JP3324214B2 - 感熱記録用印刷インキおよび感熱記録用シート - Google Patents

感熱記録用印刷インキおよび感熱記録用シート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録層を印刷方式
で設ける印刷インキに関し、特に紫外線硬化型の感熱記
録用印刷インキとそれを用いて印刷し紫外線硬化して得
られる感熱記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方式は、ファクシミリやプリン
ターなどの通信情報機器の記録表示、あるいは、商品ラ
ベルやカード類に記録されるバーコードや金額表示な
ど、巾広い分野で普及している。この方式は、ワイヤド
ット印字方式や熱転写印字方式などと比較してコンパク
トな装置で印字ができ、機器の保守も容易で低コストと
いう特徴がある。
【0003】感熱記録方式に使用される記録用シート
は、一般に発色剤と加熱時にその発色剤を発色させる呈
色剤、バインダーなどを水や有機溶媒に分散あるいは溶
解させて得られる感熱塗料を、コーターによって紙やプ
ラスチックフィルムなどの基材に塗工し乾燥して感熱発
色層を設けたものである。
【0004】しかし、このような方法で感熱記録用シー
トを製造するときには次のような問題がある。すなわ
ち、感熱塗料の分散媒として使用する水や有機溶媒をド
ライヤーで加熱し蒸発させなければならないため多大な
エネルギーを消費してしまう。また、有機溶媒を使用す
るときは、爆発や火災の危険があり、さらに環境破壊が
問題となる。
【0005】感熱発色層を印刷方式で設けることも従来
より行われており、例えば、特開平4−91172で
は、グラビア印刷を使用する例が記されている。しかし
ながら、この場合、感熱発色用インキはシクロヘキサノ
ンやトルエンなどの有機溶媒を使用しておりコーターに
よる塗工方式と同様の問題を抱えいる。
【0006】これに対して、無溶剤タイプのインキを用
いて印刷し、紫外線や電子線で印刷後のインキを硬化さ
せる放射線硬化型の印刷方式がある。この方式は、溶剤
を使用しないために省エネルギーや省資源、環境保全の
面で注目を集めている。特に、紫外線硬化型の印刷方式
は、電子線硬化型のものにくらべ硬化装置が安価であ
り、低エネルギーで安全性が高いなどの利点から一般に
普及しようとしている。なかでも、版形式を平版で行う
平版印刷は、多くはオフセット印刷として使用され、低
コストで高画質であり小ロットから大ロットまでいたる
印刷が自在にできるという特徴をもっている。また、オ
フセット印刷は、PS版(Pre-SensitizedPlate)によ
って素早く簡便に製版が行われる。さらに、湿し水不要
の水なし平版印刷は、湿し水による紙のびがなく、湿し
水によるインキの乳化が不要で湿し水量の調整を行う必
要もなく生産効率が良く画像再現性もよいことなどから
最近急速に普及してきている。
【0007】特開昭54−78141では紫外線硬化型
の樹脂を使用して感熱発色層の塗膜を強靭にしたり、製
造時間を短縮するこころみがなされている。しかしなが
ら、紫外線硬化型樹脂として使用される光重合性モノマ
ーや光重合性プレポリマーは発色剤や呈色剤に対する溶
解性が高いものが多く、感熱発色層用としてインキ化す
る際に発色剤と呈色剤の混合物が発色してしまうという
問題や印刷面の紫外線硬化を阻害するなどの問題があり
実用化することが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、印刷
方式を使用して基材上に感熱発色層を設け紫外線により
硬化させることによって、作業性を高め、環境破壊を防
止することである。また、従来は紫外線硬化型樹脂を用
いると発色剤と呈色剤のインキ化に伴う呈色反応や紫外
線硬化が困難になることが課題であったものを、特定の
紫外線硬化型樹脂を使用してこの課題を改良した紫外線
硬化が十分可能な感熱記録用印刷インキ、および、その
感熱記録用シートを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、感熱記録用の
発色剤および呈色剤の少なくとも一つと紫外線硬化型樹
脂を含有する無溶媒型の感熱記録用印刷インキにおい
て、紫外線硬化型樹脂がポリエンおよびチオール含有
することを特徴とする感熱記録用印刷インキ。および、
その印刷インキを用いて印刷基材の片面または両面に印
刷し紫外線で硬化して、発色剤および呈色剤を含有する
感熱記録層を設けた感熱記録用シートである。
【0010】
【作用】本発明では、感熱発色層を印刷方式によって設
けるが、その際に使用する印刷インキと印刷は、紫外線
硬化型樹脂と発色剤およびその発色剤を加熱時に呈色さ
せる呈色剤が含まれる印刷インキを印刷するか、あるい
は、紫外線硬化型樹脂と発色剤、または、紫外線硬化型
樹脂と呈色剤が含まれる印刷インキを重ねて印刷する。
【0011】紫外線硬化型樹脂は、光重合性モノマー、
光重合性プレポリマー、および、光重合開始剤、増感剤
を適宜組み合わせて構成される。光重合性モノマーは紫
外線により重合しうるモノマーであり、例えば、アクリ
ル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
イソデシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、
ラウリルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノアクリレート、グリシジルアクリレー
ト、、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ベンジルア
クリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのモノア
クリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジアクリレートなどのジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリストールトリアクリレートなどのトリア
クリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
ラウリルメタクリレートヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、グリシジルメタクリレートなどのメタクリレー
ト、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニト
リルなどが挙げられる。
【0012】光重合性プレポリマーは紫外線により重合
しうるポリマーやオリゴマーであり、例えば、ポリエス
テルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシア
クリレート、シリコーンアクリレート、ポリエーテルア
クリレート、ポリブタジエンアクリレートなどが挙げら
れる。
【0013】光重合開始剤は、波長200nm〜450
nmにわたる紫外線を吸収し重合反応を開始させる物質
で、例えば、アセトフェノンやp−tert−ブチルト
リクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロ
ロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
などのアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケ
トン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ルやベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイ
ンアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベン
ゾイルベンゾエート、テトラメチルチウラムモノサルフ
ァイドやチオ安息香酸S−フェニル、チオキサンソン、
2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン
などのイオウ化合物、ベンジル、9,10−アントラキ
ノンやカンフアキノンなどのキノン誘導体、3−ケトク
マリン、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウ
ム塩、アリールスルホニウム塩、スルホニルアセトフェ
ノン、ビスイミダゾールなどが挙げられる。
【0014】光重合開始剤と共用して紫外線硬化を促進
させるために増感剤を添加することも行われるが増感剤
としては、例えば、n−ブチルアミンやジ−n−ブチル
アミン、トリ−n−ブチルホスフィン、、トリエチルア
ミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチル
アミノアセトフェノンなどのアミン類、o−トリルチオ
尿素などの尿素類、ナトリウムジエチルジチオホスフェ
ートやs−ベンジル−イソ−チウロニウム−p−トルエ
ンスルフィネートなどのイオウ化合物、N,N−ジメチ
ル−p−アミノベンゾニトリルなどのニトリル系化合
物、トリ−n−ブチルホスフィンやナトリウムジエチル
ジチオホスフェートなどのリン化合物、ミヒラーケトン
などが挙げられる。
【0015】紫外線硬化性樹脂中の各成分の配合量は、
紫外線による硬化後十分な印刷強度が得られるように調
整されるが、紫外線硬化性樹脂100重量部に対して、
光重合性モノマー5〜50重量部、光重合性プレポリマ
ー20〜90重量部、光重合開始剤2〜30重量部の範
囲で使用される。
【0016】光重合性モノマーは、光重合性プレポリマ
ーの粘度が高すぎる場合や硬化皮膜の硬度を調整したり
硬化速度を調整する必要がある場合に使用されるが、モ
ノマーの量が多すぎるとインキの粘度が下がり、顔料な
どが分離しやすくなったり印刷物の濃度や光沢が低下し
たりするので好ましくない。光重合性プレポリマーは樹
脂骨格の基本成分であり、プレポリマーの配合量が少す
ぎると硬化皮膜の強度が低下し印刷物の耐薬品性が劣化
したりする。逆に、プレポリマーの配合量が多すぎると
インキ粘度が高くなり印刷時のインキ転移不良が生じた
り、作業性が悪くなったりするので好ましくない。
【0017】また、光重合開始剤は、配合量が少ないと
硬化反応が迅速に進行せず、印刷時の地汚れやブロッキ
ングが生じる。逆に、配合量が多すぎるとインキの貯蔵
安定性が悪くなったり、硬化皮膜の強度が低下したりす
るので好ましくない。
【0018】一般的な紫外線硬化型樹脂については次の
ようなものが市販されている。KAYARAD[日本化
薬]、紫光[日本合成化学工業]、アロニックス[東亜
合成化学工業]、水溶性UV硬化光沢ニスTPV[シー
ピーケー]、ダイキュア[大日本インキ]、BESTC
URE[T&K TOKA]などである。
【0019】本発明の感熱記録用印刷インキは、紫外線
硬化型樹脂のなかでもポリエンおよびチオール含有す
る紫外線硬化型樹脂を用いることが重要である。この特
定の紫外線硬化型樹脂を用いると、インキ化に伴う発色
剤と呈色剤の呈色反応の進行を抑制し、紫外線硬化を阻
害することなく印刷面を硬化し、印刷後の地よごれを防
止することができ、印刷面の強度にも優れた感熱記録用
印刷インキを得ることができる。
【0020】ポリエンとしては、多官能性の不飽和化合
物であり、例えば、トリメチロールプロパントリアリル
エーテル、トリアリルシアヌレート、ジアリリデンペン
タエリスリットなどのアリル化合物やビニル化合物が用
いられる。
【0021】チオールとしては、例えば、ペンタエリス
リトールテトラキス(チオグリコレート)、トリメチロ
ールプロパントリス(β−メルカプトプロピオネート)
など多官能性のチオールが用いられる。
【0022】ポリエンチオールを光重合させるには、
さらに、ベンゾフェノンやミヒラーケトンなどの光重合
開始剤と増感剤が使用される。このような特定の紫外線
硬化型樹脂の配合物は、旭電化工業社製「オプトマーB
Y」および「オプトマーBYX」として市販されてい
る。
【0023】発色剤と呈色剤は、感熱発色層が感熱ヘッ
ドにより加熱されたときに呈色反応を示す組み合わせが
使用される。例えば、塩基性染料と酸性物質、高級脂肪
酸金属塩とフェノール類などであるが塩基性染料と酸性
物質が記録適性に優れるため好ましく使用される。
【0024】塩基性染料は、公知のものを使用してよい
が、例えば、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−
クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−
イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオランなどの黒色染料、3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフラリド、3−
(1−n−オクチル−2−メチルインドリル−3−イ
ル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−4−アザフタリドなどの青色染料、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−フラリド、3−ジエ
チルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオ
ランなどの緑色染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)
フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシ
ルアミノ−6−クロロフルオランなどの赤色染料、3,
6−ジメトキシフルオラン、1−(4−n−ドデシルオ
キシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)
エチレンなどの黄色染料、3,3−ビス〔1,1−ビス
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−
4,5,6,7−テトラブロモフタリド、3−p−(p
−アニリノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7クロロ
フルオランなどの近赤外染料などが挙げられる。
【0025】塩基性染料と呈色反応する酸性物質として
は、公知のものを使用してよいが、例えば、活性白土、
酸性白土、アパルジャタイト、ベントナイトのような無
機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノー
ル、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニル
スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル
−p−トリルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンなどの有機酸性物質が挙げられる。
【0026】本発明では、この他に助剤として、色料、
ビヒクル、その他の添加剤が必要に応じ使用される。色
料は、印刷インキに色を与えるために使用され、例え
ば、二酸化チタンや炭酸カルシウム、硫酸バリウム、紺
青、べんがらなどの無機顔料、レーキッドCやブリリア
ントカーミン6B、ブリリアントブルー6B、フタロシ
アニンブルーなどの有機顔料、マラカイトグリーンやメ
チルバイオレット、キノリンエロー、エオシンなどの染
料が挙げられる。ビヒクルは印刷インキに適切な粘度や
流動性を付与し、印刷基材へ転移したあとは基材へ定着
させるために必要なものであり、例えば、植物油や鉱物
油などのオイル類、脂肪酸エステルなどの可塑剤、天然
樹脂や合成樹脂などの樹脂類、天然ワックスや合成ワッ
クスなどのワックス類が使用される。その他の添加剤と
しては、分散剤、帯電防止剤、湿潤剤、色わかれ防止
剤、皮張り防止剤、酸化防止剤、レベリング剤、脱臭
剤、滑り防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤などが挙
げられる。
【0027】本発明の感熱記録用印刷インキ中の各成分
の配合量は印刷インキ中に、紫外線硬化型樹脂10〜8
0重量%、発色剤および呈色剤の少なくとも一つは5〜
80重量%であり、ポリエン・チオール系の紫外線硬化
型樹脂は、紫外線硬化型樹脂全量に対して20重量%以
上、好ましくは40重量%以上である。ポリエン・チオ
ール系樹脂の量が少ないとインキ化の時に発色剤と呈色
剤による発色が生じ、印刷時の地よごれを発生したり、
紫外線照射の時に十分な硬化が阻害されてしまう。発色
剤と呈色剤は個別に使用してインキ化してもよいし、同
時に使用してインキ化してもよい。個別にインキ化する
場合には、発色剤を含むインキと呈色剤を含むインキを
印刷前に混合して印刷してもよいし、発色剤を含むイン
キと呈色剤を含むインキを重ねて印刷し感熱発色層とし
てもよい。
【0028】感熱発色層における発色剤と呈色剤の重量
比の範囲は1/10〜10/1で、好ましくは1/5〜
5/1で、より好ましくは1/3〜3/1である。発色
剤と呈色剤の重量比が大きすぎるたり小さすぎたりする
と印字物の光学濃度が十分満足するまでには得られな
い。
【0029】本発明では、感熱発色層と印刷基材の密着
性を高めるために感熱発色層と印刷基材の間に印刷イン
キ層または塗工層を設けることも行われ、印刷基材と感
熱発色層の両方に対し接着性のある材料を選択して使用
する。ここでの印刷インキ層または塗工層は、樹脂を主
成分とし必要に応じて、例えば発色剤、呈色剤、着色
剤、助剤などから構成される。印刷インキ層を印刷して
紫外線硬化することによって設ける場合には、印刷イン
キ用の樹脂を前記の紫外硬化型樹脂から適宜選択する。
そして、塗工層を水あるいはエタノール、イソプロピル
アルコール、アセトン、トルエン、キシレン、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、シクロヘキサン、シクロヘキ
サノンなどの有機溶剤を用いて溶剤塗工する場合には、
例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フルフラール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂
などの熱硬化性樹脂類、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、アミド樹脂、フッソ樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリエーテル樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂な
どの熱可塑性樹脂類から適宜選択して使用する。また、
塗膜強度を高めるために架橋剤を添加してもよい。
【0030】本発明では、感熱発色層と印刷基材の間に
印刷インキ層を印刷して設けると同様に、感熱発色層を
印刷し、その上にさらに発色剤または呈色剤を含有する
印刷インキを重ねることも行われる。この印刷インキ
は、発色剤または呈色剤を含有する紫外線硬化型樹脂を
主成分とし、必要に応じて固体潤滑剤、耐光安定剤、な
どから構成される。発色剤または呈色剤と紫外線硬化型
樹脂は前記したものから適宜選択して使用する。
【0031】固体潤滑剤は、印刷物に耐擦性および耐熱
性を付与するために使用され、例えば、メラミンシアヌ
ル酸アダクト、N−ラウロイル−L−リジン、N−ラウ
ロイルアスパラギン酸−β−ラウリルエステル、ポリテ
トラフルオロエチレン、フッ化黒鉛、黒鉛、チッ化ホウ
素、雲母、三酸化アンチモン、二流化ジルコニウム、二
流化バナジウム、二流化ニオブ、二流化モリブデン、二
流化タングステン、二流化レニウム、セレン化タングス
テン、セレン化ニオブなどが挙げられるが、印字濃度を
低下させず、また、コントラストを高めるためには無色
または淡色のものが好ましい。固体潤滑剤の使用量は、
サーマルヘッドとの滑り性や摩耗性、表面の強度などに
より決められるが、全固形分の30重量%以下、好まし
くは20重量%以下である。
【0032】耐光安定剤は、印刷物が太陽光や室内光に
さらされたときに感熱印字部分および非印字部分の色変
化を抑制するために使用され、例えば、2−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−
ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)や2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
−トなどのヒンダードアミン類、3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネ−ト−ジエ
チルエステルやトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどのヒン
ダートフェノール類、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
t−オクチルフェニル)ベンゾトアゾールやメチル−3
−〔3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾ−ル
−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネー
ト−ポリエチレングリコールとの縮合物などのベンゾト
リアゾール類などが挙げられる。このような化合物は、
例えば、日本チバガイギ−社製「TINUVIN」や
「IRGANOX」、アデカ・アーガス化学社製「MA
RK」として市販されている。耐光安定剤は、印刷時の
紫外線硬化を阻害しないように使用され、全固形分の1
0重量%以下、好ましくは5重量%以下で使用される。
【0033】本発明の感熱記録用シートは、上記のよう
に印刷インキの配合に特徴を持たせて、印刷インキを重
ねて印刷することによってトータルの感熱記録層の印字
光学濃度を高めることができる。重ね印刷用の印刷イン
キは、印刷基材と感熱記録層の間および感熱記録層上な
どに印刷され、発色剤または呈色剤を含有させた感熱記
録用印刷インキとするとよい。発色剤と呈色剤を加えた
ものを感熱記録剤と称することにすると、本発明におい
て重ね印刷用の印刷インキに使用される感熱記録剤の量
は、60重量%以下、好ましくは50重量%、より好ま
しくは30重量%以下である。感熱記録剤の量が多すぎ
ると印刷基材と感熱発色層の密着が低下したり、印刷物
シート表面の耐熱性が低下しスティッキングの原因とな
る。
【0034】印刷基材上の各層の厚みは、印刷物の表面
の強度や耐熱性、印字濃度や印字感度の設定に合わせて
調整されるが、感熱発色層は1〜20μm、より好まし
くは2〜10μmである。厚みが少なすぎると十分な光
学濃度が得られないし、多すぎると紫外線による硬化が
不十分となることや印刷回数を増やす必要が生じる。ま
た、感熱発色層上の重ね印刷の厚みは10μm以下が好
ましい。これより厚みが多すぎると印字感度がわるくな
り充分な印字濃度が得られなくなる。そして、感熱発色
層と印刷基材の間の厚みは、20μm以下、より好まし
くは10μm以下である。厚みが多すぎると皮膜の強度
が低下してしまう。これらの層を印刷によって設けるさ
いには、印刷面の平滑性、インキ量、紫外線硬化の具合
により印刷速度や印刷回数を調整する。
【0035】上記の層印刷以外に文字や図柄などの特定
のパターンを印刷する場合は、感熱発色層に接して表側
に設ける場合や最上層表面に設ける場合があるが、印字
感度を劣化しない程度に印刷インキ量を調節する。
【0036】本発明のインキの製造方法としては、とく
に限定するものではないが、紫外線硬化型樹脂に発色
剤、呈色剤、さらにその他の添加剤を加え、バタフライ
ミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、デ
ィゾルバー、タンクミキサーなどのミキサー類、ニーダ
ー、ロールミル、アトライター、サンドミルなどの分散
機や混練機を使用して攪拌混合して製造する。このと
き、インキの粘度は、光重合性モノマーと光重合性プレ
ポリマーの配合量や配合比率などにより調整され、通常
25℃で1,000〜300,000cPにの範囲に調
整される。
【0037】印刷基材の表面にあらかじめ下塗層を水や
有機溶剤を使用して塗工することによって設ける場合、
塗料化するには、必要な材料を溶剤中に分散あるいは溶
解させ、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロー
ルミル、振動ミル、ホモミキサー、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、ニーダー、衝撃ミル、超音波分
散機などの分散機あるいは混練機を使用して行う。この
ようにして得られた塗料は、グラビヤコーター、リバー
スロールコーター、ブレードコーター、ロッドコータ
ー、ダイコーター、カーテンコーター、エアナイフコー
ター、ナイフコーター、スクイズコーター、トランスフ
ァーロールコーター、キスコーター、キャストコーター
などのコーターにより塗工される。
【0038】本発明に使用される印刷基材は、印刷可能
な形状や材質のものであれば、とくに限定されないが、
例えばアート紙やコート紙などの紙類、ポリプロピレン
やポリ塩化ビニルなどから作られる合成紙類、ポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンイミンなどを使ったプラスチック
フィルム類などが挙げられる。
【0039】プラスチックを使用した基材については、
延伸、発砲、顔料練り込み、貼り合わせなどの加工処理
を施したものも使用できる。また、インキの印刷基材へ
の固着が不十分なときには、必要に応じて、基材表面に
コロナ放電処理やグロー放電処理などの放電処理を行っ
たり、火炎処理やオゾン処理、クロム酸カリウムなどの
薬品で処理を行って、基材表面のインキに対する濡れ性
を改良するなどの方法がとられる。また、サンドブラス
ト処理などで基材表面を粗面化したり、プライマー層を
基材表面に設けたりしてインキと基材の接着性を高める
ことを行ってもよい。
【0040】印刷基材は、印刷機や印刷後の用途により
適切な形に加工して使用される。基材が巻き取りの形で
あるときには輪転機が使用され、シート状ならば、枚葉
印刷機が使用されるが、印刷サイズが小さい葉書やカー
ドなどでは小型印刷機が使用される。
【0041】文字や図柄など特定のパターンを印刷する
場合や感熱発色層と重ね印刷する場合は、必要に応じ多
色印刷機を使用する。多色印刷機を使用すると感熱発色
層と重ね印刷あるいはパターンを印刷などを多色印刷ユ
ニットの数に分けて同時に印刷してもよく、この場合に
は、各層が硬化する前に接しブランケットと圧胴の間で
圧縮されるために各層の区別は明確ではなくなり、その
後、紫外線により硬化定着されるので各層の密着性がよ
くなる。また、印刷インキの必要量が多い場合にも同様
に重ね印刷することによって印刷機への通し回数を減ら
すことができ、印刷時間を短縮できるという利点があ
る。
【0042】本発明では、印刷基材が磁気記録層を有す
るものを印刷基材として使用してもよい。磁気記録層を
構成する材料および形成方法は、例えば、特願平4−2
84715に記されている。磁気記録層は基材の片面あ
るいは両面に設けられる。
【0043】本発明に使用される基材の厚みは、4μm
〜5,000μm程度であり、好ましくは、25μm〜
2,000μmである。印刷基材の厚みが薄すぎるとし
わによる印刷不良が生じたり、基材が切断されやすくな
る。逆に、厚すぎると印刷機の搬送性が悪くなり、ロー
ルずまりなどのトラブルが生じやすくなる。
【0044】本発明では、感熱発色層を印刷基材の片面
または両面に設けてもよい。また、重ね印刷用の感熱記
録用印刷インキを用いて各層としたり、同一の感熱記録
用印刷インキを多層にしたりする時は目的に合わせて必
要に応じて設ける。
【0045】本発明では、感熱発色層を設ける印刷方式
は平版印刷機(オフセット印刷機)を使用するとよい。
平版印刷では、画線部と非画線部がほとんど同一平面上
に設けられた刷版を使用する。平版印刷方法について
は、例えば、日本印刷技術協会発行の「平版印刷技術」
に記載されている。印刷用刷版については同書の82〜
87頁に記載されているが、なかでも印刷安定性、製版
のしやすさ、画像再現性の面でPS版が優れている。
【0046】また、印刷時に湿し水を使用しない水なし
平版は、湿し水の量、PH、表面張力などの調整を必要
とせず印刷機構や印刷作業を簡易化することができる。
水なし平版印刷方式に使用される平版印刷の刷板は、た
とえば、東レ社製水なし平版材のように、アルミニウム
などの基板上にインキ受容性の層を設け、その層が露出
しているところを画線部とし、さらにその上にシリコー
ン樹脂やフッ素樹脂などのインキ反発性の層を設けたと
ころを非画線部としたもので、一般の平版オフセット印
刷に使用される湿し水を必要としないものである。本発
明でいう水なし平版印刷はこのような水なし平版印刷用
の刷板を通常の平版印刷機または専用印刷機に取り付け
て印刷を行う。もちろん、このさいに湿し水は不要であ
る。本発明の感熱記録用印刷インキはポリエンおよびチ
オール含有する紫外線硬化型樹脂が好ましく作用する
ため、水なし平版印刷用印刷インキとして画線部へのイ
ンキ受容性と非画線部とのインキ反発性に優れた適性を
備えている。
【0047】印刷基材に感熱記録用印刷インキを印刷し
た印刷物シートは紫外線硬化装置により硬化処理され
る。紫外線の発生源としては、たとえば、低圧水銀ラン
プ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フラッシ
ュランプなどが使用される。これらのランプは発生する
紫外線の波長分布やエネルギー分布が異なるので、光重
合開始剤や色料の光吸収性に合わせて適宜選択して使用
される。
【0048】
【実施例】以下に、本発明をより具体的に説明するため
の実施例を記載するが、もちろんこれらに限定されるも
のではない。また、「部」および「%」は、とくにこと
わらない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」で
ある。
【0049】実施例1 感熱記録用印刷インキ 配合1および配合2の材料をプラネタリーミキサーを用
いて混合したあと、さらに3本ロールミルを用いて混練
して感熱記録用印刷インキを得た。 配合1 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 33.3% (旭電化工業製、オプトマーBYX−304−2) 紫外線硬化型樹脂[アクリル・アマイド系の配合物] 16.7% (シーピーケー製、TPV−1239) 塩基性染料[3−ジ(n−ブチル)アミノ−7(o−クロロアニリノ)フルオラ ン] 50.0% (保土谷化学製、TH−107)
【0050】 配合2 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 40.0% (旭電化工業製、オプトマーBYX−304−2) 顕色剤[4−ヒドロキシ−4’イソプロポキシジフェニルスルホン] (日本曹達製、D−8) 60.0%
【0051】印刷 配合1および配合2のインキを1:2の重量比率で混合
したものを、ポリエステルフィルム(帝人社製、テトロ
ンフィルム、厚み250μm)上に、オフセット印刷機
(小森コーポレーション製、LITHRONE20)を
使用して水なし平版印刷によってインキの膜厚が5μm
になるまでベタ印刷を行い、アイグラフィックス社製の
紫外線硬化用マルチメタルランプM075−L31(使
用電力22.5kW)を用いて印刷面を紫外線硬化して
感熱記録層を設けて感熱記録用シートを得た。
【0052】比較例1 実施例1の配合1および配合2のポリエン・チオール系
の配合物の紫外線硬化型樹脂をエポキシ樹脂系の配合物
(旭電化工業製、オプトマーKR−500)に替えた以
外は実施例1と同様にしてシートを得た。
【0053】比較例2 実施例1の配合1および配合2のポリエン・チオール系
の配合物の紫外線硬化型樹脂をウレタン樹脂系の配合物
(日本合成化学工業製、紫光UV1417)に替えた以
外は実施例1と同様にしてシートを得た。
【0054】実施例2 磁気記録層 配合3に示した材料をミキサーで混合し、そのあとサン
ドミルによって分散して磁気記録用磁性塗料を得た。こ
の塗料をポリエステルフィルム(ダイヤホイル製、ダイ
ヤホイル、厚み188μm)上に、グラビアコーターで
コート量が25g/m2 となるように塗工し乾燥して磁
気記録層を設けた。
【0055】 配合3(磁気記録層用磁性塗料) 磁性体[Baフェライト粉末] 32.0% (戸田工業製、MC−127) バインダー[ポリウレタン樹脂35%酢酸エチル溶液] 21.9% (日本ポリウレタン工業製、N−3022) 架橋剤[イソシアネート75%酢酸エチル溶液] 3.1% (日本ポリウレタン工業製、コロネートL) 分散剤 0.6% [味の素製、レシチン] トルエン 21.2% メチルエチルケトン 21.2%
【0056】磁気記録隠蔽層 配合4に示した材料をミキサーで混合し、そのあとサン
ドミルによって分散し銀色の磁気記録隠蔽層用塗料を得
た。この塗料を先の磁気記録層の上にグラビアコーター
でコート量が3g/m2 となるように塗工し乾燥して磁
気記録隠蔽層を設けた。
【0057】 配合4(磁気記録隠蔽層用塗料) 色料[アルミニウムペースト(固形分49%)] 8.5% (旭化成製、CR−808CM) バインダー[ポリウレタン樹脂35%酢酸エチル溶液] 22.0% (日本ポリウレタン工業製、N−3022) 架橋剤[イソシアネート75%酢酸エチル溶液] 2.1% (日本ポリウレタン工業製、コロネートL) トルエン 33.7% メチルエチルケトン 33.7%
【0058】感熱記録用印刷インキと印刷 配合5および配合6によるインキを実施例1と同様にし
て作成した。 配合5 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 50.0% (旭電化工業製、オプトマーBY−300B) 塩基性染料[3−ジエチリアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フ ルオラン] 45.7% (山田化学製、Black−100) 色料[カルシウムアゾレーキッド] 4.3% (東洋インキ製造製、カーミン6BS)
【0059】 配合6 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 51.7% (旭電化工業製、オプトマーBY−300B) 顕色剤[ビスフェノールA] (三井東圧化学製) 48.3%
【0060】配合5および配合6によるインキを2:3
の重量比率で混合したものを前記の磁気記録隠蔽層の上
に実施例1と同様の方法で厚みが10μmになるまでベ
タ印刷を行い感熱発色層とし、さらに続いて以下のとお
りにした。
【0061】感熱発色層上に重ね印刷 配合7に記された材料をプラネタリーミキサーを用いて
混合したあと、さらに3本ロールミルを用いて混練して
インキを得た。このインキを上記感熱発色層の上に実施
例1と同様の方法で厚みが2μmになるようにベタ印刷
を行い、実施例1と同様の方法で紫外線硬化して感熱記
録用シートを得た。
【0062】 配合7 紫外線硬化型樹脂[OPニス] 94.0% (T&K TOKA製、UP−2) 固体潤滑剤[メラミンシアヌル酸アダクト粉末] 6.0% (三菱油化製、MCA)
【0063】実施例3 印刷基材と感熱発色層間用の印刷インキと印刷 配合8に示した材料をミキサーにより混合し、そのあと
三本ロールミルにより混練して印刷インキを得た。この
インキをプラスチックフィルム(アイ・シー・アイ・ジ
ャパン製、メリネックス、厚み250μm)の上に実施
例1と同様にして水なし平版印刷によってインキ量が1
μmになるように印刷し、続いて以下のとおりにした。
【0064】 配合8 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 68.3% (旭電化工業製、オプトマーBY−310B) 塩基性染料[3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7− アニリノフルオラン] 20.0% (山田化学製、S−205) 顔料[疎水性シリカ] 11.7% (日本シリカ工業製、ニプシルSS−50)
【0065】感熱発色層の印刷インキと印刷 配合9および配合10の材料をプラネタリーミキサーを
用いて混合したあと、さらに3本ロールミルを用いて混
練して感熱記録用印刷インキを得た。 配合9 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 45.0% (旭電化工業製、オプトマーBYX−304−1) 塩基性染料[3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン] (日本化薬製、TG−11) 55.0%
【0066】 配合10 紫外線硬化型樹脂[ポリエン・チオール系の配合物] 42.0% (旭電化工業製、オプトマーBYX−304−1) 顕色剤[ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン] (日本化薬製、TG−S) 58.0%
【0067】配合9および配合10のインキを1:3の
重量比率で混合したものを上記の印刷面上に実施例1と
同様の方法で厚みが3μmになるようにベタ印刷を行
い、さらに続いて以下のとおりにした。
【0068】感熱発色層上に重ね印刷 配合11に記された材料をプラネタリーミキサーを用い
て混合したあと、さらに3本ロールミルを用いて混練し
てインキを得た。このインキを感熱発色層の上に実施例
1と同様の方法で印刷インキの厚みが2μmになるよう
にベタ印刷を行い、実施例1と同様の方法で紫外線硬化
させて感熱記録用シートを得た。
【0069】 配合11 紫外線硬化型樹脂 74.3% (T&K TOKA製、AD−3) 塩基性染料[3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン] (日本化薬製、TG−11) 10.0% 固体潤滑剤[N−ラウロイル−L−リジン粉末] 15.7% (味の素製、フェイメックスL−12)
【0070】実施例4 実施例3の配合11に替えて、次の配合12によって感
熱発色層上に重ね印刷を行った以外は実施例3と同様に
して感熱記録用シートを得た。 配合12 紫外線硬化型樹脂 73.6% (T&K TOKA製、AD−3) 塩基性染料[3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン] (日本化薬製、TG−11) 9.9% 固体潤滑剤[N−ラウロイル−L−リジン粉末] 15.5% (味の素製、フェイメックスL−12) 耐光安定剤[2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2− n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル )粉末] 1.0% (日本チバガイギー製、TINUVIN144)
【0071】比較例3 実施例2の配合5および配合6のポリエン・チオール系
の配合物の紫外線硬化型樹脂を、アクリル樹脂系の配合
物(東亜合成化学製、アロニックスUV−3600)に
替えた以外は実施例2と同様にしてシートを得た。
【0072】比較例4 実施例3の配合9および配合10のポリエン・チオール
系の配合物の紫外線硬化型樹脂を、エポキシ樹脂系の配
合物(日本合成化学工業製、紫光UV1418)に替え
た以外は実施例3と同様にしてシートを得た。
【0073】以上8種類のシートについて、印刷面の硬
化、印字部分および非印字部分の光学濃度、地よごれの
程度、印字部分および非印字部分の耐光性を次のように
して評価し、その結果を表1に示した。
【0074】印刷面の硬化については、印刷物シートが
紫外線硬化装置を通過した直後に、印刷面を指でこすっ
てインキが脱落するかどうかを判定した。表1では、イ
ンキがまったく脱落しなかったものを○、一部脱落した
ものを△、ほとんど脱落したものを×とした。
【0075】印字部分および非印字部分の光学濃度につ
いては、シートを感熱プリンター(ボルテックス製)に
より印字した部分と印字していない部分の光学濃度をマ
クベス濃度計(マクベス製、RD−100R型)によっ
て測定した。
【0076】地よごれの程度については、紫外線硬化さ
せて1週間経過したあとの非印字部分を目視により判定
した。表1では、硬化前に比べて色変化が認められなか
ったものを○、色変化が認められたものを×とした。
【0077】印字部分の耐光性については、感熱プリン
ター(ボルテックス製)により印字した部分を東向きに
面した窓の室内側に向けて1週間静置した後の印字濃度
をマクベス濃度計により測定した。
【0078】非印字部分の耐光性については、東向きに
面した窓の室内側に向けて1週間静置した後の印字して
いない部分をマクベス濃度計により測定した。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明の印刷インキは無溶媒であるため
作業性に優れている。そして、表1から次のことが明ら
かである。紫外線硬化型樹脂としてポリエン・チオール
を含有する樹脂を使用したものは印刷面の硬化がよく地
よごれが生じない。しかし、ポリエン・チオールを含有
しない樹脂を使用したものは感熱発色層を印刷し紫外線
硬化した状態で硬化が進まず地よごれが生じ、そのうち
感熱発色層上に重ね印刷を行わないものは印字の際に印
刷面が脱落し正しい印字ができなかった。
【0081】また、印刷基材と感熱発色層の間に印刷イ
ンキ層を印刷して重ね印刷を行ったものは、それがない
ものに比べて印刷面の密着性がよい。さらに、感熱発色
層上に重ね印刷したものは耐摩擦性や耐光性に優れてい
る。
【0082】このように本発明で得られた感熱記録用印
刷インキは、インキ化に伴う呈色反応が抑制され、紫外
線硬化性に優れ、地よごれが認められず、その印刷物の
感熱記録用シートは印字性、耐光性に優れていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−278342(JP,A) 特開 平5−131785(JP,A) 特開 平4−91172(JP,A) 実開 昭56−26274(JP,U) 実開 昭56−26273(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34 C09D 11/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感熱記録用の発色剤および呈色剤の少なく
    とも一つと紫外線硬化型樹脂を含有する無溶媒型の感熱
    記録用印刷インキにおいて、紫外線硬化型樹脂がポリエ
    ンおよびチオール含有することを特徴とする感熱記録
    用印刷インキ。
  2. 【請求項2】印刷インキが水なし平版印刷用印刷インキ
    である請求項1記載の感熱記録用印刷インキ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の感熱記録用印刷イ
    ンキを用いて、印刷基材の片面または両面に印刷し紫外
    線硬化して、発色剤と呈色剤を含有する感熱発色層を設
    けたことを特徴とする感熱記録用シート。
  4. 【請求項4】印刷基材と感熱発色層の間および感熱発色
    層の上の少なくとも一方に、発色剤または呈色剤を含有
    する層を設けた請求項3記載の感熱記録用シート。
  5. 【請求項5】印刷基材が片面または両面に磁気記録層を
    有する請求項3または4記載の感熱記録用シート。
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