JP3387167B2 - 動力車両の油圧制御装置 - Google Patents
動力車両の油圧制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動力車両の油圧制御
装置に関するものであり、主としてフロントモアの如き
乗用芝刈機に用いられる。 【0002】 【従来技術】フロントモアのような乗用芝刈機では、機
体前部に装着したモアデッキが地面の凹凸に軽快に追随
して上下するように従来はバネでモアデッキを吊った
り、油圧的に付勢力を与えてこれを上げ側に働かせるよ
うに構成していた。具体的には、作業時に作業機昇降用
のコントロールバルブを下げ側に操作し、油圧タンク内
に排出される作動油を絞りを通して排出するようにな
し、油圧シリンダ−に対して背圧を掛けるように構成し
ていたのである。また、乗用芝刈機においては外部油圧
機器を作動させるべく作業機昇降用のコントロールバル
ブとは別に外部油圧用制御弁が設けられているのが普通
である。この制御弁は例えばコレクタを昇降させたりコ
レクタをダンプさせるために使用 されることが多いが、
それだけでなく、除雪機の吐出方向を変えるアクチュエ
ータ等にも利用される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来装置の
うち、前者はバネの取り扱いに苦慮し、例えば、地面の
凸部にモアデッキが乗り上げるとバネの引上げ力が減少
し、また、メンテナンス時にリンク機構のピンを外すと
モアデッキが不測に吊り上げられ、安全装置を設けない
と甚だ危険であった。 【0004】一方、後者の形態にあっては、芝刈作業中
は支障なく作業が行なえるが、外部油圧機器を作動させ
るべく作業機昇降用のコントロ−ル弁を中立位置に切り
替え、外部油圧装置の制御弁を操作すると、外部油圧機
器用の下げ側回路に背圧が掛かってしまい、背圧を掛け
る必要がない作業機(作動部)の場合、作業機を降下さ
せようと油圧シリンダ−内の油を排出させようとしても
軽負荷の場合、作業機が下降しないで逆に作業機が上昇
してしまう、言い換えれば油圧シリンダーを縮小させよ
うとしていても伸長方向側に油圧が作用してしまうとい
った不具合が発生していたのである。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は前記問題点に
鑑みて提案するものであり、次のような技術的手段を講
じた。即ち、油圧ポンプ40と作業機昇降用の油圧シリ
ンダ−64との間に上げ位置、中立位置、下げ位置を有
するコントロ−ル弁51を設け、このコントロ−ル弁5
1を適宜切り替えて作業機を昇降制御するように構成し
てなる動力車両の油圧制御装置において、前記コントロ
−ル弁51が中立位置にあるときに外部油圧機器を動作
可能にする外部油圧用制御弁69,70を前記コントロ
ール弁51の下手に設けると共に前記コントロ−ル弁5
1の下げ側回路に背圧発生手段67を設け、更に油圧タ
ンク27と前記外部油圧用制御弁69,70との間に、
前記背圧発生手段67を介して作動油を油圧タンク27
に排出させる第1状態と、前記背圧発生手段67を迂回
させて作動油を排出させる第2状態とに切り替え可能な
切替弁76を設けたことを特徴とする動力車両の油圧制
御装置の構成とする。 【0006】 【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、この発
明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1
は大径の前輪2、2と小径の後輪3、3とを有し、通常
は前輪2、2のみを駆動させて走行する前輪駆動タイプ
の動力車両である。 【0007】後輪3、3は舵取車輪であり、ステアリン
グハンドル4を回動操作すると、全油圧式操舵装置5に
よって油圧シリンダ−6のシリンダ−室内に作動油が流
出入し、後輪3、3を操舵する。7は機体前部に設けら
れたステアリングポスト、8は座席、9はステップであ
り、前輪2、2の上方を覆うフェンダ−10と一体的に
形成されている。 【0008】機体後部にはエンジン12、ファン13、
ラジエ−タ14、燃料タンク15等が設けられている。
21はテ−ルパイプである。前記したエンジン12、ラ
ジエ−タ14、燃料タンク15等は箱型のボンネット1
6で覆われており、このボンネット16の前部と後部及
び左右両側部には通風可能な通気部が設けられている。
前側の通気部16aから流入した外気は燃料タンク1
5、エンジン12等を冷却する。なお、通気部は目抜き
鉄板で構成してもよいが、網状体を張設する形態として
もよい。 【0009】また、エンジン12の前部にはクラッチを
収容しているクラッチハウジング17が取付けられ、そ
の伝動後位には油圧式無段変速装置26(HST)が設
けられている。油圧式無段変速装置26はミッションケ
−ス27内に収容されており、油圧式無段変速装置26
の出力軸は図示外の機械式変速装置に接続され、減速さ
れた回転動力が前輪2、2に伝えられるように構成して
いる。 【0010】なお、30は無段変速装置26用の走行ペ
ダル、32はマスタ−ブレ−キペダルでこのマスタ−ブ
レ−キペダル32を踏み込むと左右の前輪2、2が同時
に制動される。図示は省略したが、ステアリングポスト
7の左側には左右独立した旋回用のペダルとクラッチペ
ダルが設けられている。34は油圧操作レバ−、35は
副変速用の操作レバ−である。次に図2の油圧回路図を
説明する。 【0011】40はエンジン12の回転動力にて駆動さ
れる油圧ポンプで、作業機昇降用のコントロ−ルバルブ
51と全油圧式操舵装置5のバルブ52に向けて作動油
を送り込む。作業機昇降用のコントロ−ルバルブ51は
「上げ」、「中立」、「下げ」の3位置を有し、前記油
圧操作レバ−34にて適宜切換えられる。全油圧式操舵
装置5のバルブ52はステアリングポスト7下部のステ
アリングユニット(図示省略)に組み込まれており、ス
テアリングハンドル4を回すと適宜油路が切換えられ、
後輪3、3を操舵する。55は分流弁で油圧ポンプ40
から吐出される作動油の一部を油路54を介して全油圧
式操舵装置5に送り、残りを油路57を介してモアデッ
キ昇降用のコントロ−ルバルブ51に送る。この実施例
では、7リットル/分を全油圧式操舵装置5に送り、1
3リットル/分をコントロ−ルバルブ51に送り込むよ
うにしている。したがって、油圧操作レバ−34を「上
げ」側に操作すると作動圧油は油路62を介して単動式
油圧シリンダ−64内に流入し、モアデッキを吊り上げ
る。反対にこの油圧操作レバ−34を「下げ」側に操作
すると、油圧シリンダ−64内から排出された作動油は
油路65を介して油圧タンクを兼ねるミッションケ−ス
27内に戻る。モアによる刈取作業を行なう場合には、
このコントロ−ルバルブ51を「下げ」側に切り替え、
所謂フリ−フロ−トの状態にしてモアデッキが地面の凹
凸に自由に追従できるようにする。そして、このコント
ロ−ルバルブ51とミッションケ−ス27の間であっ
て、下げ側の油路65の途中には背圧発生手段としての
絞り67を介装し、下げ側の回路内に背圧が掛かるよう
に構成している。この背圧により、作業機昇降用の油圧
シリンダ−64には作業機を持ち上げ気味の圧力が作用
することになって、モアデッキが地面の凹凸に対して軽
快に作動する。 【0012】69、70は図示外の外部油圧機器を作動
させるための制御弁であり、夫々の制御弁69、70は
中立位置を挾んで上げ位置、下げ位置を有する。なお、
この実施例では単動式の油圧シリンダ−72、74を伸
縮制御するようにしている。そして、これら外部油圧機
器を操作する制御弁69、70は昇降用のコントロ−ル
バルブ51が中立位置で初めて作動するように構成して
いる。更に、外部油圧機器操作用の制御弁69、70の
排出側油路75の途中には2位置電磁切替式の切替弁7
6が設けられ、この切替弁76を適宜操作することによ
って、制御弁69、70から排出された作動油が前記絞
り67を介してミッションケ−ス27に戻り、あるいは
絞り67を介さずに直接ミッションケ−ス27内に戻る
ように構成している。この切替弁76の切り替えはソレ
ノイド76aをON、OFFすることによってなされ、
具体的には、ミッションケ−ス27の前部から前方へ向
けて突設されたPTO軸(図面省略)の回転を入り切り
させるPTOチェンジレバ−78の動きと連動してスイ
ッチ80がON,OFFされる。この実施例ではPTO
チェンジレバ−78は高速(2速)、中立、低速(1
速)の各位置に切り替えることができ、高速位置で芝や
草の刈取作業を行ない、低速で除雪作業等を行なうもの
である。作業中にPTOチェンジレバ−78を刈取作業
に適した高速位置に切り替えると(図4参照)、スイッ
チ80はOFFとなってソレノイド76aは消磁され、
切替弁76を(ロ)の側に切り替えて、背圧を作用させ
る。この場合において、外部油圧機器としてコレクタ1
07の昇降用とダンプ用に油圧シリンダーを用いると、
夫々のシリンダーの下げ方向側に背圧が作用するが、こ
れによりコレクタ107の下降は急激なものではなくな
り、ダンプもゆっくりと行なわれ、ショックなくコレク
タ107を下降あるいはダンプさせることができる。 【0013】一方、PTOチェンジレバ−78を低速側
に切り替えると、スイッチ80がONになってソレノイ
ド76が励磁され、切替弁76は図2の(イ)の側に切
り替える。このため、外部油圧機器側の油圧シリンダ−
72、74から排出された作動油は絞り67を通ること
なくミッションケ−ス27に排出され、したがって油圧
シリンダ−72、74に背圧が掛かることはない。この
ように背圧を掛ける必要がない除雪作業時には通常の速
度による作業機の 上昇と下降のみが可能となり、下降側
に操作したときに除雪作業機が浮き上がり気味となる付
勢圧力が作用することはない。また、このとき外部油圧
機器側の油圧シリンダー72,74側から排出される作
動油は絞り67を通ることがないから下げ側の速度も遅
くならず、例えば除雪作業機に装着される外部油圧シリ
ンダーで吐出口の方向を変換する場合、その方向変更操
作も迅速に行なえる。 【0014】なお、図2における符号81、82は夫々
油圧式無段変速装置26の入出力軸である。83は無段
変速装置26のチャ−ジ回路(図示省略)に油を供給す
るための油路で、全油圧式操舵装置5の排出油路84と
接続されている。次に機体前部に装着される刈取装置と
してのモアとその懸架機構について簡単に説明する(図
1参照)。 【0015】ミッションケ−ス27の前部に左右が同時
に動く第1リンク86、86が枢支され、この第1リン
ク86、86の先端部に第2リンク87、87が着脱自
在に挿入され、第2リンク87、87は夫々単独で一定
範囲内、上下方向に揺動できるようにピン88、88に
て枢支している。第2リンク87、87の先端には、複
数枚の刈刃の外周を覆うモアデッキ90が取り付けら
れ、モアデッキ90の後部は、ロッド91、抜け止めピ
ン92及びカラ−93からなる吊り下げ具95により吊
持される。吊り下げ具95はモアデッキ90の一定以上
の垂れ下がりを規制するもので、モアデッキ90の上方
への移動は許容する。したがって、作業中にモアデッキ
90が上向きの力を受けたとき、モアデッキ90は上方
には退避できるように構成している。 【0016】96はゲ−ジ輪、98はギヤケ−スであ
る。ギヤケ−ス98の入力軸99とミッションケ−ス2
7前部から前方に向けて突設されたPTO軸とはユニバ
−サルジョイント102を介して連動連結され、このP
TO軸が回転するとモアデッキ90内に左右横方向に適
当間隔をあけて軸支された刈刃が平面から見て時計方向
に回転駆動されるように構成している。 【0017】モアデッキ90の左右横方向一側(実施例
では右側)には刈った草や芝を放出する草排出口が設け
られ、刈り放し作業以外の例えば集草作業を行なう場合
にはこの草排出口にシュ−タ105が接続され、ボンネ
ット16上方に載置したコレクタ107に刈った芝や草
を回収するように構成している。なお、この実施例では
前記した外部油圧機器作動用の油圧シリンダ−72をコ
レクタ107昇降用として、また、油圧シリンダ−74
をダンプ用として用いている。油圧シリンダ−72に作
動圧油を供給すると、平行リンク機構108に支持され
たコレクタ107が上動し、油圧シリンダ−74に作動
圧油を供給すると、コレクタ107が後側支点109を
中心として後方に回動して中に収容されている刈草を放
出落下すべく構成している。 【0018】以上述べた構成によれば、芝刈作業等を行
なうべくPTOチェンジレバ−78を高速位置に切り替
えたときだけ、コレクタ107を昇降させる油圧シリン
ダー72、ダンプ用油圧シリンダー74の下げ側にその
背圧が作用するのでコレクタ107を下降させる際、及
びダンプさせるときの衝撃が少ない。一方、PTOチェ
ンジレバ−78を中立位置若しくは低速位置に切り替え
たときには、前記切替弁76は図2の(イ)の位置に切
り替わり、絞り67を介さずに作動油がミッションケ−
ス27側に排出されるため、外部油圧機器側の油圧シリ
ンダ−72、74を下降(縮小)側に操作しても絞り6
7の影響を受けることがなく、油圧シリンダ−72、7
4が予期せぬ伸長方向に作動するようなことはない。 【0019】次に上記実施例で説明した装置の一部改良
例について構成を説明する。図5は外部油圧機器操作用
のレバ−111、112の支持部の構造、図6は図3に
相当する回路図である。両レバ−111、112の回動
基部には夫々スイッチ113、114が設けられ、これ
らのスイッチ113、114は共にレバ−111、11
2が中立位置ではOFFとなり、上げ側及び下げ側では
ONとなるように回路を組んでいる。いずれかのレバ−
111(112)を上げ側若しくは下げ側に倒すとスイ
ッチ113(114)はONとなり、切替弁76のソレ
ノイド76aは励磁されて図2(イ)の位置に切り替わ
り、背圧が作用しないようになる。 【0020】逆に、上記レバ−111(112)を中立
位置に保ち、刈取作業だけを行なう場合には、ソレノイ
ド76aは消磁されるため、コントロ−ル弁51を下げ
側に切り替えたときには背圧が油圧シリンダ−64に作
用し、モアデッキ90を上昇方向に作用させる付勢力が
働くことになる。この結果、芝刈作業では従来通り背圧
を利用してモアデッキ90を支障なく吊り上げることが
でき、芝刈以外の、例えばスノ−ブラシ、スノ−スロワ
作業等は背圧の影響を受けることなく作業を行なうこと
ができるものである。 【0021】図7は図3及び図6の電気回路を更に改良
したものである。同回路図から明らかなように、PTO
チェンジレバ−78の高速入検出用のスイッチ80と、
互いに並列関係にある外部油圧機器操作用のレバ−11
1、112基部に設けたスイッチ113、114とを直
列に接続し、更に、これらのスイッチ80、113、1
14にモ−ド切替スイッチ115を接続する。モ−ド切
替スイッチ115は、オ−トモ−ドと手動モ−ドとから
なり、オ−トモ−ドでは、スイッチ80とスイッチ11
3、あるいはスイッチ80とスイッチ114がONにな
るとソレノイド76aが励磁されるようになし、手動モ
−ドでは前記スイッチの状態如何に拘らず、これを入り
側に倒すと常にソレノイド76aが励磁されて背圧が作
用しないモ−ドに切り替えることができる。スイッチ1
13、114は操作レバ−111、112が中立位置に
あるときにONとなり、それ以外の位置ではOFFとな
るように操作レバ−111、112の回動基部にカム機
構を設ける。 【0022】このような改良装置の構成によれば、PT
Oチェンジレバ−78を高速側に切り替え、且つ、外部
油圧機器操作用のレバ−111、112を中立位置にし
たときのみ、即ち、モアデッキ90を下降側に操作して
刈取作業を行なう場合だけ、背圧が油圧シリンダ−64
に掛かり、モアデッキ90を吊り上げ勝手に付勢するよ
うにしている。それ以外の場合は、PTOチェンジレバ
−78が高速側に切り替えられていても、外部油圧機器
操作用のレバ−111、112が上げ側、あるいは下げ
側に切り替えられたときには下げ側回路に背圧が生じな
い。また、PTOチェンジレバ−78が低速側に切り替
えられたときには、操作レバ−111、112が如何な
る状態にあっても切替弁76のソレノイド76aが励磁
されることはなく、背圧が各油圧シリンダ−に作用する
ことはない。 【0023】図8、図9は参考として示す比較例であ
る。図8は、コントロ−ル弁51が下げ位置にあるとき
に、絞り67の背圧が作用するカプラ−117と、背圧
が掛からないカプラ−118とを設けたものである。作
業者は作業目的、作業内容に応じてこれらのカプラ−1
17、118を使い分け、これらのカプラ−117、1
18に図示外のホ−スを接続して油圧タンク27に排出
油を放出させる。 【0024】なお、図示は省略するが、下げ回路中にオ
リフィス径の異なる(2mm〜4mmφ)複数個の絞りを設
け、更にそれらの先端部に夫々カプラ−を設け、油圧タ
ンク27と連通しているホ−スをいずれか1つのカプラ
−に接続するようにすれば種々の背圧を選択することも
できる。図9は外部油圧機器操作用の制御弁の一部を改
良したものである。この図に示す制御弁120は上げ位
置、中立位置、下げ位置の3位置を備え、中立位置にお
いては、作動圧油供給側油路121と排出側油路122
とを連通させると共にその間に背圧を生む絞り125を
設けている。モアを用いて刈取作業を行なう場合には作
業機昇降用のコントロ−ル弁51を下げ側に切り替え、
外部油圧機器操作用の制御弁120を中立位置に保つ。
この状態では、油圧シリンダ−64から排出された作動
油は前記絞り125を通過するために背圧が作用し、モ
アデッキ90を吊り上げ勝手に付勢する。そして、モア
による芝刈作業に代えて他の作業を行なう場合、例え
ば、機体前部に除雪機やスノ−ブラシ等の作業機を装着
し、これらを外部油圧シリンダ−によって制御する場合
には前述の背圧が掛かると反って邪魔になることがあ
り、その影響を少なくする手段が必要となってくるが、
この前記した例では、制御弁120の上げ側、下げ側共
に絞り125による絞り作用を受けることがないので、
外部油圧機器側の下げ側回路に背圧が生じ、軽負荷時に
油圧シリンダ−が予期せぬ方向に動作してしまうといっ
た不具合を解消することができる。 【0025】 【発明の効果】この発明は前記の如く、油圧ポンプ40
と作業機昇降用の油圧シリンダ−64との間に上げ位
置、中立位置、下げ位置を有するコントロ−ル弁51を
設け、このコントロ−ル弁51を適宜切り替えて作業機
を昇降制御するように構成してなる動力車両の油圧制御
装置において、前記コントロ−ル弁51が中立位置にあ
るときに外部油圧機器を動作可能にする外部油圧用制御
弁69,70を前記コントロール弁51の下手に設ける
と共に前記コントロ−ル弁51の下げ側回路に背圧発生
手段67を設け、更に油圧タンク27と前記外部油圧用
制御弁69,70との間に、前記背圧発生手段67を介
して作動油を油圧タンク27に排出させる第1状態と、
前記背圧発生手段67を迂回させて作動油を排出させる
第2状態とに切り替え可能な切替弁76を設けたもので
あるから、外部油圧機器を用いて作業を行なうときに、
背圧を必要とする作業機と背圧を不要とする作業機との
使い分けが1台の機械で簡単に行なわれることになり、
種々の作業機に対する作業適応性が著しく拡大される。
装置に関するものであり、主としてフロントモアの如き
乗用芝刈機に用いられる。 【0002】 【従来技術】フロントモアのような乗用芝刈機では、機
体前部に装着したモアデッキが地面の凹凸に軽快に追随
して上下するように従来はバネでモアデッキを吊った
り、油圧的に付勢力を与えてこれを上げ側に働かせるよ
うに構成していた。具体的には、作業時に作業機昇降用
のコントロールバルブを下げ側に操作し、油圧タンク内
に排出される作動油を絞りを通して排出するようにな
し、油圧シリンダ−に対して背圧を掛けるように構成し
ていたのである。また、乗用芝刈機においては外部油圧
機器を作動させるべく作業機昇降用のコントロールバル
ブとは別に外部油圧用制御弁が設けられているのが普通
である。この制御弁は例えばコレクタを昇降させたりコ
レクタをダンプさせるために使用 されることが多いが、
それだけでなく、除雪機の吐出方向を変えるアクチュエ
ータ等にも利用される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来装置の
うち、前者はバネの取り扱いに苦慮し、例えば、地面の
凸部にモアデッキが乗り上げるとバネの引上げ力が減少
し、また、メンテナンス時にリンク機構のピンを外すと
モアデッキが不測に吊り上げられ、安全装置を設けない
と甚だ危険であった。 【0004】一方、後者の形態にあっては、芝刈作業中
は支障なく作業が行なえるが、外部油圧機器を作動させ
るべく作業機昇降用のコントロ−ル弁を中立位置に切り
替え、外部油圧装置の制御弁を操作すると、外部油圧機
器用の下げ側回路に背圧が掛かってしまい、背圧を掛け
る必要がない作業機(作動部)の場合、作業機を降下さ
せようと油圧シリンダ−内の油を排出させようとしても
軽負荷の場合、作業機が下降しないで逆に作業機が上昇
してしまう、言い換えれば油圧シリンダーを縮小させよ
うとしていても伸長方向側に油圧が作用してしまうとい
った不具合が発生していたのである。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は前記問題点に
鑑みて提案するものであり、次のような技術的手段を講
じた。即ち、油圧ポンプ40と作業機昇降用の油圧シリ
ンダ−64との間に上げ位置、中立位置、下げ位置を有
するコントロ−ル弁51を設け、このコントロ−ル弁5
1を適宜切り替えて作業機を昇降制御するように構成し
てなる動力車両の油圧制御装置において、前記コントロ
−ル弁51が中立位置にあるときに外部油圧機器を動作
可能にする外部油圧用制御弁69,70を前記コントロ
ール弁51の下手に設けると共に前記コントロ−ル弁5
1の下げ側回路に背圧発生手段67を設け、更に油圧タ
ンク27と前記外部油圧用制御弁69,70との間に、
前記背圧発生手段67を介して作動油を油圧タンク27
に排出させる第1状態と、前記背圧発生手段67を迂回
させて作動油を排出させる第2状態とに切り替え可能な
切替弁76を設けたことを特徴とする動力車両の油圧制
御装置の構成とする。 【0006】 【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、この発
明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1
は大径の前輪2、2と小径の後輪3、3とを有し、通常
は前輪2、2のみを駆動させて走行する前輪駆動タイプ
の動力車両である。 【0007】後輪3、3は舵取車輪であり、ステアリン
グハンドル4を回動操作すると、全油圧式操舵装置5に
よって油圧シリンダ−6のシリンダ−室内に作動油が流
出入し、後輪3、3を操舵する。7は機体前部に設けら
れたステアリングポスト、8は座席、9はステップであ
り、前輪2、2の上方を覆うフェンダ−10と一体的に
形成されている。 【0008】機体後部にはエンジン12、ファン13、
ラジエ−タ14、燃料タンク15等が設けられている。
21はテ−ルパイプである。前記したエンジン12、ラ
ジエ−タ14、燃料タンク15等は箱型のボンネット1
6で覆われており、このボンネット16の前部と後部及
び左右両側部には通風可能な通気部が設けられている。
前側の通気部16aから流入した外気は燃料タンク1
5、エンジン12等を冷却する。なお、通気部は目抜き
鉄板で構成してもよいが、網状体を張設する形態として
もよい。 【0009】また、エンジン12の前部にはクラッチを
収容しているクラッチハウジング17が取付けられ、そ
の伝動後位には油圧式無段変速装置26(HST)が設
けられている。油圧式無段変速装置26はミッションケ
−ス27内に収容されており、油圧式無段変速装置26
の出力軸は図示外の機械式変速装置に接続され、減速さ
れた回転動力が前輪2、2に伝えられるように構成して
いる。 【0010】なお、30は無段変速装置26用の走行ペ
ダル、32はマスタ−ブレ−キペダルでこのマスタ−ブ
レ−キペダル32を踏み込むと左右の前輪2、2が同時
に制動される。図示は省略したが、ステアリングポスト
7の左側には左右独立した旋回用のペダルとクラッチペ
ダルが設けられている。34は油圧操作レバ−、35は
副変速用の操作レバ−である。次に図2の油圧回路図を
説明する。 【0011】40はエンジン12の回転動力にて駆動さ
れる油圧ポンプで、作業機昇降用のコントロ−ルバルブ
51と全油圧式操舵装置5のバルブ52に向けて作動油
を送り込む。作業機昇降用のコントロ−ルバルブ51は
「上げ」、「中立」、「下げ」の3位置を有し、前記油
圧操作レバ−34にて適宜切換えられる。全油圧式操舵
装置5のバルブ52はステアリングポスト7下部のステ
アリングユニット(図示省略)に組み込まれており、ス
テアリングハンドル4を回すと適宜油路が切換えられ、
後輪3、3を操舵する。55は分流弁で油圧ポンプ40
から吐出される作動油の一部を油路54を介して全油圧
式操舵装置5に送り、残りを油路57を介してモアデッ
キ昇降用のコントロ−ルバルブ51に送る。この実施例
では、7リットル/分を全油圧式操舵装置5に送り、1
3リットル/分をコントロ−ルバルブ51に送り込むよ
うにしている。したがって、油圧操作レバ−34を「上
げ」側に操作すると作動圧油は油路62を介して単動式
油圧シリンダ−64内に流入し、モアデッキを吊り上げ
る。反対にこの油圧操作レバ−34を「下げ」側に操作
すると、油圧シリンダ−64内から排出された作動油は
油路65を介して油圧タンクを兼ねるミッションケ−ス
27内に戻る。モアによる刈取作業を行なう場合には、
このコントロ−ルバルブ51を「下げ」側に切り替え、
所謂フリ−フロ−トの状態にしてモアデッキが地面の凹
凸に自由に追従できるようにする。そして、このコント
ロ−ルバルブ51とミッションケ−ス27の間であっ
て、下げ側の油路65の途中には背圧発生手段としての
絞り67を介装し、下げ側の回路内に背圧が掛かるよう
に構成している。この背圧により、作業機昇降用の油圧
シリンダ−64には作業機を持ち上げ気味の圧力が作用
することになって、モアデッキが地面の凹凸に対して軽
快に作動する。 【0012】69、70は図示外の外部油圧機器を作動
させるための制御弁であり、夫々の制御弁69、70は
中立位置を挾んで上げ位置、下げ位置を有する。なお、
この実施例では単動式の油圧シリンダ−72、74を伸
縮制御するようにしている。そして、これら外部油圧機
器を操作する制御弁69、70は昇降用のコントロ−ル
バルブ51が中立位置で初めて作動するように構成して
いる。更に、外部油圧機器操作用の制御弁69、70の
排出側油路75の途中には2位置電磁切替式の切替弁7
6が設けられ、この切替弁76を適宜操作することによ
って、制御弁69、70から排出された作動油が前記絞
り67を介してミッションケ−ス27に戻り、あるいは
絞り67を介さずに直接ミッションケ−ス27内に戻る
ように構成している。この切替弁76の切り替えはソレ
ノイド76aをON、OFFすることによってなされ、
具体的には、ミッションケ−ス27の前部から前方へ向
けて突設されたPTO軸(図面省略)の回転を入り切り
させるPTOチェンジレバ−78の動きと連動してスイ
ッチ80がON,OFFされる。この実施例ではPTO
チェンジレバ−78は高速(2速)、中立、低速(1
速)の各位置に切り替えることができ、高速位置で芝や
草の刈取作業を行ない、低速で除雪作業等を行なうもの
である。作業中にPTOチェンジレバ−78を刈取作業
に適した高速位置に切り替えると(図4参照)、スイッ
チ80はOFFとなってソレノイド76aは消磁され、
切替弁76を(ロ)の側に切り替えて、背圧を作用させ
る。この場合において、外部油圧機器としてコレクタ1
07の昇降用とダンプ用に油圧シリンダーを用いると、
夫々のシリンダーの下げ方向側に背圧が作用するが、こ
れによりコレクタ107の下降は急激なものではなくな
り、ダンプもゆっくりと行なわれ、ショックなくコレク
タ107を下降あるいはダンプさせることができる。 【0013】一方、PTOチェンジレバ−78を低速側
に切り替えると、スイッチ80がONになってソレノイ
ド76が励磁され、切替弁76は図2の(イ)の側に切
り替える。このため、外部油圧機器側の油圧シリンダ−
72、74から排出された作動油は絞り67を通ること
なくミッションケ−ス27に排出され、したがって油圧
シリンダ−72、74に背圧が掛かることはない。この
ように背圧を掛ける必要がない除雪作業時には通常の速
度による作業機の 上昇と下降のみが可能となり、下降側
に操作したときに除雪作業機が浮き上がり気味となる付
勢圧力が作用することはない。また、このとき外部油圧
機器側の油圧シリンダー72,74側から排出される作
動油は絞り67を通ることがないから下げ側の速度も遅
くならず、例えば除雪作業機に装着される外部油圧シリ
ンダーで吐出口の方向を変換する場合、その方向変更操
作も迅速に行なえる。 【0014】なお、図2における符号81、82は夫々
油圧式無段変速装置26の入出力軸である。83は無段
変速装置26のチャ−ジ回路(図示省略)に油を供給す
るための油路で、全油圧式操舵装置5の排出油路84と
接続されている。次に機体前部に装着される刈取装置と
してのモアとその懸架機構について簡単に説明する(図
1参照)。 【0015】ミッションケ−ス27の前部に左右が同時
に動く第1リンク86、86が枢支され、この第1リン
ク86、86の先端部に第2リンク87、87が着脱自
在に挿入され、第2リンク87、87は夫々単独で一定
範囲内、上下方向に揺動できるようにピン88、88に
て枢支している。第2リンク87、87の先端には、複
数枚の刈刃の外周を覆うモアデッキ90が取り付けら
れ、モアデッキ90の後部は、ロッド91、抜け止めピ
ン92及びカラ−93からなる吊り下げ具95により吊
持される。吊り下げ具95はモアデッキ90の一定以上
の垂れ下がりを規制するもので、モアデッキ90の上方
への移動は許容する。したがって、作業中にモアデッキ
90が上向きの力を受けたとき、モアデッキ90は上方
には退避できるように構成している。 【0016】96はゲ−ジ輪、98はギヤケ−スであ
る。ギヤケ−ス98の入力軸99とミッションケ−ス2
7前部から前方に向けて突設されたPTO軸とはユニバ
−サルジョイント102を介して連動連結され、このP
TO軸が回転するとモアデッキ90内に左右横方向に適
当間隔をあけて軸支された刈刃が平面から見て時計方向
に回転駆動されるように構成している。 【0017】モアデッキ90の左右横方向一側(実施例
では右側)には刈った草や芝を放出する草排出口が設け
られ、刈り放し作業以外の例えば集草作業を行なう場合
にはこの草排出口にシュ−タ105が接続され、ボンネ
ット16上方に載置したコレクタ107に刈った芝や草
を回収するように構成している。なお、この実施例では
前記した外部油圧機器作動用の油圧シリンダ−72をコ
レクタ107昇降用として、また、油圧シリンダ−74
をダンプ用として用いている。油圧シリンダ−72に作
動圧油を供給すると、平行リンク機構108に支持され
たコレクタ107が上動し、油圧シリンダ−74に作動
圧油を供給すると、コレクタ107が後側支点109を
中心として後方に回動して中に収容されている刈草を放
出落下すべく構成している。 【0018】以上述べた構成によれば、芝刈作業等を行
なうべくPTOチェンジレバ−78を高速位置に切り替
えたときだけ、コレクタ107を昇降させる油圧シリン
ダー72、ダンプ用油圧シリンダー74の下げ側にその
背圧が作用するのでコレクタ107を下降させる際、及
びダンプさせるときの衝撃が少ない。一方、PTOチェ
ンジレバ−78を中立位置若しくは低速位置に切り替え
たときには、前記切替弁76は図2の(イ)の位置に切
り替わり、絞り67を介さずに作動油がミッションケ−
ス27側に排出されるため、外部油圧機器側の油圧シリ
ンダ−72、74を下降(縮小)側に操作しても絞り6
7の影響を受けることがなく、油圧シリンダ−72、7
4が予期せぬ伸長方向に作動するようなことはない。 【0019】次に上記実施例で説明した装置の一部改良
例について構成を説明する。図5は外部油圧機器操作用
のレバ−111、112の支持部の構造、図6は図3に
相当する回路図である。両レバ−111、112の回動
基部には夫々スイッチ113、114が設けられ、これ
らのスイッチ113、114は共にレバ−111、11
2が中立位置ではOFFとなり、上げ側及び下げ側では
ONとなるように回路を組んでいる。いずれかのレバ−
111(112)を上げ側若しくは下げ側に倒すとスイ
ッチ113(114)はONとなり、切替弁76のソレ
ノイド76aは励磁されて図2(イ)の位置に切り替わ
り、背圧が作用しないようになる。 【0020】逆に、上記レバ−111(112)を中立
位置に保ち、刈取作業だけを行なう場合には、ソレノイ
ド76aは消磁されるため、コントロ−ル弁51を下げ
側に切り替えたときには背圧が油圧シリンダ−64に作
用し、モアデッキ90を上昇方向に作用させる付勢力が
働くことになる。この結果、芝刈作業では従来通り背圧
を利用してモアデッキ90を支障なく吊り上げることが
でき、芝刈以外の、例えばスノ−ブラシ、スノ−スロワ
作業等は背圧の影響を受けることなく作業を行なうこと
ができるものである。 【0021】図7は図3及び図6の電気回路を更に改良
したものである。同回路図から明らかなように、PTO
チェンジレバ−78の高速入検出用のスイッチ80と、
互いに並列関係にある外部油圧機器操作用のレバ−11
1、112基部に設けたスイッチ113、114とを直
列に接続し、更に、これらのスイッチ80、113、1
14にモ−ド切替スイッチ115を接続する。モ−ド切
替スイッチ115は、オ−トモ−ドと手動モ−ドとから
なり、オ−トモ−ドでは、スイッチ80とスイッチ11
3、あるいはスイッチ80とスイッチ114がONにな
るとソレノイド76aが励磁されるようになし、手動モ
−ドでは前記スイッチの状態如何に拘らず、これを入り
側に倒すと常にソレノイド76aが励磁されて背圧が作
用しないモ−ドに切り替えることができる。スイッチ1
13、114は操作レバ−111、112が中立位置に
あるときにONとなり、それ以外の位置ではOFFとな
るように操作レバ−111、112の回動基部にカム機
構を設ける。 【0022】このような改良装置の構成によれば、PT
Oチェンジレバ−78を高速側に切り替え、且つ、外部
油圧機器操作用のレバ−111、112を中立位置にし
たときのみ、即ち、モアデッキ90を下降側に操作して
刈取作業を行なう場合だけ、背圧が油圧シリンダ−64
に掛かり、モアデッキ90を吊り上げ勝手に付勢するよ
うにしている。それ以外の場合は、PTOチェンジレバ
−78が高速側に切り替えられていても、外部油圧機器
操作用のレバ−111、112が上げ側、あるいは下げ
側に切り替えられたときには下げ側回路に背圧が生じな
い。また、PTOチェンジレバ−78が低速側に切り替
えられたときには、操作レバ−111、112が如何な
る状態にあっても切替弁76のソレノイド76aが励磁
されることはなく、背圧が各油圧シリンダ−に作用する
ことはない。 【0023】図8、図9は参考として示す比較例であ
る。図8は、コントロ−ル弁51が下げ位置にあるとき
に、絞り67の背圧が作用するカプラ−117と、背圧
が掛からないカプラ−118とを設けたものである。作
業者は作業目的、作業内容に応じてこれらのカプラ−1
17、118を使い分け、これらのカプラ−117、1
18に図示外のホ−スを接続して油圧タンク27に排出
油を放出させる。 【0024】なお、図示は省略するが、下げ回路中にオ
リフィス径の異なる(2mm〜4mmφ)複数個の絞りを設
け、更にそれらの先端部に夫々カプラ−を設け、油圧タ
ンク27と連通しているホ−スをいずれか1つのカプラ
−に接続するようにすれば種々の背圧を選択することも
できる。図9は外部油圧機器操作用の制御弁の一部を改
良したものである。この図に示す制御弁120は上げ位
置、中立位置、下げ位置の3位置を備え、中立位置にお
いては、作動圧油供給側油路121と排出側油路122
とを連通させると共にその間に背圧を生む絞り125を
設けている。モアを用いて刈取作業を行なう場合には作
業機昇降用のコントロ−ル弁51を下げ側に切り替え、
外部油圧機器操作用の制御弁120を中立位置に保つ。
この状態では、油圧シリンダ−64から排出された作動
油は前記絞り125を通過するために背圧が作用し、モ
アデッキ90を吊り上げ勝手に付勢する。そして、モア
による芝刈作業に代えて他の作業を行なう場合、例え
ば、機体前部に除雪機やスノ−ブラシ等の作業機を装着
し、これらを外部油圧シリンダ−によって制御する場合
には前述の背圧が掛かると反って邪魔になることがあ
り、その影響を少なくする手段が必要となってくるが、
この前記した例では、制御弁120の上げ側、下げ側共
に絞り125による絞り作用を受けることがないので、
外部油圧機器側の下げ側回路に背圧が生じ、軽負荷時に
油圧シリンダ−が予期せぬ方向に動作してしまうといっ
た不具合を解消することができる。 【0025】 【発明の効果】この発明は前記の如く、油圧ポンプ40
と作業機昇降用の油圧シリンダ−64との間に上げ位
置、中立位置、下げ位置を有するコントロ−ル弁51を
設け、このコントロ−ル弁51を適宜切り替えて作業機
を昇降制御するように構成してなる動力車両の油圧制御
装置において、前記コントロ−ル弁51が中立位置にあ
るときに外部油圧機器を動作可能にする外部油圧用制御
弁69,70を前記コントロール弁51の下手に設ける
と共に前記コントロ−ル弁51の下げ側回路に背圧発生
手段67を設け、更に油圧タンク27と前記外部油圧用
制御弁69,70との間に、前記背圧発生手段67を介
して作動油を油圧タンク27に排出させる第1状態と、
前記背圧発生手段67を迂回させて作動油を排出させる
第2状態とに切り替え可能な切替弁76を設けたもので
あるから、外部油圧機器を用いて作業を行なうときに、
背圧を必要とする作業機と背圧を不要とする作業機との
使い分けが1台の機械で簡単に行なわれることになり、
種々の作業機に対する作業適応性が著しく拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用芝刈機の全体側面図である。
【図2】油圧回路図である。
【図3】要部の電気回路図である。
【図4】PTOチェンジレバ−支持部の側断面図であ
る。 【図5】外部油圧操作レバ−支持部の側断面図である。 【図6】図3の一部を改良した電気回路図である。 【図7】図7の一部を改良した電気回路図である。 【図8】要部の油圧回路図である。 【図9】改良した制御弁の油圧回路図である。 【符号の説明】 1 動力車輌 2 前輪 3 後輪 4 ステアリングハンドル 5 全油圧式操舵装置 9 ステップ 10 フェンダ− 12 エンジン 14 ラジエ−タ 15 燃料タンク 16 ボンネット 27 油圧タンク(ミッションケ−ス) 40 油圧ポンプ 51 コントロ−ル弁 64 油圧シリンダ− 67 絞り 76 切替弁
る。 【図5】外部油圧操作レバ−支持部の側断面図である。 【図6】図3の一部を改良した電気回路図である。 【図7】図7の一部を改良した電気回路図である。 【図8】要部の油圧回路図である。 【図9】改良した制御弁の油圧回路図である。 【符号の説明】 1 動力車輌 2 前輪 3 後輪 4 ステアリングハンドル 5 全油圧式操舵装置 9 ステップ 10 フェンダ− 12 エンジン 14 ラジエ−タ 15 燃料タンク 16 ボンネット 27 油圧タンク(ミッションケ−ス) 40 油圧ポンプ 51 コントロ−ル弁 64 油圧シリンダ− 67 絞り 76 切替弁
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】油圧ポンプ40と作業機昇降用の油圧シリ
ンダ−64との間に上げ位置、中立位置、下げ位置を有
するコントロ−ル弁51を設け、このコントロ−ル弁5
1を適宜切り替えて作業機を昇降制御するように構成し
てなる動力車両の油圧制御装置において、前記コントロ
−ル弁51が中立位置にあるときに外部油圧機器を動作
可能にする外部油圧用制御弁69,70を前記コントロ
ール弁51の下手に設けると共に前記コントロ−ル弁5
1の下げ側回路に背圧発生手段67を設け、更に油圧タ
ンク27と前記外部油圧用制御弁69,70との間に、
前記背圧発生手段67を介して作動油を油圧タンク27
に排出させる第1状態と、前記背圧発生手段67を迂回
させて作動油を排出させる第2状態とに切り替え可能な
切替弁76を設けたことを特徴とする動力車両の油圧制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22182293A JP3387167B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 動力車両の油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22182293A JP3387167B2 (ja) | 1993-09-07 | 1993-09-07 | 動力車両の油圧制御装置 |
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JPH0775401A JPH0775401A (ja) | 1995-03-20 |
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Family
ID=16772735
Family Applications (1)
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---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-09-07 JP JP22182293A patent/JP3387167B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0775401A (ja) | 1995-03-20 |
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