
する。この支点ピン33とモアデッキ18の後端との間
には吊り下げ装置35が介装され、モアデッキ18の後
端を所定の高さに吊り上げて刈取作業を行なう。
【0008】吊り下げ装置35はロッド36、カラ−3
7、抜け止めピン38からなり、モアデッキ18の下方
への垂れ下がりを防止する。草刈作業を行なう場合には
モアデッキ18の後部を僅かに吊り上げた状態とし、前
輪3にウェイトを掛けた状態、所謂ウェイトトランスフ
ァした状態で作業を行なうものである。図中符号40は
モアデッキ18前部に取り付けたゲ−ジ輪、42はロ−
ラである。又、第2リンク27、27の内側には内端側
において高低差を付けたワイヤ−受板44、45が固着
され、後述するアウタ−ワイヤ−46とインナ−ワイヤ
−47の一端が止着されている。具体的には図1に示す
ように正面から見て右の第2リンク27のワイヤ−受板
44にはアウタ−ワイヤ−46を止め、左側のワイヤ−
受板45にはインナ−ワイヤ−47を取り付けている。
これらのワイヤ−のうち、インナーワイヤー47はモア
デッキ18の草排出口48側に取り付けたディスチャ−
ジカバ−49の内端と連結され、アウタ−ワイヤ−46
はモアデッキ18の外端に固着したプレ−ト51に止着
されている。
【0009】このような構成であるから、草刈作業中に
正面から見て、モアデッキ18の右側ゲ−ジ輪40が凸
部に乗り上げて傾くと、右側の第2リンク27がピン2
8を中心として上動し、インナ−ワイヤ−47を下方に
引く。すると、ディスチャ−ジカバ−49が上方へ回動
してディスチャ−ジカバ−49と地面との間の距離を拡
げ、ディスチャ−ジカバ−49の端部が地面に接するの
を防止する(図4参照)。この場合、草排出口48側は
草排出口の面積が拡げられるので、草が出口で詰まるよ
うなことがなく、刈草の排出を円滑に行なうことがで
き、能率を著しく低下させるようなことはない。
【0010】逆に、正面から見てモアデッキ18の左側
のゲ−ジ輪40が凸部に乗り上げると、左側の第2リン
ク27がピン28を中心として上動し、インナ−ワイヤ
−47が弛み、ディスチャ−ジカバ−49が下方に回動
することになる(図3参照)。このため、モアデッキ1
8の草排出口48側が高く傾いても、ディスチャ−ジカ
バ−49がその草排出口48を塞ぐように回動するので
刈り取られた草や小石が遠くへ飛び出すことがなく、安
全に作業を行なえる。
【0011】次に前記動力車両の一部構成に改良を加え
たものを図5以下の図面に従って説明する。図5の電気
回路はスタ−タスイッチ回路を説明したものである。6
0はスタ−タ−、61はバッテリ−、62はエンジンス
トップリレ−であり、キ−スイッチをOFFにするとソ
レノイド59が作動し、図示外のインテ−クシャッタ−
を引いてエンジンを停止させる。63はチャ−ジラン
プ、64はオイルプレッシャ−ランプ、65は水温計ラ
ンプ、66はサ−モスイッチ、67はPTOスイッチで
あり、図示外のPTOチェンジレバ−を入にすると接点
がブザ−警報回路と繋がる。68はブザ−用リレ−接
点、69はそのリレ−コイル、70はブザ−である。
【0012】72は満杯センサであって、PTOスイッ
チ67が入状態で、且つ動力車両1に装着した集草用コ
レクタ(図示省略)内に刈草が満杯になると、この満杯
センサ72がONとなり、前記ブザ−70を鳴動させ
る。このような回路構成のために、エンジンがオ−バ−
ヒ−トしてサ−モスイッチ66がONになると、水温計
ランプ65が点灯すると同時にリレ−が作動してブザ−
70が鳴る。PTOチェンジレバ−を切りにしてPTO
スイッチ67をOFFにすると、ブザ−70は鳴り止む
が、水温計ランプ65は点灯した状態を維持する。この
ため、オペレ−タはブザ−70とランプ65の2つの警
報具で異常を知ることができるので、エンジンを壊して
しまうといった最悪の事態を避けることができる。
【0013】図6の電気回路はさらに改良したもので、
パ−キングブレ−キと油圧式無段変速装置(HST)と
を関連付けたものである。すなわち、パ−キングブレ−
キスイッチ74とHSTの前進ペダル6あるいは後進ペ
ダル7が踏み込まれるとONになるスイッチ75が直列
に接続され、パ−キングブレ−キが引かれた状態で、な
お且つ前記HST用のペダルが踏まれたような場合には
オペレ−タに注意を喚起すべくブザ−70を鳴らすよう
にしている。
【0014】最後に動力車両1の機体後部にコレクタ8
0を装着して(図7参照)、これを昇降およびダンプさ
せる機構について説明する。図1で説明した実施例と構
成が同一若しくは類似のものについては、同一の符号を
付けた。ここで説明するモアデッキ18内の刈刃は油圧
モ−タ81で駆動される。モアデッキ18の草排出口4
8とコレクタ80とは筒状のシュ−タ82で連結され、
シュ−タ82途中に介装したブロア84により草は吸引
されてコレクタ80内に搬送される。ブロア84は油圧
モ−タ86で駆動されるようにしている。
【0015】図中88はコレクタ80を昇降回動させる
平行リンク機構、89はリフト用油圧シリンダ−、90
はダンプ用油圧シリンダ−、93はモアデッキ18の下
部に取り付けられた接地センサである。この接地センサ
93はモアデッキ18が接地していないときはONにな
る。図8と図9の関係を説明すると、91はブロア回転
入用のスイッチ91で、これをONにするとソレノイド
92が励磁されて切替弁85が切り替わり、作動油が油
圧モ−タ86に供給されてブロア84が回転する。又、
スイッチ94をONにすると、ソレノイド95が励磁さ
れ、切替弁96が切り替わって作動油がリフト用油圧シ
リンダ−89内に流入する。スイッチ97がONになる
とソレノイド98が励磁されて切替弁99が切り替わっ
てダンプ用油圧シリンダ−90内に作動油が流入する。
従って、コレクタ80はその場で反転ダンプし、中の草
を排出させる。但し、リフト用油圧シリンダ−89とダ
ンプ用油圧シリンダ−90が作動するのは、モアデッキ
18が吊り上げられて地面から浮上している場合だけで
ある。即ち、モアデッキ18が吊り上げられ、接地セン
サ93がONになったときだけ切替弁102のソレノイ
ド103が励磁され、それ以外、即ち、モアデッキ18
が着地して接地センサ93がOFFになっているとき
は、この切替弁102は非作動状態に置かれ、油圧ポン
プ104から送られた作動油はタンクであるミッション
ケ−ス15側へ戻されるように構成している。
【0016】モアデッキ18が吊り上げられると、前輪
3分担加重が増し、後輪の分担加重が減少するが、コレ
クタ80を上昇させたり排出のために回動させたりする
と後輪への分担加重が増大する。従って、この改良装置
ではモアデッキ18を吊り上げた状態でコレクタ80を
操作するときに前後の車輪に掛かる分担加重のバランス
が適切になるように構成している。
【0017】図10乃至図12に示すものは前述の装置
を一部改良したものである。モアデッキ18を昇降させ
る油圧シリンダ−32の制御弁110は4ポ−ト3位置
式の制御弁であり、ポンプ111と油圧シリンダ−32
との間には、制御弁110を迂回するようにバイパス回
路112が設けられている。バイパス回路112の途中
にON,OFF式の切替弁113が介装され、この切替
弁113はモアデッキ18の前部に取り付けた接地セン
サ93と連動されている。接地センサ93はこの場合、
モアデッキ18が作業姿勢、換言すると接地状態にある
ときにONとなるように構成している。次に図11と図
12の関係を説明する。前記実施例と同一構成部材につ
いては同一符号を付した。図11において117、11
7はダイオ−ド、118は前記切替弁113のソレノイ
ドである。
【0018】モアデッキ18が着地状態にあって、接地
センサ93がONになっているときに、リフトスイッチ
94あるいはダンプスイッチ97をONにすると、操作
された側のソレノイド95(あるいは98)が励磁され
ると共に、切替弁113のソレノイド118も同時に励
磁されて弁が切り替わり、ポンプ111から送られた作
動油は油圧シリンダ−32内に流入する。このため、モ
アデッキ32は制御弁110が操作されていなくても上
昇することになり、接地センサ114がOFFになるま
で上昇する。すると、前輪3に対する分担加重は増大
し、後輪に対する分担加重が僅かに減少することにな
る。この状態で、コレクタ80を上昇若しくはダンプさ
せると、減少した後輪の上に加重が掛かることになり、
結果的に前後の車輪に掛かる加重が適正に分配される。
【0019】
【発明の効果】この発明は前記の如く、回転する刈刃を
覆うモアデッキ18の左右一側に草排出口48を設ける
と共に、この草排出口48側にディスチャージカバー4
9を前後方向の軸心廻りに揺動可能に設け、前記モアデ
ッキ18を昇降リンク25にて昇降自在に連結したもの
において、前記草排出口48側がモアデッキ18の左右
方向反対側よりも高くなるとディスチャージカバー49
を下げ、逆に草排出口48側がモアデッキ18の左右方
向反対側よりも低くなるとディスチャージカバー49
部を上昇させる連動機構を設けたものであるから、モア
デッキがどのように傾いてもディスチャ−ジカバ−と地
面との間の距離はいつも適切に保たれることになり、作
業能率を低下させたり、性能を悪化させることがなく、
しかも安全に作業が行なえるといった長所を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モアデッキを装着した動力車両の正面図であ
る。
【図2】要部の側面図である。
【図3】作用説明図である。
【図4】作用説明図である。
【図5】スタ−タ部の電気回路図である。
【図6】図5の回路を一部改良した電気回路図である。
【図7】モアデッキを装着した動力車両の側面図であ
る。
【図8】油圧回路図である。
【図9】電気回路図である。
【図10】油圧回路図である。
【図11】油圧回路図である。
【図12】電気回路図である。
【符号の説明】
1 動力車輌 2 ステアリングハンドル 3 前輪 4 ステップ 5 ステアリングポスト 6 前進ペダル 7 後進ペダル 8 マスタ−ブレ−キペダル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01D 34/63 A01D 34/64

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する刈刃を覆うモアデッキ18の左
    右一側に草排出口48を設けると共に、この草排出口4
    8側にディスチャージカバー49を前後方向の軸心廻り
    に揺動可能に設け、前記モアデッキ18を昇降リンク2
    5にて昇降自在に連結したものにおいて、前記草排出口
    48側がモアデッキ18の左右方向反対側よりも高くな
    るとディスチャージカバー49を下げ、逆に草排出口4
    8側がモアデッキ18の左右方向反対側よりも低くなる
    ディスチャージカバー49端部を上昇させる連動機構
    を設けたことを特徴とする草刈装置。
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