JP5203242B2 - 建物の制震耐力壁構造及び建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の制震耐力壁構造及び建物に関し、特に上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物において採用され、下階部分の少なくとも一部の間仕切り壁に設けられる建物の耐力壁構造及び該耐力壁構造を備える建物に関する。
地震が発生した際の建物の崩壊による被害は甚大であることから、従来より様々な耐震補強対策が講じられている。また、地震の多発する我が国においては、特に大規模建築物についての制震技術が確立しており、このような制震技術を例えば一戸建ての住宅建築物等の小規模建築物に普及させるための技術も種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の制震技術は、例えば軽量鉄骨造の建物において、粘弾性体を用いたダンパーを壁の内部に設けることにより、地震による震動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって吸収し、建物の変形を効果的に軽減するようになっている。
また、構造用合板等の面状部材を用いた建物の耐力壁部分の構造についても、耐力壁として必要な壁倍率を確保しつつ所望の制震性能を得ることのできる簡易な構成の制震耐力壁構造の研究が種々なされており、例えば本願出願人の出願に係る特願2007−256251には、制震耐力面状部材を用いた制震耐力壁構造が記載されている。このような制震耐力面状部材を用いた制震耐力壁構造では、例えば木造住宅建築物等の建物の壁構造において、柱や縦枠等からなる一対の柱材と、梁や土台等からなる一対の横架材とによる壁用枠体の内側に、制震耐力面状部材を取り付けることによって、所望の壁倍率や制震性能を得ることができるようになっている。
特開2006−283374号公報
一方、例えば木造住宅建築物等の建物として、上階部分の床部と下階部分の天井部との間に天井懐が介在する建物が構築される場合があり、このような天井懐を備える建物では、特に省令準耐火仕様の構造とする際に、間仕切り壁と天井懐との取り合い部分で一方の内部に侵入した火災が容易に他方に侵入しないようにするためのファイヤーストップ横架材が、天井下地材の取付け面に近接して設けられるようになっており、したがって制震耐力面状部材は、このファイヤーストップ横架材を含む上下一対の横架材と、左右一対の柱材とによる壁用枠体の内側に取り付けられることになる。
しかしながら、上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物においては、特に省例準耐火仕様とするためのファイヤーストップ横架材は、建物の主たる骨組である床梁とは離れてこれの下方に設けられることから、制震耐力面状部材によって効率良く荷重を負担することができなくなり、十分な壁耐力が得られなくなる場合がある。また、上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物においては、天井懐の内部に侵入した火災を水平方向に容易に拡大させないようにすることにより、耐火性能をさらに向上させることができるものと考えられる。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物において、制震耐力面状部材を用いた間仕切り壁に十分な壁耐力を付与できると共に、耐火性能を向上させることのできる建物の制震耐力壁構造及び建物を提供することを目的とする。
本発明は、梁、根太等の横架材によって支持されてこれらの上方に床下地材が、これらの下方に天井下地材が各々取り付けられることにより、上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物において採用され、下階部分の少なくとも一部の間仕切り壁に設けられる建物の制震耐力壁構造であって、該制震耐力壁構造は、天井下地材の取付け面に近接して配置されたファイヤーストップ横架材を含む上下一対の横架材と、左右一対の柱材とによる壁用枠体の内側に、制震耐力面状部材を設置し、且つ前記天井懐における前記左右一対の柱材と、前記ファイヤーストップ横架材と、床梁とによる懐部枠体を両側から覆うようにして、耐力面材を、これの周縁部を前記左右一対の柱材、前記ファイヤーストップ横架材、及び前記床梁に固定して、前記間仕切り壁に取り付けることによって構成されており、前記制震耐力面状部材は、前記壁用枠体の内側開口形状を縦方向分割線によって2分割した形状に近似する略縦長矩形形状を備える左右一対の分割面状部材からなり、各分割面状部材は、前記縦方向分割線に沿った一方の側端面側の上下の角部分が切り欠かれて、該角部分で前記上下の横架材との間に各々空間を保持すると共に、他方の側端面と上下の端面とが、前記柱材の内側面及び前記柱材と前記上下の横架材との角部分の内側面に跨がるように連続して接合固定され、且つ対向配置される前記一方の側端面同士が制震ゴムを挟み込んで互いに接合された状態で、前記壁用枠体の内側に取り付けられている建物の制震耐力壁構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の制震耐力壁構造は、前記左右一対の柱材と、前記ファイヤーストップ横架材と、前記床梁とによる前記懐部枠体の内側には、前記懐部枠体の両側から取り付けられた前記耐力面材によって挟まれて、断熱材が充填収容されていることが好ましい。
また、本発明の制震耐力壁構造は、前記一方の側端面に隣接して支持枠部材が取り付けられており、該支持枠部材の間に前記制震ゴムが挟み込まれていることが好ましい。
さらに、本発明の制震耐力壁構造は、前記一方の側端面及び/又は前記支持枠部材の対向配置される面に接合補強金物が取り付けられており、該接合部補強金物の間に前記制震ゴムが挟み込まれていることが好ましい。
さらにまた、本発明の制震耐力壁構造は、前記他方の側端面及び前記上下の端面に隣接して取付枠部材が取り付けられており、前記分割面状部材は、該取付枠部材を介して前記柱材の内側面及び前記柱材と前記上下の横架材との角部分の内側面に接合固定されていることが好ましい。
一方、本発明は、下階部分の少なくとも一部の間仕切り壁が、上記の耐力壁構造を備えており、建物の外壁が、上下一対の横架材と、左右一対の柱材とによる壁用枠体に、外側から壁下地用耐力面材を取り付けてなる耐力壁構造を備えている建物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明の建物は、下階部分の全ての間仕切り壁が、上記の制震耐力壁構造を備えていることが好ましい。
また、本発明の建物は、前記壁下地用耐力面材が、間隔をおいて平行に配置された複数の表側帯状小幅板と、間隔をおいて平行に配置された複数の裏側帯状小幅板とを互いに交差させた状態で接合一体化してなる壁下地パネルによって構成されていることが好ましい。
本発明の建物の耐力壁構造又は建物によれば、上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物において、制震耐力面状部材を用いた間仕切り壁に十分な壁耐力を付与できると共に、耐火性能を向上させることができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る制震耐力壁構造が採用された建物の要部断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る制震耐力壁構造の構成を説明する、(a)は正面図、(b)は(a)のA−Aに沿った断面図、(c)は(a)のB−Bに沿った断面図である。 取付枠部材を介して分割面状部材を壁用枠体に取り付けた状態を説明する部分断面図である。 分割面状部材の対向配置される一方の側端面の間に接合補強金物を介在させて制震ゴムを挟み込んだ状態を説明する部分斜視図である。 分割面状部材の対向配置される一方の側端面の間に接合補強金物を介在させて制震ゴムを挟み込んだ状態を説明する断面図である。 (a)、(b)は、分割面状部材の他の形態を例示する略示正面図である。
図1及び図2(a)〜(c)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る建物の制震耐力壁構造10は、上階部分40と下階部分41との間に天井懐42が介在する建物45として、例えば木造住宅建築物等の建物の間仕切り壁44に、制震耐力面状部材14を取付けて例えば壁倍率が0.5〜5程度の耐力壁としての所望の壁耐力が得られるようにすると共に、間仕切り壁44と天井懐42との取り合い部分に、例えば省例準耐火仕様として十分な耐火性能が得られるようにするために採用されたものである。また、本実施形態の制震耐力壁構造10は、地震時には震動エネルギーを吸収し、制震性能を発揮する制震耐力壁として間仕切り壁44を機能させるために採用されたものである。
そして、本実施形態の建物の制震耐力壁構造10は、床梁12a、根太(図示せず)等の横架材によって支持されてこれらの上方に床下地材47が、これらの下方に天井下地材48が各々取り付けられることにより、上階部分40と下階部分41との間に天井懐42が介在する建物45において採用され、下階部分41の少なくとも一部の間仕切り壁44に設けられる壁構造であって、天井下地材48の取付け面に近接して配置されたファイヤーストップ横架材12bを含む上下一対の横架材12b,12cと、左右一対の柱材11a,11bとによる壁用枠体49の内側に、制震耐力面状部材14を設置し、且つ天井懐42における左右一対の柱材11a,11bと、ファイヤーストップ横架材12bと、床梁12aとによる懐部枠体50を両側から覆うようにして、耐力面材51を、これの周縁部を左右一対の柱材11a,11b、ファイヤーストップ横架材12b、及び床梁12aに固定して、間仕切り壁44に取り付けることによって構成されている。
また、本実施形態では、左右一対の柱材11a,11bと、ファイヤーストップ横架材12bと、床梁12aとによる懐部枠体50の内側には、懐部枠体50の両側から取り付けられた耐力面材51によって挟まれて、例えばグラスウールからなる断熱材56が充填収容されている.
さらに、本実施形態では、制震耐力面状部材14は、図2(a)〜(c)に示すように、壁用枠体49の内側開口形状を縦方向分割線Lによって2分割した形状に近似する略縦長矩形形状を備える左右一対の分割面状部材14a,14bからなり、各分割面状部材14a,14bは、縦方向分割線Lに沿った一方の側端面15a,15b側の上下の角部分16が切り欠かれて、この角部分16で上下の横架材12b,12cとの間に各々空間17を保持すると共に、他方の側端面18a,18bと上下の端面19a,19bとが、柱材11a,11bの内側面及び柱材11a,11bと上下の横架材12b,12cとの角部分の内側面に跨がるように連続して接合固定され、且つ対向配置される一方の側端面15a,15b同士が制震ゴム20を挟み込んで互いに接合された状態で、壁用枠体49の内側に取り付けられていることによって構成されている。
さらにまた、本実施形態では、各分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15bに隣接して支持枠部材21が取り付けられており、この支持枠部材21の間に制震ゴム20が挟み込まれている。
さらに、本実施形態では、一方の側端面15a,15b及び支持枠部材21の対向配置される面に接合補強金物22が取り付けられており、この接合部補強金物22の間に制震ゴム20が挟み込まれている。
さらにまた、本実施形態では、各分割面状部材14a,14bの他方の側端面18a,18b及び上下の端面19a,19bに隣接して取付枠部材23が取り付けられており、各分割面状部材14a,14bは、取付枠部材23を介して柱材11a,11bの内側面及び柱材11a,11bと上下の横架材12b,12cとの角部分の内側面に接合固定されている。
本実施形態では、建物45は、例えば省例準耐火仕様の木造住宅建築物であり、これの屋根部52は、不燃材料等で葺くか又は造られている。また、建物45の軒裏部53や外壁54もまた、防火構造となっている。これらによって、外部火災による延焼を効果的に防止することができるようになっている。
また、建物45の内部の間仕切り壁44によって仕切られる各居住部は、これらの天井面や内壁面等が、せっこうボードや気密シート等による防火被覆55によって覆われている。これによって、例えば下階部分41の内部火災による、隣室や上階部分40、或いは外部への延焼を抑制できるようになっている。
さらに、本実施形態では、例えば下階部分41の防火被覆55が突破された時の急激な火災の拡大を抑制するために、外壁54と天井懐42との取り合い部分においては、外壁54の内壁面に設けられた防火被覆55が床梁12aまで張り上げられるようになっている。また間仕切り壁44と天井懐42との取り合い部分においては、せっこうボード等による天井下地材48の取付け面に近接して配置されるファイヤーストップ横架材12bが、間仕切り壁44の上部を閉塞するようにして設けられている。
なお、本実施形態では、左右一対の柱材11a,11bの上下の端部の上下の横架材12a,12cへの接合は、例えば短ほぞ差しによって行われると共に、適宜引寄せ金物31等を用いて、接合部分の固定状態が補強されている。
そして、本実施形態の制震耐力壁構造10は、このファイヤーストップ横架材12bと下方の土台による横架材12cとを上下一対の横架材として、これらの横架材12b,12cと左右一対の柱材11a,11bとによる壁用枠体49の内側に、制震耐力面状部材14を取り付けると共に、天井懐42における左右一対の柱材11a,11bと、ファイヤーストップ横架材12bと、床梁12aとによる懐部枠体50の両側(図1参照)に、耐力面材51を取り付けることによって構成されている。
本実施形態では、壁用枠体49の内側に取り付けられる制震耐力面状部材14は、好ましくは例えば厚さが24mm程度のスギ材を用いた構造用合板からなり、分割形成された左側分割面状部材14aと右側分割面状部材14bとを制震ゴム20を介在させて接合一体化した状態で取り付けられる。すなわち、左側分割面状部材14a及び右側分割面状部材14bは、外側の長辺部分に沿った他方の側端面18a,18bと、上下の端面19a,19bのうちの分割線L側の切り欠かれた角部分16を除いた外側略半分の部分とを、好ましくは取付枠部材23を介在させて柱材11a,11bの内側面及び柱材11a,11bと上下の横架材12b,12cとの角部分の内側面に連続して接合固定すると共に、分割線L側の長辺部分に沿った一方の側端面15a,15b同士を対向配置し、好ましくは取付枠部材21及び接合部補強金物22を介して制震ゴム20を挟み込みつつ互いに接合した状態で、壁用枠体49の内側に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、分割面状部材14a,14bとして、構造用合板の他、例えば木製、金属製、カーボンファイバー製等の板状部材からなる種々の耐力面材を用いることができる。また、分割面状部材14a,14bとして、板状の面状部材の他、図6(a),(b)に示すように、単一の面に沿って複数の軸力部材61a,61bをトラス状や格子状に組み付けて形成することにより、面方向に所望の強度を備える面状に形成された耐力枠部材60a,60b等を用いることもできる。
本実施形態では、分割面状部材14a,14bの他方の側端面18a,18b及び上下の端面19a,19に隣接して取り付けられる取付枠部材23は、図3に示すように、例えば棒状のスギ材からなり、一対の取付枠部材23の間に分割面状部材14a,14bの側端部を挟み込むようにして分割面状部材14a,14bと一体として接合されることにより、分割面状部材14a,14bの他方の側端面18a,18b及び上下の端面19a,19に隣接して取り付けられる。また、取付枠部材23は、例えば接着剤を介して接着したり、当該取付枠部材23の外側面から分割面状部材14a,14bの側端部に向けてを固定ビス等を打ち込むことにより、他方の側端面18a,18b及び上下の端面19a,19bと隣接して強固に固定されることになる。
そして、取付枠部材23と一体となった分割面状部材14a,14bは、取付枠部材23の平坦な外側面を壁用枠体49の柱11a,11bの内側面及び柱材11a,11bと上下の横架材12b,12cとの角部分の内側面に各々密着させた状態で、取付枠部材23の内側から柱材11a,11bの内側面や横架材12b,12cの内側面に向けて、例えば固定ビス26等を打ち込むことより、壁用枠体49に強固に取り付け固定されることになる。またこれによって、他方の側端面18a,18bと上下の端面19a,19bとが、柱材11a,11bの内側面及び柱材11a,11bと上下の横架材12b,12cとの角部分の内側面に跨がるように連続して接合固定されることになる(図2(a)参照)。
ここで、固定ビス26等を用いて取付枠部材23を柱材11a,11bの内側面や横架材12b,12cの内側面に固定する際に、固定ビス26等は、分割面状部材14a,14bを挟んだ両側において、縦方向に互い違いとなるように千鳥状に打ち込むことが好ましい(図2(b)参照)。また、取付枠部材23は、棒状のスギ材等の木製の枠材の他、アルミ枠等の金属製の枠材や、カーボンファイバーや合成樹脂からなる棒状の枠材等を用いて形成することもできる。さらに、本本実施形態では、下方の横架材12cである土台の上面には、構造用合板24が敷設されており、分割面状部材14a,14bの下方の端面19a,19bは、この構造用合板24を介在させて横架材12cの内側面に密着するようになっている。
本実施形態では、各分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15bを覆って取り付けられる支持枠部材21は、図4及び図5にも示すように、例えば棒状のスギ材からなり、一対の支持枠部材21の間に分割面状部材14a,14bの側端部を挟み込むようにして分割面状部材14a,14bと一体として接合されることにより、分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15bに隣接して取り付けられる。また、支持枠部材21は、例えば接着剤を介して接着したり、当該支持枠部材23の外側面から分割面状部材14a,14bの側端部に向けてを固定ビス等を打ち込むことにより、一方の側端面15a,15bと隣接して強固に固定されることになる。ここで、支持枠部材21は、棒状のスギ材等の木製の枠材の他、アルミ枠等の金属製の枠材や、カーボンファイバーや合成樹脂からなる棒状の枠材等を用いて形成することもできる。
本実施形態では、分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15b及び支持枠部材21の対向配置される面に取り付けられる接合補強金物22は、例えば金物厚さが1.6〜5mm程度の金属板からなる。接合補強金物22は、前面板22a及び一対の側面板22bからなるコの字断面形状を備えるように折り曲げ加工されると共に、例えば300mm程度の長さで形成される。また、コの字断面形状の一対の側面板22bには、複数のビス孔30が穿孔形成されており、これらのビス孔30を介して支持枠部材21に向けて固定ビス29を打ち込むことにより、コの字断面形状の接合補強金物22を分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15b及び支持枠部材21に密着させつつ強固に固定することが可能になる。
本実施形態では、接合補強金物22は、支持枠部材21の長手方向に例えば300〜600mm程度の中心間ピッチで間隔をおいて各々6箇所に取り付けられている(図2(a)参照)。また、対向配置される分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15b及び支持枠部材21の外側面を覆う、各一対の接合補強金物22の前面板22aの間に挟み込まれるようにして、制震ゴム20が例えば3〜50mm程度の厚さで取り付けられている。これによって、左右一対の分割面状部材14a,14bの対向配置される一方の側端面15a,15b同士が、制震ゴム20を挟み込んだ状態で互いに接合されることになる。
ここで、接合補強金物22及び制震ゴム20は、一対の接合補強金物22の前面板22aの間に制震ゴム20を一体として挟み込んだ状態の制震ゴムユニット32を予め形成しておき、この制震ゴムユニット32を、各分割面状部材14a,14bの一方の側端面15a,15b及び支持枠部材21の間に設置することによって取り付けるようにすることが好ましい。また接合補強金物22は、金属製や合成樹脂製の部材であっても良い。
本実施形態では、分割面状部材14a,14bの対向配置される一方の側端面15a,15の間に挟み込まれる制震ゴム20は、制震ゴムとして知られる種々の制震ゴム材料を用いることができる。
本実施形態では、天井懐42において、左右一対の柱材11a,11bと、ファイヤーストップ横架材12bと、床梁12aとによる懐部枠体50の両側に取り付けられる耐力面材51は、例えば厚さが12mm程度の合板からなり、懐部枠体50の内側の中空内部の大きさよりも大きな矩形平面形状を有している。耐力面材51は、懐部枠体50の内側の中空内部を覆うようにして、両側に一対取り付けられるようになっており(図1参照)、4方の周縁部分を左右一対の柱材11a,11b、ファイヤーストップ横架材12b、及び床梁12aに重ね合わせると共に、これらに向けて例えば固定ビスを複数打ち込むことにより、懐部枠体50に一体として固定される。
懐部枠体50の両側に耐力面材51を取り付けることにより、壁用枠体49の内側に取り付けられた制震耐力面状部材14による作用と相俟って、間仕切り壁44の壁耐力を効果的に向上させることができ、間仕切り壁44を例えば壁倍率が0.5〜5程度の所望の壁耐力を備える耐力壁として機能させることが可能になる。
また、懐部枠体50の両側に取り付けられた耐力面材51は、天井懐42の内部の空間を間仕切り壁44に沿って区画することになり、これによって天井懐42に侵入した火災が容易に水平方向に拡大しないようにする、ファイヤーストップ材としての機能を発揮することが可能になる。
さらに、本実施形態では、懐部枠体49の内側の中空内部には、上述のように、これの両側に取り付けられた耐力面材51によって挟まれるようにして、例えばグラスウールからなる断熱材56が充填収容されている。懐部枠体49の内側に断熱材56が充填収容されていることにより、懐部枠体50の両側に取り付けられた耐力面材51によるファイヤーストップ材としての機能を、さらに向上させることが可能になる。
そして、本実施形態によれば、建物45は、図1に示すように、外壁54の内部には、例えばグラスウールからなる断熱材57を充填収容する必要があり、筋交が邪魔になるため外壁54に筋交を取り付けて耐力壁構造とすることができないことから、外壁54については、上下一対の横架材と、左右一対の柱材とによる壁用枠体に、外側から壁下地用耐力面材58を取り付けることによって耐力壁構造を備えるようになっている。これによって、建物45は、建物全体として優れた断熱性能を耐火性能とを備えることになる。
また、本実施形態では、壁下地用耐力面材58が、間隔をおいて平行に配置された複数の表側帯状小幅板と、間隔をおいて平行に配置された複数の裏側帯状小幅板とを、互いに交差させた状態で接合一体化してなる壁下地パネルによって構成されている。このような壁下地パネルとしては、例えば特開2000−160732号公報に記載のパネル部材と同様の構成を備えるものを使用することができる。壁下地用耐力面材58としてこのような壁下地パネルを用いることにより、当該壁下地用耐力面材58を通気層として機能させることが可能になると共に、相反する方向に傾斜させた各帯状小幅板を筋交いのように機能させて、構造用耐力部材としての所望の強度を効率良く得ることが可能になる。
さらに、本実施形態では、建物45における下階部分41の全ての間仕切り壁44が、上述の壁用枠体49に取り付けた制震耐力面状部材14と、懐部枠体50に取り付けた耐力面材51とによる制震耐力壁構造10を備えていることが好ましい。下階部分41における全ての間仕切り壁44が上述の制震耐力壁構造10を備えていることにより、間仕切り壁44の規格を統一することが容易になって、建物全体として優れた断熱性能と、耐火性能と、制震性能とを備える建物45を、効率良く形成することが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の制震耐力壁構造10や建物45によれば、上階部分40と下階部分41との間に天井懐42が介在する建物45において、制震耐力面状部材14を用いた間仕切り壁44に十分な壁耐力を付与できると共に、耐火性能を向上させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、間仕切り壁44の耐力壁構造10は、ファイヤーストップ横架材12bを含む上下一対の横架材12b,12cと、左右一対の柱材11a,11bとによる壁用枠体49の内側に、制震耐力面状部材14を設置し、且つ天井懐42における左右一対の柱材11a,11bと、ファイヤーストップ横架材12bと、床梁12aとによる懐部枠体50を両側から覆うようにして、耐力面材51を取り付けることによって構成されているので、これらの作用が相俟って十分な壁耐力が得られると共に、ファイヤーストップ横架材12b及び耐力面材51によって防火被覆55が突破された際の急激な火災の拡大を効果的に抑制して、耐火性能を向上させることが可能になる。
また、本実施形態によれば、制震耐力面状部材14の各分割面状部材14a,14bは、縦方向分割線Lに沿った一方の側端面15a,15b側の上下の角部分16が切り欠かれていて、この角部分16で上下の横架材12b,12cとの間に空間17が保持されると共に、対向配置される一方の側端面15a,15bの間に制震ゴム20が挟み込まれているので、地震時には、上下に空間17が保持された中央部分で変形しやすくなると共に、中央部分で側端面15a,15bの間に挟み込まれた制震ゴム20によって地震による震動エネルギーを吸収して、所望の制震性能を効果的に発揮することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
10 制震耐力壁構造
11a,11b 柱材
12a 床梁(横架材)
12b ファイヤーストップ横架材(横架材)
12c 土台(横架材)
14 制震耐力面状部材
14a 左側分割面状部材
14b 右側分割面状部材
15a,15b 一方の側端面
16 切り欠かれた角部分
17 空間
18a,18b 他方の側端面
19a,19b 上下の端面
20 制震ゴム
21 支持枠部材
22 接合部補強金物
23 取付枠部材
24,27 取付け溝
32 制震ゴムユニット
40 上階部分
41 下階部分
42 天井懐
44 間仕切り壁
45 建物
47 床下地材
48 天井下地材
49 壁用枠体
50 懐部枠体
51 耐力面材
54 外壁
55 防火被覆
56 断熱材
58 壁下地用耐力面材
L 縦方向分割線

Claims (8)

  1. 梁、根太等の横架材によって支持されてこれらの上方に床下地材が、これらの下方に天井下地材が各々取り付けられることにより、上階部分と下階部分との間に天井懐が介在する建物において採用され、下階部分の少なくとも一部の間仕切り壁に設けられる建物の制震耐力壁構造であって、
    該制震耐力壁構造は、天井下地材の取付け面に近接して配置されたファイヤーストップ横架材を含む上下一対の横架材と、左右一対の柱材とによる壁用枠体の内側に、制震耐力面状部材を設置し、且つ前記天井懐における前記左右一対の柱材と、前記ファイヤーストップ横架材と、床梁とによる懐部枠体を両側から覆うようにして、耐力面材を、これの周縁部を前記左右一対の柱材、前記ファイヤーストップ横架材、及び前記床梁に固定して、前記間仕切り壁に取り付けることによって構成されており、
    前記制震耐力面状部材は、前記壁用枠体の内側開口形状を縦方向分割線によって2分割した形状に近似する略縦長矩形形状を備える左右一対の分割面状部材からなり、各分割面状部材は、前記縦方向分割線に沿った一方の側端面側の上下の角部分が切り欠かれて、該角部分で前記上下の横架材との間に各々空間を保持すると共に、他方の側端面と上下の端面とが、前記柱材の内側面及び前記柱材と前記上下の横架材との角部分の内側面に跨がるように連続して接合固定され、且つ対向配置される前記一方の側端面同士が制震ゴムを挟み込んで互いに接合された状態で、前記壁用枠体の内側に取り付けられている建物の制震耐力壁構造。
  2. 前記左右一対の柱材と、前記ファイヤーストップ横架材と、前記床梁とによる前記懐部枠体の内側には、前記懐部枠体の両側から取り付けられた前記耐力面材によって挟まれて、断熱材が充填収容されている請求項1記載の建物の制震耐力壁構造。
  3. 前記一方の側端面に隣接して支持枠部材が取り付けられており、該支持枠部材の間に前記制震ゴムが挟み込まれている請求項1又は2記載の制震耐力壁構造。
  4. 前記一方の側端面及び/又は前記支持枠部材の対向配置される面に接合補強金物が取り付けられており、該接合部補強金物の間に前記制震ゴムが挟み込まれている請求項1〜3のいずれか1項記載の制震耐力壁構造。
  5. 前記他方の側端面及び前記上下の端面に隣接して取付枠部材が取り付けられており、前記分割面状部材は、該取付枠部材を介して前記柱材の内側面及び前記柱材と前記上下の横架材との角部分の内側面に接合固定されている請求項1〜4のいずれか1項記載の制震耐力壁構造。
  6. 下階部分の少なくとも一部の間仕切り壁が、請求項1〜5のいずれか1項記載の制震耐力壁構造を備えており、
    建物の外壁が、上下一対の横架材と、左右一対の柱材とによる壁用枠体に、外側から壁下地用耐力面材を取り付けてなる耐力壁構造を備えている建物。
  7. 下階部分の全ての間仕切り壁が、請求項1〜5のいずれか1項記載の制震耐力壁構造を備えている請求項記載の建物。
  8. 前記壁下地用耐力面材が、間隔をおいて平行に配置された複数の表側帯状小幅板と、間隔をおいて平行に配置された複数の裏側帯状小幅板とを互いに交差させた状態で接合一体化してなる壁下地パネルによって構成される請求項6又は7記載の建物。
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