JP3600888B2 - 作業機の昇降制御構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体に、刈取装置や集草装置あるいは除雪装置などの作業装置を、油圧シリンダの作動により昇降駆動されるように昇降リンク機構を介して連結してある草刈り又は除雪用の作業機の昇降制御構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような草刈り又は除雪用の作業機の昇降制御構造においては、作業走行時に、作業装置昇降駆動用の油圧シリンダ内の圧力を低下させる下降操作状態を現出維持することにより、作業装置に装備された接地体を地面に接地追従させて作業装置を所定の対地高さ位置に位置させるフローティング制御を行うように構成されたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術においては、油圧シリンダ内の圧力を低下させる下降操作状態を維持して接地体を地面に接地追従させることによって作業装置を所定の対地高さに位置させるものであることから、作業走行時には作業装置の全重量が地面にかかるようになる。従って、作業地が軟弱である場合には、接地体が地面にめり込むようになって作業装置による土削りが生じるとともに、その土削りにより作業装置の損傷を招く虞があった。
【0004】
本発明の目的は、フローティング状態での作業装置による土削りやそれに起因した作業装置の損傷を防止することのできる作業機の昇降制御構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体に作業装置を、油圧シリンダの作動により昇降駆動されるように昇降リンク機構を介して連結してある作業機の昇降制御構造において、下降操作時に前記油圧シリンダ内の圧力を予め設定された低い側の設定値まで低下させるフローティング状態と、昇降操作時にその操作時間の間だけ前記油圧シリンダに対して作動油を給排した後に、前記油圧シリンダとその油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプとを接続する油路における、前記油圧ポンプから、油圧シリンダ側に備えた電磁チェック弁に亘る油圧回路内の圧力を予め設定された高い側の設定値に調節してその状態を維持する待機状態とを現出するフローティング制御手段を設けた。
【0006】
〔作用〕
上記請求項1記載の発明によると、接地体を地面に接地追従させて作業装置を所定の対地高さに位置させるフローティング状態を現出した場合においては、油圧シリンダ内の圧力が予め設定された低い側の設定値までしか低下しないようになる。つまり、その低い側の設定値に応じた作業装置の重量を油圧シリンダが受け止めるようになり、その分だけ地面にかかる作業装置の重量(接地圧)を軽減できるようになる。これによって、作業地が軟弱であったとしても、フローティング状態現出時に接地体が地面にめり込むようになることを防止でき、もって、作業装置による土削りやその土削りに起因した作業装置の損傷を防止できるようになる。
【0007】
又、待機状態を現出した場合においては、昇降操作により、油圧シリンダに対する作動油の給排作動を行って油圧シリンダ内の圧力を昇圧あるいは減圧させて所望の昇降状態を現出した後に、油圧シリンダに対する油路における油圧ポンプから電磁チェック弁に亘る油圧回路内の圧力を予め設定された高い側の設定値に調節してその状態を維持するようになることから、その高い側の設定値を作業装置の重量に均衡する値とすることによって、その油圧回路内の圧力が不必要に低くなることに起因して、下降操作の際に作業装置が急激に下降する、あるいは上昇操作の際に作業装置が一旦下降してから上昇する、といった不都合が生じることや、その油圧回路内の圧力が不必要に高くなることに起因して、上昇操作の際に作業装置が急激に上昇する、あるいは下降操作の際に作業装置が一旦上昇してから下降する、といった不都合が生じること防止できるようになる。
【0008】
〔効果〕
従って、作業装置による土削りやそれに起因した作業装置の損傷を防止できて地面に生えた草類を所定の対地高さに刈り揃えることのできる作業装置の重量の一部を地面に預けたフローティング状態を現出でき、かつ、作業装置の昇降操作の際に、作業装置が急激に昇降することや逆方向に一旦移動することのない良好な昇降作動を現出できる作業機の昇降制御構造を提供し得るに至った。
【0009】
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記低い側の設定値を設定変更する設定器を備えた。
【0010】
〔作用〕
上記請求項2記載の発明によると、例えば、作業地が軟弱であるほど、その程度に応じて設定器により低い側の設定値を高い側に設定変更することによって、フローティング状態での油圧シリンダ内の圧力を高くすることができ、それによって、油圧シリンダにより受け止められる作業装置の重量の割合を多くすることができて、その分だけ地面にかかる作業装置の重量(接地圧)を軽減できるようになることから、フローティング状態現出時に接地体が地面にめり込むようになることをより効果的に防止できるようになる。又、作業対象物(草刈機の場合は草類であり、除雪機の場合は雪である)が比較的に硬い場合やその量が多い場合には、その程度に応じて設定器により低い側の設定値を低い側に設定変更することによって、フローティング状態での油圧シリンダ内の圧力を低くすることができ、それによって、油圧シリンダにより受け止められる作業装置の重量の割合を少なくすることができて、その分だけ地面にかかる作業装置の重量(接地圧)を大きくすることができるので、作業装置が作業対象物の抵抗を受けて浮上することを防止でき、もって、作業高さ位置が不必要に高くなることを回避できるようになる。
【0011】
〔効果〕
従って、作業地の状況に応じた適切なフローティング状態を容易に現出できてより効果的に良好な作業結果を得ることのできる作業機の昇降制御構造を提供し得るに至った。
【0012】
本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記作業装置の種類を選択する選択手段を装備し、該選択手段の選択に基づいて、前記フローティング制御手段が、前記高い側の設定値を設定変更するとともに、前記作業装置を駆動するPTO軸の出力回転数を設定変更するように構成した。
【0013】
〔作用〕
上記請求項3記載の発明によると、選択手段の操作により走行機体に連結された作業装置の種類を選択することによって、高い側の設定値を走行機体に連結された作業装置の種類に対応する値に設定変更できるようになることから、それらの値を、走行機体に連結されるそれぞれの作業装置の重量に均衡する値とすることによって、待機状態を現出した場合においては、作業装置の種類にかかわらず、昇降操作により油圧シリンダに対する作動油の給排作動を行って油圧シリンダ内の圧力を昇圧あるいは減圧させて所望の昇降状態を現出した後に、油圧シリンダに対する油路における油圧ポンプから電磁チェック弁に亘る油圧回路内の圧力が、走行機体に連結された作業装置の種類に均衡する高い側の設定値に調節されるとともにその状態が維持されるようになる。これによって、その油圧回路内の圧力が不必要に低くなることに起因して、下降操作の際に作業装置が急激に下降する、あるいは上昇操作の際に作業装置が一旦下降してから上昇する、といった不都合が生じることや、その油圧回路内の圧力が不必要に高くなることに起因して、上昇操作の際に作業装置が急激に上昇する、あるいは下降操作の際に作業装置が一旦上昇してから下降する、といった不都合が生じること、走行機体に連結される作業装置の種類にかかわらず防止できるようになる。
【0014】
又、選択手段の操作により走行機体に連結された作業装置の種類を選択することによって、作業装置を駆動するPTO軸の出力回転数を走行機体に連結される作業装置の種類に対応する値に設定変更できることから、それらの値を、走行機体に連結されるそれぞれの作業装置の定格出力値とすることによって、出力不足による作業不良の発生や、出力オーバーによる作業装置の損傷を防止できるようになる。
【0015】
〔効果〕
従って、走行機体に連結される作業装置に応じた適切な待機状態を容易に現出できて作業装置の昇降操作をその種類にかかわらず良好に行えるとともに、走行機体に連結される作業装置に応じた適切なPTO軸の出力回転数を容易に得ることができて作業装置を良好に作動させることのできる作業機の昇降制御構造を提供し得るに至った。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1には作業機の一例である無線遠隔操縦式の作業機の全体側面が、又、図2にはその作業機の全体平面がそれぞれ示されており、この作業機は、走行機体1の前部に、作業装置Aの一例である刈取装置2を、左右一対の単動型の油圧シリンダ3の作動により昇降駆動されるように昇降リンク機構4を介して連結することによって、草刈機として機能するように構成されている。
【0018】
走行機体1は、機体フレーム5、機体フレーム5の後部に搭載されたエンジン6、エンジン6の後方に配備された冷却ファン7とラジエータ8、機体フレーム5の前部に載置された制御装置9、機体フレーム5の左右に装着されたクローラ式走行装置10、及び左右のクローラ式走行装置10をそれぞれ独自に駆動する左右の静油圧式無段変速装置11、などによって構成されている。
【0019】
刈取装置2は、横軸芯周りに回動駆動されることによって地面に生えた草類を叩き切るフレールモーア型式の刃体12、刃体12を上方から覆う刈取ケース13、刈取ケース13の右上部に配備された油圧モータM1、刃体12と油圧モータM1とに亘って伝動可能に回し掛けられたベルト式伝動機構14、刈取ケース13の左右両側にそれぞれ装備された接地体としてのソリ部材15、及び刈取ケース13の前部左右にそれぞれ装備された接地体としてのゲージ輪16、などによって、油圧モータM1の作動により刃体12が回動駆動される油圧駆動型に構成されている。
【0020】
昇降リンク機構4は、走行機体1の前上部から前方に向けて上下揺動自在に延設されたトップリンク17、走行機体1の前下部から前方に向けて上下揺動自在に延設された左右一対のロアーリンク18、それらの各リンク17,18の前端に枢支連結された略A字状のヒッチ19、走行機体1の前上部に配備された左右一対のリフトアーム20から対応するロアーリンク18に亘ってそれぞれ架け渡された吊り下げリンク21、などによって、左右の油圧シリンダ3の伸縮作動により左右のリフトアーム20が上下揺動操作されるのに伴って上下揺動駆動される油圧駆動型に構成されている。
【0021】
つまり、この作業機は、左右のクローラ式走行装置10の回動駆動、刈取装置2における刃体12の回動駆動、及び刈取装置2の昇降駆動、などが油圧で行われるように構成されている。
【0022】
図3に示すように、この作業機の油圧回路には、刈取装置2に装備された油圧モータM1に向けて作動油を圧送する作業装置駆動用の油圧ポンプP1、左側のクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM2に向けて作動油を圧送する左走行装置駆動用の油圧ポンプP2、右側のクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM3に向けて作動油を圧送する右走行装置駆動用の油圧ポンプP3、冷却ファン7を駆動する油圧モータM4に向けて作動油を圧送する冷却ファン駆動用の油圧ポンプP4、左右の油圧シリンダ3に向けて作動油を圧送する作業装置昇降用の油圧ポンプP5、作業装置駆動用の油圧ポンプP1と油圧モータM1との間で作動油を循環させる作業装置駆動用の循環油路R1に作動油を補給するチャージポンプP6、及び左右の走行装置駆動用の油圧ポンプP2,P3と対応する油圧モータM2,M3との間で作動油をそれぞれ循環させる左右の走行装置駆動用の循環油路R2,R3に作動油を補給するチャージポンプP7、が装備されている。尚、図3における符号22は、作業装置駆動用の循環油路R1における走行機体側の油路部分と作業装置側の油路部分とを着脱自在に接続する逆止弁付きのコネクタである。作業装置駆動用の油圧ポンプP1、左走行装置駆動用の油圧ポンプP2、及び右走行装置駆動用の油圧ポンプP3には、可変容量型のものが採用されている。
【0023】
図4にも示すように、走行用の油圧ポンプP2、油圧ポンプP3、及びチャージポンプP7は、エンジン6の前部に前後向きに直結直列連結されており、エンジン6の前部に配備された第一出力軸6aから出力される動力にて駆動されるようになっている。作業用の油圧ポンプP1とチャージポンプP6は、エンジン6の後部に前後向きに直結直列連結されており、エンジン6の後部に配備された第二出力軸6bから出力される動力にて駆動されるようになっている。冷却用の油圧ポンプP4と昇降用の油圧ポンプP5は、エンジン6の左側部に前後向きに直結直列連結されており、エンジン6の左側部に配備された第三出力軸6cから出力される動力にて駆動されるようになっている。つまり、エンジン6と各ポンプP1〜P7とをユニット化しているのであり、これによって、それらの連結構造及び支持構造の簡素化を図るようにしている。尚、図4における符号23は、ユニット化されたエンジン6及び各ポンプP1〜P7を防振支持する防振ゴムである。
【0024】
図3に示すように、作業装置駆動用の油圧ポンプP1は、チャージポンプP6より圧送される作動油の流動状態を切り換えるサーボ弁24の作動によって斜板角が変更されるようになっており、この斜板角の変更によって、作業装置駆動用の油圧モータM1に対する作動油の吐出量及び循環方向が変更されるようになっている。つまり、サーボ弁24の作動を制御することによって、油圧モータM1の出力回転数を走行機体1に連結される作業装置Aに応じて調節できるとともに、作業装置Aの回転方向を作業状況に応じて変更できるようになっている。尚、走行機体1に連結される作業装置Aとしては、刈取装置2以外に集草装置(図示せず)や除雪装置(図示せず)などがある。
【0025】
左右の走行装置駆動用の油圧ポンプP2,P3は、それぞれ、チャージポンプP7より圧送される作動油の流動状態を切り換えるサーボ弁25,26の作動によって斜板角が変更されるようになっており、この斜板角の変更によって、左右の走行装置駆動用の油圧モータM2,M3に対する作動油の吐出量及び循環方向が変更されるようになっている。つまり、走行装置駆動用の左右の油圧ポンプP2,P3、油圧モータM2,M3、循環油路R2,R3、サーボ弁25,26、及びチャージポンプP7、などによって、左右の静油圧式無段変速装置11が構成されており、サーボ弁25,26の作動を制御することによって、左右の各静油圧式無段変速装置11により独自に駆動される左右の各クローラ式走行装置10の無段階での変速操作及び正逆転切り換え操作を行えるようになっている。左右の走行装置駆動用の油圧モータM2,M3には、それぞれ、それらの出力回転数を検出して制御装置9へ出力する電磁ピックアップ式の回転数検出センサS1,S2が装備されている。
【0026】
冷却ファン駆動用の油圧ポンプP4と油圧モータM4とを接続する油路R4には、油圧ポンプP4から油圧モータM4に向けて圧送される作動油の流動方向を切り換えることによって、油圧モータM4の回転方向を変更する電磁切換弁27が装備されており、この電磁切換弁27の作動を制御して油圧モータM4を正方向に回転させることによって、冷却ファン7の駆動状態を、機体後部の吸気口28(図1参照)から冷却外気を取り入れてラジエータ8やエンジン6などに向けて流動させる冷却駆動状態に切り換えることができ、又、油圧モータM4を逆方向に回転させることによって、冷却ファン7の駆動状態を、ラジエータ8の防塵ネット(図示せず)に付着した塵埃などを機体後部の吸気口28から機外に放出する逆洗駆動状態に切り換えることができるようになっている。
【0027】
作業装置昇降用の油圧ポンプP5と左右の油圧シリンダ3とを接続する油路R5には、フロープライオリティ弁29、電磁アンロード弁30、電磁比例圧力制御弁31、及び電磁チェック弁32、が装備されている。フロープライオリティ弁29における余剰油は、補助動力取り出し用のサービスポートに装着された逆止弁付きの補助コネクタ33に接続される補助作業装置(図示せず)に電磁切換弁34を介して供給されるようになっている。
【0028】
左右の各クローラ式走行装置10にはネガティブブレーキ10Aが装備されており、各ネガティブブレーキ10Aは、チャージポンプP7より圧送される作動油の各ネガティブブレーキ10Aに対する流動状態を切り換える電磁切換弁35の作動を制御することによって、コイルバネ10aの付勢により対応するクローラ式走行装置10に対して制動力を付与する制動状態と、チャージポンプP7からの作動油により対応するクローラ式走行装置10への制動力の付与が阻止される非制動状態とに切り換えられるようになっている。
【0029】
作業装置駆動用の油圧ポンプP1とその斜板角を変更するサーボ弁24とを接続する一対の制御油路R6には、それらを短絡する短絡油路R7が接続されており、この短絡油路R7には、短絡油路R7を開状態(一対の制御油路R6を短絡しない状態)と閉状態(一対の制御油路R6を短絡する状態)とに切り換える短絡用の電磁切換弁36が介装されている。左右の静油圧式無段変速装置11において、左右の走行装置駆動用の油圧ポンプP2,P3とそれらの斜板角を変更するサーボ弁25,26とを接続する各一対ずつの制御油路R8,R9には、それらをそれぞれ短絡する短絡油路R10,R11が接続されており、それらの各短絡油路R10,R11には、短絡油路R10,R11を開状態(一対の各制御油路R8,R9を短絡しない状態)と閉状態(一対の各制御油路R8,R9を短絡する状態)とに切り換える短絡用の電磁切換弁37,38が介装されている。尚、短絡用の各電磁切換弁36〜38には、非通電時に各短絡油路R9〜R11の短絡状態を現出するよう短絡位置側にバネ付勢されたネガティブ型のものが採用されている。
【0030】
図5に示すように、各サーボ弁24〜26、及び各種電磁弁27,30〜32,34〜38の作動は、送信機能を備えた遠隔操縦装置Bから送信される制御信号に基づく受信機能を備えたマイクロコンピュータからなる制御装置9の制御作動によって制御されるようになっている。図6にも示すように、遠隔操縦装置Bには、メインスイッチ39、中立復帰型の車速スティック40、減速操作スイッチ41、減速調節ダイヤル42、中立復帰型の操向スティック43、中立(昇降停止位置)復帰型の昇降スイッチ44、昇降制御モード切換スイッチ45、自動モード設定スイッチ46、作業高さ設定ダイヤル47、正転駆動スイッチ48、駆動停止スイッチ49、逆転駆動スイッチ50、作業出力調節ダイヤル51、及びエンジン停止スイッチ52、などが装備されている。図5に示すように、制御装置9には、遠隔操縦装置Bからの制御信号に基づいて、左右のクローラ式走行装置10の駆動を制御する走行制御手段9A、作業装置Aの昇降を制御する昇降制御手段9B、作業装置Aの駆動を制御する作業制御手段9C、及びエンジン6を停止させるエンジン停止手段9D、などが制御プログラムとして備えられている。
【0031】
図3及び図5〜8に示すように、走行制御手段9Aは、車速スティック40が中立位置から前進領域又は後進領域に操作される走行開始時には、先ず、その操作と同時に左右の静油圧式無段変速装置11における短絡用の電磁切換弁37,38に通電して、短絡油路R10,R11を開状態に切り換えることによって、各サーボ弁25,26の作動による各油圧ポンプP2,P3の斜板角の中立状態からの変更操作が可能となる走行可能状態を現出し、その所定時間(例えば0.1秒)経過後に、各サーボ弁25,26に通電して各油圧ポンプP2,P3の斜板角変更操作を開始し、更にその所定時間(例えば0.3秒)経過後に、ネガティブブレーキ操作用の電磁切換弁35に通電して、各ネガティブブレーキ10Aを制動状態から非制動状態に切り換えるとともに、車速スティック40の操作により設定された目標速度と、各回転数検出センサS1,S2により検出された各油圧モータM2,M3の出力回転数から演算した左右のクローラ式走行装置10の実駆動速度とが合致するように、各サーボ弁25,26の作動を制御するようになっている。尚、走行開始時において、既に走行可能状態が現出されている場合には、車速スティック40が中立位置から前進領域又は後進領域に操作されると、上記の各サーボ弁25,26への通電、以後の制御作動を行うようになっている。
【0032】
逆に、車速スティック40が前進領域又は後進領域から中立位置に操作される走行停止時には、その操作と同時に、各サーボ弁25,26の作動を制御して各油圧ポンプP2,P3の斜板角を中立側に変更することによって各油圧モータM2,M3の出力回転数を低下させるとともに、時間計測を開始し、所定時間(例えば2秒)以内で各回転数検出センサS1,S2により検出される各油圧モータM2,M3の出力回転数が零(各油圧ポンプP2,P3の斜板角が中立状態)になった場合には、左右のクローラ式走行装置10の駆動停止状態が現出されたと判断して、ネガティブブレーキ操作用の電磁切換弁35への通電を停止して各ネガティブブレーキ10Aを非制動状態から制動状態に切り換え、その後、時間計測開始から所定時間(例えば5秒)の間において車速スティック40の前進領域又は後進領域への操作が行われなかった場合には、短絡用の電磁切換弁37,38への通電を停止して、短絡油路R10,R11を閉状態に切り換えることによって、各サーボ弁25,26の作動による各油圧ポンプP2,P3の斜板角の中立状態からの変更操作が不能となる走行不能状態を現出するようになっている。一方、図8に示すように、各油圧ポンプP2,P3の斜板角を中立側に操作しているにもかかわらず、所定時間(例えば2秒)経過しても各回転数検出センサS1,S2により検出される各油圧モータM2,M3の出力回転数が零(各油圧ポンプP2,P3の斜板角が中立状態)にならない場合には、傾斜地での機体のずり落ちや各回転数検出センサS1,S2の異常が発生していると判断して、強制的に各サーボ弁25,26、ネガティブブレーキ操作用の電磁切換弁35、及び短絡用の電磁切換弁37,38への通電を停止して、走行不能状態と制動状態とを同時に現出する強制停止作動を実行するようになっている。
【0033】
つまり、走行開始時には、走行可能状態を現出してから所定時間経過後に各クローラ式走行装置10の駆動を開始させるようにしていることから、走行開始時におけるショックの発生を防止できるようになっている。又、各クローラ式走行装置10の駆動を開始してから所定時間経過後に各ネガティブブレーキ10Aを制動状態から非制動状態に切り換えるようにしていることから、登坂状態での走行開始時に機体がずり落ちることを防止できるようになっている。一方、走行停止時には、各クローラ式走行装置10の駆動停止状態が現出された後に各ネガティブブレーキ10Aを非制動状態から制動状態に切り換えるようにしていることから、走行停止時におけるショックの発生を防止できるようになっている。又、各ネガティブブレーキ10Aを制動状態に切り換えてから所定時間経過後に走行不能状態を現出するようにしていることから、所定時間の間における走行再開時には各クローラ式走行装置10の再駆動を速やかに行うことができるとともに、所定時間経過後は走行停止状態を保証できるようになっている。更に、各油圧ポンプP2,P3の斜板角の中立側への操作にかかわらず、所定時間経過後に左右のクローラ式走行装置10の駆動停止状態が現出されない場合には、機体を強制停止させるようになることから、登降走行状態での走行停止時においては、傾斜に起因した機体のずり落ちを防止でき、又、それ以外の走行状態での走行停止時においては、回転数検出センサS1,S2の異常を容易に認識できるようになっている。
【0034】
走行制御手段9Aは、車速スティック40の操作による左右のクローラ式走行装置10の駆動状態において、減速操作スイッチ41が「OFF」位置から「ON」位置に操作された減速走行時には、車速スティック40にて設定された目標速度に減速調節ダイヤル42にて設定されたパーセンテージを乗算して得られる値を新たな目標速度として設定し、その新たな目標速度と左右のクローラ式走行装置10の実駆動速度とが合致するように各サーボ弁25,26の作動を制御することによって、左右のクローラ式走行装置10の減速走行状態を現出するようになっている。逆に、減速操作スイッチ41が「ON」位置から「OFF」位置に操作された通常走行時には、車速スティック40にて設定される目標速度を新たな目標速度として設定し、その新たな目標速度と左右のクローラ式走行装置10の実駆動速度とが合致するように各サーボ弁25,26の作動を制御することによって、左右のクローラ式走行装置10の通常走行状態を現出するようになっている。
【0035】
図3,図5,図6及び図9に示すように、走行制御手段9Aは、車速スティック40の操作による左右のクローラ式走行装置10の駆動状態において、操向スティック43が中立位置に位置している直進走行時には、機体の左右方向での傾斜方向及び傾斜角を検出するように走行機体1に装備された傾斜角検出センサS3からの検出値の移動平均値に基づいて、各サーボ弁25,26の作動を制御するようになっている。
【0036】
例えば、図9に示すように、走行制御手段9Aは、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度以内となる平地での直進走行時や傾斜地での傾斜方向に沿った登降直進走行時などにおいては、左右の回転数検出センサS1,S2により検出される左右の油圧モータM2,M3の出力回転数が同期するように、各サーボ弁25,26の作動を制御して左右の油圧ポンプP2,P3の斜板角を変更することによって、左右のクローラ式走行装置10の等速駆動状態を現出するようになっている。これによって、平地での直進走行時や傾斜地での傾斜方向に沿った登降直進走行時などにおける作業機の直進性を確保できるようになっている。
【0037】
一方、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地で等高線上を走行させる等高線走行時においては、作業機に、その自重に起因して作業機を傾斜下方側に引き下げる力が作用するようになり、又、その引き下げ力は傾斜地の傾斜角が大きいほど増大するものであることから、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が大きいほど、山側に位置するクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM2(又はM3)の出力回転数が谷側に位置するクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM3(又はM2)の出力回転数よりも低下するように、各サーボ弁25,26の作動を制御して左右の油圧ポンプP2,P3の斜板角を変更することによって、傾斜地の傾斜角に応じて変化する等高線走行時の作業機に作用する引き下げ力に応じた適切な引き上げ力を得ることのできる左右のクローラ式走行装置10の不等速駆動状態を現出するようになっている。
【0038】
つまり、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地での等高線走行時には、走行制御手段9Aが、その傾斜角の移動平均値が大きいほど谷側に位置するクローラ式走行装置10の駆動速度を山側に位置するクローラ式走行装置10の駆動速度よりも速くする、という傾斜地の傾斜角に応じて変化する引き下げ力に応じた引き上げ力が得られる適切な傾斜上方側への操向操作を自動的に行うようになっており、これによって、その引き下げ力に対応する適切な引き上げ力を作業機が有するようになることから、遠隔操縦装置Bの手動操作を行わなくても、その引き下げ力に起因した作業機のずり落ちを阻止することができ、もって、等高線走行時における作業機の直進性を容易に確保できるようになっている。
【0039】
又、走行制御手段9Aは、作業機の重量が走行機体1の前部に連結される作業装置Aの種類によって変化するものであり、又、等高線走行時の作業機にその自重に起因して作用する引き下げ力が作業機の重量が大きいほど増大するものであることから、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地での等高線走行時においては、走行機体1の前部に連結される作業装置Aの重量が大きいほど、山側に位置するクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM2(又はM3)の出力回転数が谷側に位置するクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM3(又はM2)の出力回転数よりも低下するように、各サーボ弁25,26の作動を制御して左右の油圧ポンプP2,P3の斜板角を変更することによって、作業機の重量に応じて変化する等高線走行時の作業機に作用する引き下げ力に応じた適切な引き上げ力を得ることのできる左右のクローラ式走行装置10の不等速駆動状態を現出するようになっている。
【0040】
つまり、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地での等高線走行時には、走行制御手段9Aが、走行機体1の前部に連結される作業装置Aの重量が大きいほど谷側に位置するクローラ式走行装置10の駆動速度を山側に位置するクローラ式走行装置10の駆動速度よりも速くする、という作業機の重量に応じて変化する引き下げ力に応じた引き上げ力が得られる適切な傾斜上方側への操向操作をも自動的に行うようになっており、これによって、その引き下げ力に対応する適切な引き上げ力を作業機が有するようになることから、遠隔操縦装置Bの手動操作を行わなくても、その引き下げ力に起因した作業機のずり落ちを阻止することができ、もって、等高線走行時における作業機の直進性を走行機体1の前部に連結される作業装置Aの種類(重量)にかかわらず容易に確保できるようになっている。尚、走行制御手段9Aは、走行機体1に連結した作業装置Aの種類に応じて切り換え操作される走行機体1に装備した選択手段である作業装置選択スイッチ67(図1及び図5参照)の操作位置に基づいて作業装置Aの種類を判別するようになっており、これによって、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地での等高線走行時には、その作業装置Aの重量を考慮した適切な左右のクローラ式走行装置10の不等速駆動状態を現出できるようになっている。ちなみに、走行機体1に連結される作業装置Aの重量は、刈取装置2が約350kg、集草装置が約250kg、除雪装置が約400kgである。
【0041】
更に、走行制御手段9Aは、作業装置Aが走行機体1の前部に連結されるものであり、又、等高線走行時の作業機にその自重に起因して作用する引き下げ力が作業機の重量バランスによって作業機に与える影響が前進走行時と後進走行時とで異なるものであることから、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地での等高線走行時においては、図10に示すように、山側に位置するクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM2(又はM3)と、谷側に位置するクローラ式走行装置10を駆動する油圧モータM3(又はM2)の出力回転数の差が、後進走行時には前進走行時の1/2に変更されるように、各サーボ弁25,26の作動を制御して左右の油圧ポンプP2,P3の斜板角を変更することによって、作業機の重量バランスの関係から前進走行時と後進走行時とで異なる等高線走行時の作業機に作用する引き下げ力に応じた適切な引き上げ力を得ることのできる左右のクローラ式走行装置10の不等速駆動状態を現出するようになっている。
【0042】
つまり、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角の移動平均値が±10度よりも大きくなる傾斜地での等高線走行時には、走行制御手段9Aが、進行方向に応じて谷側に位置するクローラ式走行装置10と山側に位置するクローラ式走行装置10との速度差を変更する、という作業機の重量バランスの関係から前進走行時と後進走行時とで異なる引き下げ力に応じた引き上げ力が得られる適切な傾斜上方側への操向操作をも自動的に行うようになっており、これによって、重い側を前にすることによって作業機がその進行方向前部側を傾斜下方側に向けながらずり落ちるようになる前進走行時には、作業機の進行方向前部側を上向き方向に修正しながら作業機のずり落ちを阻止できるだけの引き上げ力を作業機が有するようになり、逆に、重い側を後にすることによって作業機がその進行方向後部側を傾斜下方側に向けながらずり落ちるようになる後進走行時には、作業機のずり落ちのみを阻止する引き上げ力を作業機が有するようになることから、遠隔操縦装置Bの手動操作を行わなくても、進行方向によって変化する引き下げ力に起因した作業機のずり落ちを阻止することができ、もって、等高線走行時における作業機の直進性を作業機の進行方向にかかわらず容易に確保できるようになっている。
【0043】
しかも、走行制御手段9Aは、上述のように左右のクローラ式走行装置10の駆動速度を制御する際には、各静油圧式無段変速装置11の出力側である油圧モータM2,M3の出力回転数を検出する各回転数検出センサS1,S2からの検出値に基づいて制御作動を行うよう構成されたものであることから、左右の静油圧式無段変速装置11における各油圧ポンプP2,P3及び油圧モータM2,M3の性能のバラツキや油温の変化などの影響を受けることなく、その制御作動によって作業機の直進性を精度よく確保できるようになっている。
【0044】
図3,図5及び図6に示すように、走行制御手段9Aは、車速スティック40の操作による左右のクローラ式走行装置10の駆動状態において、操向スティック43がピボットモード領域内で左ステアリング領域に操作された左旋回走行時には、左走行装置駆動用の油圧ポンプP2の斜板角が中立状態となるようにサーボ弁25の作動を制御して、左側のクローラ式走行装置10を駆動停止させる左ピボット旋回走行状態を現出するようになっている。逆に、操向スティック43がピボットモード領域内で右ステアリング領域に操作された右旋回走行時には、右走行装置駆動用の油圧ポンプP3の斜板角が中立状態となるようにサーボ弁26の作動を制御して、右側のクローラ式走行装置10を駆動停止させる右ピボット旋回走行状態を現出するようになっている。
【0045】
又、車速スティック40の操作による左右のクローラ式走行装置10の駆動状態において、操向スティック43がスピンモード領域内で左ステアリング領域に操作された左旋回走行時には、左走行装置駆動用の油圧ポンプP2の斜板角が等速逆転状態(左走行装置駆動用の油圧モータM2が右走行装置駆動用の油圧モータM3と同じ回転数を逆方向に出力する状態)となるようにサーボ弁25の作動を制御して、左側のクローラ式走行装置10を右側のクローラ式走行装置10に対して等速逆転駆動させる左スピン旋回走行状態を現出するようになっている。逆に、操向スティック43がスピンモード領域内で右ステアリング領域に操作された右旋回走行時には、右走行装置駆動用の油圧ポンプP3の斜板角が等速逆転状態(右走行装置駆動用の油圧モータM3が左走行装置駆動用の油圧モータM2と同じ回転数を逆方向に出力する状態)となるようにサーボ弁26の作動を制御して、右側のクローラ式走行装置10を左側のクローラ式走行装置10に対して等速逆転駆動させる左スピン旋回走行状態を現出するようになっている。
【0046】
図3,図5及び図6に示すように、昇降制御手段9Bは、電磁アンロード弁30、電磁比例圧力制御弁31、及び電磁チェック弁32の作動を制御することによって、走行機体1に装備された高さ検出センサS4により検出される走行機体1に対する刈取装置2(作業装置Aの一例)の高さ位置が、高さ設定器としての作業高さ設定ダイヤル47により設定された走行機体1に対する刈取装置2の目標高さ位置と合致するように左右の油圧シリンダ3の作動を制御するポジション制御手段9Ba、及び、下降操作時に左右の油圧シリンダ3内の圧力を予め設定された低い側の設定値まで低下させるフローティング状態と、昇降操作時にその操作時間の間だけ油圧シリンダ3に対して作動油を供排した後に、油圧シリンダ3に対する油圧回路R5a内の圧力を予め設定された高い側の設定値に調節してその状態を維持する待機状態とを現出するフローティング制御手段9Bbによって構成されており、昇降制御モード切換スイッチ45の操作によって、ポジション制御手段9Baによるポジション制御モードとフローティング制御手段9Bbによるフローティング制御モードとに昇降制御モードが切り換えられるようになっている。尚、高さ検出センサS4は、リフトアーム20の上下揺動角から走行機体1に対する刈取装置2の高さ位置を検出するものである。
【0047】
詳述すると、ポジション制御手段9Baは、昇降制御モード切換スイッチ45の操作によりポジション制御モードを選択している状態では、作業高さ設定ダイヤル47により設定された走行機体1に対する刈取装置2の目標高さ位置と、高さ検出センサS4により検出される現時点での走行機体1に対する刈取装置2の高さ位置とを比較し、刈取装置2の高さ位置が目標高さ位置よりも低い場合において昇降スイッチ44が上昇側に操作された場合には、作業高さ設定ダイヤル47の操作位置に基づいて電磁アンロード弁30、電磁比例圧力制御弁31、及び電磁チェック弁32の作動を制御することによって、刈取装置2が作業高さ設定ダイヤル47により設定した走行機体1に対する刈取装置2の目標高さ位置に位置するように左右の油圧シリンダ3を伸長作動させるようになっている。逆に、昇降スイッチ44が下降側に操作された場合には、その操作に基づいて電磁アンロード弁30、電磁比例圧力制御弁31、及び電磁チェック弁32の作動を制御することによって、その操作時間の間だけ左右の油圧シリンダ3を短縮作動させるようになっている。一方、刈取装置2の高さ位置が目標高さ位置よりも高い場合において昇降スイッチ44が下降側に操作された場合には、作業高さ設定ダイヤル47の操作位置に基づいて電磁アンロード弁30、電磁比例圧力制御弁31、及び電磁チェック弁32の作動を制御することによって、刈取装置2が作業高さ設定ダイヤル47により設定した走行機体1に対する刈取装置2の目標高さ位置に位置するように左右の油圧シリンダ3を短縮作動させるようになっている。逆に、昇降スイッチ44が上昇側に操作された場合には、その操作に基づいて電磁アンロード弁30、電磁比例圧力制御弁31、及び電磁チェック弁32の作動を制御することによって、その操作時間の間だけ左右の油圧シリンダ3を伸長作動させるようになっている。
【0048】
つまり、ポジション制御モードにおいては、ポジション制御手段9Baが、昇降スイッチ44の操作に基づいて、刈取装置2を作業高さ設定ダイヤル47により設定された目標高さ位置に位置させるようになることから、コンクリート片や石などの障害物が多く点在する作業地においては、作業高さ設定ダイヤル47にて刈取装置2の適切な目標高さ位置を設定して昇降スイッチ44を操作するだけの簡単な操作で、障害物との接触を回避できる高さ位置に刈取装置2を浮上させた状態で刈り取り作業を行う高刈り作業状態を容易に現出することができ、もって、コンクリート片や石などの障害物が多く点在する作業地での刈り取り作業時に、刈取装置2がコンクリート片や石などの障害物に接触することにより、それらの障害物が跳ね飛ばされる、あるいは刈取装置2が損傷する、などの不都合が生じることを容易に防止することができるようになっている。
【0049】
一方、フローティング制御手段9Bbは、昇降制御モード切換スイッチ45の操作によりフローティング制御モードを選択している状態では、図11に示すように、電磁アンロード弁30の油圧シリンダ3に対する開状態と電磁チェック弁32の閉状態を現出するとともに電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、作業装置昇降用の油圧ポンプP5から電磁チェック弁32に亘る油圧回路R5a内の圧力を、刈取装置2の重量と均衡するように予め設定された高い側の設定値である待機圧(例えば2.5MP)まで上昇させる待機状態を現出するようになっており、これによって、上昇操作時での電磁チェック弁32の開状態の現出に伴って、刈取装置2が急激に上昇するあるいは刈取装置2が一旦下降してから上昇する、といった不都合が生じることや、下降操作時での電磁チェック弁32の開状態の現出に伴って、刈取装置2が急激に下降するあるいは刈取装置2が一旦上昇してから下降する、といった不都合が生じることを阻止できるようになっている。
【0050】
又、この状態において、自動モード設定スイッチ46を操作(ON)すると、フローティング制御手段9Bbが、その操作に基づいて電磁アンロード弁30の油圧シリンダ3に対する開状態と電磁チェック弁32の開状態とを現出するとともに電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、左右の油圧シリンダ3内の圧力を予め設定された低い側の設定値(例えば1.0MP)まで低下させる下降操作を行うことにより、刈取装置2を、その重量の一部を地面に預ける状態にして地面の凹凸に沿って接地追従させるフローティング状態を現出するようになっている。つまり、コンクリート片や石などの障害物が殆ど点在していない作業地においては、このフローティング状態を現出させることによって、刈取装置2を地面の凹凸に沿ってゲージ輪16が接地する所定の対地高さ位置に安定的に位置させることができるので、刈取装置2が地面から不必要に離間することによって生じる草類の刈り残しや、刈取装置2が地面に接触することによって生じる土削りや刈取装置2の損耗、などを回避することができ、もって、地面に生えた草類を所定の対地高さに刈り揃えることのできる良好な草刈り作業を行えるとともに、刈取装置2の耐久性の向上を図れるようになっている。
【0051】
このフローティング状態は、昇降スイッチ44の操作を行うことによって解除できるようになっており、この解除操作が行われると、フローティング制御手段9Bbは、昇降スイッチ44の操作方向に基づいて電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して油圧シリンダ3に対する作動油の給排作動を行うとともに、昇降スイッチ44の操作後(昇降停止位置への復帰後)に電磁チェック弁32の閉状態を現出し、最終的に、油圧シリンダ3に対する油圧回路R5a内の圧力が前述の待機圧(高い側の設定値)となるように、電磁比例圧力制御弁31の作動を制御するようになっている。
【0052】
例えば、昇降スイッチ44が上昇側に操作された場合において、その操作が油圧回路R5a内の圧力が待機圧に達するまでに終了すると、図11において実線で示すように、フローティング制御手段9Bbは、その操作の終了に伴って電磁チェック弁32の閉状態を現出する(電磁アンロード弁30は油圧シリンダ3に対して開状態のまま)とともに電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、油圧回路R5a内の圧力が前述の待機圧(高い側の設定値)に達するまで作動油を油圧シリンダ3に向けて供給して待機状態を現出し、その待機状態を維持するようになっている。又、昇降スイッチ44の上昇側への操作が、油圧回路R5a内の圧力が待機圧に達した後も継続された場合には、図11において破線で示すように、フローティング制御手段9Bbは、昇降スイッチ44の上昇側への操作が継続されている間、電磁チェック弁32を開状態に保持するとともに電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、油圧シリンダ3に作動油を供給して刈取装置2を上昇させ、その操作が終了するのに伴って電磁チェック弁32の閉状態を現出して油圧シリンダ3への作動油の供給を絶つことによって、刈取装置2をそのときの昇降スイッチ44の操作による所望の高さ位置に保持するとともに、電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、油圧回路R5a内の圧力が前述の待機圧(高い側の設定値)まで減圧されるように油圧回路R5a内の作動油を排出して待機状態を現出し、その待機状態を維持するようになっている。
【0053】
一方、昇降スイッチ44が下降側に操作された場合には、図11において実線で示すように、フローティング制御手段9Bbは、昇降スイッチ44の下降側への操作が継続されている間、電磁チェック弁32を開状態に保持するとともに電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、油圧シリンダ3から作動油を排出して刈取装置2の接地圧を上昇させ、その操作が終了するのに伴って電磁チェック弁32の閉状態を現出して油圧シリンダ3からの作動油の排出を絶つことによって、刈取装置2をそのときの昇降スイッチ44の操作による所望の接地圧で地面に接地させるとともに、電磁比例圧力制御弁31の作動を制御して、油圧回路R5a内の圧力が前述の待機圧(高い側の設定値)まで昇圧されるように作動油を油圧シリンダ3に向けて供給して待機状態を現出し、その待機状態を維持するようになっている。ちなみに、本実施形態においては、図11に示すように、昇降スイッチ44の操作により現出可能な油圧シリンダ3内の圧力の最低値を0.2MPに設定している。
【0054】
尚、電磁チェック弁32には、作動油の流動を阻止する停止位置側にバネ付勢されたネガティブ型のものが採用されており、万一の電源ダウン時には、電磁チェック弁32が油路を遮断して刈取装置2が急落下することを阻止するようになっている。
【0055】
図5に示すように、フローティング制御モードにおいては、作業高さ設定ダイヤル47が、前述した低い側の設定値を設定変更するための設定器である圧力設定器53として機能するようになっており、この圧力設定器53の操作によって低い側の設定値を、待機圧である最大値(2.5MP=100%)から最低値(0.2MP=0%)の間で変更できるようになっている。これによって、作業地が軟弱である場合には、その程度に応じて作業地が軟弱であるほど低い側の設定値を待機圧に近づける状態に圧力設定器53を操作して油圧シリンダ3内の圧力を高めることによって、フローティング状態での刈り取り時において地面にかかる刈取装置2の重量の割合を小さくすることができるので、刈り取り作業時に接地体としてのソリ部材15及びゲージ輪16が地面にめり込むようになることを阻止することができ、もって、それに起因した土削りが生じることを回避できるようになっている。又、刈り取る草の種類や刈り取り量に応じて圧力設定器53の操作を行うことによって、地面にかかる刈取装置2の重量(接地圧)を調節できることから、刈り取り作業時に、刈取装置2が刈り草の抵抗を受けて浮上することによって不必要に高刈りになる不都合が生じることも防止できるようになる。更に、ポジション制御モードにおける作業高さ設定ダイヤル47を、フローティング制御モードにおいては圧力設定器53として機能させるようにしていることから、それぞれ専用の設定器を設ける場合に比較して構成の簡素化及び製造コストの低減化を図れるようになっている。
【0056】
先述のように、走行機体1に連結される作業装置Aとしては、刈取装置2以外に集草装置や除雪装置などがあり、それらの作業装置Aはそれぞれ重量が異なるもの(刈取装置2は約350kg、集草装置は約250kg、除雪装置は約400kg)であることから、フローティング制御手段9Bbは、作業装置選択スイッチ67の操作位置に基づいて走行制御手段9Aと同様に作業装置Aの種類の判別を行うとともに、その判別に基づいて、油圧シリンダ3に対する油圧回路R5a内の圧力と連結された作業装置Aの重量とが均衡するように、予め設定された高い側の設定値である待機圧を設定変更する(例えば、重量が約250kgである集草装置の場合には2.0MPに、又、重量が約400kgである除雪装置の場合には3.0MPに設定変更する)とともに、圧力設定器53の操作によって設定される低い側の設定値の最大値を、連結される作業装置Aの待機圧の値に変更する(例えば、集草装置である場合には2.0MPに、又、除雪装置である場合には3.0MPに変更する)ようになっている。これによって、走行機体1に連結される作業装置Aの種類に関係なく、作業装置Aの上昇操作の際に刈取装置2が急激に上昇するあるいは刈取装置2が一旦下降してから上昇する、といった不都合や、作業装置Aの下降操作の際に刈取装置2が急激に下降するあるいは刈取装置2が一旦上昇してから下降する、といった不都合が生じることを阻止できるとともに、作業地の状況に応じた適切なフローティング状態を現出できるようになっている。
【0057】
尚、フローティング制御手段9Bbは、電磁比例圧力制御弁31に対する制御電流量から圧力値を算出するようになっている。
【0058】
又、フローティング制御手段9Bbは、作業装置Aの種類判別に基づいて、作業装置Aを駆動するPTO軸54(各作業装置Aに装備される作業装置駆動用の油圧モータM1の出力軸)の出力回転数を設定変更する作業駆動制御を行うようになっている。具体的には、フローティング制御手段9Bbは、作業出力調節ダイヤル51により調節可能となるPTO軸54の出力回転数の設定範囲を、作業装置Aが刈取装置2である場合には本来の最高出力に対して80〜100%の範囲に変更し、集草装置である場合には本来の最高出力に対して20〜65%の範囲に変更し、除雪装置である場合には本来の最高出力に対して40〜100%の範囲に変更するようになっている。つまり、フローティング制御手段9Bbは、作業装置Aの種類に応じてPTO軸54の最低出力及び最高出力を規制するように構成されており、これによって、出力不足による作業不良の発生、及び出力オーバーによる作業装置Aの損傷を防止できるようになっている。尚、このフローティング制御手段9Bbによる作業駆動制御はポジション制御モードにおいても実行されるようになっている。更に、フローティング制御手段9Bbは、遠隔操縦装置Bのメインスイッチ39が「ON」操作される以前から、昇降スイッチ44の上昇側又は下降側への操作、あるいは、自動モード設定スイッチ46の「ON」操作が行われている場合には、昇降スイッチ44の中立操作あるいは自動モード設定スイッチ46の「OFF」操作を確認するまで、昇降スイッチ44及び自動モード設定スイッチ46の操作に基づく制御作動を実行しないようになっており、これによって、遠隔操縦装置Bのメインスイッチ39の「ON」操作に伴って、急に作業装置Aが不測に昇降することを防止できるようになっている。
【0059】
作業制御手段9Cは、遠隔操縦装置Bに装備された正転駆動スイッチ48の操作に基づいてサーボ弁24の作動を制御することにより、作業装置駆動用の油圧ポンプP1の斜板角を変更して作業装置駆動用の油圧モータM1を正転作動させることによって、刈取装置2の正転駆動状態を現出するようになっている。又、逆転駆動スイッチ50の操作に基づいてサーボ弁24の作動を制御することにより、油圧ポンプP1の斜板角を変更して油圧モータM1を逆転作動させることによって、刈取装置2の逆転駆動状態を現出するようになっている。更に、駆動停止スイッチ49の操作に基づいてサーボ弁24の作動を制御することにより、油圧ポンプP1の斜板角を中立状態に変更して油圧モータM1を作動停止させることによって、刈取装置2の駆動停止状態を現出するようになっている。
【0060】
エンジン停止手段9Dは、遠隔操縦装置Bに装備されたエンジン停止スイッチ52の操作に基づいてエンジン6を停止させるようになっている。又、走行機体1の左側部に装備された操作レバー55(図1参照)の操作により、エンジン6に対する燃料供給を強制的に遮断することによって、エンジン6を緊急停止させることができるようになっている。ちなみに、エンジン6の始動は、走行機体1の左側部に装備されたキースイッチ56(図1参照)の操作で行えるようになっている。
【0061】
図2に示すように、走行機体1と刈取装置2とは、作業効率の面から刈取装置2の刈り幅が極力広くなるように、又、機体の安定性の面から走行機体1のトレッド寸法を極力大きく取れるようにしながらも、トラックなどの運搬車による運搬時にはそれぞれが運搬車の荷台幅内に収まるようにするために、運搬車の荷台幅内に収めることのできる最大寸法で略同幅になるように、それぞれの幅寸法が設定されている。これによって、作業効率及び機体に安定性の向上を図りながらも、走行機体1又は刈取装置2が荷台から食み出すことに起因した運搬時における走行機体1又は刈取装置2の他物との接触を防止できるようにしている。
【0062】
図12に示すように、ヒッチ19は、上部左右中央に配置されるフック金具19Aと、下部左右両端に配置された係合金具19Bとを、略正三角形状のフレーム19Cにて連結することによって構成されている。左右の係合金具19Bは、正面側が開放された凹部19aと、凹部19a内において横軸芯周りに上下揺動自在に装備されたフック状の係合片19b、係合片19bが凹部19aの正面を閉塞する状態となるように係合片19bを上昇揺動付勢する付勢バネ(図示せず)、などによって構成されている。各係合片19bの下降揺動操作は、各係合片19bに対する正面からの押圧の付与、又は、フレーム19Cの中央部に横軸芯周りに揺動自在に支持された操作レバー57の操作で行えるようになっている。一方、刈取装置2の刈取ケース13には、その左右中央に位置する第一連結部13Aと、第一連結部13Aから右方向に所定量(例えば200mm)だけ変位した位置に位置する第二連結部13Bとが装備されている。各連結部13A,13Bは、刈取ケース13から上方に向けて延設された一対の支持フレーム13aの上端部にそれぞれ装備された第一連結ピン13bと、支持フレーム13aの下部左右両側方に一対ずつ配備された第二連結ピン13c、などによって構成されている。
【0063】
以上の構成から、ヒッチ19を下降させた状態で走行機体1を刈取装置2に向けて前進させることにより、ヒッチ19のフック金具19Aを刈取装置2における第一連結部13A又は第二連結部13Bの第一連結ピン13bの下方に位置させ、その状態でヒッチ19を上昇させると、先ず、刈取装置2の第一連結ピン13bにヒッチ19のフック金具19Aが係合し、次に、刈取装置2が第一連結ピン13b周りにヒッチ19側に揺動してヒッチ19に正面側から押圧接当することによって、刈取装置2の第二連結ピン13cがヒッチ19の係合金具19Bに係合するようになり、もって、走行機体1に対する刈取装置2の連結が完了するようになっている。又、操作レバー57の操作で各係合金具19Bの係合片19bを下降揺動させた状態でヒッチ19を下降させると、先ず、刈取装置2の第二連結ピン13cがヒッチ19の係合金具19Bから離脱し、次に、ヒッチ19のフック金具19Aが刈取装置2の第一連結ピン13bから離脱するようになり、もって、走行機体1からの刈取装置2の取り外しが完了するようになっている。つまり、刈取装置2の刈取ケース13に第一連結部13Aと第二連結部13Bとを装備するだけの簡単な構成で、走行機体1に対する刈取装置2の着脱及び連結位置の変更を容易に行えるようになっている。
【0064】
又、ヒッチ19を刈取装置2の第一連結部13Aに連結すると、図2において実線で示すように、走行機体1に対して刈取装置2が、走行機体1の左右両側端と刈取装置2の左右両側端とが略一致する非オフセット位置に位置するようになることから、通常の刈り取り作業を行う場合や運搬車で運搬する際には、この非オフセット連結状態を現出することによって、機体の左右バランスが略均衡した安定状態で刈り取り作業を行えるとともに、走行機体1及び刈取装置2を運搬車の荷台幅内に収めることができるようになっている。一方、ヒッチ19を刈取装置2の第二連結部13Bに連結すると、図2において一点鎖線で示すように、走行機体1に対して刈取装置2が、走行機体1の左側端から刈取装置2の左側端が突出するオフセット位置に位置するようになることから、堤防天端部や路肩などにおける斜面(崖)との境界側で刈り取り作業を行う場合には、このオフセット連結状態を現出することによって、走行機体1を堤防天端部や路肩などにおける斜面から遠ざけた状態で、斜面との境界側に生えた草類の刈り取りを行えるようになっている。しかも、このオフセット連結状態においては、刈取装置駆動用の油圧モータM1が配備されることによって比較的に重くなった刈取装置2の右端側が走行機体1の幅内に位置し、その右端側よりも比較的に軽い左端側が走行機体1の左側端から突出するようになることから、機体の左右バランスの均衡を図れるようになっており、もって、斜面との境界側に生えた草類の刈り取りを機体の左右バランスの均衡が図られた安定状態で行えるようになっている。
【0065】
図13及び図14に示すように、機体フレーム5は、走行装置駆動用の油圧モータM2,M3の内側箇所に空間sが形成されるように、エンジンフレーム5Aをトラックフレーム5Bの上位に配置した段違い状に構成されており、これによって、極力機体重心を低くしながらも、油圧モータM2,M3や回転数検出センサS1,S2などのメンテナンス空間を確保することができ、もって、メンテナンス性の向上を図れるようになっている。図1及び図14に示すように、左右のトラックフレーム5Bには、それぞれ、クローラ式走行装置10の外側方に突出する作用姿勢と、クローラ式走行装置10の幅内に収納された退避姿勢とに姿勢切り換え可能な吊り下げ金具5aが前後一対ずつピン連結されており、故障時には、この吊り下げ金具5aを作用姿勢に切り換えてクレーンなどのフックを係合させることによって、クレーンなどによる吊り下げ搬送を行えるようになっている。又、この吊り下げ金具5aに代えて、左右のトラックフレーム5Bに亘る保護フレーム(図示せず)を連結することによって、転倒時の破損を抑制できるようになっている。尚、吊り下げ金具5aは、図外のデテント機構の作用によって作用姿勢及び退避姿勢に保持できるようになっている。
【0066】
図1及び図2に示すように、走行機体1の前後略中間位置には、アーチ状の支持フレーム5Cが立設されており、この支持フレーム5Cに、前後のボンネット58,59が上下揺動自在に支持されるようになっている。つまり、前側のボンネット58を上昇揺動させて走行機体1の前部側を開放することによって、走行機体1の前部に配備された制御装置9、走行装置駆動用の油圧ポンプP2,P3、及びチャージポンプP7、などのメンテナンスを走行機体1の前部側から容易に行えるようになっている。又、後側のボンネット59を上昇揺動させて走行機体1の後部側を開放することによって、走行機体1の後部に配備されたエンジン6、冷却ファン駆動用の油圧ポンプP4、及び作業装置昇降用の油圧ポンプP5、などのメンテナンスを走行機体1の後部側から容易に行えるようになっている。
【0067】
図15に示すように、支持フレーム5Cの上部には、左右二個ずつの防振ゴム60を介して載置台61が取り付けられており、この載置台61には、赤、黄、緑の三色の回転灯62,63,64が防振ゴム65を介して載置されている。つまり、各回転灯62,63,64に対して二重の防振支持構造を採用することによって、各回転灯62,63,64の耐久性の向上を図るようにしている。赤色の回転灯62は、受信などの異常が生じた場合に点灯することによって、その異常を操縦者に警告するようになっている。黄色の回転灯63は、傾斜角検出センサS3により検出される傾斜角が所定値を超えた場合に点灯することによって、機体が転倒する虞のあることを操縦者に警告するようになっている。緑色の回転灯64は、刈取装置2を駆動している場合に点灯することによって、刈取装置2の駆動状態を操縦者に把握させるようになっている。つまり、三色の回転灯62,63,64を装備し、警告内容に応じて点灯させる回転灯62,63,64を変更するようにしていることから、操縦者に警告内容を容易かつ正確に認識させることができるようになっている。又、載置台61の上部左側には、受信アンテナ66が前後揺動自在かつ姿勢保持可能に装着されており、これによって、メンテナンス時に前後のボンネット58,59を上昇揺動させる際には、受信アンテナ66を使用時の後傾姿勢(図1において実線で示す状態)から直立姿勢(図1において一点鎖線で示す状態)に切り換えることによって、受信アンテナ66が邪魔になる不都合が生じることを回避できるようになっている。
【0068】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
▲1▼ 作業機としては、走行機体1に集草装置を連結することによって構成される集草機あるいは走行機体1に除雪装置を連結することによって構成される除雪機であってもよい。
▲2▼ 刈取装置2としては、フレールモーア型式のもの以外に、ブレードモーア型式のものやリールモーア型式のものなどであってもよい。
▲3▼ 選択手段67を遠隔操縦装置Bに配備するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】草刈機の全体側面図
【図2】草刈機の全体平面図
【図3】草刈機の油圧回路図
【図4】エンジンと各ポンプをユニット化した状態を示す側面図
【図5】草刈機の制御構成を示すブロック図
【図6】遠隔操縦装置の構成を示す斜視図
【図7】走行制御手段の走行開始時及び走行停止時の制御作動を示すタイムチャート
【図8】走行制御手段の走行停止時における強制停止作動を示すタイムチャート
【図9】傾斜角検出センサからの検出に基づく走行制御手段の制御作動における作業装置の重量に応じた左右の走行装置の速度差を示すグラフ
【図10】傾斜角検出センサからの検出に基づく走行制御手段の制御作動における走行方向に応じた左右の走行装置の速度差を示すグラフ
【図11】フローティング制御手段の制御作動を示すタイムチャート
【図12】走行機体と刈取装置の連結構造を示す斜視図
【図13】走行機体のフレーム構造を示す側面図
【図14】走行機体のフレーム構造を示す縦断背面図
【図15】回転灯及び受信アンテナの支持構造を示す縦断正面図
【符号の説明】
1 走行機体
3 油圧シリンダ
4 昇降リンク機構
9Bb フローティング制御手段
32 電磁チェック弁
53 設定器
54 PTO軸
67 選択手段
A 作業装置
P5 油圧ポンプ
R5 油路
R5a 油圧回路

Claims (3)

  1. 走行機体に作業装置を、油圧シリンダの作動により昇降駆動されるように昇降リンク機構を介して連結してある作業機の昇降制御構造であって、
    下降操作時に前記油圧シリンダ内の圧力を予め設定された低い側の設定値まで低下させるフローティング状態と、昇降操作時にその操作時間の間だけ前記油圧シリンダに対して作動油を給排した後に、前記油圧シリンダとその油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプとを接続する油路における、前記油圧ポンプから、油圧シリンダ側に備えた電磁チェック弁に亘る油圧回路内の圧力を予め設定された高い側の設定値に調節してその状態を維持する待機状態とを現出するフローティング制御手段を設けてある作業機の昇降制御構造。
  2. 前記低い側の設定値を設定変更する設定器を備えてある請求項1記載の作業機の昇降制御構造。
  3. 前記作業装置の種類を選択する選択手段を装備し、該選択手段の選択に基づいて、前記フローティング制御手段が、前記高い側の設定値を設定変更するとともに、前記作業装置を駆動するPTO軸の出力回転数を設定変更するように構成してある請求項2記載の作業機の昇降制御構造。
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