JP3319351B2 - 構造物の耐震補強構造 - Google Patents

構造物の耐震補強構造

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JP3319351B2
JP3319351B2 JP21064097A JP21064097A JP3319351B2 JP 3319351 B2 JP3319351 B2 JP 3319351B2 JP 21064097 A JP21064097 A JP 21064097A JP 21064097 A JP21064097 A JP 21064097A JP 3319351 B2 JP3319351 B2 JP 3319351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の耐震補強
構造に係り、特に、柱と梁とで囲まれ画成された架構開
口部に対し行われる耐震補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、構造物に対する耐震補強方法とし
ては、例えば、構造物の柱の周りに高強度炭素繊維材や
補強板等の補強材を設けたり、また架構開口部に耐震壁
を設けたりして構造物を耐震補強するものが種々提案さ
れている。
【0003】図7は、構造物2の柱4と梁6とで囲まれ
画成された架構開口部8内に補強体10を配設した耐震
補強構造の従来例を示したものである。この耐震補強構
造において架構開口部8内に配設される補強体10は、
柱4や梁6にこれに沿って一体的に接合された鉄骨枠体
部12と、この鉄骨枠体部12の内側に掛け渡され介設
された鉄骨ブレース部14とからなる。鉄骨枠体部12
や鉄骨ブレース部14は、例えばH型鋼や鋼管等の鉄骨
材から形成されている。鉄骨枠体部12は、柱4又は梁
6に固設されたアンカー16を介して一体的に接合され
る。鉄骨枠体部12と柱4又は梁6との間に形成された
隙間には、モルタル等の充填材18が介設される。この
ような補強体10により耐震補強される構造物2は、既
設のものであったり、また新設のものであったりする。
【0004】このように、構造物2の柱4と梁6とで囲
まれ画成された架構開口部8内に、前述したような補強
体10が設けられることで、構造物2の柱4や梁6はせ
ん断耐力や曲げ耐力が増し耐震性能が高まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような鉄骨材からなる補強体10を設ける耐震補強構
造にあっては、柱4や梁6に対し補強体10を一体的に
接合するに際し、構築された柱4や梁6に対しアンカー
16を打ち込まなければならず、アンカー16の打ち込
み時に騒音や振動が発生して周辺環境に悪影響を及ぼす
という問題があった。このため、耐震補強工事の対象構
造物が例えば病院や精密機器工場などであったり、また
これらの病院や精密機器工場が周辺地域に立設されてい
たりする場合には、これら病院や精密機器工場が稼働し
ている時間帯に工事を行う、いわゆる「居ながら施工」
を行うことができず、工期の長期化を招く等の問題が生
じていた。
【0006】また、補強体10の鉄骨枠体部12や鉄骨
ブレース部14を形成する鉄骨材は、通常、相当な重量
があるため、取付け等の施工作業に困難を招くととも
に、構造物に大きな荷重負担をかけるなどの問題があっ
た。
【0007】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、高い耐震補強性能が得られる
上、施工時にはほとんど騒音や振動が発生せず、「居な
がら施工」を可能にすることができるとともに、構造構
成物が軽量で施工作業を容易にすることができ、また構
造物に大きな荷重負担をかけずに済むような構造物の耐
震補強構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係る第1の構造物の耐震補強構造にあって
は、構造物の柱と梁とで囲まれ画成された架構開口部内
に、当該架構開口部を上下方向にわたって覆う2枚のF
RP補強パネルをそれぞれ該柱及び該梁に一体的に接合
しつつ左右に並べて配設したことを特徴とする。
【0009】このような構成の耐震補強構造では、構造
物の柱と梁とで囲まれ画成された架構開口部内に、該架
構開口部を上下方向にわたって覆って左右に並べられて
配設された2枚のFRP補強パネルが柱に設けた袖壁と
同様な補強効果を発揮する。特に、この耐震補強構造に
あっては、従来のように鉄骨材から形成されるのではな
く、軽量で高強度なFRPから形成されるので、アンカ
ーを使わない樹脂接着等により柱や梁に施工することが
でき、施工により大きな騒音や振動を引き起こすといっ
た不具合を解消することができる。したがって、耐震補
強工事の対象構造物が例えば病院や精密機器工場などで
あったり、またこれらの病院や精密機器工場が周辺地域
に立設されていたりする場合であっても、これら病院や
精密機器工場が稼働している時間帯に工事を行う「居な
がら施工」を行うことができ、工期の長期化を防止する
ことができる。しかも、FRP補強パネルは、軽量かつ
高強度であるため、優れた耐震補強性能を得ることがで
きるとともに、また取付等の施工作業が容易で工期の短
縮化が図れ、また構造物に対し大きな荷重負担をかけず
に済む。
【0010】
【0011】
【0012】さらに、前記FRP補強パネルの相互間
に、前記架構開口部に要求される耐力に応じた剛性を有
する応力伝達部材を介設する。応力伝達部材は、2枚の
FRP補強パネル間を相互に応力伝達可能に連結するも
ので、2枚のFRP補強パネルの相互間に一体性を確保
し、架構開口部に対し、ブレースを配設した場合と同じ
様な耐震補強効果をもたらす。この応力伝達部材をより
高剛性に形成すれば、架構開口部に相当大きな耐震補強
効果をもたらすことができ、応力伝達部材の剛性を調節
することで、架構開口部に要求される耐力に応じた所望
の耐震補強を行うことができる。
【0013】また、本発明に係る第2の構造物の耐震補
強構造にあっては、構造物の柱と梁とで囲まれ画成され
た架構開口部内に、当該架構開口部を左右方向にわたっ
て覆う2枚のFRP補強パネルをそれぞれ該柱及び該梁
に一体的に接合しつつ上下に並べて配設するとともに、
該FRP補強パネルの相互間に、該架構開口部に要求さ
れる耐力に応じた剛性を有する応力伝達部材を介設した
ことを特徴とする。
【0014】このような耐震補強構造では、構造物の柱
と梁とで囲まれ画成された架構開口部内に、架構開口部
を左右方向にわたって覆う上下に並べられて配設された
2枚のFRP補強パネルは、床側から腰壁を、また天井
側からたれ壁をそれぞれ配設した場合と同様な耐震補強
効果を発揮する。2枚のFRP補強パネルは、軽量かつ
高強度であるため、前記場合と同様、優れた耐震補強構
造を得ることができるとともに、また取付等の施工作業
が容易で工期の短縮化が図れ、また構造物に対し大きな
荷重負担をかけずに済む。また、2枚のFRP補強パネ
ル間の応力伝達部材は、前記場合と同様、架構開口部に
対しブレースを配設した場合と同じ様な耐震補強効果を
もたらし、応力伝達部材の剛性を調節することにより、
所望の耐震補強を行うことができる。さらに、この応力
伝達部材が上下に並べられて配設された2枚のFRP補
強パネル間に介設されたことで、架構開口部に対して
は、柱(間柱)を設けた場合と同様な補強効果が得ら
れ、長期積載荷重に対する耐力増強効果や耐震補強効果
を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る構造物の柱・
梁耐震補強工法の実施の形態について、添付図面に基づ
き説明する。尚、従来と同一の構成要素には同一の符号
を付すものとする。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】図1〜3は、本発明に係る構造物の耐震補
強構造の第1の実施の形態を示したものである。構造物
2は、上下2つの梁6a,6bと、左右2つの柱4a,
4bとにより囲まれた矩形状の平面的な架構開口部8を
有するものである。構造物2は、既存のものでも良く、
また新設のものであってもよい。本実施形態に係る耐震
補強構造では、図1に示すように、構造物2の架構開口
部8内に、2枚のFRP補強パネル32を左右に並べて
配設したものである。2つのFRP補強パネル32は、
軽量かつ高強度な繊維強化複合材(Fiber Rei
nforcedPlastics:FRP)からなるも
ので、具体的には、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン
といったFRP素材から形成される。2つのFRP補強
パネル32は、架構開口部8の右側部及び左側部をそれ
ぞれ上下方向にわたって覆っている。すなわち、2枚の
FRP補強パネル32は、その外形形状が架構開口部8
の右側部及び左側部の内側形状にそれぞれ対応して成形
されている。そして、各FRP補強パネル32の各上下
両端部は、上側及び下側の梁6a,6bに各々一体的に
接合されている。また、左側のFRP補強パネル32
は、その左端縁部が架構開口部8の左側の柱4aに、右
側のFRP補強パネル32は、その右端縁部が右側の柱
4bにそれぞれ一体的に接合されている。これら各FR
P補強パネル32と柱4a,4b又は梁6a,6bとの
接合は、例えばエポキシ樹脂接着剤等の接着材を用いて
行う。なお、各FRP補強パネル32と柱4a,4b又
は梁6a,6bとの接合箇所は、必ずしも各FRP補強
パネル32と柱4a,4b又は梁6a,6bとの双方が
相互に近接した部分全体にわたっている必要がなく、部
分的に接合されていてもよい。
【0025】各FRP補強パネル32は、図2に示すよ
うに、主に平板部34とリブ部36とからなる。平板部
34は、所定の肉厚を有するFRPからなる板材から形
成されている。一方、リブ部36は、平板部34の外縁
部にフランジ状に形成されたもので、FRP補強パネル
32と柱4a,4b又は梁6a,6bとの接合部に沿っ
て形成されている。リブ部36は、前記FRP以外に、
金属等の他の材質から形成されていもよい。このように
リブ部36が形成されていることで、FRP補強パネル
32と柱4a,4b又は梁6a,6bとの間に大きな接
合面積を確保することができ、FRP補強パネル32と
柱4a,4b又は梁6a,6bとの間の接合力を増大さ
せ、相互の一体性を高めることができる。
【0026】また、FRP補強パネル32の右又は左端
縁部中央に形成された切欠部38は、FRP補強パネル
32を上下に弯曲させて撓ませることができるようにす
るためのものである。切欠部38は、FRP補強パネル
32のリブ部36から平板部34にかけて大きく食い込
んで形成されている。この他、切欠部38は、このよう
に平板部34に大きく食い込む必要はなく、リブ部36
にのみ形成されていてもよい。また、切欠部38は、必
ずしもFRP補強パネル32の右又は左端縁部中央に形
成される必要はなく、FRP補強パネル32を撓ませる
ことができれば、他の箇所に形成されていもよい。この
ように、FRP補強パネル32を撓ませることができれ
ば、当該FRP補強パネル32を架構開口部8内に配設
するに、撓ませて架構開口部8にはめ込むことができ、
施工作業を容易にすることができる。
【0027】また、各FRP補強パネル32には、相互
に対向した部分に、すなわち、左側のFRP補強パネル
32では右端縁部、右側のFRP補強パネル32では左
端縁部に各々沿ってそれぞれ、FRP補強パネル32の
相互間隔を上下両側から漸次狭めてゆくように傾斜して
形成されたテーパ部40を設けるようにする。このよう
なテーパ部40をFRP補強パネル32に設ければ、
3に示すように、FRP補強パネル32の相互間に上下
両側からテーパ部40に沿ってくさび等の挿入物42を
圧入することにより、2枚のFRP補強パネル32に対
し相互に離隔する方向に相当な押圧力を加えることがで
きる。これにより、FRP補強パネル32を柱4a,4
b又は梁6a,6bに相当な力で押し当てることがで
き、これを各FRP補強パネル32と柱4a,4b又は
梁6a,6bとの接合の際に行えば、双方の間の接着性
を高めることができる。ここで、くさび等の挿入物42
については、FRP補強パネル32の施工後、抜き外し
てもよいのはもちろん、介装された状態のままにしてお
いてもよい。
【0028】前記FRP補強パネル32については、現
場で製作してもよい他、予め工場で製作してから現場に
持ち込むようにしてもよい。
【0029】このように構造物2の柱4a,4bと梁6
a,6bとで囲まれ画成された架構開口部8内に、FR
P補強パネル32が左右に並べられて配設されることに
より、柱4a,4bに袖壁を設けた場合と同様な補強効
果を得ることができる。また、FRP補強パネル32
は、軽量で高強度なため、従来のように鉄骨材で耐震補
強する場合と異なり、アンカーを使わない接着材等によ
り柱4a,4bや梁6a,6bに施工することができ、
「居ながら施工」を行うことができる。また、FRP補
強パネル32は、それ自体が軽量である上、高強度なた
め、従来と遜色のない耐震性能を断面サイズの小さい構
成材で実施することができ、相当な軽量化を図れ、取付
け等の施工作業が容易で、構造物2に対しあまり大きな
荷重負担をかけずに済む。また、従来の架構による補強
で必要となるサポート(支柱)が不要となり施工性も良
くなる。
【0030】ところで、前記第1の実施の形態では、柱
4a,4bと梁6a,6bとで囲まれ画成された架構開
口部8が矩形状に形成されているが、本発明ではこれに
限らず、他の形状に形成されていてもよい。この場合、
前記2つのFRP補強パネル32の外形形状は、それぞ
れ架構開口部8の右側部又は左側部の内側形状に各々対
応して形成するようにする。また、FRP補強パネル3
2には、必ずしもリブ部36や切欠部38、テーパ部4
0を設ける必要はない。また、前記2枚のFRP補強パ
ネル32は、左右に間隔をあけて配設されているが、前
後に間隔をあけて配設されていてもよく、その他、他の
形態で配設されていもよい。
【0031】図4は、本発明に係る構造物2の耐震補強
構造の第2の実施の形態を示したものである。この耐震
補強構造は、前記第1の実施の形態の2枚のFRP補強
パネル32の相互間に形成された隙間内に応力伝達部材
44を介設したものである。応力伝達部材44は、2枚
のFRP補強パネル32間を相互に応力伝達可能に連結
するもので、例えばシアパネルなどの応力伝達可能な部
材から形成される。応力伝達部材44は、架構開口部8
の対角線上に位置して配設されている。応力伝達部材4
4は、FRPから形成されても、他の材質から形成され
てもよい。
【0032】このように2枚のFRP補強パネル32の
相互間に応力伝達部材44を介設することによって、2
枚のFRP補強パネル32を相互に一体化することがで
きる。これによって、架構開口部8にこれを歪ませよう
とする変形外力が加わったときには、架構開口部8に対
し、対角線方向に沿ってブレースを配設した場合と同じ
様な耐震補強効果を得ることができる。そして、この応
力伝達部材44をより高剛性に形成すれば、応力伝達部
材44に入力されるせん断応力等の応力に対する耐力が
増加されて架構開口部8の耐震補強性能が増強されるの
で、応力伝達部材44の剛性を調節することによって、
架構開口部8に要求される耐力に応じた所望の耐震補強
を行うことができる。
【0033】ところで、前記第2の実施の形態では、前
記2枚のFRP補強パネル32が左右に間隔をあけて配
設され、前記応力伝達部材44は、その相互間に介設さ
れているが、前記2枚のFRP補強パネル32が、前後
に間隔をあけて配設されている場合やその他、他の形態
で配設されている場合には、これに応じて2枚のFRP
補強パネル32間に介設するようにする。また、応力伝
達部材44は、必ずしも架構開口部8の対角線上に配設
されている必要はない。
【0034】図5及び6は、本発明に係る構造物2の耐
震補強構造の第3の実施の形態を示したものである。こ
の耐震補強構造は、前記第1の実施の形態の場合と同様
なFRP補強パネル32を2枚、構造物2の柱4a,4
bと梁6a,6bとで囲まれ画成された架構開口部8内
に上下に並べて、前記第1の実施の形態の場合と同様に
エポキシ樹脂接着材等を用いていて配設したものであ
る。各FRP補強パネル32は、架構開口部8を左右方
向にわたって覆うものである。各FRP補強パネル32
は、左右両側の柱4a,4bにそれぞれエポキシ樹脂接
着材等により一体的に接合され、上側のFRP補強パネ
ル32は上側の梁6aに、また下側のFRP補強パネル
32は下側の梁6bにそれぞれエポキシ樹脂接着材等に
より一体的に接合されている。そして、2枚のFRP補
強パネル32の相互間に形成された隙間内には、前記第
2の実施の形態の場合と同様に、シアパネル等からなる
応力伝達部材44を介設している。この応力伝達部材4
4は、架構開口部8の対角線上に位置して配設されてい
る。
【0035】このようにFRP補強パネル32を上下に
並べて配設した場合には、2枚のFRP補強パネル32
からは、床側から腰壁を、また天井側からたれ壁をそれ
ぞれ配設した場合と同様な耐震補強効果を得ることがで
きる。また、架構開口部8に対しては、前記第2の実施
の形態の場合と同様に、架構開口部8にこれを歪ませよ
うとする変形外力が加わったときに、架構開口部8の対
角線に沿ってブレースを配設した場合と同じ様な耐震補
強効果を得ることができる。その上、架構開口部8に対
しては、柱(間柱)を設けた場合と同様な補強効果が得
られ、長期積載荷重に対する耐力増強効果や耐震補強効
果を得ることができる。また、応力伝達部材44の剛性
を調節すれば、前記第2の実施の形態の場合と同様に、
所望の耐震補強を行うことができる。
【0036】ところで、これらの実施の形態では、柱4
a,4bと梁6a,6bとで囲まれる架構開口部8が矩
形状に画成されているが、本発明はこれに限らず、他の
形状に画成されていても同様に適用することができる。
また、これらの実施の形態では、構造物2が前記架構開
口部8を複数箇所有する場合には、FRP補強体20や
FRP補強パネル32は、1箇所の架構開口部8に限ら
ず、複数箇所にわたって各々配設されてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上発明の実施の形態で説明したように
本発明に係る第1の構造物の耐震補強構造によれば、
造物の柱と梁とで囲まれ画成された架構開口部を上下方
向にわたって覆って左右に並べられて配設された2枚の
FRP補強パネルは、柱に設けた袖壁と同様な補強効果
を発揮するとともに、軽量で高強度なFRPから形成さ
れるので、従来のように鉄骨材から形成することなく、
優れた耐震補強性能を得ることができる。従って、アン
カーを使わない樹脂接着等により柱や梁に施工すること
ができ、施工により大きな騒音や振動を引き起こすとい
った不具合を解消することができる。このことから、耐
震補強工事の対象構造物が例えば病院や精密機器工場な
どであったり、またこれらの病院や精密機器工場が周辺
地域に立設されていたりする場合であっても、これら病
院や精密機器工場が稼働している時間帯に工事を行う
「居ながら施工」を行うことができ、工期の長期化を防
止することができる。また、取付等の施工作業が容易で
工期の短縮化が図れ、また構造物に対し大きな荷重負担
をかけずに済む。
【0038】
【0039】さらに、FRP補強パネルの相互間に、架
構開口部に要求される耐力に応じた剛性を有する応力伝
達部材を介設すれば、架構開口部には、ブレースを配設
した場合と同様な耐震補強効果が得られるとともに、こ
の応力伝達部材の剛性を調節することにより、架構開口
部に要求される耐力に応じた所望の耐震補強を行うこと
ができる。
【0040】また、本発明に係る第2の構造物の耐震補
強構造によれば、構造物の柱と梁とで囲まれ画成された
架構開口部内に、架構開口部を左右方向にわたって覆う
2枚のFRP補強パネルを上下に並べて配設すること
で、床側から腰壁を、また天井側からたれ壁をそれぞれ
配設した場合と同様な優れた耐震補強効果を得ることが
できるとともに、FRP補強パネルが軽量なため、取付
等の施工作業が容易で工期の短縮化が図れ、また構造物
に対し大きな荷重負担をかけずに済む。また、FRP補
強パネルの相互間に、架構開口部に要求される耐力に応
じた剛性を有する応力伝達部材を介設したことで、架構
開口部には、前記場合と同様、ブレースを配設した場合
と同じ様な耐震補強効果が得られ、応力伝達部材の剛性
を調節することにより、所望の耐震補強を行うことがで
きる上、柱(間柱)を設けた場合と同様な補強効果が得
られ、長期積載荷重に対する耐力増強効果や耐震補強効
果を得ることができる。また、このような耐震補強構造
では、アンカーを使わず接着材等により施工が可能であ
るため、「居ながら施工」を行うことができ、工期の長
期化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る構造物の耐震補強構造の第1の実
施の形態を示した正面図である。
【図2】 本発明に係るFRP補強パネルの一実施形態を
示した斜視図である。
【図3】 本発明に係る第1の実施の形態におけるFRP
補強パネルの施工方法の一例を示した説明図である。
【図4】 本発明に係る構造物の耐震補強構造の第2の実
施の形態を示した正面図である。
【図5】 本発明に係る構造物の耐震補強構造の第3の実
施の形態を示した正面図である。
【図6】 本発明に係る構造物の耐震補強構造の第3の実
施の形態の他の作用を説明した正面図である。
【図7】 従来の構造物の耐震補強構造の一例を示した正
面図である。
【符号の説明】
2 構造物 4 柱 6 梁 8 架構開口部 32 FRP補強パネル 34 平板部 36 リブ部 40 テーパ部 42 挿入物 44 応力伝達部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04B 2/56 605 E04B 2/56 605F 605M 611 611D 622 622B 622N 632 632B 632C 632N 643 643A 651 651D 651S 652 652N (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02 311 E04H 9/02 321

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の柱と梁とで囲まれ画成された架
    構開口部内に、当該架構開口部を上下方向にわたって覆
    う2枚のFRP補強パネルをそれぞれ該柱及び該梁に一
    体的に接合しつつ左右に並べて配設したことを特徴とす
    る構造物の耐震補強構造。
  2. 【請求項2】 前記FRP補強パネルの相互間に、前記
    架構開口部に要求される耐力に応じた剛性を有する応力
    伝達部材を介設したことを特徴とする請求項1に記載の
    構造物の耐震補強構造。
  3. 【請求項3】 構造物の柱と梁とで囲まれ画成された架
    構開口部内に、当該架構開口部を左右方向にわたって覆
    う2枚のFRP補強パネルをそれぞれ該柱及び該梁に一
    体的に接合しつつ上下に並べて配設するとともに、該F
    RP補強パネルの相互間に、該架構開口部に要求される
    耐力に応じた剛性を有する応力伝達部材を介設したこと
    を特徴とする構造物の耐震補強構造。
JP21064097A 1997-08-05 1997-08-05 構造物の耐震補強構造 Expired - Fee Related JP3319351B2 (ja)

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